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  • 地球とは違う!? 液体メタンの降雨で集められた有機物エアロゾルがくっついて砂粒子に成長、こうして衛星タイタンの砂丘が作られた

    土星最大の衛星タイタンでは、太陽系の天体としては地球以外で唯一液体の海や湖などが確認されています。そして、タイタンは地球以上に複雑で分厚い大気を持っているんですねー今回発表されたのは、タイタンの大気中で作られる極めて微小な有機物エアロゾルが、地表面の液体メタンの降雨蒸発によって、大きな砂サイズの粒子に急激に成長することでした。この研究成果は、東京工業大学地球生命研究所(ELSI)の平井英人大学院生、同関根康人教授たちの研究チームによるものです。NASAの土星探査機“カッシーニ”が撮影した土星の衛星タイタン全域の赤外線画像。赤道域に広がる色の暗い領域が砂丘になる。(Credit:NASAJPL(出所:東工大ELSIWebサイト))地球によく似た地形が存在する土星最大の衛星タンタンは水星よりも大きく、太陽系の...地球とは違う!?液体メタンの降雨で集められた有機物エアロゾルがくっついて砂粒子に成長、こうして衛星タイタンの砂丘が作られた

  • “NWA 13188”は地球から飛び出して、再びブーメランのように戻ってきた隕石なのかもしれない?

    これまでに地球で見つかっている隕石は7万個以上もあるんですねー(国際隕石学会に認定されている隕石の名前の数)その一部は、月や火星といった大きな天体に由来することが分かっています。では、地球に由来する隕石は存在するのでしょうか?今回発表されたのは、隕石“NWA13188”が元々は地球の岩石だったとする研究成果でした。もし、このことが事実だとすると、地球から飛び出して再び戻ってきたことが確認された世界初の岩石ということになるようですよ。この研究は、フランス国立科学研究センターのJérômeGattaccecaさんたちの研究チームが進めています。この研究成果は、フランスのリヨンで7月中旬に開催された“2023年ゴールドシュミット国際会議”で発表されていますが、まだ査読論文は提出されていないので地球由来とする主張...“NWA13188”は地球から飛び出して、再びブーメランのように戻ってきた隕石なのかもしれない?

  • 東アジアの遠く離れた複数の電波望遠鏡が協力! 銀河中心に潜む大質量ブラックホールに水分子ガスが落ち込む様子を観測

    今回の研究では、東アジアVLBI観測網を用いて電波銀河“NGC4261”を観測しています。すると、“NGC4261”の中心から1光年未満の範囲に、メーザー輝線を放射する水分子ガスが密集して分布するのが見つかったそうです。どうやら、これらの水分子は銀河中心の大質量ブラックホールに落下しているようです。この研究成果は、大阪公立大学の澤田(佐藤)聡子特任研究員たちの研究チームによるものです。電波銀河“NGC4261”の中心から1光年未満の範囲で検出された水分子ガス。(a)水分子からのメーザー放射の強度分布がカラーで表示されたもの。(b)水分子ガスを遠ざかる運動が赤で、近付く運動が青で表されていて、ガスの大部分が遠ざかっていることが分かる。(c・d)水分子ガスの分布と電波ジェット(白い高等線)の位置関係。(c)と...東アジアの遠く離れた複数の電波望遠鏡が協力!銀河中心に潜む大質量ブラックホールに水分子ガスが落ち込む様子を観測

  • これまでのロケットエンジンと同推力で2~5倍高い効率! NASAとDARPAの核燃ロケットエンジン試験機はロッキード・マーティンが製造

    NASAとアメリカ国防高等研究計画局“DARPA”には、将来の有人火星探査を見据えて“核燃ロケットエンジン”の技術実証を行う“DRACO(DemonstrationRocketforAgileCisulunarOperations)”というプログラムがあります。今回、NASAとDARPAが発表したのは、“DRACO”プログラムについて。試験機の設計・製造を行う主契約者がロッキード・マーティンに決定したことでした。DRACOプログラムの核燃ロケットエンジン試験機のイメージ図。(Credit:LockheedMartin)核分裂反応で発生する熱を利用するロケットエンジン核燃ロケット(NuclearThermalRocket:NTR)エンジンは、核分裂反応で発生する熱を利用して水素などの推進剤を加熱・膨張させノ...これまでのロケットエンジンと同推力で2~5倍高い効率!NASAとDARPAの核燃ロケットエンジン試験機はロッキード・マーティンが製造

  • 3本の腕でガスを吸い込む三つ子の赤ちゃん星“三重原始星”はどのように誕生したのか?

    今回の研究では、3つの原始星からなる星系“IRAS04239+2436”について、アルマ望遠鏡を用いた高解像度での観測により、ガスの詳細な構造を調べています。その結果、衝撃波の存在を示す一酸化硫黄分子が発する電波輝線を検出し、その分布が細長くたなびく大きな3つの渦状腕を形作っていることを発見。さらに、観測から得られたガスの速度情報を数値シミュレーションと比較することにより、3つの渦状腕は3つの原始星にガスを供給する“ストリーマー”の役割も担っていることが分かっています。これまでストリーマーの起源については未解明でしたが、観測とシミュレーションのタッグによって、ストリーマーの起源を多重星のダイナミックな形成過程から初めて明らかにしたことになります。この研究は、ソウル国立大学のジョンユアン・リー教授、法政大学...3本の腕でガスを吸い込む三つ子の赤ちゃん星“三重原始星”はどのように誕生したのか?

  • まだ誕生から10億年以内の初期宇宙なのに… 大きく成長したクエーサーや長さ300万光年のフィラメント構造を発見! 宇宙論と矛盾する結果に…

    初期宇宙に存在する天体は赤外線で観測できますが、その性質によりこれまで観測は困難でした。今回、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の観測プログラム“ASPIRE”では、約138億年前の宇宙誕生から10億年以内に存在したクエーサーを分析。長さ300万光年に10個のクエーサーが固まっている集団と、クエーサー中心部に太陽の6億倍から20億倍の質量を持つ超大質量ブラックホールが存在する証拠を発見しています。初期宇宙に非常に成長したクエーサーや、高密度のフィラメント構造が存在することを示した今回の観測結果は、初期宇宙の理解をさらに深めるとともに、現在広く共有されている宇宙論を書き換えることにつながるかもしれません。今回見つかった10個のクエーサーからなる長さ約300万光年のフィラメント構造。画像右側の白丸で示された3つの天...まだ誕生から10億年以内の初期宇宙なのに…大きく成長したクエーサーや長さ300万光年のフィラメント構造を発見!宇宙論と矛盾する結果に…

  • 表面の組成が異なる“2つの顔”を持つ白色矮星を発見 磁場の影響かも

    カリフォルニア工科大学(Caltech)の博士研究員IlariaCaiazzoさんを中心とする研究チームは、表面の片側は水素、もう片側がヘリウムでできている白色矮星を発見したとする研究成果を発表しました。研究チームによると、この発見は一部の白色矮星が辿る進化の途中段階をとらえた可能性があるようですよ。白色矮星“ZTFJ203349.8+322901.1”のイメージ図。表面の片側は水素、もう片側はヘリウムでできていると考えられている。(Credit:K.Miller,Caltech/IPAC)白色矮星の表面は片側が水素でもう片側がヘリウムでできている今回の研究で報告されたのは、はくちょう座の方向約1300光年彼方に位置する白色矮星“ZTFJ203349.8+322901.1”です。最初の3文字はパロマ天文台...表面の組成が異なる“2つの顔”を持つ白色矮星を発見磁場の影響かも

  • 磁気圏における電子の振る舞いを理解するために! 探査ミッション“ベピコロンボ”が1回目の水星スイングバイで降り込む電子を直接観測!

    2021年10月1日のこと、JAXAがヨーロッパ宇宙機関と共同で推進する水星探査ミッション“ベピコロンボ”が、第一回水星スイングバイ観測を実施しました。観測データは国際研究チームによって詳細に解析され、磁気圏中で加速された電子が惑星へ降り込む瞬間を初めてとらえていたことが分かっています。太陽風の変化によって、様相が変化する磁気圏内では、様々な物理過程が生じていて、プラズマの加速や輸送が観測されます。これらのプラズマの加速や輸送によって引き起こされる現象の代表例がオーロラです。これまでの研究から、水星磁気圏は地球磁気圏と比べて、はるかに速く磁気圏が太陽風の変化に応答・変化することが分かっています。でも、その中でプラズマ、特に電子の振る舞いは過去にほとんど観測例がなく、あまり理解が進んでいませんでした。今回の...磁気圏における電子の振る舞いを理解するために!探査ミッション“ベピコロンボ”が1回目の水星スイングバイで降り込む電子を直接観測!

  • 金属の雲が大気中に漂いチタンの雨が降っている? これまで発見された中で最も高い反射率を持つ系外惑星“LTT 9779 b”

    2020年に発見された太陽系外惑星“LTT9779b”が金属の雲で覆われていて、これまで発見された中で最も高い反射率を持つ系外惑星だということが明らかになりました。このことは、ヨーロッパ宇宙機関の系外惑星観測衛星“ケオプス”による観測から分かったこと。“LTT9779b”は主星からの光の80%を反射しているようです。系外惑星“LTT9779b”と主星のイメージ図。(Credit:RicardoRamírezReyes(UniversidaddeChile))すでに発見されている系外惑星の観測系外惑星観測衛星“ケオプス(CHEOPS:CHaracterizingExOPlanetsSatellite)”は系外惑星を観測するための衛星なんですが、その主目的は新たな系外惑星の発見ではなく、すでに発見されている系...金属の雲が大気中に漂いチタンの雨が降っている?これまで発見された中で最も高い反射率を持つ系外惑星“LTT9779b”

  • 初期の宇宙に予想よりも早く進化した銀河や銀河団は存在していなかった? 1つの銀河に匹敵する明るさを持つ天体“暗黒星”が謎を解決する

    天文学の進歩によって、誕生から間もない頃の宇宙を観測できるようになると、これまでの宇宙論との間には様々な矛盾があることが分かってきました。その1つは、観測されている初期の銀河が、理論上の予想に反して進化し過ぎているという問題です。今回、発表された研究成果は、“ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡”で観測した初期の銀河の一部は“暗黒星(DarkStar)”と呼ばれる巨大な天体ではないかとするもの。このことが正しい場合、“進化し過ぎた初期銀河”という存在そのものが幻だったことになり、矛盾が解消される可能性があるようです。この研究は、コルゲート大学のCosminIlieさんとJillianPaulinさん、テキサス大学オースティン校のKatherineFreeseさんたちのチームが進めています。予想以上に進化した初期宇...初期の宇宙に予想よりも早く進化した銀河や銀河団は存在していなかった?1つの銀河に匹敵する明るさを持つ天体“暗黒星”が謎を解決する

  • 月への高精度ピンポイント着陸と二段階式タッチダウンを目指す“SLIM”がクリティカル運用期間を終了! 月へ向かう準備を開始しますよ

    9月7日に打ち上げられた小型月着陸実証機“SLIM(SmartLanderforInvestigatingMoon)”の“クリティカル運用期間”終了をJAXAが発表しました。“SLIM”はH-IIAロケット47号機(H-IIA・F47)に搭載され、種子島宇宙センターを2023年9月7日8時42分11秒(日本時間)に離床。ロケットからの分離後、予定していた軌道への探査機投入に成功し、午前9時45分に“SLIM”からの信号受信で太陽補足制御を完了していました。ロケットからの探査機分離後、探査機の維持に必要となる太陽電池パネルによる電力発生、地上との通信、姿勢制御などの機能が健全に動作することが“SLIM”から受信したテレメトリにより確認。さらに、軌道制御に必要となる推進系などの機能も健全に動作することが確認で...月への高精度ピンポイント着陸と二段階式タッチダウンを目指す“SLIM”がクリティカル運用期間を終了!月へ向かう準備を開始しますよ

  • 生命の存在を期待させる液体の水の海に覆われた系外惑星は存在する? “K2-180b”の大気中に見つけた炭素を含む分子が示していること

    しし座の方向約120光年彼方に位置する赤色矮星(※2)“K2-180”。この赤色矮星のハビタブルゾーン(※1)を公転しているのが太陽系外惑星(系外惑星)“K2-180b”です。“K2-180b”は地球と海王星の中間の大きさで、質量は地球の8.6倍ほど。“サブネプチューン”や“ミニネプチューン”などと呼ばれるタイプの惑星です。今回、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡から得られた新しいデータが示していたのは、液体の水の海に覆われた系外惑星が存在するかもしれないこと。さらに、そこには生命が存在する可能性があるようです。※1.“ハビタブルゾーン”とは、主星(恒星)からの距離が程良く、惑星の表面に液体の水が安定的に存在できる領域。この領域にある惑星では生命が居住可能だと考えられている。太陽系の場合は地球から火星軌道が“ハ...生命の存在を期待させる液体の水の海に覆われた系外惑星は存在する?“K2-180b”の大気中に見つけた炭素を含む分子が示していること

  • 太陽系外惑星の大気中に初の金属水素化物を発見! “WASP-31b”で検出したのは大気の温度を測る“温度計分子”の1つ“水素化クロム”

    太陽系外惑星(系外惑星)の大気にどんな分子が含まれているのかは、惑星の形成や進化を探る上で欠かせない情報です。でも、これまでの観測では、限られた温度でのみ存在するとされる、いくつかの分子が検出されていませんでした。今回の研究では、系外惑星“WASP-31b”の大気中から“水素化クロム(CrH)”の検出に成功。この発見は、系外惑星の大気中で初めて発見された金属水素化物でした。また、水素化クロムは900~1900℃の温度範囲でしか存在しない分子なので、温度条件をもとに“WASP-31b”の物理的性質を探る上で重要な発見になるようです。この研究は、コーネル大学のLauraFlaggさんたちの研究チームが進めています。“WASP-31b”のイメージ図。(Credit:ESA,Hubble&NASA)遠く離れた惑星...太陽系外惑星の大気中に初の金属水素化物を発見!“WASP-31b”で検出したのは大気の温度を測る“温度計分子”の1つ“水素化クロム”

  • 強力な磁場を持つ褐色矮星は珍しい存在なのか? 木星のような巨大惑星と軽い褐色矮星は同じ性質を持っているのかもしれない

    恒星と巨大ガス惑星の中間的な天体“褐色矮星”の一部は、強力な磁場を持つことが知られていますが、その正確な起源は分かっていません。今回、シドニー大学のKoviRoseさんの研究チームは、表面温度426℃の褐色矮星“WISEJ062309.94-045624.6”が強力な磁場を持つことを電波観測によって明らかにしています。これは電波で観測された中でもっとも低温の褐色矮星でした。検出された電波は、磁場に由来するオーロラが発生源ではないかと考えられています。図1.強力な磁場とオーロラを持つ褐色矮星のイメージ図。(Credit:NRAO/AUI/NSF)強力な磁場を持つ褐色矮星太陽を含む“恒星”には強力な磁場が存在しています。恒星の磁場は、星の内部で発生する複数の小さな磁場の渦が、まるで糸巻きのように1つの磁場に巻...強力な磁場を持つ褐色矮星は珍しい存在なのか?木星のような巨大惑星と軽い褐色矮星は同じ性質を持っているのかもしれない

  • NASAの小惑星探査機“オシリス・レックス”が帰ってくる! 小惑星ベンヌのサンプルを収めたカプセルは9月24日夜に大気圏突入

    小惑星探査機“オシリス・レックス(OSIRIS-REx)”のミッションは、日本の“はやぶさ”や“はやぶさ2”と同様に小惑星からサンプルを採取して地球に持ち帰ることです。今回、NASAが明らかにしたのは、“オシリス・レックス”の回収カプセルを、地球に帰還させるための重要な軌道修正操作が実施されたこと。小惑星ベンヌ(101955Bennu)から採取されたサンプルを収めたカプセルは、日本時間2023年9月24日に地球へ届けられる予定です。(Credit:NASA’sGoddardSpaceFlightCenter/CILab)地球の大気圏へ再突入する軌道へアメリカ版“はやぶさ”とも呼ばれる“オシリス・レックス”は2016年9月に打ち上げられ、ベンヌに到着したのは2018年12月でした。周回軌道上からの観測を重ね...NASAの小惑星探査機“オシリス・レックス”が帰ってくる!小惑星ベンヌのサンプルを収めたカプセルは9月24日夜に大気圏突入

  • 銀河を構成する星がバラバラになるはずなのに… なぜレンズ状銀河“NGC 1277”には暗黒物質がほとんど存在していないのか?

    ペルセウス座の方向約2憶4000万光年彼方に“NGC1277”というレンズ状銀河が存在しています。レンズ状銀河というのは、渦巻銀河と楕円銀河の中間にあたる形態の銀河。渦巻き銀河と同じように中央部分の膨らみや円盤構造を持っているのですが、目立つ渦巻腕(渦状腕)はありません。レンズ状銀河を構成する星々は楕円銀河と同じように古いものが多く、星形成活動もほとんど見られません。そんな“NGC1277”は、約120億年前に急速に形成された後、他の銀河と相互作用することなく時を過ごしてきたと考えられています。このことから、“NGC1277”は初期宇宙で誕生した大質量かつコンパクトで星形成活動が見られないタイプの銀河“遺物銀河(relicgalaxy)”の典型例になります。そんな“NGC1277”で思いがけない特徴が見つ...銀河を構成する星がバラバラになるはずなのに…なぜレンズ状銀河“NGC1277”には暗黒物質がほとんど存在していないのか?

  • JAXAのX線分光撮像衛星“XRISM”はクリティカル運用期間を終了、今後は3か月かけて搭載機器の機能確認を行う初期機能確認運用期間へ

    JAXAからX線分光撮像衛星“XRISM”の“クリティカル運用期間”を終了する発表がありました。“XRISM”はH-IIAロケット47号機(H-IIA・F47)に搭載され、種子島宇宙センターから2023年9月7日8時42分11秒(日本時間)に離床。JAXAでは、“XRISM”からの信号を同日午前9時4分からハワイ局で受信し、衛星の太陽補足制御が正常に行われたことを確認していました。同日午前10時24分には内之浦局での受信により、太陽電池パドルの展開についても完了したことを確認しています。“XRISM”から受信したテレメトリーから確認されたのは、太陽電池パドルで電力が発生していることや地上と通信できている状態、姿勢制御が正常であること。搭載されている“軟X線分光装置(Resolve)”の冷却システムが安定動...JAXAのX線分光撮像衛星“XRISM”はクリティカル運用期間を終了、今後は3か月かけて搭載機器の機能確認を行う初期機能確認運用期間へ

  • 巨大惑星の作られ方には2つの説があるけど、今回見つけた現場は初めて重力不安定説を支持するものだった

    ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡“VLT”とアルマ望遠鏡を用いた観測により、いっかくじゅう座の方向約5000光年彼方に位置する若い星“V960星”の近くに、巨大惑星に成長していく可能性がある、ダスト(チリ)を多く含んだ大きな塊を検出したそうです。巨大惑星の作られ方としては2つの考え方があり、これまでに観測例があったのは“コア集積説”でした。でも、今回は初めて“重力不安定説”を支持するもののようです。この研究成果は、チリサンチアゴ大学のフィリップ・ウェーバーさんを筆頭に、同セバスチャン・ペレスさん、チリディエゴ・ポルタレス大学のアリス・ズルロさんたちの研究チームによるものです。“V960星”の周辺物質の画像(“SPHERE”とアルマ望遠鏡の合成画像)。この塊は自分の重さで潰され、さらに進化し巨大惑星に成長...巨大惑星の作られ方には2つの説があるけど、今回見つけた現場は初めて重力不安定説を支持するものだった

  • なぜ初期宇宙には予想以上に進化した銀河や銀河団が存在するのか? この矛盾を説明しようとすると宇宙が267億年前に誕生したことになった

    近年の初期宇宙の観測により、誕生から数億年後の宇宙にはすでに大規模な銀河や銀河団が存在していたことが分かってきました。でも、「銀河がそこまで進化するには時間が足りない」っという、新たな問題も浮上しているんですねーこの問題を解決するために、オタワ大学のRajendraGuptaさんが提唱したのが“CCC+TLハイブリッドモデル(CCC+TLhybridmodel)”。もし、このモデルが正しければ、宇宙は今から約267億年前に誕生したことになります。予想以上に進化した初期宇宙の銀河や銀河団現在の宇宙は、誕生してから137億8700万年(±2000万年)が経過していると考えられています。この推定年齢は、過去から現在に至る様々な観測モデルを積み重ねた結果で、その集大成は宇宙モデル“Λ(ラムダ)-CDMモデル”とし...なぜ初期宇宙には予想以上に進化した銀河や銀河団が存在するのか?この矛盾を説明しようとすると宇宙が267億年前に誕生したことになった

  • 太陽系外惑星“PDS 70 b”には同じ軌道を公転する兄弟のような惑星が存在している? ラグランジュ点の1つL5点でデブリの雲を発見

    もし、地球と同じ軌道を公転する兄弟のような惑星が存在するとしたら…そこには地球に似た環境が広がっていて生命も存在するのでしょうか。今回発表されたのは、太陽系外惑星“PDS70b”と公転軌道を共有する別の系外惑星が存在する可能性を示した研究成果です。この研究成果は、同じ軌道を公転する“兄弟”のような2つの惑星が実在することを示す有力な証拠になるのかもしれません。この研究は、スペイン宇宙生物センター(CAB)の学生OlgaBalsalobre-Ruzaさんを中心とする研究チームが進めています。原始惑星系円盤が残る形成過程の惑星系“PDS70b”は、ケンタウルス座の方向約370光年彼方に位置する若い恒星“PDS70”を公転している系外惑星です。“PDS70”は誕生から540万年ほどしか経っていないと考えられてい...太陽系外惑星“PDS70b”には同じ軌道を公転する兄弟のような惑星が存在している?ラグランジュ点の1つL5点でデブリの雲を発見

  • 軽い惑星ほど弾き飛ばされて浮遊惑星になっている? 浮遊惑星の質量分布や存在量を調べると惑星形成とその進化が分かってくる

    今回は太陽のような恒星(主星)を公転しない浮遊惑星のお話。大阪大学の発表によると、浮遊惑星候補天体を6個発見し、そのうちの1個が史上2例目になる地球質量程度だと判明したそうです。なんでも、浮遊惑星は主星を公転する惑星よりもはるかに多く存在し、地球質量の浮遊惑星はありふれた存在なんだとか。この浮遊惑星の質量分布や存在量の解明は、惑星の形成とその進化の解明にもつながると期待されているようですよ。この研究成果は、大阪大学大学院理学研究科の住貴宏教授、大阪大学大学院理学研究科の越本直季特任教授(常勤)に加え、NASA、ニュージーランドの研究者が参加する国際共同研究チーム“MOA”によるものです。惑星系から弾き飛ばされた天体これまでに5000個以上の惑星が太陽系の外で見つかっています。ほぼ全てが主星(恒星)を公転し...軽い惑星ほど弾き飛ばされて浮遊惑星になっている?浮遊惑星の質量分布や存在量を調べると惑星形成とその進化が分かってくる

  • 非常に混雑した場所で発生した衝突事故が原因? 超新星爆発が観測されないロングガンマ線バースト“GRB 191019A”

    “ガンマ線バースト”は宇宙で起こる最も活発な天文現象の一つですが、その起源はよく分かっていません。今回、研究の対象になったのは、ガンマ線バーストの一つである“GRB191019A”。“GRB191019A”はガンマ線の継続時間からロングガンマ線バーストのはずでした。でも、ガンマ線の放出にともなう超新星爆発が観測されなかったんですねーそこで研究チームが考えたのは、“GRB191019A”が非常に混雑した銀河の中心部で、恒星やコンパクト星が衝突したことによって起こったということ。重力を介して結びつけられた連星関係にない天体同士の衝突によるガンマ線バーストを観測したのは、史上初になるようです。この研究は、ラドバウド大学のAndrewJ.Levanさんたちの研究チームが進めています。ガンマ線の放出時間が違う2種類...非常に混雑した場所で発生した衝突事故が原因?超新星爆発が観測されないロングガンマ線バースト“GRB191019A”

  • 火星では過去数百万年間で何度か自転軸の傾きが35度に達していた! 液体の水が存在できる穏やかな環境になる条件をシミュレーションから探ってみる

    火星の表面には無数の谷筋があり、その一部はごく最近流れた液体の痕跡のようにも見えます。でも、寒く乾燥した現在の火星では、地形に痕跡を残すほど大量の液体が流れたことを説明できそうにありませんよね。今回、カリフォルニア工科大学のJ.L.Dicksonさんたちの研究チームが考えたのは、火星の自転軸が現在よりも傾いていたこと。そうすれば、火星表面で液体の水が谷筋を作れるほど安定して存在できるようです。このような現象は、過去数百万年間で何度も起きたとみられていて、直近では約63万年前に起きたと考えられています。谷筋の形状は何かしらの液体が流れた跡火星表面に刻まれた様々な地形は、液体の水が大量に存在した過去を物語っています。でも、現在の火星は極度に乾燥していて、その表面には液体の水はもちろんのこと、極地を除いて個体の...火星では過去数百万年間で何度か自転軸の傾きが35度に達していた!液体の水が存在できる穏やかな環境になる条件をシミュレーションから探ってみる

  • 中性子星同士の合体で一体何が起こったのか? スーパーコンピュータ“富岳”を用いた世界最長のシミュレーションで明かされる合体後1秒の変化

    京都大学と東邦大学は7月10日、スーパーコンピュータ“富岳”を使い、連星中性子星の合体に対する既存の10倍になる世界最長の合体後1秒間の一般相対性論シミュレーションに成功したことを発表しました。重力波の検出と電磁波(光学と電波)望遠鏡による観測を組み合わせたマルチメッセンジャー天文学と、理論モデルによるシミュレーションを比べることで、様々なことが理解されるようになってくるようですよ。この研究成果は、京都大学基礎物理学研究所木内健太特任准教授(独・マックスプランク重力物理学研究所グループリーダー兼任)、京都大学基礎物理学研究所柴田大教授(独・マックスプランク重力物理学研究所所長兼任)、京都大学基礎物理学研究所林航大大学院生(現・研究員)、東邦大学関口雄一郎教授たちの共同研究チームによるものです。シミュレーシ...中性子星同士の合体で一体何が起こったのか?スーパーコンピュータ“富岳”を用いた世界最長のシミュレーションで明かされる合体後1秒の変化

  • 老舗うなぎ料理店営む“観光荘”がJAXAから日本宇宙食認証を取得! 日本初のうなぎ宇宙食“スペースうなぎ”はファルコン9ロケットで国際宇宙ステーションへお届け

    長野県にある創業69年の老舗うなぎ料理店営む有限会社“観光荘”が開発した“スペースうなぎ(うなぎ蒲焼)”。2023年6月、ついにJAXAの宇宙日本食認証を取得しました!そして、8月26日に“SpaceXCrew-7”として国際宇宙ステーションへ向かった古川聡宇宙飛行士の長期滞在ミッションにおいて、日本初の“うなぎ宇宙食”として国際宇宙ステーンに届けられたそうです。宇宙飛行士とうなぎのイメージ画像。(出典:観光荘)観光荘は、2019年より“UNAGalaxyProject”を立ち上げ、うなぎの宇宙食化を目指した開発を多くのパートナーの協力を得ながら進めてきました。その結果、2023年6月にJAXAより宇宙日本食認証を取得。2023年8月26日16時27分(日本時間)、クルードラゴン宇宙船“エンデュランス”を...老舗うなぎ料理店営む“観光荘”がJAXAから日本宇宙食認証を取得!日本初のうなぎ宇宙食“スペースうなぎ”はファルコン9ロケットで国際宇宙ステーションへお届け

  • NASAの深宇宙通信網“ディープ・スペース・ネットワーク” は需要が増えてパンク寸前… なのに予算は減少している

    NASAの深宇宙通信網“ディープ・スペース・ネットワーク(DeepSpaceNetwork:DSN)”が、需要の増加に応えられなくなる可能性があるそうです。Credit:NASA/JPL-Caltech“ディープ・スペース・ネットワーク”は、3つの通信施設から構成される宇宙向けの通信ネットワークです。アンテナが設置されているのは、オーストラリアのキャンベラ、アメリカのカリフォルニア州ゴールドストーン、スペインのマドリード。このアンテナにより、深宇宙の宇宙船や探査機との通信が、昼夜を問わず連続的に保つことができています。“ディープ・スペース・ネットワーク”の主な役割は、太陽系で稼働している宇宙船や探査機と地球との通信を確立すること。火星探査車や土星の探査機、さらに冥王星を訪れた探査機など、多くの有名な宇宙ミ...NASAの深宇宙通信網“ディープ・スペース・ネットワーク”は需要が増えてパンク寸前…なのに予算は減少している

  • 重力崩壊型超新星ではニュートリノを放出する際の反作用によって、磁場方向の電流という新奇な現象が発生している

    電子やニュートリノなどの素粒子のキラリティの性質を考慮して、素粒子の量子多体系の時間発展を系統的に解析する新しい理論的手法を開発したことが、7月11日に慶應義塾大学から発表されました。さらに、この手法を重力崩壊型超新星に応用し、ニュートリノを放出する際の反作用によって、磁場の方向に電流が生じるという新奇な現象が生じることも解明されたんですねーこの現象から中性子星の一種になる“マグネター”が持つ宇宙最強の磁場や、天体現象“パルサーキック”を同時に説明しうるメカニズムを提案したことも併せて発表されました。この研究成果は、慶應義塾大学理工学部の山本直希準教授、台湾中央研究院のヤン・ディールン助研究員らの国際共同研究チームによるものです。日本人にとって馴染み深い素粒子ニュートリノ一般に、物質の構成要素となる素粒子...重力崩壊型超新星ではニュートリノを放出する際の反作用によって、磁場方向の電流という新奇な現象が発生している

  • 急成長中の巨大ブラックホールの周辺はどうなっているの? 国立天文台の電波望遠鏡ネットワーク“VERA”でガスや磁場の分布を探る

    今回の研究では、急激に成長している巨大ブラックホールの近傍から放たれる電波を、VERA望遠鏡を用いた観測で詳細にとらえ、電波が周辺のガスから受ける影響を明らかにすることに成功しています。このことは、巨大ブラックホールの成長・進化の仕組みを理解する上で、大きなヒントを与える成果になるようです。図1.この研究の概念図。銀河の中心にある急成長中の超大質量ブラックホールからは、ジェットや円盤風が噴出している。ブラックホール近傍から放たれた電波は、周辺にある磁場を伴ったガスを通過する際に、偏波面が回転して観測される。(Credit:国立天文台)銀河の中心に存在する巨大ブラックホールほとんどの銀河の中心には、太陽の100万倍から100億倍の質量を持つ巨大ブラックホールが存在すると考えられています。私たちの天の川銀河の...急成長中の巨大ブラックホールの周辺はどうなっているの?国立天文台の電波望遠鏡ネットワーク“VERA”でガスや磁場の分布を探る

  • 地球から見ると、今から120億年以上前の宇宙では時間の流れが5倍ほど遅くなっている?

    一般相対性理論によれば、“運動している物体は、その速度が光の速さに近ければ近いほど、時間の進み方が遅くなる”と予測されていますが、この効果は実験的に証明されています。また、私たちの宇宙は膨張していて、その膨張速度は地球から遠く離れれば離れるほど速くなります。図1.一般相対性理論は、運動速度の大きな物体ほど時間の進み方が遅くなることを予測し、現代宇宙論は遠くの宇宙ほど速く膨張していると予測している。この2つの理論を合わせて考えれば、遠くの宇宙にある天体ほどスローモーションで見えることになる。(Credit:TheUniversityofSydney)この2つの要素を合わせると、地球から遠い宇宙を見た時に、そこにある天体は近くの宇宙の天体を見た時と比べて、スローモーションに見えるはずです。この予測を証明するに...地球から見ると、今から120億年以上前の宇宙では時間の流れが5倍ほど遅くなっている?

  • 衝突地点は着陸予定地点から約400キロもずれていた… ロシアの月探査機“ルナ25号”の衝突現場をNASAの月探査機“ルナー・リコネサンス・オービター”が撮影

    2023年8月21日に、月の南極に位置するボグスラフスキー・クレーター(直径約95キロ)北部への着陸を目指していたロシアの月探査機“ルナ25号”。ロシアの宇宙機関ロスコスモスによると、“ルナ25号”を月面着陸前の軌道に遷移させるためのエンジン噴射が実施されたのが、日本時間2023年8月19日20時10分のことでした。エンジン噴射は飛行計画に従って実施されましたが、日本時間8月19日20時57分に通信が途絶してしまいます。予備解析の結果、実行されたエンジン噴射のパラメータの値が計算上の値から逸脱していたために予定外の軌道に遷移してしまい、“ルナ25号”は月面に衝突して失われたと見られています。その“ルナ25号”の衝突現場と見られる場所を、NASAの月探査機“マーズ・リコネサンス・オービター”がとらえたんです...衝突地点は着陸予定地点から約400キロもずれていた…ロシアの月探査機“ルナ25号”の衝突現場をNASAの月探査機“ルナー・リコネサンス・オービター”が撮影

  • “幽霊粒子”高エネルギーニュートリノの多くは天の川銀河に由来する? 電磁波以外では初めて描かれたニュートリノによる天の川銀河

    宇宙の最小単位になる素粒子の1つ“ニュートリノ”は、観測することが極めて難しいという特性を持っています。特に、高いエネルギーの高エネルギーニュートリノがどこからやってくるのかは、宇宙物理学における大きな謎の一つでした。今回の研究では、南極にあるニュートリノ観測所“IceCube”の10年分のデータを分析し、高エネルギーニュートリノの一部は、天の川銀河(銀河系)内部に由来する可能性が高いことを示しています。この研究で作成された高エネルギーニュートリノの分布図は、電磁波以外の観測手法で初めて描かれた天の川銀河になったようです。他の物質とはほとんど相互作用しない素粒子ニュートリノは“幽霊粒子”とも呼ばれています。それは、ニュートリノが、他の物質とはほとんど相互作用せずにすり抜けてしまうからです。例えば、宇宙から...“幽霊粒子”高エネルギーニュートリノの多くは天の川銀河に由来する?電磁波以外では初めて描かれたニュートリノによる天の川銀河

  • ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡により大量のチリを発見! 超新星爆発の後に形成されたチリは周囲から跳ね返ってきた衝撃波で破壊されない

    はくちょう座の方向約2200万光年彼方に位置する渦巻銀河“NGC6946”。この銀河は、過去100年ほどの間に10件もの超新星が見つかっているので、花火銀河(FireworksGalaxy)とも呼ばれています。画像に書き込まれているのは、2004年9月に発見された“SN2004et”と、2017年5月に発見された“SN2017eaw”の2つの超新星の位置です。アメリカ・キットピーク国立天文台で撮影された渦巻銀河“NGC6946”。超新星“SN2004et”(左下)と“SN2017eaw”(右上)の位置が書き込まれている。(Credit:KPNO,NSF'sNOIRLab,AURA;ImageProcessing:AlyssaPagan(STScI))今回、研究チームは、渦巻銀河“NGC6946”をジェーム...ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡により大量のチリを発見!超新星爆発の後に形成されたチリは周囲から跳ね返ってきた衝撃波で破壊されない

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