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都合による詩誌に載せられなかった詩を掲載しています。全員が全員共感してくれるとは思いません。でも100人中、5~6人は共感してほしいな、という個人的希望を持っています。

牛田丑之助
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2020/08/27

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  • 柑橘臭

    エレベータに六階から乗って来た真っ赤なレインコートで金色の髪の照る照る坊主は鼻を捥いでほしいほど殺戮的な柑橘臭だった一階でエレベータの扉が開けばそこは雨で今夜はどんな牡を誑(たぶら)かすのか淋しい牡の心を射止めるなら雨の薫りの方がよほど効果的だろうに雨は墓地を川面を工場群を越え伊吹山地まで濡らしているタクシーのワイパーに街が拭われ車内に柑橘臭が満ちてもお前の獲物は絆(ほだ)されお前の孤独は癒やされ...

  • 愛の歌について

    君は一人じゃないと歌われるより一人に耐えろと歌われる方が心に触れる人間への愛を語るより君への愛を語ったほうが本当らしい人は何もできない中国の奥地で生体移植を待っている子供を連れて逃げてくることも戦車が他国を蹂躙するのを止めることも目の前の人を心の底から大切にし愛することさえ今死んでもいいと思わなければできないだから人類の未来より君との明日だけを考えて生きる...

  • 傷を癒すのが趣味だから金属束子で心臓をこすられるのがうれしい切り傷 擦り傷 刺し傷がたくさんつくほどほくほくとそれを癒す水色の風が吹き慎重な癒しの作業を温めてくれるがそれは憐憫よりも痛い傷を喜ぶこころの揺曳は強度の近眼の凝視で焦点もなく色彩だけが躍る貶められ否定されることは存在理由を教えてくれるが空間の裏ページに人型の陥穽を作るだけでカウパー腺液が溜まるのを待っても心の傷を自分で癒すのには追い付か...

  • ひとり

    精神の深夜に彷徨すれば誰ともすれ違わず街が流れる狗さえ吠え付かない僕は芯から孤独だがただ普通の人の普通の人生を歩んでいるだけだみんな僕の周りから葬式のあとのように静かに消えて行くこうして誰にもすれ違わないでひとりで生きてひとりで死んで行く友達は必要じゃない わけでもない友達ができない わけでもないただ誰もこの世界にいないだけだありがとう 孤独の崖から落としてくれてありがとう 失意の中に曙光を与えて...

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