chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
ことばを食する https://www.whitepapers.blog/

私の主観による書評、ブックレビューです。小説のほか美術書、ノンフィクションなど幅広く扱います。ベストセラーランキングもチェックします。

くー
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2019/05/27

arrow_drop_down
  • 人生の蛮勇とは何だろう 〜「バルセロナで豆腐屋になった」清水建宇

    2月も下旬に入ったというのに、景色を白く埋めて今も降り続ける雪を、窓の外に見ながら思いました。蛮勇とは何か。 一か八かのギャンブルは、勇気でなく弱さの裏返しというのはよくある話。あるいは窮鼠が猫を噛む開き直りだけれど、開き直ったネズミがネコに勝った話なんて聞いたことがありません。 本物の勇気というのは、案外難しい。しかもとびっきりのやつとなると、とびっきりに。蛮勇を実現する本人は、いちいち勇気とは何かなんて考えていないのだろうけれど。 「バルセロナで豆腐屋になった」(清水建宇)は、岩波新書の新刊。体験談、ノンフィクションです。清水さんは、定年退職後にスペインのバルセロナに住みたいと思っていまし…

  • 最近の芥川賞3作を読む 〜「DTOPIA」「ゲーテはすべてを言った」「バリ山行」

    いろいろある文学賞の各受賞作品について、わたしに「追っかけ」や「推し活」趣味はありません。でも、次に読む本がなかなか決まらないとき、あるいは品切れで再版待ちをしているとき、それなら最新の芥川賞作を読んでみようか...という程度には意識しています。 先日発表された第172回芥川賞は、「DTOPIA デートピア」(安藤ホセ)「ゲーテはすべてを言った」(鈴木結生=ゆうい)の2作が受賞。いつものこととして「文藝春秋」今月号に選評を含めて全文掲載されています。各選考委員はどんな評価をしたのか、それぞれの個性が読み取れて、選評もけっこう面白い。 「DTOPIA」。文章のエネルギーがすごい。 南の島で各国か…

  • 立春大寒波

    立春を過ぎた火曜日から、大雪に見舞われています。今冬は12月が寒く、1月は逆に早春のような気候でした。寒の入りのころ、雪のない庭には緑の雑草がぽつぽつ見え始めていました。 ところが2月になると、1月の気候と入れ替わったよう。一昨日、目覚めると50センチを超える積雪でした。一夜で、雪国です。 こうなると、長靴と防寒具程度で新雪をかき分けて歩くことは不可能。最低限、玄関口から道路まで除雪しないと孤立状態になります。車を使うなら車庫前も。 わたしが暮らす住宅団地内の道路は、地下水が噴出して流れる融雪装置が埋め込まれていますが、一般道は夜を徹してフル稼働する除雪車だけが頼り。降雪が続けば除雪が追いつか…

  • 静かに 小さな勇気をもらう 〜「青い絵本」桜木紫乃

    人の心の在処など深追いしない 心細やかな人ほど、そして懸命に厳しい現実に立ち向かって生きているほど、そう思うのではないでしょうか。人の心の在処を深追いしないと決めた。その代わりだれにも、迷惑はかけないつもりだ。だから、自分が本当はどう思っているかも、勝手に想像してもらいたくない。 潔く、孤独です。 「青い絵本」(桜木紫乃、実業之日本社)は、5人の女性の人生の一端を切り取った短編集です。歯切れのいい短いセンテンスの流れが生むリズム。淡々とハードボイルドで、しかし男の作家には書けない女性の心のざわめきが、一筋の水脈のように走っています。 音楽でいえば、桜木さんは短調の曲が得意な作家です。哀しい曲調…

  • さざんか さざんか さいたみち 〜冬の童謡と絵

    🎵〜 さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき 「あたろうか」「あたろうよ」 きたかぜ ぴいぷう ふいている この童謡の題名、すぐに浮かんだ人は、かなり年配の方でしょうか。ん、題名、なんだっけ..と、遠くを見る目になった方もきっといるでしょう。 「たきび」です。昭和になって作られた歌なのですが、野焼きが法律で禁止され、最近は田舎であってもおいそれと焚き火はできません。 実は、ちょっと意地悪をして、冒頭に紹介したのは2番の歌です。 1番は「かきねの かきねの まがりかど/たきびだ たきびだ おちばたき〜」ですね。 わたしは冬の散歩中、知らない家の庭先に咲く花を見て、山茶花(…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、くーさんをフォローしませんか?

ハンドル名
くーさん
ブログタイトル
ことばを食する
フォロー
ことばを食する

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用