秋の一日、太郎は歩く。いろんな街を通り越して真夜中まで歩く。実際に歩いているのか、それとも空想なのか、それはわからない。5分。それぞれの街にはそれぞれの顔がある。その顔を太郎は楽しんでいるのである。読んでいて何故かこちらも愉快になってくる作品である。...
1931年当時のソビエト労働者の夏の生活について書かれたもの。5分。社会主義国家というと何だが窮屈な感じもするが、書かれている夏休みの様子は至極のんびりしたものである。ひと月間の休みがもらえるらしい。立場上、社会主義讃歌のようにも読み取れる。...
玩具に対する趣味、趣向を描いたもの。1919年。6分。高級な玩具を求めるわけではない。本人も言っているように一山いくらで売っているような玩具に愛着を感じるのである。凧、独楽、お面などなど。ノスタルジアのようなものへの愛着なのだろうか。...
タイトルの「ありときのこ」は蟻とキノコのことである。1933年。5分。森の中で歩哨をしているアリの目前に白いキノコが出現したという話。自然物に対する賢治の目が優しい。...
ドールハウスに侵入した二匹の悪ネズミの話。8分。ドールハウス内の食べ物を食べようとするのだが、何しろ作り物なので食べられない。そんな可愛いいたずらを描いた子供向けのお話。...
信濃の電車の中で出会った猟人の話。6分。車の普及していない時代、猟人も電車を利用していたのであろうか。思えば鉄砲を持って車内に乗り込んでいるというのも怖いものだ。...
下宿屋の娘「雪ちゃん」についての物語である。6分。亡き妹に似ているという理由であれこれと雪ちゃんのことを観察する筆者なのであった。その後、雪ちゃんは別に不幸にもならず幸福にもならない。淡々と雪ちゃんについて書かれた文章である。...
馬庭念流という剣術の一派について書かれたもの。7分。士官、宮仕えとは無縁の土着の流派で安吾のお気に入り剣術である。その技法、伝統など様々な視点からの考察が面白い。...
汚職事件に巻き込まれ、無関係であったにもかかわらず退職した主人公が書斎にて色々な思考を巡らす。そうしてやがて部屋の中に入ってきた蝿を打ち殺す。なんか悶々とした気分を一蹴したい主人公の気持ちが読み取れる。...
一種の「雨讃歌」である。様々な季節の様々な種類の雨を愛している。5分。私は雨は苦手だ。家に閉じ込められたような気分になって憂鬱になる。作中には20首ほどの雨に関する短歌も掲載されているので興味のある方はどうぞ。...
高浜さんとは高浜虚子のことである。彼についての思い出話等が書かれている。1930年。5分。生憎と、私は高浜虚子については何も知らぬ。その作品の一つも読んだことがない。少しでも知っていたらもう少し面白く読めただろうに。...
海水浴についての思い出である。1940年。5分。海水浴の傍ら採集していたサザエやアワビたちの事が記されている。その場で生のサザエを食ったとあるが、私としては生のサザエはちょっと怖い。...
幼稚園時代、金沢で過ごした筆者の記憶。当たり前だがいろいろな地名が出てくる。1936年。7分。金沢には一度行ったことがあるが、あまりいい思い出ではない。金沢大学の寮に泊まらせてもらった。...
飼い猫の話から始まる。科学者らしく、論理的な思考でネコ事件を解決しようとしている。1934年。5分。正直、論理的な思考というものが苦手である。それで書いてある内容もチンプンカンプン。科学やら哲学やらが得意な人は楽しめる話なんだろうな、と思う。...
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