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  • なぜ超新星“SN2018ivc”は2度発光したのか? 超新星の電波再増光が示す連星の進化

    今回の研究では、アルマ望遠鏡で超新星“SN2018ivc”の長期モニタリング観測を実施し、超新星からの電波発光が弱まった後、約1年経過後からミリ波帯で再増光したことを発見しています。さらに、理論モデルと比較することで、この大質量星が爆発前の一生の末期に連星相互作用の影響を受け、星の表面のガスを周囲にまき散らした末に終焉を迎えたことが分かりました。このような電波再増光を示す超新星の発見は、大質量星進化における連星進化の役割を体系的に理解するうえで、重要な成果になるようです。今回の研究を進めているのは、京都大学大学院理学研究科の前田啓一教授(研究当時は同准教授)・大阪大学大学院理学研究科特任研究員(ALMA共同科学研究事業特任研究員)の道山知成さんをはじめとする国際研究チームです。天文学者が想像する大質量星の...なぜ超新星“SN2018ivc”は2度発光したのか?超新星の電波再増光が示す連星の進化

  • 重い元素を生成する爆発現象“キロノバ”は、 非対称? それとも球対称なエネルギー放出?

    金やウランなど鉄よりも重い元素を生成する爆発現象“キロノバ”太陽よりも数十倍重い星が一生の最期を迎えると超新星爆発を起こし、その爆発の中心部には極めて高密度な天体“中性子星”が形成されることがあります。中性子星は、太陽の10~30倍程度の恒星が、一生の最期に大爆発した後に残される宇宙で最も高密度な天体。主に中性子からなる天体で、ブラックホールと異なり半径10キロ程度の表面が存在し、そこに地球の約50万倍の質量が詰まっていている。一般に強い磁場を持つものが多い。中性子星は、密度が地球の数100兆倍、磁場が地球の約1兆倍もある天体。多くが超高速で自転していて、地球から観測すると非常に短い周期で明滅する規則的な信号がとらえられるので、パルサーとも呼ばれています。このような中性子星同士が衝突すると、その瞬間に1兆...重い元素を生成する爆発現象“キロノバ”は、非対称?それとも球対称なエネルギー放出?

  • 実験で偶然合成した“塩化ナトリウム超水和物”は、木星や土星の氷衛星にも存在しているかもしれない

    塩化ナトリウムと水分子が結合した結晶“塩化ナトリウム(NaCl)”は調味料として私たちに身近な物質の1つです。その塩化ナトリウムを様々な割合で水に溶かした後、水分を蒸発させて結晶を作ると、通常であれば現れるのは塩化ナトリウムです。でも、0.1℃未満で結晶を作る場合には“塩化ナトリウム2水和物(NaCl・2H2O)”という、塩化ナトリウムと水分子が結合した結晶が生じます。図1.エウロパの表面には無数の筋があり、色がついて見える。これは地下から運ばれた様々な物質に由来するとみられている。そしてスペクトルデータでは、塩化ナトリウム水和物の存在を示唆しているものの、対応する物質が見つかっていないという問題があった。(Credit:NASA/JPL/Galileo)塩化ナトリウム2水和物は、0.1度以上で水と塩化ナ...実験で偶然合成した“塩化ナトリウム超水和物”は、木星や土星の氷衛星にも存在しているかもしれない

  • 暗黒エネルギーの源はブラックホールで、その中心には物理法則の適用できない特異点は存在しないかも

    ハワイ大学の天文学者DuncanFarrahさんを中心とする研究チームは、ブラックホールと暗黒エネルギー(ダークエネルギー)を結び付ける初の観測的証拠が得られたとする研究成果を発表しました。今回の成果は、まだ検証されるべき仮説の段階のもの。でも、ブラックホールが暗黒エネルギーの源になっている可能性を示すものです。ひょっとすると、ブラックホールの存在を再定義することになるのかもしれません。超大質量ブラックホールのイメージ図。(Credit:NASA/JPL-Caltech)ブラックホールは物質を取り込むこと以外の方法でも成長しているほとんどの銀河の中心には、太陽の100万倍から100億倍の質量を持つ“超大質量ブラックホール”が存在すると考えられています。私たちの天の川銀河の中心にも、太陽の400万倍の質量を...暗黒エネルギーの源はブラックホールで、その中心には物理法則の適用できない特異点は存在しないかも

  • 中間質量ブラックホールの証拠? 天の川銀河中心の超大質量ブラックホール付近で“おたまじゃくし”の形をした分子雲を発見

    天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホール“いて座A*(エースター)”付近に、独立した“おたまじゃくし”の形をした分子雲が見つかりました。この分子雲は、天球面上で円弧上の形態をしていて、その円弧に沿って視線速度が単調に変化していることが明らかになるんですねーさらに、この空間速度構造は、太陽の10万倍の質量を持つ点状重力源周りのケプラー軌道によって極めてよく再現されました。ケプラー軌道は、3次元空間で2次元の軌道面を形成する楕円、放物線、または双曲線としての、ある物体の別の物体に対する運動。また、様々な波長の光でその位置を調べても明るい天体が見つからず…このことが意味するのは、この点状重力源が高密度の星団などではないことでした。現時点で有力視されているのは、点状重力源が中間質量ブラックホールである可能性。...中間質量ブラックホールの証拠?天の川銀河中心の超大質量ブラックホール付近で“おたまじゃくし”の形をした分子雲を発見

  • なぜ“超淡銀河”は大きさに対して星の数が少ないのか? 銀河から伸びる尻尾のような構造“恒星ストリーム”を見つけて分かったこと

    すばる望遠鏡を用いた“M81銀河群”の観測から、この銀河群に属する“超淡銀河”から中心銀河の方向へ星が流れ出ている様子が明らかになりました。このような尻尾のように伸びた構造“恒星ストリーム”が“超淡銀河”で見つかったのは初めてのこと。銀河群の力学進化とともに、謎に包まれた“超淡銀河”の起源に対して重要な示唆を与えてくれそうです。すばる望遠鏡“HSC”による“M81銀河群”の観測領域(点線と赤戦で囲まれた範囲、背景はスローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)の観測画像)(左)と、赤線で囲まれた超淡銀河“F8D1”を含む領域における赤色巨星の分布(右)。右上は、“F8D1”本体の“HSC”による観測画像。今回発見された“恒星ストリーム”はとても暗いため、“HSC”による観測画像からは判別できなかったが、赤...なぜ“超淡銀河”は大きさに対して星の数が少ないのか?銀河から伸びる尻尾のような構造“恒星ストリーム”を見つけて分かったこと

  • ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で観測して分かった! ビッグバンから10億年未満の宇宙にある銀河の大きさと明るさの関係

    ビッグバンから10億年未満という初期宇宙の銀河から放出された光。この可視光線をジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で観測してみると、その頃の銀河の大きさと明るさの関係が初めて明らかになったんですねー重力レンズ効果を用いた宇宙探査ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の観測開始から最初の約1年間には、観測データがすぐに公開されて誰でも解析を行える“早期公開科学プログラム”とういう観測プロジェクトが13件行われています。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、NASAが中心になって開発した口径6.5メートルの赤外線観測用宇宙望遠鏡。ハッブル宇宙望遠鏡の後継機として、2021年12月25日に打ち上げられ、地球から見て太陽とは反対側150万キロの位置にある太陽―地球間のラグランジュ点の1つの投入され、ヨーロッパ宇宙機関と共同で運用されて...ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で観測して分かった!ビッグバンから10億年未満の宇宙にある銀河の大きさと明るさの関係

  • 100光年彼方の赤色矮星を公転する系外惑星“TOI 700 e”を発見! 今回は楽観的なハビタブルゾーン内にあった

    今回、アメリカ天文学会の第241回会合で発表されたのは、かじき座の方向約100光年彼方に位置する13等級の赤色矮星“TOI700”を公転している4つ目の太陽系外惑星を発見したとする研究成果でした。今回の研究を進めているのは、NASA・ジェット推進研究所の博士研究員EmilyGilbertさんを筆頭とする研究チームです。地球サイズの太陽系外惑星“TOI700e”のイメージ図。左奥には同じ星系の“TOI700d”も描かれている。(Credit:NASA/JPL-Caltech/RobertHurt)主星からの距離が程良く惑星の表面に液体の水が存在できる領域ハビタブルゾーン主星“TOI700”は、大きさと質量が太陽の4割ほどのM型矮星で、表面温度は約3500Kほどなので恒星として低温な部類になります。これまで、...100光年彼方の赤色矮星を公転する系外惑星“TOI700e”を発見!今回は楽観的なハビタブルゾーン内にあった

  • 地球以外では高温の活火山があることが知られている唯一の天体! 木星の衛星イオのマグマの温度は1000度以上ある

    木星を巡るガリレオ衛星の中で最も内側の軌道を公転しているのがイオです。太陽系の衛星の中では4番目に大きく、半径は1800キロ強と地球の3分の1にもなります。木星を周回する4つの大型衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)は、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で発見したので通称“ガリレオ衛星”と呼ばれている。衛星が大きいのでガリレオ手製の低倍率の望遠鏡でも見ることができた。そのガリレオ衛星の1つであるイオには、太陽系全体で見ても特異な性質があります。それは、イオが木星や他のガリレオ衛星から潮汐力を受け、内部が加熱されて高温のマグマを放出していることです。イオは太陽系の衛星の中では、最も火山活動が活発なことが有名で、その表面に確認されている火山は400以上。そこからは硫黄を含むガスが放出されているようです。そのガス...地球以外では高温の活火山があることが知られている唯一の天体!木星の衛星イオのマグマの温度は1000度以上ある

  • 銀河中心の超大質量ブラックホールと銀河本体の成長は、どのように関係しているのか?

    銀河の中心にある超大質量ブラックホールの成長と銀河本体の成長。この2つは、どのように関係しているのでしょうか?今回、機械学習を用いた研究によって、この2つの深いつながりが導き出されたんですねーこの研究は、数十年来の仮説を裏付けるものになるようです。今回の研究の概念図。機械学習により、ブラックホールと本体の銀河の組み合わせを多数テストし、その中から実際の観測と最もよく一致する組み合わせを選んでいる。(Credit:H.Zhang,M.Wielgusetal.,ESA/Hubble&NASA,A.Bellini)銀河本体と中心ブラックホールは同じ時期に成長するほとんどの銀河の中心には、超大質量ブラックホールが存在すると考えられていて、その質量は太陽の数百万倍から数十億倍にも及びます。このような超大質量ブラック...銀河中心の超大質量ブラックホールと銀河本体の成長は、どのように関係しているのか?

  • 星のゆりかごでは、赤ちゃん星から噴き出す高速のガス流が、星の形成を誘発したり邪魔したりしている

    今回の研究では、アルマ望遠鏡を使ってオリオン座の星団形成領域を観測。すると、若い星から噴き出す高速のガス流が、同じ星団形成領域内の若い星たちに激しく衝突している様子をとらえることに成功しました。衝突によって星団形成領域のガスやチリは激しく揺さぶられ、そこでの星の形成に影響を与えている可能性があるんですねーこのことは、若い星や星の材料が密集して存在する星団形成領域において、星が生まれてくる複雑な過程の理解に迫る重要な一歩といえる成果になります。今回の研究を進めているのは、九州大学大学院生の佐藤亜紗子さんたちの研究チームです。図1.星団形成領域“OMC-2”の“FIR3”および“FIR4”のイメージ図。アルマ望遠鏡によって、原始星が集団で生まれている星のゆりかご内部の詳細が明らかになった。(Credit:AL...星のゆりかごでは、赤ちゃん星から噴き出す高速のガス流が、星の形成を誘発したり邪魔したりしている

  • 太陽から地球までの距離の約1パーセントしか離れていない!? 非常に接近した“超低温矮星”同士の連星を発見

    小さくて温度も低い恒星“超低温矮星”同士からなる連星が新たに発見されました。惑星形成モデルによると、超低温矮星では原始惑星系円盤の質量およびサイズが小さいので、木星型惑星ではなく、水星から地球程度のサイズの惑星を比較的たくさん持ちうることが示唆されています。この連星系でも“トラピスト1”のように地球型惑星が見つかるのでしょうか。今回の研究成果は、ノースウエスタン大学の博士研究員Chin-ChumHsuさんを筆頭とする研究チームにより、アメリカ天文学会の第241回会合で発表されました。“LP413-53AB”星系(上段)、“TRAPPIST-1”星系(中断)、木星系(下段)を比較した図。“LP413-53AB”を構成する2つの超低温矮星の間隔は、木星から衛星カリストまでの距離よりも短いとされる。(Credi...太陽から地球までの距離の約1パーセントしか離れていない!?非常に接近した“超低温矮星”同士の連星を発見

  • 銀河進化のモデルを見直す必要がある!? ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で見つけた初期宇宙にある棒渦巻銀河

    ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡による観測で、宇宙年齢が現在の2~4割だった時代に棒渦巻銀河が6個見つかりました。棒渦巻銀河では、棒構造によって銀河中心部にガスが送り込まれることで、他の領域よりも速く星の形成が進みます。このことは、棒構造が初期の時代に星の形成を加速するという、新たな経路が銀河進化モデルの中に見出されたことになるんですねー初期宇宙での棒渦巻銀河の存在率を正しく導くように、銀河進化のモデルを見直す必要があるのかもしれません。これまでに見つかった中で最も遠い棒渦巻銀河アメリカ・テキサス大学オースティン校のYuchenGuoさんたちの研究チームは、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が行った初期観測プログラムの一つ“宇宙進化初期リリース科学サーベイ(CEERS)”で得られた画像から、中心部に棒構造を持つ“棒...銀河進化のモデルを見直す必要がある!?ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で見つけた初期宇宙にある棒渦巻銀河

  • 土星の衛星ミマスの地下にも海がある? 海はまだ若いけど現在進行形で拡大している可能性が示されました

    土星の主要衛星の中では最も小さい“ミマス”は、密度が低く、大部分は氷と岩石で構成されていると考えられています。約23時間の周期で土星を公転しているのですが、その周回中にリズミカルな揺れが検出されているんですねー地下に海があるという仮説は、このリズミカルな揺れという現象からきているのですが、“ミマス”のコアが球体でないという点も、有力な原因として考えられています。“ミマス”は氷で覆われた外層は球体なのですが、岩石のコアは、ラグビーボールのような楕円体なのかもしれません。どのような理由であれ、土星探査機“カッシーニ”の画像を丹念に調べて発見した揺れは予想外のものでした。地球の衛星の月を含め多くの衛星は、公転中にわずかに揺れているので、その事自体は珍しくありません。でも、その幅は直径400キロ程度の衛星にしては...土星の衛星ミマスの地下にも海がある?海はまだ若いけど現在進行形で拡大している可能性が示されました

  • 高速で自転する天体“マグネター” 自転速度が遅くなる現象“アンチグリッチ”はなぜ起きる?

    太陽よりも数十倍重い星が一生の最期を迎えると超新星爆発を起こし、その爆発の中心部には極めて高密度な天体“中性子星”が形成されることがあります。中性子星は、太陽の10~30倍程度の恒星が、一生の最期に大爆発した後に残される宇宙で最も高密度な天体。主に中性子からなる天体で、ブラックホールと異なり半径10キロ程度の表面が存在し、そこに地球の約50万倍の質量が詰まっていている。一般に強い磁場を持つものが多い。中性子星は、密度が地球の数100兆倍、磁場が地球の約1兆倍もある天体。多くが超高速で自転していて、地球から観測すると非常に短い周期で明滅する規則的な信号がとらえられるので、パルサーとも呼ばれています。その中性子星の中でも特に強力な磁場を持つものが“マグネター”と呼ばれています。マグネター(磁石星)は中性子星の...高速で自転する天体“マグネター”自転速度が遅くなる現象“アンチグリッチ”はなぜ起きる?

  • 土星の衛星エンケラドス表面の水柱から“生物の細胞”を検出できる可能性はあるのか?

    厚い氷の層に覆われた海を持つ土星の小さい衛星“エンケラドス”。エンケラドスには間欠泉があり、地表にある割れ目から宇宙空間に向けて海水を噴き上げているんですねー興味深いことに海水に含まれているのは、水、塩、シリカ(二酸化ケイ素)、炭素を含む単純な化合物。そう、これらは生命の材料になり得る物質なんですねーなので、エンケラドスから宇宙空間に放出されるプルームには、もしかすると生物の細胞が含まれているかもしれません。エンケラドスを周回してプルームを採取することができれば…将来の探査機が、生物の細胞を検出してくれるのかもしれませんね。図1.エンケラドスの間欠泉を観測する土星探査機“カッシーニ”(イメージ図)。プルームを初めて観測しただけでなく、ミッションの後期にはプルームを複数回通過し、貴重なデータを提供してくれた...土星の衛星エンケラドス表面の水柱から“生物の細胞”を検出できる可能性はあるのか?

  • 磁場が支えるガスの流れが大質量の星を生み出していた! アルマ望遠鏡の優れた感度と解像度によって見えてきたこと

    アルマ望遠鏡の高い解像度によって分かったこと。それは、大質量の星が生まれる場所では、星に物質が供給される仕組みに、磁場が重要な役割を果たしていることでした。磁場の力が、ガスの流れを外圧や重力作用から守っているので、星の形成が安定するそうです。星の形成過程において磁場はどのような役割果たすのか星形成過程において、磁場がどのような役割を果たすかは、これまでも広く議論されているテーマです。この磁場はどれほど強いのでしょうか?そして、磁場は星の材料物質を形成中の中心星まで運ぶことができるのでしょうか?さらに、いつどこで重力が磁場の影響を上回るのでしょうか?これらのことは、大きな謎になっていました。今回の研究を進めているのは、台湾中央研究所のパトリック・コッホ氏を中心とする国際研究チーム。アルマ望遠鏡を用いて、“W...磁場が支えるガスの流れが大質量の星を生み出していた!アルマ望遠鏡の優れた感度と解像度によって見えてきたこと

  • 55億光年彼方の宇宙で見つかった最大級のモンスター超銀河団“キングギドラ”

    国立天文台と広島大学を中心とした研究チームが、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラを用いた大規模観測から、約55億光年彼方の宇宙に巨大な超銀河団を見つけました。この超銀河団は、およそ満月15個分の天域にまたがって銀河とダークマターが強く密集しているだけでなく、含まれている銀河団は少なくとも19個。50億光年以遠の宇宙で確認されている中では最大の超銀河団だそうです。銀河団が集まって形成する巨大構造“超銀河団”宇宙における巨大な天体といえば、無数の星やガスが集まった銀河が挙げられます。でも、重力によって一つにまとまった天体として宇宙最大規模といえるのは、その銀河が大量のガスとともに集まった銀河団になります。その銀河団がさらに集まって“超銀河団”という巨大構造を形成していることも分かっています。超銀河団とは、宇宙...55億光年彼方の宇宙で見つかった最大級のモンスター超銀河団“キングギドラ”

  • 矮小不規則銀河“UGC 7983”と無数の銀河… そして偶然映り込んだ小惑星の軌跡

    数十億個ほどの恒星が集まった“矮小銀河”は、天の川銀河と比べて規模が100分の1程度の小さな銀河です。その“矮小銀河”の中でも、星やガスが不規則に分布している銀河を“矮小不規則銀河”と呼びます。今回公開された画像は、“おとめ座”の方向約3000万光年彼方に位置する矮小不規則銀河“UGC7983”のもの。遠方に散らばる無数の銀河や、偶然映り込んだ小惑星の軌跡がとらえられています。矮小不規則銀河“UGC7983”。(Credit:ESA/Hubble&NASA,R.Tully)上の画像に移っているのは銀河“UGC7983”だけではないんですねーその背後には、はるか遠方にある無数の銀河が視野全体にわたって写り込んでいます。そこに写っているのは、天の川銀河やアンドロメダ銀河のような渦巻銀河から、“UGC7983”...矮小不規則銀河“UGC7983”と無数の銀河…そして偶然映り込んだ小惑星の軌跡

  • なぜ、観測される物質の量が理論予測よりもはるかに少ないの? 宇宙の大規模構造で検出されたX線は行方不明のバリオンの手掛かりかも

    今回の研究では、最新のX線サーベイ“Spektr-RG/eROSITA”を用いた観測から、銀河団を網のように結ぶフィラメント構造に含まれる高温プラズマからの熱放射を検出しています。宇宙の奥深くに隠された物質を探す手掛かりになるのかもしれません。“eROSITA”はロシア・ドイツのX線天文衛星“Spektr-RG”に搭載されたX線宇宙望遠鏡。2019年7月13日にバイコヌールから打ち上げられ、第2ラグランジュ点(L2)を回るハロー軌道に投入された。開発はドイツのマックス・プランク地球外物理学研究所(MPE)。SRG/eROSITA衛星による宇宙の網からのX線放射。明るい部分が銀河団で、宇宙フィラメントが黄色い線で示されている。(Credit:Tanimura,Aghanim(CNRS)&eROSITA)行方...なぜ、観測される物質の量が理論予測よりもはるかに少ないの?宇宙の大規模構造で検出されたX線は行方不明のバリオンの手掛かりかも

  • 観測を始めたジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で初めて系外惑星を発見! 41光年彼方の赤色矮星を公転する地球サイズの惑星

    今回、アメリカ天文学会第241回号で発表されたのは、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を使って地球とほぼ同じ大きさの太陽系外惑星を確認したという研究でした。系外惑星の存在が、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の観測で確認されたのは、今回が初めてのこと。2022年の夏から本格的に稼働を開始したばかりなので、今後はもっと多くの地球に似た岩石惑星が見つかるはずです。今回の研究を進めているのは、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所のJacobLustig-YaegerさんとKevinStevensonさんが率いる研究チームです。赤色矮星“LHS475”(奥)を公転する太陽系外惑星“LHS475b”(手前)のイメージ図。(Credit:Illustration:NASA,ESA,CSA,LeahHustak(STScI))...観測を始めたジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で初めて系外惑星を発見!41光年彼方の赤色矮星を公転する地球サイズの惑星

  • 恒星が誕生してから時が経っているはずなのに… 十分なガスが残っているのはなぜ? 惑星系形成を促進しているガスの移動と集積

    今回の研究では、“うみへび座TW星”を取り巻く原始惑星系円盤のガスの量を、アルマ望遠鏡の観測データを用いた新たな手法で測定しています。天体の年齢が比較的高いことから、かなり少なくなっていると考えられていたガスの量でしたが、予想外に多く存在していることが分かったんですねーこの結果は、惑星系の形成過程を解明するための重要な一歩になるのかもしれません。若い恒星を取り巻くガスやチリからなる円盤惑星は、若い恒星を取り巻く原始惑星系円盤と呼ばれる円盤の中で形成されます。原始惑星系円盤とは、誕生したばかりの恒星の周りに広がる水素を主成分とするガスやチリからなる円盤状の構造。恒星の形成や、円盤の中で誕生する惑星の研究対象とされている。特に、木星のような巨大ガス惑星は、円盤の中のガスを材料として作られます。惑星が作られた後...恒星が誕生してから時が経っているはずなのに…十分なガスが残っているのはなぜ?惑星系形成を促進しているガスの移動と集積

  • なぜ、恒星は7年間も暗いままだったのか? 原因はチリの円盤に囲まれた伴星にあるのかも…

    今回の研究を進めているのは、ワシントン大学の博士課程学生AnastasiosTzanidakisさんたちのチーム。アメリカ天文学会の第241回会合で、“や座”の方向にある「変わった振る舞い」を見せた恒星“Gaia17bpp(2MASSJ19372316+1759029)”について発表しています。約7年間暗いままだった恒星“Gaia17bpp”(奥)と、チリの円盤に囲まれた伴星(手前)のイメージ図。(Credit:AnastasiosTzanidakis)伴星を囲む円盤が光を遮っていた?ヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星“ガイア”などの観測データから、“Gaia17bpp”は2012年から2019年までの約7年間、最大で約4.5等級(約63倍)も暗くなっていたことが知られています。研究チームでは、過去の記録を...なぜ、恒星は7年間も暗いままだったのか?原因はチリの円盤に囲まれた伴星にあるのかも…

  • 迷子になった星々が放つ淡く広がった光から銀河団の歴史を理解できるかも

    孤立した星々が放つ淡く広がった光数百~数千個の銀河が集まった“銀河団”の内部には、どの銀河とも重力的に結びついていない迷子のような星がたくさん存在しています。銀河団全体を眺めると、これらの星々が淡く広がった光を放っているんですねーこのような星が放つ淡い光は“銀河団内光(intraclusterlight;ICL)”と呼ばれています。銀河団内光は、1951年に天文学者のフリッツ・ツビッキー氏(FritzZwicky,1898-1974)によって“かみのけ座銀河団”で初めて検出されました。かつてツビッキー氏は、この銀河団で微光を発する銀河間物質を観測したと報告しています。“かみのけ座銀河団”は地球から約3億3000万光年彼方にあり、1000個以上の銀河を含んでいます。地球に最も近い銀河団の一つなので、当時の小...迷子になった星々が放つ淡く広がった光から銀河団の歴史を理解できるかも

  • かに星雲の2倍以上… 理論上許される最大値に近いものに! 高感度X線偏光観測衛星がとらえた“ほ座パルサー星雲”からの強く偏光したX線の放出

    高感度X線偏光観測衛星“IXPE”を用いて“ほ座パルサー星雲”のX線偏光を観測してみると、極限的な強さがあることが明らかになったんですねーこれは、かに星雲と比べて偏光度が平均で2倍以上もあり、理論上許される最大値に近いもの。この結果から推測されるのは、ほ座パルサー星雲内の磁場は極めて均一で、ほとんど乱れなく粒子が加速されていることでした。でも、そのような高度に秩序だった磁場は、不安定な流れや乱流が粒子の加速に重要な役割を果たすという理論モデルによる予測に反しています。今後、さらに新たなパルサー星雲についても観測を行い、今回分かったよく揃った磁場の起源が何に関連しているのかを、より深い研究で進めていくようです。X線など非常に高いエネルギーの電磁波を放出するパルサー星雲太陽よりも数十倍重い星が一生の最期を迎え...かに星雲の2倍以上…理論上許される最大値に近いものに!高感度X線偏光観測衛星がとらえた“ほ座パルサー星雲”からの強く偏光したX線の放出

  • “ケプラー1658b”は公転軌道が小さくなりすぎて破壊される運命!? 主星のすぐそばを公転する灼熱の木星型惑星“ホットジュピター”

    ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのShreyasVissapragadaさんを筆頭とする研究チームは、はくちょう座の方向約2571光年彼方で見つかった、太陽系外惑星“ケプラー(Kepler)1658b”に関する新たな研究成果を発表しました。研究チームによると、“ケプラー1658b”は公転軌道が少しずつ減衰し主星に近づき続けていて、最終的には破壊される運命にあるようです。主星の恒星“ケプラー1658”と太陽系外惑星“ケプラー1658b”(イメージ図)。(Credit:GabrielPerezDiaz/InstitutodeAstrofísicadeCanarias)主星のすぐそばを公転する灼熱の木星型惑星“ホットジュピター”“ケプラー1658b”はNASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”による観測で...“ケプラー1658b”は公転軌道が小さくなりすぎて破壊される運命!?主星のすぐそばを公転する灼熱の木星型惑星“ホットジュピター”

  • 生命の誕生には複雑な有機分子が不可欠! ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が原始星の周りで複雑な有機分子を初観測

    今回の研究では、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を用いて、おおかみ座にある太陽型原始星“IRAS15398-3359”を中間赤外線で観測。原始星周辺のチリに付着した氷の化学組成を調べています。今回の研究を進めているのは、理化学研究所開拓研究本部坂井星・惑星形成研究室のヤン・ヤオルン研究員、坂井南美主任研究員らの国際共同研究グループです。これまでよりも圧倒的に高い感度で得られた吸収スペクトルから検出されたのは、水や二酸化炭素、メタンなどの単純な分子の他に、ホルムアルデヒドやメタノール、ギ酸などの有機分子でした。また、エタノール、アセトアルデヒドといった複雑な有機分子についても、モデル構築による確認が必要なものの、氷に含まれている可能性があることが分かっています。これらの有機分子は、最終的には原始惑星系円盤に取...生命の誕生には複雑な有機分子が不可欠!ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が原始星の周りで複雑な有機分子を初観測

  • 誕生してから時が経っているはずなのに… 原始惑星系円盤に十分なガスがあるのはなぜ? 惑星系形成を促進しているガスの移動と集積

    今回の研究では、“うみへび座TW星”を取り巻く原始惑星系円盤のガスの量を、アルマ望遠鏡の観測データを用いた新たな手法で測定しています。天体の年齢が比較的高いことから、かなり少なくなっていると考えられていたガスの量でしたが、予想外に多く存在していることが分かったんですねーこの結果は、惑星系の形成過程を解明するための重要な一歩になるのかもしれません。若い恒星を取り巻くガスやチリからなる円盤惑星は、若い恒星を取り巻く原始惑星系円盤と呼ばれる円盤の中で形成されます。原始惑星系円盤とは、誕生したばかりの恒星の周りに広がる水素を主成分とするガスやチリからなる円盤状の構造。恒星の形成や、円盤の中で誕生する惑星の研究対象とされている。特に、木星のような巨大ガス惑星は、円盤の中のガスを材料として作られます。惑星が作られた後...誕生してから時が経っているはずなのに…原始惑星系円盤に十分なガスがあるのはなぜ?惑星系形成を促進しているガスの移動と集積

  • 地球に比べて密度が低い“ケプラー138c”と“ケプラー138d”は、体積の大部分が水で構成された海洋惑星かもしれない

    恒星“ケプラー138”を公転する2つの系外惑星が、厚い水の層に覆われている可能性があるようです。この2つの系外惑星は“ケプラー138”に近すぎるので表面の水は蒸発、高圧の深層では液体になっているのかもしれません。私たちが知る地球の海とは全く違う環境のようです。体積の大部分が水で構成された惑星は存在するのか地球はよく「水の惑星」と呼ばれます。それは、太陽系の他の惑星と比べると、地球は広大な海という際立った特徴を持っているからです。でも、水が地球全体の体積に占める割合は0.1%余り。しかも、海の深さは平均で4キロ弱、一番深いところで10キロしかありません。それでは宇宙のどこかに、もっと多くの水をたたえる惑星は存在しているのでしょうか?太陽系外の惑星に注目する研究者たちが予測しているのは、体積の大部分が水で、深...地球に比べて密度が低い“ケプラー138c”と“ケプラー138d”は、体積の大部分が水で構成された海洋惑星かもしれない

  • 赤色矮星を回るハビタブル惑星に朗報! 恒星に近くても大気を保持するメカニズムは存在するかもしれない

    今回の研究で用いられているのは、強い紫外線環境下における地球類似惑星を想定した大気シミュレーション。このシミュレーションを検討することにより、強い紫外線環境では原子輝線放射冷却が重要な冷却過程になることを明らかにしています。今回の研究を進めているのは、立教大学理学研究科の中山陽史特任准教授を中心とする研究グループです。その結果、示されたのは、地球のような惑星は強い紫外線環境でも、数十億年にわたって大気の保持が可能であることでした。この研究の成果は、地球を含む地球型惑星の大気保持と温暖環境の保持に対して重要な示唆となるもの。地球のようなハビタブル惑星の存在可能性の理解につながるものになるはずです。太陽よりも表面温度が低く暗い恒星を公転する惑星1995年の初検出以降、太陽以外の星を周回する惑星“系外惑星”は、...赤色矮星を回るハビタブル惑星に朗報!恒星に近くても大気を保持するメカニズムは存在するかもしれない

  • 超大質量ブラックホールの成長は宇宙誕生から数十億年の間が最も活発だった!? 機械学習が導き出した成長のメカニズム

    銀河の中心にある超大質量ブラックホールの成長と、銀河本体の成長とは、どのように関係しているのでしょうか?今回、機械学習を用いた研究によって、その深いつながりが導き出されたんですねーこの研究は、数十年来の仮説を裏付けるものになるようですよ。今回の研究の概念図。機械学習により、ブラックホールと本体の銀河の組み合わせを多数テストし、その中から実際の観測と最もよく一致する組み合わせを選んでいる。(Credit:H.Zhang,M.Wielgusetal.,ESA/Hubble&NASA,A.Bellini)機械学習でブラックホールの成長を予測するほぼすべての銀河の中心には、超大質量ブラックホールが存在すると考えられていて、その質量は太陽の数100万倍から数10億倍にも及びます。このような超大質量ブラックホールは、...超大質量ブラックホールの成長は宇宙誕生から数十億年の間が最も活発だった!?機械学習が導き出した成長のメカニズム

  • 天体の合体現象だと短いはず… なのに、見つかったのは超新星爆発のような継続時間の長いガンマ線バーストだった

    天体の合体現象で発生するガンマ線バーストは継続時間が短いはず。なのに、超新星爆発を起こすことで発生するガンマ線バーストのように、継続時間の長いガンマ線バーストが見つかったんですねーこれまで、大きく2つのタイプがあると考えられていたガンマ線バーストですが、この分類とは合わない奇妙なものもあるようです。突発的なガンマ線の増光現象ガンマ線バーストは、遠くの宇宙で発生する突発的なガンマ線の増光現象です。ガンマ線バーストは、0.01秒から数時間程度にわたってガンマ線が突発的に観測される現象。1960年代の冷戦下に宇宙空間での核実験を監視する衛星によって発見された天体現象。これまでの観測から考えられていたのは、ガンマ線バーストには大きく2つのタイプがあること。1つは、重い星が超新星爆発を起こすことで発生し、継続時間が...天体の合体現象だと短いはず…なのに、見つかったのは超新星爆発のような継続時間の長いガンマ線バーストだった

  • 初期宇宙に見つかった“赤い渦巻銀河”は、いつ、どのように生まれたのか?

    地球が属する天の川銀河は渦巻構造をもつ“渦巻銀河”の仲間です。では、この渦巻銀河は、いつ、どのように生まれ、形作られたのでしょうか?このことについては、望遠鏡の感度や空間分解能の限界から、これまでよく分かっていませんでした。なので、今回の研究では、NASAが2022年から運用を開始したジェームズウェッブ宇宙望遠鏡のデータを元に分析。すると、80億年から100億年前の宇宙に、これまで見られなかった赤い渦巻銀河を初めて発見したんですねー今回のパイロット調査を元に、さらに詳しく渦巻銀河形成についての分析を進めることができれば…いまだ謎が多い銀河の成り立ちに関して、さらに新たな知見が加わりそうです。初期の宇宙に見つけた赤い渦巻銀河今回の研究で見つけたのは、これまで確認されていなかった特異な“赤い渦巻銀河”。さらに...初期宇宙に見つかった“赤い渦巻銀河”は、いつ、どのように生まれたのか?

  • ハビタブルゾーン内を公転していても大気や水は存在しない? 太陽よりも低温で暗い恒星に左右される系外惑星の環境

    図1.“プロキシマ・ケンタウリ”を公転する“プロキシマ・ケンタウリb”(イメージ図)。(Credit:ESO)本当にハビタブルなの?恒星の活動にも右される系外惑星の環境地球に住む私たちから見て太陽の次に近い恒星は、地球から約4.3光年の距離にある“プロキシンマ・ケンタウリ”です。恒星の中でも太陽系に近い約4.2光年の距離にある赤色矮星“プロキシマ・ケンタウリ”。この“プロキシマ・ケンタウリ”を公転している地球サイズの“プロキシマ・ケンタウリb”は、2016年に発見された系外惑星。“プロキシマ・ケンタウリb”は11.2日周期で公転し、その重力に引っ張られて中央の“プロキシマ・ケンタウリ”も11.2日の周期でぶれている。主星の周りを公転している惑星の重力で、主星が引っ張られると地球からわずかに遠ざかったり近づ...ハビタブルゾーン内を公転していても大気や水は存在しない?太陽よりも低温で暗い恒星に左右される系外惑星の環境

  • 銀河団内には星が生まれにくい場所がある? 70億年前から存在している銀河団の奇妙な銀河分布

    すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラで撮られた、70億年前までの宇宙に存在する5000個を超える銀河団。このデータを統計的に調べてみると、成長をやめてしまった銀河が、銀河団内の特定の方向に偏って分布していることが明らかになったんですねーこのことは、銀河団の内部で銀河の成長を止めるメカニズムが、非等方的に働いている可能性を示すもの。銀河の形成過程の新たな一面をとらえた成果といえます。図1.今回の研究に用いた銀河団の一例。銀河団に属する銀河のうち、星形成をしている銀河を青い円で、星形成をやめた銀河をオレンジの円で示している。印が付いていない天体は、この銀河団とは無関係の銀河や星になる。ピンクと水色の影で示された領域は、それぞれ銀河団の中心銀河の長軸に「揃った方向」と「垂直な方向」を表している。右上の画像は銀河団...銀河団内には星が生まれにくい場所がある?70億年前から存在している銀河団の奇妙な銀河分布

  • 巨大惑星や褐色矮星の進化、大気の研究に重要! 太陽のような恒星を周回する恒星になれなかった星を発見

    すばる望遠鏡の超高コントラスト補償光学システムを利用した観測により、太陽のような恒星を周回する褐色矮星の姿がとらえられました。さらに、直接撮像に加えて位置天文衛星などのデータを組み合わせる新しい手法を用いて、この天体“HIP21152B”の正確な質量を求めてみると、質量が精密に決まっている褐色矮星の中では、最も軽く、惑星質量に迫る天体であることが明らかになったんですねーこのことから、“HIP21152B”は巨大惑星と褐色矮星の進化や、その大気の研究をする上で重要な基準(ベンチマーク)天体になると期待されています。図1.恒星“HIP21152”の伴星として発見された褐色矮星“HIP21152B”の画像。★印と矢印はそれぞれ、恒星(中心星)と“HIP21152B”の位置を表している。中心星はマスクされていて、...巨大惑星や褐色矮星の進化、大気の研究に重要!太陽のような恒星を周回する恒星になれなかった星を発見

  • これまでの予想の4倍以上! 宇宙最大の爆発現象“ガンマ線バースト”の隠れた爆発エネルギーを測定

    今回、国際研究チームが世界で初めて成功させたのは、宇宙最大の爆発現象である“ガンマ線バースト”の電波と可視光における偏光の同時観測。観測には、アルマ望遠鏡とヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡“VLT”を用いられました。今回の研究を進めているのは、台湾・国立中央大学/MITOSScienceCO.,LTD.の浦田裕次氏、東北大学学際科学フロンティア研究所(兼務大学院理学研究科)の當真賢二准教授、同大学大学院理学研究科の桑田明日香氏(博士後期課程1年生)らを中心とした国際研究チームです。この観測により、偏光を使わなければ見えない隠れたエネルギーを含めたガンマ線バーストの本当の爆発エネルギーを推定。これまでの推定の4倍以上となることが分かってきました。この結果により修正を迫られる可能性があるのが、典型的なロング...これまでの予想の4倍以上!宇宙最大の爆発現象“ガンマ線バースト”の隠れた爆発エネルギーを測定

  • X線の偏光から明らかになってきたブラックホール近傍のコロナの位置と形状

    今回の研究では、銀河系内にあるブラックホールと恒星の連星系“はくちょう座X-1”の観測から、ブラックホール近傍から放射されるX線がわずかに偏光していることを発見。ブラックホール近傍にある高温のプラズマ(コロナ)の位置と形状を明らかにしています。この研究を進めているのは、理化学研究所開拓研究本部玉川高エネルギー宇宙物理研究室の北口貴雄研究員、玉川徹主任研究員、広島大学大学院先進理工系科学研究科の张思轩大学院生、同宇宙科学センターの水野恒史准教授らの共同研究グループです。研究成果は、今後のブラックホール近傍における強重力場下の物理の検証や、ブラックホールの自転速度の測定につながると期待できます。ブラックホール連星系のブラックホールの周辺には、恒星からの物質がブラックホールの強い重力に引かれてできる渦巻き状の高...X線の偏光から明らかになってきたブラックホール近傍のコロナの位置と形状

  • 分子ガスを用いた新たな手法で迫る! 短時間に非常に強い電波パルスを発する“高速電波バースト”の正体とは?

    マイクロ秒~ミリ秒という短時間に強力な電波パルスを発する“高速電波バースト(FRB:FastRadioBurst)”という天体現象があります。2007年の発見以降、数千例以上の観測例があるのですが、その起源となる天体の正体や発生のメカニズムは未だ分かっていません。そこで、今回の研究では星の材料である分子ガスに着目。高速電波バーストが出現した銀河(母銀河)の分子ガスを調べることで、その起源天体の正体に迫っています。今回の研究を進めているのは、東京大学大学院理学系研究科付属天文学教員研究センターの廿日出文洋助教を中心とするチーム。分子ガスとは、星間空間に存在しているガスのうち、分子として存在しているもの。温度は10-100ケルビン程度。星を形成する材料になる。アルマ望遠鏡を使って、高速電波バースト母銀河におけ...分子ガスを用いた新たな手法で迫る!短時間に非常に強い電波パルスを発する“高速電波バースト”の正体とは?

  • 40年間の観測から見つけた! 木星の気温は規則正しい変動をしていた

    今回の研究では、NASAの宇宙探査機と地上望遠鏡の観測データを用い、木星の対流圏上層部の温度を、今までで一番長い期間追跡調査を行っています。その結果、分かってきたのは、木星の気温が四季とは関係なしに一定の間隔で変動することでした。木星の対流圏は、木星のトレードマークともいえる色とりどりな縞模様の雲が形成されるなど、様々な気象現象が起こっている大気の低層部です。なので、この結果は太陽系最大の惑星である木星の天気を左右する要因をより深く理解し、究極的には天気を予報できるようになるための大きな一歩といえます。今回の研究では、すばる望遠鏡の中間赤外観測装置“COMICS”が14年に渡る観測データを提供しています。図1.木星の赤外線画像。左側の2枚は、それぞれ2016年2月と3月に超大型望遠鏡“VLT”で撮られた波...40年間の観測から見つけた!木星の気温は規則正しい変動をしていた

  • 超強磁場を持つ大気のない中性子星“マグネター”からのX線偏光を世界で初めて観測

    今回、国際共同研究グループが世界で初めて観測したのは、宇宙で最も強い磁場を持つ中性子星“マグネター(磁石星)”からのX線偏光でした。中性子星は、太陽の10~30倍程度の恒星が、一生の最期に大爆発した後に残される宇宙で最も高密度な天体。主に中性子からなる天体で、ブラックホールと異なり半径10キロ程度の表面が存在し、そこに地球の約50万倍の質量が詰まっていている。マグネター(磁石星)は中性子星の一種で、10秒程度の自転周期を持つ、主にX線で輝く天体。100億テスラ以上の超強磁場を持つと推定されていて、磁気エネルギーを開放することで輝くと考えられている。これまで、様々な方法で、“マグネター”に超強磁場が存在している可能性が示されてきましたが、観測的に実証されていませんでした。研究では、地球磁気の26兆倍(130...超強磁場を持つ大気のない中性子星“マグネター”からのX線偏光を世界で初めて観測

  • ブラックホールの電波ジェットへのプラズマの供給機構を発見! ブラックホールが稼働する短時間のフレア現象

    ほぼすべての銀河の中心には、太陽の数100万倍から数10億倍の質量を持つ超大質量ブラックホールが存在しています。そのブラックホールからは、電波ジェットと呼ばれるほぼ光速で運動するプラズマ噴出流からの電波信号が観測されています。でも、ブラックホール近傍では物質はブラックホールへと落ち込んでしまうので、電波放射に必要なプラズマを電波ジェットへと供給する機構は大きな謎になっていたんですねーそこで、東北大学学際科学フロンティア研究所のチームが考えたのは、ブラックホール近傍で磁気エネルギーが効率的に高エネルギーの光子へと変換されるフレア現象が発生するということ。これにより作成された理論モデルを用いて、フレアの際に放射される高エネルギーの光子同士が相互作用して効率的に電波ジェットへとプラズマが供給され、電波ジェットの...ブラックホールの電波ジェットへのプラズマの供給機構を発見!ブラックホールが稼働する短時間のフレア現象

  • 遠く離れた場所にある複数の電波望遠鏡が協力! 高解像度で解き明かすクエーサーから噴き出したジェットの姿

    今回、国際研究チームは、地球上に点在する電波望遠鏡を組み合わせて同時に観測を行う超長基線電波干渉“VLBI”技術を用いて、極めて明るい電波源“3C273”から噴き出すジェットの最深部の構造をとらえることに成功したんですねー歴史上初めて発見されたクエーサが“3C273”です。その中心部から噴き出すジェットは過去数十年に渡って精力的に研究されてきました。今回、研究チームが実施したのは、この“3C273”に対する様々な周波数帯での国際的なVLBI観測でした。これまで詳しく観測されていなかった最深部から、母銀河を超える先端部に至るまでの様々な空間スケールに渡ってジェットの「形状」を詳しく調べています。その結果、クエーサーのジェットが絞り込まれている様子が初めてとらえられ、その絞り込みがブラックホールの重力が支配す...遠く離れた場所にある複数の電波望遠鏡が協力!高解像度で解き明かすクエーサーから噴き出したジェットの姿

  • 見ごろはいつ? 活動は? 月明りの影響は? 2022年の“ふたご座流星群”

    今年もあとわずか、三大流星群のひとつ“ふたご座流星群”の時期が近づいてきました。“ふたご座流星群”は、1月の“しぶんぎ座流星群”や8月の“ペルセウス座流星群”と並び、活動が安定していて流れ星が多いのが特徴です。今年の極大は12月14日の午後10時頃。この時間帯に最も活発に流星が流れると予想されています。極大とは、流星群の活動が最も活発になること。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響する。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しない。ただ、極大予想の14日22時ごろはちょうど月の出のタイミング。15日の明け方まで、ずっと月明かりの影響を受けることになるんですねー狙い目は12月14日の空が暗くな...見ごろはいつ?活動は?月明りの影響は?2022年の“ふたご座流星群”

  • 金やプラチナなど貴金属の元素を含む星は、100億年以上前に天の川銀河の元になった小さい銀河で生まれていた

    宇宙が誕生した138億年前そして、その数億年後から形成されてきたと考えられている天の川銀河。でも、誕生から形成の過程は謎に満ちていて、今でも解明されていないことがたくさんあるんですねー今回の研究では、国立天文台の天文学専用スーパーコンピュータ“アテルイⅡ”を用いて、天の川銀河ができる様子を世界最高解像度でシミュレーションすることに成功。その結果、金や、プラチナなど鉄より重い貴金属の元素を多く含む星は、100億年以上前、天の川銀河の元になった小さい銀河で形成されたことを明らかにしています。また、本シミュレーションで形成された星の元素量、運動は天の川銀河の星の観測と一致。今後、国立天文台のすばる望遠鏡などでの観測が進むと、貴金属に富んだ星を指標として、長年の謎であった100億年以上前の天の川銀河形成史を辿れる...金やプラチナなど貴金属の元素を含む星は、100億年以上前に天の川銀河の元になった小さい銀河で生まれていた

  • X線天文衛星のアーカイブデータから、銀河中心ブラックホール近傍の現実的な物理モデルを構築

    銀河の中には、その中心で激しい活動を起こしているものがあり、このような天体を“活動銀河核”と呼びます。その中心には、太陽質量の数百万~数十億倍もの超大質量ブラックホールが存在し、その周りではいろいろな現象が起きているんですねーこの活動銀河核の中心ブラックホール周辺で群を抜いているのがX線放射なので、この場所の物理環境を解き明かすにはX線の観測が不可欠になります。そこで、今回の研究で用いているのは、“NGC5548”という活動銀河核について、3つのX線天文衛星で得られた広帯域X線スペクトルでした。先行研究では、複雑なモデルで説明していた“NGC5548”のX線スペクトル変動ですが、物理的に相関し得ないパラメータ同士に相関が出るなどの問題がありました。この相関は、必要以上のパラメータを含んだモデル設定による“...X線天文衛星のアーカイブデータから、銀河中心ブラックホール近傍の現実的な物理モデルを構築

  • 火星で観測された史上最大の天体衝突! 隕石の衝突が作り出す火震を観測

    NASAにとって火星への着陸に成功した8機目の探査機“インサイト”。その“インサイト”が2021年12月24日に天体の衝突に伴う地震を検出したんですねーこの時作られたクレーターは、形成の瞬間を人類が記録できたものとしては太陽系で最大のもののようです。火星の地質調査を行う探査機NASAの低予算プログラム“ディスカバリー”の候補に挙がっていた、3つの計画から選ばれたのがインサイト計画でした。選ばれた理由は、スケジュールがずれ込む可能性や、予算の上限を超える可能性が低かったこと。ただ、搭載機器の“地震計”に問題が発生し打ち上げは延期に…“地震計”の改良や、完成している探査機本体や機器の保管などに更に予算が必要になってしまいます。それでも2018年5月に火星探査機“インサイト”は打ち上げに成功。2018年11月に...火星で観測された史上最大の天体衝突!隕石の衝突が作り出す火震を観測

  • 原始の地球に火星サイズの天体が衝突! そして月はほんの数時間で作られた のかもしれない

    地球に別の原始惑星が衝突して月が生まれた。この仮説を、過去最高の解像度のシミュレーションで検証してみると、これまでの予想よりはるかに速く、数時間で月が形成されるという結果が得られたようですよ。ジャイアントインパクト説月はどうやって生まれたのでしょうか?月が形成される原因として最も有力な仮説がジャイアントインパクト(巨大衝突)説になります。この説によれば、45億年前に火星サイズの天体“テイア”が、作られて間もない原始の地球に衝突。この衝突から生まれた破片が、かなり急速(おそらく数百万年強の間)に分離し、地球と月を形成したと考えられています。大きい方は地球になり、大気と海のある地質学的に活発な惑星になるのにちょうどよい大きさと環境へと進化。小さい方が月になるのですが、こちらには地球のような特性を保持するのに十...原始の地球に火星サイズの天体が衝突!そして月はほんの数時間で作られたのかもしれない

  • 速度は光速の99.7%もあった! 中性子星同士の連星による合体で放出されるジェット

    2017年8月に観測された重力波現象“GW170817”は、中性子星同士の連星が合体して爆発する“キロノバ”という現象で発生したものでした。その追観測データから分かったこと、それは重力波源となった中性子星の合体で光速の99.7%に達するジェットが発生していたことでした。中性子星同士の連星が融合して爆発する現象2017年8月に欧米の重力波検出装置“LIGO”と“Virgo”で検出された重力波“GW170817”。それは、中性子星同士の連星が融合して爆発する“キロノバ”という現象で発生したものでした。“キロノバ”は、中性子星の連星または中性子星とブラックホールの連星が融合することによって発生すると考えられている爆発現象。白色矮星への質量降着による爆発で生じる新星(ノバ)の約1000倍の明るさに達することからキ...速度は光速の99.7%もあった!中性子星同士の連星による合体で放出されるジェット

  • ほとんど知られていないX線偏光の情報を求めて! X線偏光観測衛星“IXPE”が超新星残骸の謎に迫る

    X線の偏光を高い感度で測定できる初の宇宙望遠鏡“IXPE”。ほとんど知られていないX線偏光の情報を求めて超新星残骸“カシオペヤ座A”を観測してみると、爆発による衝撃波と磁場の広がり方について新たな手掛かりを得たそうです。X線の偏光を高い感度で測定する宇宙望遠鏡2021年12月9日に打ち上げられたNASAとイタリア宇宙機関のX線偏光観測衛星“IXPE(ImagingX-rayPolarimetryExplorer)”。この衛星は、X線の偏光(電磁波における波の向きの偏り)を高い感度で測定できる初の宇宙望遠鏡なんですねーほとんど知られていないX線偏光の情報を求め、“IXPE”が最初の観測対象としたのは、超新星残骸“カシオペヤ座A”でした。超新星残骸“カシオペヤ座A”。(青)X線宇宙望遠鏡“チャンドラ”、(青緑...ほとんど知られていないX線偏光の情報を求めて!X線偏光観測衛星“IXPE”が超新星残骸の謎に迫る

  • ビッグバンから20億年後の初期宇宙で形成されつつある原始銀河団を観測

    ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測により、115億光年彼方のクエーサーのすぐ近くに少なくとも3つの銀河が存在することが分かりました。ハッブル宇宙望遠鏡のアーカイブデータからは、さらに多くの銀河が存在する可能性が示唆されているので、測していたのは原始銀河団が形成されつつある現場のようです。この時代の原始銀河団は見つけるのが難しく、ごくわずかしか知られていません。なので、高密度な環境で銀河がどのように成長するのかを、理解するための手掛かりになると考えられています。初期の宇宙に存在するクエーサーヘルクレス座の方向にある“SDSSJ165202.64+17285.3”は私たちから115億光年の距離を隔てた、ビッグバンから20億年程度の初期宇宙に存在するクエーサーです。クエーサーは、銀河中心にある超大質量ブラック...ビッグバンから20億年後の初期宇宙で形成されつつある原始銀河団を観測

  • 115億光年彼方で起こった超新星、重力レンズによって爆発初日から8日目までの変化を観測

    115億光年彼方で起こった超新星爆発。この光が重力レンズ効果によって3つの異なる経路を通り、それぞれ数日の時間差で地球に到達しました。これによって、超新星の時間変化が分かり、爆発前の星の情報も得られたそうです。遠方宇宙の超新星爆発恒星の死に伴う爆発現象“超新星”は、星が属する銀河全体を上回るほどの明るさがあります。そのため、近年では大型望遠鏡の観測によって、100億光年以上の遠方宇宙で起こった超新星爆発も見つかるようになってきました。でも、超新星爆発の観測機会は限られるので、遠方の超新星については得られる情報も少なかったんですねー特に、爆発する前の恒星の性質が明らかになった超新星は、地球から数億光年以内の近傍の超新星爆発に限られていました。光の経路を曲げる重力レンズ今回、アメリカ・ミネソタ大学を中心とする...115億光年彼方で起こった超新星、重力レンズによって爆発初日から8日目までの変化を観測

  • 星の材料の流出を防いでくれるシールドがあるから、大小マゼラン雲では活発な星形成が続いている

    天の川銀河には、周囲を公転している“衛星銀河”が50個以上見つかっています。その衛星銀河に含まれている大小マゼラン雲の周りに、銀河コロナと呼ばれる高温ガスが見つかったんですねーどうやら、この構造が星の材料の流出を防いでくれているので、大小マゼラン雲では今も星の形成が続いているようです。活発な星形成を続ける銀河かつては小さな棒渦巻銀河だったと考えられている大マゼラン雲と小マゼラン雲。現在では、天の川銀河に引き込まれて形が大きく崩れ、両銀河が通った後にはガスの尾が残されています。このような過去を経た大小マゼラン雲では、星の材料になるガスが流出していてもおかしくありません。でも、どちらの銀河でも活発な星形成が続いていて、天文学者たちは頭をひねっています。今回、アメリカ・コロラド大学の研究チームが突き止めたのは、...星の材料の流出を防いでくれるシールドがあるから、大小マゼラン雲では活発な星形成が続いている

  • レアアースの起源になると有力視されている中性子星の合体現象、実際にはどんな元素が作られているのか

    宇宙における金やプラチナ、レアアースなどの起源は天文学・宇宙物理学の長年の未解決問題になっています。レアアースとは、ランタノイド元素(原子番号57~71番)とスカンジウム(Sc、原子番号21番)、イットリウム(Y、原子番号39番)の17元素の総称。希土類元素とも言う。工業的に重要で、例えばランタンやセリウムは光学レンズ、ガラス研磨剤、蛍光体などに用いられている。このレアアースの起源になる天体として有力視されているものに中性子星の合体現象があります。でも、そのような現象で実際にどのような元素が合成されるのでしょうか?このことは、まだ明らかになっていないんですねー中性子星は、質量の大きい恒星が進化した後に残る天体の一種。半径10キロメートル程度の大きさに地球の約50万倍の質量が詰まっていて、非常に密度が高い天...レアアースの起源になると有力視されている中性子星の合体現象、実際にはどんな元素が作られているのか

  • 地球から一番近いブラックホールを発見! 太陽のような恒星と互いの周りを回る連星系だった

    位置天文衛星“ガイア”による観測で、地球から1560光年の距離にブラックホールが見つかりました。現在知られているブラックホールの中で、最も私たちに近いものになるようです。約1560光年先にあるブラックホールアメリカ・ハーバード・スミソニアン天体物理学センター及びドイツ・マックス・プランク天文学研究所の研究チームが見つけたもの。それは、すでに知られているブラックホールの中で地球に最も近いブラックホールでした。このブラックホールは、これまでと異なる新しい手法を用いて発見されもの。へびつかい座の方向約1560光年の距離に位置しています。これまでで、最も近いとされていたブラックホールは約3000光年先なので、その距離を半分程度縮めたことになります。地球に近いブラックホールの発見としては、2020年に発表のあった約...地球から一番近いブラックホールを発見!太陽のような恒星と互いの周りを回る連星系だった

  • 51分という短い周期でお互いの周りを回る連星を発見

    連星のうち、2つの星の距離が太陽半径の数百倍より近いものを“近接連星”と言います。“近接連星”では、2つの星がこれほど接近しているので、星が膨張したときに質量のやり取りが起こって、単独星とは全く違う進化をするんですねー今回見つかったのは、通常の恒星と白色矮星の近接連星である“激変星”としては、最も短い51分でお互いの周りをまわる連星でした。今後、白色矮星は恒星のガスをはぎ取り続け、両者の距離はさらに縮まっていくようです。お互いの周りを短い周期で回る連星ヘルクレス座の方向約3000光年彼方にある“ZTFJ1813+4251”は、質量が太陽の1割しかない恒星と、燃え尽きた星の中心核が残った白色矮星からなる連星です。両者の距離は非常に近く、恒星から白色矮星へとガスが流れ込んでいます。このような天体は“激変星”と...51分という短い周期でお互いの周りを回る連星を発見

  • 堆積岩からの有機物、天体衝突による地震を検出など 火星で探査を続ける“パーサビアランス”や“インサイト”の成果

    現在NASAが火星で運用中の探査車“パーサビアランス”と探査機“インサイト”の成果が発表されました。数十億年前の湖底で作られた堆積岩から有機化合物を検出した“パーサビアランス”。“インサイト”は小天体の衝突による地震波を記録していたようです。火星の泥岩から大量の有機分子を発見2021年2月に火星に着陸したNASAの探査車“パーサビアランス”は、かつて湖が存在したとされるジェゼロ・クレーター内で探査を続けています。35億年前に形成された三角州(川と湖の合流地点)で4つのサンプルを取得するなど、これまでに興味深い岩のサンプルを12個採取しています。三角州の中でも、“ワイルドキャット・リッジ(WildcatRidge:山猫の尾根)”という愛称が付けられた幅約1メートルの岩から7月20日に削り取られたサンプルは特...堆積岩からの有機物、天体衝突による地震を検出など火星で探査を続ける“パーサビアランス”や“インサイト”の成果

  • ビッグバン後の宇宙で誕生した第一世代の恒星が残した痕跡を見つけたのかも

    131億光年の彼方に位置するクエーサーの元素を調べてみると、太陽の300倍近い質量を持つ宇宙第一世代の星が超新星爆発で作りだしたと推定されるような特徴が見られたそうです。ビッグバン後の宇宙で最初に誕生した恒星ビッグバンから1億年後、宇宙の年齢が現在の1%にも満たない頃に、最初の恒星が誕生したと考えられています。これら“第一世代星(種族IIIの星)”は、ほぼ水素とヘリウムだけで出来ているはずです。でも、その特徴を示す天体は、いまだ見つかっていません。天文学では水素とヘリウムよりも重い元素のことを重元素と呼び、重元素の量が少ないと重い星が生まれやすくなります。ガス雲が重力収縮して新たな星になるためには、ガス雲が冷える必要があるのですが、重元素が少ないガスは冷えにくいんですねーこのため、より大きなガスの塊でない...ビッグバン後の宇宙で誕生した第一世代の恒星が残した痕跡を見つけたのかも

  • 銀河中心ブラックホールを隠すダストの分布は赤外線放射の時間変動現象で明らかにできる

    今回の研究を進めているのは、東京大学大学院理学系研究科と同付属天文学教育研究センター、プリンストン大学、大阪大学大学院理学研究科の研究者の皆さん。活動銀河核の赤外線放射強度の時間変動現象を解析することで、銀河中心ブラックホールを取り巻くダスト層“ダストトーラス”による活動銀河核中心部からの光の減衰量“ダスト減光量”を測定する新しい手法を開発しています。活動銀河核とは、銀河の中心部の非常に狭い領域から、銀河全体の明るさに匹敵するかそれを超えるほど莫大な電磁波を放射している天体現象。銀河中心に存在する巨大ブラックホールに物質が落下することによって解放される重力エネルギーが、巨大な放射のエネルギー源とされている。巨大ブラックホール近傍の高温ガスからはX線が、その周囲に形成されるガス円盤(降着円盤)からは紫外線や...銀河中心ブラックホールを隠すダストの分布は赤外線放射の時間変動現象で明らかにできる

  • 赤色矮星の周りにも、地球のような温暖な気候を持つ海惑星が存在しているのかも

    近年の系外惑星探査で関心が集まっているのは、地球のような温暖な岩石惑星…いわゆるハビタブル惑星の発見なんですねーこうした惑星の探査の多くは、見つけ易さから太陽系の近傍に多数存在する“赤色矮星”または“M型星”と呼ばれる、太陽よりも低温の星をターゲットとしています。さらに、惑星が温暖な気候を維持するためには、適度な日射量だけでなく、適量な海水が必要なことが知られています。でも、これまでの惑星形成モデルで予測されていたのは、“M型星”の周りにそのような条件を満たす惑星が存在する確率は非常に小さいことでした。そこで、今回の研究で着目しているのは、惑星の形成場である原始惑星系円盤のガス成分の獲得によって形成される大気とマグマオーシャンとの反応で生成される水でした。原始惑星系円盤とは、誕生したばかりの恒星の周りに広...赤色矮星の周りにも、地球のような温暖な気候を持つ海惑星が存在しているのかも

  • 画像から見つけたのは磁場のS字型ねじれ! 太陽の磁場が突然反転する現象“スイッチバック”の謎を解明

    探査機“ソーラーオービター”が太陽に最接近した際の観測から、50年近く前から知られている太陽磁場の反転現象“スイッチバック”の発生メカニズムが明らかになりました。太陽の磁場が突然反転する現象1970年代半ばにアメリカ・ドイツの太陽探査機“ヘリオス”が太陽に接近した際、太陽の磁場が突然反転する様子が記録されました。この現象は突然始まり、数秒から数時間で磁場の方向は元に戻るというもの。1990年代後半にはアメリカとヨーロッパの探査機“ユリシーズ”も同じ現象を観測しています。さらに、2018年にはNASAの探査機“パーカー・ソーラー・プローブ”による観測で、その磁場反転が太陽に近いほど多いことが明確に示され、その原因が磁場のS字型のねじれにあることが示唆されています。この現象は“スイッチバック”と呼ばれるように...画像から見つけたのは磁場のS字型ねじれ!太陽の磁場が突然反転する現象“スイッチバック”の謎を解明

  • 宇宙初期の“星のベビーブーム”はどうやって引き起こされたのか? 星形成率が非常に高い星団から分かってくること

    小マゼラン雲には、非常に活発な星形成が見られる散開星団“NGC346”があります。この散開星団“NGC346”で、星団の中心に向かって星やガスが渦巻くように運動している様子が明らかになったんですねーどうやら、この流れが活発な星形成を引き起こしているようです。非常に活発な星形成が見られる星団天の川銀河には50以上の衛星銀河が見つかっていて、そのうちの1つ小マゼラン雲は地球から約20万光年の彼方に位置しています。衛星銀河(伴銀河ともいう)とは重力の相互作用により、より大きな銀河の周囲を公転する銀河。今回取り上げるのは、小マゼラン雲の中にある散開星団“NGC346”。“NGC346”の直径は、わずか150光年なんですが、太陽5万個分の質量を持っているんですねー散開星団は、分子雲から同時に生まれた星同士が未だに互...宇宙初期の“星のベビーブーム”はどうやって引き起こされたのか?星形成率が非常に高い星団から分かってくること

  • 生命が居住可能な領域に惑星を発見! 太陽よりも小さく表面温度が低い恒星を8.46日で公転

    太陽系から約100光年の彼方に位置する恒星“LP890-9”。この低温の恒星の周りに2つのスーパーアースが発見されました。さらに分かってきたのは、外側のスーパーアース“LP890-9c”が“ハビタブルゾーン”内を公転していること。“ハビタブルゾーン”とは、主星(恒星)からの距離が程良く、惑星の表面に液体の水が安定的に存在できる領域。太陽系の場合は地球から火星軌道が“ハビタブルゾーン”にあたり、この領域にある惑星では生命が居住可能だと考えられているんですねー今回の発見は、NASAの系外惑星探査衛星“TESS”と、ベルギー・リエージュ大学の研究者のSPECULOOSプロジェクトによるもの。さらに、観測の成功には、東京大学とアストロバイオロジーセンターの研究者らによる多色同時撮像カメラ“MuSCAT3”、すばる...生命が居住可能な領域に惑星を発見!太陽よりも小さく表面温度が低い恒星を8.46日で公転

  • 材料を持って行かれて星の形成を止めてしまった銀河、原因は合体というゆっくりとしたプロセスだった

    70億光年彼方に、内部で新たな星の誕生が止まった銀河があります。この銀河をアルマ望遠鏡で観測してみると、別の銀河と衝突合体したことが分かったんですねーどうやら、この衝突合体で星の材料となるガスが放り出されてしまったようです。星の材料となる材料がなくなってしまった銀河私たちの天の川銀河では、今でも新しい恒星が生まれています。でも、星の形成が止まってしまった銀河もあるんですねー原因として考えられるのは、星の材料となるガスが無くってしまったこと。どうして星の材料は無くなってしまったのでしょうか?このことについては様々な議論があります。“うしかい座”の方向約70億光年の彼方に位置する大質量銀河“SDSSJ1448+1010”も、燃料切れとなってしまった銀河の1つです。“SDSSJ1448+1010”は別の銀河との...材料を持って行かれて星の形成を止めてしまった銀河、原因は合体というゆっくりとしたプロセスだった

  • 天の川銀河は標準的な銀河なのか? 衛星銀河の観測で見えてきた、天の川銀河の普遍性と特異性

    すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラを用いて、天の川銀河と同程度の質量を持つ銀河9個の周囲を撮像してみると、93個もの衛星銀河の候補が発見されたんですねー次に、これら衛星銀河の個数や配置を天の川銀河の衛星銀河と比較。すると、あぶり出されたのは天の川銀河の普遍性と特異性でした。このことは、将来的には宇宙論モデルの検証にも影響を与える研究成果だそうです。観測された9つの銀河の中の1つ“NGC3338”。しし座の方向約7600万光年彼方の渦巻銀河で、質量は天の川銀河と同じくらいと考えられている。(Credit:国立天文台)天の川銀河の周囲を公転する衛星銀河天の川銀河のような大きな銀河の周囲には、小さな“衛星銀河”が存在しています。衛星銀河(伴銀河ともいう)とは重力の相互作用により、より大きな銀河の周囲を公転する銀...天の川銀河は標準的な銀河なのか?衛星銀河の観測で見えてきた、天の川銀河の普遍性と特異性

  • スーパーコンピュータが見つけた! 棒状構造の形成が引き起こした天の川銀河の変動の歴史

    国立天文台“ジャスミン”プロジェクトの国際研究チームは、私たちの住む天の川銀河の中心付近に存在する棒状構造の形成が引き起こした変動の歴史について、新しいシナリオを打ち出しました。この新しいシナリオは、国立天文台の天文学専用スーパーコンピュータ“アテルイⅡ”を用いたシミュレーションによるもの。明らかになってきたのは、形成後間もない棒状構造のガスが銀河の中心領域に流れ込み、そこで爆発的な星形成が起こり、新たに“中心核バルジ”が形成されたことでした。一方、棒状構造ではガスが枯渇し星形成が急停止するそうです。このような棒状構造の形成に伴う星形成活動の領域による違いの影響は、星の年齢構成の違いとして情報が刻まれています。なので、位置天文観測衛星“ガイア”や2028年に打ち上げ予定の赤外線位置天文観測衛星“ジャスミン...スーパーコンピュータが見つけた!棒状構造の形成が引き起こした天の川銀河の変動の歴史

  • 宇宙が誕生した頃の軽い元素が多く存在した環境では、どのように星が誕生するのか?

    宇宙が誕生した頃は、恒星の中で長時間かけて起こる元素合成が進んでいませんでした。なので、重元素が少なく、軽い元素が多く存在していたんですねーこのように軽い元素が多く存在する環境は、現在の宇宙と大きく異なるので、どのように星が誕生するかは明確には分かっていませんでした。そこで今回の研究で目指したのは、重元素が少ない環境で幼年期の星“原始星”を見つけ出すこと。アルマ望遠鏡による観測で、太陽系よりも重元素が少なく、約100億年前の宇宙の環境を残した場所から星の産声を検出することに成功しています。この発見により、宇宙の進化の歴史において星が誕生するメカニズムが共通しているということが分かってきたようです。宇宙が誕生して間もない重元素が少ない環境ヘリウムよりも重い元素のことを天文学では“重元素”と呼びます。天文学で...宇宙が誕生した頃の軽い元素が多く存在した環境では、どのように星が誕生するのか?

  • 千屋牛ラーメンとホルモン焼きうどんを食べてきた😋青春18きっぷを使って新見と津山へ

    和牛のルーツ“千屋牛”を使ったラーメンとB級グルメ“ホルモン焼きうどん”を食べに、岡山県の新見と津山に行ってきました。乗り継ぎの関係で津山をスルーした前回の旅とは違い、今回の移動距離(時間)は少し短め。その分、新見と津山での滞在時間を多く取っているんですねールートは、大阪から山陽本線で岡山へ。岡山からは伯備線で新見へ行き、お昼を食べた後に姫新線を使って津山へ。その後は津山線で岡山へ戻って大阪まで帰ってきました。ゲリラ豪雨に遭遇した津山では、岡山行きの列車が運転を見合わせになったけど😅ハプニングも楽しめた良い旅でした。思っていたより簡単!大阪からは乗り換え1回で岡山の新見へ行けたちょっとビックリしたのは、岡山県の新見まで乗り換えが1回で行けたこと。大阪6:00発の網干行きの快速に乗って、姫路7:31発の新見...千屋牛ラーメンとホルモン焼きうどんを食べてきた😋青春18きっぷを使って新見と津山へ

  • 惑星系の起源と進化を解き明かす新たな“指紋”になるかも!? アルマ望遠鏡がとらえた物質組成の大きな変化

    総合研究大学院大学と国立天文台の研究チームは、アルマ望遠鏡で取得されたデータを元に、惑星誕生の現場で物質組成が大きく変化していることを明らかにしたんですねー新たに開発した手法を用いた研究チームは、“うみへび座TW星”周りの原始惑星系円盤の一酸化炭素同位体比の測定に成功。その結果、分かってきたのが一酸化炭素同位体比が場所によって大きく変化していることでした。一酸化炭素同位体比は、物質のルーツを探る“指紋”としての活用が模索されています。この“指紋”を照合することによって、太陽系や太陽系外惑星の物質がどこでどのように作られたのか?あるいは、どこから運ばれてきたのか?そのルーツが解き明かされることが期待されます。太陽系の惑星や小惑星、彗星などを刑する物質はどこで作られてのか私たちが住む太陽系は、約46億年前に若...惑星系の起源と進化を解き明かす新たな“指紋”になるかも!?アルマ望遠鏡がとらえた物質組成の大きな変化

  • 姫路から広島へ😊姫新線と芸備線を青春18きっぷで楽しんできた

    ビール🍺を飲みながら行く“のんびりローカル線の旅”🚞今回は姫路から佐用(兵庫)と新見(岡山)を経由して広島への旅、いつ廃線になってもおかしくない芸備線にも乗ってきました。通勤通学を担う姫新線で朝から呑み鉄8月10日(水)晴れ、今回は姫路駅からスタートです。駅弁を買ってから列車に乗り込むはずが、準備していたクラフトビールを家に忘れたことに気付く…せっかくお気に入りを揃えたのに😅少し慌てつつ、近くのローソンを検索。最近のローソンはクラフトビールを置いているので、好物のIPAも手に入るんですねーローソンで青鬼さんを手に入れると、今度は駅弁売り場へ6:00開店の“まねき食品中央売店”で“おかめ弁当”を買って、ササっと6:10発上月行の列車に乗り込みます。車内の席は7割埋まっている状態、平日なので通勤のお客さんです...姫路から広島へ😊姫新線と芸備線を青春18きっぷで楽しんできた

  • 青春18きっぷで行くローカル線の旅でこだわった、持ってく物と無くてもいい物

    JR西日本による路線維持が難しい路線・区間の公表があってから、青春18きっぷでローカル線の旅に良く出掛けるようになりました。旅行は日帰りや一泊二日と短いので、持ってく物は少な目。デイパックを背負って身軽な旅を楽しんでいるんですねーローカル線の旅は5回を迎え、旅のスタイルに合った持ち物になってきた感じがします。そこで今回は、バッグとそこに入れてく物の紹介。色々とこだわって選んだ物たち、良かったら見ってってください。やっぱり青春18きっぷ旅はバックパックかなバッグは肩から背負えるバックパックですね。ちなみに、バックパック(英語)、リュックサック(ドイツ語)です。両手がフリーになるので買い物や撮影でも動きやすく、混雑時には前掛けができます。ショルダーバックや手提げかばんは、片方の肩に負担がかかるので疲れやすく、...青春18きっぷで行くローカル線の旅でこだわった、持ってく物と無くてもいい物

  • 低温で暗い恒星を回る惑星は赤外線で発見できる! 赤色矮星を回るスーパーアースは生命探査の重要な観測対象へ

    すばる望遠鏡に搭載された赤外線分光器“IRD”を用いた戦略枠観測“IRD-SSP”による最初の太陽系外惑星が発見されました。見つかった系外惑星“ロス508b”は地球の約4倍の質量があるスーパーアース。ハビタブルゾーン付近に位置しているので、“ロス508b”の表面では水が液体の状態で存在する可能性があるんですねー今後、低温恒星の周りの生命居住可能性について検証するための重要な観測対象になるようです。今回発見した系外惑星の様式図。緑の輪は、惑星の表面に液体の状態で水が存在できるハビタブルゾーンを表している。惑星“ロス508b”は、中心の赤色矮星“ロス508”を楕円軌道(水色の線)で周回している。その軌道の半分以上はハビタブルゾーンより内側(実線部分)、残りはハビタブルゾーンの中にある(破線部分)と推定されてい...低温で暗い恒星を回る惑星は赤外線で発見できる!赤色矮星を回るスーパーアースは生命探査の重要な観測対象へ

  • 気になっていた居酒屋へランチに行ってきた ~ 青春18きっぷと山陰本線の旅 ~

    JR西日本による路線維持が難しい路線・区間の公表。これがきっかけで、バイクツーリングでない旅にも出かけてみようかなっと思うようになった。そう、公表された路線が廃線にならないうちに乗りに行こうっと考え始めたんですねーそして、考え付いたのがビールを飲みながら行く“のんびりローカル線の旅”でした。列車の運行時刻に縛られるので、バイクツーリングほど時間が自由になるわけではないけど、移動中は車窓を眺める以外に、本も読めるし、駅弁を食べたり🍺ビールも飲めるので結構自由😋バイクツーリングとは一味違った旅が味わえるはずです。これまでに行ったのは浜坂(福知山線、山陰本線、播但線)や松江(山陰本線、伯備線)、紀伊半島一周(紀勢本線)など今回は山陰本線で行く出雲市~下関の旅です。ビール片手に海を眺めながら、山陰本線のローカル感...気になっていた居酒屋へランチに行ってきた~青春18きっぷと山陰本線の旅~

  • なぜ、地球以外の天体の内部構造を明らかにしたいのか? 観測で見えてくるもの

    史上初めて火星に地震計を持ち込んだNASAの探査機“インサイト”。ミッションでは火星で起こる1300以上もの“火震(地球での地震)”を検出してきました。“火震”のデータは、それ自身が火星の内部構造を反映しています。なので、データを調べることで直接見ることのできない核から地表までの内部構造が明らかになり、火星の形成や進化を解明していく上で欠かすことのできない情報を得ることができます。そう、“火震”の検出は科学的価値が極めて高いものなんですねーただ、そのミッションも今夏その役目を終えることになりそうです。原因は、太陽電池パネルに降り積もったチリのようです。火星の地質調査を行う探査機NASAの低予算プログラム“ディスカバリー”の候補に挙がっていた3つの計画。この中から選ばれたのがインサイトミッションでした。選ば...なぜ、地球以外の天体の内部構造を明らかにしたいのか?観測で見えてくるもの

  • 銀河の回転運動はいつごろ始まったのか? ビッグバンから5憶年後の宇宙で円盤銀河の誕生の瞬間に迫る

    早稲田大学、筑波大学、国立天文台および四国学院大学の研究者を中心とした国際研究チームが、132.8億光年彼方の銀河を観測して、銀河が回転している兆候を見つけたんですねーこの回転円盤銀河は、これまでに見つかった中で最遠方のもの。ただ、その回転速度は秒速50キロほど…天の川銀河の回転運動に比べて遅く弱々しいので、今回の観測でとらえたのは銀河が回転運動を発達していくその始まりだと考えられています。銀河の形成過程を理解するための大きな手掛かりになるようです。132.8億光年彼方に位置する銀河“MACS1149-JD1”(イメージ図)(Credit:ALMA(ESO/NAOJ/NRAO))天の川のような銀河はいつごろから回転を始めたのか私たちが住む天の川銀河は円盤状の構造を持ち、その円盤は回転運動をしています。回転...銀河の回転運動はいつごろ始まったのか?ビッグバンから5憶年後の宇宙で円盤銀河の誕生の瞬間に迫る

  • 星のゆりかご降着円盤は巨大な赤ちゃん星の成長にも関わっていた

    今回の研究で中国科学院上海天文台の国際研究チームが見つけたもの。それは、銀河系中心部に太陽の32倍の質量を持つ赤ちゃん星“原始星”を取り巻く降着円盤でした。これほど巨大な原始星の周りに降着円盤が観測されるのは珍しいことなんですねーさらに分かってきたのは、この降着円盤には2本の渦巻き腕が見られること。渦巻腕は、1万年以上前に別の天体が接近・通過した影響によって形成されたと考えられています。これまでよく分かっていなかった重い星の形成にも、軽い星と同様に降着円盤を介した成長過程が関係していること。この可能性があることを今回の発見は示しているようです。大質量星はどのような過程を経て形成されるのか太陽のような軽い星は、星の材料になる分子ガスの塊の中に円盤が形成され、その円盤を通して周囲のガスが中心へと降り積もり形成...星のゆりかご降着円盤は巨大な赤ちゃん星の成長にも関わっていた

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