故万波医師の上司として、万波先生を支え続けた、近藤先生は、すでに1980年代に、市立宇和島病院に、病院独自の、『院内移植コーディネーター』を配置し、万波先生…
生体肝移植・人工透析・生体腎移植を乗り越えて社会復帰を果たした夫婦の軌跡をドナーが綴っていきます。
「ダブル移植の語り部」、このタイトルを見て、「どういうこと?」と思われる方がほとんどでしょう。「ダブル移植」には二重の意味があります。 ひとつは、生体臓器移植を一人の人間が2回(生体肝移植と生体腎移植)行っている、という事。もうひとつは、一人の人間が生体臓器提供者、いわゆる「ドナー」となって、2回移植手術を受けている、という事。 これが、「ダブル移植の語り部」という変わったタイトルの内実です。
〈Xー5 夢のような再生〉 その免疫抑制剤に加え、肝臓薬、胃薬、整腸薬も、処方されていたので、毎日、たくさんの薬を飲む行為だけでも、負担を感じていたはずです…
〈Xー4 夢のような再生〉 水分制限は、解除されただけではなく、むしろ、水分を、たくさん摂取して、移植腎の血の流れを、良くするように、という、それまでとは真…
〈Xー3 夢のような再生〉 こうして、平成27年10月から、夫は、人工透析のない、日常生活を、自宅で送ることが、出来るようになりました。 夢のようでした。 …
〈Xー2 夢のような再生〉 夫は、手術から三週間が過ぎ、拒絶反応とも、感染症とも無縁の、元気いっぱいの入院生活を、送っていました。 このころ、退院の見込みを…
〈Xー1 夢のような再生〉 一方、私が退院してしまったので、寂しいだろうと、長女が、観光がてら夫のお見舞いに、宇和島まで、出向きました。 松山の道後温泉や、…
〈Wー11 患者会との出会い〉 それにしても、わらにもすがる思いでもらった、重度のネフローゼ腎。移植時には、タンパクが、ボタボタ漏れていたのに、移植してしば…
〈Wー10 患者会との出会い〉 野村さんは、①献腎移植→12年間、生着。②生体腎移植→生着せず③修復腎移植→19年経た現在も〈注:2020年時点〉生着という…
〈Wー9 患者会との出会い〉 無事帰宅した翌日から、普段の生活が、始まりました。 当初は、ひんぱんに感じた、(右側の腰あたりに力のかかる動作をしたときの)ピ…
〈Wー8 患者会との出会い〉 一方で、夫は、手術後一か月間は、入院が必要です。それでも、幸福度の高さは、前回の肝移植後とは、比べようもありません。 体内の、…
〈Wー7 患者会との出会い〉 その夜、「個室がいっぱいで、困っている」という話を、先生から聞いた私は、「退院って、出来ないんでしょうか?」と、口にしてみまし…
〈Wー6 患者会との出会い〉 夫はさらに、「それに、移植をしても、移植腎が、廃絶してしまうこともあるし、その意味でも、修復腎は、貴重だよなあ」と、うなずきま…
〈Wー5 患者会との出会い〉 ちなみに、この修復腎移植訴訟の、原告団長は、えひめ移植者の会会長の、野村正良さん。ネフローゼ腎の移植を受けた、修復腎移植者です…
〈Wー4 患者会との出会い〉 なにかあったら、悪く言うのは、「世間」ではなく、「駄目だ」と否定した、当の医師たち。…おかしな話です。 「万が一、なにかあった…
〈Wー3 患者会との出会い〉 「それまで、普通に行われていた、修復腎移植を、心待ちにしていた、患者たちが、突然の、厚生労働省の禁止通達により、次々と亡くなっ…
〈Wー2 患者会との出会い〉 会報を読んだ途端、「いっしょだ!」と、共感する自分が、いました。私たちに向けられた、肝移植医たちの「とんでもない」と、同じ構図…
〈Wー1 患者会との出会い〉 手術後四日目の昼下がり、私は、外来の患者さんが、いなくなったころを、見計らって、院内の散歩に出かけました。 一階奥の、泌尿器科…
〈Vー8 生体腎移植を実施〉 よく、レシピエントを「得るひと」、ドナーを「失うひと」と、対立図式で示している本を、目にしますが、これは、当事者の関係性を分断…
〈Vー7 生体腎移植を実施〉 薬を、決められた時間に、決められた量、飲むことを、「服薬コンプライアンス」と言うのだと、その後、知りました。 この、服薬コンプ…
〈Vー6 生体腎移植を実施〉 夫のお腹に移植された腎臓は、ひとつだけ。しかも、それは、生物学的には、赤の他人の私の腎臓。…それでも、正常値になったのです。 …
〈Vー5 生体腎移植を実施〉 ドナーになる醍醐味は、回復不能な病を抱えた、重症患者の劇的な変化を、目の当たりにして、ともに心から、歓喜の声を、上げられること…
〈Vー4 生体腎移植を実施〉 朝、10時ごろ、ふたりとも同時にICUを出て、個室に戻ることになりました。 夫は、自力で歩き、体重計に乗り、トイレに行けるほど…
〈Vー3 生体腎移植を実施〉 一方、私のベッドには、万波先生の弟の、廉介(れんすけ)先生が、来ました。 「どう?」と、尋ねるので、「大丈夫です」と、答えると…
〈Vー2 生体腎移植を実施〉 一年半前の、生体肝移植手術の時と、まったく同じ質問と、まったく同じ答え。けれども、あの時は、「4時です」と言う返答で、どんなに…
〈Vー1 生体腎移植を実施〉 平成27年9月2日、念願の、生体腎移植の日。 手術は、午後からなので、11時半ごろ、ふたりとも歩いて、別々の手術室に、入りまし…
〈Uー6 旅行気分の夕食会〉 その夜、手術前夜だというのに、普通に、夫の病室で、夕食を楽しめました。夜9時からは、絶飲食です。 それにしても、一年半前の、生…
〈Uー5 旅行気分の夕食会〉 あの時は、「35%ルール」に、苦しめられたっけ。 娘たちは、33%と34%で、ドナー失格。幸い、私が40%もあったから、一度は…
〈Uー4 旅行気分の夕食会〉 続いて、レシピエントへの説明のため、夫が、部屋に入りました。 一時間後に、部屋を出て来ると、「奥さんの腎機能が、ものすごくいい…
〈Uー3 旅行気分の夕食会〉 翌日、夫は、腎移植手術前の、最後の透析を受けるため、7階の透析室へ行っています。 私は、明日の手術に備えて、入浴。いい気分にな…
〈Uー2 旅行気分の夕食会〉 それにしても、ドナーというのは、不可思議な存在です。 △健康なのに、入院する。△「自分の臓器を切除すれば、大切な人の命(あるい…
〈Uー1 旅行気分の夕食会〉 ドナー検査翌日、トンボ返りで、自宅に戻り、一週間後に再び、今度は、腎移植のドナーになるために、私ひとりで、愛媛の宇和島へと向か…
〈Tー7 初めての宇和島訪問〉 医療ミスが、マスコミの話題になると、病院側は、決まって、「二重三重のチェック体制を、しっかりと確立して、今後、こういうことが…
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故万波医師の上司として、万波先生を支え続けた、近藤先生は、すでに1980年代に、市立宇和島病院に、病院独自の、『院内移植コーディネーター』を配置し、万波先生…
また、ひとたびJOTに、移植に関する権限を集中させたのなら、JOTが責任をもって、全国の移植施設間を、綿密なネットワークで連結したり、移植コーディネーターを…
…この厚生労働省の改革案の記事を読んだ途端、私は、無性に腹立たしさを感じると同時に、「28年もかけて振り出しに戻っただけ」という空虚さも感じました。 「JOT…
そんな度重なる情けない現状が、明らかになり、JOTの綻びが露呈してしまったので、早急な対応や改革が、求められるようになりました。その結果… 今から半年余り前…
「日本における唯一の臓器斡旋機関」というお墨付きを得たJOTでしたが、1997年の設立以来、28年も経つというのに、移植希望の大半を占める、『腎移植希望者』…
この「9割が生体ドナーによる移植」という現実も、外国ではありえない、日本特有の歪んだ偏りだと言えます。言い換えれば、日本の移植は、家族の下支えによって、かろ…
このトップ記事に対して、日本の臓器移植を牛耳っている方々は、情けないと思わないのでしょうか? 失礼ながら、厚労省の担当者や審議委員の先生方は、移植が進もうが…
こんな当たり前過ぎることに、これまで着手せずに、膠着時間だけを費やしてきた結果、移植医不足や移植専門病床不足、そして、移植前後に必要な、ICUのベッド確保が…
自由裁量が少なく制約の多い中で、日本の移植成功率を、よくぞ、世界のトップレベルにまで、引き上げてくれたものだと、先陣を切って、移植に没頭してきた移植医の方々…
死に瀕して苦しんでいる、臓器不全患者を救うために、『臓器移植』という先進医療分野で、希望に燃えて奔走してきた移植医たちは、JOTの、(全ての権限は、こちらで…
日本臓器移植ネットワークに、臓器移植に関わる、全ての集約・分配の権限を、一元化し、そこに〈公平・公正〉という、錦の御旗を掲げたのならば、臓器移植が速やかに進…
そもそも、万波先生は当時、日本移植学会に、所属していませんでしたから、学会に届け出てお伺いを立てる必要は、なかったそうです。 ですが、移植学会幹部やマスコミ…
これまで何度も、このブログで取り上げてきた、『病気腎事件(正しくは修復腎事件)』に関する、様々な資料を読んだり、厚労省や移植学会の、すさまじいまでの万波先生…
「臓器移植をする・しない、移植を受ける・受けないの4つの権利を、公平公正に尊重します」なんて、今の日本では当たり前すぎて、基本理念として、わざわざ冒頭で、ア…
昨日このブログに記載した、JOTの〈基本理念・価値観〉 なんだかなあ…と思ってしまう、空虚な美辞麗句のオンパレードです。ここに掲げられた、多くの価値観のうち…
【グリーンリボンキャンペーンとは】企業・団体・行政の支援によって、このキャンペーンは運営されていますが、10月の移植普及月間には、以下のようなイベントが開催…
〈グリーンリボン〉という、臓器移植活動のシンボルマーク…実は、ドナーに2度なった私でさえ、グリーンリボンの存在を知ったのは、ほんの数年前でした。その後も状況…
一番手っ取り早く、「私たちは、こんな活動をしていますよ」感を打ち出して、世の中にアピールするには、「恒例イベントを毎年開催すること」が、最適なのではないでし…
自分の家族や身近な人が、人工透析医療を受けていたり、私たち夫婦のように、生体臓器移植手術を受けたお陰で、死の淵から生還し、社会復帰が叶ったりすると、「移植手…
そんな惨状を見るに見かねて、一人の生体肺移植手術経験者が、今回、巨額(5億円)の寄付を、してくれた訳ですが、そのことを、厚生労働省の担当者や、有識者である臓…
〈Rー10 万波誠先生への直訴〉 次は、夫への質問です。 「奥さんが、ドナーになるって、言ってくれたの?」「はい、家内から申し出てくれました」「そう、じゃ、…
〈Rー9 万波誠先生への直訴〉 まず、私の身体状況についての、質問です。 「奥さんは、肝移植のドナーになって、一年は経っているんだね」「はい。一年三か月経ち…
〈Rー8 万波誠先生への直訴〉 翌日届いた、病院事務室からの返信は、次のような内容でした。 この度は、ご相談いただき、ありがとうございます。メールでの状況を…
〈Rー7 万波誠先生への直訴〉 ところが、先日、肝移植主治医から、以下のような猛反発を、受けました。「万が一、何かあったらどうするの?世間が、生体臓器移植を…
〈Rー6 万波誠先生への直訴〉 昨年3月に、肝硬変末期のため、生体肝移植を希望して、都内の大学病院に、緊急入院いたしました。翌月、妻をドナーとして、移植手術…
〈Rー5 万波誠先生への直訴〉 腎臓病に精通した、高齢の医師にとって、私は、受け入れてもらえるドナーなのか。 イチかバチかの、勝負に出ることにして、どんな展…
〈Rー4 万波誠先生への直訴〉 大学病院をはじめとする、大規模病院の硬直性、権威主義。患者の苦しみよりも、自己保身や、病院の評判を、優先する姿勢。 今回、そ…
〈Rー3 万波誠先生への直訴〉 猛烈なバッシングを、繰り返していたマスコミは、この辺りから、手のひらを返したように、万波先生を、良医として、取り上げるように…
〈Rー2 万波誠先生への直訴〉 その後は、当然のことながら、万波先生が、悪徳医師どころか、地位も名声も求めず、四国の海沿いの、過疎化が進む小さな市(宇和島)…
〈Rー1 万波誠先生への直訴〉 「こうなったら、この方にお願いしてみるしかない」と、私はついに、決心しました。 この方とは、愛媛県宇和島市在住の、万波誠(ま…
〈Qー10 主治医の猛反対〉 腎移植を望まないまま、移植自嘲派、あるいは、移植懐疑派になることなど、考えられませんでした。 ただ、ひたすら、「私は、生体臓器…
〈Qー9 主治医の猛反対〉 夫は、生体肝移植を受けなければ、あと半年ほどで、人生の終局を、迎えていたはず。それが…どす黒く固まり、害悪でしかなくなった、自分…
〈Qー8 主治医の猛反対〉 ▽医師はリスク回避を最優先するため、発想がネガティブである。 O医師が、発した言葉は、私の意思とは乖離したものでした。 O医師の…
〈Qー7 主治医の猛反対〉 ▽移植医は、世間の評判を、とても気にしている。 このころ、生体肝移植は、技法が確立してから、まだ、20年足らず。 そのため、O医…
〈Qー6 主治医の猛反対〉 一方、取りあえずの命が担保される、腎臓とは異なり、O医師の専門分野である、肝臓は、末期に、究極の救済方法である、肝移植がなければ…
〈Qー5 主治医の猛反対〉 ▽同じ移植医でも、肝移植医は、腎移植の必要性を、知らない。 以前、別の移植医が、「僕は、肝臓が専門なので、腎臓のことは、さっぱり…
〈Qー4 主治医の猛反対〉 「そりゃ、生き死にに関わる、というのなら、考えるけどね。これが、私の、というか、当大学病院の、方針です」 時間的には、数分間に過…
〈Qー3 主治医の猛反対〉 言葉を挟もうとして、「それは…」と、言いかけたところ、O医師は、「言わないで!」と、一方的に、シャットアウト。 「人工透析は、一…
〈Qー2 主治医の猛反対〉 これで終わり、の流れだったのですが、突然、「腎移植をしたいと、言いに行ったようだけど…」と、例の話の第二ラウンドが、始まりました…
〈Qー1 主治医の猛反対〉 翌月、夫の診察の日、私たちは二人で、大学病院に出向きました。 前回、思い切って、「再び、ドナーになりたい」と、切り出したところ、…