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勝鬨美樹
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2020/12/27

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  • 紅ひとつ 夢と思いを 刷り重ね#03

    新佃の叔母の工房へ出かけて、脇からその手間を見てると、年がら年中浮世絵を刷ってるわけじゃなかことが判った。他にも、ちょぃと豪華な年賀状や案内状なんかも刷っていた。そんな仕事を「数モノ」と呼んでいた記憶がある。きっと単価は低いけど、数が多くて納期もきついんで「数モノ」と呼ばれていたんだと思う。 それでも伯母の刷る年賀状は、どこか浮世絵の名残りをまとってると子供心に思った。鶴が飛ぶ空のぼかし、正月らしい紅白の色合いの重ね方、微かに金粉を散らしたような華やかさ。今思えば、あれは刷りの技術の高さがなせる業だったのかもしれない。だからこそ、そうした「数もの」が旬になると叔母に仕事として舞い込んで

  • 紅ひとつ 夢と思いを 刷り重ね#02

    僕の母方の実家は神田にあった。製本所を営む、職人気質の家だったと聞く。母も叔母もここで生まれた。母は九人きょうだいの八番目、叔母はそのひとつ上、七番目だった。 家業の製本所は祖父母と兄たち仕切っていて、帳面や教科書、時には和綴じの小説本まで綴じていたという。妹たちも皆その手伝いをしていたようだ。叔母もその一人だった。 戦時中も、製本の仕事は続いた。空襲警報の合間を縫っては、淡々と手を動かす日々だったらしい。紙を揃え、針で綴じ、糊で貼る。父や兄たちと肩を並べて黙々と働く、その光景を叔母は「あれは言葉のない勤行だったね」と語っていたことがある。 そして昭和二十年三月十日、あの夜。神田の町

  • 紅ひとつ 夢と思いを 刷り重ね

    「動き出す浮世絵展 TOKYO」の帰り、モノレールに揺られながら考えていたのは、浮世絵は絵師の手だけで仕上がるものではない、ということだった。 あの展覧会で印象的だったのは、プロジェクションマッピングによる視覚効果だ。多くの来場者はそれに魅了されていたが、あの映像をつくったデザイナーたちは、浮世絵という作品の成立に必要な「職人たちの手」に、ほとんど目を向けていないだろうな・・そんなことを思った。自分たちの腕を支えているアプリケーションをどう思っているんだろう‥と。浮世絵だが。浮世絵は絵師だけでは完成しない。 その制作には、三人の職人が関わる。 まず、絵師が構図を描く。次に、彫師がその

  • 藍よりも SDGsで 青多め

    天王洲アイルの運河沿いに並ぶ倉庫で開催されていた「動き出す浮世絵展 TOKYO」へ、嫁さんと行ってきた。 東京丨動き出す浮世絵展 Ukiyoe Immersive Art Exhibition TOKYO 2025年3月31日まで開催。江戸時代の浮世絵をデジタル技術を組み合わせ再表現。色鮮やかに描かれた花鳥風月や歌舞伎役者の迫 www.ukiyoeimmersiveart.com 何度訪れても、天王洲アイル運河周辺は、コンクリートと水面の静けさが交錯する、不思議な世界だ。 ちょいと迷って、ビルの狭間を抜けて歩いたら、全くの無人。思わず「夜は物騒だろうな」

  • 国家の分断と形成#12/51州目という予感は次の52州目を予感させる

    2000年代に入ると、カナダはこれまで以上にアメリカの政治動向に敏感に反応するようになった。とりわけ、2003年にジョージ・W・ブッシュ大統領が主導したイラク侵攻は、カナダ政府がその軍事作戦に参加していなかったにもかかわらず、国内に大規模な反戦感情の波を巻き起こした。 この反米的情緒は、カナダ人自身の価値観や制度への再確認にもつながった。以前から議論の対象であった公的医療制度(Medicare)に対しても、アメリカの民間中心型の医療モデルと比較するかたちで、反射的な支持が強まった。世論は、「完全でなくとも、より公正で連帯的な社会制度」として自国の仕組みに誇りを持つ傾向を強めたのである。

  • 国家の分断と形成#11/それを黄禍というか

    加えて、20世紀後半に入ると、カナダ社会の構造はさらに複雑化していった。その最大の要因のひとつが、アジアからの移民の爆発的な増加である。これがすべてを一変させた。 1960年代後半、カナダは移民政策を人種的に中立な「ポイント制」に転換した。これにより、それまで事実上白人中心だった移民の流れが一変し、1970年代以降、香港、中国本土、台湾、インド、フィリピン、韓国などアジア諸国からの移民が急増した。統計的には、1967年から1997年の30年間でカナダに定住したアジア系移民の数は約240万人に達している。とりわけ1980年代以降は、年間の新規移民のうちアジア出身者が半数近くを占めるように

  • 国家の分断と形成#10/カナダ人の国民的アイデンティティ

    第一次世界大戦後、カナダの英語話者たちは、歴史上初めて「国民」としての明確なアイデンティティを持つようになった。オーストラリアの同胞と同様に、欧州の戦場で流した血と犠牲が、運命共同体としての自覚を芽生えさせ、それは従来の帝国主義的価値観や地方的な忠誠心を乗り越えようとする意識へとつながっていった。 しかしこの変化は、国内に新たな亀裂も生んだ。とりわけ、徴兵制に対する強い反感、そしてヨーロッパの争いに巻き込まれず自らの世界を守りたいという願望は、フランス語を話すケベックの住民たちを、英語圏のカナダ人たちから一層遠ざけることとなった。 この徴兵をめぐる恨みと孤立主義的な態度は、ケベックと他

  • 国家の分断と形成#09/カナダとアメリカの切れ目ない緊密性

    1861年4月12日から1865年4月9日まで続いた南北戦争(アメリカの市民戦争)は、カナダをアメリカに併合する絶好のチャンスを、結果的に失わせることになった・・そんな話をした。 だが、もう一つ注目すべき事実がある。実はこの戦争とその後の時代を通じて、カナダからアメリカへの人の流れはむしろ加速していたのだ。1860年代から20世紀初頭にかけて、アメリカに移住したカナダ人の数は、カナダ国内に新たに移住してきた移民の数を上回っていた。 1900年までに、カナダ総人口のおよそ18%にあたる人々がアメリカへ移住したという。とりわけ、セントローレンス川沿いのニューヨーク州北部にはカナダ人が集中的

  • コンビニの辛子明太子お握りから思ったこと

    「これはもうダメかもな」と思う瞬間って、人生で何度かあるもんですが、それほど大仰ではなく、仕事で大きなミスをしたときとか、人間関係がぐしゃぐしゃになったときとかは、ああ!「これはもうダメかもな」と思うことはママありますな(笑)その瞬間は本当に最悪で「どうしよう」も頭に浮かばなくなっちまう。ところがですね、そういうときに限って何かが動く。 それまで見えてなかった自分の癖とか、周りの人の本音とか、気づいていなかった選択肢とか。そういうのが、急に見えてきたりするンです。 そう思うと、「危機」ってぇのは、無理やりこじ開けられるドアみたいなものかもしれないです。そんな風に思う。 こっちは開ける気

  • 国家の分断と形成#08/南北戦争がカナダにもたらした決断。そして日本の近未来についての余談

    1854年、カナダ植民地とアメリカ合衆国との間に締結された相互主義条約Reciprocity Treatyは、関税の引き下げと交易自由化をもたらし、両国間の経済的結びつきを飛躍的に深めた。木材、石炭、魚介類などの主要資源が自由に行き来することで、カナダ経済の中心は従来のイギリス市場からアメリカ市場へと移行していった。1850年代になる頃には、アメリカはカナダにとって最大の貿易相手国となった。 これはカナダ内部における併合論Annexationismに大きなきっかけを与えた。 特にイングロ・プロテスタント系エリートの間では、アメリカの経済力と政治制度への魅力が広まり、アメリカへの併合を強

  • 国家の分断と形成#07/根底に絡む国家としてのカナダの脆弱性

    選挙民主主義や君主制と比べたとき、寡頭政治の最大の弱点の一つは、その柔軟性の欠如にある。 カナダではこれが歪に顕在化した。 選挙民主主義では、国民は選挙を通じて政権を交代させることができる。失政を犯した政党や指導者を退陣させ、別の政党にチャンスを与えることが制度的に可能である。一方、伝統的な君主制においても、君主の個人的な判断によって顧問や大臣を入れ替えることができ、民衆の不満が高まれば、それに応じて政策担当者を交代させる余地がある。これらはいずれも、体制の全体を崩さずに、部分的に権力構造を入れ替える仕組みを内包している。 ところが寡頭政治は、そのような調整機構を持たないことが多

  • 国家の分断と形成#06/アメリカ的反権威思想や反中央集権体質が、アメリカをアメリカにさせた

    僕は、ときどき考えてしまう。40代になったばかりのジェファーソンの選んだ道のことだ。 トーマス・ジェファーソンは、国家による常備軍を常に嫌った。権力を集中させると、いずれそれは専制へと向かう。彼はそう信じていた。だからこそ、国防の担い手は人民自身であるべきだと考えた。自らの土地を、自らの自由を守るのは、市民であり民兵である。人民が武装し、自分の意思と責任で戦う・・それが共和主義のあるべき姿だと、ジェファーソンは確信していた。もちろんそれは、机上の理想だ。 1812年の米英戦争を見てみよう。アメリカは独立以来、初めてイギリスとの本格的な戦争に突入した。だが、その戦いは、ジェファーソン

  • 国家の分断と形成#05/フランス語話者と英語話者の比率

    アメリカ独立戦争のさなか、王政への忠誠を貫いたロイヤリストたちは、新生アメリカ合衆国にとって「異分子」とみなされ、多くが国外へと追われた。彼らの移住先となったのは、当時まだイギリスの支配下にあった北アメリカの五つの領域――ケベック、ルパートランド、セントジョンズ島(現在のプリンス・エドワード・アイランド)、ニューファンドランド、そしてノバスコシアである。 この移民の波は大規模なもので、ロイヤリストの総数は約三万三千人にのぼった。そのうち、約一万四千人がノバスコシア州本土に、さらに一万六千人がその周辺地域に定住した。また、約三千人がケベックへと移住し、そのうち千人は現在のケベック州内に

  • 国家の分断と形成#04/ケベック法と第2回大陸会議

    続く1776年、アメリカはノバスコシアの奪取も試みた。マサチューセッツの民兵部隊がノバスコシアに侵攻したものの、現地のロイヤリストやイギリス軍の守備に阻まれ、やがて敗走を余儀なくされる。このとき、アメリカ独立を支持していた現地の住民や義勇兵たち・・すなわち親米派の人々は、報復や迫害を恐れ、メイン州方面へと避難し、そこで新たに入植地を築くこととなった。 このように、アメリカ独立戦争期におけるケベック州やノバスコシア州からアメリカ本国への愛国者の移動は、単なる敗戦の帰結ではなかった。それは、政治的イデオロギー(王党派か独立派か)と宗教的立場の違いが、社会の内部に深い亀裂をもたらし、その断裂

  • 国家の分断と形成#03/ケベック法と第2回大陸会議

    このとき、ケベックで支配力を持っていたのはフランス系カトリックのエリートたちだった。 彼らはノヴァ・フランシア時代からケベックにおける支配層であり、彼らが17世紀から1763年までのフランス植民地時代にその基盤を築いたのだ。それは、この時代にフランス本国から派遣された行政官や軍人、そしてカトリック教会関係者・・とくに司祭や修道会のメンバーたちで、植民地の支配と布教を担う中核的存在だったのである。なぜなら教育、医療、福祉といった公共領域の多くは、教会によって運営され、ジェズイット会やウルスリーヌ会といった修道会が特に大きな影響力を持っていたからだ。 1763年、パリ条約によってケベックが

  • 国家の分断と形成#02/ケベック法と第2回大陸会議

    もう少しケベック法Quebec Actの話をしたい。 1774年、イギリス議会で成立したケベック法(Quebec Act)は、13のイギリス植民地、特にペンシルベニアやバージニアなど西部開拓の最前線にいた人々にとっては、あまりにも侮辱的なものだった。ケベック法は、イギリス政府がこれまで異教徒とみなしていたカトリック教徒に対して、あっさりと宗教的自由を認めたという「裏切り」に映ったのだ。 「我々は英国人としての尊厳を守るために、血と涙を流して荒野を開拓してきた」・・そんな誇りを持つ植民地人たちにとって、ケベック法はまるで、自分たちの「英国人としての権利」を根本から否定するようなものだった

  • 国家の分断と形成#01/独立した13植民地と残された他の植民地

    あらま。僕の「カナダワインとカナダ小史」が唐突に売れている。 トランプのおかげなのかなぁ~そう思った。 カナダのワインは東と西にはっきりと出自が別れる。たしかにフィロキセラは北米東部の自生するアブラムシだからね、耐性あるブドウの木は既に(今の)カナダ側にあったんだよ。あの地で当時バタバタと枯れたのは、耐性のないヨーロッパから運ばれたブドウの木だった。そして西側は、禁酒法から逃れた生産者たちの歴史だ。時代も出自も違う・・その経緯と、同時にカナダが国になっていく話、酒飲み話としてを書いた本なんだけどね。 カナダワインとカナダ小史 www.amazon.co.jp 2

  • 多文化思想が欧州らしさを「おもてなし」のネタにする

    現在、欧州を席巻しているイスラム教は、7世紀にアラビア半島で誕生した後、急速に中東、北アフリカ、イベリア半島、中央アジア、そしてインド亜大陸にまで拡大していきました。この拡大は単なる宗教的布教にとどまらず、しばしば軍事的・政治的な征服という形を取り、とりわけウマイヤ朝、アッバース朝、オスマン帝国などのイスラム政権は、帝国的な性質を強く有しておりました(Hugh Kennedy, The Great Arab Conquests)。 しかしながら、こうした事実にもかかわらず、今日の国際社会においては、イスラム圏はしばしば「植民地主義の犠牲者」あるいは「抑圧された存在」として描かれ、それに

  • Douglas Hofstadter’s I Am a Strange Loop

    わたしは不思議の環 www.amazon.co.jp 5,500円 (2025年03月29日 07:38時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する It’s already been fifteen years since then, hasn’t it? The year Douglas Hofstadter’s I Am a Strange Loop was published was the same year I returned to Japan from Singapore. Back the

  • 中国(共産主義的手法)の勝利なのか?#02

    そして、胡錦濤が登場し、続いて習近平が登場する。中国経済の軌道は、西欧諸国が考えるように「解放と民主化」には進まなかった。ソ連が壊れるように中国は壊れなかったのだ。 胡錦濤は、巨額の補助金を通じて戦略的セクターで「国家のチャンピオン」を目指した。江沢民と朱鎔基の方法をさらに強化した。そして経済への国家介入をより重視するようになった。言い換えれば、政府はさらなる市場自由化を追求するわけではなく、国家が介在することで、さらに高い売り上げが上がるようにシステムを拡大したのだ。 その努力によって、中国はより良いものを安価に作れるようになった。政府が介在しない自己努力だけの日本はこの時に負け

  • 中国(共産主義的手法)の勝利なのか?#01

    中国の成功は「改革開放」ではない。 現在の中国の成功は、しばしば「経済の自由化」として語られるが、実際には国家主義的な目標の名のもとに、市場への国家介入を強化した結果である。 それは列車が脱線して死亡事故を起こして、回収が猛烈に経費が掛かるなら、線路の脇にアナ掘って死体ごと埋めてしまう発想に相似している。絶対にユマニテというものに包まれている人々には生まれてこない発想である。毛沢東は、中国の共産化を維持するなら中国国民の1/3が餓死してもあるいは戦死しても眉ひとつ動かさなかったろう。 いまアメリカや欧州の国々がそれを形ばかり模倣しようとしている。 しかし「国家資本主義的な保護政策

  • トランプ式保護貿易主義のこと

    トランプが掲げた「アメリカ・ファースト」の経済政策について、すこし話してみたい。 彼の政策の中核をなすのは「国家主導の保護貿易主義」だ。その背景にあるのは、多国間主義への懐疑と国内産業の再活性化である。その「トランプ式保護貿易主義」の具体的な施策を見まわしたい。 ①対中関税の導入 2018年以降、米国は中国製品に対して数千億ドル規模の関税(最大25%)を発動。中国も報復関税を課し、特にアメリカの農産物が大打撃を受けた。これにより米中貿易戦争が激化し、グローバルなサプライチェーンに混乱が生じた。 ②NAFTA再交渉とUSMCAの成立 北米自由貿易協定(NAFTA)は「最悪の貿易協定

  • EUが見つめざるを得ない「国家による選択的介入」について

    中国のEVメーカーは、国家による巨額の補助金と産業統合の後押しを受け、低価格かつ高品質な車両を世界市場に供給している。欧州市場でも、そのシェアを急速に拡大している状況だ。この急激な台頭がもたらした衝撃は、欧州人の中に根強くある「自由貿易体制=正道」という信念を揺るがしているように思う。 EU、中国製EVに最大38.1%の相殺関税 中国は対抗措置の構え:朝日新聞 欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は12日、中国から輸入する電気自動車(EV)に最大38.1%の相殺関税を課す方針を www.asahi.com 商取引の本質は「自由競争」であり、その表れとして

  • ルーズベルトの大統領令6102号について

    トランプが大統領令や国防生産法(DPA)の発動に踏み切ったというニュースを見ながら Immediate Measures to Increase American Mineral Production By the authority vested in me as President by the Constitutio www.whitehouse.gov 僕は1933年のフランクリン・D・ルーズベルトによる大統領令6102号のことを思い出しました。大統領令6102号は、アメリカ市民による金貨、金塊、金証書の私的保有を原則として禁止し、これらを政府に引き

  • 大揺れする世界樹

    世界樹が「トランプ」という嵐に揺さぶられている。確かにこの嵐は、腐敗した実や枝を吹き飛ばす力を持っているだろう。しかし、それでも嵐は嵐だ。2025年から2026年にかけて、世界経済の不安定化がいよいよ顕在化するのは間違いない。 今回のエド・ダウドによるレポートは、そうした状況を多角的に分析している。 https://phinancetechnologies.com/Product_USEconomyOutlook2025.htm 彼は、DOGE(政府効率化局)の告発により、政府がNGO(非政府組織)を通じて資金を支出し、その過程で関係者が賄賂や利益を得ていた仕組みが明るみに出たと述べる

  • EUで「悪者プーチン」という合言葉がいつまで通用し続けるのか?#02

    欧州に跋扈する三人の魔女の話をします。それはウルズラ、アンナレーナ、そしてカヤと俗称されています。 彼女たちはいま、強硬な反ロシア路線を掲げ、さらにはついこの間までタニマチだったアメリカを恨み、その依存からの脱却を口にしています。僕はいま、彼女らの「いつものロシア憎し」の語り口が、やがて「米国憎し」へと転化し、そして最終的には、誰にとっても利益にならない軍事衝突の連鎖を招くのではないかという懸念を抱いています。 そもそも人命を軽視しながら領土や影響力を拡大しても、経済が回らなければ社会など築けないはずです。戦争は商いと両立しません。そしてAI幾ら尽くしで、いくらロボットを量産したとし

  • A Historical Walk Through French Wine and History for Couples#01: Bordeaux/Saint-Émilion/ Rhône (English Edition)

    A Historical Walk Through French Wine and History for Couples#01: Bordeaux/Saint-Émilion/ Rhône (English Edition) www.amazon.co.jp 449円 (2025年03月24日 13:50時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する Walking Through France, Tasting Its Soul In France, history doesn’t just live i

  • 二人の幸せが世界の幸せ

    トランプの外交スタイルは、旧来のアメリカ外交とは明らかに一線を画しています。彼がいまホワイトハウスで次々と進めているのは①ウクライナ戦争の早期収束やEUとの距離の取り方、そして②ロシアとの関係改善、いわば「新デタント(新たな緊張緩和)」の実現です。 ここにトランプが目指している「次の世界におけるアメリカの立ち位置」が透けて見えます。 そのキーパーソンがプーチンです。いまトランプは、プーチンとCEO対CEOによるJV提携とも言える動きをしている。僕はこの二人に強い歴史的な必然性と、世界が持つ自己浄化する能力を見ることができると感じています。 偶然で王者なった男の気まぐれではない。 今年

  • EUで「悪者プーチン」という合言葉がいつまで通用し続けるのか?

    どうでしょうか。どう思いますか? ドイツ国民が今後数年間にわたってEU全体の繁栄を財政的に支えることに同意するのでしょうか?「プーチン大統領は悪者」という物語で民意の整流ができるのか?。もし自分たちの生活を切り崩してまで、数千億ドル規模の新たな債務発行するつもりなら可能でしょうが。 当初は欧州全体で「プーチン大統領は悪者」やっつけるで合意していたのですが、ではそのお金が何処から捻出するかの議論になると、その一致は長く続きませんでしたね。EUのお金の70%はアメリカが出してきましたから、それが無いと、今度は自分たちの家計を切り詰めて「悪者プーチン」と戦うことになる。我が財布からお金を出

  • 19th-Century Paris and Nadar: A Photographer’s Sprint Through History (English Edition)

    19th-Century Paris and Nadar: A Photographer’s Sprint Through History (English Edition) www.amazon.co.jp 446円 (2025年03月22日 09:16時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する Félix Nadar: A Timeless Presence in the City of Light Félix Nadar, the dashing, mustachioed icon of the B

  • トランプのデジタルドル02

    えっと・・・なんで情報ハイウェイ構想なんてとこから話し始めたかというと・・これがブロックチェーン技術の誕生をもたらしたからなんですよ。中央管理者を必要としない分散型取引のアイデアは、この構想がもたらした新たな金融革命だったということ。 この分野の先駆者としては、1990年にデヴィッド・チャウム(David Chaum)が開発した「DigiCash」 があります。彼の「eCash」システムは、世界初の匿名性の高いデジタル決済手段として注目を集めた。しかし、商業的には時代が早すぎた。十分なインフラが整わないまま、1998年にDigiCashは倒産してしまう。 同時期に、Wei Daiが

  • トランプのデジタルドル01

    あ~いまさら人に聞けない「一体全体仮想通貨って何なの?」話から、最後はトランプの夢「デジタルドル」までの話までしちゃいます。知ってる人は読む必要のない原稿です#^o^# いま市場に流通している仮想通貨なるものは、その目的や機能によって三つにまとめられますな。それは①「決済・交換型」②「プラットフォーム・インフラ型」、そして③「キャンパス型」です。 此処では「決済・交換型」について話します。これが見えると、仮想通貨の利用法が見えます。 このカテゴリーには、ビットコインやステーブルコインなどが入ります。 ビットコインやイーサリアムなどの一般的な暗号資産は価格が変動し、投機的な用途に使われ

  • The Taste of Words: A Conversation on Language and Food in Tsukiji

    The other day, my wife and I went to Kurosawa in Tsukiji for lunch. 鉄板焼Kurosawa│黒澤 最高の食材を鉄板焼きで 9638.net We didn’t have a reservation. As we stood at the entrance, my wife asked, “Are you open for lunch?” The waitress cheerfully replied, “Yes!” It was well past 1 p.m. My wife said

  • デジタルユーロ導入のきな臭さ

    欧州中央銀行(ECB)は、デジタルユーロの導入に向けて準備を進めている。これはホールセール(金融機関向け)とリテール(一般市民向け)の両方を対象とした中央銀行デジタル通貨(CBDC)だ。ECBの総裁クリスティーヌ・ラガルドは、「デジタルユーロは、欧州委員会や議会、理事会などの承認を経れば、2025年10月に開始される」と発表した。 CHRISTINE LAGARDE: EURO CBDC TO LAUNCH IN OCTOBER 2025. This means the ECB will be in full digital control of every Euro wallet

  • オートペンで書かれていた公文書

    バイデンの機密文書持ち出しについてはメディアで大きく報道されているが、10日前にヘリテージ財団の監視プロジェクトが発表した「彼が任期中に署名したほぼすべての文書がオートペンで書かれていた」というニュース・・ほとんど報道されていない 🚨 REPORTER: “Are those [autopen] pardons from the former President now null and void?” TRUMP: “I would say that they're null and void because I'm sure Biden didn't have any idea

  • From Vine to Voyage: The Story of Wine and the Mediterranean (English Edition)

    From Vine to Voyage: The Story of Wine and the Mediterranean (English Edition) www.amazon.co.jp 446円 (2025年03月17日 12:17時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する To truly understand wine, it’s not enough to savor its aroma or analyze its taste. Every glass carries within it t

  • Call the VOODOO Priest,It' Party Time!!

    既に数か月に渡る停電は、ついに首都にまで及んだ。しかしキューバ共産党(PCC)は、まさに共産党らしい不透明性と責任の欠如によって事態を収束できないでいる。問題は悪化している。悪くなる一方だ。 キューバ全土で停電 - CNN.co.jp カリブ海の島国キューバで全国規模の停電が発生した www.cnn.co.jp 今回も、キューバ政府は迅速な復旧を約束するものの、具体的な進捗や原因についての情報公開は(あたりまえのように)しなかった。くりかえすのは「アメリカの経済制裁のせいだ」ばかりだ。 僕は2021年の反政府デモを思い出す。あのときも広域停電からだった。そ

  • Trump’s "Gordian Knot"/トランプの「ゴルディアスの結び目」

    The modern monetary system is dominated by fiat currency based on "national credit." However, I believe this structure will collapse rapidly in the near future. In the 21st century, currency will undoubtedly shift toward a convertible form. So, what will it be convertible into? The answer is "th

  • Exploring the Markets of Paris: A Journey Through Culinary and Cultural Treasures (English Edition)

    Exploring the Markets of Paris: A Journey Through Culinary and Cultural Treasures (English Edition) www.amazon.co.jp 446円 (2025年03月16日 00:19時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する パリの賑やかな市場を歩いていると、感覚と歴史の旅に引き込まれずにはいられません。新鮮な農産物の色、職人が作ったパンの香り、商品を宣伝する商人の声。これらはすべて時代を超越しているように見

  • それをやっちゃあオシメエよ

    プーチンが、あの紛争を始めた理由・・MoUの話をしないと、全体が見にくいかな。 MoUは、高校教師が大統領になるドラマの役者が、ほんとに大統領になっちまった話の裏に埋められた話です。 MoU・・「原材料に関する覚書Memorandum of Understanding」と言います。2021年7月です。 あのときはEU側からマルシュ・シェフチョビッチ副大統領、ウクライナ側からはデニス・シュミハリ第18代首相が参加しました。両者の間で2021-2022年や2023-2024年の具体的な行動計画(例:地質データのデジタル化、チタン採掘プロジェクト開始)などが策定しました。 EUにとっ

  • 貸せば神 返せは鬼に 返り袖

    ウクライナの領土にはロシアに跨って約2万の鉱床があります。これがトランプがロシアとJVを組みたいと言っている理由でもある。たとえいまさら英国が独占権を叫んでも、あの紛争でプーチンを追い出さなければ・・独占権は夢のまた夢です。 で。少しウクライナの鉱床の話をしますね。つまんないかもしれないが、聞いてください。トランプがどうして鉱物資源を渡せと言ってる理由の話です。 イスラエル東部には116種類の鉱物が埋蔵されています。具体的には、チタン/リチウム/ベリリウム/マンガン/ガリウム/ウラン/ジルコニウム/グラファイト/アパタイト/蛍石/ニッケルなどです。意外に知られていませんが、ウクライ

  • ドイツの決断は、マーケットや新興国市場に大きな影響を与えるだろう

    Following the German government’s announcement of a large-scale economic stimulus package, global bond selling has intensified. A week has passed, and the situation has settled somewhat, but we cannot afford to be complacent. The yield on 10-year German government bonds has risen to 2.85%, mark

  • 粋ぶれど 払う茶代の 釣り数え

    今、EUの御旗の上に肩を並べる諸王――イギリス、フランス、ドイツの指導者達、深刻な危機に耐えている。これまで彼らの「タニマチ」として潤沢な資金と軍事力を提供してきたアメリカが、態度を一変させたからだ。 先の大戦後、アメリカとヨーロッパの関係は常に一方 的だった。マーシャル計画によってアメリカは欧州復興に巨額の資金を投じた。そして冷戦期にはNATO戦争に対する防波堤として西欧諸国を支援した。その体制はバイデン政権まで続いた。 しかしだね。一歩下がって米欧の立ち位置を見てみよう・・そこには英仏独エリート層の、内心でアメリカを「移民の吹き溜まり」と見下し続けてきた歴史が見えてくる、と僕に

  • あんパン齧りながら

    ゼレンスキーがトランプとの会談にメディアが参加することを嫌った。にもかかわらずトランプがそれを仕掛けたとき、彼のはまるで酸っぱいレモンを噛んだような表情が浮かべながら会場に立った。僕はTVの前で、アンパンかじりながらそれを見た。どこで暗転するか? あの男はメディアの前で取らなければいけないスタイルがある。彼の役は、高校教師が正義に目覚めやがて大統領になる役である。だから、あの男は政治家が纏うべきスーツとネクタイをしない。メディア受けするいつも黒いコスチュームを着て、マーベルのヒーロー並みの格好でメディアの前に立つのだ。そのヒーローが負け戦になる会談に、ヒーローの格好のまま赴いたわけであ

  • ドニエプル川悲歌

    碧水東流痕長し、 孤帆の遠影 斜陽に没す。 寒風滴り涙烏克の地、 幽怨の哀声故郷に満つ 王の役を演じたとしても、王になれるわけではない。TVは残酷だ。ただ王を演じていただけなことが、隅々まですべて晒された。 動画の正直さを見事に使い切ったトランプの前で、うまうまと馬脚は出た。その後はヨーロッパの王たちの前を巡業して歩いているが、その間にクルクスでウクライナの若者たちが無為に死んでいる。その無数の死を誰が嘆くのか? https://www.reuters.com/world/europe/bulk-ukrainian-forces-fighting-inside-russia-alm

  • 新米露デタント期

    もしこのまま、ロシアの利益が大きい形でウクライナ紛争が終結/仲介されれば、ロシアは速やかに通常のドル利用へ戻ると考えています。 ロシアは紛争中も西側諸国への石油、天然ガス、ウランなどを供給し続けています。 まったく対立対抗していない。もし今後、レア鉱物アースやエネルギーに関する米国との経済協力が進めば、ロシアは再びドルを積極的に利用しますね。ロスチャイルドSWIFT制裁は雲散します。 まちがいなく(短命ではあった)1970年代の米ソ・デタント期が帰ってきます。1972年です。両国は「大穀物取引」と呼ばれる契約が結び、ソ連は米国から大量の小麦やトウモロコシを購入しました。米国とソ連が、通

  • 【ワイルドガード#15】A radical paradigm shift in collaboration with Russia

    The United States' Middle East policy, which has continued since World War II, originated with President Roosevelt’s decisions and has largely unfolded around its confrontation with the Soviet Union. During the war, Roosevelt met with Saudi Arabia’s King Abdulaziz Ibn Saud. This meeting took pla

  • 【ワイルドガード#14】ドミノ理論について

    「ドミノ理論(Domino Theory)」という言葉を最初に用いたのは、1954年のドワイト・D・アイゼンハワー大統領でした。 彼は「インドシナ、特にベトナムが共産主義に陥ると、東南アジア全体が次々と共産化する」と主張し、その際に「ドミノ理論」という言葉を重要なキーワードとして提示しました。彼の念頭には、ソビエト連邦との対立を通じて政権の安定を図り、世界各地の共産主義運動を封じ込めるべきだという考えがあったのでしょう。この封じ込め政策(Containment Policy)のもと、アメリカは軍事・経済支援を行い、共産主義の拡大を阻止しようとしました。その結果、周辺国には多くの恩恵がも

  • 【ワイルドガード#12】キッシンジャーの慧眼は正しかった

    2016年である。オバマ政権の時だ。希代の慧眼の士は何と言ったか? この年、共和党の大統領候補としてドナルド・トランプが登場した。あのとき、彼は従来の政治の常識を覆すような選挙戦を繰り広げていた。ワシントンのエスタブリッシュメントを公然と批判し、保守派の既存勢力としばしば対立しながらも、大衆の支持を集めていた。しかし所詮はイロモノである。泡沫でしかないと、すべてのメディアたちは見ていた。 その新参の政治家について、キッシンジャーは何を語るのか。僕はそのインタビューを見た。そして、トランプへの視線が180度変わった。 トランプをだよ。かつてプロレスのリングで、ビンス・マクマホンと

  • 【ワイルドガード#11】ルソフォビア(Russophobia)と言う言葉があります

    ルソフォビア(Russophobia)と言う言葉があります。ロシアやロシア人に対する、生理的な恐怖感、嫌悪感、修復できない偏見を指す言葉です。 もともとは18世紀から19世紀にかけて、英国やフランスで、ロシア帝国を「専制的で後進的な国家」として描く風潮が見られたころに生まれた言葉です。ロシアは汚らしい。ロシアは野蛮だ・・という視線です。もちろん背景は、正教徒・カトリックピューリタンの異教徒嫌悪が発祥です。 「嫌い」という枠に刷り込ませるのは、一番簡単な宗教的洗脳法です。 火葬の人々は土葬な人々をどう見たか?土葬する人は火葬する人をどう見たか?ではでは鳥葬の人・風葬の人は? 刷り込

  • トランプは「三方両得」ではなく「三方両損」の戦略を選ぶひと

    これまで続いてきたアメリカの対ロシア制裁は、冷戦終結後の1990年代から徐々に強化されてきています。特に2014年のクリミア併合以降は、制裁が確定的なものになってしまいました。しかし、この米国からの制裁が強化されても、ヨーロッパはエネルギーの安全保障を考え、ロシアとの協力を続けるしかありませんでした。自由経済の原則として、安くて便利なものを選ぶのが自然な流れだからです。 その象徴ともいえるのが、ドイツとロシアの間で進められた「ノルドストリーム2」パイプライン計画です。このプロジェクトは2015年に発表され、ロシアの天然ガスをバルト海経由でドイツに直接供給するもので、年間550億立方メ

  • the US + Anglosphere bloc + a neo-BRICS + a European bloc.

    トランプが英国のEU離脱(Brexit)を公に支持し、米英自由貿易協定(FTA)を推進すると表明したのを憶えていますか?2017年1月です。彼は米英FTAを積極的に提案し、当時の英国首相テリーザ・メイとネゴシェーションしています。 2020年から米英FTA交渉は正式に開始されましたが、彼の政権下では合意に至りませんでした。もちろん後任のバイデン政権では完全にスタックしています。 気が付きませんか? 彼のアングロスフィア計画Anglosphere Projectです。彼は英語圏諸国との結束を強化することで商いの相手を換えようとしている。彼が見つめているのは米国の産業基盤を再編する「再工業

  • Trump has not yet spoken on the matter. Is there a way out? If so, what is it?

    Elon Musk's statement that "the United States should withdraw from NATO (the North Atlantic Treaty Organization) and the United Nations (the United Nations)" is an extremely serious issue, particularly for Western countries, including those in Europe. Indeed, the United States has been the prim

  • 【ワイルドカード#07】春秋か暗黒か

    Inside the Assassination Records Review Board: The U.S. Government's Final Attempt to Reconcile the Conflicting Medical Evidence in the Assassination of JFK www.amazon.co.jp 6,561円 (2025年03月05日 21:40時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する JFKが、アメリカの内患を意識するようになったのは1961年のピッグ

  • 【ワイルドカード#06】トランプの視線が向いているところについて

    JFKが殺された理由・・1963年6月10日にアメリカン大学で行ったジョン・F・ケネディ大統領が行った演説をごらんになったことがありますか? 「平和のための戦略 (THE STRATEGY OF PEACE) 演説」と呼ばれています。 あまりにも巨大すぎて、誰も避けていた「力」に彼は立ち向かった。その決意と宣言がこれです。 しかし彼は敗れた。 同じくニクソンもまた、これに果敢に戦おうとした。その結果がウォーターゲート事件です。 第一期トランプ政権はどうでしようか?ありもしないロシアゲートを捏造され、彼の性格の悪さがディフォルメされ、彼が目指した「内患駆除」は眼晦ましされた。そして

  • 誰がNATOの金を払っているか?

    Just to be clear, the Europeans aren’t gonna do jack. pic.twitter.com/1fQZUGdZCA — Rod D. Martin (@RodDMartin) March 1, 2025 誰がNATOの金を払っているか? イーロン・マスクもXに「NATOの宿敵であり存在理由であったワルシャワ条約機構が解体したにもかかわらず、なぜNATOは存続し続けているのか、私はいつも疑問に思っていた」と書いた。 NATOは「少なくとも我々には要らない。我々が金を使うようものではない」・・という考えが米国で主流になっていくだろう。

  • 【ワイルドカード#05】お茶の間の話題は第三次世界大戦

    現在のEUの動きを見ていると、1941年にナチス・ドイツがソ連に攻撃を向ける直前の状況と重なって見えてしまう。いまのEU指導者たちは、自らが積み上げた莫大な負債から目を逸らすために、ナチスと同じ道を進めているのではないか。 もしNATOがロシアと直接対峙することになれば、欧州の安全保障秩序は根本から揺るがされることになる。 ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長の動きは、ウクライナを「敵の攻撃を防ぐ壁」にしようとしているように見える。彼女の発言の裏には、ロシアが西ヨーロッパに軍事攻撃を為るという恐怖があるように思う。 穿った見方をすれば、欧州委員長の態度には、国内の政治的対立を外部

  • 戦争で負債をチャラにできる時代は終わった

    一斉にゼレンスキーの言動を称賛するメッセージを見ながら、おいおい、一斉にゼレンスキーの言動を称賛するメッセージを見ながら、おいおい、戦争で負債をチャラにできる時代は、コンピューターが滅ぼしたんだよ~と思った。 https://x.com/PhilHollowayEsq/status/1895597626390933664 So... how did all the Euro leaders happen to post the exact same identical thing? I mean it was identical - down to the letter! Ca

  • Tokyo1945-1946: A Tale Standing Amid the Scorched City (English Edition) Kindle版

    Tokyo1945-1946: A Tale Standing Amid the Scorched City (English Edition) www.amazon.co.jp 0円 (2025年03月02日 17:03時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する The war was over. Yet, in a way, everything began from that very moment. In the scorched ruins of Tokyo, the footsteps of

  • キッシンジャーとルーズベルトそしてトランプの台頭

    アメリカ外交史において、ヘンリー・キッシンジャーは冷徹な現実主義の象徴として際立っている。彼の外交哲学は、19世紀のイギリス外相パーマストン卿の「永遠の同盟も敵も存在せず、あるのは永遠の国益のみ」という考え方に通じる。また、ドナルド・トランプの「アメリカ・ファースト」の姿勢にも近いものがある。彼が主導したデタント政策や中国との関係正常化は、アメリカの覇権を維持しつつ、紛争を封じ込めるための冷静な戦略であった。 一方で、現在、アメリカとヨーロッパの利益が乖離している背景には、ヨーロッパ側の価値観の変化がある。かつてヨーロッパとアメリカは自由主義やキリスト教的合理主義を共有していたが、ヨ

  • ウクライナ人難民は東西どちらを選んだか?

    以前にも書いたが、ウクライナの難民たちは、西側だけではなくロシア側を選ぶ人が多数いる。 ベスト5は、ドイツ1,243,445人/ロシア1,223,795人/ポーランド 993,795人/チェコ389,830人/イギリス253,535人だ。 https://www.statista.com/statistics/1312584/ukrainian-refugees-by-country/ 120万人以上のウクライナ人はロシアを選んでいる。 そうした家族たちの難民を「幼児誘拐」と叫んだのは誰か?そんなプロパガンダをロシアはしたか?あまりにも視聴者のインテリジェンスを見下した態度だ。

  • ヒールはドラマを簡単にする仕掛けだということ

    プーチンは、本当にヒールキャラ(マーベルはヴィランと呼ぶ)扱いで良いのか?そりゃ敵キャラがいるほうが話は簡単だよ。勧善懲悪論理は、モノを考えない人には便利なツールだ。しかしもう、そろそろ違う目でみるべきではないか? プーチンが1999年に権力を握って以来、25年間でロシア人がいかに豊かになったか。 Russia Life Expectancy 1950-2025 Chart and table of Russia life expectancy from 1950 to 2025. www.macrotrends.net ここ25年間で、ロシア人の平均寿命

  • 無為な駆け引きは三流ビジネスマンがやること

    みんなが黙って聞いてくれる舞台の前じゃないと、結局はセリフにふりまわされてしまう役者だった・・ということだろう。だれがこれをどう拭くのか・・https://x.com/i/status/1895621628182348266 ルビオはこう言っている。https://x.com/amuse/status/1895559986291315150... こちらも読むべきだろう 会見49分を見てみよう。最初から奥底にギクシャクがあるな。 https://www.youtube.com/watch?v=S_YtXWVfkJE バンスはまっとうでよろしい。日本の首相に対してもそうだが、ト

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