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中田満帆さんのプロフィール

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ブログタイトル
みずから書き、みずから滅ぶってこと。
ブログURL
http://mitzho84.hatenablog.com/
ブログ紹介文
詩と散文と写真と絵のブログです。
更新頻度(1年)

43回 / 66日(平均4.6回/週)

ブログ村参加:2019/12/19

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ハンドル名
中田満帆さん
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みずから書き、みずから滅ぶってこと。
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中田満帆さんの新着記事

1件〜30件

  • 駈け抜ける原野すらも、もはやなくて、

    * 陽だまりに捧ぐものなしひとびとの顔みなすべて意味などなくて 井戸沈む家系図燃えるひとときに壜詰めの胎児ひとり目醒める 喫烟と会話のあいま中空をゆくたそがれの雲のかなしみは 雲がゆく列車のかたちをしてどうしてだ、ぼくを拒むのは? いちがつも容れものに過ぎず、ひとりのみの年越しに疼くこともあって 海分かつドックよかつてある被災のあとのクレーンのみどり 根菜に充たされる胃よだいこんの重さにばかり悦ぶなかれ いまはもうだれもいないところで桃の木が桃の木らしく立っていたりぬ あっ、みどりいろの男が死んでやがて散らばってゆく冬の公園 駈け抜ける原野もなくて都市かげに暮れる人生きみにあげたい 意味より逃…

  • ある夜(夢日記、'07年7月12日)

    * ある都市の小さな通り。ぼくは兵士になっている。白い兵士(同じ日本人、造反かなにかか?)とこれから銃撃が起こるらしいのだ。あたりはまったく静かでなんの気配もない。しかしぼくは恐怖のあまり溝に伏せ、死んだふりをする。すぐ目の前に死体があり、それを参考にして。 * 不意に銃声がした。顔をあげると兵士たちの多くはどこかに去り、女たちが避難の準備をしている。もうじき空襲があるという。ぼくは拳銃を取り出して弾を確かめる。四発中二発しかない。溝の外にいる兵士に弾をねだる。かれは二発くれた。 「銃はあるのに弾がまるでない」 ふたりしてぼやく。拳銃は(現実にあるのとは)変わっていて、見た目は自動式なのだがカ…

  •  雨(2007)

    水化粧して傘が放つ色気、あるいは微笑み 持ち主をよそ目にかれは大きく誘う 光りやら風やら色のない色を きみは遠いところから来た、真っ白い秋だ 狭路を丘へのぼる車 その咳払いは道路改修工事へ 照明の光線に雨は暖かく、やわらかい べつに好きだってわけじゃないが きみの群れを見て安堵したよ 音が道を剥がしていく 掘削機の唸りと作業員の叫びは かつての舗装と個人の空しさを葬った きみが笑いながら過ぎる 立ち止まってだれもいない秋晴れを思った けっきょくは寂しい 道づれのない、力み返ったゆびがいるはずないひとに触れる か細い幹になまえを刻もうとしてみずからを傷つけたような 痛み ああ、土色が見えてきた …

  • 水を呑む男(2008)

    曇ったガラスに朝がさす。その男は目を細め、コップの底に光りを見る。上半身は裸、黒いズボンをはき、カンバスの中央に立つ。かれの前には小さなテーブルがあって、視点はややその下を向く。細いラインが部屋を蔽い、太いかげがかれの姿をもちあげる。壁の絵はさかさまに飾られ、意味を半分失っていた。黄のラインが室内を走り、青のラインはかれを走る。窓には白と灰が混ざり、その向こうにシグナルが覗く。一九二〇年代の古い鉄路が通つているのだ。ぼくは目を閉じて耳を澄ます。色の向こうから呼吸音が聞えてきた。これはかれの自画像であり、告白としてぼくに話し掛ける。かれにとって絵はそれの手段に過ぎない。 ぼくはテーブルのうえを観…

  • 仕事探し

    最近ずっと仕事探しをするものの、まったくありつけてない。金はすべて食料に使った。来週の火曜日にはホームセンターの面接。当然のように力仕事。現金手渡し、日払い可の求人。今月は大事なものを売って生活費に変えた。合計で¥7,000。本棚はすかすか、CD入れもすかすか。いまや兵糧攻めだ。なんとかしなければならない。それでも本気になれるのはけっきょくけつに火がついてからなのだ。もし火曜日のがだめなら、今月はもう黙って室に閉じこもってるしかない。不安すぎて、とてもじゃないが本気に創作なんかする気にもなれない。spotifyの引き落としができない。水道料金、ネット料金が払えない。きのう、「roadman」と…

  • roadman

    映画「ホーリー・モーターズ」に寄せて 横たわってしまいたい たとえば毀れたラジオのように 死を恥じることのない終焉を描きたいとおもう 自動車がゆっくりと通過してゆくなかで なにもかもが意味をなさず、 だからといって、 貶められもせずにいる、 そんな風景を見たい かつてわたしは 入り口のない町にいた 片足の男がモップを片手に歩いて去る 濡れたモップの、毛先の痕が通路を光らせる やがてなにかが訪れそうで、決して訪れない 問いかけた貌はやがて漂白されて立ち止まる ふたたび夢を建築するためか、 男たち女たちが倉庫のなかに都市を再現する じぶんの人生を再現する なにがまちがいで、 なにが正しいかは役者次…

  • 一途な雄牛

    ぼくにまだかの女へのおもいが残ってたとき、 ぼくはじぶんのことを一途な雄牛みたいに見てた というのもはじめてぶちこめられた留置場で ヘミングウェイの短篇を読んでたら 「一途な雄牛」っていう童話があったたからだ これはかれが幼い甥のために書いたものだという 牛はいつも一途にじぶんの標的にむかって突っ走る 惚れてしまったうつくしい牝馬にもむかってゆく でも、人間たちにとちゃあ、邪魔ものでしかない 闘牛場へ送られ、それでも牛は一途に戦った マタドールに誘われ、ピカドールに刺され、 それでも牛は一途に戦った 血は地面をあたかもやぶけた絨毯に見させる 観客はエールを呑み、ワインを呑み、 血や肉と、怖れを…

  • ぼくはもう怖くない

    ただの偶然によって、 ひりだされたというのに 汚辱や欺瞞を強いられ だれもいない室に帰るごとに すり減ってしまう魂しいの檻 ぼくは出会うはずだったひとびと ぼくが殺すはずだったひとびと そしてぼくは会いたかったはずのひとびとはもういない 暗いたそがれのなかで 台所のナイフが問いかける、 「それがきみにとってのふさわしいやり方かね?」 裁くもの、そして見守るものに挟まれ、 だれかが列車のまえに飛び込むのを見た 死にたい、 死にたいって、 連続した投稿のなかでいう だからぼくはいったんだ、 「そんな科白は聞き飽きた」って 宙づりになったシオランがぼくに呼びかける、 「詩人の名に恥じない詩人は宿命を…

  • 地面のなかに 浅く 埋もれて 光りが 見えるように なるまで ゆっくりと彫琢される雪 あるいは祈祷書 だれが掴む? なにも見えないところで そっとひとりでにひらいた扉が いまだに清められないまま、 窓のなかに立ってる ひとであったものの漣痕がずっと、 ずっとつづく路上で、 旅立とうとしてる どうして、 きみがここにいないんだろう 汲みだされた現実のなかで いまにもくずれそうな肉体のなかに 綴じられてしまったことを呪い、 また祝うことの羞じらい 失った科白、 握りしめた土のなかで、 いま芽吹こうとするなにか 地面のなかに 浅く 埋もれて 光りが 見えるように なるまで ぼくは待ってる

  • 1月/January

    01/01 Oから年賀状、細かい文字でびっしりと書かれてある。またしても無用な買いものなんぞする。PC具合、いやネットの具合がおかしい。ほとんどyoutube以外、アクセスできない。spotifyもだめだ。いろいろと弄くりまわす。けっきょく夕方になってぷららに電話。「料金支払いが確認できないから制限を掛けた」と宣う。それなら予告の電話なり、メールなりしろよ、ヌケサク。次に料金センターへ電話。引き落とし日が26日、今月3つの請求があるといった。とんでもない。破産しちまう。少なくともネット料金で3万ちかく払わねばならないということだ。ばかな。BIGLOBEなら月4千ぐらいで済んでたはずだ。まったく…

  • 午睡

    だれかが去ったあとで、 残れた軍手みたいに だれかのライスが 路上にあがる 湯気のなか 饂飩を3つ抱えて みどりごみたいにあやしつづける ルンバが氾濫するところで 裁判が始まる 幸いにも るん、 と して、 みな悦ぶ 情景 玄米定食、 あるいは吊された葡萄 われわれは発酵するまで 待ちきれない 酒ができあがるまで 倍音の緊張が高まる 添加物に負けず、 腎臓に絶えず、 健康にも呑まれず、 ただ、ただ、ただ、 おのれの汎神に立ち向かう群れなのだ もっと、もっと玄米を もっと、もっと定食を 数えながら厭き、 天体にまみれて、 みうごきのとれないやからが 赤いトラクターで疾苦する 小林旭よ、 男はみな…

  • 歌集表紙再制作&値下げ

    きょうになって歌集「星蝕詠嘆集/Eclipse Arioso」の表紙を再制作しました。というのも解像度がわるく、文字が滲んで見えるからです。題名の表記も改め、ariosoのaを大文字にしました。ほかはほとんどおなじです。ただバーコードの透過使用が以前と作成方法がちがいます。以前はどうやったのか?――まったくおもいだせません。 また値段も¥2500から¥2000に下げました。歌集で儲けようなどと、不届きなことを考えていたのですが、実際売れていませんし、文学フリマにだすにあたって釣り銭が面倒なので変更しました。あしからず。 ご注文はこちらから https://www.seichoku.com/us…

  • 夢の亡命

    夢を鋳造する道具がほしい 階段のうえで夜が 問いかけるから 他人の室から他人の室へ移動する 平行線上の窓に人参が大きくふくれあがる かなしい大根の、葉っぱがゆれて、 まだだれも殺したことのない手で料理しつづけるとき、 からみついた助詞が文語と和解する、亡命料理の図鑑だった みんな、ばかだねとメカジキが吠えてる きっとだれもいないくなった室で、 身を横たえることの技法は、 ひらがなでなければならないのだ それならば夢はふたたび主語へと還元される おおきな林檎のなかでだれかが泣いてる ガス・スタンドの灯りのもとで、 ローズマリーの壜を見つけた やがて鋳造される夢のために家庭をしつらえよう ひたすら…

  • 短篇集、表紙再制作。

    短篇集の見本が届いたので早速検討に入りました。背表紙の文字がはみ出してしまっていたので、再制作しました。これで無事、本番の入稿に入れそうです。ただまだ本文はチェックしていないので、これから作業に入ります。 ちなみにこの図案は、'17年の個展のフライヤーの転用です。

  • 無料詩集「point break」脱稿。

    詩誌への無料配布詩集「point break」完成。サンプル版をいま発注。オンデマンドだと、わずか1冊¥300。午に印刷屋で見積もりとってもらったときには20冊で¥16000だったのに。これならなんとか配れそうだ。以下、収録作。 ぼくの雑記帖(2003) 好きなもの(2004) 太った聖者(2007) 停留所(2010) ぼくは小説家になろうかとおもった。(2011) 遺失物預かり所⇒(2012) e・e・カミングス(2013) 清掃人(〃) 武装(2014) no tittle 無題(2016) まなざしも、まなざしも、(2017) 狐火(2018) 水死人(〃) PM20:59(2019)…

  • 短篇集「旅路は美しく、旅人は善良だというのに」改訂新版

    表紙 おととしにだした短篇集「旅路は美しく、旅人は善良だというのに」を改訂、新版をだすことになりました。今年の文学フリマのためにです。表紙、収録作も変更しました。きょう、サンプルを発注したので、校閲をもういちど紙の状態でやってから、販売開始します。よろしくお願いします。 旅路は美しく、旅人は善良だというのに *11 れもんの若い木々 *47 愛についてのみじかく、そして淡いなにか *64 ディック・フランシスを読んだことがない *70 家出娘 *82 ひと殺し *84 からっぽの札入れとからっぽのお喋り *94 インターネットと詩人 *100 小説のあいまに *105 おもしろおかしく生きて死…

  • ニューキャッスルの与太者たち──生きづらさの情報開示請求(3)

    ○愛着障碍と承認欲求 新幹線無差別殺人についての記事を読んだ。かれがいかに居場所のない、愛情の憶えのない人間かがわかる。そして浮浪者になろうとしたり、自殺しようとしたり、少年院に入ろうとしたり、この世のそとへでようと足掻きつづけていたことを知る。かれの撰んだ結末は最悪にせよ、その人生にはいくらか理解するところがある。 だが読み終えておもったのはかれの想像力の貧困さだった。日本の刑務所に人権意識が守られているという妄信、そこへたどり着くための行動は、ほかのなにもより優先されるべきだという思考、警官から暴行されて猶、最終的には国が、刑務所が助けてくれるという甘さである。おれはこの件についてあまりロ…

  • ニューキャッスルの与太者たち──生きづらさの情報開示請求(2)

    自画像(2010) ○広汎性発達障碍(LD、ADHD、ASDほか) 20歳をとっくに過ぎたころから学習障碍という辞に出会した。たぶんネットの掲示板だったとおもう。ニュース記事がそんなものがあることを伝えていた。読んでみると身に憶えがあった。おれはずっと計算ができなかった。どれだけ勉強してもできなかった。高校の授業では白い眼で見られ、嘲られた。そんな厭なおもいでとともにして、「じぶんはひょっとして学習障碍なんじゃないか」とおもい、解決策を調べた。子供用には薬があるらしいが、大人にはない。そこで話は終わってしまった。 やがて26になり、大阪の救護施設でおれは生活していた。そこでようやく障碍の検査を…

  • ニューキャッスルの与太者たち(1)生きづらさの情報開示請求

    ○精神病者としての遍歴──まえがき あなたはこれまで何度、精神科病棟に入院しただろうか。おれは、8回だ。これはアルコール専門病院も含めての数である。じぶんのなにが問題なのか、その原因はなにか、それを治すにはどんな方法があるのか、どんな思考法があるのかをこれから数回に渡って書いていきたいとおもうい。じぶんでいうのはあれだけれど、かなり特殊な例だから、だれかの参考になるかは微妙なところでもある。 だけれど、書く行為はなにもだれかのためだからというわけでもない。むしろ、じぶんがいまどの地点にいるのかを理解するための行為なのである。ここではアルコール、発達障碍、愛着障碍と創作の順に書いていこうとおもっ…

  • 最後の晩餐みてえな愛の詩

    おれのうちなる女の子たちがよくいったものだ、 "わたしのこと、好き?"って "わたしのこと、好き?"って その科白ならほんとうはおれのものなのに かの女たちにいわせては淋しさを紛らした ガソリンの切れた車が空ぶかしをするみたいにいま、 "おれのこと、好きか?” "おれのこと、好きか?” そうくりかえす そこにはだれもいないのに かの女たちがおれのうちからいなくなって久しい どうぞ、からかってくれ

  • 愛を巡る最後の伝言

    もしもきみが牛なら、 ぼくを愛するだろうか? もしもきみが鹿なら、 ぼくを愛するだろうか? もしもきみが鯨なら、 ぼくを愛するだろうか? もしもきみが蛭なら、 ぼくを愛するだろうか? もしもきみが発動機なら? おなじことだ。 きみは愛さない。

  • 公営プール

    飛びあがる水、 飛沫に 反射する光り 陽光の種子みたいに あるいはきみのせいかも知れない マッチを擦って時間をつぶす のは淋しくて、 青いおまえの悲しみ ウエイトトレーニングをやる おもに腹筋を 時間と死は均衡を保つから いつまでも終わらない マチスよ、どうして、 そんなにもかかるんだ? 横尾よ、どうして、 そんなに早いんだ? 主題ない歌とともに ぼくは泳ぐ ぼくは泳ぐ 飛びあがるからだ、 水のなかの時間 反転する過古とともに あるいはぼくのせいかも知れない 湯を沸かして時間をつぶす のは眩しくて つらい おまえ、なに見てるんだ?

  • 日本式の朝食

    鳶色のスーパーマーケットで 20%引きの鶏肉を仕入れ 緑色の窓に忍び込む たとえばそんなふうにして詩を書きたい なぜかどうかはよくわからない 白と枝を足して、 ウィスキーを導きだすには どんな方程式が必要だろうか もはや正常さを呪うことしかできない じぶんがただのじぶんであることが怨めしい ロンドンの音楽に 日本語の歌詞をつけてうたう 窓際でちがう世界へ飛び立とうとする女がひとり またしてもなし崩しだ じぶんのなかで澱んでるイメージが いつまでもはなれない ぼくには敵が必要だ つねに新鮮な痛みと認識を与えてくれる敵が そうとも、丘へとつづく道で、 韜晦をつづけるとき、 だれかが邪魔をしてくれれ…

  • かつての友人たち

    windows 7 を10にアップデートできなかった あまりにもデータの空白がなさ過ぎたんだ それにどうせぼくなら型落ちのmacを買って SSDに換装にするから、 しばらくとか大丈夫って おもってるよ こんなことを考えて意味と意味との繋がりや、 空白についておもうことになるのさ きみがもし宛てのないの手紙みたいに 詩を書こうとしてるんならね きっとバックアップを忘れて いざというときに詩が 現れて来ない いつかきみに会いたいとおもっていたら きみからもう友だちじゃないとか、 きらいになったとか、いわれて、 ぼくは自棄を起こすかも知れないな ぼくのつづるものがきみの惑星を乱すからか、 乾いた咽に…

  • 青い種子は太陽のなかにある──ジュリアン・ソレル

    ほとんど同時に何件もの求人に応募して蛸足状態だった。おとついになって家電量販店での仕事が決まったものの、週払いは原則やってないという。はじめの1ヶ月のみ、申請ができるが、その手順がややこしい。日曜日、月曜日と勤務はするものの、ほかの案件に手をだしてしまった。火曜日に面接。ポートアイランドの仕事だ。交通費はかかっても、ちゃんと週払いならやっていける。──そう考えてみるが、どうしたものか。とりあえずは最初の給与をもらうまで働くか。という所感だ。まあ、うまくはいかないだろう。じぶんが信用できない。それでもいまのままでじゃどうしようもない。やれることをぜんぶやってしまうことで、なんとか休神を遂げようと…

  • スケッチ(01)

    遠くはなれたところで芽吹くものは石 石になりたいとおもう、 でも、おもうだけですと佐々木英明はいった 種子はみな石となり、壁となり、町となるのは、 あなたがきのう土を産んだせいだといえるのは、 黄色い花のあるところで鼡の人間が栄えているからか だれかが、あなたにとって大切なものが死ぬときを、 ムスタングと名づけるなら、あなたはきっと救われるだろう いましがた、桶水に桃を投げる少年がみじかい嘆きを零します 蜂と蜘蛛と時計台、あるいは映像のための記録──スクリプターは、 あなたがたの神を滅ぼすために望まれる、石になりたいとおもう、 その心のなかに目醒めます、 だから、どうかわたしがだれにも会えない…

  • 愛について

    愛について書けることはそう多くない 愛について話せることも多くない なにかもかもが河のむこう岸へいってしまったみたいに 愛はとどかないものだとこの人生に教えられてきたから、 いまさらどうればいいのかがわからない いままで好きだった4人の女たち いまではどこにいるのかも知らない 夜遅い台所で鰹を捌くぼくは またしてもかの女らについて懐いめぐらす 叶わないもので、かの女らの存在が鮮明になる ハイネケンとウィルキンソン、そしてストロングの空き缶が 死人みたいにぼくを包囲する 雪が降らないから、 たぶんぼくは死罪だって、 おもう あるいは母はぼくを愛していたろうとおもう、 そんなはずはないともうひとり…

  • 求職

    仕事がない 金は減る このおれにふさわしい仕事を とこしえにつづく仕事を 才能の裏づけもなく詩を書き、 そしてギターを鳴らす そいつには厭きた 週払いの利く仕事が欲しい きょうは家電量販店で 仕分けの面接 でも、週払いは原則なしと来る 求人広告は当てにならない 詐欺師どもには飽きあき ならばどうして生きていくのか けっきょくはやつらを信じるしかないのか 無秩序の半ばでつぶやくだけの人生 金が尽きるまえになんとかやりくりしなきゃ 借りた映画が観られなかった アンナ・カリーナの「メイド・イン・USA」 原作はリチャード・スタークだ おれはパーカーものを1冊しか持ってない 「逃亡の顔」、そいつが題名…

  • wolf moon

    月翳にまぎれて 見えなくなった友人を探しに 舟を漕ぐ 生田川上流から下ると、 二宮神社にぶつかり、 もうなにもわからない 冬ざくらが咲いてたあたりで 処女塚を過ぎて、 やがてぼくのなかの熾きにたどり着く のはほんとうだろうか だれかが剪った、茎の断面 青白い滴りがあって、 そのさきは夜 スペース・ピンボールを負けつづける、ひとりの男 そのおもづらに乾杯だ 友人など、はじめっからない 輪郭のない顔が去って 子宮発の、地下鉄に乗った やがて悲しい茎たちが孤立者を呼ぶだろう 驟雨しつづける時代の表面加工技術 窓枠のなかで発射された過古が 遠く、 遠くの西洋便器ごと、 月光のドライヴを はじめるまで

  • 映像についてのメモ

    たとえば最初の光りの切れっ端が 丘のむこうに落ちて 弾けるとき おれはきみのことなんか忘れて マスキング液をフォルクスワーゲンに塗ってる だれかがおれのことをとやかくいうことはない いまではみんなおれを観ない 映画みたいに ラジオみたいに ただ一方的に伝えるだけなら どんなに楽かと考える あらかじめ決められた科白のなかで くたばりたい かの女の新作はいまだ、 封切りされない いまだ 天使と猟師が婚姻を交わす 入り江にむかう舟のうえ 銃と羽を重ねあわせ しっぽりと 水上を音楽してる波、やがて熱くなる湖水 矢も盾もない、この瞬間を彩る映像 ふたりを包囲する水鳥の声 みんながカメラになって ぶら下が…

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