反省点もありました。2日目の昼下がりになると、レシピエントクイズ用紙が、すべて出尽くしたのを理由にして、「今年のNフェスは終了…」と、我々は、声掛けを止めて…
生体肝移植・人工透析・生体腎移植を乗り越えて社会復帰を果たした夫婦の軌跡をドナーが綴っていきます。
「ダブル移植の語り部」、このタイトルを見て、「どういうこと?」と思われる方がほとんどでしょう。「ダブル移植」には二重の意味があります。 ひとつは、生体臓器移植を一人の人間が2回(生体肝移植と生体腎移植)行っている、という事。もうひとつは、一人の人間が生体臓器提供者、いわゆる「ドナー」となって、2回移植手術を受けている、という事。 これが、「ダブル移植の語り部」という変わったタイトルの内実です。
〈Mー2 車椅子での生活〉 退院前日、移植コーディネーターのTさんが、夫の病室に、やって来ました。 「退院後は、毎日、体温を測っていただき、体温が37,5度…
〈Mー1 車椅子での生活〉 「退院は、8月14日」と告げられたのは、その10日前。 退院日までに、決めておかねばならない懸案が、二つありました。一つは、その…
〈Lー5 肝機能は回復〉 しかも、夫の肝機能は、相変わらず、移植前のような、悪い数値が、続いています。 ところが!七月も終わるころから、夫の肝機能が、ぐんぐ…
〈Lー4 肝機能は回復〉 その確信が、少しずつ、不安へと変化していきました。 いつまでたっても、人工透析による、血液浄化時間が、短くならないのです。むしろ、…
〈Lー3 肝機能は回復〉 人工透析が始まって、一か月が過ぎたころ、私には、不安が二つありました。 ひとつは、ダメージを受けた、移植肝臓が、いつ、再生するのか…
〈Lー2 肝機能は回復〉 娘が付き添って、歩行訓練をした時、病室を出て、ニ、三分歩くのは、ソロソロと遅かったのに、「駄目だ、戻る!」と言って、きびすを返した…
〈Lー1 肝機能は回復〉 季節は、すっかり夏。七月に入ると、夫の歩行訓練が、始まりました。 病室・病棟での訓練には、大人用の歩行器。リハビリ病棟での訓練には…
〈Kー8 人工透析を開始〉 座る練習をする一方で、危険な行動をして、事故が、起きないように、夫のベッドの下には、マットが敷かれるようになりました。 このマッ…
〈Kー7 人工透析を開始〉 六月中旬になると、夫を車椅子に乗せ、病室を出て、エレベーター前の、見晴らしの良い所で、しばらく東京の眺望を楽しむ、という日課が、…
〈Kー6 人工透析を開始〉 六月からは、車椅子に乗って、どれだけ座っていられるかが、日々の課題になりました、 最初は、二、三分しか、座っていられなかったのに…
〈Kー5 人工透析を開始〉 「生死五分五分」と告げられた、五月中旬から、半月が経ちました。 相変わらず、移植肝臓は働かず、人工透析は、必要不可欠な医療となり…
〈Kー4 人工透析を開始〉 私に手を上げることなど、一度もなかった人でしたから、管が抜けることを、ただひたすら、そのことだけを、どれほど、直近の希望にしてい…
〈Kー3 人工透析を開始〉 私が病室にいる、数時間だけは、「青い布を取り外し、紐も取っていいですよ」と、言われているのですが、裏返せば、それ以外は、拘束状態…
〈Kー2 人工透析を開始〉 その様子を見ると、振り出し以下に、後退してしまったという、何とも言いようのない、虚無感と、「このまま、廃人になってしまうのでは」…
〈Kー1 人工透析を開始〉 初めての人工透析は、あの悪夢の感染から、一週間後。 夫は、一週間の、ICUでの集中治療を経て、再び、元の個室に戻っていました。 …
〈Jー9 悪夢の細菌感染〉 飛び出していった娘から、二時間後に電話があり、「緑膿菌という、たちの悪い細菌に、感染していて、生死は、五分五分。ここ数日が勝負だ…
〈Jー8 悪夢の細菌感染〉 その後、私は、神仏に祈り続けました。とにかく、夫の最大の危機だと感じたのです。「命が危ない。どうか、助けてください!」と。 夫の…
〈Jー7 悪夢の細菌感染〉 午後五時過ぎに、やっと、移動式のレントゲン検査の機械が、持ち込まれました。この時点で、ドレーンのお掃除により、細菌が、夫の弱り切…
〈Jー6 悪夢の細菌感染〉 夫は、ICUから出て、まだ5日しか経っていません。この時期の、生死にかかわる重篤な症状、それは、急性拒絶反応と感染症です。 病院…
〈Jー5 悪夢の細菌感染〉 私が、もっと騒げばよかったのかもしれません。けれども、ずっと夫を診ている、病院スタッフのほうが、正しい見立てができると、信頼して…
〈Jー4 悪夢の細菌感染〉 私にしてみれば、『一大事発生』の報告だったのですが、病院側の対応は、いつもと同じ。何も動きません。 30分くらいして、待ちに待っ…
〈Jー3 悪夢の細菌感染〉 一時間経ったところで、長男が、「こんな、苦しそうな父親は初めてだ。普通じゃないよ」と言って、退室していきました。 看護師さんが、…
〈Jー2 悪夢の細菌感染〉 術後まもなくとあって、体力もなく、強力な免疫抑制剤を投与されている、夫の体内に、異変が起きています。 病室に入ってきた、若い看護…
〈Jー1 悪夢の細菌感染〉 平成26年5月13日。この日、私は朝から、病院に行って夫に会おうと、決めていました。「よく見聞きしておきなさい」という、虫の知ら…
〈Iー3 入院生活雑記〉 退院当日、夫もちょうどこの日、ICUから、一般病棟に、移されたところでした。といっても、夫の個室には、たくさんの医療機器が、導入さ…
〈Iー2 入院生活雑記〉 一方、ICUに入ったままの夫が、「私を呼んでくれ」と、言っているというので、急いで、ICUに出向くと、夫は、必死になって、赤いマジ…
〈Iー1 入院生活雑記〉 ドナーの術後の食事が、再開し、何日間か空っぽ状態の消化器には、まず、流動食が、提供されました。 古びたプラスチックのコップに、4つ…
〈Hー5 生体肝移植実施〉 つらかったのは、一般病棟に移るまで、水を一滴も、口にできなかったことです。 唇が、カサカサに乾いて、ひび割れ寸前。 麻酔の作用に…
〈Hー4 生体肝移植実施〉 「そう、良かった。良かった」頭が、ボンヤリしていて、それしか言えません。 午前9時に入室した私の、手術終了が、午後4時。夫はその…
〈Hー3 生体肝移植実施〉 思わず、「今、何時ですか」と尋ねました。 「4時ですよ」という返事に、「手術は、中止にならなかったんだ。肝臓は、移植されたんだ」…
〈Hー2 生体肝移植実施〉 平成26年、4月28日。私は、朝から、浣腸の液剤を入れられました。絶食に加え、徹底的に、体内を空っぽにする作戦。 そこへ、娘たち…
〈Hー1 生体肝移植実施〉 ▼次女から、手渡された手紙 お母さんへついに手術の日がやって来たね。この一か月、いや去年の9月から、懸命にお父さんを支えてくれて…
〈Gー5 肝移植手術に向けて〉 入院翌日、ドナーの術前説明が行われました。 ドナーの執刀医は、私の検査画像を、詳細に見ながら、「この手術は、症例が無いので、…
〈Gー4 肝移植手術に向けて〉 いよいよ、ドナーの入院日。私が案内されたベッドは、なんと、夫が前日まで使用していた、ベッドでした。 そのベッドに、横たわり、…
〈Gー3 肝移植手術に向けて〉 他にも、この最終面談で、判明したことが、二つあります。 「肝移植手術の際に、支障があるため、レシピエントと、ドナー双方の胆の…
〈Gー2 肝移植手術に向けて〉 移植手術三週間前になり、手術に向けて、家族と移植医との面談が、行われました。 今回の手術の中心となる、血管外科のO医師は、よ…
〈Gー1 肝移植手術に向けて〉 暦は、四月に入り、大学病院前の桜は、早くも、葉桜になり始めていました。 父親が使用していた、パソコンのデータを、次男が整理し…
〈Fー8 最後の賭け〉 そもそも、「脳死肝移植は、宝くじに当たるようなもの」という現実と、「あと何か月かで亡くなる」という現実を、はっきりと口にした、当の医…
〈Fー7 最後の賭け〉 2・「50%以下ならしません」という言葉に、驚きました。確かに、生体臓器移植は、ドナーの身体損傷を、前提にしています。それゆえ、「イ…
〈Fー6 最後の賭け〉 「メリットは、二つ。お二人の血液型が、同じA型だということ。もう一つは、再発の可能性は、0%だということです」 「先生、移植が成功し…
〈Fー5 最後の賭け〉 「奥さんの肝臓の、主要な管である、胆管と門脈が、二つとも、二本に分かれているので、二本を一本にして移植する、それを、2カ所で行う必要…
〈Fー4 最後の賭け〉 「奥さんをドナーにして、やりましょう。それが一番、現実的です。急いで書類を作って、倫理委員会を通し、スケジュール調整をします」 つい…
〈Fー3 最後の賭け〉 「馬鹿なことを言っちゃいけません。ご主人の今の状態では、空港にすら行けませんよ。仮に、行けたとしても、飛行機に、絶対搭乗させてもらえ…
〈Fー2 最後の賭け〉 「えっ、本当ですか?いえ、今までも、これからも、10代のドナーを、許可するつもりはありません。そのホームページの内容も、知りません」…
〈Fー1 最後の賭け〉 いよいよ、追い詰められた私は、主治医がいる消化器外科に、電話をして、「もう一度、面談をお願いしたい」と、申し出ました。 決定権がある…
〈Eー3 不退転の覚悟〉 時間が切迫する中、私たち家族と、S医師との、再面談が、行われました。 面談室に入ると、「娘たちが、ドナーになりたいと、志願していま…
〈Eー2 不退転の覚悟〉 「昨日、カンファレンス(検討会)で、話し合いましたが、今回、奥さんをドナーにして、移植を行うのはやめよう、という、結論になりました…
〈Eー1 不退転の覚悟〉 春分の日の夕方、一本の電話が、入りました。移植手術主任の、S医師からでした。 「実は今日は、先日のエコー検査で分かったことを、お話…
〈Dー5 肝臓の提供条件〉 その日、私は次女と、雑踏の中にいました。その時、大学病院から、電話が入りました。 「初日の検査は通りました。それで、精密検査をし…
〈Dー4 肝臓の提供条件〉 翌日、長女が「話がある」と、思い詰めた顔で言うので、「何?お父さんのこと」と、訊くと、「私が、ドナーになる」と、言います。 「で…
〈Dー3 肝臓の提供条件〉 直感で、「この35%ルールが、唯一最大のハードルだな」と、思いました。 迷うことなく、至急の検査を、要望したため、すぐに、私のド…
〈Dー2 肝臓の提供条件〉 次に、生体肝移植の説明では、医学書に載っている、ドナー条件に加え、以下のような、驚くべき高いハードルが、示されました。 「生体肝…
〈Dー1 肝臓の提供条件〉 夫に、振戦という、危険なサインが出たこともあり、急きょ、面会の予約が取れました。 もはや、座っていることもできなくなった夫を、タ…
〈Cー3 腹水を抜く〉 「ご主人のこの症状は、肝硬変の末期で、いつ、肝不全が起こっても、不思議ではありません。明日の朝、ベッドで亡くなっているかもしれません…
〈Cー2 腹水を抜く〉 腹水に含まれている、「体にとって大切な成分」も、急激に失われ、夫は、みるみるうちに、やせ衰えていきました。 さて、仕事続行が困難にな…
〈Cー1 腹水を抜く〉 年が明けた、平成26年1月、腹水除去を、願い出ました。 「腹水は、抜いても、数日ですぐまた戻るからね」と言って、勧めなかった主治医で…
〈Bー7 初めての入院〉 一回目の入院から、二か月後、今度は、もっとひどい状態での、入院となりました。 前回の入院時に、処方された利尿剤は、もう、効き目がな…
〈Bー6 初めての入院〉 ペッタンコになったお腹が、再び、ふくれるようになったのは、退院してから、二週間後。 「また、お腹が出てきた」という夫の言葉は、ショ…
〈Bー5 初めての入院〉 当時、16歳で、県外の寮で生活していた、息子の言葉は、利尿剤が効いて、お腹が、ペッタンコになった夫を、見ていた私たちには、「なんと…
〈Bー4 初めての入院〉 ▼次男から、 入院中の夫に届いたメッセージ 病状を聞いたよ。重度の肝硬変らしいね。父は、仕事とも病気とも、青二才の自分には理解でき…
〈Bー3 初めての入院〉 結果は、非代償性肝硬変(もう治ることのない肝硬変)との診断で、即入院。 このころ夫は、まだバリバリ、仕事をしていましたから、病室に…
〈Bー2 初めての入院〉 全身に赤いボツボツが出現して以降、夫は暇さえあれば、ゴロゴロと横になるようになりました。 昼食の休憩時間には、会社から自宅に戻り、…
〈Bー1 初めての入院〉 夫の初めての入院は、平成25年9月。このころ、夫は、北関東の酒類販売会社の経営者として、休みなく働き続ける日々を、送っていました。…
〈Aー4 はじめに〉 それでも、退院後は、日々の外出歩行訓練で、体力をつけ、肝移植から、1年4カ月後、今度は、生体腎移植を受け、人工透析からの離脱を果たしま…
〈Aー3 はじめに〉 早いもので、夫が55歳の時に、「肝硬変非代償期」と診断され、入院してから、6年が過ぎました。 その後、肝硬変の恐ろしさと闘いながら、ぎ…
〈Aー2 はじめに〉 医療関係者からの、紋切り型の、極めて少ない情報の中で、「死ぬしかないのかな。諦めるしかないのかな。医者には逆らえないのかな」と、気弱に…
〈Aー1 はじめに〉 「ダブル移植の語り部」、このタイトルを見て、「どういうこと?」と思われる方が、ほとんどでしょう。 「ダブル移植」には、二重の意味があり…
「ああ、これこそが、失ってみて初めて健康の有り難さが分かるっていうことなんだなあ」…そう、しみじみと感じました。私が、2度のドナー体験で得た、最大の収穫だっ…
ドナー(臓器提供者)という存在は、本当に不思議な立ち位置のままで、手術を受け、入院生活を送ることになります。 身体的には、メスが入り、臓器を切り取られたり、…
大地震後、初めて、断水が解消した家庭の映像で、特に印象に残っているのは、おばあさんが、水道の蛇口に向かって、手を合わせて、お礼を言っていた姿です。…もともと…
それからもうひとつ…読者の方々に私たちのリアルな体験を、知って頂きたい、という思いと同時に、私たち当事者にとっても、2014年4月に行われた、生体肝移植手術…
削っても削っても、減らない様子を見かねた、野村さんが、「ご本人だと、思い出や文章に、愛着があって、なかなか削れないでしょうから、私がお手伝いしましょう」と、…
…こんな経緯で、2016年12月に始めた、「ダブル移植の語り部」ブログ。 本編は、2年3か月にも及び、(というとカッコよく聞こえますが、実際は、単にダラダラ…
(昨日の続き…)(3)移植した肝臓は、その後、敗血症を乗り越え、機能するようになったものの、敗血症によって、突然、急性腎不全になった夫の、2つの腎臓は、その…
若き主治医の、緊迫しつつも、きっぱりとした口調は、夫の命が、危険水域に入ったことを示していました。 「明日の朝、亡くなっているかも…」という言葉を聞いた私は…
【羽ばたき振戦】通常、体内でたんぱく質を分解する過程で生成される、有害物質のアンモニアは、肝臓で無毒化されて、尿素に変わり、尿として排泄される。ところが、肝…
今から思えば(←この表現ばっかり!後悔先に立たずの連続です)自分の意思で身体の制御が出来ない、というのは、大問題だったのです。 「振戦」と言っても、寒くてガ…
生まれて初めて見た、この黒い中華饅頭は、衝撃的過ぎて、今でも、そしてこれからも、忘れることは出来ません。 そんな(腹水過多による)おヘソ周りの異常のことなん…
腹水が、どんどんたまってくると、心肺まで圧迫されるらしく、夫は「心臓が苦しい」と、言うようになりました。 慌てて病院に行って、座っているのも困難な夫を待たせ…
精密検査の結果、病名が判明しました。~肝硬変(非代償期)~もはや元に戻ることの出来ない時期に、入ってしまった、肝硬変でした。 翌日、初めての入院。この時は、…
このように、全身の皮膚に出現した赤紫の斑点や、お腹周りの膨張、そして、食欲不振の常態化、ゴロリと横たわる回数の増加、など、今にして思えば、元凶はすべて、肝臓…
後日談になりますが、近所のおばあちゃんに、この医者のことを話すと、おばあちゃんはビックリして、「あの医者の所に行ってたの!?」「バカ息子だから殺されちゃうよ…
「熊の胆(くまのい)」は、熊の姿がリアルに描かれた、パッケージだったので、子ども心に、その存在は、しっかりと記憶していますし、お腹が痛くなると、『富山の薬箱…
当時の人々、それも、診療所すらない田舎に住む人々にとっては、富山の薬箱は、なくてはならない、セーフティーネットだったのでしょう。 富山の隣の県に住んでいたこ…
さて、肝臓の薬として、よく知られている〈ウルソ〉とは、どのような薬なのでしょうか? 【ウルソとは】ウルソの正式名称は、ウルソデオキシコール酸。肝臓で作られる…
その日、夫は、意外なほどルンルン状態で、近所の内科医院から戻ってきました。夫と、初対面のヤブ医者との会話と言えば… 「肝臓が硬いようなのですが」と、夫が自己…
実は、沈黙の臓器が、悲鳴を上げているのに、夫が精密検査を受けずに、仕事を続行していたのには、それなりの理由がありました。 ひと言で言うなら、「とんでもないヤ…
肝臓は、人間の身体の中で、最も大きな臓器ですし、消化器官としても、絶えず機能しなければならないので、常に、十分な血流が必要だと、言われています。 健常人なら…
ひとつは〈食欲不振〉です。肝硬変が進行すると、食べたものを消化するのに不可欠な、肝臓の助けが、ほとんど無くなるので、常に気持ちが悪く、おなかが空いた、という…
『皮膚の赤紫の斑点』にしても、『腹水』にしても、その時は、肝硬変から生じる症状とは、思いもせずに、皮膚科で処方された薬を、塗り続け、ワンサイズ大きいズボンを…
知らぬが仏、とはこのこと!…「ズボンがきつくなった→中年太り」という解釈で、新しいズボンを購入した私でしたが、実は、その時同時に、「この頃、食事量が、明らか…
すると、皮膚科医は、「白人に多い乾癬の一種ですね」と、事もなげに言って、病名が刻まれているスタンプを、カルテに押し、塗り薬を処方したそうです。 その一連の診…
2024年(令和6年)3月現在から、遡ること10年…2014年(平成26年)3月に、夫の身体は、とうとう、抜き差しならない重篤症状を、発するようになりました…
驚愕の足地蔵尊…『百聞は一見に如かず』ですので、皆さんも、ご覧になって下さい。そして、誰もが感じる、「なぜ、こんなお地蔵さんが?」に関しては、説明板も載せて…
諦めきれずに、駅の時刻表をずっと見ていても、あるはずだった時刻の、列車運行は無く、次の列車は、2時間待ち…代替手段の、バスやSL列車もありません。 年末年始…
行きは、大ぶりの雨でしたが、帰りの赤いミニ列車が、奥大井湖上駅から、始発駅の千頭まで、行きとおなじルートで戻る頃には、天気は、雨から一気に晴れへ。 2022…
それとは異なり、日本で絶えず話題になる、若者の就職先ランキングでは、『経済面での待遇の良さ』や『福利厚生』といった、要は、『給料が高くて手厚い生活支援のある…
この旅行では…都会ではありえない、長い時間、次の電車やバスを待ちました。小銭を握りしめて、寒風の中、電車やバスを待っていました。ボーっと何も考えず、ひたすら…
それにしても…井川線始発の千頭(せんず)駅から乗車した、時代遅れの赤いミニ列車と、車窓に広がる風景は、ゆったりとした時間の流れとも相まって、色々な落とし物に…
奥大井湖上駅周辺で、一番見晴らしが良かったのは、(枯れ草が生い茂った展望所ではなく)駅のすぐ後ろにある階段を、上ったところにある、ログハウス風の休憩所でした…
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反省点もありました。2日目の昼下がりになると、レシピエントクイズ用紙が、すべて出尽くしたのを理由にして、「今年のNフェスは終了…」と、我々は、声掛けを止めて…
来場者の減少に呼応するように、用意したクイズ用紙は、午後2時近くには、全て出尽くし、『クイズに答えて景品をもらおう』イベントは、終了となりました。 我々のブ…
昨日までは、『レシピエントクイズ』に関する説明や、来場者の反応について、記してきましたが、 話はNフェス2024に戻ります。 開場から2時間、お昼頃になると…
また、より詳細な裏事情を明かせば…心臓死後の臓器移植は、『言うは易く行うは難し』のごとく、日常的に遂行するのは、とても難しい医療行為だと言われています。 例…
~脳死と植物状態のイメージがつながっていて、脳死と宣告されても、生き続けるかもしれないと思ってしまう。その思い込みが、脳死下での提供拒否の遠因になっていたら…
昨年の「ドナークイズ」では、ドナーについて、間違った選択肢に○を付ける人は、稀(まれ)でしたから、いかに、レシピエント(臓器を提供してもらう重病患者)という…
「レシートの印字面で、スマホ画面を磨くとピカピカになる」という正解に驚いた出演者が、実際に、レシートでスマホ画面をこすって、その効果を実感する、という番組構…
また、レシート紙は結構頑丈なので、軽く水に濡らしても、すぐに破れてしまう訳ではなく、ゴシゴシこすっていると、鏡面に紙のボロボロがくっつくので、仕上げにそのボ…
ところが、ある日偶然に、「レシートの有効な利用方法を、知っていますか」という文言が、パソコンの画面に表示されていたので、思わず、クリックしました。すると… …
Q1二つ目の選択肢、〈レシートの紙を使って鏡をふく人〉に関しては、馴染みのない方がほとんどでしょうから、少し説明したいと思います。 私たちは普段、買い物をす…
2024Nフェス用に作った、「レシピエントクイズ」は、 Q1 レシピエントってどんな人? A 料理のつくり方(レシピ)を 考える人 B レシートの…
願ってもない熱心な若者が、立ち寄ってくれたことに、感動している私は、真剣に質問してくる相手に、本当はもっともっと、臓器移植の話をしたかったのですが、絶え間な…
一方、このボランティアくんとは対照的な、真摯な若者にも出会いました。 ほとんど全ての来場者は、クイズに答えて、カラークリアファイルをもらうと、去っていくので…
12時になると、お昼休みなのか、学生ボランティアがやって来ました。クイズの紙を渡すと、ボランティアくんは、あっという間に○を付け、「出来ました」と見せてくれ…
大手企業が配っている、立派なお土産に比べれば、ささやかなものなのですが、「景品」という言葉につられて、クイズの紙と○をつけるボールペン、そして、クイズの答え…
もともと、このようなイベントに参加する人は、(企業の勤務予定でやむなくという、勤め人もいるでしょうが)無償で、は勿論のことですが、土・日を費やすことを厭わな…
骨髄ドナー登録は、存命中に連絡が来ますが、マイナンバーカードの下部に、設けられているのは、「もしも、脳死に陥った時には、臓器を提供してもいいよ」という、脳死…
「ホントですか!ありがとうございます」と、応答したものの、続く話になんだか違和感があります。 人懐こい会社員の彼は、「その後、いつ連絡が来るかと思っているん…
生命保険会社2社は、血管年齢測定や、ベジチェック(野菜不足チェック)をして、景品袋を配るようです。 面白い出展内容は、お葬式企業による『納棺体験』や、鉄道会…
今年は2度目の会場準備でしたから、ほどなく準備完了となりました。 夫は、会場に来ている企業人と、名刺交換をしつつ、話の合間に、NPOの宣伝をしているのです…
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〈Kー3 人工透析を開始〉 私が病室にいる、数時間だけは、「青い布を取り外し、紐も取っていいですよ」と、言われているのですが、裏返せば、それ以外は、拘束状態…
〈Kー2 人工透析を開始〉 その様子を見ると、振り出し以下に、後退してしまったという、何とも言いようのない、虚無感と、「このまま、廃人になってしまうのでは」…
〈Kー1 人工透析を開始〉 初めての人工透析は、あの悪夢の感染から、一週間後。 夫は、一週間の、ICUでの集中治療を経て、再び、元の個室に戻っていました。 …
〈Jー9 悪夢の細菌感染〉 飛び出していった娘から、二時間後に電話があり、「緑膿菌という、たちの悪い細菌に、感染していて、生死は、五分五分。ここ数日が勝負だ…
〈Jー8 悪夢の細菌感染〉 その後、私は、神仏に祈り続けました。とにかく、夫の最大の危機だと感じたのです。「命が危ない。どうか、助けてください!」と。 夫の…
〈Jー7 悪夢の細菌感染〉 午後五時過ぎに、やっと、移動式のレントゲン検査の機械が、持ち込まれました。この時点で、ドレーンのお掃除により、細菌が、夫の弱り切…
〈Jー6 悪夢の細菌感染〉 夫は、ICUから出て、まだ5日しか経っていません。この時期の、生死にかかわる重篤な症状、それは、急性拒絶反応と感染症です。 病院…
〈Jー5 悪夢の細菌感染〉 私が、もっと騒げばよかったのかもしれません。けれども、ずっと夫を診ている、病院スタッフのほうが、正しい見立てができると、信頼して…