ユーチューブでも石佳というチャンネル名で自作の詩を朗読しています
私にあるのは 光と愛と僅かばかりの優しさで 私の世界も 光と愛と優しさでできています 私にできることは 私に見える世界をうたうこと ありのままで美しい 世界を見えたままにうたうこと 私は光と愛と僅かばかりの優しさで 光と愛と優しさの世界をうたいます その世界がどうかどうか 誰にとっても優しくありますように
2019年10月
PS これからはTwitter投稿にしようと思います 見てくださった方々、本当にありがとうございます 石佳
世界が私に押し付ける きまった抜き型を押し付ける そして首をかしげる どうしても抜けないのだ 他の生地は簡単に型抜きしてしまったのに この生地はどうもうまくいかない 何度もこねまわし伸ばして それでも言うことをきかない 仕方ないからその生地は 一緒に焼いてから捨ててしまった...
私に水が必要なように、彼女にも水が必要なの でも彼女は歩けない 毎日天を仰ぎ、降る水を待ち望み口を開ける あんまり待ちすぎて、カラカラに枯れ果てるときもある でも時が巡れば、また彼女が芽吹く 私に水が必要なように、彼女にも水が必要なの 彼女は歩けないから、私が水をあげるの ...
ため息はルビー 退屈はサファイア 憂鬱はエメラルド 時間は全てダイヤモンドに変わる 頭にあるのは重たいティアラ ため息の数ほど 退屈の数ほど 憂鬱の数ほど 生きた時間の数ほど ティアラの宝石たちは きらきらと輝く そして私は暗い顔 ため息色したルビーと共に 退屈色したサファ...
君は積み木遊びをしている 小さな手のひらで、小さな世界を構築してる 小さなお城のお姫様はきみ…… 君は鮮やかな光に埋もれている バラの低木も、君にとっては香しい森 小さな心は残酷で、美しいバラの精の洋服を 引きちぎってはバラまいて、引きちぎってはバラまいて…… いや、君こそ...
枯山水の静けさは 時空を越えた異質な空間 屋敷の奥からりんの音が響き 庭へと行き着くさまは 宇宙から星の光が届くよう その音色を追いかけて 追いかけて追いかけても 屋敷の奥にはだぁれもいない 枯山水の静けさと 夏の光に蝉時雨 白く眩しい太陽へ 庭の玉石が照りかえす 浄土とは...
悠然と平然と流れていた なんの憂いも不安もないように 冷然と影がよぎる、何かを隠すように まるでそこに何か秘密があるように 影はいつの間にか増えて固まった 集まり重くなった影は次第に落ちていった そして停滞して見えた流れはやがてまた 悠然と平然と流れていた
あなたの痛みを私は知らない 私はあなたになったことがないから あなたが傷つき悲しみ泣き腫らし まるでピカソの泣く女のように ぐしゃぐしゃの顔をしていても その痛さが私にはわからない あなたの痛みを私は知らない 私はそんな思いをしたことがないから 毎日を変わらぬように過ごしな...
世界は嘘でできている 他愛なく優しい嘘で まるで母が子に語る寝物語のように 優しく甘い誰も傷つかぬ嘘で 世界は嘘でできている 愛のある平凡な嘘で まるで恋人同士がささやくような そんな愛のあるありふれた嘘で 世界は嘘でできている 罪のない真実の嘘で 宇宙があるとかないとか ...
退屈そうな君がいる 僕は君を笑わせようと いろんなことをしてみるけれど 君は頬杖ついて無関心 君が笑うのはスマホに向かって その無機質な道具の一体何に そんなに関心を持っていられるの? 僕は君の気をひこうと あらゆる手を尽くしてみるけど 君はやっぱり無関心 クールで理知的な...
あなたのカケラがここにいる 慌ててはねのけた布団 脱ぎ捨てたスリッパのかたち ずれたマット 開けっ放しの扉から見える世界で 少し前のあなたに想いを巡らせる あなたはいないけど…… あなたのカケラはここにいる 走り書きで残されたメモ用紙 水を飲んだコップ 少し開いた引き出し ...
あなたとのつながりを絶たれたら 私は生きていけないでしょう あなたがそこにいるからこそ 世界は私に微笑んで 世界は私を受け入れる つながりを絶たれてしまったら 世界は私に背中を向けて 私はすっかり世界から消える 私がつながりを絶ったなら あなたも生きていけないかしら? 私が...
幸せそうな君がいる あれは一体彼氏なの? 走り出した電車から手を振って 即座に取り出すスマートフォンに 君はどんな言葉を託すのだろう? 見送りに来て一人で帰る男の子 彼の沈んだ感情を、彼の不安を少しでも 君は和らげ、笑わせる そして…… 君も笑顔で電車を降りる 片手に持った...
今日もまた、私が私であることへの ほんの少しの違和感が またひとつ私を大人に近づけてくれている そんなことを思いながら 毎日、合わない服をまとうように もどかしげに身じろぎする そして昨日の後悔を今日へと繋ぎ 今日の失敗を明日へと活かし 一歩ずつ着実に魂は昇り 今日より明日...
ただひたすらに破滅へ向かう王がいた 彼は死にたいわけではない ただひたすらに試しているのだ 民の忠誠がいかほどのものなのか 彼はひたすらに不安なのだ 生まれながらにある地位が 父の祖父の偉大さが 彼のものでない威厳が 愛を試しているのだ 愛が壊れるそのときまで ただひたすら...
私はいつか浪間を漂う小さなヒカリで それがいつの日にか掬いあげられて いつの間にか世界を見ていた 初めて光を感じて、初めて光を見たとき 眩しすぎる鋭さは、目を閉じると どこかあたたかく心地よかった 気がつくと当たり前のように 言葉を覚え、笑い、泣き 居場所はいつでも当たり前...
私の世界をあなたは知らない 私が愛した細やかな思い出は いくら語っても語り尽くせなくて だから私の世界をあなたは知らない 私の世界をあなたは知らない 私が思わず立ち止まる美しさに あなたは一度も立ち止まったことはない だから私の世界をあなたは知らない 私の世界をあなたは知ら...
あなたとわたし あなたの世界を私は知らない あなたの生きてきた一秒一秒を 同じように生きてきたんじゃないから あなたの世界を私は知らない あなたの世界を私は知らない あなたと同じ角度同じ位置で 世界を見たことなんてないから あなたの世界を私は知らない あなたの世界を私は知ら...
あなたの世界を私は知らない あなたの生きてきた一秒一秒を 同じように生きてきたんじゃないから あなたの世界を私は知らない あなたの世界を私は知らない あなたと同じ角度同じ位置で 世界を見たことなんてないから あなたの世界を私は知らない あなたの世界を私は知らない あなたが語...
明日を思う どんぐりを埋めるリスのように明日を思う 明日も生きられると信じてどんぐりを埋める 今はまだ残していくものが多すぎる 今はまだあまりにも覚悟が足りない 明日を思う 冬ごもりをする熊のように明日を思う また目覚めると信じて寝床にもぐる 今はまだ準備が出来ていない 今...
あなたの関心をひくために 美しいプレゼントを買った 形のないものを繋ぎ止めるため 形のあるものを買った あなたとより深く近く より親密でいられるように あなたの関心をひくために 美しいプレゼントを買った あなたは喜ぶかもしれない 喜ばないかもしれない けれどあなたのための ...
暗闇に光が指す 小さな洞窟の中、 柔らかな光が差し込み 色のない世界を染める 太陽が昇る 色のない世界に太陽が昇る 太陽が昇れば そこは知らない別世界 太陽が照らす別世界には 眩しいくらいの色が広がる 太陽が何かもわからずに 世界の美しさに歓喜し太陽をあがめる あがめ、たた...
違う人間だから 違う人生を歩むのは当たり前 価値観を押し付けないで あなたの羽根と私の羽根は違う 違う人間だから 違う考えがあって当たり前 そうあってほしいからと空言を言わないで あなたの生きる時間と私の生きる時間は違う 違う人間だから 違う場所を目指して当たり前 羅針盤を...
泳ぐ泳ぐ言葉の海を 息さえ継げず どちらが空かもわからぬほどに 泳ぐ泳ぐ言霊の海を 身体中にからまり、まとわり 泳いでいるのか溺れているのか ひたすら何かをつかまえたくて 手を前に前に 泳ぐように前へと伸ばす 言葉を集めて紡いで 溺れそうな海の中 誰かのための救命ボートを ...
誰かにとっての真実が 私にとっての真実でないように 私にとっての真実は 誰かにとっての真実ではない 誰かにとっての常識が 私にとっての常識でないように 私にとっての常識は 誰かにとっての常識ではない ほんのささいな見逃せるほどの 小さな違いかもしれない 諍いや口論になるよう...
しゃぼん玉のような カラフルな丸い透明な玉が あっちにもこっちにも ふわふわふわりと浮いている みんなの幸福を映すよに キラキラきれいなしゃぼん玉 感情に合わせて色を変え ぽよんぽよんと跳ね返る ひときわ大きなしゃぼんの玉は みんなの幸福の源のよに ひときわキラキラ輝いて ...
バターの海に雪が降る 白い砂糖の雪が降る 海に高波、ザザンザザー 砂糖の色に溶けていく まきろな海は淡く白く 空気を抱いてふぅわり潮が満ちていく ポツリポツリと雨が降る 黄色い卵のにわか雨 海の色を戻すよに、同じ黄色の雨が降り、 雪もまけじと粉雪散らす 小麦の雪がどっさりふ...
あなたをあたしに写しとり 生きていけたらすばらしい 誰かに飼われた猫ちゃんも 鉢に植わった花たちも ありとあらゆる心のことが ほんとにわかればすばらしい あなたをあたしに写しとり 生きていけたらすばらしい 生命のないものたちも どんなに小さな石ころさえも ありとあらゆるもの...
2019年10月
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