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  • 第945日 毒蛇

    毒蛇あらゆる集団を毒する存在がいるしばしば権力者の横に社交的な華やかさを見せて疑惑を生み出し対立を作り出し隠微な影響力で操作し集団の生命力を衰退させるなぜその存在を排除できないのか誰もわからない権力者には違う顔を見せているからかこのことに多くの人は気づいていないたぶんその存在自身もまるで恐るべきタブーのようだ第945日毒蛇

  • 第944日 氷

    氷氷は死そのものその死を浸した水をわれらは飲む肉の炎で自らを焼き尽くさぬようわれらには小さな死が必要だ氷の鋭い刃で熱い心臓を突き通せば炎は瞬時に鎮まるだろうそのうち空から氷が降り人間たちの業火を鎮めるだろう人はその時本当の自身を知るだろう第944日氷

  • 第943日 パスワード

    パスワードパスワードを忘れると私は私でなくなるパスワードを盗まれると誰かが私に取って代わる私が私であること誰かが私でないことそれを証明することはこれだけ技術が発展しても難しいけれど私が私だと思っている私は本当に私なのか変な情念や思念に乗っ取られていないか私が私でなくなるのを防ぐには私自身へのパスワードが必要だ本当の私しか知らない秘密の言葉が第943日パスワード

  • 第942日 地獄

    地獄神を殺され永遠を奪われ死を遠ざけられ愛を腐食され家族を砕かれ仲間を毒されみじめなわれらしかもそのみじめさに進んでのめり込もうとするこの地獄は試練なのかその悲惨の中から何かが生まれてくるのか第942日地獄

  • 第941日 脱感情

    脱感情人との間に紡がれる細やかな感情作用を糧にしてあるいは苦悩の種にして人は生きていく私はもうそれをやめた幸福なことか不幸なことか憎まれたり攻撃されたりは嫌だけれどまあさらりと身をかわしてそれでも人の笑顔には心が温まる私とは関係なく笑顔は感情とは別のものだろう感情を超えて笑顔を浮かべ感情抜きに笑顔を味わいたい第941日脱感情

  • 第940日 添酒

    添酒ワインのない食事は陽の射さない一日のようなものとフランス人は言うなんか少しむかつくけれど酔っ払ってどんちゃん騒ぎはなくてもいいけれどおいしい食事を味わいながらほろ酔いになり明るいおしゃべりをするのは人生の至高の楽しみの一つ冷酒なしの刺身ワインなしのステーキそれはやっぱり情けないいや牛丼にグラス生ビールでも十分に贅沢で幸せ酒は摂食を食事にする第940日添酒

  • 第939日 脂

    脂つるつるべとべと脂はきもいつるつるべとべと脂はおいしいきしむ体に脂をさしたいけれども脂はぶよぶよお腹に溜まるいつからか脂は毒のように言われ現代人はぱさぱさになった脂っ気が抜けてきしんでいるのに妙に脂臭い匂いを立てている毒は脂とは別の所にある気がする第939日脂

  • 第938日 物語

    物語物語に遊ぼう怒ったり笑ったりはらはらしたりあるいは味わいある情景が流れる物語抜きではこの世は流砂の園ばらばらの混乱は物語で美しくなる紋切り型でも悪くはない独創的なら素晴らしい濃密でも淡麗でもいい自分の人生も物語にできれば心はいくばくか軽やかになるだろう死も虚無も跳ね返せるだろう第938日物語

  • 第937日 愛想尽かされ

    愛想尽かされ楯突いて我を出して吠えまくり自分で潰れる見放され愛されず縁を切られる当然のことけれどもほかに振る舞い方がわからない救いがたい愚かさ素直な子供になること従順な奴隷になることではない道は見えない第937日愛想尽かされ

  • 第936日 無姿

    無姿あの高貴な火の中に飛び込んで自分を焼きたい諸々の余計なものを燃やし尽くしたいあの純白の雪の中に融けほぐれて自分を消したい中まで染み込んだ汚れを流し尽くしたいわが身わが心こそがけがれているのだそれをすべて消し去って聖性へのまっさらな意志となって新たに生まれたい姿となることがけがれを持つことなら姿を消し去りたい一筋の震えとなって天の底まで突き進んでいきたい第936日無姿

  • 第935日 悪夢

    悪夢青く澄んだ湖のほとりの無人駅で私は小さな駅舎の壁に言葉を刻もうとしたそれは特別な任務秘密で重要で少しばかり悪私はドライバーを手にしたがそこには古い別のドライバーがあった壁にはすでに文字が刻まれ消えかかっていた私はその下に新たな文字を刻み始めたけれどそこに闖入者が来た隠れる場所はなく私はその男を殺すべきか迷うそこで声を上げて目が覚めた見知らぬ闖入者は私だったのか私は殺したのか殺すべきはどちらの私だったのか第935日悪夢

  • 第934日 阿呆話

    阿呆話阿呆話に聞こえるだろうけれど人類の目標は戦争や病気や飢餓を撲滅することではなく人類の一人一人が向上することだそれぞれなりの場所でそれぞれなりの水準でゆっくりと少しずつでも進化成長していくこと阿呆話に聞こえるだろうけれど実は一人一人がやっている何度もの人生を通してだからこそ世があることは肯定できる悲しんだり苦しんだりしてもそれがなければ存在はただ地獄だ第934日阿呆話

  • 第933日 泣き虫

    泣き虫毎日泣きながら暮らそうそれでいいではないか悲しいことばかりだからそれが当たり前のこと哀れな人間と蔑まれても何のこともないそういう人間だというだけのことそのことを悲しみはしない毎日笑って暮らせる人は幸いなるかなでも誰もがそうである必要はない人はそれぞれの心性を生きる泣いていてもいいのだ心が豊かであれば第933日泣き虫

  • 第932日 極楽三年

    極楽三年極楽浄土なんて三年もいれば飽きるさ酒池肉林だろうと親しき者との睦み合いであろうと娑婆が飽きないのは段々と成長していくからだステージごとに欲望も課題も変わる苦しいけれどよくできているあの世へ行っても魂は成長する成長があるなら苦しみもある極楽世界などはないのだ極楽を望まず成長の苦行を望むそれなら娑婆でもできる第932日極楽三年

  • 第931日 人間嫌い

    人間嫌い他人が嫌いというのは人間嫌いではない真の人間嫌いは自分も嫌い私は人間が嫌いなのではなく人間の愚かさが嫌いなのだ自分の愚かさももちろん含めてそれはごく普通のことでは?愚かさも含めてその人なのかそうではないのかしかし愚かさのない人間ばかりになったら果たしてよい世界ができるのかそれは生きるに値する世界なのか第931日人間嫌い

  • 第930日 悪態

    悪態二元論がどうしていかん?二元の間の交渉が説明できない?説明できないから存在しないってえのは何たる知の傲慢科学と一神教と共産主義その本源は同じだよ一元論という知の傲慢さ俺は二元論者じゃあねえよ一応三元論者だ体と心と魂は別だよと四元論でも五元論でもいいんだがそこまで知性は拡がらねえってだけだまあ阿呆は一元論で喜んでいればいいさ第930日悪態

  • 第929日 天への讃歌

    天への讃歌仕事のない昼下がり何をなす気力もなく内には何も働くものがなく私はじりじりと絡まる詠嘆も叫びも囁きも湧き上がってこない何という空疎何という貧困そして何という赤裸これが私そのもの価値も意味もないこの地獄こそが天への讃歌第929日天への讃歌

  • 第928日 聖なる言葉

    聖なる言葉いにしえの人々は聖なる言葉を唱えた至る所で日がな一日繰り返しそれは欲望からではなく苦悩の叫びでもなくただ世を聖なるもので充たしたかったのではないか近代人は世を何で充たしたいのか快適な物質?それなら願いは相当叶っただろうそれでもわれらは渇く聖なるもので世を充たしたいけれども何がそうなのかわれらは知らない第928日聖なる言葉

  • 第927日 早寝早起き

    早寝早起き規則正しい睡眠というのは外的生活には欠かせないが内向生活にはいささか窮屈だ変な時に起きていたり変な時に寝たりそのぐちゃぐちゃが内向生活を色づける眠れなかったり眠かったりそれはつらいけれどもそれが内的な何かを生み出す助けになる外的生活と内向生活は眠りにおいてもぶつかり合うそれが定め第927日早寝早起き

  • 第926日 求職

    求職秀でた存在と共に働けることは厳しいけれども大いなる喜び厳しく指導されながら自分を発揮し時には相手を驚嘆させるそして素晴らしい仕事がなされていくこの世ではあまり経験できなかったがあの世へ行ったら偉大な菩薩様のもとで働きたいお前なんぞいらんと言われそうだけれどそこを何とか頼み込んで第926日求職

  • 第925日 外向型思考

    外向型思考外向型の思考はその場その場で外の現実に合わせて形成されるらしい場面が変われば論理も変わる原理や構造なんてないらしい外に合わせているから結果は出るが全体を見るとガタガタ原理も一貫性もないなんてとんでもないと内向型は思うがそんなものは現実処理には害毒なのかも現実を生きるのに役に立つそのことは大事だけれどそれは実を結ぶのだろうか第925日外向型思考

  • 第924日 妄説宇宙論

    妄説宇宙論今の宇宙論はすべて間違っているなぜなら宇宙を閉鎖系と捉えているから閉鎖系などどこにも存在しないどんなに鉛の箱を作ろうと宇宙線はそれを突き抜けるこの宇宙には大いなるエネルギーが外から注ぎ込まれている背景放射も暗黒物質もその証だビッグバンでも定常宇宙でもなく宇宙は様々なものが出入りしている複雑怪奇な運動体なのだ第924日妄説宇宙論

  • 第923日 もやもやと

    もやもやと理解できない理解できるはずもないけれど理解したいそれに苛立つ本当にこんな世界でいいのですかいくら試練の場だと言ってもあまりに八方塞がりではないですか本当にいいのですかそんなことを思う資格もないのは重々承知しているけれどももやもやとくすぶるいっそ杖の一撃で滅ぼして下さいこの痴愚傲慢な魂を第923日もやもやと

  • 第922日 星となる

    星となる光る星になりたい内に厖大な炎を秘め虚空に燦然と独自の輝きを放つ星に星の組成はすべて異なる地表の姿もまた異なる放射する量子も電磁波も重力場さえ異なるそれは純粋な思念複雑構造が生み出す色光完全な形相宇宙はそんな星々で満ちているわれらは皆その星の屑けれど星を眺め憧れることはできる第922日星となる

  • 第921日 買い物

    買い物夢の中で買い物をした素晴らしく美しいものだったけれどそれが何だったか思い出せない骨董品のようだったけれど眠りの中であちらに行って天使から教えを一つ頂いたなどと妄想してみるが全然利口になった気配はないそういえばこの頃は買い物をしていない気に入ったものを手に入れたという悦びを味わっていない何か本当に愛せるものを買って喜びたいけれどそれが何かわからない第921日買い物

  • 第920日 射程

    射程目の前のことしか考えられないという愚かさはどうにかならぬものかそのせいで将来の災厄が生まれるけれどいくら長く射程を取っても自分の人生八十年で止まるそれが今の世界観の悪だ後は野となれ山となれお粗末な頭で先を考えたところで的はずればかりだとしてもそれでも射程は長く取らねばならぬ今生の八十年を超えてどれだけ射程が伸ばせるかそれは知性の責務だ第920日射程

  • 第919日 暗色の心

    暗色の心人の心の色は基本は変わらぬのかもしれぬ明るい色は逆境でも明るく暗い色は光を受けても暗くこの上ない栄華を味わう時暗色の心も高揚感で満たされるがしばらくすればそれは消え去り心はもとの暗い色に戻る暗色の心を持った人間はそうと諦めるしかない明色の心になることはない心の明暗は宿命けれどもそれはそれだけのこと肝心なことはそれを超えてあるだろう第919日暗色の心

  • 第918日 願い

    願い一筋の小さな流れに繋がっていたい小さく惨めな魂でもその繋がりだけは保っていたい世を貫くいくつもの大河は泥の渦や虹色のしぶきをあげて騒々しく流れていく私はそこから弾き飛ばされたこの流れの水はか細いが冷たく澄んでいるその源流は天にあると私は信じる広大な畑を養うことはなくともこの世に一筋の光を投げ続けるその流れを一番末席で受け取りたい第918日願い

  • 第917日 聖なる場所2

    聖なる場所2昔の家には神棚があり仏壇があったそこは家の中の聖なる場所単に故人を偲ぶためではなく都会の狭い家ではそんな余裕はないわずかな空間も機能で埋め尽くされるそれでも人は聖なる場所を作る写真や石やフィギュアを飾ってそれは住む人の人生の象徴喜びがあったり悲しみがあったりけれど何かが降りてくるわけではない昔風の人は集合住宅の仏壇の天井に宙と書いた紙を貼るという神棚や仏壇は永遠に向けて開いた窓なのだ第917日聖なる場所2

  • 第916日 餅

    餅餅はご馳走神様への捧げ物いや神様そのもの餅自体が美味いのかと問われると言葉に詰まるけれど醤油やきな粉と一緒になると得も言われぬ絶品になる毎年あちらに老人を連れて行ってくれるのも神様の思し召しなどというのはブラック過ぎる冗談か何度も醤油を塗って焼いた磯辺餅にチーズかバターを添える伝統にはずれるけれど私には至高の美味第916日餅

  • 第915日 秘伝のレシピ

    秘伝のレシピ豚肉と干し椎茸と醤油をどっさりと入れた真っ黒の汁焼き餅の上には白髪葱とほうれん草と鳴門それがわが母の特製雑煮北関東らしく極度にしょっぱい恐ろしく庶民的だが私の一番根にある食べ物母亡き後は自分で作って三が日食べ続けるそれが幸せなお正月貧乏くさくて塩分過多でとても人にはお出しできないが私には世界一の料理第915日秘伝のレシピ

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