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弁護士ドットコムニュースの、『引越し作業前は「絶対なかったのに!」新築マイホームの壁に傷、シラを切る引越し業者…賠償してもらうには?』という記事にコメントを出しました。 引越し作業によって付いた傷であることを積極的に証明できなければ、損害賠償請求は認められないことになりますので、引越し作業前の部屋や家具の状態を動画や写真などでできる限り記録しておき、作業終了後はすぐに傷が付いていないかを確認した...
Yahoo!ニュースなどによれば、FX投資名目で約2万6000人から1350億円を集めたとされるスカイプレミアムの最高経営責任者 斉藤篤史容疑者(45)ら4人が逮捕されたとのことで、斉藤容疑者らは、2019年12月から1年半にわたり、国の登録を受けずに金融商品取引の仲介をした疑いが持たれていると報道されています。〔逮捕の理由となった金融商品取引法違反とは〕 今回逮捕の理由となったスカイプレミアム社の金融商品取引法違反で...
弁護士ドットコムニュースの、「ファミレスのドリンクバー、高齢女性が水筒に詰め替え 法的には?」という記事にコメントを出しました。 結局は、契約内容によって決まる話なのですが、いわゆる食べ放題や飲み放題系のサービスに関してよく問題になる話です。 以下にリンクを張っていますので、ご覧ください。ファミレスのドリンクバー、高齢女性が水筒に詰め替え 法的には?...
弁護士ドットコムニュースの、『タイタン号事故「死んでも運営会社は責任負わない」乗客署名は有効か?』という記事にコメントを出しました。 日本でもよく見ることのあるいわゆる免責特約の効力と損害賠償責任に関する問題です。 Yahoo! Japanなどでも配信されていますが、以下にリンクを張っていますので、ご覧下さい。 タイタン号事故「死んでも運営会社は責任負わない」乗客署名は有効か?...
〔相続した土地を手放したいときに使う新しい制度〕 相続した土地について、利用する予定がないとか管理の負担が大きいなどの理由で、土地を手放したいということがあります。 ところが、これまでは、土地の所有権を手放すための制度が存在しなかったことから、管理されないままの土地が放置される状態になっており、これが所有者不明の土地を生む原因ともなっていました。 そこで、「相続土地国庫帰属制度」という新しい制度が...
〔民法における法定利率〕 令和2(2020)年4月1日から、民法404条2項において、法定利率は年3%とされていますが、法定利率は3年ごとに見直すとされています(変動制)。〔法定利率の変動の仕組み〕 法定利率は、3年を1期として期ごとに算出される基準割合に応じて変動します。 基準割合は、各期が始まる年の6年前の1月から前々年の12月まで、5年分の短期貸付の平均利率の平均値で、基準割合は、各期の初日の1年前...
〔相続土地国庫帰属制度とは?〕 相続又は相続人への遺贈により手に入れた土地について、所有者の申請により、承認された場合は、土地の所有権を国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」が令和5(2023)年4月27日からスタートします。 なお、この制度を使うためには、審査手数料及び負担金(原則20万円)の納付が必要になります。〔相続土地国庫帰属制度に関する個別の相談対応がスタート〕 相続土地国庫帰属制度につ...
〔相続開始から10年経過後の遺産分割と特別受益・寄与分〕 相続開始から10年を経過した後の遺産分割については、原則として、特別受益と寄与分に関する規定が適用されないことになりました。 ただし、①相続開始から10年以内に相続人が家庭裁判所に遺産分割の請求をしたときや、②相続開始から10年の期間が満了する前6カ月以内に遺産分割を請求できないやむを得ない事由があった場合(例えば、遺産分割を禁止する合意があったよう...
〔遺言が有効となるための2つの要件〕 遺言を作成するのは高齢者が多くなりますが、例えば認知症などで判断力が乏しくなっている方が作成した遺言書は法律的に有効と言えるのでしょうか。 この点、遺言が有効であると言えるためには、民法で2つの要件が必要とされています。 ①遺言者が15歳以上であること(民法961条) ②遺言者に意思能力があること(民法3条の2) この2つの要件を充たしていれば、遺言者は、遺...
〔改正前の相続放棄した者の義務〕 改正前の940条では、「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」とされていました。 この規定に関しては、相続放棄をした後、次の順位の相続人が管理を始めることができるまでの管理について定めた内容になっていますので、例えば、相続人全...
〔相続財産を管理するための統一的な制度の必要性〕 相続が開始しても、相続人が管理を行わないために、相続財産となっている土地などが放置され、周辺に迷惑をかけてしまうようなケースがあります。 このような場合に、相続財産を管理するための制度が改正前の民法にもいくつかありますが、相続における様々な場面を統一して設けられた規定ではなく、虫食い的な規定になっていました。例えば、相続人が明らかでない場合における...
〔管理不全の土地や建物を管理する制度がなぜ必要なのか〕 土地や建物が放置されたり、適切に管理されていないことによって、例えば、崖崩れや土砂の流出といった事態を招いたり、ゴミ屋敷化したりするなど、周囲への悪影響を及ぼしてしまう社会問題が生じています。 もちろん、改正前も、管理不全の土地や建物によって自分の権利が侵害されるおそれがあるような場合に、そのような土地や建物の所有者に対して、危険の予防や除去...
〔所有者不明の土地や建物を管理する制度がなぜ必要なのか〕 相続登記が長い間放置されることなどによって、所有者が不明な土地や建物が生じ、管理されないままになるといった社会問題が生じています。 このようなケースにおいて、土地や建物を管理するための制度として、改正前は、家庭裁判所における不在者財産管理制度や相続財産管理制度がありましたが、これらの制度は、不在者の財産や相続財産「全般」を管理するものでした...
〔制度の趣旨 ~共有不動産の共有関係の解消~〕 共有不動産について、共有者の中に所在などが不明な方がいる場合、共有物の管理などについて裁判手続を使って決めることはできますが、実際上大変です。また、共有物分割訴訟によって共有関係を解消しようとしても、そもそも誰が共有者か分からないようなケースでは、分割訴訟の手続を進めることができません。 そこで、共有者やその所在が不明な共有不動産(対象となるのは「不...
〔2020年4月からはじまった配偶者居住権の概要〕 被相続人の配偶者が、被相続人の遺産である建物に住んでいた場合、被相続人が亡くなった後も、引き続き、その建物に居住したいというケースがよくあります。 そのための方法として、例えば、配偶者がこの建物の「所有権」を遺産分割などによって取得して住み続けることはもちろんできますが、建物の評価額が高額となってしまうと、配偶者がその他の遺産(預貯金など)をあ...
〔裁判による共有物分割ができる場合〕 改正民法により、裁判所で共有物分割ができる場合として、「共有者間に協議が調わないとき」だけでなく、「協議をすることができないとき」が条文で追加されました(258条1項)。 これは、分割協議をした上で話がまとまらなかった場合だけでなく、協議に応じない共有者がいる場合も要件を充たす点を条文上明らかにするもので、実質的な変更があるわけではありません。〔裁判による共有物...
〔共有物の管理者の位置づけ〕 共有者が多数いるようなケースでは、共有者間で共有物の管理についてそのつど決めることもできますが、いちいちそのような手続きを行うのは煩雑で、特定の誰かに管理を委ねるのが現実的な対応と言えます。また、例えば、共有となっている建物の管理を不動産管理会社に委託する場合には、管理会社への委託について共有者全員の同意が必要であるとも考えられますが、改正前の民法には、共有物の管理者...
〔共有物の「使用」に関する改正〕 共有物の使用に関して、改正前は、各共有者は共有物の全部について持分に応じた使用ができると規定されているだけでしたが、改正によって、以下の2点が追加されました。もっとも、この2点の内容は、条文上明確にされたという面が強く、実質的にはあまり変わらないものと思われます。 ①共有物を使用する共有者は、別段の合意(「無料で使用してもよい」という合意など)がある場合を除いて、...
〔ライフラインに関する民法の定め〕 改正前の民法では、高地の所有者は、排水のために低地に水を通過させることができるという規定はありましたが、ライフライン(電気、ガス、水道など)に関して、他の土地に設備を設置したり、他人の設備を使用したりするための規定はありませんでした。 改正民法によって、ライフラインに関しての規定が設けられ、どのようなルールに基づいて、どの範囲で設置などができるかが明確化されまし...
〔相続した土地を手放したいときに使う新しい制度〕 相続した土地について、利用する予定がないとか管理の負担が大きいなどの理由で、土地を手放したいということがあります。 ところが、これまでは、土地の所有権を手放すための制度が存在しなかったことから、管理されないままの土地が放置される状態になっており、これが所有者不明の土地を生む原因ともなっていました。 そこで、「相続土地国庫帰属制度」という新しい制度が...
〔民法における法定利率〕 令和2(2020)年4月1日から、民法404条2項において、法定利率は年3%とされていますが、法定利率は3年ごとに見直すとされています(変動制)。〔法定利率の変動の仕組み〕 法定利率は、3年を1期として期ごとに算出される基準割合に応じて変動します。 基準割合は、各期が始まる年の6年前の1月から前々年の12月まで、5年分の短期貸付の平均利率の平均値で、基準割合は、各期の初日の1年前...
〔相続土地国庫帰属制度とは?〕 相続又は相続人への遺贈により手に入れた土地について、所有者の申請により、承認された場合は、土地の所有権を国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」が令和5(2023)年4月27日からスタートします。 なお、この制度を使うためには、審査手数料及び負担金(原則20万円)の納付が必要になります。〔相続土地国庫帰属制度に関する個別の相談対応がスタート〕 相続土地国庫帰属制度につ...
〔相続開始から10年経過後の遺産分割と特別受益・寄与分〕 相続開始から10年を経過した後の遺産分割については、原則として、特別受益と寄与分に関する規定が適用されないことになりました。 ただし、①相続開始から10年以内に相続人が家庭裁判所に遺産分割の請求をしたときや、②相続開始から10年の期間が満了する前6カ月以内に遺産分割を請求できないやむを得ない事由があった場合(例えば、遺産分割を禁止する合意があったよう...
〔遺言が有効となるための2つの要件〕 遺言を作成するのは高齢者が多くなりますが、例えば認知症などで判断力が乏しくなっている方が作成した遺言書は法律的に有効と言えるのでしょうか。 この点、遺言が有効であると言えるためには、民法で2つの要件が必要とされています。 ①遺言者が15歳以上であること(民法961条) ②遺言者に意思能力があること(民法3条の2) この2つの要件を充たしていれば、遺言者は、遺...
〔改正前の相続放棄した者の義務〕 改正前の940条では、「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」とされていました。 この規定に関しては、相続放棄をした後、次の順位の相続人が管理を始めることができるまでの管理について定めた内容になっていますので、例えば、相続人全...
〔相続財産を管理するための統一的な制度の必要性〕 相続が開始しても、相続人が管理を行わないために、相続財産となっている土地などが放置され、周辺に迷惑をかけてしまうようなケースがあります。 このような場合に、相続財産を管理するための制度が改正前の民法にもいくつかありますが、相続における様々な場面を統一して設けられた規定ではなく、虫食い的な規定になっていました。例えば、相続人が明らかでない場合における...
〔管理不全の土地や建物を管理する制度がなぜ必要なのか〕 土地や建物が放置されたり、適切に管理されていないことによって、例えば、崖崩れや土砂の流出といった事態を招いたり、ゴミ屋敷化したりするなど、周囲への悪影響を及ぼしてしまう社会問題が生じています。 もちろん、改正前も、管理不全の土地や建物によって自分の権利が侵害されるおそれがあるような場合に、そのような土地や建物の所有者に対して、危険の予防や除去...
〔所有者不明の土地や建物を管理する制度がなぜ必要なのか〕 相続登記が長い間放置されることなどによって、所有者が不明な土地や建物が生じ、管理されないままになるといった社会問題が生じています。 このようなケースにおいて、土地や建物を管理するための制度として、改正前は、家庭裁判所における不在者財産管理制度や相続財産管理制度がありましたが、これらの制度は、不在者の財産や相続財産「全般」を管理するものでした...
〔制度の趣旨 ~共有不動産の共有関係の解消~〕 共有不動産について、共有者の中に所在などが不明な方がいる場合、共有物の管理などについて裁判手続を使って決めることはできますが、実際上大変です。また、共有物分割訴訟によって共有関係を解消しようとしても、そもそも誰が共有者か分からないようなケースでは、分割訴訟の手続を進めることができません。 そこで、共有者やその所在が不明な共有不動産(対象となるのは「不...
〔2020年4月からはじまった配偶者居住権の概要〕 被相続人の配偶者が、被相続人の遺産である建物に住んでいた場合、被相続人が亡くなった後も、引き続き、その建物に居住したいというケースがよくあります。 そのための方法として、例えば、配偶者がこの建物の「所有権」を遺産分割などによって取得して住み続けることはもちろんできますが、建物の評価額が高額となってしまうと、配偶者がその他の遺産(預貯金など)をあ...
〔裁判による共有物分割ができる場合〕 改正民法により、裁判所で共有物分割ができる場合として、「共有者間に協議が調わないとき」だけでなく、「協議をすることができないとき」が条文で追加されました(258条1項)。 これは、分割協議をした上で話がまとまらなかった場合だけでなく、協議に応じない共有者がいる場合も要件を充たす点を条文上明らかにするもので、実質的な変更があるわけではありません。〔裁判による共有物...
〔共有物の管理者の位置づけ〕 共有者が多数いるようなケースでは、共有者間で共有物の管理についてそのつど決めることもできますが、いちいちそのような手続きを行うのは煩雑で、特定の誰かに管理を委ねるのが現実的な対応と言えます。また、例えば、共有となっている建物の管理を不動産管理会社に委託する場合には、管理会社への委託について共有者全員の同意が必要であるとも考えられますが、改正前の民法には、共有物の管理者...
〔共有物の「使用」に関する改正〕 共有物の使用に関して、改正前は、各共有者は共有物の全部について持分に応じた使用ができると規定されているだけでしたが、改正によって、以下の2点が追加されました。もっとも、この2点の内容は、条文上明確にされたという面が強く、実質的にはあまり変わらないものと思われます。 ①共有物を使用する共有者は、別段の合意(「無料で使用してもよい」という合意など)がある場合を除いて、...
〔ライフラインに関する民法の定め〕 改正前の民法では、高地の所有者は、排水のために低地に水を通過させることができるという規定はありましたが、ライフライン(電気、ガス、水道など)に関して、他の土地に設備を設置したり、他人の設備を使用したりするための規定はありませんでした。 改正民法によって、ライフラインに関しての規定が設けられ、どのようなルールに基づいて、どの範囲で設置などができるかが明確化されまし...
〔改正前の枝の切除に関する定め〕 改正前の民法では、隣地の竹木の「枝」が越境してきた場合、自ら切除することはできず、越境した竹木の所有者に切除させる必要がありました。そして、竹木の所有者が枝を切除してくれない場合には、訴訟を提起した上で強制執行しなければならず、非常に手間がかかるという問題がありました。 また、改正前でも、越境してきた竹木の「根」については自ら切除できるとされていたことから、枝と根...
〔どのような場合に遺産分割が必要になるのか〕 相続が開始し、相続人が複数いる場合には、共同相続人は、法定相続分や遺言によって指定された指定相続分の割合で遺産を共有することになりますが、これは一時的な状態に過ぎません。 遺産の中に含まれている預貯金・現金・不動産などの個々の財産について、相続人のうちの①誰が、②何を、③どの程度取得するかが決まることでようやく相続手続が終わったといえますが、このことを遺...
〔改正前の隣地使用権の定め〕 改正前の民法では、土地の所有者は、民法で定められた一定の場合(建物の築造や修繕など)、必要な範囲で隣地の使用を請求できると定めており、これを「隣地使用権」と呼んでいました。 ところが、改正前の隣地使用権は、「境界又はその付近において障壁又は建物を建造し又は修繕するため必要な範囲」に限定されており、また、隣地使用権を行使する方法については具体的な定めもありませんでした。...
〔令和5年度の宅建試験から新しい民法の知識が必要〕 令和3年4月に民法が改正され、不動産の取引や管理に関わる様々な変更がありました。 この令和3年改正民法の施行日は、令和5(2023)年4月1日ですので、令和5(2023)年度の宅建試験からは、この新しい民法に基づいた試験となります。 そこで、令和3年改正民法の内容について、実務的な視点も少し取り入れながら、宅建試験の合格に必要な範囲で、ポイントをしぼって...
〔遺産を渡したくない場合に取りうる方法〕 人が亡くなれば、民法で定められた相続人(法定相続人)が、民法で定められた割合(法定相続分)で遺産を相続することになる(法定相続)のが原則です。 もちろん、遺言を作成したり、生前贈与をすることによって、法定相続とは異なる内容で自分の持っている財産を引き継がせることもできます。しかしながら、そこには、遺留分(いりゅうぶん)という一つの壁が立ちはだかりますので、...