故万波医師の上司として、万波先生を支え続けた、近藤先生は、すでに1980年代に、市立宇和島病院に、病院独自の、『院内移植コーディネーター』を配置し、万波先生…
生体肝移植・人工透析・生体腎移植を乗り越えて社会復帰を果たした夫婦の軌跡をドナーが綴っていきます。
「ダブル移植の語り部」、このタイトルを見て、「どういうこと?」と思われる方がほとんどでしょう。「ダブル移植」には二重の意味があります。 ひとつは、生体臓器移植を一人の人間が2回(生体肝移植と生体腎移植)行っている、という事。もうひとつは、一人の人間が生体臓器提供者、いわゆる「ドナー」となって、2回移植手術を受けている、という事。 これが、「ダブル移植の語り部」という変わったタイトルの内実です。
移植臓器が、心臓や肝臓であれば、移植手術が無事に成功すれば、「いつかはダメになります」などとは言われずに、生涯機能し続ける可能性が高いだけに、この点が、腎移…
「国民病」だとも「生活習慣病」だとも「高齢者増加による必然的な流れ」だとも言われている、糖尿病や高血圧症状が、腎不全患者を増加させ、その増加に重なる現象とし…
今や、糖尿病患者と糖尿病予備軍の合計は、2000万人!5~6人に一人が罹患している、身近な病気となりました。 人工透析導入の原因疾患の順位を見ても、近年は、…
「腎臓」という臓器に、なぜこんなに、移植志願者が集まるかと言えば… 腎臓という、八面六臂の活躍をする臓器は、意外なほど脆く、(私の夫がそうだったように)血流…
実際、私は年に一回、ドナー検査で、腎臓の超音波検査(エコー検査)を、受けていますが、いつも、「代償性肥大が認められる」という、結果報告を受け取ります。肥大し…
家族ドナーが同意してくれて、先行的腎移植を受けられる恵まれた患者も、近年は増加しているようです。 …この『先行的腎移植』という方法は、レシピエントにとっては…
「成功率が80%を超えている」…この数字をどう捉えるかですが、これは、劇症肝炎など、致死率が高く緊急性の高い肝臓病も、含んでの成功率ですから、チャレンジするこ…
実際に、このブログの読者の方の中にも、「生体肝移植のドナーになることが出来て、手術は何とか無事に終わったものの、その後、レシピエントにガンが見つかり、移植手…
そんな思いをしてもなお、「どうしてもドナーになりたい!」と希望したのは、それが、肝不全間近にまで病状が悪化してしまった夫の命を救える、たった一つの救済の道だ…
それに…私はドナーという立場で、夫と向き合ってきたから、痛切に感じるのですが… 「自分の身体から摘出された臓器が、夫の命を救い、夫の笑顔をもたらすことに貢献…
となると…移植者や移植者家族にとっては、次なる心配が出て来ます。それが「免疫抑制剤を服用し続けることによる副作用」です。 移植当事者は、切実です。なにしろ、…
私がドナーになって、夫に肝臓を提供することになり、ギリギリのタイミングで、生体肝移植手術が行われて、夫が生還したのは、2014年4月。…早いもので、あれから…
新聞連載小説として話題になった、「禁断のスカルペル」は、2015年11月に、単行本として、日本経済新聞社から出版されましたが、その後2019年には、文庫化に…
同じ『W移植』という章で、取り上げられている私たちですが、「日本の腎移植はどう変わったか」では、仮名で登場→実話、なのに、「移植医 万波誠の真実」では、実名…
(本の紹介はさらに続きます)中国への渡航移植、人工透析の進歩と諸問題など、日本の移植を巡る社会の変容を、長期にわたる綿密な取材で丁寧にたどり、多くの問題点を…
ここまで、ちょうど、万波先生の3回忌ということもあり、この春に出版された、「移植医 万波誠の真実」という本の紹介をさせて頂きました。 本の紹介ついでに…実は…
ありていに言えば、お人好しの万波先生は、スクープ映像ねらいのNHKスタッフの口車に乗せられて、手術現場にまで撮影が入ることを受け入れたというのが真相です。 …
この小説では、万波先生が、医学界からもマスコミからも、問答無用のバッシングを受ける原因になった『病気腎移植事件』が中核になっているため、18年も前に起こった…
高橋幸春さんは、日本で一番、移植事情に精通したジャーナリストですので、昨日まで私が補足説明してきたことなど、先刻ご存知のはず…それを承知で、万波先生と大島先…
それでも、いくらアップしたとはいえ、残った腎臓ひとつで、2つ分の機能に戻ることはありません。仮に、ひとつの腎臓で、生体肝移植のドナーになれたとしても、肝移植…
肝臓は、切除しても、数か月で元の大きさに戻りますし、肝機能を示す数値も正常値に戻ります。 「だから、肝臓って一つしかないのに、移植できちゃうんだ」と、当時の…
昨日のブログで、「2回目のドナーがOKな場合とダメな場合」という表現をしましたが、ここで少し、補足説明をさせて頂きます。 私は、生体肝移植のドナーになってか…
ひとつだけ、この本の最終場面で焦点になっていた、「W移植の可否」について、私の見解を述べたいと思います。 この小説では「W移植」を、「修復腎(病気腎)移植」…
私たち夫婦は、この本の最終章、「W移植」という章に登場しています。実名で登場しているのですが、内容的には、ほとんどフィクションです。ですが、実名が使われてい…
万波先生も大島先生も、助けてあげられなかった、患者や患者家族に、移植主治医として、どれだけ頭を下げてきたのだろうか?移植医というのは、『労多くして恨まれるこ…
この本で特徴的なのは、万波先生や大島先生の生い立ちや、医師としての経歴やエピソードに関しては、かなりの部分が真実であるのに対して、腎不全患者やその家族に対す…
大島医師が、周囲の医師たちから、変人扱いされたり、あざ笑われたりしながらも、必死になって、腎移植の症例を積み重ねてきた様子を、取材するうちに、…ジャーナリス…
2006年当時、日本移植学会の理事長は、田中紘一医師(京都大学附属病院長で肝移植の大家)でしたが、田中医師は、肝移植専門医でしたから、実質的に、腎移植専門医…
大島先生は、立場としては、2006年に「病気腎事件」と呼ばれる、日本移植学会が激しく糾弾した騒動で、マスコミにもひんぱんに登場した、移植学会幹部のひとりです…
『巨星墜つ』の知らせを聞いた、高橋幸春さんは、「万波誠という、腎移植手術に人生を捧げた医師の生涯を、一冊の本にしたい」と強く思い、今までの取材で積み重ねてき…
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故万波医師の上司として、万波先生を支え続けた、近藤先生は、すでに1980年代に、市立宇和島病院に、病院独自の、『院内移植コーディネーター』を配置し、万波先生…
また、ひとたびJOTに、移植に関する権限を集中させたのなら、JOTが責任をもって、全国の移植施設間を、綿密なネットワークで連結したり、移植コーディネーターを…
…この厚生労働省の改革案の記事を読んだ途端、私は、無性に腹立たしさを感じると同時に、「28年もかけて振り出しに戻っただけ」という空虚さも感じました。 「JOT…
そんな度重なる情けない現状が、明らかになり、JOTの綻びが露呈してしまったので、早急な対応や改革が、求められるようになりました。その結果… 今から半年余り前…
「日本における唯一の臓器斡旋機関」というお墨付きを得たJOTでしたが、1997年の設立以来、28年も経つというのに、移植希望の大半を占める、『腎移植希望者』…
この「9割が生体ドナーによる移植」という現実も、外国ではありえない、日本特有の歪んだ偏りだと言えます。言い換えれば、日本の移植は、家族の下支えによって、かろ…
このトップ記事に対して、日本の臓器移植を牛耳っている方々は、情けないと思わないのでしょうか? 失礼ながら、厚労省の担当者や審議委員の先生方は、移植が進もうが…
こんな当たり前過ぎることに、これまで着手せずに、膠着時間だけを費やしてきた結果、移植医不足や移植専門病床不足、そして、移植前後に必要な、ICUのベッド確保が…
自由裁量が少なく制約の多い中で、日本の移植成功率を、よくぞ、世界のトップレベルにまで、引き上げてくれたものだと、先陣を切って、移植に没頭してきた移植医の方々…
死に瀕して苦しんでいる、臓器不全患者を救うために、『臓器移植』という先進医療分野で、希望に燃えて奔走してきた移植医たちは、JOTの、(全ての権限は、こちらで…
日本臓器移植ネットワークに、臓器移植に関わる、全ての集約・分配の権限を、一元化し、そこに〈公平・公正〉という、錦の御旗を掲げたのならば、臓器移植が速やかに進…
そもそも、万波先生は当時、日本移植学会に、所属していませんでしたから、学会に届け出てお伺いを立てる必要は、なかったそうです。 ですが、移植学会幹部やマスコミ…
これまで何度も、このブログで取り上げてきた、『病気腎事件(正しくは修復腎事件)』に関する、様々な資料を読んだり、厚労省や移植学会の、すさまじいまでの万波先生…
「臓器移植をする・しない、移植を受ける・受けないの4つの権利を、公平公正に尊重します」なんて、今の日本では当たり前すぎて、基本理念として、わざわざ冒頭で、ア…
昨日このブログに記載した、JOTの〈基本理念・価値観〉 なんだかなあ…と思ってしまう、空虚な美辞麗句のオンパレードです。ここに掲げられた、多くの価値観のうち…
【グリーンリボンキャンペーンとは】企業・団体・行政の支援によって、このキャンペーンは運営されていますが、10月の移植普及月間には、以下のようなイベントが開催…
〈グリーンリボン〉という、臓器移植活動のシンボルマーク…実は、ドナーに2度なった私でさえ、グリーンリボンの存在を知ったのは、ほんの数年前でした。その後も状況…
一番手っ取り早く、「私たちは、こんな活動をしていますよ」感を打ち出して、世の中にアピールするには、「恒例イベントを毎年開催すること」が、最適なのではないでし…
自分の家族や身近な人が、人工透析医療を受けていたり、私たち夫婦のように、生体臓器移植手術を受けたお陰で、死の淵から生還し、社会復帰が叶ったりすると、「移植手…
そんな惨状を見るに見かねて、一人の生体肺移植手術経験者が、今回、巨額(5億円)の寄付を、してくれた訳ですが、そのことを、厚生労働省の担当者や、有識者である臓…
〈Rー10 万波誠先生への直訴〉 次は、夫への質問です。 「奥さんが、ドナーになるって、言ってくれたの?」「はい、家内から申し出てくれました」「そう、じゃ、…
〈Rー9 万波誠先生への直訴〉 まず、私の身体状況についての、質問です。 「奥さんは、肝移植のドナーになって、一年は経っているんだね」「はい。一年三か月経ち…
〈Rー8 万波誠先生への直訴〉 翌日届いた、病院事務室からの返信は、次のような内容でした。 この度は、ご相談いただき、ありがとうございます。メールでの状況を…
〈Rー7 万波誠先生への直訴〉 ところが、先日、肝移植主治医から、以下のような猛反発を、受けました。「万が一、何かあったらどうするの?世間が、生体臓器移植を…
〈Rー6 万波誠先生への直訴〉 昨年3月に、肝硬変末期のため、生体肝移植を希望して、都内の大学病院に、緊急入院いたしました。翌月、妻をドナーとして、移植手術…
〈Rー5 万波誠先生への直訴〉 腎臓病に精通した、高齢の医師にとって、私は、受け入れてもらえるドナーなのか。 イチかバチかの、勝負に出ることにして、どんな展…
〈Rー4 万波誠先生への直訴〉 大学病院をはじめとする、大規模病院の硬直性、権威主義。患者の苦しみよりも、自己保身や、病院の評判を、優先する姿勢。 今回、そ…
〈Rー3 万波誠先生への直訴〉 猛烈なバッシングを、繰り返していたマスコミは、この辺りから、手のひらを返したように、万波先生を、良医として、取り上げるように…
〈Rー2 万波誠先生への直訴〉 その後は、当然のことながら、万波先生が、悪徳医師どころか、地位も名声も求めず、四国の海沿いの、過疎化が進む小さな市(宇和島)…
〈Rー1 万波誠先生への直訴〉 「こうなったら、この方にお願いしてみるしかない」と、私はついに、決心しました。 この方とは、愛媛県宇和島市在住の、万波誠(ま…
〈Qー10 主治医の猛反対〉 腎移植を望まないまま、移植自嘲派、あるいは、移植懐疑派になることなど、考えられませんでした。 ただ、ひたすら、「私は、生体臓器…
〈Qー9 主治医の猛反対〉 夫は、生体肝移植を受けなければ、あと半年ほどで、人生の終局を、迎えていたはず。それが…どす黒く固まり、害悪でしかなくなった、自分…
〈Qー8 主治医の猛反対〉 ▽医師はリスク回避を最優先するため、発想がネガティブである。 O医師が、発した言葉は、私の意思とは乖離したものでした。 O医師の…
〈Qー7 主治医の猛反対〉 ▽移植医は、世間の評判を、とても気にしている。 このころ、生体肝移植は、技法が確立してから、まだ、20年足らず。 そのため、O医…
〈Qー6 主治医の猛反対〉 一方、取りあえずの命が担保される、腎臓とは異なり、O医師の専門分野である、肝臓は、末期に、究極の救済方法である、肝移植がなければ…
〈Qー5 主治医の猛反対〉 ▽同じ移植医でも、肝移植医は、腎移植の必要性を、知らない。 以前、別の移植医が、「僕は、肝臓が専門なので、腎臓のことは、さっぱり…
〈Qー4 主治医の猛反対〉 「そりゃ、生き死にに関わる、というのなら、考えるけどね。これが、私の、というか、当大学病院の、方針です」 時間的には、数分間に過…
〈Qー3 主治医の猛反対〉 言葉を挟もうとして、「それは…」と、言いかけたところ、O医師は、「言わないで!」と、一方的に、シャットアウト。 「人工透析は、一…
〈Qー2 主治医の猛反対〉 これで終わり、の流れだったのですが、突然、「腎移植をしたいと、言いに行ったようだけど…」と、例の話の第二ラウンドが、始まりました…
〈Qー1 主治医の猛反対〉 翌月、夫の診察の日、私たちは二人で、大学病院に出向きました。 前回、思い切って、「再び、ドナーになりたい」と、切り出したところ、…