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  • 野村朱鱗洞の70句 (2/2)

    野村朱鱗洞の70句 (2/2) 林が暗うなりゆけばいつせいに光る水かな足袋濯げば干すほどの日ざし來ぬ葱の香にやすらかなつかれ出でにけりかろきつかれにさらさらと繰る書なりへうへうと人ら過ぎゆけり風の中路地の宵淋しき月が懸かつてゐたりかそけき月のかげつくりゆく蟲の音よ月夜の雲ひえびえと野の四方にありし風ひそひそ柿の葉落としゆく月夜わが淋しき日にそだちゆく秋芽かな 家路はるけく思ふとき夜雨に遇ひし淋...

  • 野村朱鱗洞の70句 (1/2)

    野村朱鱗洞の70句 (1/2) 麦は正しく伸びてゆき列をつくりたり牛のまなこにあつめたる力燃ゆるなりあらしのまへのさくらうつうつしづまれるはる日ゆたかに暮れてゐにけり囀りをはりいつまで枯れてある草なるぞ火を焚くよ墓を去らんとし陽炎うてをる土よ身をかろやかに舟に寄せたり舟をやる陽のましたへ舟をやりたりうしほがあふれわだのはらよりひとも鯛つりわれも鯛つりさむき日向と思へば人が火をたきし どつと起り...

  • 泉鏡花の30句

     春浅し梅様まゐる雪をんな朧夜のさくらにすゞはなぜつけぬ春の川ふたりが中を流れけり夕月や一本杉のかゝり凧大屋根やのぼりつめたる猫の恋うつくしや鶯あけの明星に五月雨や尾を出しさうな石どうろ日ざかりや土手走り行くはだかの子髪長き蛍もあらむ夜はふけぬうすものゝ蛍を透かす蛍かな 梟の声にみだれし蛍かなわが恋は人とる沼の花菖蒲萍うきくさの一つになりて流れけりお見舞に狸も来たり今日の月十六夜やたづねし...

  • R4-6-19 六月句会レポート

    日々の感動を自由なリズムで詠み投句しよう ご訪問いただきありがとうございます泉の会は俳句を触媒にあらゆることを話題にあげ会話を楽しむ、肩肘張らない愉快な句会です。みなさまの投句を募っています。ぜひ句会にご参加ください。2022年6月19日 六月句会 全17句選句・鑑賞は後日掲載いたします。ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!にほんブログ村...

  • 7月句会のご案内

    泉の会 7月句会のご案内時:7月24日(日曜日)午後1:00〜5:00所:ウィングス京都 地下1階 会議室10投句〆切:7月21日投句・句評・感想、歓迎します。句会へのお試し参加・投句は無料、皆様のご応募をお待ちしています。投句は月に五句以内、俳号・ニックネームにて、コメント欄のSECRETにチェックを入れ送付ください。通常のコメントはSECRETにチェックを入れずにお願いします。句会の結果は当ブログの句会レポートにて発表し...

  • 放哉から井泉水へ 2

    大正14年 9月25日(南郷庵より)  啓、小為替封入の御手紙本日着、例により感佩……扨一二氏御たづねした事と思ひます、シンミリお話し下すつた事と思ひます……何分共御たのみ申します……明日位、一二氏との御話合の手紙が来るだらう……と心待ちに待って居ます、別段変わった事もありますまいけれ共……井児氏——色々申してくれるので——万事、井師一人とご相談下さい、……只、井師の言葉が……即「実行」なんだからと申してやった...

  • 井泉水から放哉へ 3

    大正14年 9月23日(京都剣宮町十六より)  入庵雑記、結構なり、続筆を乞ふ、少々楽屋落ちすぎる所は削って、層雲に載せようと思ってゐます。(十一月号以後余白を見て)  二度の長いお手紙拝見、北朗にも見せました、而して、二十五日に一二が上洛するかもしれぬといふ事だから、其の大兄の御気持を以って一つ、じっくり話して見ようと思っています、然し、十円の件は一二に対して精算云々などと、水くさい事を...

  • 放哉から井泉水へ 1

    大正14年 3月23日(神戸市兵庫長沢町、後藤氏方より)  今日ハ相済マヌ事申上ゲマスガ御許シ下サイマセ、私ハ厄年ノセイカ、未ダ「業」ガ尽キヌノカ、スマ寺デ大分落付キカケテ居タ処、約三ヶ月前カラ、ポツ々エライ問題ガオキテ来マシタ、簡単ニ申セバ、只今ノ「インゲン様」ト云フ本尊ヲ、隠居サセテ、他ニ、三人ノ住職ガヲリマスガ、之ガ会計カラ、何カラ全部、自分ノ権利中ニオサメルト云フ事ナノデス、目下スマ寺...

  • 井泉水から放哉へ

    大正15年 9月4日(京都剣宮町十六より)  三日の夜、旅行から戻って、こちら宛の御手紙三通拝見しました。 悲喜こもゞ至って大分曲折もあったやうにうかがはれましたが、ともかく西光寺サンの一方ならぬ御世話によって、活路を見出されたらしいので、私も安心しました。西光寺さんへは御言葉までもなく、私から今、礼状を出し、今後の事もよろしく頼んでおきます、「入庵雑記」といふようなもの、層雲の為めに書いてく...

  • 昭和62年6月14日 六月句会

    日々の感動を自由なリズムで詠み投句しよう ご訪問いただきありがとうございます泉の会は俳句を触媒にあらゆることを話題にあげ会話を楽しむ、肩肘張らない愉快な句会です。みなさまの投句を募っています。ぜひ句会にご参加ください。昭和62年6月14日 六月句会於:東福寺天得院 得点順 一匹の虫殺した男の裏側 美邦子 5点 色鉛筆なに色から塗ろう私の白地図 徳子 5点二...

  • 京極杞陽の50句

    世が世なれば、豊岡藩十四代当主でお殿様。倉坂鬼一郎氏曰く、「バカ殿」系の脱力俳句に余人の追従を許さない魅力があると。十五歳の時、関東大震災で姉を残して父母弟妹ら家族全員を喪った。貧乏を句にしているが、平民とは異質な貧乏だろう。我が子や妻への眼差しが温かく情があり、現実をしっかりと見るリアリスト。おおらかで、あっけらんと愛おしい。一気読みで温かい心地になった。 父子たのし破障子よりにらめっこさむ...

  • 藤沢周平の30句

    藤沢周平が俳句に関わったのは昭和28年春から31年春まで。病気療養のため郷里の山形県鶴岡市から北多摩の病院に入院してから。退屈していた患者や職員などの有志が「野火止句会」を立ち上げたのをきっかけに、主唱者が提稿していた「海坂」に、メンバーたちも投句を始めた。「海坂」は百合山羽公と相生垣瓜人共宰の「馬酔木」系の俳誌であった。氏の小説に出てくる架空の「海坂藩」は名前を借用したと書いている。  「海辺...

  • 座禅草 立日十の声

    座禅草 山にまだ雪が残る3月17日、滋賀県高島市今津町弘川の座禅草をみに行ってきた。湖西バイパス161号線を今津町弘川で降りたところで、目の前に竹藪が見え、その中に座禅草の群落がある。昔は何もない町だったが、今では「座禅草ウオーク」や「座禅草祭り」などの町おこしを始めたようで、竹藪の横に二箇所の駐車場があり鄙びた観光地になっていた。私がいったのはそんな行事が終わった後だった。竹藪の周辺とその中に遊歩...

  • 第五回 尾崎放哉賞応募作品 第一次選 通過作品【一般の部】(3/3)

    第一次選 通過作品【一般の部】(3/3) 二年会えなかった父の薄いまぶた 木村 恵子白木蓮そのままに音のない家族 野田麻由可深く吐き、吸うことよりも強い祈りはない気がして 藤倉めぐみ選ばなかった道が交わる 伽 瑤遠い日の病室の窓から母見えて一本道 加藤 武女の小部屋密になってざくろ 吉原 陽子僕の洗濯物が初雪見ている ...

  • 第五回 尾崎放哉賞応募作品 第一次選 通過作品【一般の部】(2/3)

    第一次選 通過作品【一般の部】(2/3) 手のひらに地球をのせて春風ひと吹き 佐川智英実曲線だけでできている笑っている女 重富 蒼子言葉をつり上げる インク壺は深海 重富 蒼子墓前に正座の酒を酌む 石原 修忘れたい石となって眠る サワイマコト両手で笑う幼子の初花火 野谷 真治旅の空何も決めず酔っている 野...

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