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ゆらゆら荘にて
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読書日記
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2017/06/11
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ゆらゆら荘にて さんの新着記事

1件〜30件

  • 7.5グラムの奇跡

    朝、玄関を開けたら一面の雪景色。「7.5グラムの奇跡」(砥上裕将著2021年10月講談社刊)を読みました。「線は、僕を描く」でデビューした水墨画家でもある著者の第2作です。今度は眼科モノ。眼科モノかぁ………と、ちょっとためらっていたけれど(目弱・めよわ者なので)新聞の書評欄でおススメされていたので、思い切って読んでみました。相手の瞳を覗き込んでしまう癖(職業病?)のある野宮は新人の視能訓練士(眼科の検査などをする人)まだまだ半人前だ。野宮の周囲にいるのは医師の北見先輩視能訓練士の広瀬看護師の剛田、丘本……彼らが一緒に、患者の謎を解く物語です。(症状を手がかりに病名を診断するということが既に謎解きなのかもしれない)短編集ですが中でも「夜の虹」がいい。30代前半の患者・門村は緑内障だが、あまり治療には積極的ではない...7.5グラムの奇跡

  • 思いがけず利他

    「思いがけず利他」(中島岳志著2021年10月ミシマ社刊)を読みました。目からウロコそれもボロボロと落ちるそんな一冊でした。有名な「文七元結」という落語がある。主人公の長兵衛は腕のいい左官だが、博打にはまってしまっている。ついに娘のお久は、知り合いの店に駆け込んで自分を買ってもらおうとする。店の女将は、お久の心意気に打たれて長兵衛に50両貸すから、暮らしを立て直すようにと言う。1年後に50両を返せばよし、返せなければお久は苦界に身を沈めることになる。長兵衛が浅草の吾妻橋まで来た時に川に身を投げようとしている若者に出会う。聞けば、集金してきた50両を紛失してしまったので死ぬしかないと言う。長兵衛は懐の50両を与えてしまう……長兵衛は、なぜ50両を「あげて」しまったのか?利他の心からなのか?と本書は書き出している。...思いがけず利他

  • 遊牧の人類史

    霙もよう。「遊牧の人類史構造とその起源」(松原正毅著2021年8月岩波書店刊)を読みました。大昔の人の暮らし方には狩猟採集(三内丸山遺跡のような)と農耕があり移動と定住(三内丸山遺跡のような)があるというのが日本の歴史。でも世界に目を向けるとこれに「遊牧」が加わる。遊牧の歴史を知りたい!と思った著者。でも、遊牧の遺跡はない……そこで著者は考えた。現代の遊牧の人たちの暮らしこそが「遺跡」なのではないだろうか。そう考えた著者は1979年トルコのムスタファ家のチャドル(ヤギ毛製のテント)で1年間居候生活を送る。ムスタファ家は夫婦と老母、5人の子ども243頭のヤギ、145頭のヒツジ、43頭のウシ、6頭のラクダ、9頭のウマ、2頭のラバ、5頭のイヌという構成だった。遊牧民は父系社会だがヤギやヒツジを連れて朝に家を出て、夕方...遊牧の人類史

  • 鴎外 青春診療録控

    日常の謎ミステリが読みたいなぁと思っていたところだったので。「鴎外青春診療録控千住に吹く風」(山崎光夫著2021年8月中央公論社刊)を読みました。若き日の森鴎外を主人公にした「日常の謎」ミステリです。一家を挙げて故郷津和野を離れた森家は一族の命運を長男林太郎(鴎外)にかけていた。年をごまかして12才で東京大学医学部に入学した林太郎は卒業したらドイツへ留学して学びたいと思っていたが火事にあって本やノートを失ったことと肋膜炎になったことで卒業した時の成績は8番だった。2番までなら文部省の留学生になれたのに……周囲は陸軍に入って陸軍留学生になることを勧めるが林太郎は陸軍に紐づきたくなかった。そこで一時的に父の橘井堂(きっせいどう)医院の手伝いをしている林太郎が出会う小さな事件が描かれている短編集です。父の往診について...鴎外青春診療録控

  • 土偶を読む

    「土偶を読む130年解かれなかった縄文神話の謎」(竹倉史人著2021年4月晶文社刊)を読みました。昔は、土偶といえばシャコちゃん(遮光器土偶)であったけれど最近は色々な土偶が写真付きで紹介されるようになったので土偶って、色々あるなぁと思うようになった。縄文人は土偶を作るとき、何かからデザインのヒントを得たに違いないというのがこの本の主張。そうだったのかもしれないそうではなかったのかもしれないでも、面白いです。遮光器土偶の手足は、どうしてあんな風に楕円形なのか?それは里芋デザインだったから。寒い北東北では、里芋を地中に埋めて次の年に蒔くまで保存するのは危険が伴った。低温で種芋がダメになってしまうかもしれないからだ。だから、北東北の縄文人は里芋型の土偶を作ってお祈りをした。是川遺跡の合掌土偶の顔の中央に線があり、下...土偶を読む

  • 言葉の国のお菓子番

    近所の桜が、真っ赤に色づいています。「言葉の国のお菓子番」(ほしおさなえ著2021年10月大和書房刊)を読みました。知らなかったことを知る楽しさが存分に味わえる一冊です。勤めていた書店が潰れて職を失った一葉は実家に帰ることになる。実家で亡き祖母の部屋を整理していると祖母の連句のノートからひらりと1枚のメモが落ちる。それには1年の月々のお菓子の名前がが書かれていた。1月銀座空也もなか2月麻布豆源の豆菓子というように。祖母は連句の会(言葉の園)にお菓子を持って行くのを自分の係(お菓子番)としていたらしいのだ。お菓子を持って挨拶に行った一葉は、連句の会に入ることになる。12の章で12回の連句の回と12の月のお菓子のことが語られる。繰り返される連句の会が変わらないものとしてありそこに、少しずつ変化する一葉の暮らしが変わ...言葉の国のお菓子番

  • 星天の兄弟

    「星天の兄弟」(菅野雪虫著2021年8月東京創元社刊)を読みました。雪虫さんの児童文学は「天山の巫女ソニン」シリーズといい、「アトリと五人の王」といいまつりごとにベクトルが向いているという点が好みの分かれるところかもしれない。乾き物好きに取ってはとても面白い。安景(アンギョン)国のある村の学者の子兄の海石(ヘソク)と弟の海蓮(ヘギョン)は父が指導に招かれた第二皇子に謀反の疑いがあるとされた時それをそそのかしたという罪で牢に繋がれたため罪人の子として育つ。年の離れた兄弟の「父の記憶」は違う。名高い学者としてたくさんの弟子に慕われ輪の中心にいる姿を記憶している兄白髪の老人になって帰って来て、病の床にいる姿しか知らない弟……兄へソクは北都王立学校に合格して旅立っていく。北都王立学校には都を追われた第二皇子が在学してい...星天の兄弟

  • ヨルガオ殺人事件

    「カササギ殺人事件」のホロヴィッツの新作「ヨルガオ殺人事件」(ホロヴィッツ著2021年9月創元推理文庫)を読みました。「カササギ殺人事件」と同じように謎を解くのは、編集者で今はホテル経営者のスーザンそして作中作「愚行の代償」には探偵・アティカス・ピュントが登場する。どちらもホテルが舞台なのでとにかく登場人物が多い。(ざっと30人)ので、なかなか覚えられない。人物表をコピーして、しおりがわりにして何とかしのぐ始末。「ヨルガオ」の方は1組の夫婦がスーザンのホテルに来て娘を探して欲しいと言うところからはじまる。娘は夫婦の経営するホテルで起こった殺人事件の犯人がスーザンの編集した「愚行」を読んだら「分かった」と告げて→姿を消したのだという。「愚行」は、夫婦の経営するホテルをモデルに描かれたミステリだった。スーザンは夫婦...ヨルガオ殺人事件

  • サーカスから来た執達吏

    「サーカスから来た執達吏」(夕木春央著2021年9月講談社)を読みました。執達吏は、強制執行や裁判文書の送達などを行なった役人のこと。この本では、借金の取立て人のことを表しています。ミステリです。時は関東大震災の2年後。震災で不動産のほとんどを失った樺谷子爵家は借金にあえいでいた。ある日晴海商事の取立て人と名乗る少女が現れる。椰子の繊維のような髪をした黒目がちの小柄な少女ユリ子は借金の担保として樺谷家の三女鞠子を晴海家に連れて行くという。連れられて行った晴海家では老晴海氏が1人で暮らしており召使はおらず、ユリ子が家のことをしていた。サーカスから逃げて来たというユリ子はディスレクシア(文字の読めない障害)だったが家のことは何でもてきぱきとこなしサーカスから連れてきた愛馬かつよを乗りこなしていた。ユリ子と鞠子は借金...サーカスから来た執達吏

  • ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ケ谷京介

    山は初雪。「テーラー伊三郎」の川瀬七緒の新作「ヴィンテージガール仕立屋探偵桐ケ谷京介」(川瀬七緒著2021年2月講談社)を読みました。「テーラー伊三郎」も仕立屋モノだったけれど今回も仕立屋が探偵。(洋服の仕立てに詳しいのも肯ける。著者は文化服装学院を出ている)探偵役が何か特技を持っているというミステリは多々あるけれど衣服の上から見ただけでその人の暮らしぶりや体の状態まで見抜いてしまうのが京介の特技だ。例えば刑事の畑山は「筋肉に守られた体は頑丈そうに見えるが肩甲骨と肩峰が前側に傾いてしまっている。今のうちに矯正しておかないといずれ重度の腰痛に苦しむのが目に見えていた。ワイシャツの両脇にできた大きな汗ジミは対称性多汗症によるものと推察でき交感神経が過敏に反応するタイプなのは間違いなさそうだ……」といった調子だ。一緒...ヴィンテージガール仕立屋探偵桐ケ谷京介

  • 働くことの人類学

    今日は、最高気温が15度です。寒くなってきました。「働くことの人類学」(松村圭一郎+コクヨ野外学習センター2021年6月黒鳥社)を読みました。コクヨのポッドキャストで語られたことを文字にした本です。文化人類学の研究者に話を聞いている。パプアニューギニアのトーライ人カラハリ砂漠のブッシュマンエチオピアのダサネッチ中国から世界中に散らばったモン族現地に行って、そこで暮らした研究者たちが語っているからこその面白さがある。中でも興味深かったのが「パプアニューギニアのトーライでは現在でも貝が貨幣として使われている」という話。(え、貝?)人差し指の爪ぐらいの大きさのムシロガイの貝殻を藤の蔓を裂いて作った紐に通して人が両手を広げたくらいの長さにしたものが1単位1ポコノだ。でも一般に言う貨幣がないわけではない。キナという通貨は...働くことの人類学

  • ミュージアムグッズのチカラ

    「ミュージアムグッズのチカラ」(大澤夏美著2021年7月国書刊行会)を読みました。著者は大学の修士論文にミュージアムグッズを書いたという人だけどおかたさはない。かと言って、単なるミュージアムグッズ紹介でもない。それはミュージアムグッズをつくる人たちに話を聞いて書いているからだとおもう。北海道に住む著者は一度に1週間から10日全国の博物館や美術館を回って研究する。1日に何館も回ってヘトヘトになってもミュージアムショップだけに行くようなことはしない。本館をじっくり見てからミュージアムショップに行く。購入したグッズは飾らないで透明な袋に入れて、資料と一緒に箱に保存する。紹介されているミュージアムは東京国立博物館国立民族学博物館国立歴史民俗博物館国立科学博物館という大きなところから棟方志功記念館もりおか歴史文化館紅ミュ...ミュージアムグッズのチカラ

  • 三十の反撃

    「アーモンド」(2020本屋大賞翻訳小説部門第一位)のソン・ウォンピョンの新作が出たので読みました。「三十の反撃」(ソン・ウォンピョン著2021年8月祥伝社刊)有名企業ディアマン社の経営するディアマンアカデミー(カルチャースクール)でインターン(つまりはアルバイト)として働くキム・ジヘはいつか正社員になり、本社ディアマン社で働くことを夢みていた。仕事は、講義が終わった後に椅子を並べなおすこととコピーを取ってテキストを作ることと雑用。ある日、講師の忘れ物を届けに行ったカフェでジヘは講師に大声で抗議をする青年を見かける。青年ギュオクはディアマンアカデミーに現れ、ジヘの同僚になる。ギュオクに誘われて、スタッフ無料特典のウクレレ講座に参加したジヘは講座を受けていたムインとナムンと4人で呑むようになる。それぞれが「抗議」...三十の反撃

  • アカデミアを離れてみたら

    「アカデミアを離れてみたら博士、道なき道をゆく」(2021年8月岩波書店編集部)を読みました。博士になって、大学教授になる道は狭い。では、ほかにどんな道があるの?かについて実際に他の道に進んでみた人たちの手記だ。道を探している人たちを読者に想定しているのだろうけれどそうでなくてもとても面白い。(面白い=意外だ)何と言っても面白いのは参議院議員の嘉田由紀子さん埼玉県の養蚕農家に生まれた嘉田さんは嫁として暮らすお母さんの姿を見てどうにかしたいと考えて社会学を学ぶ(ワープ)ことにする。電気もガスもない暮らしとはどんなものかとアフリカに興味を持ちアフリカに行くためには探検部だ(ワープ)と京大に進学し、探検部に入り、3年の時、1人でアフリカに行く。その後、水問題を研究するために琵琶湖周辺でフィールドワークをしている時当時...アカデミアを離れてみたら

  • 月と日の后

    秋も深まってきました。「月と日の后」(冲方丁著2021年9月PHP研究所刊)を読みました。病というものが身近にあるそれもたくさんという今同じように病というものが身近に在る世界そして火事が頻繁に起こる世界が描かれている。どちらも防ぎようがない……そんなとき人はそれが「怨」によってもたらされると考える。主人公は、紫式部が仕えた中宮・藤原彰子(藤原道長の娘)。彰子は、夫・一条天皇を亡くし2人の子、後一条天皇と後朱雀天皇を亡くし父・藤原道長を亡くし弟・藤原頼通を亡くし……たくさんの身近な人たちが死んでいく。それは、彰子が長生きだったからだ。この時代にはめずらしく83才まで生きた。健康だったのである。道長の持つ飲水病(糖尿病)の血を、彰子は引かなかった。道長の兄も、子も、道長の他の娘の産んだ天皇の中にも飲水病で死んだ人が...月と日の后

  • わたしのいないテーブルで

    「デフ・ヴォイス」シリーズの新作が出たので、読みました。「わたしのいないテーブルで」(丸山正樹著2021年8月東京創元社刊)耳の聞こえない父と母と兄を持った荒井は聞こえない親から生まれた聞こえる子ども(コーダ)として幼いころから親の手話通訳をして育ち今は手話通訳士として働いている。その荒井が出会う事件が描かれたミステリ。今回の事件は聾者の郁美が食事の支度をしている時に母親を包丁で刺してしまった傷害事件だ。郁美は頑として黙秘し続けている。なぜ、黙秘しているのか……この作品に出会わなければ「見る」ことのできなかった世界コロナの蔓延している世界での聾者の暮らしがリアルに描かれる。荒井の下の娘の瞳美は聾者だ。まだ4才の瞳美は家庭でも幼稚園でも手話が使われていることから音声言語というものの存在をほとんど意識しないで来た。...わたしのいないテーブルで

  • 黄色い夏の日

    高楼方子(たかどのほうこ)の新作が出たと聞いたので読みました。「黄色い夏の日」(高楼方子著2021年9月福音館書店刊)ほぼ日の対談によれば新書の読者層は50代、60代の男性なのだそうだ。では、児童文学を読むのは?童話の世界の「おばあさん」は、安定している。安定していて、主人公を受容する存在である。でも、この作品の「おばあさん」は、安定していない。主人公の景介は中学校1年生。美術部員だ。景介には、夏休みの課題の絵に描きたい建物があった。「黄色い点のような小花がいくつもぽつぽつと咲く草むらに下の方を覆われて門から続く小道の向こうに静かに、だが揺らめくように佇む」家だ。「家」の前でためらっていた景介の前に現れたのは祖母と同じ病室に入院していた小谷津さんだった。景介は蔵書の中から一冊の本を探すことを引き受ける。そして小...黄色い夏の日

  • 鎌倉殿と執権北条氏

    北条氏といえば子ども時代子ども向け伝記のシリーズの「北条時宗」(元寇の時の執権)を読んで時宗のファンになったっきり。何も知らないので来年の大河ドラマの予習をしようかなと思って「鎌倉殿と執権北条氏義時はいかに朝廷を乗り越えたか」(坂井孝一著2021年9月NHK出版刊)を読みました。前半は頼朝のこと後半は頼朝の次男・実朝のことがきっちりと文献を考証して書いてある。淡々とした前半から一転、後半は熱烈に実朝を絶賛しているのが面白い。「一般的には義時・政子の二人を中心とする北条氏が幕政の実験を握り実朝は傀儡の将軍に過ぎなかったとされてきた」(そうそう)「十八歳にして将軍親裁(部下が政治課題について審議したもの裁可する)を本格化させた」「実朝の治世を風やはらかに、四海波立たず」と評した資料もある」「勇猛の点でも、優美の点で...鎌倉殿と執権北条氏

  • ロボット学者、植物に学ぶ

    書評で見かけて面白そうだったので「植物学者、植物に学ぶ自然に秘められた未来のテクノロジー」(マッツォライ著2021年7月白揚社刊)を読みました。動物を模倣したロボットは色々ある。人間とか犬とかも著者たちのグループは植物の特性を取り入れたロボットを作っている。え、植物?と思うだろうけれど植物を侮ってはいけない。植物には動く環境を知覚するコミュニケーションをとる探査する問題を解決する協力し合うなどの能力があるというのだ。動くは例えばハエトリグサ。バネが弾んだかのように1秒もかからずに葉が閉じる。そればかりではない。植物は自分の行きたい方向に根や枝を伸ばすという成長による運動をしている。著者のグループは「自らの形態を探査環境に適応させつつ成長していく」ロボットを作りたいと思っている。このロボットは人間が入り込めないよ...ロボット学者、植物に学ぶ

  • 春の嵐

    「ペンダーウィックの四姉妹」シリーズの第4巻「春の嵐」(バーズオール著2020年6月小峰書店刊)を読みました。第3巻から6年後この巻の主人公は11歳になった四姉妹の末っ子(だった)バティ。8歳になったベンはバティの弟になりさらにリディア(2歳)が生まれてペンダーウィック家は8人家族になっている。バティの母代わりだった長女のロザリンドは大学生になって家を出、二女のスカイと三女のジェーンは高校生。背中に蝶の羽を背負っていた内気なバティは11歳になってた今も、ひどく内気だ。音楽の先生に声を褒められて正式なレッスンを受けるように勧められて(もう、ピアノのレッスンは受けているしペンダーウイック家は、なかなか生活が苦しいのでこれ以上のレッスンは無理だとバティは判断した)レッスン料を稼ぐための何でも屋のチラシを配るのにもひと...春の嵐

  • 海べの音楽

    「ペンダーウィックの四姉妹」シリーズの第3巻「海べの音楽」(バーズオール著2017年6月小峰書店刊)を読みました。スポーツは得意だけれど(長女のロザリンドはソフトボール二女のスカイと三女のジェーンはサッカー)音楽には縁がないと思い込んでいた姉妹たちは夏休みを過ごす海辺のコテージで音楽とも出会うことになる。いっしょに過ごすことになったジェフリーがクラリネットとともにやって来たのだ。この夏を過ごすコテージはごく小さい。お父さんが新婚旅行に行きロザリンドは友だちのアンナに誘われて旅行に行きスカイとジェーンとバティとジェフリーだけになったからだ。残った中で最年長のスカイがOAP(オールデストアヴェイラブルペンダーウィック今いるペンダーウィック姉妹の中で最年長)になったけれどお父さんもロザリンドも、それは形式的なことだと...海べの音楽

  • ささやかな奇跡

    「ペンダーウィックの四姉妹」シリーズの第2巻「ささやかな奇跡」(バーズオール著2015年8月小峰書店刊)を再読しました。第1巻で4姉妹の暮らしの新しい登場人物となった庭師のキャグニー家政婦のチャーチーそして友だちになったジェフリー家に戻ってみればそこにも新しい登場人物がいた。左隣に新しい人が引っ越して来ていたのだ。と言っても家族はお母さんと息子の2人だけ。お母さんのアイアンサは(お父さんが勤めている)キャメロン大学の天体物理学の教授息子のベンは、まだアヒル(ダック)しか言葉が言えない赤ちゃんだ。この巻でも4人に事件が起こる。「お父さんに、ガールフレンドを」という亡きお母さんの指令の手紙に従ってデイトをするお父さんを見てロザリンドはお父さんのデイトが成功して新しいお母さんが来るという想像で頭がいっぱいになって末っ...ささやかな奇跡

  • 夏の魔法

    「ペンダーウィックの四姉妹」シリーズの第1巻「夏の魔法」(バーズオール著2014年6月小峰書店刊)を再読しました。というのは第4巻が出たのでこの機会に第1巻から第3巻までを読み返してみることにしたので。4姉妹ものはいくつもあるけれどこれが(翻訳物では)いちばん新しい(たぶん)末っ子のバティを産んで少ししてお母さんは病気で亡くなってしまった。バティに自分の名前エリザベスを遺して。植物の研究者で大学の先生のお父さんと1番目のロザリンド12歳(姉妹の中では常識派。末っ子のバティを育てることに責任を感じている)2番目のスカイ11歳(1人だけお母さん譲りのブロンドの髪と青い目をしている科学と数学が好きで、片付いた何もない部屋を好む)3番目のジェーン10歳(小説を書いている。スカイと共有している部屋のジェーンのスペースには...夏の魔法

  • 本の森をともに育てたい

    書評で見かけて、面白そうだなと思って「本の森をともに育てたい日韓出版人の往復通信」(カン・マルクシル大塚信一2021年6月岩波書店刊)を読みました。岩波書店を退職した後「東アジア出版人会議」(EAPC)の発起人の1人となった大塚は会議で、韓国の出版社・四季節出版社の社長カン・マルクシルと知り合う。やがてカンは大塚を「お兄さん」と呼ぶようになり、坡州(パジュ)ブックアワード(PBA)という出版賞の選定委員を依頼する。(パジュ市は、韓国と北朝鮮の国境近くにあり100社を超える出版社や関連企業があるためブックシティと呼ばれている)2人は、頻繁にファックスで連絡を取り合うようになりそれは15年に及ぶものになる。このファックスを大塚は大切に保存しており「兄妹通信」と名付けて出版しようと思うようになる……この通信のどこが読...本の森をともに育てたい

  • イドコロをつくる

    前著「ナリワイをつくる」が面白かったので「イドコロをつくる乱世で正気を失わないための暮らし方」(伊藤洋志著2021年3月東京書籍刊)を読んでみました。ナリワイとは個人レベルではじめられて自分の時間と健康をマネーと交換するのではなくやればやるほど頭と体が鍛えられ技が身につく仕事。小さなナリワイを合算して暮らすのがいいんじゃないだろうかというのが前著。今度は、イドコロ。人類は他人との協力関係を駆使して生き延びてきた。(毛づくろい、笑い、言語、歌、酒盛り、物語によって)この群れるという習性を持つ人間が健全に群れて過ごすための場所がイドコロである。だからといって、「友だち100人」のススメではない。「友だち100人」の考え方は、過剰に免疫活動を行って、自分の体を攻撃してしまうのと同じだ。誰でも彼でも受け入れていくと居心...イドコロをつくる

  • 白光

    ずっと以前テレビドラマで見た記憶がある「山下りん」(1857年笠間藩に生まれ、ロシアのペテルブルクの女子修道院に留学し、日本初のイコン(宗教画)画家になった)のことを書いた小説を読みたいなぁとかねがね思っていたので「白光(びゃっこう)」(朝井まかて著2021年7月文藝春秋社刊)を読みました。幕末に笠間藩(茨城県)に生まれたりんは親友の可枝(かえ)が嫁行った先の無理解から和歌の道を断たれ離縁したいという願いも聞き入れられず行くあてのない身を悲観して赤ん坊を道連れに入水して果てたうえそれを非難されて葬式も出してもらえず墓にも入れてもらえなかったことに衝撃を受ける。嫁になど行くまい。絵描きになるのだそう決意して、りんは家出をし笠間から歩き通して江戸に出る。絵師の住み込みの弟子となりやがて工部美術学校が女子を受け入れて...白光

  •  辰巳センセイの文学教室 上下

    「辰巳センセイの文学教室」(瀬川雅峰著2021年5月宝島社刊)を読みました。デビュー作らしいけれど面白いです。表紙の人が高校の国語教師の辰巳祐司ヒロインは高校生の円城咲耶学園ものミステリです。咲耶は人が振り向くほどの美貌で成績も学年で一番父親は市の教育長をつとめている。創作部という、漫画研究会と文芸部をミックスしたような部に入っておりそこでは円城から取って炎上姫とも、咲耶姫とも呼ばれている。ってこのヒロインに好意を抱く人はいる?と思ったところでもう著者の術中にはまっていることになる。第2章でいきなり咲耶のイメージが変わるのだ。第1章が2018年6月で第2章が2017年4月だから第2章は、咲耶が高校に入学してすぐの出来事になる。咲耶は体育祭の全校女子騎馬戦で3年生の女子の馬に次々と襲いかかりバランスを崩させ、帽子...辰巳センセイの文学教室上下

  • 生命海流 GALAPAGOS

    新聞に連載中の児童文学「ドリトル先生ガラパゴスを救う」(福岡伸一)がとても面白いので、こちらも読んでみました。「生命海流GALAPAGOS」(福岡伸一著2021年6月朝日出版刊)朝日出版社というのは朝日新聞社ではありません。でこの出版社が資金を出して船を仕立てて(スタッフは船長以下6人)福岡ハカセが、カメラマンと2人少年時代からの念願の「ダーウィンと同じルート」でガラパゴス諸島を回った記録が本書。赤道を跨いでいるガラパゴス諸島は実は、そんなに暑くない。近くを寒流が流れているからだ。ガラパゴスというと「進化から(文明からも)取り残された孤島」というイメージだけど、人も住んでいるし、港はもちろん空港もある。取り残された島どころかガラパゴスは若い島なのだ。日本もプレートの境目にあるために地震が多いけれどガラパゴスも同...生命海流GALAPAGOS

  • あきない世傳 金と銀 第11巻 風待ち篇

    「あきない世傳金と銀」(髙田郁著2021年8月ハルキ文庫)の第11巻風待ち篇を読みました。大阪から江戸に出て来て呉服屋(正確には太物屋)を営む幸(さち)の物語も11巻目ともなるとすっかり慣れて今度はどんなことが起こるのと「待つ」ようにさえなる。この巻では江戸は大火に見舞われ(コロナ禍のよう)ひとびとは疲弊し衣類を新調するどころではなくなってくる。そこで「風待ち篇」というタイトルになるらしい。このシリーズは現代では普通に「ある」ものが誕生するまでのエピソードも読みどころだけれど(武士のかみしもから誕生した江戸小紋帯の数を揃えられない人のために工夫した昼夜帯(リバーシブル)木綿の単を街着として着られるように工夫した浴衣……)それが今回は力士の浴衣これが面白い。さらに孤軍奮闘に近かった幸の店が浅草太物仲間(太物=木綿...あきない世傳金と銀第11巻風待ち篇

  • 身もこがれつつ 小倉山の百人一首

    「身もこがれつつ小倉山の百人一首」(周防柳著2021年7月中央公論社刊)を読みました。今期は、凝った時代小説が多いなぁと思っていたけれどこれもその一冊。歌人・藤原定家の生涯を描いた時代小説でもあるし「藤原定家はなぜ「あの100首」を百人一首として選んだのか」という謎を解くミステリでもある。あの100首……息子為家の舅の宇都宮蓮生に依頼されて古今の歌集から100首を選んだもの(新築した館の襖に貼る歌色紙)は天智天皇から後鳥羽上皇まで時代順に編まれているが息子為家にさえも「なぜこの歌を……と、理由のわからぬものも少なくなかった」と思われる選択になっている。なぜ定家はこの100首を選んだのか……現代では百人一首といえばカルタだけれどこの時代にはカルタはない。そんな中で定家は古今の歌をいつでも手に取れるように紙の裏に薄...身もこがれつつ小倉山の百人一首

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