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  • 第914日 聖なる場所1

    聖なる場所聖なる場所がかつてはあちこちにあった何かが降りてくる場所人が踏み入れてはいけない場所今もその痕跡はぽつりぽつりとある不思議な力のある場所私には霊能はないけれど時には何かが湧いているのを感じる現代都市の聖なる場所は超高級店舗街かそこには何が湧いているのか聖なる場所がある街に住みたい神秘な力はもらえなくとも何かしら清らかなものは漂っているだろう第914日聖なる場所1

  • 第913日 内向感情

    内向感情内向感情は何の役にも立たぬ私には何ものにも代え難い生きる悦びであるのにそれをまさぐって生を無駄にしてきたそれに囚われて生を貧しくしてきた過ちだったのか焼け野原に立って私は茫然とするけれどその幻影と共にあった至高のものへの憧れの震えはどれほどみすぼらしくとも私の宝第913日内向感情

  • 第912日 バケ学

    バケ学HとOとCこの三つだけでどれほどたくさんの物が作られているか少し並べるだけで頭がくらくらする糖類、油脂はもちろんのことクエン酸、酢酸ビタミンCやプラスチックまでおいおいそれもHとOとCかよ単純な素材だけで無限の現われが作られている組み立て次第で毒にも薬にもなる何かものすごい秘密がここに隠されているような気がするがそれが何なのかさっぱりわからない第912日バケ学

  • 第911日 笑いの圧殺

    笑いの圧殺「笑っている者に災いあれ彼らは嘆き悲しむようになる」(ルカ6:25)捏造された神の子の言葉が恐るべき呪いとなった笑いを禁じるところにはヒステリーがあり弾圧があり人間の死があるなぜこんな言葉が生まれてしまったのかなぜそれを絶対の真理にしてしまったのかよきものに悪しきものを加えるのが人間なのか笑いもまた悪しきものが加えられているが枷を解き放つ笑いの破壊力を失えば人間の精神の自由はなくなるだろう第911日笑いの圧殺

  • 第910日 創造礼賛

    創造礼賛もし創造主としての神を信じるならすべての被造物を賛美しなければならないどんなくだらないものもどんなおぞましいものも一瞬一瞬出会うすべてのものに神の創造への賛美を捧げなくてはならない毎瞬毎瞬驚き畏れ感謝に打ち震えなければならない敵は敵のまま悪魔は悪魔のまま感謝し礼拝するのだ闘いつつ憎悪しつつそれができないのなら神の創造について語るべきではない人間にそんなことは許されていない第910日創造礼賛

  • 第909日 本との出会い

    本との出会いこの本がなかったら私は今の私ではなかっただろうという本がいくつもある私はそれに感謝しなければならない出会わなかったらもっとまっとうな人生を送れたかという疑いも生じないではないがいやそんな人生はご免蒙るそんな力のある本は稀で出会うことも稀だろう僥倖なのか仕組まれたのかともあれそういう本が存在するほとんどの書き物が電子情報になってもそういうことは変わらず起こるのだろうか第909日本との出会い

  • 第908日 日曜夜の憂鬱

    日曜夜の憂鬱あれれもう一週間が始まるよついさっきようやく一週間が終わったばかりなのに一日一日を何とか頑張り一週一週を何とか乗り切り週末に少しだけ息をつきそうやって労働者の人生は過ぎていくそれでも子孫が育っていったり自分が成長していったりいつの間にか人生は動いていくひいひい言っている自分と大きな画面で見られる自分を両方持てるといいんだろうけどね第908日日曜夜の憂鬱

  • 第907日 不記

    不記イエスさんの言葉は書き留められなかったものが多かった話したことが全部残るなどあり得ないし人には理解できないものもたくさんだったろう彼が言っただろうと私には思える言葉が一つある殺すなら殺されろ魂が負う傷は殺されるより殺すほうがはるかに深い過激すぎて書き留められなかっただろうでも彼なら絶対言っただろう第907日不記

  • 第906日 テレビ

    テレビ光を発する箱の前にすわって笑ったり泣いたり怒ったりそんな光景はそもそもおかしい人間の本性に反している画面に映る情報や知識をただ黙って見てううむとかふんとか言うそれならおかしくはないこのへそ曲がりはどこから来たかたぶん私はいやなのだ人に感情を操作されるのが人の意図に操られて箱の前で喜怒哀楽するそれはやはりおかしい第906日テレビ

  • 第905日 浄土革命

    浄土革命法然親鸞の浄土教はすべてぶっ壊したんだな仏教というか宗教をまあ首の皮一枚は残して知も行も戒もどうでもいい師弟も組織も権力もない教学なんぞは余計なこと何と過激なその恐るべき破壊も今はどこへ教団を作り寺や墓を作り浄土の実在さえも言い淀みもう一度浄土革命が必要かな誰もがそれぞれなりの浄土へ行くという真実を蘇らせるべきじゃないかしらそして問題はその先にあるという真実を第905日浄土革命

  • 第904日 意識

    意識意識などは小さく脆いものそう学者たちは言い続けてきたけれどそれは悪魔の囁き人間を貶める罠正しい認識も心身の偏りの補正も意識が舵を取らなければ実現しない自分に向けて何が押し寄せているのか自分の中で何が蠢いているのかわれらはしっかりと意識せねばならぬ拡げなければならない強くしなければならないそれがわれら人間の責務第904日意識

  • 第903日 姿勢

    姿勢人の姿勢はそれだけで価値だとある賢人は言った敗北しようと病の中にいようと姿勢を保つことはできる誇りを持ちなさい優しくありなさい善きものを善しとしなさいいつも失敗しながらも私はそれを肯う姿勢だけは失うまいと第903日姿勢

  • 第902日 広大

    広大世は広大だわれらはその広大さと何とかつながろうとする広大さが恐ろしいから話題を作って群がったり権威を身につけ反り返ったりただ売名行為に走ったりアイドルオタクもその一種か世の広大が突きつけるわが身の小ささ弱さをわれらはそうやって必死に慰めるそれでも世の広大さはそこにある不気味な深海のようにわれらは日々脅え震える第902日広大

  • 第901日 不要

    不要本当はないほうがいいものはたくさんある中毒性嗜好品、宗教組織偶像、王制、墓、軍隊、食道楽やむを得なかったり多少の益はあるものだったり人間がもう少し利口になったらなくなるかもしれないしかしそうなったらなったでまた人間はないほうがいいものをたくさん作り出すのだろう人間そのものがないほうがいいということはたぶんないと思うけれど第901日不要

  • 第900日 九合目

    九合目九合目もうすぐ頂もうすぐ終わり喜ばしくもあり名残惜しくもありその先は虚空難儀な下り道を降りるよりそこに飛び込みたいと登山者は思わないだろうか山の頂には絶景が拡がるが詩作の先には?私の心は何も成長しなかった?その前に空から鉄骨が降ってくるかも決めたことができるのならただそれだけでいいか第900日九合目

  • 第899日 電線

    電線電線はずいぶん叩かれてきたけれどその乱雑に味わいを見出す人もいるない町並みはきれいだけれどあればあったで趣きもあるすごいものを張り巡らせたと感嘆しもっと多くの見えないものが張られていると想像すると群としての人間の力に圧倒される個人が張り巡らせられるものは何か人脈や情報網?それができなかった私は貧乏(笑い)いろいろなものを張り巡らせてようやく人は生きていけるけれどそれを抜け出たい思いもあり第899日電線

  • 第898日 近代芸術讃

    近代芸術讃いろいろ思いはあるけれど西洋の近代芸術というものはよきものだったそれはわれらが西洋近代文明に染まり切ってしまっているせいか?芸術という概念自体一時代の幻なのか?純粋な美の追求個人の心と魂の描写それも時代の神話なのか近代芸術は終わったかもしれない美と霊性をめぐる活動はどうなっていくのか私にはうまく想像できない第898日近代芸術讃

  • 第897日 務め

    務め悲しい悲しいと叫び続けることだ苦しい苦しいと呻き続けることだ解説などいらぬ解決などいらぬただそこにあって叫び呻き続ければいい何になるなど思うな何かが来るなどと期待するなこの世界は叫び呻きで溢れているただそれだけのことだ救われる道など誰にもわからないこの世にいる限りないのかもしれぬただこの事実を冷静に見つめろそれがお前にできる最上の務めだ第897日務め

  • 第896日 余計なお世話

    余計なお世話現実はそうでもないのにやたらに自分を偉いと思っている御仁がいる不思議でならないまわりはついおちょくったりするが一向に介する余地もないその不動不惑は羨ましく……はならないそのまま死ねば幸せだろうという考えも成り立つけれどあの世があるならそうは行かないあちらで気づくのか気づかないままどうにかなるのか余計なお世話だが少しく心配ではある第896日余計なお世話

  • 第895日 廻水

    廻水われらは行く川の水なれども美しき渓と滝を穿たん湖となって空を映し緑なす野を潤さん天地の精妙なる造化に一筋の彩りを加えんやがて空に昇りて遠き星々の光を浴び陽光を七色に輝かす雲とならんそして雷鳴と共に地に降り落ち再び大地のいのちを育まんよし千度の巡りの定めとすれどもわれらは静かにその道に赴かん造化の中のわれらが定めなれば第895日廻水

  • 第894日 棒

    棒棒はただ立つまっすぐに立ち尽くす風を受けず雨を止まらせずただ無表情に立つそれでも太陽は影を作る影はゆっくりと回転し日々少しだけ姿を変えるただ棒は天のどこかを指して立ち続ける第894日棒

  • 第893日 愛を超えて

    愛を超えて愛する人たちがいれば世は大切なものになる平和で豊かであってほしいと願う愛する人が誰もいなければ世はどうでもよくなる時には憎むべきものになるそんな人間の我が儘を超えて世を大切に思うには何が必要なのだろうかその何かを見出さなければ世は滅びるだろうそして世は今滅びつつあるだろう第893日愛を超えて

  • 第892日 不帰

    不帰もう一度という言葉はもう私にはないやり直したいことはなく繰り返したいこともない最も輝かしかったあの夏の日ももう味わわなくていい犯してしまった愚行もそのままでいい長い旅をしてここにいる道のりのすべては過ぎ去ったものけれどすべては消えずにある愛しすがるでもなく憎み厭うでもなく私はそれを静かに抱き止める第892日不帰

  • 第891日 探検

    探検気の合った仲間と探検に行きたい未知の野を渉猟し名も知らぬ山を登り見たことのない風景と出会い猛獣や魔物に脅えひやりとする危険をやり過ごし満天の星の下で野営したい義務も競争もなくただ心躍らせる体験を求める探検は生きることの原初の姿もう叶わぬ夢だから死んであちらの世に行ったら思う存分あちこちを探検したい第891日探検

  • 第890日 悪夢

    悪夢悪夢は誰が作っているのか心の不燃物か脳の乱脈か内臓のうめき声か道を間違え魔物に襲われ親しい人に嘲笑されそれらに何の意味があるのか合理的な理由があるのか単なる偶然の悪戯かそれすらわれらにはわからない以前よりは悪夢は少なくなった心が落ち着いてきたからかそれとも生命力が衰えてきたからか第890日悪夢

  • 第889日 右の頬を

    右の頬を「右の頬を殴られたら左を出せ」というのは「迫害するならもっとやれやお前たちの罪がもっと重くなるぜ」という呪いの言葉だ呪ってはいかんのだけれどそうは言っていられないやれよ地獄に行くのはお前だぜと凄まざるを得ないこともある悪はやり逃げということはない必ずその魂に返って行く宇宙は完全なものであるから呪う必要もないのだろうただ冷ややかに見つめればいい相手のために泣ければもっといいだろう第889日右の頬を

  • 第888日 幼稚な自我

    幼稚な自我幼稚な自我を他者や社会にぶち当てて壊す何度もそれをしない魂は厄介やたらに増長して手がつけられない大人になったからといってそれを怠るとはた迷惑な老害になる七十過ぎて幼稚な自我を振り回すのは恥ずかしい人生の最後まで幼稚な自我を壊し続けねばならぬ本当の魂を現わし出すために第888日幼稚な自我

  • 第887日 孤姿

    孤姿深い川をはさんだ向こうのか細く何もない道を午後の日に照らされて手拭いを頭に被った老婆が歩いていくこの静かで豊かな村が彼女だけのために存在しているかのようにその姿はくっきりと鮮やかでその魂にはどんな時が流れているのか何がきらびやかな光を放っているのか何が悲しみの影を落としているのかそんなことはどうでもいいと老婆はゆっくりとしっかりと歩む山も川も草木もその姿を祝福している第887日孤姿

  • 第886日 奇妙

    奇妙この物たちがあるのが神秘この体があるのが神秘この私がいるのが神秘世は神秘だらけ何がなぜあるのか何を求められているのかわれらは知らずその恩寵を受け取るばかり自分たちの巻き起こす馬鹿騒ぎに右往左往し勝ち誇って雄叫びを上げてみたり挫けて泣き叫んでみたり神秘である以上に奇妙だ私はずっと奇妙さを感じ続けてきたそれが解けることはないだろう第886日奇妙

  • 第885日 酒

    酒若い頃はビール一杯で真っ赤になった父親側の血は分解能力が低いらしい青年になって何度も吐いたり救急車に運ばれたりして一応普通に飲めるようになった今は普通に気持ちよく酔える日と少しだけで苦しくなる日がある体質も日替わりになるものなのか今の若者は酒を毒と見るらしいたいへん利口なことだその利口が何に使われるのかは知らないが第885日酒

  • 第884日 騒音

    騒音都会に暮らしていると常にかすかな騒音を聞いている電機製品のモーター音か遠くから伝わる車や工事の音か野山に出るとそれがはっきりとするいくら蝉や蛙がうるさかろうと都会の底にあるあの騒音はないもしかすると永遠からの囁きもこの騒音に掻き消されているのか野山で死が優しくなるのはそのせいか騒音でできた虫籠の中で光を求める蛾のように右往左往するそれが都会人なのかもしれぬ第884日騒音

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