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弌矢
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2020/09/14

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  • 夏街

    ビニールバッグを抱えた少年少女、中央線の座席の上、ぶらつかせている細い足の長さもちょうど、ちょこんと上目遣い、並べた肩も細かった 向かいに立つ男が親と見える、彼は釣り道具を持っている、向かっているのは海と伺える、目的地は近場の千葉、いや、新幹線もありえる だんだん海が恋しくなってくる、自慢じゃないが泳ぎは達者、それだから夏はうれしいはずなのだ、しかしいまバッグのなかには謎の荷物 ばっくれたらにっちもさっちもいかなくなるだろう、なにが入っているのかどうにも察知できないでいる、釣り道具ではないはず、つれない荷物 新宿駅東口を屹然と出て、荷物をコインロッカーに入れたらさあOK、新

  • 昨日の日曜日、吉祥寺のZINEフェ...

    昨日の日曜日、吉祥寺のZINEフェスへ遊びに。 曇り空などなんのその! 作家さんたちの作品を見て、文化というものはこうして脈々と──などと関心したりしました。 ZINEフェスはぼくにとって楽しみなイヴェントのひとつになりました。吉祥寺パルコの屋上にいた皆様、幸いあれ。 弌矢

  • 都市部というアンビエント

    電信柱の上、鉛色の雲が流れる、街灯に浮かぶ公園でコンクリートに生きる物の怪と団地の少年少女が戯れる 塗装の匂い立ちこめる高架下より、うち捨てられたビニール傘、昔ジュース、橋の上より、川に反射する信号の明滅の赤と青 深夜の学校のプールにいくつもの波紋、降っている、黙り込んだ校舎のなか、にじむ警報ランプの赤、向かいのテナントビルも無人 しかし一階には灯るコンビニエンスアのしるし、通過する銀色にあかるい快速、駅まえの踏切のルフラン アスファルトに描かれた図形、飛び跳ねるレインコートの街っ子と都市部の物の怪、駐車場にもコンクリートの物の怪とカップルの傘 マンションのベランダから外を覗

  • 春のノンブル

    お日様にあかるい桜の樹の下、キックボードで川沿いを走る。「零! 爛漫だな」 私は零に呼びかけた。彼は口笛を吹く横顔を見せた。軀に浴びる花びらは流れて落ちていく。川から何かが跳ねるような音がして、その滞空時間に、 「ア 𓄿」── それから私はヒエログリフの夢を見ていたのだ。それはいつから持続していたのか記憶にないが、やがて𓄿は零に変容していった。見上げると、見下ろされている 花の舞う宙のなか、救急車を呼ぶかと零がいった。首をふって、ただでは死なない、起きない、と私はアスファルトに耳を澄ました まだ凍てつく地下鉄の音が聴こえる。それに乗る寒そうなミイラたちを思いながら、こうしてあ

  • 谷間の百合の白め

    緑に乗って黄に乗り換えて、さらにオレンジに運ばれ、街に出れば颯爽と歩くトレンチコートの男女たち、ずいぶんと立派に見える、なんてビジネスライクなんだ その歩きかたに見とれているうち、ビジネスする彼彼女たちから遅れをとって、自分のビジネスも無駄な時間を喰い、急いで百合の白を探すべくポート迄 百合の白、彼女のその純白は、いとけない世間知ラズの少女のようでいて、その実不義理の大人である、おれの制裁に値するあばずれである コンクリート製ジャングル、捜索するおれは速度二〇kmのトランスポートシステムの上に立つ、ゆくさきはめくるめく高層ビル街区、ぐるぐる 青をバックにのしかかるNSビル、

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