「うらはぐさ風土記」(中島京子著2024年3月集英社273p)を読みました。夫バートの浮気で離婚し勤めていた大学での講師の仕事が無くなって30年ぶりにアメリカから帰って来た主人公・沙希人生の大転換点のはずなのに何だか実感がない。ぽけっとしている。というところに母校の大学から講師の口が舞い込み住まいは祖父の家を貸してもらえることになったて(祖父は今は施設にいる)「うらはぐさ」での暮らしがはじまる。30年ぶりの日本での暮らしでは(自分を浦島花子だと自認している)何とも奇妙な味のある人たちが沙希の周りを巡る。庭の手入れをしてくれる秋葉原さん。商店街の足袋屋の主人で店の屋上で「屋上菜園」をやっている(!)「これまで一度も、働いたことがありません」「もう、この年になると、おんなじだもんね」(働いていてもいなくても)...「うらはぐさ風土記」中島京子