「春のとなり」(高瀬乃一著2024年5月角川春樹事務所237p)を読みました。人生のベテラン期でデビューした作家さんをベテランと呼ぶべきか新人と呼ぶべきか(きっとこれまでもたくさん書いていたはずなので)とにかく著者はそういう方です。時代ものミステリだけどタッチはとてもリアル夫に死なれて仇を打とうとする若嫁というと美貌でけなげ……となりそうだけれど舅の愚痴は言うし料理は下手だし雑味たっぷり舅の方もいぎたなくうたた寝はするし食べ物にはうるさいし(貧乏暮らしなのに)嫁以上に雑味満載江戸に出て来て2人が生計を立てる手段が薬屋と言っても大きな薬屋に対抗できる訳もなく舅が診断して(故郷では医者)薬を処方する舅は目が見えないので診断を手伝うのは嫁の奈緒奈緒は実は薬研の音が嫌で仕方がない……夫を殺した犯人は誰なのか仇を打...「春のとなり」高瀬乃一