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都合による詩誌に載せられなかった詩を掲載しています。全員が全員共感してくれるとは思いません。でも100人中、5~6人は共感してほしいな、という個人的希望を持っています。

牛田丑之助
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2020/08/27

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  • マクラガエシがやって来た

    明け方 窮屈なソファで目覚めタオルケットと毛布を仕舞おうとしたら枕が裏返しになっていたマクラガエシだマクラガエシがこの部屋に来たのだ道理でいつもの重甘く奇妙な悪夢を昨夜は見なかったマクラガエシが夢を盗んでいったのだマクラガエシがいる家には倖せが訪れるそんな伝承があるが傘はさせば勝手に跳ねて行ってしまい顔を洗っていると背中に爺さんが載って泣き夜になるとキッチンで小豆を洗う音がするこの家の何処に倖せが...

  • タクシー

    すみません 次の次の沼を左へ調教師は無言で頷く振動は柱時計の振り子の緩やかさで身体を揺さぶるこの辺ってと調教師に話しかける美味いラーメン屋ないんですかねさあ水場しか知らないんで調教師は余計な話をしたくないらしい仕方なく剛毛がまばらに生えた灰色の硬い皮膚をそっと叩いたりして無聊を慰める急に前のめりに止まる兎が前を横切ったようだ基本的に怖がりなのだそしてゆっくりとまた動き出すあ 次の椰子の木の根元でい...

  • 雨が打ちのめす

    今夜打ちのめされた俺に土砂降りの雨が三百年生きた蛙の羊水が降っている恋に破れたわけじゃない夢を失ったわけでもないただ垂直に立つだけのことが困難な地平を腹這いの俺に徹底的に舐めつくさせる雨はモンスーンに乗って北太平洋の西海岸を濡らし日本列島の西半分を濡らし瀬戸内海のどん詰まりの大阪を濡らし大阪の北にある俺の家を濡らし俺に降りかかりまさに俺を刺すきっとこの雨は港に突き出たあの公園にも降っているだろう人...

  • 胸倉をつかめ

    誰でも怒るときはある散歩中に犬に吠えられたりスーパーのレジで知らん顔で横入りされたりコンビニの前に弁当の容器が放置されていたり普通ゴミの日にペットボトルが出されていたり遠慮することはないそういう時は胸ぐらをつかめそしてお前の怒りをぶつけろ相手の首が千切れるほど揺さぶれ怒りは不浄を浄化する怒りは厭世を脱却させる怒りは負を正に転換するだから胸ぐらをつかんでやれお前を捨てたやつをお前を裏切ったやつをお前...

  • 魂の市

    朝靄が濃い部分はだんだんに濃く薄い部分は徐々に薄くなっていき朧な輪郭はやがて明確な形となり一人の男の姿となって立ち現れるそれはあなたを迎えに来た者ださあ行こう魂が売買されている市場へ急がないと生きのいい魂は売り切れるあなたに与えられた生だけでは十分に使命を役割を願望を果たせないと思ったら新しい魂を購入して更新するしかない生まれたばかりの赤ん坊の魂か明日婚姻する若い娘の魂かそれは行ってみなければわか...

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