俳句を毎日いくつか詠んでいます。昭和の匂いをぷんぷんさせた越中ふんどし親父です。
コーヒーよ、おまえだけが頼りだ。わが友、コーヒーよ。春になったらポットに詰めて遠出をしよう。
日に朱の透けて艶めく秋珊瑚齧りみる山茱萸の実の渋味かな山茱萸の実を採取する根気かな山茱萸の実を四つ五つ齧りけり山茱萸の実や頻尿のそろそろと風と陽に磨かれてゆく秋珊瑚山茱萸の実だけ残りて日の照りぬ柔らかくて甘そうに見えますが、そうではありません。けっこう渋いです。が、身体に良いです。ちっとも美味しくはないけどそのまま食べれます。昔から漢方薬に使われているようです。腰痛、高血圧、老人のかすみ目、糖尿病、利尿、頻尿、滋養強壮、抗アレルギーなど。採取するのが面倒くさいけど、根気よく集めて洗って乾かして焼酎に漬けたことがあります。美味しくはないけど薬と思って。気が向いたら今年も着けてみようと思っています。老い覚え山茱萸の実を採取かな
木犀の風につつまれ旅の靴金木犀のりこむ船の大きなり乗船の足軽やかに金木犀香り立つ雨の出航金木犀雨上り旅立つ朝の金木犀
色変えぬ松や青空従えて色変えぬ松や地をつかむ走り根昇りゆく龍のごと色変えぬ松色変えぬ松寂として囲碁の音色変えぬ松や昭和を振り返る色変えぬ松や男村田英雄上沼恵美子がラジオで村田英雄のことを話してるのを聴いたことがあります。テレビのまんま、実にサバサバと男らしかったと。雄々しきや色変えぬ松の根上がり
茸は何かのアンテナかもしれぬいざなふやこっちこっちと毒きのこ滑って尻もちつく茸狩かな晩酌を楽しみにして茸とりたくらみの地球征服毒きのこ魔法使ひの現はるやうな茸かな松茸を二俵担ぎし昔かな少し若い頃、十津川の年配の知人と、十津川へ松茸とりに行ったことがあります。この人は僕と違ってホラを吹く人ではありません。米俵にいっぱいの松茸を、天秤棒で前と後ろにして山を下りたことがあるそうです。昔はそれだけ十津川で松茸が採れていたんですね。晩酌の笑ひ止まらぬ茸かな笑い茸を食べると、ほんとに笑ったりするようです。苦しいらしいようですが。幻覚症状が出るのでしょうか。怒ったり歌ったりスッポンポンになったりも。翌日は二日酔いみたいな症状とか。コロボックルの現はれさうな茸かな
逍遥の白のいざなふ秋のれん秋暖簾ひるがへりたる片想ひ恋心さっと躱され秋のれん隙間より覗く昭和や秋暖簾写真の暖簾は麻の生地だと思いますが。「秋暖簾」で詠みたかったんです。くぐりゆく昭和の町や秋のれん逍遥の白のいざなふ秋暖簾
何とも不思議な季語です。晩秋の頃、雀が海に行き蛤になるなんて。ふと、これまた不思議な浦島太郎が頭に浮かびました。雀は蛤に誰もゐない海雀蛤にスーパーのパックにさて、和歌山の海に実際に行って来ました。浜辺には誰もいなくて浦島太郎さんとも出会いませんでした。(当たり前ですが)雀がいるかと歩いてみたけど。「雀だ。」と駆け寄って見ると、それは茶色い石ころでした。でも、振り向いた松林の中から雀たちの鳴き声が楽しそうな鳴き声が聴こえて来ました。おにごっこでもしてるみたいに飛び上がったりして楽しそうに遊んでる姿が見えました。それでそっとそちらへ行ってみました。だけど、行きついてみるとともう雀たちの鳴き声も姿も、どこにも見ることはできませんでした。ところが、松の根元を見て驚きました。そこにはいくつもの蛤が転がっていたのです。先ほ...浦島太郎や雀は蛤に
木犀の香りのなかへ帰りゆく木犀や褪せても恋の懐かしく遠き日の恋のかをりや金木犀懐かしき人の気配や金木犀湯上りの纏ふ香りや金木犀木犀の香の誘ひたる旅心木犀やローカル線の停車の間ドア開けば香り入り来る金木犀木犀に合はせし色の帽子かな色合はせ街ゆく帽子金木犀木犀の香り沁みゆく老いの肌歯科出れば歯にかをりたる金木犀振り向けば誰もゐなくて金木犀
夕暮の駅のホームや火恋し雑踏に嗅ぐ君の香や火恋し雑踏の孤独ぽつんと火恋し火恋し遠く消えゆく電車の音電車の灯り見送れば火恋し沈みゆく陽に映ゆ雲や火恋し「火恋し」は4文字なのに、なぜ5文字として使われるのか、ナゾでわかりませんでしたが、なるほど、そういうことか。と口に出して言ってみて納得しました。そろそろ火が恋しい頃となって来ました。今朝も明け方はだいぶ冷え込みました。火恋し
秋うらら老いの楽団コンサート一心に指揮する翁や秋うららどら猫に邀えられたる秋うらら秋うらら朝の目覚めのモダンジャズ秋うららモンクの帽子また違ふ秋うららチョコとナッツとコーヒーと秋うらら二度寝三度寝やっと起くこのごろは早く起き出してコーヒーを淹れる楽しさから遠ざかっています。床に就くのは早いけど数時間で目が覚めるようになったため、朝のリズムが狂いがちです。何とか体調は維持してますが。今朝も遅い朝食とコーヒーでした。今朝は久しぶりに、チョコを味わいつつコーヒーを飲みました。どちらもブラックです。「明治ブラックチョコレート「26」これだと一口サイズで摘まみやすいし食べ過ぎることはないので。抑える気持ちは要りますが。これを含んでブラックコーヒーです。ブラックチョコレートと言っても甘さはあるので丁度良いのです。そこへナッ...懐メロの老いのギターや秋うらら
青空と生く背高泡立草生きてゆくこと背高泡立草生きる意味とか背高泡立草曲がっても心まっすぐ泡立草あわだちさう老いても夢の数多かなあしたへスイングスイング泡立草楽隊のごと背高泡立草前向きにどんな場所でも泡立草折られても泡立草の黄の明さ素顔見せない道化師や泡立草自由ってなに背高泡立草笑うこと忘れた君へ泡立草
野ばらの実おとなは入れぬ秘密基地茨の実食べてなりたや赤い鳥実茨を噛んで楽しむファンタジー実茨の実茨だけの言えぬ味実茨や子らの秘密の合言葉放尿のばつのわるさや茨の実幼な日に噛めば帰れる野ばらの実
春の「竹の秋」に対して、秋の「竹の春」。竹は秋に葉を茂らせます。こういうことも俳句を始めるまでは気がつきませんでした。ただボーッと見てただけです。竹の春は、ものみなこれから枯れ行く中で活き活きと、そこだけ陽だまりのような、見てるとほっこりさせてくれます。いろんな思いが膨らみます。色はない茶飲み友だち竹の春腰のばす翁うーんと竹の春竹取の翁のにほひ竹の春やはらかく日をそよがせる竹の春訪ねゆく母のふるさと竹の春竹の春
晩秋の匂ひするやうな野良猫晩秋や野良猫まるく路の端この猫は、いつもこの場所にいました。ここは車は通らないけど駅が近くにあって、歩行者と自転車の通りが絶えません。心の良い人ばかりとは限りません。猫の嫌いな人もいます。それで見かける度に心配でした。カリカリを持って来てくれるお姉さんやおばさんを見かけましたが、今この場所にはもう見かけません。何故こんなとこにずっといたのでしょうか。ここらに捨てられたからでしょうか。それでずっとこの場所にいたのでしょうか。野良猫の小さき陽だまり秋深し
まっかっか紅葉見上ぐる猿の尻芳しき参道の揚げ紅葉かな参りつつパリパリ食ぶる紅葉かな空白の紅葉の隙の紅葉かな文庫本もみぢ一葉や恋の章晩年に火のごと燃ゆるこい紅葉もみぢ葉や園児の帽子もみぢ色
睨まれし大きな腹の蟷螂におんぶかまきりの背にのせたる結末雌を背に獲物貪る大蟷螂かまきりの傾ぐ三角頭かなかまきりの逆さに見てる世界かなかまきりのチェリスト気取り葉をいだく飛んで来てかまきり歩く畳かなかまきりの尻にはみ出た薄茶翅這のぼる子のかまきりの速さかな葉の裏に隠るる速さ子かまきりかまきりは本当は良いやつなんだかまきりに眼鏡をかけてあげたならかまきりとハイタッチして別れけりかまきりの哀愁のある背中かな
殻割って栃の実太郎出て来たる栃の実はあんぽんたんじゃねえっぺよ栃の実の殻の厚さや親心栃の実や老いてあくの抜けたる顔
恋秘めた老いの耀き秋ダリア思い立ったが吉日の秋ダリア秋ダリア歯に衣着せずぽんぽんと秋ダリア迷い込みたる万華鏡昨日は台風の影響で、朝目が覚めたらもうどしゃ降りでした。風はたいして吹かなかったけど雨量はかなりのものだったでしょう。一日籠ってCDを聴いていました。久し振りに股旅ものを。「合羽からげてェ~三度笠ァ~どこを塒ァァァァァァの~渡り鳥ィ~」三波春夫の「雪の渡り鳥」「大利根月夜」から始まり、「旅笠道中」「赤城の子守唄」「旅姿三人男」「勘太郎月夜唄」「忠太郎月夜」「鴛鴦道中」「名月赤城山」「次男坊鴉」「一本刀土俵入り」「お島千太郎旅唄」「浅間の鴉」「赤城しぐれ」「旅鴉」以上16曲入りのCDを繰り返し聴きました。コーヒーの淹れ方がいつもと違うリズムになっていたと思います。肩に布巾からげて粋に湯を注ぎましたから。透けし日の放射状なる秋ダリア
秋茄子や尻を下ろす藁座布団それぞれに身の上ばなし秋なすび秋茄子のひそひそ話聴く畑ぶら下がり生る秋茄子の孤独かな傷の痕これも味はひ秋茄子掴みたる老いのよろけて秋茄子落語一席するやうな秋なすび
杉玉が香り吸ふごと菊日和街道の風の挨拶菊日和縁側で惚けたる母の菊日和菊日和すべすべと伸ぶ老いの肌逞しき老いのパワーや菊日和住職の和菓子買ひたる菊日和
運動会や園児の手描き万国旗紅白の空に玉舞ふ運動会玉入れの籠は変はりし運動会先生の園児子守す運動会先生と園児と共の運動会運動会の記憶は、高学年の頃よりも幼い頃の方が記憶に残っています。数少ない母の記憶もあります。それは「宝さがし」と言う競技でした。幼稚園だったか一年生だったかははっきり思い出せないのですが。まず、子供たちが先生の後に付いて、小走りにぐるぐると輪を書くように走ります。数回まわったところで先生が笛を吹きます。そこでぼくらはバラバラになり顔をうつむくようにして、両手で隠してしゃがむのです。そこで「用意、ドン」のピストルが鳴ります。白線に足をかけて我が子を目で追ってた父兄が走って行って、我が子を探すのです。子供たちはじっとしています。親たちは覗き込んで我が子を見つけます。よその子の手をとって走り出すおっち...行進も楽し園児の運動会
声援の轟くごとく運動会運動会をみなご凛々し組体操運動会息を一つに組体操澄み切った青空似合ふ運動会万国旗ピーンと張って運動会スパートのびり争ひや運動会
のら猫の寝てゐる背なや秋日和近寄るなのらねこ寝てる秋日和のら猫の気に入り場所や秋日和この猫は、この公園で時々見かけて、もう数年目です。飼い猫みたいに穏やかな顔をしています。秋の日差しに気持良さそうです。ズームで撮らせてもらいました。秋日和のらねこ寝てるからそっと
葉は破れ茎は折れたる芋嵐芋嵐過ぎて戦の跡のごとぼろぼろの破れ傘あり芋嵐わが恋も破れ破れた芋嵐ベートーヴェンの「運命」や芋嵐芋嵐ベートーヴェンの第5番
幼な日の白色や秋の白薔薇戻らぬ日の懐かし秋の白薔薇老い二人睦まじく秋の白薔薇老いの独り暮しや秋の白薔薇秋の白薔薇
手に摘んだ木の実を君に届けたい君想い丁寧に摘む木の実かな木の実熟れても恋は熟れず落ちゆく上向いて立って熟る山法師の実
おしろいやおかっぱのさっちゃんが来るおしろいの輪の中ひとりをのこゐて湯帰りのをんなの過ぎて白粉花おしろいの中に絞りの品のありおしろいや夕餉忘れて立ち話おしろいやおてんばの下駄つっかけて
いい声で小鳥は耳そうじ屋さん電線に小鳥来てソロコンサート開ききったる歯ブラシや小鳥来るかわいい雀も小鳥おいでここへ
秋薔薇や魔法の学校あるらしジョーカーの孤独な顔や秋の薔薇秋薔薇の恥じらひ傾ぐごとくかなやはらかに陽の透きとほる秋の薔薇秋薔薇や胃カメラ呑みて眠りゆくようやっと秋の空気になって来ました。これで金木犀も蕾になって膨らんで来るでしょう。一昨日、見に行ったらまだ蕾も出ていませんでした。今年は暑さのせいでとても遅れています。秋薔薇や魔法の学校あるらし
コスモスや「よっ」と寅さん現れさうなコスモスやカーポの歌の雨上りコスモスやフォトフレームはツーショット鉢植のコスモス招く茶店かなコスモスや「よっ」と寅さん現るやうな
トンタタタどんぐりマーチころげゆくどんぐりの頭はどっち尻どっちどんぐりの尻に被ったベレー帽どんぐりの雨と土と遊んだ顔木は学校あおどんぐりの生徒たちどんぐりがぼんやりするなとコッツンパンくださいどんぐり七つお代です
先生に恋した歳や野菊つむ水路へと倒れし野菊の咲いた影倒れても野菊上向く水路かな野菊を踏まぬやうに靴をゆっくり食堂の野菊を活けし牛乳瓶教壇の野菊と子らと先生と
コスモスや野にありてコスモスらしくコスモスの倒れて起きるや直角に雲と語るごと仰ぐ白コスモスコスモスの空へ賛歌のそよぎかなコスモスの茎細く根の逞しくコスモスにするりと躱す君の顏コスモスの迎へてくれる野の小道
鶏の往来かっぽ秋日和川の石に亀の集ふ秋日和路に猫のごろんごろん秋日和死んでいるのではありません。ごろんごろんしてるとこです。にわとりの往来かっぽ秋日和
日に透けし透明感や秋の薔薇ナチュラルに生きたきものよ秋の薔薇美しく老いゆく人や秋の薔薇秋薔薇の花びらの端巻きて錆ぶ日に透けて空と一つの秋の薔薇
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