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2020/06/26

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  • しばらく休止

    最近、一度読んだことのある文章を、それとは知らずに最後まで読んでみて「ああ、以前に読んだことがあったのか」的なボケボケなことがしばしばなので、しばらくの間ゆっくりと休憩いたします。千夜一話物語という名前通り、読書感想が1000話に到達するのが目標なので、またいずれ再開します。...

  • 小川未明 ねことおしるこ

    6分の短文である。「猫」と「お汁粉」について弟を叱った姉が後悔するというもの。全く素で読み始めて素で読み終わったが、実はこの作品も過去に読んで感想まで書いてある。それに気づかなくなったらもう終わりなのかもしれない。...

  • 田中貢太郎 鼓の音

    誰もいないはずの二階から聞こえてくる小鼓の音。不審に思った主人が登っていくと。5分。一種の怪談話であるが、読者を怖がらせようという魂胆はない。少し哀しい怪談話である。...

  • 岡田三郎助 白い蝶

    秋の夕暮れ、友人宅から家に帰る途中に何故か自分につきまとう白い蝶。5分。ただそれだけの話しである。しかし作者にとってはとても気味悪い経験だったようである。詳細は書かないが、通っていた道にはちょっとしたいわくがあったのである。...

  • 北大路魯山人 家庭料理の話

    身近な食材、家庭料理についての考察。1947年。5分。魯山人先生いわく、「本当に美味しいものは身近にあるのである。プロの料理人が作る料理を美味しいと思ってはならぬ」。サンマよりタイガうまいとは限らないのである。料理の素人でも真正面から食材に向き合い料理すればそれで良し、的なことが書かれている。...

  • 夢野久作 虻のおれい(ネタバレ注意)

    虻の窮地を救った少女が、その虻に助けられるというお話。1925年。7分。どちらかというと子供向けの話である。最後に虻は死んでしまうのだけれど、ちょっと可哀想ではある。...

  • 島木健作 忘れえぬ風景

    自然の風景と、それについての思いを記した短文。6分。いわゆる観光的な、風光明媚な風景にはなんの感情も持たず、「人」「自分の過去」にまつわる風景に興味関心を持つ、という。「人の生活があってこその風景」。私も似たような感想を持つ。...

  • 萩原朔太郎 ラヂオ漫談

    当時流行し始めたラヂオに関する思いを綴ったもの。8分。またやってしまった。実はこの短文も以前に読んだことがあるのに、またそれと知らずに最後までそうとは知らずに読み進めてしまった。記憶力ボロボロである。...

  • 小川未明 山に雪光る

    筆屋のおじいさんと、その店に出入りする少年の話。8分。のんびりと落ち着いた話。筆の毛の材料や筆草という植物の名前も出てくる。「山に雪光る」というのは少年が書いた書の文字。筆屋の店先から一気に遠くの山並みに視点を移す、遠近感が素晴らしい作品である。...

  • 夢野久作 正夢

    乞食が夢で見たダイヤモンド入りの金の指輪にまつわる話。1919年。5年。この話を読みながら、なんかよく似た話を聞いた事があるなあ、と思っていた。海外作品を夢野が翻訳したのかな、と思っていた。しかしタイトルを書く時に念の為過去のタイトル履歴を見てみると、かつてこの作品を読み、その感想をこのブログに書いていた事が判明した。近頃、記憶力の衰えが激しい。...

  • 宮本百合子 働く婦人の歌声

    1941年という太平洋戦争が勃発した年に書かれた文章。5分。勤労女性に対する思いなどを記している。決して働け、あるいは家に居ろというものではない。働く女性の心構え、保持してほしい気持ちなどを綴っている。...

  • 岸田國士 懐かし味気なし

    副題に「五年振りで観る故国の芝居」とあるように、芝居評である。1924年。6分。主に菊池寛、谷崎潤一郎の作品評である。駄作とは言っていないが、結構ケチョンケチョンに酷評している。言われた方はどう思ったのだろうか。...

  • 梶井基次郎 太郎と街

    秋の一日、太郎は歩く。いろんな街を通り越して真夜中まで歩く。実際に歩いているのか、それとも空想なのか、それはわからない。5分。それぞれの街にはそれぞれの顔がある。その顔を太郎は楽しんでいるのである。読んでいて何故かこちらも愉快になってくる作品である。...

  • 宮本百合子 ソヴィエト労働者の夏休み

    1931年当時のソビエト労働者の夏の生活について書かれたもの。5分。社会主義国家というと何だが窮屈な感じもするが、書かれている夏休みの様子は至極のんびりしたものである。ひと月間の休みがもらえるらしい。立場上、社会主義讃歌のようにも読み取れる。...

  • 岡本綺堂 我楽多玩具

    玩具に対する趣味、趣向を描いたもの。1919年。6分。高級な玩具を求めるわけではない。本人も言っているように一山いくらで売っているような玩具に愛着を感じるのである。凧、独楽、お面などなど。ノスタルジアのようなものへの愛着なのだろうか。...

  • 宮沢賢治 ありときのこ

    タイトルの「ありときのこ」は蟻とキノコのことである。1933年。5分。森の中で歩哨をしているアリの目前に白いキノコが出現したという話。自然物に対する賢治の目が優しい。...

  • ベアトリクス・ポッター わるねずふたりぐみのはなし

    ドールハウスに侵入した二匹の悪ネズミの話。8分。ドールハウス内の食べ物を食べようとするのだが、何しろ作り物なので食べられない。そんな可愛いいたずらを描いた子供向けのお話。...

  • 津村信夫 猟人

    信濃の電車の中で出会った猟人の話。6分。車の普及していない時代、猟人も電車を利用していたのであろうか。思えば鉄砲を持って車内に乗り込んでいるというのも怖いものだ。...

  • 寺田寅彦 雪ちゃん

    下宿屋の娘「雪ちゃん」についての物語である。6分。亡き妹に似ているという理由であれこれと雪ちゃんのことを観察する筆者なのであった。その後、雪ちゃんは別に不幸にもならず幸福にもならない。淡々と雪ちゃんについて書かれた文章である。...

  • 坂口安吾 馬庭念流のこと

    馬庭念流という剣術の一派について書かれたもの。7分。士官、宮仕えとは無縁の土着の流派で安吾のお気に入り剣術である。その技法、伝統など様々な視点からの考察が面白い。...

  • 原民喜 蝿

    汚職事件に巻き込まれ、無関係であったにもかかわらず退職した主人公が書斎にて色々な思考を巡らす。そうしてやがて部屋の中に入ってきた蝿を打ち殺す。なんか悶々とした気分を一蹴したい主人公の気持ちが読み取れる。...

  • 若山牧水 なまけ者と雨

    一種の「雨讃歌」である。様々な季節の様々な種類の雨を愛している。5分。私は雨は苦手だ。家に閉じ込められたような気分になって憂鬱になる。作中には20首ほどの雨に関する短歌も掲載されているので興味のある方はどうぞ。...

  • 寺田寅彦 高浜さんと私

    高浜さんとは高浜虚子のことである。彼についての思い出話等が書かれている。1930年。5分。生憎と、私は高浜虚子については何も知らぬ。その作品の一つも読んだことがない。少しでも知っていたらもう少し面白く読めただろうに。...

  • 田畑修一郎 栄螺

    海水浴についての思い出である。1940年。5分。海水浴の傍ら採集していたサザエやアワビたちの事が記されている。その場で生のサザエを食ったとあるが、私としては生のサザエはちょっと怖い。...

  • 中原中也 金沢の思ひ出

    幼稚園時代、金沢で過ごした筆者の記憶。当たり前だがいろいろな地名が出てくる。1936年。7分。金沢には一度行ったことがあるが、あまりいい思い出ではない。金沢大学の寮に泊まらせてもらった。...

  • 寺田寅彦 ある探偵事件

    飼い猫の話から始まる。科学者らしく、論理的な思考でネコ事件を解決しようとしている。1934年。5分。正直、論理的な思考というものが苦手である。それで書いてある内容もチンプンカンプン。科学やら哲学やらが得意な人は楽しめる話なんだろうな、と思う。...

  • しばらく休止

    一ヶ月ほど休止します。...

  • 小川未明 川へふなをにがす

    一度は捕まえて飼っていた鮒を再び川に逃がす、という話。いたる所青山あり、とはいうものの自然で育った生き物を人の都合で狭い水槽で飼うのは間違いだ、と少年は気づいたのである。ちなみに、鮒は在来種なので川に放流しても問題ない。←「池の水、全部抜く」より得た知識...

  • ポター・ビアトリクス あなうさピーターの話

    いたずらっ子の穴ウサギであるピーターの冒険談。9分。怖いおじさんのいる畑に入っていって野菜を食べてしまったピーター。怒ったおじさんから果たして無事に生還できるのか。カラーの挿絵付き。...

  • 岡本綺堂 私の机

    筆者の机遍歴や机評などが記されている。1925年。5分。物書きだけあって机にはこだわりがあったようである。机の材質やその特徴なども細かく書かれている。私の机はニトリで買った90センチ幅という小さな安物の机。...

  • 小川未明 やんま

    子供の純朴さに心打たれ、ちょっと自分の意地悪さを反省したおばあさんの話。1935年。6分。「やんま」とはトンボのオニヤンマの事だろう。[教育 国語教育」という本に掲載された作品。...

  • 岸田國士 観て忘れる

    観てきた洋画(映画)に関する感想である。1928年。5分。本人が「映画の素人」と卑下しているのもあって、難しい映画評ではなく作品に対する単なる好悪であったりする。ちなみに「岸田國士」は「きしだくにお」と読む、ということを初めて知った。ずっと「こくし」だと思っていた。お恥ずかしい。...

  • 小川未明 母犬

    みんなから薄気味悪がられていた犬だったのだが・・・。6分。それは母犬で、子犬に対する愛情あふれる犬だったことがわかった。それからみんなはこの犬のことが好きになっていったという話。...

  • 小川未明 仲よしがけんかした話

    仲よしの二人がチャンバラごっこの最中に喧嘩をした話。6分。誰にもこのような思い出はあるのではないだろうか。喧嘩はしたけれど、また次の日からは仲良く遊んだという記憶が。そんな童心を思い出させるような作品である。...

  • 豊島与志雄 太一の靴は世界一

    太一という靴屋の少年の物語。1938年。10分。世界一の靴屋を目指して古靴の修理に取り組む少年の姿を描いた話。「幼年倶楽部」という雑誌に掲載された話で、小学校低学年くらい向けの読み物。...

  • 北條民雄 すみれ

    昨日に引き続き北條民雄の作品。山奥に住む老人とすみれとの物語。5分。寂しさのあまり町に出ようとしていた老人がすみれの言葉、生き方を聞き考え直すというもの。作者は24歳という若さでなくなっているようである。...

  • 北條民雄 可愛いポール

    ポールというのは犬の名。ミコちゃんに飼われている犬だが、どうしてミコちゃんの下の来るようになったかが描かれている。5分。犬好きの人にはミコちゃんとポールの絆の深さの理由がわかるはず。ちょっと残酷な描写も一部あるので読むには注意を。...

  • 小川未明 赤い手袋

    姉にこしらえてもらった手袋を落としてしまった少年。1921年。7分。落とされた赤い手袋は別の子供に拾われるのだが・・・。なんとも言えなく悲しい結末である。「小学男性」収録。...

  • 栗島山之助 八百長くづれ

    相撲の八百長についての話である。5分。今でも八百長があるのかどうかは知らないが、かつては協会が主導した八百長ずもうもあったようである。興行なので仕方ないのかもしれないが。あと、昔は「引き分け」という勝負もあったようである。それに比べれば今の相撲界は至ってまともなんだな、と思う。...

  • 山之口貘 楽になったという話

    一足の靴を新調した話から始まる。6分。とにかくよく歩いていた筆者のようである。いつもボロ靴を履いていた筆者が新しい靴を買った。友人に「生活が楽になったね」と言われたので靴を買えるぐらいの暮らしになったことを言われたのかと思ったら、実は違った・・・。...

  • 夢野久作 ビール会社征伐

    なんとかして酒を飲みたいと思った新聞記者たちが思いついた計略とは?1935年。8分。その計略とはビール会社にテニスの試合を申し込み、その後の宴会で出る酒を見込んだもの。ユーモラスな語り口で読んでいて面白い。...

  • チェーホフ 子守っ子

    バルかという名の子守っ子の日常を描いたもの。1932年。11分。その過酷な子守生活はまるでプロレタリア文学のよう。鈴木三重吉訳で「赤い鳥」に掲載された作品である。...

  • 牧野信一 娘とドリアン

    ドリアンという名の馬に騎乗する娘。1929年。6分。てっきり果物のドリアンの話かと思って読み始めた。ドリアンを乗りこなす娘のボーイッシュなところがうまく描写されている。...

  • 小野浩 金のくびかざり

    クリスマスの夜、よしこさんの家に来たサンタさんだったが、肝心のプレゼントである金のくびかざりを忘れてきてしまった。そこで・・・。1928年。9分。イヌ、ネコ、オウムなども登場するほのぼのとした物語である。「赤い鳥」掲載。...

  • 中原中也 酒場にて

    20行にも満たぬ詩である。1936年。1分。しかし、詩の意味がよくわからない。昔なら数行の詩にも何らかの感想を持ったはずなのに、最近ではなんの感情も感じない。感受性というものがなくなってきたのだろうか。ただ単に文字を追っているだけの読書に成り下がっている。...

  • 徳富蘆花 水汲み

    引っ越した先の水事情が悪いため、毎朝川へ行き過酷な水汲みをせざるを得なくなった男。6分。今と昔の大きな生活上の違いというのは「飲み水の確保」の問題だろう。水道のない生活なんて今では考えられない。...

  • 小川未明 野ばら

    2つの国の国境に派遣された兵士が二人。そこには野ばらが咲いていた。10分。牧歌的な雰囲気であったがやがて2つの国の間に戦争が起こる。なんとも儚く寂しい結末である。...

  • 宮沢賢治 ざしき童子

    一口にざしき童子と言っても色々種類があるらしい。1926年。6分。ここでは4例ほどがあげられている。皆それぞれ特徴を持った童子である。ちなみに童子は「ぼっこ」とフリカナが付けてある。...

  • 豊島与志雄 蝦蟇

    庭先に現れた蝦蟇(ガマ)を見つめる筆者。1924年。5分。田舎の伝承を挿入し、何やら哲学めいたことを考える筆者。そういやガマガエルなんて最近見たことがないな。...

  • 伊藤左千夫 浅草詣

    一家揃って浅草に遊びに行く予定だった或日の朝のソワソワ感を記したもの。1903年。7分。今も昔も子供は家族揃ってのお出かけがとても楽しみだったのだろう。果たして浅草詣はどうなったかは読んでみてのお楽しみ。...

  • 牧野信一 ランプの明滅

    試験前夜、停電している部屋の中でランプの明滅によって移り変わっていく心情が描かれている。1920年。7分。その後彼は落第した。そしてやがて結婚するのだが、暗闇の中で過去を思い出す。人の心情というものは部屋の明暗によっていろいろと変化するものなんだな、と思った。...

  • 宮本百合子 新入生

    朝すれ違う新入生らしき生徒への視線が、やがて入学試験への考察へと変わっていく。昔も今も入学試験は悲喜こもごもだったのだろう。子供の試験に対する親の不安な気持ちがうまく描写されている。...

  • 北大路魯山人 鮪の茶漬け

    旨いマグロの茶漬けについての考察。1932年。6分。飯の炊き方から茶、マグロの種類、お茶の注ぎ方まで事細かに考察している。食えさえすれば何でもいい、と思っている私でも楽しく読めた。...

  • 夢野久作 線路

    線路の上を歩いていく主人公。眼前より汽車が迫ってきた。さて彼はどうするのか。1927年。5分。彼は汽車を避けたのである。そして避けたあと、仮に衝突していたらどうなっていたのかを想像してみる。真冬の昼間の出来事である。...

  • 牧野信一 馬上の春

    村長の提案で各自仮装して馬に乗り、各村々を訪問しようかということになり・・・。1932年。5分。各々が仮装して集まってきたが、中に債権者が数名おり焦る主人公。それに答えて村長が「心配するな」というが、どういう策を講じるのかも書かれておらず、なんか終わり方が中途半端でスッキリしない。 ...

  • 楠山正雄 長い名

    寿限無みたいな長い名前をつけられた子供の運命とは?6分。寿限無に劣らず彼の名前も長い。長い名は長命だと思ってつけられたのだが。最後はブラックなオチになっている。...

  • 岡本綺堂 怪談劇

    古来より現代に至る怪談話・怪談劇について論評。5分。私は怖いものはさっぱり駄目である。こういう論評を読むのさえ憚られる。綺堂自身も怪談劇を書いていたようだが、怖くないのかな。...

  • アンデルセン カラー

    カラーとは取り外しのできる襟のこと。このカラーを擬人化した物語。8分。カラーが靴下どめやらアイロンやらハサミなどに結婚を申し込んでいくが、ことごとく断られる。そしてついに最後は・・・。ま、ひとつの教訓になっている。...

  • 岡本かの子 巴里のむす子へ

    パリに住む息子への思いを綴った作品。1937年。7分。息子とは「芸術は爆発だ」の岡本太郎氏である。母親としての息子に対する愛情がとても良く伝わる文章である。...

  • 中原中也 我が生活

    歌舞伎座へ勧進帳を見に行った筆者。観劇中にも帰りの道中にも色々と思うことあり。7分。勧進帳はよく知らないが、知らなくても作品を読むのに特に不便はない。ただ、帰りの道中で考えている事、何を言いたいかはよくわからなかった。...

  • 田中貢太郎 雀の宮物語

    妻の偽計により針を飲まされた男。痛む腹を抱えていた時に見た雀の行動とは?5分栃木に雀の宮という地名があるらしい。その地名の由来となった物語である。日本昔ばなし風であり、ちょっと現実離れしている。...

  • 南部修太郎 阿片の味

    文字通り、中国における阿片吸引の体験談である。1926年。6分。一回の吸引で天国へも登るが如き快楽かと思いきや、あんまり美味しくなかったという結論である。どうやら何度も何度も試すうちにその虜になっていくらしい。...

  • 楠山正雄 ねずみの嫁入り

    ネズミ夫婦が、自慢の娘の婿を探すという物語。5分。一番偉い人は誰か、夫婦は太陽や風のところを回るのだが結局・・・。アンデルセンの物語を読んでいる感覚。...

  • 田山花袋 町

    日本全国、東北から九州に至るまで県庁所在地の町について書かれた文章。1911年。6分。おそらく自身で見聞したのであろうが、とにかく津々浦々よく日本を回っている。町の特徴も、たとえ行ったことがない町でもその記述を読めばなんとなく頭に浮かんでくる。...

  • 梶井基次郎 過古

    かつて住んでいた街に戻ってきた青年が、かつての住家を訪ねてその街を彷徨うのだが。1926年。6分。はっきり言ってなにが言いたいのかよくわからない作品だった。作品が悪いのではなくて、私の理解力がないからだが。...

  • 宮本百合子 入学試験前後

    女学校の入学試験前についての思い出が記されている。1922年。6分。多くの人が経験する入学試験。その準備やら心意気やらがわかりやすく表現されている。入学試験については自分も色々思い出すことがある。...

  • 海野十三 最小人間の怪

    筆者が出会った人類の進化系である最小人間にまつわる不思議な体験。1949年。5分。面白いのだが、最後のオチがよくわからない。なぜミイラの数にこだわるのだろうか。...

  • 田中貢太郎 山の怪

    今の高知県の山中で起こった不思議な事件。7分。「あそこに入っちゃいけない」と言われている場所はどこにでもあるだろう。そんな場所に猟に入った漁師が経験した出来事である。中国の古典に出てきそうな話。...

  • 青田は果なし

    秋田から山形への車窓に広がる広大な稲田を見ての感想。1946年。5分。思いは政府の農村・経済政策への批判へとつながる。「赤旗」に掲載された一文である。...

  • 豊島与志雄 ばかな汽車

    夜中、猛スピードで走っていた汽車の機関士が、前方から同じように走ってくる汽車を見つけた。このままだと正面衝突だ、さあどうする。7分。牧歌的な作品である。汽車の走る時代にも、まだこのようなことが信じられていたのだろうか。...

  • 新美南吉 鍛冶屋の子

    寂しい街に住む鍛冶屋父子の物語。1971年。7分。子供(弟)の目線から書かれた物語だが、街の雰囲気同様に沈鬱な雰囲気が漂っている。ちなみに巻頭と巻末の文は同一。...

  • 小島烏水 菜の花

    菜の花を愛する筆者による「菜の花」讃歌である。私自身、菜の花に対してそれほどの愛着はない。ただ、「菜の花畑に入り日薄れ」の歌を聞くと情景が浮かんできてなんだか懐かしい気持ちになる。...

  • 岡本綺堂 我楽多玩具

    玩具、それも高級なおもちゃではなく安価で身近な玩具に対する愛着を綴った文。1919年。6分。童心に帰っておもちゃを愛する作者の気持ちがよく伝わってくる。いつの時代になっても人は子供時代の懐かしい想い出に浸ることができるのだろう。...

  • 渡辺温 シルクハット

    念願だったシルクハットを手に入れ、それを被って女を買いに行った男の話。5分。全体的に気だるい雰囲気がする文章。作中に出てくる「かさかき」という言葉は梅毒患者のこと。...

  • 楠山正雄 魔法の笛

    ハーメルンの笛吹き男の邦訳。9分。七五調で書かれた文章のためテンポ良く読める。しかしこの物語、子供の集団失踪という結末だけに、なにかを暗喩しているような気がしてならない。...

  • 伊藤左千夫 大雨の前日

    題名通り、大雨の前日、恐れや不安などについて書かれたものである。1910年。7分。よほど治水の悪い地域に住んでいたものと思われる。筆者並びに子どもたちも洪水が発生した場合の避難について不安視している。私の家の横にも川が流れているため、少しはその気持もわかる。...

  • しばらく休止

    しばらくの間、更新を休止します。...

  • 夢野久作 正夢

    ...

  • 小泉八雲 橋の上で

    熊本の橋の上で、西南戦争時の逸話を車夫から聞く。1901年。8分。かなり血なまぐさい事件だが、車夫はその体験を今まで口外してこなかったと言う。それを筆者は奥ゆかしいと言うが、読み込みが足りず何が奥ゆかしいのかよくわからなかった。...

  • 牧野信一 泣き笑ひ

    祭りの日、子どもたちだけの芝居の演目が始まった。1920年。7分。出演予定のなかった幼児が飛び入り参加して・・・。他愛もない話だが、ほのぼのとした感がある。...

  • 小川未明 託児所のある村

    村の託児所で自由に遊ぶ子どもたちのところに、都会から教育視察団がやってきた。1951年。11分。使節団の前では萎縮して自由に楽しく遊べない子どもたち。子供には子供だけの世界があるということか。...

  • 小川未明 抜髪

    隣家に住むという噂の、顔も見たこともない女性について思いを馳せる筆者。1909年。5分。今まで読んできた小川未明とは少し趣の違う作品。抜髪という題名からして少し不気味。...

  • 岡本綺堂 目黒の寺

    当時作者が住んでいた目黒周辺の寺について記したもの。1938年。5分。どこどこの寺には誰の墓があるか、などが書かれている。人物名もいろいろ出てくるが、知っていたのは青木昆陽ぐらい。...

  • 宮本百合子 百銭

    お金の意味について書かれた文章。1927年。7分。お金はたしかに物を買うときの対価としての意味もあるが、それ以外にもお金の持つ独特な役割?について論じたもの。具体的なエピソードを交えて文章が構成されている。...

  • 三遊亭円朝 西洋の丁稚

    ...

  • 夢野久作 雨ふり坊主

    日照りが続き、太郎の家の田んぼが干上がりそうです。そんな中、太郎は雨ふり坊主を作り・・・。1925年。5分。一種の童話のような趣の作品。結末がなかなかロマンチックである。...

  • 片山広子 たんざくの客

    和歌の短冊を持って家を訪れた二人の客について。1953年。6分。それぞれ訪れた時期も違えば、筆者のとった対応も違う。対応の変化は筆者の気分の変化というよりは、時勢がそうさせたようだ。...

  • 林芙美子 柿の実

    隣家の人々と柿の実に関する短編。1934年。6分。隣家の家族の描写が微笑ましい。その家には柿の木があって、著者を含め実が熟するのを楽しみにしていたのだが・・・。ほのぼのとした作品である。...

  • 土田杏村 私の書斎

    題名通り、自分の書斎、及び書斎内の文献について書かれたもの。7分。どうやら膨大な書籍の収集家であったようである。なるべく本類は捨てる主義の私とは大違いだ。...

  • 宮本百合子 指紋

    福島のある結婚式で、参加者の指紋を採るという記事を目にした作者。1951年。5分。話は「東京都民すべての指紋採取」という政策へと及ぶ。権力の横暴さへの批判が込められた作品である。...

  • 長塚節 栗毛虫

    ある農家の一日の様子を切り取って書いたもの。6分。栗毛虫とは木の葉に巣食っている一種の害虫。これを叩き落とすのだ。本当に平凡な農家の様子である。...

  • 国枝史郎 目撃者

    ある家の2階で、その家の息子が自分の妻を殺した。階下でその物音を聞いていた母親は偽装工作を図るが。1931年。7分。警察がやって検分が行われた。他殺であることはすぐに判明したが、犯人はわからない。と思われたが、ある事によって事件は解決の方向に向かう。母親はどのような手抜かりをしたのだろうか。それは母親自身も気づかなかったことであった。...

  • 佐藤垢石 入社試験

    新聞社の入社試験の様子ととの後の記者生活を簡単に記したもの。6分。今では考えられないほど適当な入社試験(面接)である。私などにはわからない深い意味のある質問だったのかも知れないが。まだ大隈重信の在命中とあるから、かなり昔の話。...

  • 小川未明 竹馬の太郎

    竹馬の得意な少年は、あまりいたずらするので懲らしめのために夜中に家を締め出された。7分。締め出された後にひとつの不可解な出来事が起こるのだが、果たしてその意味するものとは。何とも不思議な雰囲気を醸し出している物語である。...

  • 田中貢太郎 怪人の眼

    猟師が山で遭遇した怪異な現象について書かれている。8分。猿か赤ん坊かわからない奴、いくら撃っても弾が当たらない鶴、ガマのような眼の怪人などが登場する。特にこれといったオチはない。...

  • 土田耕平 さがしもの

    海岸の砂浜にいた少年は、なにか探しものをしている遍路姿の老人に出会う。6分。老人が探しているものは700年も前に親鸞上人が残した石だという。はたしてそんな石があるのか、ないのか。結論は書かれていない。この話は宗教的ななにかの隠喩なのだろうか。...

  • 小川未明 雪だるま

    「小学少年」という雑誌に掲載された作品。1923年。9分。友達と雪だるまを作った夜、誰かが吹くハーモニカの音が聞こえてくる。一体誰が?作品自体はちょっと中途半端な終わり方のような気もするが・・・。...

  • 海野十三 密林荘事件

    密林荘にて死亡した男性は、はたして自殺か他殺か。1946年。6分。短編ながらひとつの謎解きである。文末にその答えが書かれている。じっくりと読んでいけば「ああ、なるほど」と納得の謎解き。...

  • 宮本百合子 砂糖・健忘症

    1948年に書かれたエッセー。話は政府による砂糖の配給に始まる。戦時中、あれほど砂糖の害悪について語っていた科学機関への批判、また、東京裁判において東條英機の人気が再燃していることに対して怒りを示している。砂糖の害悪について語っていたことを忘れたのか、東條の戦争責任を忘れたのか、という怒りと批判である。...

  • 小川未明 ひとをたのまず

    偶然出会った三人の少年についてのエッセー。1949年。5分。題名の「ひとをたのまず」とは、誰の援助も期待せずに淡々と自分に与えられた役割をこなすことの大切さを表したもの。「少年少女ペン」という雑誌に掲載されたものである。...

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