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  • ブラックホールが活動性を高めるのに必要なダークマターハローの質量を測定! 130億年前の時代から質量は変化していない

    東京大学と愛媛大学は、約130億年前の初期宇宙におけるクエーサーの分布を調べ、ダークマターの塊である“ダークマターハロー”の質量を初めて測定することに成功したことを発表しました。130億年前の時代から、ブラックホールが活動性を高めるために必要なダークマターハローの質量が、一定であることを発見。そして、ブラックホールが活動的になる普遍的なメカニズムが存在する可能性が示唆されたことも、併せて発表しています。この成果は、東京大学大学院理学系研究科天文学専攻の有田淳也大学院生、同・柏川伸成教授、愛媛大学の松岡良樹淳教授たちの共同研究チームによるものです。詳細は、米天体物理学専門誌“TheAstrophysicalJournal”に掲載されています。ダークマターハローの質量ビッグバンから間もない頃、ダークマター(※...ブラックホールが活動性を高めるのに必要なダークマターハローの質量を測定!130億年前の時代から質量は変化していない

  • 宇宙から降り注ぐ宇宙線“空気シャワー”の可視化に成功! ダークマターの探査・物質優勢宇宙の成因の探査に応用できるかも

    今回、国立天文台や大阪公立大学などの研究者からなる研究チームは、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ(※1)で撮られた2万枚もの画像を解析。すると、宇宙から降り注ぐ高エネルギー粒子の“空気シャワー”を、非常に高い空間分解能で可視化できることを発見したんですねーこの新しい検出手法を発展させることで期待されるのは、宇宙線の粒子種の解明や、ダークマターの探査です。さらに、物質優勢の宇宙の解明につながるようですよ。※1.“HSC(HyperSuprime-Cam:ハイパー・シュプリーム・カム)”は、すばる望遠鏡に搭載されている超広視野主焦点カメラ。満月9個分の広さの天域を一度に撮影でき、独自に開発した116個のCCD素子により計8億7000万画素を持つ。まさに巨大な超広視野デジタルカメラといえる。図1.すばる望遠鏡...宇宙から降り注ぐ宇宙線“空気シャワー”の可視化に成功!ダークマターの探査・物質優勢宇宙の成因の探査に応用できるかも

  • 星間分子から初めて“炭酸“を発見! カルボン酸を含む分子の発見は半世紀で3番目

    “炭酸(Carbonicacid/HOCOOH”)は飲み物から環境問題まで様々な場面に登場する身近な化合物です。天文学で見れば、炭酸は生命の起源に関わる重要な有機化合物の素になった“プレバイオティック分子”の1つと考えられています。でも、これまで“星間分子”として炭酸が発見されたことは一度もありませんでした。今回の研究では、分子雲“G+0.693-0.027”の観測データから、星間分子として初めて炭酸を発見。また、その存在量から、星間分子における炭酸の役割も推定できたそうです。この研究は、バリャドリッド大学のMiguelSanz-Novoさんたちの研究チームが進めています。天の川銀河中心方向の天の川とへびつかい座ロー分子雲。(Credit:NOIRLab/NSF/AURA/P.Horálek(Instit...星間分子から初めて“炭酸“を発見!カルボン酸を含む分子の発見は半世紀で3番目

  • 3万光年という小さなスケールでもダークマターの密度に空間的ゆらぎがあった! 重力レンズとアルマ望遠鏡の組み合わで初めて検出

    今回の研究では、南米チリに設置された世界最高の性能を誇る巨大電波干渉計“アルマ望遠鏡”(※1)を用いた観測により、宇宙空間に漂うダークマターの空間的なゆらぎを約3万光年というスケールにおいて検出することに初めて成功しています。この結果は、これまでの観測に比べ約10分の1以下という小さなスケールにおいても“冷たいダークマター”(※2)が支持されることを示していて、ダークマターの正体を解明するための重要な一歩になるようです。※1.日本を含む22の国と地域が協力して、南米チリのアタカマ砂漠(標高5000メートル)に建設されたのが、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(AtacamaLargeMillimeter/submillimeterArray=ALMA:アルマ望遠鏡)。人間の目には見えない波長数ミリメートル...3万光年という小さなスケールでもダークマターの密度に空間的ゆらぎがあった!重力レンズとアルマ望遠鏡の組み合わで初めて検出

  • 弱い放射を初めて観測! 周期的に信号を放射す中性子星“パルサー”が短時間だけ信号を途絶する現象“パルサー・ヌリング”

    中性子星の一種“パルサー”は、電子時計並みに正確な信号を発することで知られています。ただ、形成から時間が経った古いパルサーでは、短期間信号が途絶する“パルサー・ヌリング(PulsarNulling)”が発生することもあるんですねー今回の研究対象となっているのは、偶然観測したパルサー・ヌリング中に放射された弱い信号。この電波の解析結果から、パルサー・ヌリングの原因をある程度絞り込めたそうです。この研究は、中国科学院国家天文台の韩金林(HanJinlin)さんたちの研究チームが進めています。中性子星のイメージ図。(Credit:KevinGill(CCBY2.0))短時間だけ信号が途絶する現象“パルサー・ヌリング”中性子星のうち、周期的な信号を放射しているタイプを“パルサー(Pulsar)”と呼びます。パルサ...弱い放射を初めて観測!周期的に信号を放射す中性子星“パルサー”が短時間だけ信号を途絶する現象“パルサー・ヌリング”

  • 次の目標天体に到達するまで“クルージング サイエンス”を実施! 小惑星探査機“はやぶさ2”が約半世紀ぶりに黄道光を観測

    2020年12月6日に地球帰還を果たした小惑星探査機“はやぶさ2”。次の目標天体へ向かう拡張ミッション“はやぶさ2#(シャープ)”の航行中に、およそ半世紀ぶりに黄道光の観測を実施したそうです。8月22日、内惑星領域における惑星間チリの分布を計測することに成功したことが、東京都市大学、関西学院大学、九州工業大学、JAXAの4者共同で発表されました。今回の研究成果は、東京都市大学の津村耕司准教授、関西学院大学の松浦周二教授、九州工業大学の佐藤圭助教、同・瀧本幸司支援研究員、JAXA“はやぶさ2”ONCチームらの共同研究チームによるものです。“はやぶさ2”での黄道光の観測イメージ。(イラスト:木下真一郎氏(出所:関西学院大・九工大共同プレスリリースPDF)惑星間チリが太陽光を散乱することで生じる淡い光共同研究チ...次の目標天体に到達するまで“クルージングサイエンス”を実施!小惑星探査機“はやぶさ2”が約半世紀ぶりに黄道光を観測

  • 46年間にも渡ってミッションを継続中! NASAが惑星探査機ボイジャー1号と2号の寿命を伸ばす取り組みを実施

    1977年に打ち上げられたNASAの惑星探査機“ボイジャー1号(Voyager1)”と“ボイジャー2号(Voyager2)”。現在、この双子の探査機は、太陽圏を脱して星間空間を航行中、寿命をはるかに超えて46年間にも渡ってミッションを継続しています。NASAの技術者は、この2機の老探査機の寿命を少しでも伸ばすべく、様々な取り組みを行っています。最近では、スラスターの動作を修正するコマンドを送信したり、昨年“ボイジャー1号”で発生した不具合の再発を防ぐためのソフトウェアをアップロードといったことが行われているようです。星間空間を航行するNASAの惑星探査機“ボイジャー”のイメージ図。(Credit:NASA/JPL-Caltech)通信用アンテナを地球に向ける装置2機の“ボイジャー”のスラスターは、主に探査...46年間にも渡ってミッションを継続中!NASAが惑星探査機ボイジャー1号と2号の寿命を伸ばす取り組みを実施

  • 速度は光速の約10分の1! ブラックホールは最速で2万9000km/sで運動する場合があることが判明

    ブラックホール同士が合体すると激しい重力波が発生し、時に合体後のブラックホールを“蹴りだし”ます。ブラックホールの運動速度が速ければ速いほど、ブラックホール同士が衝突する可能性は高まり、宇宙に存在する重いブラックホールの起源になるとも考えられています。今回の研究では、2つのブラックホールが衝突した場合、合体後のブラックホールが最速で約2万9000km/sで運動することをシミュレーションによって明らかにしています。この速度は、以前のシミュレーションで示されたものより5.7倍も速く、光の速度の約10分の1に相当するそうです。この研究は、ロチェスター工科大学のJamesHealyさんとCarlosO.Loustoさんが進めています。お互いの周りを公転している2個のブラックホールのイメージ図。(Credit:SX...速度は光速の約10分の1!ブラックホールは最速で2万9000km/sで運動する場合があることが判明

  • 月では珍しい花崗岩は35億年前に存在した火山の跡!? なぜ水もプレートテクトニクスも存在しない月で巨大な花崗岩が形成されたかは不明

    今回の研究では、月の裏側にある“コンプトン-ベルコヴィッチ”という放射性物質が特異的に多いことで知られる地域からのマイクロ波放射を計測し、地下に熱源が存在することを突き止めています。この成果から分かってきたこと、それはコンプトン-ベルコヴィッチは35億年前に月の火山活動で形成されたということでした。この研究は、惑星科学研究所(PSI)のMatthewA.Sieglerさんたちの研究チームが進めています。花崗岩が作り出されやすい条件地球の表面は分厚い“大陸地殻”と薄い“海洋地殻”に覆われています。2種類の地殻は厚さだけでなく組成も異なっていて、例えば大陸地殻は主に花崗岩、海洋地殻は主に玄武岩で構成されています。陸地に存在する花崗岩は、地上で暮らす私たちにとって最もなじみ深い火成岩の1つで、その頑丈さや美しさ...月では珍しい花崗岩は35億年前に存在した火山の跡!?なぜ水もプレートテクトニクスも存在しない月で巨大な花崗岩が形成されたかは不明

  • ベンヌで採取されたサンプルをNASAが初公開! 小惑星からのサンプルリターンを成功させた探査機“オシリス・レックス”

    “オシリス・レックス”が地球に持ち帰った小惑星ベンヌ(101955Bennu)のサンプルが、ジョンソン宇宙センターからのライブ配信を通して初公開されました。サンプルの公開に合わせてNASAからリリースされたのは、大きく写っている円筒型の物体。それは、“オシリス・レックス”のロボットアーム先端に取り付けられていたサンプル採取装置“TAGSAM(Touch-And-GoSampleAcquisitionMechanism)”でした。中央の開口部に見えている砕けた炭のような物質が、ベンヌの表面から採取された砂や小石サイズのサンプルです。サンプル保管容器から取り出された小惑星探査機“オシリス・レックス”のサンプル採取装置“TAGSAM”。サンプルの大部分はまだ採取装置の中にある。(Credit:NASA/Erik...ベンヌで採取されたサンプルをNASAが初公開!小惑星からのサンプルリターンを成功させた探査機“オシリス・レックス”

  • 将来、強力な磁場を持つ天体“マグネター”になるかもしれない恒星を発見! ウォルト・ライエ星の一種と言える新たなタイプ

    今回の研究で取り上げているのは、きわめて強力な磁場を持つ中性子星の一種“マグネター”。将来、このマグネターになる可能性がある恒星を発見したとする研究成果が発表されました。この研究は、アムステル大学の天文学者TomerShenarさんを中心とする研究チームが進めています。将来マグネターになる可能性が指摘された恒星“HD45166”のイメージ図。“HD45166”は実際には連星で、左の背景には伴星が小さく描かれている。(Credit:ESO/L.Calçada)中性子星の中でも特に強力な磁場を持つ天体“マグネター”太陽よりも数十倍重い星が一生の最期を迎えると超新星爆発を起こし、その爆発の中心部には極めて高密度な天体“中性子星”(※1)が形成されることがあります。※1.中性子星は、太陽の10~30倍程度の恒星が...将来、強力な磁場を持つ天体“マグネター”になるかもしれない恒星を発見!ウォルト・ライエ星の一種と言える新たなタイプ

  • 地球中心部で崩壊した重い“WIMP”は見つからず… 重力を介してのみ間接的に存在を知ることができる“暗黒物質”の有力候補

    宇宙には、光などの電磁波では観測することができず、重力を介してのみ間接的に存在を知ることができる“暗黒物質(ダークマター)”が、普通の物質よりも多く存在することが分かってきています。暗黒物質の正体は現在でも不明なんですが、未知の素粒子や、それらの素粒子が結合してできた複合粒子が有力な候補の1つとして長年考えられてきました。今回の研究では、暗黒物質の正体として有力視されている“WIMP”(※)が、地球中心部で崩壊した兆候がないかを探索するため、南極大陸に設置されたニュートリノ観測所“IceCube”のデータを分析しています。その結果、陽子の約1000倍の質量を持つ重い“WIMP”は存在しない可能性がかなり高いことが明らかになったそうです。※“WIMP(Weaklyinteractingmassivepart...地球中心部で崩壊した重い“WIMP”は見つからず…重力を介してのみ間接的に存在を知ることができる“暗黒物質”の有力候補

  • 最短12年で建設可能! 費用は東京都が負担した東京オリンピック並み! 遠心力で人工重力を生み出せる“小惑星宇宙ステーション”

    宇宙空間で長期的な住環境を提供する“宇宙ステーション”は、地球外の探査や開発を行う上で重要な中継基地になる可能性を秘めています。その宇宙ステーションの建設場所として検討されている選択肢の1つに、太陽系内に無数に存在する“小惑星”があります。ただ、回転による遠心力で人工的に重力を生み出せるほど巨大な宇宙ステーションを小惑星に建設するとなると、必要になる資源も膨大なものになってしまい、遠い未来の話と思われてきました。でも、ロックウェル・コリンズ社の元技術フェローだったDavidW.Jensenさんは、現在の技術レベルと比較的安価な資金で建設可能な回転式小惑星ステーションの建設方法を提示し、プレプリントをarXivに投稿したそうです。小惑星を中心にしたトーラス型の宇宙ステーションのイメージ図。(Credit:D...最短12年で建設可能!費用は東京都が負担した東京オリンピック並み!遠心力で人工重力を生み出せる“小惑星宇宙ステーション”

  • 太陽系外縁部に未発見の第9惑星“プラネットX”は存在する!? 数値シミュレーションによる太陽系外縁天体の特性から分かったこと

    現在、太陽系で確認されている惑星の数は8つあります。その中で太陽から最も遠い海王星(第8惑星)の外側、太陽から数百天文単位離れたところには、未発見の惑星が存在するのではないかと考えられています。その理由は、一部の太陽系外縁天体に見られる極端に偏った軌道にあります。この偏った軌道が、未知の“第9惑星”の重力的な影響により、似た軌道に押しやられた結果だと考えられているんですねー今回、近畿大学が発表したのは、数値シミュレーションを用いて、海王星以遠の4つに大別できる“太陽系外縁天体(trans-Neptunianobjects;TNO)”の特性を再現することに成功したことでした。これにより、太陽系外縁部に未発見の第9惑星“プラネットX”が存在する可能性を示しています。この研究成果は、近畿大学総合社会学部総合社会...太陽系外縁部に未発見の第9惑星“プラネットX”は存在する!?数値シミュレーションによる太陽系外縁天体の特性から分かったこと

  • 温暖化がもたらす気候変動を緩和できる? 地球と太陽の間に日傘を設置し日光の入射量を減らす“ソーラーシールド”には小惑星が必要

    私たちは真夏など日差しの強い日に、暑さや日焼けを気にして、日傘をさして日光を遮ろうとしますよね。今回の研究は、宇宙空間に“日傘”を設置して、地球に入射する太陽光の量を減らそうというもの。ハワイ大学天文学研究所の天文学者IstvánSzapudiさんが、日傘をさして歩くハワイの人たちの様子を見て思いついたアイデアです。地球も日傘をさすことで、温暖化がもたらす気候変動を緩和できるのかもしれません。小惑星につながれた“シールド”のイメージ図。(Credit:BrooksBays/UHInstituteforAstronomy)地球と太陽の間に配置する構造物日射による暑さから身を守る最も単純な方法が日傘をさすことであるように、地球の気温を下げる最も単純な方法は、地球と太陽の間に構造物を配置して、入射する太陽光の量...温暖化がもたらす気候変動を緩和できる?地球と太陽の間に日傘を設置し日光の入射量を減らす“ソーラーシールド”には小惑星が必要

  • 6億画素カメラで“ダークマター”や“ダークエネルギー”の謎の解明を目指す近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”が姿勢制御の問題を解決

    ヨーロッパ宇宙機関の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”が、10月5日にガイド星を再発見し、姿勢制御の問題を解決したことが発表されました。“ユークリッド”が目指しているのは、正体不明だけど宇宙の組成の95%を占めている暗黒物質(ダークマター)と暗黒エネルギー(ダークエネルギー)の謎の解明。100億光年先までに存在する数十億の銀河を観測し、その観測データからは正確な3次元地図が作られます。この地図を手掛かりに、宇宙の構造に大きく影響してきたダークマターやダークエネルギーへの理解を深めていくことになります。このためには精密な観測が不可欠でした。ヨーロッパ宇宙機関の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”のイメージ図。(Credit:ESA)望遠鏡を正確な位置に固定できない問題が発生2023年7月1日に打ち上げられた“...6億画素カメラで“ダークマター”や“ダークエネルギー”の謎の解明を目指す近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”が姿勢制御の問題を解決

  • 超新星の光度と輝線として見える元素には関係性がある? プロ・アマ連携で分かった明るい重力崩壊型超新星を取り巻くガスは元素が豊富

    日本のアマチュア天文家の松垣公一さんが5月に発見した超新星“SN2023ixf”。この超新星“SN2023ixf”が21世紀以降で最も明るい“重力崩壊型超新星爆発”だったことが追観測によって分かってきました。この成果は鹿児島大学とアマチュア天文家の連携によるもの。追観測では、星の極近傍を取り巻いている“星周ガス”の存在や成分も明らかになったようです。この成果は、鹿児島大学大学院理工学研究科の山中雅之特任助教たちの研究チームによるものです。超新星爆発で観測される輝線超新星爆発の分光観測によって、近年スペクトルに水素などの元素の強い輝線という、予想外の発見があり注目されています。スペクトルは、光の波長ごとの強度分布。スペクトルに現れる吸収線や輝線を合わせた呼称がスペクトル線。個々の元素は決まった波長の光を吸収...超新星の光度と輝線として見える元素には関係性がある?プロ・アマ連携で分かった明るい重力崩壊型超新星を取り巻くガスは元素が豊富

  • 原始惑星のコアだったかも? 金属が豊富な小惑星を目指すNASAの探査機“サイキ”は10月13日以降の打ち上げへ

    小惑星“プシケ(16Psyche)”を目指すNASAの探査機“サイキ(Psyche)”の打ち上げが迫ってきました。直近の打ち上げ予定は2023年の10月5日でしたが、窒素コールドガススラスターの問題に対処するため、打ち上げは延期。スラスターを温度制限内で運転することは、ユニットの長期的な健全性を確保するために不可欠だったため、この問題への対処が行われています。探査機“サイキ”の打ち上げに利用するスペースX社のファルコンヘビーロケットは、静止燃焼テストを完了。この打ち上げは、ファルコンヘビーロケットにとって8回目のミッションになります。探査機“サイキ”は、アメリカ・フロリダ州にあるケネディ宇宙センターから、10月12日以降に打ち上げられる予定です。NASAの小惑星探査ミッション“Psyche(サイキ)”の探...原始惑星のコアだったかも?金属が豊富な小惑星を目指すNASAの探査機“サイキ”は10月13日以降の打ち上げへ

  • 宇宙は膨張し続ける? それとも収縮に転じる? 宇宙論パラメータがより正確に決まると、どういった終焉を迎えるのかが分かるようです

    国立天文台は、天文シミュレーションプロジェクトが運用する中規模サーバを用いて、宇宙の膨張を支配する“宇宙論パラメータ”の精度を向上させることに成功したことを8月22日に発表しました。減らせた宇宙論パラメータの不定性は最大35%。より正確な宇宙論パラメータが決まると、分かってくるのが宇宙がどのようにして現在の姿に成長し、将来どのように進化するのかということ。宇宙の膨張は続くのか?それとも収縮に転じるのか?っといった謎に迫ることができると期待されています。この研究成果は、国立天文台のマリア・G・ダイノッティ助教、同・岩崎一成助教たちの国際研究チームによるものです。宇宙のものさし“標準光源”を利用した距離の測定宇宙が膨張していることは十分に立証されています。でも、宇宙が膨張する速度を正確に測定することは容易では...宇宙は膨張し続ける?それとも収縮に転じる?宇宙論パラメータがより正確に決まると、どういった終焉を迎えるのかが分かるようです

  • 初期の宇宙に存在する重元素に乏しい銀河を観測して分かってきた! ニュートリノの方が反ニュートリノよりも多く生成された可能性

    私たちが住む宇宙は“物質”に満ちていて、一部の性質が反転している“反物質”はほとんど存在していません。ただ、現在の理論や実験では、物質と反物質が常に同じ量だけ生成されることが分かっています。物質と反物質は出会うと消滅してしまうので、それぞれが同じ量だけ生成された宇宙は空っぽになってしまうはず…でも、物質に満たされた現在の宇宙の姿は、宇宙誕生時に物質と反物質が生成されたプロセスの中で、物質の方が10億分の1だけ多く作られたことを示しているんですねーわずかな差ですが、なぜこのようなことが起こったのでしょうか?このことは物理学における大きな謎になっています。この謎を解明するのに必要になるのが、物質と反物質の性質の違いを示す具体的なデータを組み合わせること。このための観測や実験が進められています。陽子と中性子の入...初期の宇宙に存在する重元素に乏しい銀河を観測して分かってきた!ニュートリノの方が反ニュートリノよりも多く生成された可能性

  • なぜ178億光年という遥か彼方に恒星を見つけることができたのか? モスラやゴジラといった怪獣星を通じて暗黒物質の正体を探る

    宇宙には、光などの電磁波では観測することができず、重力を介してのみ間接的に存在を知ることができる“暗黒物質(ダークマター)”が存在しています。ただ、暗黒物質の分布や正体については、ほとんど分かっていません。今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で観測された非常に遠方に位置する恒星“EMOJ041608.8-240”が、銀河や銀河団に伴う暗黒物質だけでは観測できず、追加の暗黒物質の塊が必要であることを突き止めました。この研究は、カンタブリア物理学研究所のJ.M.Diegoさんたちの研究チームが進めています。このような性質を持つ恒星の発見は“ゴジラ(Godzilla)”以来2例目だったので、研究チームは新発見の恒星を“モスラ(Mothra)”と命名し、ゴジラやモスラのような性質を持つ恒星に“怪獣星(Ka...なぜ178億光年という遥か彼方に恒星を見つけることができたのか?モスラやゴジラといった怪獣星を通じて暗黒物質の正体を探る

  • 2023年のオリオン座流星群の見ごろはいつ? 一番は10月21日(土)の深夜から22日(日)の明け方にかけて

    2023年の“オリオン座流星群”。活動が最も活発になる“極大”を迎えるのは10月22日(日)の午前9時ごろ。そう、日本では日中になるんですねーなので、一番の見ごろは、10月21日(土)の深夜から22日(日)の明け方にかけてになります。放射点が昇る21日22時ごろには月は沈み、明け方にかけて放射点の位置もどんどん高くなるので、月明かりの影響もなく好条件で観察できそうです。10月21日(土)の22時頃の東の空(紫色でオリオン座と書かれた十字マークが放射点)。月は沈み、放射点は東の空の低い位置にあるが、明け方にかけて放射点の位置はどんどん高くなる。月明かりの影響もなく、明るい土星(約0.7等級)と木星(約‐2.9等級)も昇っているので天体観測も楽しめる。ただ、今年のオリオン座流星群は月明かりの影響はなくても活動...2023年のオリオン座流星群の見ごろはいつ?一番は10月21日(土)の深夜から22日(日)の明け方にかけて

  • 受け取る太陽光は地球と比べて900分の1程度… 太陽系で最も外側を公転する海王星だけど雲の量は太陽の活動周期と関係している

    冥王星が準惑星に分類されてから、太陽系で最も外側を約165年の周期で公転している惑星が“海王星”です。海王星は、ガス惑星と呼ばれる木星や土星、天王星と同様に、水素とヘリウムを主成分とする大気を持っています。海王星は、惑星の分類としては木星、土星、天王星と共にガス惑星(木星型惑星)に含まれ、その中でも氷惑星(天王星型惑星)に分類される。その最果ての惑星“海王星”の雲の量の変化が、太陽活動の11年周期と関係しているらしいことが明らかになったそうです。一連の画像に写っているのはハッブル宇宙望遠鏡が撮影した海王星。雲の量が増減しているのが分かる。(Credit:NASA,ESA,ErandiChavez(UCBerkeley),ImkedePater(UCBerkeley))太陽活動の極大期の2年後に海王星の雲が...受け取る太陽光は地球と比べて900分の1程度…太陽系で最も外側を公転する海王星だけど雲の量は太陽の活動周期と関係している

  • 活発な赤色矮星の近くを回る惑星の宿命? 間欠的に大気を流出させる惑星がトランジット現象で見つかる

    若い赤色矮星を回る系外惑星から、水素ガスが流出している様子が観測されました。その惑星からは、水素ガスは現れたり消えたりしていて、その原因についていくつかの説が考えられているようです。主星の近くを公転する若い系外惑星表面温度がおよそ摂氏3500度以下の恒星を赤色矮星と呼びます。実は宇宙に存在する恒星の8割近くは赤色矮星で、太陽系の近傍にある恒星の多くも赤色矮星になるんですねー地球から約32光年の彼方に位置する“けんびきょう座AU”も、年齢が約2300万年と推定されてる若い赤色矮星(M方矮星)です。2020年にNASAの赤外線天文衛星“スピッツァー”とNASAのトランジット惑星探査衛星“TESS”によって、“けんびきょう座AU”を公転する系外惑星“けんびきょう座AUb”がトランジット法で発見されています。トラ...活発な赤色矮星の近くを回る惑星の宿命?間欠的に大気を流出させる惑星がトランジット現象で見つかる

  • 合体前のブラックホールは、ある決まった質量を持つものが多い? チャープ質量から分かる合体前のブラックホール1個が持つ質量の目安

    重力波の源となる連星ブラックホールには、似た質量を持つものが多いという観測結果の謎を解くモデルが提唱されました。この謎を解くカギは外層を失った近接連星にあるようです。ブラックホール連星の合体が原因の重力波2015年に地上の重力波望遠鏡が、ブラックホール連星の合体が原因の重力波を初めて検出しました。それ以来、“LIGO”や“Virgo”、“KAGRA”などの重力波望遠鏡で日常的に重力波が検出されるようになっています。ブラックホール連星は互いの周りを公転しながら重力波を放出し、だんだんと距離が近づいて…最後には合体して1個のブラックホールになります。放出される重力波は、ブラックホール同士の距離が近づくほど周波数が高く、振幅が大きなっていきます。この特徴的な重力波は“チャープ(chirp:甲高く鳴くという意味)...合体前のブラックホールは、ある決まった質量を持つものが多い?チャープ質量から分かる合体前のブラックホール1個が持つ質量の目安

  • 植物は地上と宇宙を区別して微小重力では近くのものに根を絡ませることが判明! 月や火星など低重力環境でも元気に育つ植物に期待

    植物にとって、風などで横倒しにされた状態が続くのは好ましい状況とはいえませんよね。なので、植物は速やかに自分の状態を検知し、反応することが知られています。つまり、植物は重力の向きを検知できる仕組みを持っているということになります。それでは、重力の向きを感知できない宇宙に持って行った場合には、植物はどう反応するのでしょうか?この疑問に答えるため、研究チームでは2014年から国際宇宙ステーションで、植物の“シロイヌナズナ”を使った実験を実施してきました。この研究成果が、2023年7月11日に金沢大学から発表されています。この研究は、金沢工業大学応用バイオ学科辰巳仁史教授を中心とする共同研究チーム、および羽衣国際大学、名古屋大学、JAXAの研究者が進めています。数多くの宇宙実験に活躍しているシロイヌナズナ実験に...植物は地上と宇宙を区別して微小重力では近くのものに根を絡ませることが判明!月や火星など低重力環境でも元気に育つ植物に期待

  • 火星の自転はわずかに加速、核は自転だけでは説明できない形状をしている? 運用を終えた探査機“インサイト”の未解析データから分かったこと

    NASAにとって火星への着陸に成功した8機目の探査機“インサイト”。運用を終えた“インサイト”の未解析データから、火星の自転がわずかに加速していることが明らかになりました。また、火星の核の比率は地球よりもかなり大きいこと、核が自転だけでは説明できない形状をしていることも分かってきたようです。火星の自転周期は1年当たり約4ミリ秒ほど短くなっている2018年11月に火星に着陸したNASAの火星探査機“インサイト”は、太陽電池パネルに砂ぼこりが積もって発電量が下がり、2022年12月に運用を終えています。でも、“インサイト”が4年にわたって取得した大量の観測データは、今でも研究者によって分析されているんですねー火星着陸から1211火星日(1火星日=約24時間40分)が経過した、2022年4月24日に撮影された“...火星の自転はわずかに加速、核は自転だけでは説明できない形状をしている?運用を終えた探査機“インサイト”の未解析データから分かったこと

  • 長周期のマグネターは理論上観測できないはず! 少なくとも33年間、21分周期の強力な電波放出を続ける天体の正体は?

    2022年1月のこと、非常に強力な電波を長い周期で放出する謎の天体の発見が、カーティン大学のNatashaHurley-Walkerさんたちの研究チームによって報告され、その正体が広く議論されました。今回の研究では、その謎の天体と似た性質を持つ2番目の天体“GPMJ1839-10”を発見。その正体が、並外れた性質を持つ“マグネター”だということを突き止めています。“GPMJ1839-10”は、理論上観測できないはずの“死の谷”を越えた先に位置することになるので、今回の観測結果は宇宙最強の磁石となるマグネターについて、私たちがまだ理解していない性質があることを示唆しているようです。図1.強力な磁場によって強力な電波を宇宙に放出するマグネターのイメージ図。今回発見された“GPMJ1839-10”もマグネターだ...長周期のマグネターは理論上観測できないはず!少なくとも33年間、21分周期の強力な電波放出を続ける天体の正体は?

  • 初期宇宙の観測だけじゃない! 太陽系内でも強みを発揮するジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が木星の衛星ガニメデとイオの謎を解明

    高い赤外線感度と高性能な分光器を持つジェームズウェッブ宇宙望遠鏡は、遠方の深宇宙だけでなく、太陽系内の天体を観測する機能も有しています。今回、木星の4大衛星であるガリレオ衛星のうち、ガニメデとイオの観測および分析結果が、それぞれの研究チームから発表され、それぞれの天体にまつわる謎が解明されたようです。木星を周回する4つの大型衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)は、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で発見したので通称“ガリレオ衛星”と呼ばれている。衛星が大きいのでガリレオ手製の低倍率の望遠鏡でも見ることができた。可視光で撮影された木星の衛星ガニメデ(左)とイオ(右)。(Credit:NASA,JPL,USGS)木星の衛星表面で発生する放射線分解というプロセス木星は強い磁場を持っていて、宇宙空間に存在する荷電粒...初期宇宙の観測だけじゃない!太陽系内でも強みを発揮するジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が木星の衛星ガニメデとイオの謎を解明

  • 地球外文明からの信号は星の光のように“またたく”ので1回限りの受信でも見分けることが可能! ただし1万光年彼方からの信号に限る…

    私たち人類は、この宇宙で唯一の文明を持つ知的生命体なのでしょうか?それとも、他にも文明を持つに至った知的生命体は存在するのでしょうか?この疑問を解決するために行われている取り組みの1つが、宇宙から届く様々な電波を分析して、その中から地球外文明に由来すると思われる信号を見つけ出す“SETI(地球外知的生命体探査)”です。SETIは、1960年代以降興味深い信号を何度も検出しています。でも、地球外文明に由来すると特定された信号は、今のところ1つもありませんでした。地球外文明に由来する信号の捜索に使用された施設の1つ、パークス天文台の64メートル電波望遠鏡。(Credit:S.Amy,CSIRO)地球外文明の非意図的に漏れ出た電波電波で発信された人工的な信号は、自然由来の信号と比べて周波数の幅が狭い(狭帯域)と...地球外文明からの信号は星の光のように“またたく”ので1回限りの受信でも見分けることが可能!ただし1万光年彼方からの信号に限る…

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