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りおりお
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2017/11/17

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  • 1

    黄泉の国そこでは数人の神様が浄化された魂を新たな命として送る作業が行われていた。人は亡くなると魂は黄泉の国へ行く。そこで全ての記憶が浄化すると光り輝き浮遊する。それを新たな命として地上界へ送っていた。そんな中、既に430年ほどの月日が経っていながら浄化しない魂が二個あった。それなのに魂は光り輝きとても済んだ色をしている。もちろん初めての事。死してなお記憶を持ったまま光り輝いているのだから。しかも二...

  • 似た者親子

    類はつくしの部屋でまったりと過ごしている。机の上にはつくしの好きな炭酸飲料とポテトチップスがあり、つくしはポテトチップスを箸のような物で摘まみ口に入れている。この箸のような物は100均で買った。手を汚すことなくポテトチップスが食べられ重宝している。「はい。類。」「ん。」つくしはポテトチップスを箸のような物で摘まみ、それを類の口に入れている。もちろん類も口を開け美味しそうに頬張る。「いろいろな味があ...

  • 54

    類が話した通り、麗は嬉々としてつくしの元を訪れた。そしてあっという間に式の日取りと場所を決め、ドレス選びへと進んだ。そんな中、兄の誠と徹がつくしの元を訪れた。「つくし。花沢さんとの式が決まって良かったな。」「おめでとう。」「うん。類のご両親がフランスへ行く前に挙げようと急遽決まってね。まさか誠兄ちゃんの式より先になるとは思わなかった。是非出席してね。」「ありがとう。必ず出席する。」「それと突然だが...

  • 53

    風呂からでたつくしに類はペットボトルの水を差し出す。「ありがと。」「それを持ってそのまま部屋へ行こう?」「うん///」一階の電気を消した後、類が差し出す手を取り二人は二階へと向かった。そして奥の類の部屋へ入る。つくしは毎日掃除をしているが、こうして類のベッドで寝るのは初めてだ。類はまっすぐベッドに連れていくと腰かけた。その隣をポンポンと叩き、つくしもストンと座る。「喉乾いてるだろ?先に飲む?」「うん...

  • 52

    「ただいま。」「お帰りなさい。」つくしはキッチンから急いで玄関へ向かう。何時もは類の車の音で帰宅が分かり、玄関まで迎えに出ていたが今日は何も音がしなかった。その為、突然玄関が開き類の声に驚いた。二人は何時ものようにハグと軽いキスをする。だが今日は類が腕を中々緩めず、更に力を増し抱きしめた。「どうしたの?何かあった?」つくしの声は類を心配する物で、自分の事はおざなりだ。そう言う性格である事を既に熟知...

  • 51

    本村は焦りながらもやんわりと嗜める。「確かにつくしの母親ではありませんが、それでも私の妻です。それをそちらの女性という言い方はいくら花沢さんとは言え如何な物かと。」類とつくしが結婚すれば自分は義父になり、その妻である美代子も多少なりとも親戚付き合いが発生する。それこそ親戚の集まり等があれば、当然同伴する為つくしに近づけるなというのは無理だ。類は視線を本村に戻す。「つくしさんと同棲を初めてから、本村...

  • 50

    山下から電話を貰った類は、すぐ田村に指示を出す。「政治家の本村にアポを取って欲しい。その時に妻と同席して欲しいと伝えて。出来れば今日中に会いたい。」「畏まりました。確認してまいります。」それから数分後、田村が執務室に入ってきた。「18時に本村事務所でお待ちしていますとの事です。」「分かった。悪いけど俺の今日のスケジュールを調整して欲しい。」「はい。」「それと車を用意しておいて。今日は俺の車はここに...

  • 49

    季節は6月になろうとしていた。玄関先では何時もの愛情表現をしていた。軽くハグをしながら「行ってきます」「行ってらっしゃい」と挨拶を交わし、そっとキスを交わす。少し慣れたのか、つくしは照れた表情を見せるものの真っ赤になることはなくなった。類としてはそろそろ次の段階へ進みたくて仕方ない。「あのさ、、つくし。」「ん?」「そろそろ、、、一緒に寝ようか?」「えっ?」「あっ、一気に体の関係とか言うんじゃなくて...

  • 48

    気持ちが通じ合い恋人同士になったが、類の部屋で一緒に寝る事は拒まれた。類としても急に進めるつもりはない。もちろん意識するし暫く我慢することになるが、先にやっておきたいことがあった。自室へ入った類はすぐにあきらに電話をかけた。『おぉ類か。 なんだこんな夜中に? 喧嘩でもしたのか?』「いやその逆。 牧野と気持ちが通じ合い恋人同士になった。」『つまり俺の出る幕は無いと釘をさすために電話をかけて来たのか?...

  • 47

    「類さん。あたし自分の母親を殺しているんです。」――母親を殺している?類はつくしの言葉の意味が分からない。母親は不慮の事故による溺死だ。「牧野の母親は溺死だ。それは事故として新聞にも載っていた。」類の表情は明らかに狼狽えているが、しっかりつくしを見つめている。その瞳を見ることが出来ず、つくしは視線を下へおろす。「そうです。母は溺死です。町内会のバーベキュー大会があって、あたしは母に連れられて行きまし...

  • 46

    翌日、類は出張から帰ってきた。前回と同じように夕食を持っている。それをダイニングテーブルの上に置き、つくしがお茶を持ってきて食べ始めたところで麗の訪問を告げた。すると類はあからさまに驚いた表情を見せた。「えっ!母親が?」「はい。フランスへ行く前に一度会ってみたかったと言っていました。」類は何も聞いていなかった。「それで他には?気に障る言葉を言われたりしなかった?」「そのような事は何も。庭の野菜を見...

  • 45

    「大胆ですよね。見合いを断るつもりだったのに、自分の方から同棲を申し込んだんですから。」「えぇ。確かに大胆だわ。普通はお付き合いをして欲しいと頼むわよね?」「はい。でも類さんがこの家で一人暮らしをしていると聞いた時、家事をするストレスも感じているのでは?と思ったんです。」「家事をするストレス、、、」麗はハッとする。類は、この家に佳代が通っていた事を敢えて話さなかったのでは?そこには自分はストレスを...

  • 44

    「行ってきます。今夜は早めに戸締りをして早く寝る事。」「分かってます。」「あっ、でも夜に電話するからそれまでは起きてて。」「分かってます。気をつけて行ってらっしゃいませ。」「ん。行ってきます。」類は軽く手を振り、待たせていた花沢の車に乗って出張へ出かけた。今回は北海道。一泊二日の予定だ。つくしは類が出かけた後もいつも通り家事を熟す。掃除、洗濯の後、庭の野菜に水をやり今日は肥料もパラパラと撒いた。そ...

  • 43

    類は23時ごろに自宅に戻ってきた。つくしはすぐに出迎える。「ただいま。」「お帰りなさい。どうでした?」つくしの表情は心配気だ。そんなつくしににっこりと笑いかける。「息子さんの悩みも無事解決した。」それを聞き、つくしはホッとする。「良かった。やっぱり類さんにお任せして良かった。」「ん。これからもどんどん頼ってよ。」「はい。それで、、少し悩みの内容を聞かせてくれても良いですか?」「ん。」「その前にこれ...

  • 42

    衝撃な言葉にあきらと総二郎は固まる。そして頭の中には『同棲中』という言葉と共にアレコレが浮かんでしまう。どう考えても若い男女が一つ屋根の下で何もないとは思えないからだ。その為、二人は意気消沈した。それを見て類は誤解していると分かる。「仕事は家事全般。つまり俺の身の回りの世話をしてもらい対価を払っている。」二人はその言葉に再び固まる。身の回りの世話という部分がどこまでの世話か模索しているようだ。類は...

  • 41

    「俺の場合は、母親のマナースクールに本村さんが通っていた事がきっかけだ。」ここで類はつくしとあきらの接点を知った。お稽古の一つにマナー教室をあげていたが、それはあきらの母親の教室で、母親と妹達と仲良くしていた訳か。もちろん三人も牧野を気に入って家族総出で牧野を落としにかかっている。「あそこには数人の講師がいるんだが母親は月に一度講師をしている。その時は妹達も連れて行き学ばせているんだ。そこで妹達と...

  • 40

    なんとか二人は落ち着いてきた。「ちなみに今日は本村さんは来ねぇぞ。」「えっ?どういう事だ?」総二郎の言葉にあきらは驚く。今日という日を楽しみにしていたし、これに賭けていた。あきらの表情に総二郎は危ない所だったと安堵する。と同時に『息子さん』というのがあきらだと分かった。それに本村さんがこの場に来たならば、あきらの怒涛の攻撃にいつの間にか連絡先交換&お付き合いという関係になった可能性がある。それだけ...

  • 39

    そうしてあっという間に5月17日になった。「じゃあ行ってくる。」「よろしくお願いします。」「ん。とりあえずきちんとアドバイスしてくるから安心してて。」「はい。」こうしてつくしは類を見送った。後は類さんに一任するしかないが特段心配はしていない。いろいろな知識があるし、丁寧にアドバイスをしてくれる。それに前向きな言葉を投げかけてくれ一切嫌な気持ちにならない。だからきっとあきらさんの悩みもすぐ解決するは...

  • 38

    類は社長室を訪れた。「社長。フランスへの異動の件ですが、私はもうしばらく日本で過ごすことにします。」「という事は、ライバルを蹴散らすという事か?」「そのつもりですがまだ他にもライバルがいるみたいです。それに牧野にとってフランスへ行くことが最善な方法なのか分かりません。言葉も通じないだろうし環境も変わります。私も仕事へ行くのでずっとついていられません。それを考えると負担が大きいような気がします。」類...

  • 37

    GWも開け、類は仕事へと向かった。それを見送った後、掃除洗濯を終わらせ花壇の野菜の手入れをする。きゅうりも順調に上へと伸びてきている。ただ重さがありネットからずり落ちそうになっている為、固定するようネットと茎部分をひもで結ぶ。トマトも大きく育ってきており支柱に紐で括り、脇芽を摘み取る。ピーマンとなすびも枝が伸びそこにも支柱を立てる。それぞれ順調に花が咲き、キュウリは一本食べごろに実った。それを収穫す...

  • 36

    残りのGWは自宅で過ごす。庭の野菜の成長を見ては笑い、一緒に買い物へでかけて献立を考えて類も手伝ったり。そんなのんびりとした時間が二人にとっては心地良い。そんな中、つくしはあきらの件をそろそろどうにかしようと考えていた。一度食事をしながら悩み事を聞いて欲しいと言われているが、どういう話かも分からないし深刻な悩みの場合良いアドバイスも思い浮かばない。その点、類さんならば良いアドバイスが出来るのではない...

  • 35

    5月2日類とつくしは予定通り埼玉県秩父の羊山公園へ向かった。GW期間中で多少混んでいるが、それでもまだマシなようでスイスイと進むことが出来た。そして目的地に到着した二人は唖然とした。「芝桜が、、、ほとんど散ってる?」「みたいだな。でも少しは残っているんじゃない?」昨日の大雨により花が散ったようだ。「すみません。まさかこんな事になっているとは、、、」「自然が相手だから仕方ないと思う。でもほらっ、入園料...

  • 34

    「牧野は愛されて生まれて来たと俺は思う。少なくとも牧野を生んだ母親は父親の事を愛していた。でなければ母親が牧野を生むはずがないだろ?好きな人の子供だから生みたかったんだよ。片親になろうとも生まれてくる子供に苦労を掛けるけど、それでも愛する人との子供だから生みたかったんだと思う。だから生まれてこなければ良かったと考えるのは止めたほうが良い。」「ありがとうございます。」「もちろん本妻からすれば疎ましい...

  • 33

    食事をとりながら、つくしはキッチンの上に置いていた物をテーブルに持ってくる。「これ、、類さんへお土産です。」「お土産?どこに行ったの?」類は紙袋を覗くと、日本酒の箱が見える。「茶会です。」「茶会に行ってお土産、、、」類はプッと吹き出すがすぐに「ありがと。」とお礼を述べる。「茶会が開催されたホテルの売店で買いました。本当はデパートで何か買おうと思ったんですけど偶然マナー教室の先生に出会って、GWの特別...

  • 32

    翌日、つくしは午前中に祖母の施設へ向かった。するとそこに義母と誠とその婚約者の緒方真理子がいた。「つくし!元気だったか?」「うん。」つくしは入り口で立ち止まり頭を下げる。誠はすぐに婚約者を伴いつくしの元へ向かう。「つくしさん。突然引っ越しさせてごめんなさいね。」「とんでもないです。リフォームはどうなりましたか?」「順調よ。後一か月程で終わると思うわ。それも含めておばあさまに報告しに来たの。」真理子...

  • 31

    20時を少し回ったころ、つくしは帰宅した。駅から自転車を押して自宅まで帰ったのだが、確かに人通りは少なく外灯も少なく暗い。しかもこんなに遅くなるとは思っておらず、自宅の外灯もつけておらず真っ暗だ。その為、スマホの明かりを頼りに自宅の鍵を開けた。自宅に荷物を置くと直ぐに外に出て洗濯物を取り込む。そして急いで雨戸を閉めた。ここに来てこうして夜中に外に出るのは初めてだ。周囲が山に囲まれのどかな場所だが、...

  • 30

    総二郎は上手い言葉が見つからず、とりあえず料理を食べ終えた事から茶を点てる事にする。「じゃあお茶を点てようか。」「はい。ありがとうございます。」総二郎はスタッフに声をかけると、すぐに弟子が茶道具を持ってきた。お湯は電気ポットの物を持ってきている。「流石にお湯は電気ポットの物だけど、是非飲んでほしい。」「ありがとうございます。」総二郎は畳に座ると茶道具を開き準備をする。つくしもその前に正座するとじっ...

  • 29

    ホテル内の和食レストランの前で待っていると、総二郎が弟子を連れてやってきた。その格好は和装だ。時間はまだ16時30分にも満たない。「ごめん。待たせたか?」「いいえ。私もさっき来たところです。」「じゃあ入ろうか?」「はい。」弟子とは入り口で別れ、総二郎がつくしを伴い中に入った。総二郎の姿に店員がすぐに個室へと案内する。広々とした畳の個室で、テーブルの下は掘り炬燵になっている。「本村さん。ちょっと時間...

  • 28

    先ほどまで総二郎が座っていた席に家元夫人が座り、つくしは背筋を伸ばす。「本村さん。お久しぶりです。おばあさまはお元気?」「はい。今日はお招きいただきありがとうございます。祖母は元気です。」「そう。突然辞められたから驚いたのよ?」「申し訳ありません。引っ越すことになり教室に通えないので辞めさせていただきました。」「そうなんですってね。この後、総二郎と話をされるんですよね?」「はい。何か壁にぶち当たっ...

  • 27

    つくしが茶会の開かれるホテルに到着するとかなりの人がロビーにいた。そのほとんどが着物姿だ。既に13時を回っており受付は長者の列だ。つくしは少し時間を潰すためにトイレへ向かった。そこで身だしなみをチェックしていると茶会に招待されていると思われる女性が入ってきた。つくしはワンピースの為、茶会に出席すると思われていないのか会話は続けられている。「流石西門流のお茶会だけあって凄い人ですね。14時からの部の受...

  • 26

    こうしてつくしと偶然再会した今がチャンスだ!色々聞き出そうと夢子は思う。「つくしちゃんから見てあきら君はどういう人に見えるかしら?」「優しいお兄ちゃんという感じです。いつも微笑みながら話を聞いてくださり、さり気なくアドバイスをしていただいたこともあります。」つくしの答えに夢子はガッカリする。『優しい』はまだしも『お兄ちゃん』という単語は頂けない。出来れば『優しい男性』と言って欲しかった。でも『優し...

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