昨日の予告通り、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。今日は上巻から。アマゾン川流域などでは、子供には複数の父親がいると信じられている地域が多く点在するそうだ。分割できる父性を信じている文化では、子づくりにおける女性の役割はたいてい否定され、女性は「容れ物」にすぎないとみなされている。一部の...
2021年が終わろうとしている ~ 個人的振り返りと来年への展望を記す。
2021年が終わろうとしている 。アーリーリタイア生活6年目。コロナ禍でこういうのもはばかられるが、個人的には平和な年だった。春には近県に家族旅行。旅といえばビーチリゾートが定番だった我が家にとって、新型コロナによる移動制限は大きなダメージだった。しかしそこで逆に、今まであまりしてこなかった「国内の観光旅行」をしようではないかと発想を変えた。良くも悪くも外国人旅行者がいない観光地はすいていて、のんびりと...
僕の住むマンションは東に歩いて5分で川岸、南に30秒で大きな公園、西にしばらく行くと海、北に歩いて10分で飲み屋街という、なかなか恵まれたロケーションにある。この街に住み始めてもう30年以上たつが、あまりに快適で他の土地に住もうという気にならない。ジョギングは川岸が快適だ。芝生の上を走ってもいいが、その横には整備されたジョギングコースもある。散歩や子供たちと遊ぶのには公園。遊具スペースの奥には芝が広がっ...
年末年始到来! 健康上もっとも注意すべきこととは?~たまには医者っぽいアドバイスをしてみる
年末年始といっていい時節になった。医師として皆さんに注意してほしいこと。それはくれぐれも体調に気をつけてほしいということだ。年末年始は生活のリズムが変わり、体調を崩しやすい。しかし病気やケガをしても正月の3ヶ日が終わるまではまともな医療が受けられない可能性が高い。当たり前だが病院の一般外来も開業医も、年末年始は閉まっている。となれば行くのは救急外来、地域によっては当番診療をしているクリニックしかな...
7年前の院長ブログより転載。***********************************先日、小学校4年生の長男が、「回るお寿司じゃないお寿司屋さんに行ってみたい!」 と言い出しました。理由を聞いてみると、テレビアニメの 「ドラえもん」 でスネ夫が親と寿司屋のカウンターで食べている様子をみて、うらやましくなったと言うのです。「回るお寿司とカウンターのお寿司は、いったいどこが違うんだい?」私が...
フルタイム労働って最近始まった異常な事態という考え方もできるよね
昨日、江戸から明治時代へと人々を取り巻く環境がどう変わっていったかについて書いた。実は労働を取り巻く環境も大いに変わっている。以下は自著「幸せの確率~あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」から引用。リンクフルタイム労働の歴史はたったの一五〇年! 昔のお気楽な働き方に学ぼう次に労働の歴史的な変遷についても触れてみましょう。そもそも人間は、いつから「生涯の大半を労働に捧げる」ことが普通だとされる...
江戸から明治時代の移行。庶民が大いにとまどったのは「時刻」だったとのこと。~伊集院静著「ミチクサ先生」を読んで
僕にしては珍しく小説を新刊で読んだ。伊集院静著「ミチクサ先生」。夏目漱石の人生をつづった伝記的小説で楽しく読み進めることができた。リンク夏目漱石は1867年生まれだからぎりぎりで江戸時代の生まれ。小説の中で描かれていた江戸時代から明治時代への生活の変化が個人的にはとても興味深かった。そもそも文学分野での僕の読後感想に興味のある人はいないだろうから、当ブログでは本筋ではなくそちらに焦点を当てて紹介したい...
今年の株取引もそろそろ終了。FIRE生活6年目の僕の感想はというと。
今年の株取引もそろそろ終了。日経平均は終わってみればボックス相場であった。昨年末の日経平均株価が2万7444円だから、今はそれより数%高いところで推移している。一方でアメリカ株は堅調でS&Pは20%以上の値上がり。現在も最高値圏で推移している。投資対象を国内に限定している投資家と海外に目を向けている投資家とではっきりと明暗をわけた1年となった。ちなみに僕がもっている投資信託はほぼMSCIコクサイ1本。アベノミク...
「宝くじが当たったら何に使うか?」 を聞けば、その人の幸福度が見えてくる。
随分前の話になる。 飲み屋のカウンター席でひとり、ぽーっと飲んでいたら(これが至福の時なのですな)、後ろのテーブル席から女性数人の話し声が聞こえてきた。ふりかえって見たわけではないので確かなことはわからないが、声の感じからすると僕と同じ40~50歳代だろうか。ひとりの女性が年末ジャンボ宝くじについて熱弁している。どうやら以前、前後賞を合わせた賞金額が10億円に増額されたことに不満があるらしい。主な理由は...
12月19日の報道。【オミクロン、急速に主流化 際立つ感染力、2日で倍増】https://www.tokyo-np.co.jp/article/149865新型コロナウイルスの新変異株、オミクロン株が世界で猛威を振るい、主流化が急速に進んでいる。最初に報告した南アフリカでは既にデルタ株から置き換わり、欧米諸国でも市中感染が加速する。2日間で新規感染者が倍増するとされ、感染力の強さが際立つ。オミクロン株はどうやらとてつもない感染力のようだ。【...
血流を良くして体を温める、日本人にとって大切な健康習慣である入浴。しかし、何℃位が健康にいいのかは意外と知られていません。「お風呂の設定を何度にしていますか?」と聞くと、ほとんどの方の答えは42℃。どうも42℃という温度が、お風呂の標準温度と考えられているようです。実際に42℃のお風呂に浸かると、体にどのような変化がおこるのでしょうか? 実はたった10分間で血圧は20も上昇し、脈も1.5倍くらい速くなります。また...
あなたがアーリーリタイアしたい動機は、本当にそれなのだろうか? ~ 「単純な脳、複雑な私」2
前回に続いて、池谷裕二著、「単純な脳、複雑な私」(朝日出版社)から、興味深かった箇所を引用してみる。リンク“右脳と左脳に違う単語を表示してみる。たとえば、左脳に時計、右脳にドライバー、と見せる。すると、目の前に並べられた物の中から、きちんと時計とドライバーを選べる。もちろん、本人には時計と表示されたことだけが意識にのぼる。左脳だからね。にもかかわらず、ドライバーも一緒に手に取る(内山注;ドライバー...
リタイア後のバイトは賃金にこだわらないほうが幸福につながる!? 「単純な脳、複雑な私」1
池谷裕二著、「単純な脳、複雑な私」(朝日出版社)の紹介。脳研究者である著者が母校で行った脳についての講義を書籍したもので、少し古い本なのだがこれが実におもしろい。リンクたとえば仕事の報酬と仕事のおもしろさとの関係について。ふたつのグループに単純作業を与えグループAには高めの報酬を、グループBには低めの報酬を与えると、どちらが仕事をおもしろく感じるのか?ぱっと考えるとAのような気がするが、実は低報酬の...
7年前のお話し。旧院長ブログより**************************************うちの子供は9歳、5歳、3歳の三兄弟。今日は真ん中に挟まれている次男の話です。常日頃からこよなく長男を尊敬し (理由はまったくの謎)、長男の言うことならふたつ返事で聞く次男。先日私が帰ると、玄関まで飛んできて言いました。「お兄ちゃん、すごいんだよ!」どうした? と私が聞くより先に、次男は勢いよ...
空港検疫をPCRに戻したってすり抜けが半分以下になるわけじゃないって理解してます?
「#空港検疫をPCRに戻して下さい」とのハッシュタグがSNS上で多くみられるようになった。日本での空港検疫が現在、定量抗原検査で行われていることに対する抗議のようだが、わかって発信しているのかは大いに疑問だ。検疫検査をPCRに戻すメリットがどの程度あるのかを解説したい。上の図は新型コロナウイルスに感染してからのウイルス量変化を示したグラフ。感染してからまもな体内のウイルス量は急激に高まり、5日後くらいをピー...
ファクターXは「多くの日本人がもつ効率的なキラーT細胞」? んなわけ、ないっ!
先週、新型コロナに関してひとつの研究結果がマスコミを賑わせた。理研がコロナの「ファクターX」一部解明https://news.yahoo.co.jp/articles/5c3b2bcd7625ba2e6580afd3ef935d58726c3fca日本人の新型コロナ患者の重症者や死亡者が、欧米人に比べて非常に少ない理由として存在が指摘されてきた謎の要因「ファクターX」について、理化学研究所は8日、「日本人に多い特定の免疫タイプが要因の一部だと解明した」と発表した。新型コ...
日本人の幸福度ははたして高いのか!? ~ 「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」を読んで3
今回で最終回、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。リンク著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくという内容なのだが、これに対するAmazonでのレビューが興味深かった。8件のカスタマーレビューで、星5つが5件ある一方、星2つが2件、星1つが1件ある。...
アーリーリタイアで得る自由は本当に幸福をもたらすのか ~ 「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」を読んで2
今日も前回に引き続き、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人がなにを学ぶべきかを探っていくという内容だ。リンク僕は以前から幸福学やポジティブ心理学に興味があって多くの知見に納得してきたのだが、どうにも腑に落ちないデータもいくつかある...
幸福度の高い国々からの意見とアーリーリタイア ~ 「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」を読んで1
今日紹介するのは「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人がなにを学ぶべきかを探っていくというもの。発想と行動力に驚かされて手にとったのだが、なかなかおもしろい内容だった。リンク幸福度調査トップのコスタリカでは、平均で8.5点(10点満点)、ド...
人はどのようにして幸福感をえるのだろうか?人の幸福度を決めるのは、次に挙げる3つの要素しかない。① 遺伝によってすでに決まっている、幸福に対する感性 もちろん、これはまったく変えることができない。② 幸福になるための環境 社会的地位、資産、美醜などはここに含まれる。 変えることはできるが、そう簡単ではない。③ 幸福になるための、活動や考え方 例えば感謝の気持ちを忘れないとか、人に親切にするといった、...
昨日の次男のエピソードが好評だったのでもう一回。7年前の院長ブログより転載。**************************************************************我が家の天然児、6歳の次男の話。うちの息子達は3人とも空手を習っているのですが、今度、長男(小学校4年生)と次男が、外国人の前で空手の 「型」 を披露することになりました。その時、せっかくだから英語でスピーチもさせようということになり、私が原稿を書いてみました。長...
7年前。開業医時代に書いていた院長ブログからの転載です。************************************次男の天然ぶり 天然ぶりが増してきている次男 (6歳) の話。先日、掛け時計に目をやると、驚きの声を上げました。「見て! 時計の針が1本になってる! いつもは2本なのに!!」その時の時刻は午後7時37分。皆さんお気づきとは思いますが、ちょうど短針と長針が重なる時間帯です。次...
AGAの心強い味方。フィナステリド発売開始から今月でちょうど16年になります!
AGA (男性型脱毛症) 治療の飲み薬、フィナステリドが日本で使えるようになってから今月で16年になります。実は私自身も発売当初からフィナステリドを内服しており、この10数年間で相当髪の量が増えました。30歳になった頃は「このままいくとじきに禿げるんだろうなあ」 と思っていましたが、まさかこんな展開になるとは。実に嬉しい誤算です。こんなことなら、あの時あせって結婚しなければよかった (ウソウソ)。そんな...
アーリーリタイアすると、生活のリズムが崩れやすくなるので注意が必要?
アーリーリタイアすると生活のリズムが崩れないかとたまに聞かれる。答えはというと、僕の場合は崩れない。まず朝から子供たちがやかましいので7時前には目が覚める。決して素敵な目覚めではない。しかもただ騒がしいだけではなく、喧嘩交じりであることが大半だ。げんなりする。小鳥のさえずりかなんかで目覚めたいものだが・・・まあ、無理だろうな。起床後は子供たちの世話を焼きながら新聞に目を通し、カプチーノを2杯飲む。...
アーリーリタイア準備でお金と同様に大切なのは、リタイア後も維持できる社会との繋がりだと思う
再三書いてきた通り、僕は2016年の2月にセミリタイアした。手法は自著“幸せの確率~あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ”や本ブログで書いてきた通り。目的はというと、のんびりしたかったのもあるが、「本当に自分がやりたいこと」のための時間がほしかったから。やりたいことはその当時からいくつかあったし、その後多少の入れ替わりを経て、やはり今でも複数ある。そんな中最優先課題だったのは本を出すことで、それ...
年末も近いし、何か晴れやかなことがしたいなあと考えていたところ、古い記憶と共に突然ひらめいた。馬刺し!僕がまだ研修医だったころの話。全国規模の学会で初めて発表することになり、熊本に行った。とてつもなく緊張した発表を終え、その後の打ち上げで馬刺しを食べた。脂がのっていて、実に濃厚。衝撃のうまさだった。僕の住むエリア(東日本)でも、馬刺しは生産されている。しかし熊本で食べた馬刺しはまったく別物に思われ...
セミリタイアしたことにより感じているデメリットを、今日は率直に書いておこうと思う
FIREして6年近くなる。 “幸せの確率~あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ” という本を上梓したくらいだから、もちろんアーリー/セミ・リタイア万歳! のタイプなのだが、それでも月日がたつにつれ、デメリットも浮き彫りになってきた。今日はそのことについて書きたい。まず、当たり前だが「忙しい合間にやるからこその幸せ」が、ほぼ皆無になった。バーでのストレス発散の一杯、疲れた自分をあやすようにして見るテレ...
今の時代こそ知識知恵が求められていると思う~”大遺言(小学館)”を読んで
FIREしてから大量の本を読んでいる。こんなに本を読むのは、もちろん人生で初めてだ。先日読んだのは永六輔さんの孫、永拓実さんによる“大遺言”(小学館)。リンク永六輔さんが残した言葉をエピソードを交えて紹介している本で、心に染みるフレーズがたくさんある。“P32知識でしゃべらず、知恵でしゃべる。何を説明するかじゃない。何を伝えたいか考える。“いつの時代も知識と知恵とを混合している人は多い。ものを調べるのに書庫...
自著”4週間で幸せになる方法”の「売り」をアマゾンから引用する(後編)
僕にとって2冊目の本となる”4週間で幸せになる方法 Twenty-eight tips to create joyful life”。昨日に続いて、アマゾンの自著ページからその内容を紹介する。今日は、「出版社からのコメント」という欄。“日々の生活から幸せを感じられない・・・。幸福の本は何冊も読んだのに、さっぱり効果がない・・・。と嘆く、そんな人に朗報!!1日たった5分の読書で、幸せ習慣がばっちり身につくのが本書の特徴です。著者は医師として、作...
自著”4週間で幸せになる方法”の「売り」をアマゾンから引用する(前編)
僕にとって2冊目の本となる“4週間で幸せになる方法 Twenty-eight tips to create joyful life”。リンク今日はアマゾンの自著ページからその内容を紹介したい。“内容紹介幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で比較的簡単に実行できる28のアイディアが紹介されています。 毎日1つ、5分程度で読める分量の記事を読み、その内容を意識しな...
「ブログリーダー」を活用して、内山直さんをフォローしませんか?
昨日の予告通り、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。今日は上巻から。アマゾン川流域などでは、子供には複数の父親がいると信じられている地域が多く点在するそうだ。分割できる父性を信じている文化では、子づくりにおける女性の役割はたいてい否定され、女性は「容れ物」にすぎないとみなされている。一部の...
今日はビル・ゲイツ氏ら絶賛の話題作、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)を紹介する。まずはAmazonから。経済格差、人種、国家間対立…。今ほど「分断」が強調される時代はない。だがちょっと待ってほしい。こうした分断はなぜ起こるのだろう?それは進化の過程で、私たちが「仲間」を愛し、尊重する能力を身につけたからだ。この能力こそが、世界の命運...
今日は『箴言集(しんげんしゅう)』の執筆で知られるフランスの文学者、ラ・ロシュフコー(1613年 - 1680年)による言葉。“我々は、 幸福になるためによりも、 幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである。”最初に頭に浮かんだのは疑問符だ。人に幸福に思われたくて四苦八苦?というのも、正直に言って僕の場合は逆だからだ。幸福話なんて退屈だろうと思うから、友人と飲むときは失敗談を冗談交じりに話すことが多い。...
今日は、ダライ・ラマ14世の言葉。“他の人々に幸せになってもらいたければ、思いやりを実行に移すこと。自分が幸せになりたければ、思いやりを実行に移すこと。“無粋と知った上でわかりやすくすれば、「思いやりの行動は相手だけでなく自分をも幸せにする」ということ。実はインド独立の父、マハトマ・ガンディーも、「報いを求めない奉仕はひとを幸福にするだけでなく、わたしたち自身をも幸福にする」と同じような言葉を残してい...
今日は、「にんじん」で有名なフランスの小説家、ジュール・ルナール(1864年- 1910年)による言葉。“幸福であるだけでは十分ではない。 他人が不幸でなければならない。”「人の不幸は蜜の味」と同義ととらえていいだろう。もちろん言いたいことはわかるが、ここはあえてナイーブに問いたい。自分が幸福感を高めるために、本当に他者の不幸がスパイスになるのだろうか?もしその通りであるとするなら、ある程度の貧富の差は、幸福...
一昨日から紹介しているのが池谷裕二著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」。昨日は「心地よさ」や「快適さ」の度合いでしかなく、究極的には「好きか嫌いか」の問題に帰着するとの一節を紹介した。たとえば、「君の態度は間違っている」と自信満々に怒る人がいるが、「君の態度は嫌いだ」と言い換えても意味は変わらないことになる。今日紹介するテーマも僕らが自分自身に...
昨日から紹介しているのが池谷裕二著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」。今日はシマウマについての問題。p273キャンパスに描くシマウマのシマ模様について聞きました。どちらの答えが多いでしょう。① 白地に黒シマ模様② 黒地に白シマ模様今日も本書へのリンクの下に正答を掲載する。リンク答え ① 白地に黒シマ模様自分の世界こそ自分のすべてです。いや、厳密に言えば、...
池谷裕二氏による名著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」を今日から数回にわたり紹介する。とはいえ僕の本音は、「僕のブログで抜粋を読んでいる暇があったら、さっさと本を買って読んでほしい」というところ。そのくらいお薦めだ。p156地上より永遠に友達の顔を思い浮かべてみてください。何人思い浮かびましたか。そこで二つの質問をします。質問A―その友達のうち10年...
今日はフランスの小説家、シャルドンヌ(1884年-1968年)の名言。“幸福の話をこれほどまでに聞かされていなかったら、人間はもっと幸福だったろう。”ううむ、これは実に耳が痛い。お前みたいのが余計な本を書くから人は幸せになれないのだ、と言われているような気がする。……というのは、もちろん冗談。これはそのような意味ではなく、いわゆる幸せ自慢のようなことを指しているはずだ。リンク「結婚はいいぞ」「お子さんがいない...
FIRE生活での資金繰りにおいて、今月、我が家に明るいニュースがあった。「プルデンシャル米国ドル建リタイアメント・インカム」という、ドル建ての年金の受給が開始されたのだ。そもそも加入したのはいまから20年も前の2005年。当時、アメリカの長期金利が今同様に5%近くあったため、この保険も利率4.5%と非常に高いレベルで設定されていた。加入時の為替は1ドル105円。今とは逆に、為替は上がり下がりを繰り返しながらも、じり...
引き続きニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。最終日の今日は下巻から。よく思考実験でも使われる「最後通牒ゲーム」なるものがある。2人1組でのゲームなのだが、まずはルールを引用で説明したい。このゲームは、思いがけない授かりもの(たとえば10ドル)がプレーヤー1(提案者)にあたえられるところから始ま...
昨日書いた通り、このGWはベトナムのリゾート、ニャチャンにあるヴィンパールに滞在した。ベトナムについて一番痛烈に感じたのは、やはりまだまだ遅れているということ。宿泊は一応は五つ星ホテル(ヴィンパール リゾート & スパ ニャチャン ベイ)だったのだが、到着してすぐ、僕と妻の部屋の冷房の機器が悪いことに気づいた。そこで部屋の電話からトラブル時に指定された番号に連絡を試みるも、何度ダイヤルしても返答がない。し...
昨日書いた通り、ゴールデンウィークの後半に家族でベトナムに行ってきた。そもそも次男がこの春から高校に進学したため、学校での日程がどのように組み込まれるのか見当がつかず、ゴールデンウィークには何も予定を入れられないでいたのだが、入学後に配られた工程表を見る限り、連休は丸々空いている様子。ならば旅行にでも行きたいね、という話になり、ネットでチェックしたのだが、4月中旬では時すでに遅く、めぼしい宿はすで...
去年の春、家族で沖縄旅行に行った顛末を昨春に記した。僕にとって人生初のパッケージツアーだった。その時の記事から引用する。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1108.htmlパッケージツアーなるものを自分で利用したことは、今までに一度もない。若い頃はいわゆる「バックパッカー」で、いろいろな国をゆっくり、低予算で回るのが好きだったから、パッケージツアーのようなお仕着せのやり方を馬鹿にしているところがあっ...
今日紹介する名言は詠み人知らず。西洋の古い諺で、“何も知らぬことは最も幸福である。”というもの。狭義でとらえれば、「知らぬが仏」と同じと言えなくもない。自分では好かれているつもりでも、陰では悪評が絶えない、とか。彼、彼女が実は浮気をしている、とか。知らぬが仏、そして、何も知らない分には幸福、という考え方もできる。でも、これはもっと本質的な意味をも含んでいるのかもしれない。たとえば、つい最近まで人類は...
いとうせいこう氏と精神科医・星野概念氏との対談、“ラブという薬” という楽しい本のご紹介。リンク特に興味深かったのが星野氏によるふたつの発言。人の話を聞くことについて。“p43今、聞いていて思ったんですけど、やっぱり傾聴するってこと自体が、「YESの姿勢」っていうか、相手を論破しようとしていないんですよね。でも、今ってなんとなく論破しないとカッコつかない感じになってきてるんじゃないですか。ツイッターとか...
10数年前、ラジオCMのコピーコンテストに投稿するのにはまったことがある。開業医として一番忙しい時期だったので、小説を読んだり、まとまった文章を書いたりする時間がとれず、短いのならいけるかな、と安直な気持ちで挑戦したのが発端。ビギナーズラックで地方の賞をとり、「お、副業でコピーライターでもするか」とほくそ笑んだのも束の間、その後挑戦した有名な公募では入選さえはたせず、そう簡単なものではないと肩を落とす...
今日の記事で紹介するのは小池龍之介「考えない練習」。言わずと知れた名著であり、以前も紹介したことがあるはずだが、読み返していたら他の部分に共感したため、今回、再度紹介したい(僕は気に入った本は何度も読み返すことが多い)。リンクp166~コラム 休む/遊ぶ/逃避するこの三つは、仏道的にはだいたい同じようなものと申せるかもしれません。人は充実している時には、あまり休みたいとか逃避したいとは思いません。欲や...
アーリーリタイアしてから以前より新聞を丁寧に読むようになった。もちろん時間に余裕があるのが大きいが、収入があまりない今、支払った購読料の元を取らねばというさもしい気持があるのも否定できない。現役時代は読まずにとばしていた人生相談も、自分が回答者だったらなんてアドバイスするだろう、などと考えながら読むとこれがけっこう楽しい。読売新聞では(たまにしか登場しないが)作家のいしいしんじ氏が回答がとりわけす...
ロバート・ライト「なぜ今、仏教なのか(早川書房)」。原題は過激で、「Why Buddhism Is True」。なぜ仏教は真実なのか、というものだ。今日が最終回で、前回触れた自我についてのまとめとなる。まずは下記引用をご覧頂きたい。p128“重要なポイントが2つある。1.これは「自我」が「選択する」ことで生じる心理状態ではない。心理状態は感覚が引き金になって導かれる。「自我」はたてまえとして感覚にアクセスできることになっ...
アーリー/セミリタイアブログをみていると、リタイアしたら時間を持て余して困る、あるいは、そうなるんじゃないだろうかと不安だ、という文章が散見される。それについて何回かに分けて私見を述べたい。僕は「人生」とは「時間」だと思っている。時間がなくなるときが、死、すなわち、人生の終わりだからだ。なので時間を持て余すなどと聞くと、その人の生きて行く意義ってなんだろうと首を傾げたくなってしまう(失礼)。子供の...
今日は3大幸福論のひとつを著したフランスの哲学者、アラン(1868年 - 1951年)は、による言葉。“幸福だから笑うわけではない。 むしろ、笑うから幸福なのだと言いたい。”まったくその通りだと思う。このところ、セロトニンという言葉をよく耳にするようになった。これは神経伝達物質と呼ばれるものの1種で、腸や血液中の他、一部は脳内に存在し、頭をすっきりさせたり、心のバランスを整えポジティブで安定した状態に保ったりす...
今回は昨日からの続きで、バートランド・ラッセルから考える、労働と幸せとの関係について。前回書いたように、ラッセルは「怠惰への賛歌」の中で、「勤労の道徳は奴隷の道徳であるが、近代世界は、奴隷を必要としない」と語っている。リンクところが、である。その数年前に執筆された、現在でも世界的にも有名な「幸福論(岩波書店)」ではこう語っているのだ。「仕事は幸福な人生を築くために重要なものである」、と。さきほど紹...
今回紹介するのはバートランド・ラッセル著「怠惰への賛歌(平凡社ライブラリー)」。ラッセルといえば有名なのは昨日紹介した「幸福論」だが、これはそれより数年後に書かれている。そこにはこんな文章が。“勤労の道徳は奴隷の道徳であるが、近代世界は、奴隷を必要としない。(中略)私たちは生涯をあまりに重んじすぎるし、消費をあまりに軽んじすぎる。その結果の一つとして、享楽や純粋な幸福には、あまり注意を払わなすぎる...
今回紹介するのはラッセル著「幸福論(岩波文庫)」。アランやヒルティの「幸福論」と並んで三大幸福論と称される、世界的に有名な名著だ。イギリスの哲学者でノーベル文学賞受賞者でもあるラッセルが58歳のときに書いたもので、他の幸福論と比べても理知的な印象が強い。人生の達人たるラッセルの智慧の宝庫だと言えるだろう。第5章「疲れ」からいくつか引用してみる。p79“きちんとした精神は、ある事柄を四六時中、不十分に考え...
今日紹介するのはイギリスの詩人、ジョン・キーツ(1795年 - 1821年)の名言。“もっと人生を本当に楽しめるときがいつか訪れるだろう。 その時をあなたは心待ちにしなさい。”学者ではなく詩人の言うことだから、人をはっとさせる要素さえあれば別に真実である必要はないのだろうが、これはちょっとひどいと思う。楽しめる日を心待ちにしながら日々を過ごしたら、本当の人生は指の間からすり抜けてしまう。この一瞬、一瞬こそが人生...
再三書いてきた通り、僕は2016年の2月に、大体一生分は稼いだと判断してアーリーリタイアした。手法は自著“幸せの確率~あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ”や本ブログで書いてきた通り。目的はというと、のんびりしたかったというのもあるが、「本当に自分がやりたいこと」のための時間がほしかったから。やりたいことはその当時からいくつかあったし、その後、多少の入れ替わりを経てやはり今でも複数ある。そんな中...
たまにSNSで「人生で覚えておくべき数字」というものを見かける。内容はというと、① 第一印象は3秒で決まる② 記憶は24時間後に74%消える③ 6分の読書でストレスが68%軽減される④ 行動は21日、思考は180日で習慣化される⑤ 週2回以上の筋トレで死亡率が23%減る⑥ 30秒のハグで33%のストレスが軽減される⑦ 20分の仮眠で8時間分の疲労回復⑧ 心配ごとの96%は起こらない⑨ 集中力の限界は90分どれも確かにインパ...
「作話シリーズ」、今回が最終回。ここまでは実験の数々によって、人間が理由を説明するとき、その多く(あるいはすべて)が作話なのだろうと書いてきた。今日はそれを別の角度から掘り下げる。瞑想の達人、小池龍之介の著書から、瞑想が進んだ状態での「思考」について紹介したい。リンクこの心の中に発生するいろいろな考えと見解は、自分で作っているものではなく、それゆえ自分のものでもない。前項ではそう記しましたけれども...
ずいぶんと長くなってしまったが、「作話」シリーズも終わりがみえてきた。今日は下の本から引用する。リンクp28~目の前に異性の写真が2枚あります。「どちらが好みのタイプですか。好きなほうの写真をさしあげますよ」。あなたは、好みのほうを指しました。実は相手は手品師で、こっそりと、あなたが選んだほうとは逆の、つまり好みでないほうの写真を手渡します。さて、あなたは手元にきた写真を眺めて、「好みでなかった異性...
昨日までは分離脳および海馬損傷患者での実験を例示し、僕ら人間が常日頃からいかに嘘ばかりついているかを説明した。しかし中には、「分離脳や海馬損傷というのはそもそも一般の脳とは異なる特殊な話では?」と訝しく思っている人もいることだろう。というわけで、今日は脳障害がない一般人での実験を紹介する。まずはこの本から。リンクp102~買い物客に四つのパンティーストッキングを見くらべてもらい、もっともいいものを一...
――作話――人間がいかに理由をでっち上げ、かつ自分でそれに気づかないでいるか、という話の続き。今日は海馬という脳の部位が損傷を受けた人での実験について下記書籍から紹介する。リンクp170~「海馬」という脳部位がある。海馬という脳部位が損傷を受けた患者さんを見ると、興味深いことがいくつかわかる。海馬は記憶をつくる場所だ。だから海馬が作動しないと記憶が形成されない。でも、それ以外の脳機能は正常だ。(中略)さ...
昨日、僕はFIRE生活からたった2年で仕事に戻った人物が挙げた3つの撤退理由を、「作話だろう」と半ば断じた。読者の中には反感を覚えた人もいるのではなかろうか?確かに記事を通してしか知らない人物の、ひょっとしたら真摯かもしれない発言を、僕が詳細を把握しないまま「作話」と推測するのは妙に聞こえるかもしれない。しかし僕は特に彼の発言に限って不信に感じているわけではない。彼に限らず我々人間が述べる「理由」なんて...
「たった2年でFIRE卒業をした男性が語る、早期退職で見失った3つのもの」という興味深い記事をみつけたので、紹介の上、僕の考えを述べたい。https://www.businessinsider.jp/post-269525まずは序文から。FIRE(経済的自立、早期退職)もいいことばかりではない。少なくとも、37歳で引退したトニー(本人の希望で名字は伏せる)にとっては、いいことばかりではなかった。トニーはソフトウェア開発者として高収入を得ながら支出を切...
子供同士が幼稚園で仲が良かったことから、家族ぐるみでお付き合いをするようになったご家族がいる。ご主人のSさんは弁護士。子煩悩で、教育熱心だ。以前一緒に飲んだ時、Sさんが子供の将来について言った。「自分が好きなことを仕事にしてくれればいい。私からの意見はそれだけです」僕も完全に同意する。学歴ももちろん大切だが、それはやりたい仕事に有利にするための手段であって目的ではない。なのに日本では一番大事な根っこ...
「4週間で幸せになる方法」という本を出しているのもあり、本ブログでは幸福に関する名言を紹介している。皆さんは読むことによって幸せになるだけではなく、ちょっとした雑学も身につくことになる。もし気に入ったものがあったら、何かの折に友人にも披露して、ぜひ周囲も幸せにしてあげてほしい。リンク今日は、ユダヤのことわざ。他人を幸福にするのは香水をふりかけるようなものだ。 ふりかけるとき自分にも数滴はかかる。この...
今日は、G・W・カーチスによる言葉。ちなみに僕はこの人について、この言葉の他には何も知らないし、ネットで探しても情報はない。以前紹介したダンデミス同様、名言界のみで有名という人が実はポツポツいるらしい。なんとも不思議な話だ。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-223.htmlしかもカーチス氏の場合はその名言もしょぼい。“幸福はまず何より健康のなかにある。”いかにもありがちな健康第一説だが、せっかくだから幸...
半ば私的メモ。U-NEXTなど動画配信サイトで観た映画の寸評を上げている。僕が映画を観るのは娯楽のためだけではない。英語の勉強を兼ねているし(だから基本的には米英のものしか見ない)、息子たちと一緒に観る映画をみつけるためでもある。僕自身は少年時代、かなりの映画好きだったのだが(そもそも当時、娯楽は今よりはるかに少なかった)、今の子供たちはあまり映画をみないらしい。しかし映画、特に海外の作品に親しむことは...
ちょっと古い本だが、橘玲著「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法(幻冬舎文化)」を紹介したい。リンク橘氏の著書は以前も紹介しているが、この本もなかなか興味深い。一部を引用してみる。p249-250“ある調査によれば、人生の満足度を7点満点とすると、アメリカのビジネス誌「フォーブス」に載った大富豪たちの満足度の平均は5.8だった。彼らは資本主義社会の頂点に立つ成功者で、豪邸やプライベートジェットなど、望むも...
FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとった言葉で、経済的自立と早期退職を意味します。FIREを目指す人は、投資や節約で資産を増やし、4%ルールを守って運用することで、毎年生活費の4%に相当する不労所得を得られる状態を目指します。この状態になれば、フルタイムの仕事に就かなくても生活費を賄うことができ、早期退職が可能になります。FIREは近年注目を集めているライフスタイルの一つですが、メリッ...