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最近、一度読んだことのある文章を、それとは知らずに最後まで読んでみて「ああ、以前に読んだことがあったのか」的なボケボケなことがしばしばなので、しばらくの間ゆっくりと休憩いたします。千夜一話物語という名前通り、読書感想が1000話に到達するのが目標なので、またいずれ再開します。...
6分の短文である。「猫」と「お汁粉」について弟を叱った姉が後悔するというもの。全く素で読み始めて素で読み終わったが、実はこの作品も過去に読んで感想まで書いてある。それに気づかなくなったらもう終わりなのかもしれない。...
誰もいないはずの二階から聞こえてくる小鼓の音。不審に思った主人が登っていくと。5分。一種の怪談話であるが、読者を怖がらせようという魂胆はない。少し哀しい怪談話である。...
秋の夕暮れ、友人宅から家に帰る途中に何故か自分につきまとう白い蝶。5分。ただそれだけの話しである。しかし作者にとってはとても気味悪い経験だったようである。詳細は書かないが、通っていた道にはちょっとしたいわくがあったのである。...
身近な食材、家庭料理についての考察。1947年。5分。魯山人先生いわく、「本当に美味しいものは身近にあるのである。プロの料理人が作る料理を美味しいと思ってはならぬ」。サンマよりタイガうまいとは限らないのである。料理の素人でも真正面から食材に向き合い料理すればそれで良し、的なことが書かれている。...
虻の窮地を救った少女が、その虻に助けられるというお話。1925年。7分。どちらかというと子供向けの話である。最後に虻は死んでしまうのだけれど、ちょっと可哀想ではある。...
自然の風景と、それについての思いを記した短文。6分。いわゆる観光的な、風光明媚な風景にはなんの感情も持たず、「人」「自分の過去」にまつわる風景に興味関心を持つ、という。「人の生活があってこその風景」。私も似たような感想を持つ。...
当時流行し始めたラヂオに関する思いを綴ったもの。8分。またやってしまった。実はこの短文も以前に読んだことがあるのに、またそれと知らずに最後までそうとは知らずに読み進めてしまった。記憶力ボロボロである。...
筆屋のおじいさんと、その店に出入りする少年の話。8分。のんびりと落ち着いた話。筆の毛の材料や筆草という植物の名前も出てくる。「山に雪光る」というのは少年が書いた書の文字。筆屋の店先から一気に遠くの山並みに視点を移す、遠近感が素晴らしい作品である。...
乞食が夢で見たダイヤモンド入りの金の指輪にまつわる話。1919年。5年。この話を読みながら、なんかよく似た話を聞いた事があるなあ、と思っていた。海外作品を夢野が翻訳したのかな、と思っていた。しかしタイトルを書く時に念の為過去のタイトル履歴を見てみると、かつてこの作品を読み、その感想をこのブログに書いていた事が判明した。近頃、記憶力の衰えが激しい。...
1941年という太平洋戦争が勃発した年に書かれた文章。5分。勤労女性に対する思いなどを記している。決して働け、あるいは家に居ろというものではない。働く女性の心構え、保持してほしい気持ちなどを綴っている。...
副題に「五年振りで観る故国の芝居」とあるように、芝居評である。1924年。6分。主に菊池寛、谷崎潤一郎の作品評である。駄作とは言っていないが、結構ケチョンケチョンに酷評している。言われた方はどう思ったのだろうか。...
秋の一日、太郎は歩く。いろんな街を通り越して真夜中まで歩く。実際に歩いているのか、それとも空想なのか、それはわからない。5分。それぞれの街にはそれぞれの顔がある。その顔を太郎は楽しんでいるのである。読んでいて何故かこちらも愉快になってくる作品である。...
1931年当時のソビエト労働者の夏の生活について書かれたもの。5分。社会主義国家というと何だが窮屈な感じもするが、書かれている夏休みの様子は至極のんびりしたものである。ひと月間の休みがもらえるらしい。立場上、社会主義讃歌のようにも読み取れる。...
玩具に対する趣味、趣向を描いたもの。1919年。6分。高級な玩具を求めるわけではない。本人も言っているように一山いくらで売っているような玩具に愛着を感じるのである。凧、独楽、お面などなど。ノスタルジアのようなものへの愛着なのだろうか。...
タイトルの「ありときのこ」は蟻とキノコのことである。1933年。5分。森の中で歩哨をしているアリの目前に白いキノコが出現したという話。自然物に対する賢治の目が優しい。...
ドールハウスに侵入した二匹の悪ネズミの話。8分。ドールハウス内の食べ物を食べようとするのだが、何しろ作り物なので食べられない。そんな可愛いいたずらを描いた子供向けのお話。...
信濃の電車の中で出会った猟人の話。6分。車の普及していない時代、猟人も電車を利用していたのであろうか。思えば鉄砲を持って車内に乗り込んでいるというのも怖いものだ。...
下宿屋の娘「雪ちゃん」についての物語である。6分。亡き妹に似ているという理由であれこれと雪ちゃんのことを観察する筆者なのであった。その後、雪ちゃんは別に不幸にもならず幸福にもならない。淡々と雪ちゃんについて書かれた文章である。...
馬庭念流という剣術の一派について書かれたもの。7分。士官、宮仕えとは無縁の土着の流派で安吾のお気に入り剣術である。その技法、伝統など様々な視点からの考察が面白い。...
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