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ゆらゆら荘にて さんのプロフィール

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ブログタイトル
ゆらゆら荘にて
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https://blog.goo.ne.jp/snufkinshat
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読書日記
更新頻度(1年)

93回 / 365日(平均1.8回/週)

ブログ村参加:2017/06/11

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ゆらゆら荘にて さん
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ゆらゆら荘にて

ゆらゆら荘にて さんの新着記事

1件〜30件

  • 隣人X

    今晩は雪になるようです。「隣人X」(パリュスあや子著2020年8月講談社刊)を読みました。SFっぽいプロローグから一転最初の三章は都会の片隅に暮らす女性たちが描かれる。土留紗央(つちどめさお)は派遣社員として働いている。紗央は嫌な出来事に遭遇し社員証を紛失してしまう……柏木良子はコンビニの早朝勤務と宝くじ売り場での販売の仕事をしている。40を過ぎた良子には週刊誌の記者をしている年下の恋人・憲太郎がいる。ある日憲太郎が良子の両親に会いたいと言い出す。なぜ?まさか結婚の申し込み?……ベトナムから日本にやって来たリエンは居酒屋で働いている。日本語学校に行っているが日本語はなかなか上達しない。バンドをやっている拓真にライブに誘われたがリエンは本当の自分を見せることが出来ないでいる……3人の登場人物の生活に共通するのはア...隣人X

  • 銀閣の人

    律儀に雨を欠かさない天気が続いています。「銀閣の人」(門井慶喜著2020年9月角川書店刊)を読みました。「銀河鉄道の父」もそうだったけれど目の前で分解してそれをもう一度組み立てなおして見せてくれるような一冊です。銀閣が銀色ではないと知ったのはいつだったのだろう。資金がないから銀箔を貼れなかったという都市伝説まがいの話もあったなぁ。そんな銀閣と足利義政が描かれます。金閣を建てた足利義満を祖父に持ちくじ引きで将軍になったという足利義教を父に持つ義政はもともと傀儡であることを求められていたこともあって「文事を以て政事に立ち向かう」ことにした。権力というのは世に残らない。世に残るのは文事だ。義政は銀閣が唯一無二のものとして世に残ることを実現しようとした。例えば畳。雛人形はなぜ畳の上に座っているのだろうか?それは寝殿造が...銀閣の人

  • ヤービの深い秋

    あたたかい日が続いて(もう初雪も降ったのに)ベニバナイチゴの花が咲いています。「ヤービの深い秋」(梨木香歩著2019年8月福音館書店刊)を読みました。「岸辺のヤービ」の続編です。表紙に描かれているモコモコした小さな生き物がヤービでも小さなものたちの世界だけが描かれているのではなくて人間も登場する。人間たちの世界はサニークリフ・フリースクールの教師をしているウタドリさんのいる寄宿制の学校の世界。といってもヤービたちとの交流はウタドリさん1人の秘密。ウタドリさんは窓に合図があると「麻糸と小枝で作った縄ばしご」を下げて小さいものたちにカミツレのお茶をご馳走したり学校近くの川にボートを浮かべているときに小さいものたちが現れたりする。ヤービはお父さんとお母さんと暮らしている。木に登って風の通り道を感じるヤービにお母さんは...ヤービの深い秋

  • 八月の銀の雪

    ウールのコートを着た人が増えてきました。「八月の銀の雪」(伊予原新著2020年10月新潮社刊)を読みました。(待っていた)伊予原新の新作です。八月の銀の雪海へ還る日アルノーと檸檬玻璃を拾う十万年の西風の5編入り。相変わらずの理系(やや)ミステリ。ウンチクが美味しく読めるという点で川原泉(漫画)にも匹敵すると言っては失礼かもしれないけれど。「八月の銀の雪」は、人と話すのが苦手で就活に苦戦している堀川がコンビニの店員のベトナム人の女性・グエンと知り合い「インゲ・レーマン」という地震学者の話を聞く。インゲは1936年に地球の中心に「内核」があることを提唱した。地震波は地殻、マントル、外核、内核の境目で反射して地表に届く。地震波を観測してインゲは核の中に、もう一つ何かがあると考えた。液体の中に、さらに固体があるのではな...八月の銀の雪

  • マルジナリアでつかまえて

    NHKの「趣味どきっ・本の道しるべ」で紹介されていた「マルジナリアでつかまえて」(山本貴光著2020年7月本の雑誌社刊)を読みました。マルジナリア?語源はマージン(余白)本の余白に書き込みをすることらしい。余白に書き込みをしながら読むことの歴史はけっこう古い。例としてあげられているのはモンテーニュフェルマー現代では夏目漱石石井桃子夏目漱石などは原書の「ジェイン・エア」を読んで寄宿舎の先生に怒って「bad,bad,bad,badman!」と書き込んでいる。フェルマーが「算術」という本に書き込んだ「これについて私はまことに驚くべき証明を発見した。この余白はそれをとらえるには狭過ぎる」は後の数学者たちに「フェルマー予想」という課題を遺した。石井桃子は自分の翻訳した児童書の余白にびっしりと改稿を書き込んでいる。研究者や...マルジナリアでつかまえて

  • 幻のアフリカ納豆を追え!

    初雪が降りました。「幻のアフリカ納豆を追え!」(高野秀行著2020年8月新潮社刊)を読みました。「追え!」というだけあって、さながらミステリのようです。前著「謎のアジア納豆」(読んでいませんが)でアジアの納豆事情を調べた筆者は今度は西アフリカに出かける。「日本人は食事の支度に時間をかけ過ぎる」と言われるけれどアフリカの人たちの「食事の支度」は、その比ではない。コメは時短食品だと思われているくらいだ。(それまで主食だったヒエやモロコシは煮たあと臼で搗くという重労働が必要になるがコメはすぐに食べられる)では納豆は?結論から言えば納豆はあった。大豆ではない他の豆(的なもの)で作られる納豆が。パルキアという木の実ハイビスカスの実バオバブ(!)の実で作られた納豆が。バオバブの場合石で殻をたたいて割り、実をとる(果肉と種が...幻のアフリカ納豆を追え!

  • この本を盗む者は

    山は初冠雪。深緑野分の久々の新作が出たので読みました。「この本を盗む者は」(2020年10月角川書店刊)見たこともない世界(ヨーロッパの戦場とか)をリアルに描く技を持ったひと深緑野分の新作は今回も見たこともない世界が舞台本の町・読長町という所だ。休日になると本好きの人たちでにぎわう大通りには赤色に塗ったドアと青い看板のかわいらしい絵本専門店スロープ付きバリアフリーのブックカフェ大手書店を退職した書店員が開いたしゃれた新刊書店昔ながらの古書店翻訳小説を主に扱う古書店小説家の書斎を改装した喫茶店などが軒を連ねる。そこにあるのが御倉館だ。主人公深冬(みふゆ)の曽祖父が開いた図書館で祖母たまきが引き継ぎ今は父あゆむと叔母ひるねが守っている。しかし深冬は読書はしない。高校1年生だけど友達といえる友達もいない。ある日、御倉...この本を盗む者は

  • その裁きは死

    秋の長雨?のようです。テレビドラマ「刑事フォイル」の脚本家ホロヴィッツのミステリホーソーン・シリーズの新作が出たというので読みました。「その裁きは死」(ホロヴィッツ著2020年9月東京創元社刊)です。退職した刑事で、時々警察の捜査を手伝っているホーソーンとホーソーンの捜査を実録モノのミステリにしようとしている(出版社と3冊の契約を結んでいる)作家のホロヴィッツのコンビが主人公のミステリです。ひとり暮らしで(妻子は別のところに住んでいる)プラモデルを作るのが趣味で読書会に入っている無愛想な五十男ホーソーンをホロヴィッツはなんとか知ろうとするもホーソーンは自分のことは語らない。前作「メインテーマは殺人」のパターンを踏襲するならば秘密主義のホーソーンは頭の中で推理を組み立てホロヴィッツには話さないのでホロヴィッツは自...その裁きは死

  • 楽園の烏

    冬の前のひとやすみといった気候です。「楽園の烏」(阿部智里著2020年9月文藝春秋社刊)を読みました。前作から3年八咫烏(脚が3本あるカラス)の世界では20年が経っている。今作の主人公として出て来たのはギャンブルが趣味の煙草屋の主人ワカメのような髪に無精髭眠そうな垂れ目の安原はじめだ。???(この主人公で行くの?)はじめは養父から山を相続する。そして現れた「幽霊」と称する美しい若い女にその山に連れて行かれる。山にいた八咫烏の一族を統率するのは前作では少年だった雪哉。今は博陸侯雪斎という名で中年になっている。雪斎の配下の頼斗という少年を案内にはじめは雪哉の構築したシステムによって成る八咫烏の世界を見て歩く。階層が出現している世界。なぜ、雪哉はこういう世界を創ったのか……誰にそって読んでいけばいいのか……頼斗に見え...楽園の烏

  • 思い出したようにシレネが咲いています。「類」(朝井まかて著2020年8月集英社刊)を読みました。類は森鴎外の三男の森類。林太郎という名前で苦労した鴎外は子供たちに外国人でも発音しやすい名前をつけた。於菟、茉莉、不律、杏奴、類。オットー、マリー、フリッツ、アンヌ、ルイというわけだ。(漢字の意味の方には無頓着だったらしい)その類の生涯が描かれている。於菟は先妻の子で大変優秀だったので後妻の志げは何とかして類を「優秀」にしようとするが類は下手をすると落第してしまいそうな成績だ。志げは類に検査を受けさせるが脳には何の異常もないという。「死んでくれないかしら……」と呟くほど志げは追い詰められる。やっと入学した中学を中退して類は姉の杏奴のお供としてパリに渡る。一緒に絵を習っていても凡庸な類と違って杏奴の絵には誰もが目をとめ...類

  • 念入りに殺された男

    あたたかい日が続いています。「念入りに殺された男」(マルポ著2020年6月早川書房刊)を読みました。ミステリです。主人公のアレックスは40才フランス北西部の小さな村でペンションを営んでいる。(客はごくわずか)夫は高校の教師で2人の娘がいる。人と接することが苦手で娘たちの学校の送迎も、すべて夫に任せている。40才の誕生日の夜アレックスはペンションに客として滞在していた作家のシャルル・ペリエに乱暴されて石で頭を打って殺してしまう。ペリエが出立したと夫に告げて遺体は土を掘って埋めその上に堆肥を被せた。腐敗を早くするためだ。アレックスは家を出る。髪を切り、染めて、今までに着たこともないような服を買う。以前ペンションに来た客が忘れていった保険証を使ってエレオノール(レオ)と名乗ることにする。パリに行きペリエが密かに借りて...念入りに殺された男

  • キリン解剖記

    道端のアジサイの葉が紅葉しています。「キリン解剖記」(郡司芽久著2019年8月ナツメ社刊)を読みました。キリンのぬいぐるみが好きだった小さな女の子が動物園でキリンの前をいつまでも離れない小学生になって大学に進んでキリンの研究者になる話です。キリンの研究をするためにはキリンを解剖しなくてはならない。と言っても郡司さんが初めて解剖したのはコアラ。「解剖されている動物たちは病気や寿命、事故などで亡くなってしまった個体で解剖のために殺されたわけではなかったのも罪悪感が湧かなかった一因かもしれない」「知的好奇心が刺激され満たされていく気持ちよさが脳内いっぱいに広がっていった」というスタートがその後の研究生活を決定づける。キリンなんて滅多に解剖できないのではないかと思うけど実際は10年間で30頭のキリンを解剖している。時に...キリン解剖記

  • 本の道しるべ

    NHKの「趣味どきっ」の今年の秋の番組が「こんな一冊に出会いたい本の道しるべ」第1回を見てついついテキストを買ってしまいました。取り上げられているのは平松洋子矢部太郎渡辺満里奈祖父江慎橋本麻里穂村弘飛田和緒坂本美雨の8人パートナーと合わせて5万冊の本と暮らすための家を建てて図書館のような家で生活しているという橋本麻里。大きなテーブルのある閲覧室で新しく買った本を分類しそこで食事もするマルジナリア(本の余白に自分なりの読解を書くこと)という読み方をオススメしている。ブックデザイナーの祖父江慎は3つの本を追いかけていて新しく出版されるとすぐ買うという。3つは「ピノキオ」と「坊ちゃん」と「南総里見八犬伝」「坊ちゃん」は豆本まで持っている。歌人の穂村弘はめずらしい本を集めている。装飾用の羽を透明な袋に入れて貼り付けてあ...本の道しるべ

  • ねなしぐさ 平賀源内の殺人

    肌寒くなってきました。「ねなしぐさ平賀源内の殺人」(乾緑郎著2020年2月宝島社刊)を読みました。安定の品質・乾緑郎の作で平賀源内が主人公でミステリと来たら読まずにはいられない。冒頭は平賀源内が目覚めると隣の部屋が血の海になっていて源内が下手人として捕らえられるというシーン。そこからその日までの源内の暮らしが綴られる。とにかく何にでも興味を持ち何でも出来る。長崎で手に入れた「ゑれきてるせゑりていと」(エレキテル)を何となく修理して静電気発生装置にして見世物にする。「タルモメイトル」(温度計)をひと目見て原理を見破り同じものを作ってしまう。語学も達者で蘭語を読み(杉田玄白に「解体新書」の翻訳に加わらないかと誘われる)蝦夷の言葉の辞典のようなものも作ってしまう。医者でもある。鉱物にも詳しく山師としてひと山当てること...ねなしぐさ平賀源内の殺人

  • 本の読める場所を求めて

    十五夜なのでススキを買いました。(近くの空き地にも生えているのに)「本の読める場所を求めて」(阿久津隆著2020年7月朝日出版刊)を読みました。本の読める場所?不思議なタイトルに惹かれて手に取りました。読書人口が減っていると嘆いている偉い人に筆者は言う。読書って娯楽でしょう読むも読まないも自由じゃないですか?(そうですとも。筆者と同じように私も読書は100%娯楽だと思っているので午前中は読まないというルールにしている。(ちなみにテレビも見ない)ブックカフェでもない図書館でもない喫茶店でもない家でもない筆者は「本の読める場所」を求めて歩く。「今日はこの一冊を一気に読みたいなぁ」と思った時カフェでは近くの席の会話が邪魔になる。(そうではない時もある)図書館には飲み物(お酒も)や食べ物がない。家では何かと気が散るし(...本の読める場所を求めて

  • ステラ・モンゴメリーの冒険3 地底国の秘密

    初物の栗を食べました。「ステラ・モンゴメリーの冒険」シリーズの最終巻「地底国の冒険」(ロッセル著2020年7月評論社)を読みました。子供嫌いな3人の伯母さん(お母さんの姉)との暮らしからワームウッド・マイアに行ってやっと手がかりをつかみかけたのに(2巻)ステラは今度はいよいよ寄宿学校にやられることになる。そこは、3人の伯母さんとお母さんも行った学校だった。厳しい規則学年全員が一つの部屋に押し込められている寝室怖い先生たち不味い食事……典型的な寄宿学校の中でステラは2人の女の子と友だちになる。そのうちの1人学年で一番小さいオッティリーがいなくなってしまう。オッティリーが言うにはお母さんが行方不明になったからオッティリーはこの学校に入れられたのだ。オッティリーの「たすけて」というメモを見つけたステラとアガパンサスは...ステラ・モンゴメリーの冒険3地底国の秘密

  • サキの忘れ物

    最高気温が19度という今日。「サキの忘れ物」(津村記久子著2020年6月新潮社刊)を読みました。テントのように立っている本の陰から現れるガゼル(「河川敷のガゼル」)ガラスのポットの中で踊っている茶葉(「喫茶店の周波数」)列を作る人(「行列」)ペチュニア(ペチュニアフォールを知る二十の名所」)……作品に登場するものたちが描かれている表紙を見ているだけで美味しいこの一冊は短編集です。どれもよかったけれど「河川敷のガゼル」がいい。ある日町の河川敷に一頭のガゼルが現れる。大学に行かなくなっていた「わたし」は町で作った300メートルほどの柵の周囲で監視をするアルバイトをはじめる。やがて熱心に通って来て写真を撮りSNSに上げている40がらみの女性と月に一度かふた月に一度来る中学生ぐらいの少年と話をするようになる。ガゼルはど...サキの忘れ物

  • エレノア・オリファントは今日も元気です

    オオデマリが咲いています。「エレノア・オリファントは今日も元気です」(ハニーマン著2020年8月ハーパーコリンズjp刊)を読みました。エレノアは30才。顔に火傷の跡がある。経理の仕事をしていて昼休みにはクロスワードパズルを解きながら昼食をとる。(会話はほとんどしない)部屋の家具は寄付されたもので自分で買ったものはない。週末は本を読み(書店で最初に手に触れたものを買う)ウォッカを飲む。週に一度母親と電話で話をする(毒母と言っていい人)母親はいるけどエレノアは何組かの里親に育てられた。エレノアは曖昧な言葉が分からない。パーティは7時からと言われたら7時きっかりに行き(少し遅れて到着するのが礼儀?)手ぶらで来てねと言われたらその通り手ぶらで行ってしまう。ある日を境にエレノアの生活は変わっていく。若いミュージシャンに憧...エレノア・オリファントは今日も元気です

  • 紅雲町珈琲屋こよみ 初夏の訪問者

    「紅雲町珈琲屋こよみ初夏の訪問者」(吉永南央著2020年8月文藝春秋社刊)を読みました。のんびりした感じの表紙絵とは違っていつもけっこうシリアスな「紅雲町珈琲屋」シリーズ。70代(?)と思われる草(そう)がミス・マープルのように町内で起こるちょっとした事件を解くこれまでとは違ってこの巻では草自身に事件が降りかかって来る。近くのマンションに引っ越して来た「親切な男」が草の息子だと名乗りを上げる。離婚して婚家に幼い息子を置いて来た草はその息子が事故死したと知って以来仏壇に向かって「先に逝った息子」に話しかけ続けてきたのだ。その息子が生きていた?草は詐欺を疑う。両親のやっていた店を器と珈琲豆を扱う店に改装した店も賃貸ではないし住む家も自分のものだ。資産と言えなくもない。男はつぎつぎに「証拠の品」を出してくる。分からな...紅雲町珈琲屋こよみ初夏の訪問者

  • あきない世傳金と銀 九淵泉篇

    エアコンなしで過ごせるというありがたい日々です。「あきない世傳金と銀九淵泉篇」(高田郁著2020年9月角川春樹事務所刊)を読みました。3人の夫に先立たれ大阪から江戸に出て来て呉服屋を営む幸第9巻はのっけから妹の裏切りという事件が起こる。大きな資本を手に入れ幸がやっていたのと全く同じ方法で商売を展開していく妹。これまでの描かれ方ではそんな能力があったとは思われなかったけど意外にできるひとだったらしい。加えてもう一つの出来事があって幸の商売は壁に突き当たってしまう。でここから。店の帯結び指南に集まる女たちは決して絹物を好きに買える身の上ではない。お客の中にも半反だけ切り売りしてもらって買っていくひともいる。そんな江戸の客たちと絹物を扱う店の微妙なズレが気になっていたけどどうやらいよいよそのズレが解消される段階になっ...あきない世傳金と銀九淵泉篇

  • カビの取扱説明書

    街の中にヨウシュヤマゴボウを見かけます。(ヨウシュは洋酒ではなくて洋種)「カビの取扱説明書」(浜田信夫著2020年6月角川書店刊)を読みました。カビを見かけるとゾッとする人が多いと思うけど(わたしも)筆者の場合はワクワクする。筆者はカビを拭って(なくても、ありそうな場所を)培養して研究する。時には自分の水虫も(白癬菌)書きぶりは終始カビの味方。表紙にあるようにビールもワインも味噌も醤油もチーズもカビのおかげ。(ということは分かるけれど)毒性は低くよほど長期にわたって食べないと害はない。むしろ吸い込んだ方が害がある。栄養、温度、湿度の3条件が揃うとカビは発生する。むしろ研究すべきは正倉院でなぜカビが生えないのか高松塚古墳で開けるまでカビが生えなかったのはなぜかの方だ。中学生が水筒のカビについて研究したら口のつくり...カビの取扱説明書

  • 引越しなんてしたくない!

    きょうの予報は最高気温22度!「バンダビーカー家は五人きょうだい」シリーズの第1巻「引越しなんてしたくない!」を読みました。第2巻より1年ほど前末っ子のレイニーはまだ4才10ヵ月まだ言葉が十分理解できていないので言い間違いと聞き間違いの面白さがふんだんに盛り込まれる。一番上は12才のふたごのイーサとジェシーバイオリンを弾くイーサと化学が好きなジェシーは全然似ていない。唯一の男の子のオリバーはクローゼットを改装した部屋に住み読書とバスケットに夢中。4番目のハイアシンス(ヒヤシンス)は手芸が好きで141丁目一の内気な女の子だ。一家の住む家の持ち主のビーダマンさんが次の契約更新はしないと言ってきた。年内に次に住むところを探さなくてはならない。もう12月20日なのに……といっても一家は誰もビーダマンさんを見たことがない...引越しなんてしたくない!

  • 庭づくりはひみつ!

    「バンダビーカー家は五人きょうだい」シリーズの2巻目「庭づくりはひみつ!」(グレーザー著2020年6月徳間書店刊)を読みました。バンダビーカー家の兄弟は5人ふたごのジェシーとイーサは13才ちょっと手前唯一の男の子のオリバーは9才ハイアシンス(ヒヤシンス)は7才末っ子のレイニーは5才半4階建ての建物の1階と2階に住んでいる。3階にはジートさんとジョージーさんの夫妻4階には家主のビーダマンさんが住んでいる。しょっちゅう3階に出入りしている兄弟にとってジートさん夫妻はおじいちゃんとおばあちゃんのようなものだ。ある日ジートさんが倒れ集中治療室に入ることになってしまう。兄弟はジートさんのために「何か」をしたいと思う。家と教会の間にある草ぼうぼうの空き地を退院してきたジートさんが楽しめるような庭にするのはどうだろう。庭づく...庭づくりはひみつ!

  • 考えるナメクジ

    「考えるナメクジ人間をしのぐ驚異の脳機能」(松尾亮太著2020年5月さくら舎刊)を読みました。ナメクジというのは比喩でも文学的な表現でもありません。研究者の書いた真面目なナメクジ本です。カタツムリを見かけるとほっこりするけどナメクジを見かけるとゾワっとする。先祖は共通するカタツムリとナメクジ一方は殻を持ち一方は殻を捨てた(進化上)だけなのに……殻は移動に不便だし、目立つ。殻を大きくしていくにはそれなりに材料を摂取しなければならない。乾燥した時には殻の中に引っ込めばいいので便利ではある。殻を捨てたナメクジは移動は楽だし食べ物が少なくても生きていける。でも乾燥には弱い。ナメクジは殻を捨てた替わりに脳を発達させた。明るさを感知して逃走する。(明るい所は乾燥している確率が高いから)苦手な味のものは記憶して以後も避ける。...考えるナメクジ

  • パイド・パイパー

    朝夕涼しくなりました。「パイド・パイパー」(シュート著2002年2月東京創元社刊)を読みました。「虹の谷のアン」の中にアンの息子のウォルターが「笛吹よやって来い」と言うシーンがあったけれどパイド・パイパーというのはその笛吹のこと一般にはそれほど知られていない言葉をタイトルにするあたり今から20年前の本だなぁという気がする。児童書っぽい表紙のイメージを裏切るシリアスな逃走劇です。主人公は70才になるイギリス人の男ハワード息子を戦争で失い何をしても気の乗らない日々の中でふとフランスに釣りに行ってみようかと思い立つ。ホテルの人たちや村人たちに親切にされてようやく元気を取り戻したある日フランスにドイツ軍が侵攻して来たというニュースを聞きハワードはイギリスに戻ることにする。急げば、ほんの1日の旅だ。旅立とうとするとホテル...パイド・パイパー

  • ダーウィンと旅して

    ミズヒキの花がゆらゆらと咲いています。「ダーウィンと旅して」(ケリー著2016年8月ほるぷ出版刊)を読みました。「ダーウィンと出会った夏」(児童書)の続編です。前作で11才だった主人公のキャルパーニアは12才になっている。時は1900年テキサス州の田舎町で7人兄弟の中のたった1人の女の子であるキャルパーニアは父と母から「女の子」であることを求められている。学校以外の時間は縫い物や編み物をし(家政の取り仕切りの見習い)ピアノの稽古をし(人が集まった晩餐の後ピアノを演奏してもてなすのは女の子の大切な役割)17才になったら社交界にデヴューして家柄のよい青年と結婚する……やれやれキャルパーニアは自然科学を研究しているおじいちゃんの弟子としてもっともっと研究したいのだ。ある日キャルパーニアは見たこともない鳥を見つけ観察ノ...ダーウィンと旅して

  • 「罪と罰」を読まない

    「「罪と罰」を読まない」(岸本佐知子三浦しおん吉田篤弘吉田浩美対談2015年12月文藝春秋社刊)を読みました。読んで→語り合うのではなくて読まないで→語り合うそんなことが成立するの?と思って読んだらこれが面白い。まぁ誰にでもできる芸当ではない。(「罪と罰」う〜ん読んだ気はするけれどラスコーリニコフが金貸しの老婆を(計画的に)殺す話だった?くらいの記憶しかない)4人(岸本佐知子三浦しおん吉田篤弘吉田浩美)ともそのくらいで1冊分語り合える。(100ページに1ページくらい読む)のを手がかりに「なぜドスト(筆者)は2人殺す設定にしたのか。第一の殺人は予定どおりとして思いがけない第二の殺人がラスコを六部にわたって悩ませるわけでしょう、たぶん」のように。三浦しおんは言っている。「小説は、読み終わったら終わりではない。余韻を...「罪と罰」を読まない

  • やわらかい砂のうえ

    道道にノラニンジンのレースのような白い花が咲いています。(別名「アン王女のレース」というそうです)「やわらかい砂のうえ」(寺地はるな著2020年7月祥伝社刊)を読みました。何となく見たような絵だなと思ったら表紙絵は漫画家の池辺葵でした。万智子は税理士事務所に勤めている。将来は資格を取りたいと思っているけど今は事務員として勤めている。所長の本田先生(70代?)はお酒も煙草も甘いものも口にしない代わりにめずらしいお茶を見つけてくるのが趣味だ。書類の届け先の円城寺了子に気に入られて万智子は週末だけ了子の店を手伝うことになる。店といってもウエディングドレスの仕立て屋だ。万智子は了子の友人たちとの「あつまり」に誘われる。料理教室をやっている冬とメイクを教えている美華だ。70代と思われる了子と50代らしい2人はずいぶん年が...やわらかい砂のうえ

  • ワイルドサイドほっつき歩け

    暑い日が続いています。「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は少年の話だったけど今度はおじさんの話というのでちょっとためらったけど評判がいいのにつられて「ワイルドサイドをほっつき歩け」(ブレイディみかこ著筑摩書房2020年6月刊)を読みました。誰でも経験するようなことを分析して社会の出来事の中に位置付けていく力がすごい!この人は。筆者の夫が頭痛を抱えながらもなかなか検査を受けないこととイギリスの医療制度(NHS)の話。美容院経営者の妻とハウスハズバンドの夫がブレグジットをきっかけに離婚に至る話。スーパーに勤めながら図書館通いをすることを生きがいにしているおじさんが公立図書館が閉鎖してコミュニティセンターの片隅に居候することになった時に信条を貫き幼児に囲まれて読書しているうちに子供と母親たちの人気者になっ...ワイルドサイドほっつき歩け

  • 後宮の烏4

    「後宮の烏」(白川紺子著2020年4月集英社オレンジ文庫)の第4巻を読みました。舞台は中国のある王朝。皇帝・高峻の妃の寿雪は夜伽をしない烏妃(うひ)という身分で仕えている。銀の髪を黒く染めて黒い衣をまとい(時には男装も)皇帝にもぶっきらぼうな男言葉で話す寿雪。身近に人を置いてはならぬという先代烏妃の遺言に反して今では宦官の温蛍、淡海、侍女の九九少年宦官の衣斯哈らにが仕えているし皇帝高峻や他の妃たちも訪ねて来る。孤独だった寿雪の暮らしに少しずつ彩が加わって来たこれまでの巻とは違ってこの巻ではそれが逆の意味を持って来る。急に相談に来る者が増え烏妃信仰のような空気が後宮に満ちて来たことに小さな違和感を抱く寿雪。皇帝の妃の晩霞と花娘も違和感を抱く。(2人は寿雪の味方)その違和感を解かないうちに事件は起こってしまう。この...後宮の烏4

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