俳句を毎日いくつか詠んでいます。昭和の匂いをぷんぷんさせた越中ふんどし親父です。
コーヒーよ、おまえだけが頼りだ。わが友、コーヒーよ。春になったらポットに詰めて遠出をしよう。
捨てられしベンチの猫の秋思かな日時計で主待つ猫の秋思かな僕が見たのは、この公園に捨てられてまだ数日だったと思います。この場所は公園に来た人が大勢通る場所です。のら猫になってしまった猫なら避ける場所です。警戒心を身につけて隠れた場所にいます。なのに、何故こんな場所にいるのか。それはここが、そんな他ののら猫に追われて見つけた安全な場所だったのかもしれません。人には全く警戒しませんでした。それだけ日が浅いということです。これからどうしたらいいんだろうみたいな、不安気な顔です。とても力なく淋し気です。お腹を空かしてるはずなのに鳴くことをしません。そりゃ、飼い主から捨てられたのだもの。相当なショックだったのでしょう。気になったところで僕にはどうしてやることもできません。それでも気になり、帰る前にもう一度ここへ戻って来まし...捨て猫の暮るるベンチや秋あはれ
時代なる赤ちゃんポストや彼岸花中八で字余りになるけど「や」を入れた方がいいのかな?彼岸花の別名に、ズバリの名があるけど抑えました。白秋の幼き恋や彼岸花森繫久彌の、「北原白秋」のレコードを思い出して詠んでみました。時代なる赤ちゃんポスト彼岸花
老いし手や触れて零せし小紫小紫ゆれて艶めく枝垂かな小紫艶めきそよぐ日和かな葉に虫食ひの似合ひたる白式部なすがままいつしか老いて白式部老いし手の触れて零すや小紫
朝から八月大名酒盛す上げ膳据え膳の八月大名朝湯朝酒八月大名なり八月大名緩んで来たるふどしかなくたびれて八月大名マッサージ厳かに八月大名放尿す珈琲はブルマン八月大名
鶏頭よ何をそんなに考える鶏頭の雨に倒れて泥を浴ぶ鶏頭の倒れて土の乾く雨後火星にも咲いてるやうな鶏頭花鶏頭の頭でっかち火星人鶏頭のアモーレアモーレアモーレ鶏頭の歩きさうなる日暮かな
桃吹くや白髪翁さんぽ道桃吹いて薄藍色の葛城山忘れられ桃吹くままに路地の鉢鉢植の綿吹くままに忘れられ白髪の翁が杖つきゃ桃吹く
召し物の媼二人や秋日傘横断のお召し大また秋日傘ベビーカーの子をあやしたる秋日傘秋日傘さしかけ休むベビーカー連れもって和服の媼秋日傘
青みかん今も初恋のすっぱさ「好きだよ」と石を遠くへ青みかん白い歯の笑顔の子らや青みかん青みかん耀く君たちの笑顔青みかん酸っぱさ顔いっぱいの子ボケた写真もムダにしないで使いました。カボスみたいのもありますが。「青いみかんが実るころ…」で始まる明るい歌を思い出しました。君は今なにしているの青みかん
白萩の風を遊ばせ躱しをり先を反り白萩一枝咲き初むる萩こぼる白衣の僧の足首に白萩に惹かるる老いの孤独かな白萩の零れし石に風澱む
十八のころ思い出す彼岸花雨粒を小さく連ねし彼岸花彼岸花シンメトリーの影の美し剥き出しに地面から生ゆ彼岸花恥ずかしきことのみ多し彼岸花
のら猫の驚きもせず木の実落つのら猫の木の実落ちても知らん顔この実は、山法師の実です。見かけによらず中身は、クリーミーな味がします。でも、猫は食べません。この猫はどこか具合が悪いのかもわかりません。それでこんな寝方をしてるのかもしれません。のら猫の地べたに寝たる秋暑かな
野葡萄を運ぶ妖精ゐるやうな野葡萄の零れて森の静もりぬ野葡萄を零して森の静もりぬ野葡萄の零れて終る老いの恋野葡萄やグリム童話の菓子の家
のら猫の秋の日透くる毛づくろひのら猫に木漏れ日そそぐ秋日和のら猫に色なき風の優しかりのら猫の秋日和
ヒロインのごと倒れたる紫苑かな真っ直ぐに畑に植えたる紫苑かな老いらくの恋は紫苑の薄紫倒れても起きて明るき紫苑かな
大空に響くボレロや秋の朝殿様の気分で目覚む秋の朝「苦しゅうない。珈琲を持ってまいれ。」秋の朝
線路脇小さく震える灸花万葉のへくそかづらの香りかな早乙女の名もある屁糞葛かな恋すればへくそかづらも好きになる
「母ちゃんあのね」子の頬に秋夕焼空いっぱいのチキンライスに秋夕焼子らにチキンライスになれ秋夕焼
露草のくるりと蕊のト音記号露草の青に広がる空の青露草は空から零れた青かな露草の青空恋しがるやうな露草は這っても節から根を出す時々、土の乏しい道端などで割れたコンクリを跨いで伸びてるのを見ることがあります。良く見ると、折れ曲がってる所に節があり、そこから新たに根が出ています。露草のくるりと蕊のト音記号
コーヒーの旨くなりゆく秋の朝これから、秋が深まって行くほどにコーヒーの香りも高く、朝に淹れる一杯が楽しみになります。コーヒーや過ぎし日の夏の香りぬコーヒーを猫の嗅ぎ来る秋の朝掴まりながら立ち上がる秋の朝夏の疲れが出るころです。この頃、足がつらい。どんくさい日々です。コーヒーの旨くなりたる秋の朝
湯上りのふんどし湿る秋暑かな秋暑し替ゆるふんどし日に幾度なぞり落つ解きしふどしの餞暑かな昨夜から朝方までは寒いくらいでしたが、昼から気温が一気に上がりました。これが今年最期の暑さであってほしいと願うばかりです。きゃしゃな身体にはこたえますわ。餞暑と越中ふんどし
朝顔の朝の放送始めます朝顔の空へ静かなファンファーレ朝顔の萎んで放送終了あさがほは空に恋してゐるみたい
真っ黒に熟して蜜の天仙果犬びわや合言葉あり秘密基地犬枇杷や祖母が畑で立小便ポケットのメンコ落ちつつ小無花果犬びわを食べつくされて泣く子かな
虎杖の花の勢ひ節々に虎杖の花こぼれたる瓦塀虎杖の花や白き炎のごと虎杖の花は節目に上を向く虎杖の花は夏の季語ですが秋の方がきれいです。まだまだ咲いています。いたどりの花は節目に上を向く
古民家のさび音あふげば秋風鈴遠くたれかを呼ぶやうな秋風鈴秋風鈴いつも遠くで見てる人泣いてゐる子の声のして秋風鈴
草蔭で寝たるのら猫秋暑し早く涼しくなってほしいニャアーのら猫が葉陰で昼寝そっとおけ
綿咲いてクリーム色の淡き恋やはらかき黄をひらき閉づ綿の花夕暮は酔ひたきものよ綿の花一日の終りは酔ふて綿の花萎みゆく紅のいじらし綿の花綿の花は、芙蓉の仲間でしょうか?酔芙蓉みたいに日暮れに赤くなるものがあります。酔芙蓉とはまた違った美しさがあります。あまり見に来る人は少ないから、人知れず萎みゆく、何かいじらしい清楚なカンジがあります。クリーム色の恋あはし綿の花
傍にある気づかぬ倖や稲の花子を案ず母の思ひや稲の花父母のゐて今の吾あり稲の花母ちゃんの米門脇陸男懐かしき父母のにほひや稲の花
葉に雨の粒のままなり葛の花巻きつきて手すりを飾る葛の花巻きつきて手すりを友に葛の花花葛の朽ちても芯は天を向くゆかしくも芯の強さや葛の花葉の陰にちょいと覗くや葛の花花葛や老いてもちょいと色香ありにょっきりとこのゆびとまれ葛の花花葛は祖母のふところ和服の香葉に雨の零れぬ隙に葛の花
日の落ちて鉄道草のシルエット踏切に役目あるごと鉄道草カンカンと遮断機下りて鉄道草古りたる奉公袋や明治草国鉄の父の写真や鉄道草日の暮れやモカの香りと鉄道草
艶やかなままに老いゆく椿の実ほろ酔ひの色艶なるや椿の実実椿や恋の色艶ぴかぴかと実椿や都はるみのうなり節弾けますをんな六十椿の実実椿や爆発力の老いてなほ実椿の弾けて子らの玩具かな実椿やいつかは爆づるこの地球実椿や艶やかなままに老いゆく
おかっぱのひとり槇の実たべてる子手にいっぱいの木の実を老いた君へかまきりの道のまんなか通せんぼ槇の実を食べてなはとびかくれんぼ
まうまうと線香すゞし浅草寺浅草日記/渥美清線香のかをり涼しや浅草寺
青栗や怖きものなどなかりし日青栗や若き日の棘ツンツンと青栗のツンツン尖る青さかな青栗や青きままに弾くるもの青栗の老いてもひとつ胸にあり青栗や老いてゆきたし青きまま
傾きても立ち尽くしたる花カンナカンナ燃ゆ縁黒く焦げ尽きるまでカンナ燃ゆカンカンカンと消防車花カンナ見送るごとく線路脇花カンナへ双頭の鷲の下にちぎれても立ち尽くしたる花カンナ
ゐのこづちわてあんさんが好きなんやスイングしアピールしたるゐのこづち猫もどり耳から尾までゐのこづち猫起きて後に残せしゐのこづち大石の隙間に茂る牛膝ゐのこづちつけ帰り来しふどしかないのこづちパラパラ落つるふどしかなたれも来ずひねもす待つやゐのこづち
秋蝶の逆さにつるむ葉末かな逆さまに葉末につるむ秋の蝶秋蝶の影をアルミにとまりをり休みたる影をアルミに秋の蝶風をメロディーに変へたり秋の蝶一片の地図の翅なる秋の蝶
吉四六話や雀の小便担桶八月尽さびしきまつりあとに似て雀の担桶めがけて子らの小便
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