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Pas de Quatre http://pasd124.blog.fc2.com/

花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。

読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。

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2017/02/11

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  • 流砂の如く・・・ 100

    まさか、こんな場所でつくしに会えるとは思わなかった。だが手放しで喜べる状況ではなく、やはり俺たちの間には邪魔が入っていたと言うこと・・・それが美涼には違いない。でもそれをストレートに美涼にぶつけるのはまだ早い。つくしの様子もおかしかったし、行動を起こすのは2人で全部を話し合ってからでも遅くはない。それに、あの時は躊躇った俺の「秘密」もつくしに話したい・・・そうすれば、もう俺には怖いものはない。万が一西門...

  • なんでも屋の業務日誌・54

    惺さんの車は、あの日見たアウディ。でも右ハンドルだったから助手席の違和感はなかった。ただ花沢さんと違うのは、ずっと喋ってること。多分ここからすぐだろうに、その間も天気のこととか電車のこととか、この1週間のお爺ちゃんのこととか・・・「花沢の総務部って何人ぐらいいるの?」「えっ?!」「DX推進とかでさ、総務の業務環境ってすごく変わってくれるでしょ?業務範囲が広い総務部門は課題が山積みだって聞くけど、花沢っ...

  • 流砂の如く・・・ 99

    総二郎に婚約者の妊娠のことを聞いたんだけど、その時の彼はすごく驚いた顔で私を見た。それに「誤解させられていることは判った」って・・・・・・誤解って、どういうこと?あの写真のホテルにも総二郎は「仕方なく出掛けた」って言ったけど、それにしては彼女はすごく嬉しそうだった。総二郎の髪を触ったりしてた。嫌いな人なら絶対にそんなことさせないと思っていたけど・・・?「つくし・・・・・・やっぱり時間が少なすぎる」「え?」「この...

  • なんでも屋の業務日誌・53

    <西門邸>「はぁ?!俺のハーレーを?!」「うん。今日1日で良いから」「期間の問題じゃねぇよ💢お前、俺がどれだけバイクを大事にしてるか知ってるよな?!」自宅を出てからまず向かったのは西門邸。ここで幼馴染みである総二郎にバイクを貸してくれと頼んだらこの有様・・・でも、こいつの怒声は聞き慣れてるからどうってことない。だからもう1回、「古いのでも良いよ?」って言ったんだけど・・・「そもそもだ、類!お前、大型バイ...

  • 流砂の如く・・・ 98

    総二郎の視線が私の左手に向いた。その瞬間、結婚指輪に気がついたけど・・・それを隠すのが精一杯で外すなんて無理。同時に私も彼の左手を見たけど、そこに指輪はなかった。よく考えたら着物を着てるんだから仕事だろうし、お茶会なら指輪はしないはず・・・だからこの人が結婚指輪をするのは完全なプライベートの時だけだと思った。時間は15時20分・・・・・・一颯のお迎えもあるし、どうしようかと悩んでいたら・・・「何分あるんだ」「え...

  • なんでも屋の業務日誌・52

    その週はあっという間に過ぎた。今日は土曜日で、今から上野に向かう・・・百合子さんに会うんだから、少しだけ綺麗な格好しようと思って、花沢さんに買ってもらった水色のワンピを着ることにした。**月曜日、お爺ちゃんから本当に50万円のボーナスをもらい、その分一生懸命おかずを作って冷蔵庫に詰め込んだ。水曜日は曇りだったから、お爺ちゃんの2人で庭の木に水やりをした。とにかく広い庭だから屋外水道もいくつかあり、そこ...

  • 流砂の如く・・・ 97

    「すごい雨・・・こんなに酷くなるとは思いませんでしたわね~」「夕方には止むそうですよ。ご家族とのお食事の時は移動も楽だといいですね」「本当に・・・そうだといいんですけれど・・・・・・」そんな会話をしながら葛飾に向かって走り、支部長夫人が予約しているホテルに近づいた。晴れているなら路肩に停めても良かったのだが、それが出来るような天気じゃない。だから弟子にホテルの地下駐車場に入るように言い、そこで夫人を降ろすこと...

  • なんでも屋の業務日誌・51

    日曜日は新しいスニーカーとエプロン、そして冷却タオルの追加分と庭履きのサンダルを買いに行った。お爺ちゃんにサンダルは危険だけど、少しでも外に出ようと言う気になるためにも履きやすいものは必要だと思ったから。テラスにも置いてたけど、もう古くなってボロボロだったし。アウトドアサンダルは「どこで履くか」考えて形状を選ぶといいんだって。着脱が簡単な「クロッグタイプ」、岩場での怪我を防ぐ「シューズタイプ」、水...

  • 流砂の如く・・・ 96

    京都から戻った翌週は、千葉県の松戸市で講演会が予定されていた。その講演会には孝三郎が行く予定だったのだが、こいつが流行の感染症に罹ってしまった。どうやら茶道教室に来る生徒の中に感染者がいたらしい。その報告を受けて検査したところ、陽性だった。つまり、孝三郎には自覚症状はなかったということ。本来は自宅で安静にしておけばいいのだが、うちには脳梗塞を患った親父がいる。万が一にも親父が感染しないよう、孝三郎...

  • なんでも屋の業務日誌・50

    万里子さんに会いにいく・・・それは来週の土曜日になった。土曜日ならお爺ちゃんのところにも行かないし、惺さんも仕事が休みだから。その時は私のアパートまで迎えに来ると言われたけど・・・花沢の社員があんなオンボロなアパートに住まないよね?「それはちょっと・・・・・」「婆ちゃんのカフェ、駐車場がないんだよ。それに2台で行って迷子になるの、困るでしょ?」「ん~~~~、じゃあ上野駅で待ってます」「・・・了解。じゃあランチを...

  • 流砂の如く・・・ 95

    お袋達は予定通り帰宅し、その数日後、親父も検査入院を終えて戻ってきた。そしてまた6人で囲む食卓・・・こうなると会話はお袋と美涼が中心になり、俺は光翔に箸の使い方や食い方などを教えるのに集中していた。「本当に驚いたわ~、坂下様のところ、4人目のお孫さんですってねぇ~」「4番目は待望の女の子だったとか・・・良いですわねぇ」「西門にはしばらく女の子が生まれていないのよ。美涼さん、期待してるわよ!」「お義母様っ...

  • なんでも屋の業務日誌・49

    「爺ちゃんが買い物に行ったなんて、婆ちゃんが聞いたら喜ぶだろうな~」「お婆ちゃんって・・・別れた奥さんのことですか?」「うん。婆ちゃんも必死だったんだ・・・爺ちゃんの身体を心配して」あれ?離婚した奥さんって、お爺ちゃんの我儘に我慢できなくて出て行ったんじゃなかったの?身体を心配して必死になってたって話は聞いてないけど・・・そう思って「詳しく聞いても良いですか?」って言うと・・・「えっ?!大恋愛&大反対の末の結...

  • 流砂の如く・・・ 94

    それからまた3ヶ月が経ち、そろそろ梅雨も終わるという頃・・・親父が少し体調を崩し、大事を取って入院することとなった。とは言え、脳梗塞の再発とかではなく、夏風邪をこじらせたような感じだ。それでも万が一のことがあると大変だと、ついでに諸々の検査もしてもらう事となった。この時お袋は後援会婦人部の慰安旅行があり、入院の前日に3泊4日で北海道に行く予定。これには美涼も付いて行くことになっていて、光翔の面倒は志...

  • なんでも屋の業務日誌・48

    「はい、お姉さんご注文の牛すじ大根、もつ煮込み、手羽揚げの甘辛だれ、和風ツナマヨポテトサラダ!まずはこれだけですけど、そのほかの料理はもうチョイ待ってくださいね~~」「うわぁ~~~!美味しそう~~♪」「・・・もう少し小さな声でお願いできないかな」2人掛けの席だからそんなに広くないんだけど、そこに並べられた料理🧡思わず万歳しそうになるぐらいの良い香りで、その前にゴクッとビールを流し込んだ。それから牛すじ...

  • 流砂の如く・・・ 93

    桜の花が散り、まだ葉桜とも言えない頃・・・この季節から茶会は多く、俺は都内の寺で講話と薄茶会をしていた。その寺は後援会会長の友人が住職をしており、毎年のように茶会を開く。親父が倒れる前は親父の仕事だったのだが、あの翌年からは俺が引き継いだ。「お小さかった総二郎様ももうお父様ですか・・・いや、時間が経つのは早いものですなぁ」「時間が経つのが早いのは 楽しいこと、毎日が充実している証拠だそうですよ。逆に苦し...

  • なんでも屋の業務日誌・47

    この道をまっすぐ行くとJRの駅・・・その辺りに居酒屋があるのかな~と鼻歌交じりでワクワクしていた。その時、すれ違った人から「あれが彼女かなぁ?」「なんだか不釣り合いだよね~」って聞こえて・・・クルッと振り向いたらサッと視線を外された。もしや、今の言葉は私達のこと?そう思って惺さんを見たけど・・・・・・確かに不釣り合いかも。でも私たちは恋人じゃないし、勘違いに腹を立てても仕方がない。だから気にせず、それからは前だ...

  • 流砂の如く・・・ 92

    「いっく~~~~ん!ママが迎えに来たよ~~」「あ~~~~~い!」マンションの近くにある保育園・・・まだ桜の花が残ってる園庭の隅で遊ぶ一颯。今日はこの子の3歳の誕生日で、この保育園には今年から通っている。3歳未満児のクラスの中では大きい方で、サラサラらした黒髪は私譲りだ。私の姿を見ると嬉しそうに横を通りすぎ、「まっててね~」と言いながら窓から教室に入って荷物を取りに行った。その間に私は担任の先生に挨拶...

  • なんでも屋の業務日誌・46

    当初の予定から遅れて、今は17時15分。ここで執務室から惺さんに電話することになった。「そう言えばさっきの電話って・・・」「あぁ!相手を見てなかったんですよね~」そう言ってスマホの電源入れて、さっきの着信相手を確認すると・・・昨日登録したばかりの惺さんだった。それを花沢さんに言うと、「ふぅ~~ん」って素っ気ない返事。取り合えず、さっきは打ち合わせ中だったことにして、仕事が終わったことを伝えることに。少し...

  • 流砂の如く・・・ 91

    光翔が生まれてから3年がすぎた。今年も桜の花は美しく咲き、野点は多くの客で賑わった。その野点が終わり、客達が帰る頃、本邸の方から走ってきた光翔・・・「父さま~」という甘ったるい声は客の顔を緩ませた。そして後ろから現れた美涼はすっかり西門の次期家元夫人として認識されており、客達はあっというまに彼女の周りに集まった。「若奥様、お元気そうで」「はい、おかげさまで・・・子どもがはしゃぐので会場に出ず、失礼いたし...

  • なんでも屋の業務日誌・45

    「ところで、どうしてソファーで?それに企業パンフレットなど出してどうしました?」「・・・・・・・・・・・・」「しかもそれは今年の新卒採用パンフレットじゃないですか。そんなもの、専務が見るなんて・・・なにかあったんですか?」「・・・これは・・・・・・そう!友人の弟がうちに入りたいらしくて、それでね!」藤本が変な質問をして来たとき、俺の横に牧野の鞄がある事に気がついた。幸いにも藤本からは死角・・・だから気付かれないように片手で...

  • 流砂の如く・・・ 90

    陣痛が始まったとはいえ、それはまだ間隔がある。だから公園を出る頃には一旦落ち着き、部屋に戻ったらすぐ病院に電話した。産婦人科は日曜日でも対応してくれるので、すぐに来るようにとのことだった。その電話の最中に篤志さんは私の入院グッズを車に運び終えていた。部屋は粗方片付けていたけど、干していた洗濯物を取り込んで・・・「つくし、そんなことは俺があとでやるから!」「え?あぁ、うん・・・よろしくね」「忘れ物はない?...

  • なんでも屋の業務日誌・44

    花沢さんに「これ読んでおいて」って言われたパンフレット・・・それを見てる間、彼は自分のデスクで仕事をしていた。休日だからノーネクタイだったけど、いつも見る顔とは違って真剣そう・・・(←実は眠たい)こんな素敵なおじ様と美人のおば様の子どもなら、イケメンで当然か・・・と思ったり。外で見ると天然過ぎてビビるけど、仕事してる姿はなかなか///カタカタカタカタ・・・パソコンのキーボード、もしかしてブラインドタッチ?カタカタ...

  • 流砂の如く・・・ 89

    宗家のデカい車の中・・・後部座席で痛みを堪えている美涼。俺は形ばかりの「頑張れ」を繰り返しているだけで、こいつの背中を擦ってやるなんて事は出来なかった。美涼もそんなことは期待してないみたいで、ただ腹を抱えて歯を食いしばる・・・その時にも俺に何かを頼むような素振りはなかった。これを薄情と言うのか・・・そのつもりじゃなかったにしろ、俺の子どもを産む人に対して、この態度は酷いんじゃねぇのか・・・そう思うが、この手は...

  • なんでも屋の業務日誌・43

    花沢さんに連れられ、通用口からこのビルの中に入った。そうしたらさっき見た正面入り口の内側、エントランスホールに出たんだけど・・・そこは高級ホテルかと思うぐらい綺麗でオシャレだった。大企業のエントランスホールは企業に対する第一印象を左右するため、特に設備やデザインなどに気を配るとは聞いていたけれど・・・洗練されたデザインの受付、壁一面ガの開放的なガラス、観葉植物が点在し、ソファやテーブル、それに大画面モニ...

  • 流砂の如く・・・ 88

    3月になると、それまではあんまり大きいと思わなかったお腹も急に大きくなった。ここに来て一気に体重も増えて、動くのも大変に・・・その変化に篤志さんも驚くばかりだ。予定日は4月8日で、今はもう臨月・・・それも当たり前なんだろうけど、何もかも初めての私は急に怖くなってきた。「こんなに大きくなるもんなんだね・・・・・・やっぱり痛い?」「ん~~~、これを痛いと言うと大袈裟かなぁ?とにかく重くて腰が痛いのが辛いかも」「そ...

  • なんでも屋の業務日誌・42

    翌日の土曜日・・・私は狭い部屋に思いっきり洋服を広げていた。何故なら、花沢さんに「花沢物産勤務の女子社員風な格好で来るように」と言われたからだ。「・・・どうするよ・・・大企業の女子社員の服装なんて知らないし」私が持ってるのは8割が部屋着。2割が通勤着だけど、それも思いっきりカジュアル。なんたって制服もなく、自分が仕事で出るときにはオシャレなんてほとんど必要ない。むしろ汚れることの方が多いんだもん。だからス...

  • 流砂の如く・・・ 87

    三が日が終わると桜井の両親は再び渡米した。そして1月10日から3日間ほど初釜式が行われ、その亭主は俺・・・今日はその前日で、宗家全体が準備で忙しかった。初釜とは年が明けて最初に行われる茶会のこと。 茶道における茶会は薄茶のみの気軽な会を意味するが、初釜は茶懐石から濃茶・薄茶まであるフルコース。そして茶道を学ぶ人にとっては1年の稽古初めとなる大切な会でもある。使われる水も元旦の早朝に汲まれた若水を用い、...

  • なんでも屋の業務日誌・41

    「そ、それではお爺ちゃん・・・また来週来ますね~~」「おぉ。例のものはその時にな」「・・・例のもの?」まだ惺さんがいる時、私は花沢さんとこの家を出ることになった。その時に玄関先でした会話・・・「例のもの」にキョトンとしていたら、お爺ちゃんが片手をパーにして私に向けた。それをしばらく眺めていると、花沢さんが耳元で「50」って囁いて・・・5日間連続勤務で50万円のボーナス支給!!それを思い出して心臓がバグン!って飛...

  • 流砂の如く・・・ 86

    『あけましておめでとう~、つくし。あんた、なんの連絡もないけど元気してるの?正月休みもない感じ?』「・・・あけましておめでとう、お母さん。ごめんね、電話もしなくて・・・・・・お正月もバイト入れてんのよ、うちの会社は副業OKだから」『相変わらずよく働くねぇ~!まぁ、元気してるならいいわよ。暇が出来たら顔見せにおいで~』「うん、そうする・・・じゃあ、またね!」この電話は元日の朝9時・・・自分の部屋にいたときにかかって...

  • なんでも屋の業務日誌・40

    「たまにいるよね、1人じゃなにも出来ない男って」・・・そう言ってニヤリと笑い、俺を見る惺。つまり、喧嘩売ってきたってこと・・・でも俺の場合、「売られた喧嘩は心の中で買う」。だから絶対顔には出さない。「売られた喧嘩は買って上等、自らの手で叩きのめす!」ってのは司。「売られた喧嘩は買って上等、頭脳で叩きのめす!」ってのが総二郎。「売られた喧嘩は買って上等、でもバレないように裏で動き、最悪な制裁を下す」のがあ...

  • 流砂の如く・・・ 85

    新しい年になった。元旦には親父の点てた茶を家族が飲むというのが習わしだったので、今年も同じく親父が薄茶を点てた。これは親父が夏に倒れてからは初めての事で、一緒にいるのが身内だけだから・・・親父も多少緊張しながら茶筅を振っていたが、俺たちが想像していた以上に手は動いていた。それに手捌き以外は以前と然程変わらない。親父ならではの空気感に、俺は久しぶりに気持ちが安らいだ。だが本人は不満が残るようで、その表...

  • なんでも屋の業務日誌・39

    門を開けた後で急いで玄関に走った。そうしたらドアの向こうに人影があり、「すぐに開けますね~~」と言ってドアを押す・・・するとそこにはブスッとした花沢さんが突っ立ってて、私を見ると「お疲れ」ってひと言・・・その後、私の横をスッと通って中に入ったんだけど・・・ホントに意味わかんない!「ちょっ・・・急に来てどうしたんですか?」「取り合えず1週間が終わったから、様子を見に来たんだよ」「あぁ、そう言うことですか~~!そ...

  • 流砂の如く・・・ 84

    「・・・・・・これを・・・買ってきたの?」「あぁ、店にあった1番デカいヤツ!」それは12月20日のこと。会社から帰った篤志さんが、両手に大きな箱を持っていた。中身はクリスマスツリーで、2メートル以上ある大きなもの・・・店にあった1番大きなのと言ってたけど、時期が時期だから「大幅値下げだった」と笑っていた。それを夕食後にリビングに広げ、一緒に買ってきたオーナメントもテーブルの上に並べた。そのオーナメントは星やボ...

  • なんでも屋の業務日誌・38

    話し声がしなくなってからドアをノックして中に入ると、お爺ちゃんは丁度スマホをテーブルに戻したところ。そこに生クリームとフルーツてんこ盛りのプリンを置いて、「デザートですよ~」と言うと・・・「おぉ、美味そうじゃな。これ、もうひとつ、出せるかの?」「えっ?(私の分があるけど・・・)、えぇ・・・ありますよ」「そうかそうか、じゃあもうひとつ作って、リビングの方に出してくれるか?」「・・・何方かいらっしゃるんですか?」...

  • 流砂の如く・・・ 83

    入籍を済ませたことはあっという間に後援会の連中や関係各社に伝わってしまった。そうなるとあれこれ聞いてくるのが彼奴ら・・・それまでひと言も教えなかったため、すげぇ怒鳴られた。そして子どもまで出来たことには特に驚かれることはなく・・・・・『次に帰国したときには全部白状させるからな!』と言ったのがあきら。『総二郎が一番はじめにパパになるんだ・・・』と、無感情な声で言ったのが類。司からは連絡がなく・・・・・・それはホッと...

  • なんでも屋の業務日誌・37

    お喋りしながらスーパーに行ったらまずは一休み。そこのスーパーには入り口に小さな休憩所があったから、そこに座ってお爺ちゃんにお茶を飲ませた。足が痛くないかを聞くと、「痛い」と・・・「あそこに自由に使える車椅子がありますけど、借ります?」「嫌じゃよ。誰か使ったかもわからんのに!」「んじゃ自分で歩くしかないですね~~」「・・・・・・・・・むむっ・・・」「若い女の子におんぶしろとか言いませんよね?」「ふんっ!歩けるわい...

  • 流砂の如く・・・ 82

    爺様が京都に帰ってから、俺は再び忙しくなった。だがこの先の厳寒期は茶会が少なくなるため、秋ほどではない。親父のリハビリも順調だったため、弟子の稽古などは出来るようになっていた。もちろん親父が茶筅を持つことはなかったが。そして俺はと言うと、ようやく11月の終わりに新居へと移ることになった。とは言え、棟が変わるだけで荷物も全部自分で運べるし、総てを移動させる気もなかった。これまでの俺の部屋はほぼそのま...

  • なんでも屋の業務日誌・36

    ドタバタの4日が過ぎ、今日は金曜日。私はいつものように事務所に出勤し、事務仕事をしてから篠田邸へ向かうんだけど・・・「牧野さん、顔色悪いけど大丈夫?」「・・・・・・ははは・・・大丈夫です。明日は休みなので頑張ります!」「そお?怪我しないでね」「はい・・・では、行ってきます!」「「「「行ってらっしゃい~~~~」」」」社長や先輩達に見送られ、9時30分になったら裏口を出た。何故こんなに心配されるかというと・・・1日たり...

  • 流砂の如く・・・ 81

    炉開きの茶会も口切りも問題なく終わった。久しぶりとは言え、爺様は何年もこの茶事をしてきたからその所作は見事なもの・・・腕も衰えておらず、創り出す空気感は俺にはまだ出せない。客達も皆満足したようで、親父が倒れた時に抱いたものは杞憂に終わった。それにこの時に俺の子どもが男児だと言う発表もしたため、尚更に・・・だ。この2つの茶事に美涼は欠席。それは妊娠が理由だが、見送りの時にはこの時とばかりに丸くなった腹がわ...

  • なんでも屋の業務日誌・35

    お爺ちゃんの部屋はまだ修理中。ガラス屋さんに聞くと、16時頃までかかると言われたので、今日の勤務は1時間延長することにした。それを社長と、一応花沢さんへもメールで連絡してから、お爺ちゃんを連れてリビングに向かった。いつもは使わないリビング・・・そこが広いから室内運動をすることに。と言っても、このお爺ちゃんは「健康のために運動しよう!」なんて前向きな提案に乗ってくるとは思えないほどの天邪鬼。しかも怪我...

  • 流砂の如く・・・ 80

    紅葉の茶会が終わると、すぐに来る11月。この月は「茶人の正月」とも言われ、炉開きに口切りの茶事という、1年で1番重要な茶会が行われる。この重要な茶事・・・西門流では家元しか亭主をしないのだが、今年は爺様が行い、俺はそれを引き継ぐために稽古をしなくてはならない。何故なら、来年からの亭主は俺だから・・・親父はまだ引退しないが、大きな茶事の亭主は本人が諦めている。今後は親父の指名で俺が継ぐこととなり、今年はそ...

  • なんでも屋の業務日誌・34

    なんやかんや言ってお爺ちゃんはお昼ご飯を完食。「残りは夕方に食べて下さいね」と言って冷蔵庫に仕舞った。そうしたら・・・・・「昼と夜が同じ飯はイヤじゃ」「は?!」「普通そうじゃろ?1日3食なのに2つが同じものだと飽きてしまうわい」「・・・・・・わかりました。じゃあ私が持って帰るので、お爺ちゃんには別のおかず、作ってから帰りますね」「うちの食材を持って帰るのか!?」「じゃあ捨てるんですか?そんなもったいないこと...

  • 流砂の如く・・・ 79

    重陽の茶会が終わって数日後・・・母屋には馴染みの大工が大勢来ていた。それは美涼の部屋・・・つまり、俺たちの部屋の増築と、その周辺の庭の整備。新婚が気兼ねなく住めるようにと、わざわざ生け垣やら竹格子なんかを付けて、周囲から隔離するかのような造りになっていた。気兼ねなく住める・・・それは正解だが、心理的には真逆。仮面夫婦であることを使用人に見られないようにするにはその方が好都合だった。その様子を長廊下から眺め...

  • なんでも屋の業務日誌・33

    「それじゃあ、帰るから」「はい!ホントにお仕事中にすみません・・・・・・もう、お爺ちゃんに怒鳴られてどうしようかと思っちゃって~」「もしも手を出されたら問答無用で帰っていいから」「はい!やり返さないように気をつけます!」「・・・(そういうコトじゃないんだけど)」こんな会話をしながら門まで行くと、そこにはあのはしご・・・伸ばした脚立が倒れてた。花沢さんがそれを折りたたんでガレージに運んでくれたんだけど、その時に...

  • 流砂の如く・・・ 78

    翌日も気怠いまま仕事に向かった。朝から食欲もなく、ほとんど食べてない・・・出産経験のあるパートさんたちが心配して、自分が食べられたものなんかを教えてくれるんだけど、それを試してみようと言う気にもならず・・・でも、有り難く話は聞かせてもらったりして。「私は好きなトマトを食べられなくなったんだよね~。それまでは毎日食べてたんだけど」「逆に今まで苦手だったものが食べたくなったってこともあるよ?私なんて酢の物が...

  • なんでも屋の業務日誌・32

    それから数日後の月曜日、私は気合い入れて自分の車で出勤した。「動きやすい服、スニーカー、念のための絆創膏とメイク道具一式・・・完璧ね!」投げ飛ばされても気にならない服にジーンズ。どこを怪我してもとりあえず止血できる絆創膏。水だろうが汗だろうが、崩れたら即対応の洗顔料から揃えたメイク道具。鞄には替えの服と靴下&下着。・・・バッチリだ♪まずは事務所に行って書類整理や電話連絡などの事務作業をパパッとして、9時...

  • 流砂の如く・・・ 77

    「来週には妊娠4ヶ月になりますね。うん、赤ちゃんは問題ないですが、お母さんは体調が悪いですか?悪阻が酷いのかな・・・顔色が悪いけど?」「・・・そうですね・・・あまり食べられません」「お仕事、してるんでしたっけ?事務員さん?」「・・・いえ、品出しなどの作業です」「あぁ、なるほどね・・・」9月に入り、3回目の妊婦健診に来ていた。その日は特に気分が悪く、赤ちゃんが元気だと言われても笑うことさえ出来ない・・・それがお医者様...

  • なんでも屋の業務日誌・31

    偏屈ジジィ・・・じゃない、篠田浩二さん宅の家事代行業の話が始まった。何故かこれを仕切るのは篠田会長で、本人である浩二さんはブスッとしたまま何も言わない。ついでに私の依頼人である花沢さんも何も言わない。「まずは時間だが・・・週に何日お願いできるだろうか」「そうですね・・・毎日でなくていいのなら月・水・金でどうでしょう?具体的には何をすれば良いですか?」「洗濯はクリーニング屋が来るから良いんだけど、食事の支度...

  • 流砂の如く・・・ 76

    真正面に座る親父には笑顔はない。その横にいる爺様も同じ・・・だがお袋と孝三郎はニコニコしているし、美涼は顔を赤くして俯いている。この雰囲気で聞かされる話は・・・・・・「総二郎、実は先ほど美和子が付き添って美涼さんを病院に連れて行ったのだがな・・・そこで美涼さんが妊娠していることがわかったのだよ」「・・・・・・・・・そう・・・ですか」「予定では来年の4月の終わり頃になるだろうとのことだ」それを聞いて奥歯を噛み締めた。計算す...

  • なんでも屋の業務日誌・30

    「この池を作った時、大型の鯉飼育には水深3mが良いといわれてな。でも今では1mでも良いと言う話じゃったから、そこまで水を入れてないのだよ」「あぁ、それで水面までの距離があるのですね」「大型の鯉は深さより広さだと聞いて、池を拡張したのが3年前でな~」「・・・あの💢!!」「「「・・・・・・・・・」」」俺たちが庭池談議をしているとき、不意に聞こえてきた怒りの声・・・振り向いたら牧野が頭に水草付けてこっちを睨んでて、慌て...

  • 流砂の如く・・・ 75

    イベントから10日が過ぎ、9月になった。まだ暑さは続いているが、この頃から宗家は茶会が増え、毎週末爺様は亭主を務めてくれた。それだけではなく、弟子の稽古に炉開きや口切りの打ち合わせや準備も手伝ってくれて、それはかなり助かった。親父もあれ以来おとなしくリハビリを続け、最近ようやく家元限定の仕事である「免状の発行」などを行えるようになった。茶を点てる動きの方はまだ人前では行わず、自分だけで確かめている...

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