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  • 海についての断章

    * かなしみの歌を唄えり群衆の声あらずまた顔あらず 疾走する貨物列車の嘶きが馬のようだね/蜆を洗う 口腔にうずく虫歯か いつの日のメモ帖やぶる焦燥の果て むしろまだ生きてゐたのか青虫の最期のひとつ弾く指先 わるぢえの働くままに石を積む やさしき鬼の現るるまで 映像詩人暗殺されし窓ふかく霧にまぎれし光りがひとつ 意味をもてバーボンわりぬ叢雨の降りおり窓に遠のきながら ぶたくさが背中にゆれる またゆれる 踊り方など知らないおれら ずぶずぶと泥の道ゆく男すら神の化身に見える真夜中 屋根を飛ぶ春の残滓を追いかける鳥もおらずやきょうは晴天 秋を待つ処女のあなたが交差するセンター街の人混みなか 鮭色のグロ…

  • a son of subhuman

    ★ まえの土曜のツイキャス配信から、 Youtubeの投稿動画のアイデアに繋がった、 おれと歌誌「帆」広報の三浦果実氏とトーク番組を始めるということだ いまさらYoutuberとは古いのだけれど、 ひとと話すことは最近愉しい というわけで、 きょうはOP曲、ED曲、ジングルをつくった ガットギター、カシオ・トーンバンク、Volca Beats+tarariraで。 ジングルには声も入れてみた なかなかうまくいったとおもう アイコンや、「広告募集中」の画像もつくった 自己表出のための浅ましい手段に見えてもしかたないくらい でも、現状維持はしたくないから、いまやれることをやる 三浦氏はおれが父につ…

  • おれの徒然〈13〉

    * きのうからずっとギターの録音。きのうは工賃で¥15,000入った。友川カズキのライブチケットを買おうとおもっていたものの、やめた。新譜の発売記念でなく、ふつうのライブで観に行ったほうが識っている曲もやるいだろうからと。少し食品を買った。大滝詠一『レコーディング・ダイアリーVol.1』と田島貴男『ポップスの作り方』を買った。夜久一のライブを観ようともっていたが、来月だったので、遊興費に充てた。DVD『ベティ・ブルー/インテグラル』と『コントロール/デラックス盤』にした。残金はきょう卵を買う。 『レコーディング・ダイアリーVol.1』は役に立たない本だった。せいぜい1STアルバムが1年がかりで…

  • 拳闘士の休息《無修正版》

    試合開始はいつも午前3時だった 父にアメリカ産の安ウォトカを奪われたそのとき 無職のおれはやつを罵りながら 追いまわし 眼鏡をしたつらの左側をぶん撲った おれの拳で眼鏡が毀れ おれの拳は眼鏡の縁で切れ、血がシャーツに滴り、 おれはまた親父を罵った 返せ! 酒を返せ! おれの人生を返せ! おまえが勝手に棄てたおれの絵を、おれの本を、おれのギターを! 凋れた草のような母たちが、姉と妹たちがやって来て、 アル中のおれをぢっと眺めてる おれはかの女らにも叫ぶ おまえらはおれを助けなかったと おれが親父になにをされようがやらされようが助けなかった! だれがおまえらの冷房機を、室外機をと叫んだ おれは姉に…

  • 間奏曲 04/23

    * 毒花を捧げるのみか母の詩に添える辞をわれは持ちえず ひぐれまの悪魔のようだ ガス器具の異常警報鳴りやまぬなら 風をまねくひとのようだと誤解して電線工夫の仕草見つめる み空にてちる雲眺むときわずか生きるよすがもやがて失せゆく ためらいのなかにおのれがあるという用心棒の控える酒場 涙ぐむ 夏草繁るところまでわれを導くテールランプよ 境内を歩む女のひとがいう「神はあなたを見放したのよ」。 星はみな16連符 装飾楽句〈ガテンツァ〉がちりばめらるる夜の無声なり ものおもうことのさみしさ道の果て屁糞葛の語る真実 ルート音喪失したり学童の声湧きかえる下校の時間 母という納屋を求めて発語する海啼く街に望郷…

  • voice of a familiyless man

    *父という帽子を探す一輪の花などあらぬ野にたちながら きのう、歌誌『帆』の広報担当の三浦果実氏がわたしの父と話した。録音を聴いた。当たり障りのある話じゃない。気になったのは三浦氏が使った《父に対する恨み》という辞で、おれ自身はいまや恨んではいない。ただ《嫌悪》とか、《痼り》を感じるぐらいだ。おれの友人を自称するのなら、そこらへん気をつけて欲しかったとおもう。 でも、まあなんというか。父のいってることはまちがってはない。しかし家庭内環境が公平であったということはなく、つねにヒエラルキーのなかでの生活を余儀なくされていた。それに酒はもともと製菓用のブランデーがあり、これを父はたびたび加水し、砂糖を…

  • i wanna die is never say again

    ★ きのうは朝から具合がわるかった 寒気と躰の痛みで 眠ることもできない 内科にいったものの、 インフルエンザやコロナを疑われ、 上階のクリニックへ 長い時間待った でも陰性 痛み止めを処方され、 地階の薬局へ そこも満員、長椅子に老人が横たわってる 30分、室で時間つぶし 無事薬を受け取る その頃には躰も治ってた どうしたわけか おれは曲づくりに入った サンバのリズムやコードをつけたいとおもった つくってるあいだにBメロが消失 16時まえに諦めた 2時間眠る ひさしぶりの午睡だった 夜になってまた曲をつくる つまらない曲だ ダイナミズムがまるでない ポップスの基礎を学ぶ必要がある 林哲司の本…

  • おれの徒然〈12〉「人生浮上作戦」篇

    * 以前にPDFで電子書籍を入稿したのだけれど、「読めない」というクレームがついて出版停止にしていた。いろいろと験したものの、PDFをEPUBにはできなかった。ところが「一太郎 EPUB エラー」で検索すると、固定ではなく、リフロー設定であれば数秒でできるということがわかった。さっそくデータをつくって入稿。ビューアで確認もしたが、やや構成がずれてしまうものの読める代物になった。たぶん、あしたあさってにはリリースされる見通しだ。 * 家庭内のでの精神的虐待でおれはおかしくなっていた。それについて師匠は《親を訴えろ、でないと破門する》と脅かした。それからもう5年以上経っている。しかしきのう本人訴訟…

  • things for nothing

    ★ 幻冬舎ルネッサンスの人間と喋った 送った本について話す予定だった おれは長篇小説を以前、 講評してもらい、 その完成版を送ったんだ ついでに詩集と掌篇集、歌誌も送った 日村勇紀の女版みたいな担当者と話した(以前の講評者はもういなかった) たった15分で終わった 型どおりに褒められ、型どおりに商売の話 終わっておれは失望した ほんとうに文学がわかる人間なんていないことに 金に飼い慣らされた豚どもしかいないってことに 出版業界が最近くだらない啓発本ばかり出版する意味がわかった ともかくおれはそうして失望を獲得した それでも電子版をだすことに 間口をひろげることに腐心した 以前、PDFで挙げた原…

  • Alone Again Or

    折れた、 夏草の茎の 尖端から 滴る汁、 突然静かになった水場 あのひとが愛の、 愛の在処をわかっていると誤解したままで おれは死ぬのか 麦を主語に従えた季節は終わって、 世界の夏で、 いまは微睡む そして無線の声 "The less we say about it the better" でもちがうって気づく おれはあまりにも 語りすぎたと いままでずっとそう、 いまだってそう、 そのまま埋められない距離を いやいやして応える、 子供みたいに 雲が鳴きだしたあたりで、 ようやく針が動いた 運命でもないひとのためにおれは多くを喋り過ぎた それがまちがいだと気づくのが遅れて この地平、その起源す…

  • 野菜幻想

    * 夏の花おうまがときに咲き誇るパークサイドの街灯のなか まなざしの光りのおおく吸われゆく雨期の花咲くみどりの小径 うそがまだやさしい真昼 緊縛のバニーガールをひとり眺むる 歌碑を読む老人ひとり古帽のかげに呼ばれてやがて去るなり 十七音かぞえながらか指を折るひとりの少女図書館に見る 季語忘る冬のベッドよなぐさみにならぬあかときわれを焼くのみ 視るたびに顔がちがってゐるくせにおなじ声音で話すかの女ら ところどころ干割れたるものわれに寄すわが誕生日なり 石眺む そしてまた深き穴もて傷埋めんとするに落陽遠く おもいでもあらじといいてさみしさもうつくしいのはきみのやまなみ みささぎにかかる光りかおれた…

  • 父殺し [04/14]

    詞書 此処に至っても、いまだ父を殺す夢を見てゐる * うつくしき仕事ありしか夏の日の父を殺せぬわが夢の果て ジャン・ギャバンの左眉かすめていま過ぎる急行のかげ 地球儀を西瓜のごとく切る真昼 夏に焦がれた蟻が群がる 老犬のような父あり土を掘るだれも望まぬ無用のおとこ ヴィジョンなき建築つづく旧本籍地 夢の家なぞ落成はせぬ わが父の叱声やまぬ朝どきよ「にんげんやめて、ルンペンになれ!」 薪をわる斧さえ隠語 ときとして虚にはあらざる代理の世界 父さえも殺せぬわれをあざけりし世界夫人のエナメルの靴 ポンヌフと渾名されてひさしい電話を手にひとびとの分断つづくものよ 文学など識らないくせに語りたがる父の背…

  • ベルモンドの唇 [04/13]

    * ながゆめのねむりもさめて梁あがる涙まじりの淡いため息 去るひとよものみな寂しかたときも放さなかつた希みもあらじ 意味論のむいみをわらう線引きの多き書物の手垢をなぞる 夏よ──ふたたび駈け抜けん未勝利レースきようも観るのみ 桃のごと手のひら朱む水場にてだれかがいつたわるくち落とす アレックス夢見る真昼最愛もなくて贖う「汚れし血」なぞ 鞭のように蛇ぶらさがる樹木あり「美少女図鑑」ふと落としたり はつ恋のような初夏汗滲む肉慾はなし さらば青春 来訪もあらず室にて梨を食むこのひとときのむなしさを識れ 方代の額髪青き時代なぞ午睡のなかにひとり現る 雨踊る駅まで趨る終列車到着時間ぎりぎりの脚 大父の死…

  • the burn out dreams

    www.youtube.com ★ どっかで「書くことによってじぶんを傷つけている」とブコウスキーは書いてる そうとも、多くの作家志望はそんなありさまだ 文芸は長期的に見ると、とても不愉快だ 毎回、じぶんが幸福でないことを確かめることなのだから。 幸福の原感覚を持ないおれに いったいなにができるのかという疑問を いつも突きつけられている 遠かれ近かれ、自己洞察や自己限定に接続された文学は やがて書き手の魂しいを危機に追いやりさえする 自己とは無縁のことを書き綴る作家もいるが、 おれはそうじゃない おれはそんなに器用じゃない。 ★ あたりまえのことをあたりまえにやれないじぶん。 どっからやって来…

  • おれの徒然〈11〉「もう、いやだよ」篇

    * 希死念慮がぶり返している。春になるといつも、どうにも心身の安定がむつかしい。一昨日、届いたフィルムをさっそくだめにしてしまった。おれの手はあまりにも不器用で、フィルムの装填さえできない。歌誌が終わって、どっと疲れたのもある。酒が切れたのもだ。夢を見た。またしてもいまの住居を喪う夢である。こういった夢はなにを意味しているのか。どうだっていい。とにかく2時には眠った。10時に電話。そして11時過ぎて起きた。いまは茹で卵をつくっている。なにかと気が焦る。きのうの夜にblogを更新したものの、だれも★を入れてくれない。だれにも読まれていない。午後から肛門外科に受診だ。切れ痔がぶり返している。排泄の…

  • 歌誌「帆(han)」2024 春《第3号》、刊行

    www.seichoku.com 4/10より歌誌「帆(han)」2024 春《第3号》をだしました。本来の予定では去年の冬号としてだすことになっていましたが、執筆者の欠員などが重なった上、そもそものテーマ性の欠如、さらに原稿そのものの沈滞もあり、春に移行することになりました。今回は特に花島大輔氏との共作『短歌に於けるマニフェスト』に時間がかかりましたが、御陰様で好い作品ができたとおもっています。 収録作= ★序──憶えていないこともある(2)★★★短歌に於けるマニフェスト/中田満帆+花島大輔(3)★漂流/高代あさ(14)光れ、そのまま/帛門臣昂(18)オータム・ブルーム/奏多めぐみ(22)月…

  • take it as it comes

    ★ 多くのものを喪って来た 多くのものを獲たふりをして喪って来た 茫漠な時間のなかで、なんのよすがもないことの重さが募る なにもできない自身を監督する映画作家のような気分 10月の湿った鼬のような気分 きのうは金を遣い果たした 本とフィルムと食糧を買った 夕方にひとに電話、 するとべつの人物がおれに電話、 そのままSkypeで話す 終わって拠り所のないじぶんを見つける 創作?──それについては話せない 話すことなどなにもない フィルムは装填ミスでダメになってしまった なかなか自動巻き上げに対応できない鰥夫男 無邪気な神の手さばきにやられる 鬼退治をし終わった桃太郎たちのように おれたちは物語を…

  • step making sense

    ★ きのうはひさしぶりに動いた 金がないときはじっとかまえて動かない それに歌誌のこともあった ひとの原稿を待って、 焦らされる そんな状態だったから、 なんにもしないで日を過ごしていた 唯一作業所の在宅があるだけで、 あとは呆けたつらで、 その日を送った。 きのうは食糧を買いにでかけたものの、 一往復で疲れ切ってしまった フィルム──まちがってスライド用を使ってしまった──現像料¥2,200もした あとはPCのまえで歌誌の発注を繰り返したものだ。 きょうは朝から買い出し、 公共料金を2ヶ月分払った 懐はさみしい ガスの調査人が来た。 あしたは三浦果実氏が来る予定 洗剤と消臭材を買った。 服を…

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