昨日、僕はFIRE生活からたった2年で仕事に戻った人物が挙げた3つの撤退理由を、「作話だろう」と半ば断じた。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1154.html読者の中には反感を覚えた人もいるのではなかろうか?確かに記事を通してしか知らない人物の、ひょっとしたら真摯かもしれない発言を、僕が詳細を把握しないまま「作話」と推測するのは妙に聞こえるかもしれない。しかし僕は特に彼の発言に限って不信に感じているわけ...
伝統仏教愛好家の僕が、「1冊だけ」と言われれば、お薦めするのはズバリこの本だ。
以前にも書いたが、伝統仏教が好きだ。特定の宗教団体に属すことはない。信心深くもない。個人的には伝統仏教は「宗教」ではなく幸福への道を説く「哲学」だと思っていて、その内容に共感しているのだ。仏教の本はかなり読んだ。一番多く読んだのはアルボムッレ・スマナサーラ氏のもので、山ほど本が出ている。次は小池龍之介氏。「考えない練習(小学館)」がベストセラーになったし、一時期はマスコミにも露出していたので、ご存...
働きすぎたことを「死ぬ間際に」後悔する人も多いって、知ってました?
今日はオーストラリアで緩和ケアに長く携わってきた看護師、ブロニー・ウェアによって書かれた「死ぬ瞬間の5つの後悔」(新潮社)が題材。リンク緩和ケアの仕事をしていれば、当然、多くの死にゆく人と接点、交流をもつことになる。著者が仕事から得た経験によると、後悔トップ5の内容は、「自分に正直な人生を生きればよかった」「働きすぎなければよかった」「思い切って自分の気持ちを伝えればよかった」「友人と連絡を取り続...
“幸せの3要素は、①自分自身が好きであること ②よい人間関係を持っていること ③人や社会に貢献していること”
幸福の名言。今日は、アルフレッド・アドラー(1870年 - 1937年)。数年前、「嫌われる勇気」のベストセラーによって日本でも一躍有名になった、『アドラー心理学』のアドラーだ。オーストリア出身の精神科医であると同時に、心理学者、社会理論家でもある。その彼の残した名言は、これ。“幸せの3要素は、①自分自身が好きであること ②よい人間関係を持っていること ③人や社会に貢献していること”もちろん間違っているなどと言う...
この結婚は損? 得? なんて考えてると、それこそ人生損しちゃうかもよ!
4年前にツイッターを始めたら、様々な価値観に触れるようになった。驚くべき発言も多く、自分がいかに保守的な人間か思い知らされたりもする。たとえば結婚。藤沢数希著「損する結婚 儲かる離婚」(新潮新書)の影響もあって、通常の結婚に二の足を踏む高所得者(多くは男性医師)が大いことに気づいた。リンクこの本は僕も読んだことがあって、「婚姻費用(コンピ)」という言葉を初めて知った。これは収入が多い方が相手に自分と...
アーリーリタイアして、途中で資金が枯渇したらどうしよう?~今日は計画的偶発性理論を紹介する。
途中で資金が枯渇したらどうしよう?アーリーリタイアを検討している人なら、誰でも一度は抱える不安だろう。そんな人のために、今日は計画的偶発性理論を紹介する。これは、20世紀末、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱されたもので、個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定されるとした上で、その偶然を利用して自分のキャリアをより良いものにしていこう、という考え方だ。従来...
「感応度逓減性」を知らないと、せっかくの節約が吹っ飛んじゃうよ
今日はアーリーリタイアのための節約術を新たに紹介する。5000円でスニーカーを買おうとした時、200メートル先の店で同じものが1000円安く、4000千円で売られているという情報を耳にしたら多くの人がそれなら安い方の店で買おうと考える。ではこれが200万円の車で、違う店ではそれが1000円安い、1999000千円で売られていたとしたら?おそらくほとんどの人は気にもとめないだろう。ものごとをシンプルにして理解しやすくするために...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。リンク毎日ひとつずつ課題をこなしていけば、4週間後には今よりずっと幸せになっている……はずだ。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。【人...
多くの研究によるとバカはかなり高い頻度で自己評価を一定レベルに維持するテクニックを駆使するという。。。
ジャン=フランソワ・マルミオン編「バカの研究」(亜紀書房)をとても楽しく読んだ。例えばこんなところ。“多くの研究によると、バカはかなり高い頻度で自己評価を一定レベルに維持するテクニックを駆使するという。<偽の合意効果>〔他人は自分と同じように考えるとみなす認知バイアス〕に関する研究結果によると、わたしたちは、自分と同じ悪習を持つ人間の数を誇張する傾向があるらしい。だから、バカに一時停止違反を指摘す...
このコスパの良さはある意味問題?―「お釈迦さま以外はみんなバカ」を読んで
なんともコスパのいい本をみつけたのでご紹介。高橋源一郎著「お釈迦さま以外はみんなバカ」(インターナショナル新書)。稀代の目利き高橋源一郎が、自分が面白いと思った本の面白いところを紹介していくという、どう考えても面白くしかなりようのない本だ。例えば「ドクター・オジーに訊け!」(シンコーミュージック・エンタテイメント)の紹介。リンクブラック・サバスのフロントマンで酒、クスリ、女遊びと三拍子そろったオジ...
自己実現のためにはアーリーリタイアが ”ほぼ必須” なのかもしれない
「自己実現」という言葉は、皆さんも聞き覚えがあると思う。自分探しをして、自分のやりたいことをみつけ、それを実現させるような意味に使われる。では「自我実現」はどうだろう? こちらの方は、あまり馴染みがないかもしれない。実はこれらの言葉は、スイスの心理学者ユングが最初につくったものだ。自己実現は、自分が通常考える自分(自我)を超えて、無意識の自分をも含めて自己と捉え、それを開花させること、つまり自分で...
今の若者は結婚するにも車を買うにも「年収600万円はないと」と考えているらしい。
今日はSMBCが定期的に行っている意識調査「20代の金銭感覚についての意識調査」について書く。file:///C:/Users/uchiyama/Downloads/d39964-17-fa2b37eb324805f5ed4391be5fbd6731%20(1).pdf「半数以上がが●●しようと思えるシリーズ」では、・ 20代の半数以上が結婚しようと思えるのは「年収600万円」・ 20代の半数以上が自家用車を購入しようと思えるのは「年収600万円」とのこと。結婚と自家用車が600万円と同額であった。ちなみ...
数年前、H会長という地元経済界の重鎮に講演を頼まれた時の話。会場はとあるホテルの宴会場。集まったのは地元の人間なら誰もが知る有名な企業の経営者ばかりだ。講演に先駆け、事情通の友人からは、「ロータリーやJCの活動では飽き足らない、選りすぐりの人材が集まるすごい会だよ」とか、「なんせ大物ばかりだから、値踏みされているような気分になるかも」と脅されていた。しかし自分がそのような理由で緊張することはないだろ...
最近、やや金遣いが荒い。自分でも理由はわかっている。インフレだ。去年の物価上昇率は3%。ただし、一般的な買い物の範疇にある商品群での上昇率はもっと高く、実感としてのインフレは数字以上らしい。僕自身はほとんど買い物をしないので、それを体感することはほとんどないのだが、貯蓄に目を向けて計算すれば目減りのほどがはっきりと見えてくる。銀行預金の金利は若干上がったとはいえ限りなくゼロに近いから、実質金利は大...
幸福の要素を箇条書きにしてみました!~“世界の学者が語る幸福”続き。
“世界の学者が語る幸福”(西村書店)について、続き。リンク今日は僕にとって個人的にいいなと思った知見を、箇条書きにして紹介する。()内は内山のコメント。・一方、悪い形の「中毒性の」幸福もある――アルコールと薬物、成功と地位への固執、くだらない娯楽、そして孤独な社会生活に浸るような幸福である。(気をつけよっ 笑)・結局のところ、私の幸福は私自身と私自身の考え方次第なのである。その他のことは全て、二の次な...
ほうら、やっぱりお金で幸せは買えないんじゃん! と再確認 ~ “世界の学者が語る幸福”
“世界の学者が語る幸福”(西村書店)の紹介。編者であるレオ・ボルマンスはポジティブ心理学において、彼が考える「最も著名な専門家100人」にコンタクトをとり、それぞれの研究を世界中の人々に向けてのメッセージとして1000語以内にまとめてほしいと依頼した。その結果、レオ・ボルマンスは50の異なる国々から原稿をうけとることに成功し、この本を取りまとめることになったというわけだ。僕は自著“幸せの確率~あなたにもできる...
“幸せを手に入れる方法が1つある。それは気持ちの持ち方を変えることだ” ~ デール・カーネギー
今日紹介するのは、デール・カーネギー(1888年 – 1955年)による名言。アメリカの作家で教師にして、自己啓発、セールス、スピーチおよび対人スキルに関する各種コースの開発者、と肩書満載のお方だ。現代風に訳すと、企業研修の講師・コンサルタントといったところか。自己啓発系作家のハシリと言ってもいいかもしれない。彼が残した名言は、これ。“世の中の人は誰でも幸せになりたいと思っている。それを手に入れる方法が1つあ...
岡本太郎 “ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに「歓喜」という言葉を使う。“
今日は、岡本太郎(1911年- 1996年)。「芸術は爆発だ!」の、あのお方である。幸せに関する言葉も、これと感じが似ている。“ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに「歓喜」という言葉を使う。“「しあわせ」という言葉は、確かに「歓喜」に比べたらニブく聞こえる。でも、もし「幸せがニブイ人間のもの」と考えるのなら、「歓喜を求める生き方は、スルドくはあるが不幸な人間をつ...
いつか人生を終える日がやってくるという事実から、僕らは目を逸らしてはならい
よく取り上げられる名言なので、知っている人も多いとは思うが・・・。アップルの創始者、故・スティーブ・ジョブズは毎朝、鏡に映る自分にこう問いかけたそうだ。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか?」と。そして「違う」という答えが何日も続くようなら、それは生き方を見直すサインだと捉えていた。僕自身、現役時代、医師としての仕事に誇りもやりがいも感じていたが、それでも年を追...
愛する人が殺害されたとき、僕らは犯人を憎まずにいられるだろうか?
今日紹介するのは今枝由郎著「ブッダが説いた幸せな生き方」。リンクとあるエピソードに感銘を受けたので記したい。p221~ブッダのメッセージを自らの行動で示したフランス人がいます。彼は仏教徒ではありませんが、いかなる宗教的観点から見ても、これが人としての崇高な行動であることは誰もが認めるものです。2015年11月13日にパリで起こったイスラム教過激派組織による同時多発テロで、妻を失ったアントワーヌ・レリスさんは...
今日は昨日の記事の続きで、サピエンス全史(河出書房新社)、下巻からの抜粋。農業革命で人類が農耕・牧畜の手法を習得したとき、周囲の環境を整える、集団としての能力は増大したが、多くの人間にとって、個人としての運命はより苛酷になった。農民は、種類の面でも栄養の面でも劣る食料でなんとか生き延びていくために、狩猟採集民以上に働かなければならなかったし、病気になったり、搾取されたりする危険も格別に増した。同じ...
昨日の記事の中で、サピエンス全史(河出書房新社)に触れた。ずいぶん前のベストセラーであり今さらという感じもするが、いまだ古びた感はまったくないので、一部を引用の上、自分の考えを述べたい。今回は、主に上巻からの抜粋。狩猟採集民は、地域ごと、季節ごとに大きく異なる暮らしをしていたが、後の農民や牧夫、肉体労働者、事務員よりも、全体として快適で実りの多い生活様式を享受していたようだ。狩猟採集民が未来を考慮...
豪・メルボルン大学の研究機関で、年齢が40歳以上である6000人以上の男女を対象にして、週に何時間働くと認識能力に影響が出るのかを測定したところ、男性にとって最適な労働時間は週25〜30 時間、女性の場合は週22〜27時間ということがわかったそうだ。これ以上になると認識能力の働きに悪影響を与える可能性があるとのこと。https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2737742そして、これは自著 “幸せの確率~あなた...
少し前にREITは買いの好機では? との記事を書いた。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1421.html以下は2月26日の大和アセットマネジメントによるレターから。(REITはこの後3月中旬に上昇するも下旬~4月上旬に下落したため、紹介されている数値はあまり変わっていない)。ポイントは、• J-REIT市場は2020年12月以来の水準まで下落• J-REITが保有する不動産の賃貸市況は良好。配当は成長続く• 高い利回りと資産価値からみ...
子供たちの春休みが終わった。一番上は大学2年生で上京しており、下に高校1年生、中学2年生の3人の息子がいる。リタイアした身なので一般の方々ほど月日の流れが早いわけではないが、それでも子供たちとべったり過ごせる時間はあと何年も残されていないわけで、1日1日は実に貴重。もちろんこの春休みもたっぷり遊ばせてもらった。家族全体として一番の思い出になったのは、長男の帰省に合わせて訪れたリゾートホテル。株式市場が順...
幸福のあり方は年とともに変わり、だんだんとお金がかからなくなる!(はず)
今日は幸福について、加齢の観点から述べてみる。年を重ねると共に、若い頃とは幸せの感覚が変わってきたと感じることはないだろうか? ペンシルバニア大学のビジネススクールであるウォートンスクールの研究で、若い頃は特別な経験からより大きな幸せを感じる傾向があるが、年をとるとともに、何ということもない普通の経験が幸せにつながるようになることがわかっている。そのような変化が起きる原因は、人生において、あとどの...
「もっと多くのお金があれば幸せなのに」とつい思うのは日本人の特性らしい
今回は資産額と幸福との関係について。今まで地位財による幸せは持続時間が短いことや、収入が幸福に直結しないことを紹介してきた。「お金で幸せが買えない」以上、一定以上の資産が幸福面では意味がないことは容易に推察できることと思う。さらに人は資産額が増えるほど、それを失いたくないという不安感が強くなっていく。そう、資産は常に、「失う恐怖」と表裏一体の関係にあるのだ。実際に多くの人が富を手に入れた途端、日々...
「死とは何か」という大問題には早めに(そして真摯に)向き合っておいたほうがいいかもよ
今日紹介するのはシェリー・ケーガン著「死とは何か―イェール大学で23年連続の人気講義(文響社)」。リンクまずはアマゾンでの書籍紹介。○死とは何か○人は、死ぬとどうなるのか○死への「正しい接し方」――本当に、恐れたり、絶望したりすべきものなのか○なぜ歳をとるごとに、「死への恐怖」は高まっていく...
収入増は幸せに直結しない!~僕が医師時代、激務の中で感じたこと
自著“幸せの確率―あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ”の著者紹介欄には、このように書かれている。“1968年生まれ。医学博士。2004年に独立し、自分のクリニックを立ち上げたところ、多くの患者さんを集め、「行列のできる診療所」として有名に。しかしその後、激務と重圧から、人生のあり方をみつめ直すようになり、幸福学、心理学、伝統仏教など学んだ結果、家族や友人とより多くの時間を過ごしながら、自己実現に腰を据...
現役時代に楽しみにしていた趣味を実際思う存分やってみると3日で飽きてしまうってホント?
千田琢哉著「超一流のマインドフルネス」(徳間書店)の紹介。リンク瞑想に興味があり、日課にしているため手に取ったのだが、残念ながら内容は僕が知りたかった分野ではなく、著者自身の哲学という趣だった。相当な自信家らしく、次から次へと上から目線で持論を展開してくる。「確かに」と思えるものから、「はなはだ疑問」と言わざるをえないものまで様々だったが、盛りだくさんの内容で楽しく読むことができた。そんな中、目に...
今後、日本では貧富の差が拡大する可能性大 ~ ぬるま湯時代の終焉を予想する
新年度ということで予測記事でも書いてみようと思い立ったのだが、明るい内容になる気がまったくしない。とはいえ僕なりの切り口で日本の近未来を予想してみる。まずは円安(昨日の記事でも触れているので、もし興味があれば)。短期的には米利下げ、日本利上げにより多少の円高局面もあるだろうが、中期的に円安トレンドは続く可能性が高い。これだけ円安になると通常輸出産業が盛り上がり、貿易収支が黒字化するのだが、日本の20...
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昨日、僕はFIRE生活からたった2年で仕事に戻った人物が挙げた3つの撤退理由を、「作話だろう」と半ば断じた。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1154.html読者の中には反感を覚えた人もいるのではなかろうか?確かに記事を通してしか知らない人物の、ひょっとしたら真摯かもしれない発言を、僕が詳細を把握しないまま「作話」と推測するのは妙に聞こえるかもしれない。しかし僕は特に彼の発言に限って不信に感じているわけ...
「たった2年でFIRE卒業をした男性が語る、早期退職で見失った3つのもの」という興味深い記事をみつけたので、紹介の上、僕の考えを述べたい。https://www.businessinsider.jp/post-269525まずは序文から。FIRE(経済的自立、早期退職)もいいことばかりではない。少なくとも、37歳で引退したトニー(本人の希望で名字は伏せる)にとっては、いいことばかりではなかった。トニーはソフトウェア開発者として高収入を得ながら支出を切...
子供同士が幼稚園で仲が良かったことから、家族ぐるみでお付き合いをするようになったご家族がいる。ご主人のSさんは弁護士。子煩悩で、教育熱心だ。以前一緒に飲んだ時、Sさんが子供の将来について言った。「自分が好きなことを仕事にしてくれればいい。私からの意見はそれだけです」僕も完全に同意する。学歴ももちろん大切だが、それはやりたい仕事に有利にするための手段であって目的ではない。なのに日本では一番大事な根っこ...
「4週間で幸せになる方法」という本を出しているのもあり、本ブログでは幸福に関する名言を紹介している。皆さんは読むことによって幸せになるだけではなく、ちょっとした雑学も身につくことになる。もし気に入ったものがあったら、何かの折に友人にも披露して、ぜひ周囲も幸せにしてあげてほしい。リンク今日は、ユダヤのことわざ。他人を幸福にするのは香水をふりかけるようなものだ。 ふりかけるとき自分にも数滴はかかる。この...
今日は、G・W・カーチスによる言葉。ちなみに僕はこの人について、この言葉の他には何も知らないし、ネットで探しても情報はない。以前紹介したダンデミス同様、名言界隈(?)のみで有名という人が実はポツポツいるらしい。なんとも不思議な話だ。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-223.htmlしかもカーチス氏の場合はその名言もしょぼい。“幸福はまず何より健康のなかにある。”いかにもありがちな健康第一説だが、せっかく...
ちょっと古い本だが、橘玲著「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法(幻冬舎文化)」を紹介したい。リンク橘氏の著書は以前も紹介しているが、この本もなかなか興味深い。一部を引用してみる。p249-250“ある調査によれば、人生の満足度を7点満点とすると、アメリカのビジネス誌「フォーブス」に載った大富豪たちの満足度の平均は5.8だった。彼らは資本主義社会の頂点に立つ成功者で、豪邸やプライベートジェットなど、望むも...
FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとった言葉で、経済的自立と早期退職を意味します。FIREを目指す人は、投資や節約で資産を増やし、4%ルールを守って運用することで、毎年生活費の4%に相当する不労所得を得られる状態を目指します。この状態になれば、フルタイムの仕事に就かなくても生活費を賄うことができ、早期退職が可能になります。FIREは近年注目を集めているライフスタイルの一つですが、メリッ...
今日は古代ギリシャの哲学者、アンティステネス(紀元前444年 - 紀元前365年)による言葉。“「人間最高の幸福とは何か」「幸せに死ぬことだ」”ありきたりと言えばありきたりなセリフであり、すっと聞き流すこともできる。でもこれって案外、深い言葉かもしれない。幸せに死ぬためには、死ぬときに幸せに感じられるようなコンディションづくりが必要になる。では、どのような行いが死ぬときの幸せに通じるだろうか?「たくさん金儲...
池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」を紹介してきたが、今日が最終回。リンクタイトルは「あがり症の人は不安を書き出すこと」。あがり症の人にとって朗報となる研究が、2011年1月の『サイエンス』誌に掲載されました。シカゴ大学のベイロック博士の論文です。(中略)ベイロック博士は、「高等学校の生徒106名に対して、期末試験でこの事実を確認しました。テスト直前に10分の時間を与え、次の試験科目のどの部分がど...
昨日に引き続き、池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」からの紹介。リンク今日は「イメージトレーニングはダイエットにも効果的!?」から。イメージトレーニングは、スポーツのみならず、ダイエットにも効果があるらしいというから驚きです。2010年12月の『サイエンス』誌に掲載されたカーネギーメロン大学のモアウェッジ博士の研究です。あたかも食べたかのようにイメージするだけで、食べたいという欲求が減るといいま...
今日紹介するのは池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」。相変わらず池谷氏の著書にはハズレがなく、この本も興味深く読ませていただいた。リンクそこで何回かにわけて僕が個人的に勉強になった部分を紹介する。今日は「ゲームの中毒性が自己管理能力を促進する!?」から。TVゲームやSNSなどのデジタル技術は脳にとって悪影響でしょうか。ゲームで遊ぶことで認知能力が高まるとするデータもあり、専門家の間でも統一...
の今日は作詞家、音楽プロデューサー、秋元康(1958-)の言葉。“自分の幸せが定義付けできない人は、何も手に入らない。大事なのは、自分にとって何が幸せなのか、どうすればドキドキできるのかを、しっかり理解しておくことです。”本当に、そうだろうか?僕はちょっと懐疑的だ。たとえば、ある人がギャンブルこそが自分の幸せと信じているとする。それが一番ドキドキする、と。であればどんどんギャンブルをしなさい、とは僕なら...
昨日に続きメジャーリーガー大谷翔平の愛読書でもある、中村天風の著書「運命を拓く(講談社文庫)」の紹介。リンク今日は僕が好きな個所を少し長めに引用する。p235~三年四年経った人が私にお礼をいうとき、この人は、本当に私のいうことを聞いていたな、と私が思うようなお礼をいう人は、まあ十人に一人いるか、どうかである。たいていの人は、「(前略)尊いことを教えていただいたお陰で、この頃は、弱かった体も、すっかり...
中村天風(敬称略)という人物がいる。以下は中村天風財団HPより。https://www.tempukai.or.jp/know/footprint中村天風(なかむらてんぷう)明治9(1876)年生まれ。日露戦争の軍事探偵として満蒙で活躍。帰国後、当時不治の病であった肺結核を発病し、心身ともに弱くなったことから人生を深く考え、人生の真理を求めて欧米を遍歴する。一流の哲学者、宗教家を訪ねるが望む答えを得られず、失意のなか帰国を決意。その帰路、奇遇にも...
引き続きニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。最終日の今日は下巻から。よく思考実験でも使われる「最後通牒ゲーム」なるものがある。2人1組でのゲームなのだが、まずはルールを引用で説明したい。このゲームは、思いがけない授かりもの(たとえば10ドル)がプレーヤー1(提案者)にあたえられるところから始ま...
昨日の予告通り、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。今日は上巻から。アマゾン川流域などでは、子供には複数の父親がいると信じられている地域が多く点在するそうだ。分割できる父性を信じている文化では、子づくりにおける女性の役割はたいてい否定され、女性は「容れ物」にすぎないとみなされている。一部の...
今日はビル・ゲイツ氏ら絶賛の話題作、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)を紹介する。まずはAmazonから。経済格差、人種、国家間対立…。今ほど「分断」が強調される時代はない。だがちょっと待ってほしい。こうした分断はなぜ起こるのだろう?それは進化の過程で、私たちが「仲間」を愛し、尊重する能力を身につけたからだ。この能力こそが、世界の命運...
今日は『箴言集(しんげんしゅう)』の執筆で知られるフランスの文学者、ラ・ロシュフコー(1613年 - 1680年)による言葉。“我々は、 幸福になるためによりも、 幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである。”最初に頭に浮かんだのは疑問符だ。人に幸福に思われたくて四苦八苦?というのも、正直に言って僕の場合は逆だからだ。幸福話なんて退屈だろうと思うから、友人と飲むときは失敗談を冗談交じりに話すことが多い。...
今日は、ダライ・ラマ14世の言葉。“他の人々に幸せになってもらいたければ、思いやりを実行に移すこと。自分が幸せになりたければ、思いやりを実行に移すこと。“無粋と知った上でわかりやすくすれば、「思いやりの行動は相手だけでなく自分をも幸せにする」ということ。実はインド独立の父、マハトマ・ガンディーも、「報いを求めない奉仕はひとを幸福にするだけでなく、わたしたち自身をも幸福にする」と同じような言葉を残してい...
今日は、「にんじん」で有名なフランスの小説家、ジュール・ルナール(1864年- 1910年)による言葉。“幸福であるだけでは十分ではない。 他人が不幸でなければならない。”「人の不幸は蜜の味」と同義ととらえていいだろう。もちろん言いたいことはわかるが、ここはあえてナイーブに問いたい。自分が幸福感を高めるために、本当に他者の不幸がスパイスになるのだろうか?もしその通りであるとするなら、ある程度の貧富の差は、幸福...
友原章典著「実践 幸福学ー科学はいかに幸せを証明するか(NHK出版新書)」の紹介。3回目の今日は第4章「自分に合った幸せを見つける」の中の「社会とのつながり」から。リンク安直だが末尾の「まとめ」から引用。①幸せになりたければ、幸せな人のそばにいるとよい。②幸せの伝播力には、物理的にそばにいて、頻繁に接触があることが大事。③幸せの伝播力は、男女間よりも、同じ性別間でのほうが高い。④20代の時の交流の量、30代...
昨日に引き続き、友原章典著「実践 幸福学ー科学はいかに幸せを証明するか(NHK出版新書)」から。リンク今日は「アファメーション」と呼ばれる方法を紹介する。(p122~)思考は、過去の経験の産物です。私たちの実体験が、どのように考えるかに影響しています。ただ、現実世界における経験だけがすべてではありません。想像による疑似経験でも、記憶に刷り込まれていきます。このため、想像力を働かせて、特定のイメージを...
今日から数回にわたり紹介する予定なのは友原章典著「実践 幸福学ー科学はいかに幸せを証明するか(NHK出版新書)」。リンク以下はAmazonでの解説。「幸せはお金では買えない?」「お金に執着する人は、不幸になりやすい?」「お金持ちは、貧乏な人よりも幸せ?」…こうした疑問に科学はどう答えるのか。行動経済学の専門家が、最新の「幸福学」の知見とデータをもとに、一人一人の特性に合った「幸せ」を提唱する。著者について青...
今回紹介するのはタル・ベン・シャハー著「ハーバードの人生を変える授業(大和書房)」。著者は心理学博士で、本書発行当時のデータだと、イスラエルのヘルツリヤ学際センターで教鞭をとっている。この本からは、「お金を理解する」という項を紹介する。p188ダニエル・カーネルマンの研究からの引用。“高収入があると幸せになると広く思われていますが、それは幻想にすぎません。平均以上の収入のある人は比較的人生に満足はして...
今日はフランス革命における指導者の1人であり、ジロンド派の女王と呼ばれた、マダム・ジャンヌ・ローラン(1754年 - 1793年)による言葉。“誰もが幸福についてしゃべる。 しかしそれを知っている人はほとんどいない。”確かに当時はそうだっただろう、と思う。哲学者や宗教家が、特に根拠なく幸せを語っているだけで、どの考えが核心をついているかは、つきとめようがなかった。でも今は幸福学という学問がある。これは幸福感や生...
今回で最終回、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくという内容なのだが、これに対するAmazonでのカスタマーレビューが興味深かった。半分近くが星5つなのだが、低評価のレビューもちらほら。その中でも星1つをつ...
前回に引き続き、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくという内容だ。僕は以前から幸福学やポジティブ心理学に興味があって、多くの知見に納得してきたのだが、どうにも腑に落ちないデータもいくつかある。その代...
今日から数回にわたり「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」のご紹介(集英社インターナショナル)。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくというもの。発想と行動力に興味を抱いて手にとったところ、なかなかおもしろい内容だった。ちなみに幸福度調査トップのコスタリカでは、平均で8.5...
今日紹介するのはドイツのことわざ、“幸福は婦人に似ている。若い者を好み、移り気だ。”これは最初、あまりに意味がわからなくて笑ってしまった。そもそも夫人は若いものを好むのか? そして、移り気なのか? それは人によるだろう、という気がする。幸福が移り気。これはわかる。幸せな気分が、ほんのちょっとした出来事で消えてしまうことは誰しも経験があるだろう。これはほとんどの場合、気の持ちようで解決できるのだが、そ...
少し前のベストセラーではあるが、今日引用して紹介するのは「ライフシフト(東洋経済新報社)」。この本からきた「人生100年時代」という言葉は、その年の流行語大賞候補に挙げられている。現在まで人類の平均寿命は伸び続けてきており、データ上はそれが頭打ちになる兆しはない(つまり、伸び率の鈍化がみられない)。このまま寿命が伸び続けるとすると、現在50歳未満で先進国に住む人は100歳くらいまで生きる公算が高くなるのだ...
今日は文豪、トルストイ(1828年 - 1910年)のあの名言。“幸福な家庭の顔はお互い似かよっているが、 不幸な家庭の顔はどれもこれも違っている。”有名なものなので知っている人が多いことと思う。幸せの本質を見事に表した名言で、なるほどと唸らされる。でも冷静に考えると、ちょっと不思議な点も出てくる。「不幸な家庭の顔が違っている」これに関しては異論はないだろう。貧乏だから不幸。金持ちだけど病気がちだから不幸。健康...
池谷裕二監修「勉強脳の作り方」(日本図書センター)。大体知っている内容ではあったが、知見が濃厚に詰まっていて役に立った。備忘録として個人的に重要と考えた個所をまとめておく(自分用というより、主に子供たちの学習用)。・ストレスによって脳の機能は低下し、記憶力や学習能力が落ちる。・平均的なペースは40分勉強したら5~10分休憩(自分にあったタイミングで)。・休憩時間にはなにもしないこと(ゲームはもちろん、...
今日はノーベル文学賞も受賞したフランスの作家、アンドレ・ジッド(1869年- 1951年)の名言。“幸福になる秘訣は快楽を得ようとひたすらに努力することではなく 努力そのもののうちに快楽を見出すことである。”これも本当にその通りだと思う。手前みそではあるが、自著
前回、より多くの幸福を感じるためには増やすのではなく、今現在「ゼロ」のことを始めたり、新たに獲得したりすることが大切だと書いた。今回はどのような活動や趣味が喜びに繋がりやすいのかについて、データを元に書いてみたい。幸福学における研究により、能動的な趣味の方が受動的なものよりも幸福度を上げることがわかっている。例えばテレビを見る、映画を見る、買い物をするといった娯楽は受動的趣味にあたり、あまり幸福度...
前回の記事では自由時間を有意義に過ごすための実践的なテクニックを書いた。今日はそれを補足する。幸福度を高めるためには今あるものを増やすより、ないものを得ることの方が重要であることが研究によりわかっている。例えば僕ら夫婦でいえば、長男が生まれてから三男が幼稚園に入るまでの10年近くの間、夫婦で外食をする機会はほとんどなかった。常に最低1人はまだ幼稚園にも行かない、幼い子供が家にいるわけだから、夫婦で出...
アーリー/セミリタイアブログをみていると、リタイアしたら時間を持て余して困る、あるいは、そうなるんじゃないだろうかと不安だ、という文章が散見される。それについて何回かに分けて私見を述べたい。僕は「人生」とは「時間」だと思っている。時間がなくなるときが、死、すなわち、人生の終わりだからだ。なので時間を持て余すなどと聞くと、その人の生きて行く意義ってなんだろうと首を傾げたくなってしまう(失礼)。子供の...
今日は3大幸福論のひとつを著したフランスの哲学者、アラン(1868年 - 1951年)は、による言葉。“幸福だから笑うわけではない。 むしろ、笑うから幸福なのだと言いたい。”まったくその通りだと思う。このところ、セロトニンという言葉をよく耳にするようになった。これは神経伝達物質と呼ばれるものの1種で、腸や血液中の他、一部は脳内に存在し、頭をすっきりさせたり、心のバランスを整えポジティブで安定した状態に保ったりす...
今回は昨日からの続きで、バートランド・ラッセルから考える、労働と幸せとの関係について。前回書いたように、ラッセルは「怠惰への賛歌」の中で、「勤労の道徳は奴隷の道徳であるが、近代世界は、奴隷を必要としない」と語っている。リンクところが、である。その数年前に執筆された、現在でも世界的にも有名な「幸福論(岩波書店)」ではこう語っているのだ。「仕事は幸福な人生を築くために重要なものである」、と。さきほど紹...
今回紹介するのはバートランド・ラッセル著「怠惰への賛歌(平凡社ライブラリー)」。ラッセルといえば有名なのは昨日紹介した「幸福論」だが、これはそれより数年後に書かれている。そこにはこんな文章が。“勤労の道徳は奴隷の道徳であるが、近代世界は、奴隷を必要としない。(中略)私たちは生涯をあまりに重んじすぎるし、消費をあまりに軽んじすぎる。その結果の一つとして、享楽や純粋な幸福には、あまり注意を払わなすぎる...
今回紹介するのはラッセル著「幸福論(岩波文庫)」。アランやヒルティの「幸福論」と並んで三大幸福論と称される、世界的に有名な名著だ。イギリスの哲学者でノーベル文学賞受賞者でもあるラッセルが58歳のときに書いたもので、他の幸福論と比べても理知的な印象が強い。人生の達人たるラッセルの智慧の宝庫だと言えるだろう。第5章「疲れ」からいくつか引用してみる。p79“きちんとした精神は、ある事柄を四六時中、不十分に考え...