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Pas de Quatre http://pasd124.blog.fc2.com/

花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。

読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。

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2017/02/11

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  • ハズレを引いた男と女・175

    「俺から金を引っ張り出そうと?その1000万、どうするつもりだったんだ?」「・・・・・・・・・それは・・・・・・」「濱崎さん、ヨロシク」「了解です」俺の言葉で濱崎がスーツの内ポケットから出した紙・・・それを高嶋に見せると、初めはキョトンとしていたが、そのうち目を丸くした。そして小さな声で「どうして、これを・・・」と漏らしたのを聞き逃さなかった。つくしは何が何やらサッパリで、俺に「何が書いてあるの?」と聞くから、そこに...

  • 君がいない風景(176)

    「ママ~~~~!ぱっぱ~~~!!」「真利愛様、走ってはいけませんよ!」花沢総合医療センターの最上階に響く声・・・屋敷の若い使用人が真利愛を病室に連れて来たようだ。それは電話してから20分後で、加代がドアを開けるなり駆け寄って来た。加代はすぐに真利愛を抱き締めて美央のところに連れて行ったが、そこでは「静かにしないとダメなのですよ」と唇に指を当てて教えていた。「し~~~?」「そうです。病院ですからね、騒...

  • ハズレを引いた男と女・170

    Beretta M9、Avtomat Kalashnikova-47、M700を味わう一般市民はまずいない。さすが美作地下情報部とニヤリ・・・でもつくしはビビりすぎて「総二郎、やりすぎじゃないの?!」って。「何言ってんだ、高嶋がこれまでにやって来たことに比べたら可愛いって。そもそも当てないんだから」「そ、そうなの?」「今から高嶋をこの屋敷に入れてやる。そこでつくしも一発殴っとけ」「西門様も使いますか?」そう言った時に出されたのは護身用の...

  • 君がいない風景(175)

    古びたアパートは数台やって来たパトカーと救急車で騒然としていた。回りには野次馬も集まり、ザワザワと喧しい・・・そんな中、201号室では真音が救急隊員によって担架に乗せられ、つくしがそれに付き添って部屋を出ていった。類もそれに同行することとなり、総二郎が突入からこれまでの経緯を現場で警察に説明し、本郷はここに来るまでのルートを話していた。青山はネットランチャーの網を被ったままだったが、警察によりそれを...

  • ハズレを引いた男と女・173

    「さぁ、来い!この俺を敵にするとどうなるか、思い知らせてやる!!」「いや、実際に動くの、総二郎じゃないよね?」「・・・・・・まぁな」「何する気なのか判んないけど、違法な事はしないでよ?」せっかくやる気MAXだったのに呆れたような口調でつくしにそう言われ、少しばかりテンションダウン・・・でも、すぐに気を取り直し、開いた門の中に入って来た高嶋を見つめた。やはりこいつも鬱陶しいほど咲いているバラに圧倒されてる様子・・...

  • 君がいない風景(174)

    2人は足音を立てずに2階にあがった。そして1番奥の部屋に行き、ドアに書かれた「201」という数字を睨んだ。本郷が1度確かめた時にも人の話し声は無かったと言うのだから犯人は1人だと思われたが、ここでももう1度2人でドアに近付き物音を確かめた。すると男の声が聞こえたが・・・『・・・あぁ、そうですか・・・・・・いや、知らないならいいです、すみませんでした~』一方的なその物言いは電話のようだ。それが終わると「くそったれ...

  • ハズレを引いた男と女・172

    日曜日、総二郎は朝早くから庭の隅っこで野田さんと何やら密談中・・・それが終わると支度をして、11時には総二郎の「お友達の家」に到着・・・・・・したんだけど。「ちょっと、なにこの家!!植物園なの?バラ園なの?それとも貴族のお屋敷?!」「どれも違う。てか貴族ってなんだよ・・・俺の幼馴染みの家だって」「だってお城じゃないの!」庭の大きさも然る事乍ら、奥に見えるお屋敷は外壁がレンガ部材の3階建て。左右対称に建物が広が...

  • 君がいない風景(173)

    車は江戸川のスポーツランド近くまで来た。それでも画像だけではアパートを特定出来ず、つくしはここで本郷に電話・・・それはすぐに繋がった。そして本郷が監視している場所を街並みを見ながら説明してもらい、やがて本郷の車がつくしの視界に入ってきた。「西門さん!あれ、あそこに拓篤さんの車!」「よし、後ろに付けるぞ」「・・・・・・・・・じゃあ、あれが真音のいるアパート?」「うん、間違いないと思う。画像と同じだし・・・真音、ど...

  • 君がいない風景(172)

    騒然とする花沢家の中に主治医と救急隊員が駆け付け、美央は担架に乗せられて病院に運ばれることとなった。加代は救急隊員に状況説明し、美央の普段の体調や薬の服用などはなかったことを説明。その慌ただしい光景を見て真利愛が大泣きし、追い掛けようとしたのを類が引き止めた。「やだぁ~~~!!ママ~~!ママんとこ行く~~~~っ!!」「真利愛、ママはお医者様のところに行ったから・・・」「やだやだ!まいあも行く~~!!...

  • ハズレを引いた男と女・171

    それからすぐに来た土曜日。今日は着付けの練習をして、着物での所作のお稽古をする事になった。着物はこの前家元夫人が用意してくれたもので、「青翠色の江戸小紋・変わり七宝の柄」ってヤツ。当然帯も小物も一式揃えられていて、閉め切られた部屋の中には着物姿の総二郎だけ・・・・・・明るい障子の向こうは宗家の皆さんが通る廊下だから、マジで緊張するんだけど・・・「じゃあ、脱げ」「は?!」「脱がなきゃ着られねぇだろう。服の上...

  • ハズレを引いた男と女・170

    今夜の稽古は風炉の時期の茶花について。5月に入り、炉の季節には多く用いられる椿も風炉になると姿を消し、床に入る花は枝物ではなく草花が中心となる。今は端午の節句に因んで菖蒲や杜若などを選ぶ事が多いが、俺が好きなのは大山蓮華。モクレン科モクレン属に分類される落葉広葉樹の低木で、名前の由来は奈良県南部の大峰山に自生していて、蓮の花に似た白い花を咲かせることからだ。葉の付き方や丸い蕾が椿とよく似ており、利...

  • 君がいない風景(171)

    「それでは今から40分前の映像から流します。画面が4分割されていますが、1番から正門前、お子様が遊んでおられた庭、その中間地点、4番目は門の外にある道路です。では始めます」警備担当者の緊張した声を聞くと、再び涙が溢れ出すつくし。類も厳しい表情で画面を見つめ、それは総二郎や美央も同じだった。加代は泣きじゃくる真利愛を宥めながらやはり画面を覗き込んだ。今から40分前は真音と真利愛が総二郎と一緒にボール...

  • ハズレを引いた男と女・169

    ゴールデンウィークが終わってから数日経つけど、私には気になることがある。それは家元と家元夫人がすごく静かになったこと。帰ったその日は明るかったのに、今では私にあまり話し掛けない。今朝も一緒にご飯食べてるのに、挨拶以外はダンマリで・・・私、何かしたかな?と思ったりもしたけど心当たりはない。でも考三郎君は相変わらずお調子者だし、総二郎からも何も聞いてない。ちなみに志乃さんも普通・・・家元はともかく、家元夫人...

  • 君がいない風景(170)

    「真音~~~~!お~い、真音~!」「まこちゃぁ~~~~ん!」総二郎と、見付かってしまった真利愛が大きな声で真音を呼んでいた。それを聞いて加代が庭に出てきて、「どうかしましたか?」と・・・総二郎は困った顔して、隠れんぼをしていた事を説明した。「隠れんぼ・・・ですか?」「あぁ、真利愛がした事ないって言うから、この庭の中で隠れようって話になって」「それで真音様が見当たらないと?」「ここから見える庭の中だけって...

  • ハズレを引いた男と女・168

    高嶋さんの話はそれぐらいにして、話は本日の稽古について・・・「あ、久しぶりのお稽古だね♪ゴールデンウィークは休んだし~」「野点をしたじゃねぇか」「あれはお稽古とは言わないよね💢?」「そうか?大自然の中で・・・」「もういいから///!!」「くくっ!で、もう萱の間は使わねぇから」「どこでするの?」「勿論俺の茶室だ」萱の間で稽古をしたのは正座が出来なかったからで、今はもう私も総二郎も捻挫は完治している。「そろそろ...

  • 君がいない風景(169)

    「まぁ、楽しそうな笑い声・・・やっぱり子ども同士っていいですね。いつもはあんなに大きな声を出さないのに・・・ねぇ、類様」「そうだね・・・動物園だとあんな声出すけど」「それって真利愛にとって、真音と動物園の動物が同じってこと?」「うふふ、牧野さんったら!」「つくし、そんな意味じゃないからね?!」夫婦の部屋の窓辺に3人が立ち、そこから庭を見ていた。冬の芝生は青々とはしておらず、色褪せた庭には花も少ない。そんな...

  • ハズレを引いた男と女・167

    つくしが帰宅したのはいつもより少し早かった。でも今日は親父達が外出していたのでダイニングには俺とつくしのみ・・・考三郎は両親が居ないことを良いことに、悪友と飲みに行ってしまったからだ。でもこれも好都合って事で、飯を食いながら今日の出来事を聞いた。すると俺が話したとおりに事が進んだようで、つくしは「1回も横道に逸れることなく、総二郎のシナリオ通りだったよ~」と驚いていた。で、自分の演技にも自信が持てた...

  • 君がいない風景(168)

    少しだけこの家の空気に慣れたと思ったのに、またつくしは極度の緊張と不安を感じていた。自分と類の間には美央がいる・・・彼女が優しい人物である事は判ったのだが、どうしても美央が「勝ち」、自分が「負けている」ような気持ちになってしまう。それは真利愛が美央の事を「ママ」と呼ぶからなのかもしれない・・・いくら仕方がないと思っても、実際にそれを聞くと悲しくてたまらなかった。「ここが俺の・・・俺達の部屋なんだけど、つく...

  • ハズレを引いた男と女・166

    高嶋さんに言われたランチの店は、会社から徒歩3分のところにあるイタリアン。そこには行った事があるんだけど、各席に衝立があって隣の席が見えにくい構造・・・つまり隣の人達の話し声もあんまり聞こえない。それを知っていたのか、高嶋さんは私よりも少し先に営業のフリをして社用車で出掛けた。12時になると私は昼休憩・・・でもお弁当が勿体ないので、涼子に相談することに。「え!つくしのお弁当食べて良いの?!」「うん、ちょ...

  • 君がいない風景(167)

    「初めまして、牧野さん。私は美央と申します。本日はようこそおいで下さいました。あなたに会えて本当に嬉しく思いますわ」つくしは美央を見て身体が硬直した。それは類から聞いた美央の、優しいイメージ通りだったから・・・2人が並ぶと美男美女でよく似合っており、上品で歳相応の落ち着きがある。勝ち負けの問題ではないと判っていても、瞬時に『負けた』という感情が湧いた。何か言わなくてはと思うが、少し開いた唇は震えるだ...

  • ハズレを引いた男と女・165

    つくしが帰宅したのはいつもの時間で、夕方の迎えは若弟子だった。若干疲れ気味のつくしが今日の報告をしたいの言うので、着替えたら俺の部屋で飯を食おうという話になり、こいつはヨロヨロしながら先に自分の部屋に向かった。俺はその若弟子を捕まえて、「変わった事はなかったか?」と聞いたが・・・「変わったことというか、牧野様が食べきれないからってお菓子をくれましたよ。黒糖カヌレと柿の種・北海道チーズ、博多通りもんと・...

  • 君がいない風景(166)

    『予定通りうちを出る。牧野と真音はもう俺の車に乗ってるから、そっちも準備しとけよ』「あぁ、うちは問題ないよ。総二郎の友人親子って事で話してあるから、インターホン鳴らしてくれたら加代が出るから」『OK!んじゃ後でな~』総二郎からの電話を切ると、類は窓の外を確認・・・今日は天気がいいので、コートを羽織れば双子が庭を散歩できるだろうと、それを想像して頬が緩んだ。美央もいつも通りに落ち着いていて、真利愛の髪...

  • ハズレを引いた男と女・164

    そのあと高嶋さんはニヤッと笑いながら資料室を出て行った。これで良かったのかどうか・・・でも確かに、私の行動を検証しているみたいだったからゾクッとした。「と言うか、私がホスト通いすると思えるんだろうか・・・すぐ近くにホストも泣きそうな総二郎がいるのに?」野田さん、そこは考えなかったのか?総二郎もプライドは傷付かなかったのか?まぁ、男心は判らんけど!そんな事を呟きながらプランニングを進め、16時には事務所に...

  • 君がいない風景(165)

    「えっ?妙な車が屋敷の前に停まってたって?」「はい、それも数回ほど確認出来たそうですが・・・・・・」夜になって類が自宅に戻ると、すぐに加代からそんな報告があった。今日の昼間に正面の門の前に1台の白い軽自動車が停まり、暫く動かなかったらしい。警備はすぐに防犯カメラでそれを発見し、暫く監視していたが3分ほどで移動した。だが1時間後に再び同じような車が現われ、今度は屋敷の周りをグルグル走っていた。流石に見逃せ...

  • ハズレを引いた男と女・163

    「はぁ~~~~~~っ?!龍崎さんが退職届を出したぁ?!」会社に行ったら涼子達に速効言われたひと言。龍崎さんがあのまま辞めたって・・・私と総二郎の事を聞いたのがそんなにショックだったの?!てか、新人離職率が爆上がり?!そんなの課長・部長・所長にド叱られするんじゃないの?!「うん。ほぼアタリだけど退職届じゃないのよ。今朝課長が1番に会社に来たんだけど、その時ポストに手紙が入ってたんだって。『この会社は私...

  • 君がいない風景(164)

    5日の朝、つくしはいつもの時間に起きて、いつものように朝食の支度をした。子ども達の保育園の昼寝布団のセットは昨夜から玄関に置いてあり、本郷もいつもと同じ時間に起きてきた。そのあと美来と真音を起こし、つくしはサンドイッチをテーブルに運び、本郷には淹れ立ての珈琲を出した。子ども達は休み癖がついているのでテンションは低く、美来は「休みたい~」と言うほどだ。でも今日はつくしも会社に行かなくてはならないので...

  • ハズレを引いた男と女・162

    「実はな、お前の連休は京都・大阪豪遊ツアーなんだよ」「・・・・・・・は?」「栃木で俺とグランピングじゃなく、京都・大阪でホスト通いの1人旅だ」「はぁ?!」京都・大阪豪遊ツアー中身がホスト通い?!しかもゴールデンウィークに1人旅って淋しすぎない?!てか、なんでそんな設定になってんの・・・?それを聞くと、京都大阪の豪遊旅は野田さんが行ったって話・・・ますます判んなくなってポカンとしていたら、あの渋谷御守の事を聞か...

  • 君がいない風景(163)

    元旦の夜は町田のマンションでつくしの作ったおせちを食べていた。だが会話は少なく、1番元気がないのは真音・・・つくしはワザと声を明るくして話し掛けるが、料理をあまり口にせず、部屋に戻っておもちゃで遊んでいた。それを見て美来も流石におかしいと感じたのか、不安そうに本郷とつくしの顔を見た。「・・・まぁ君、どうしたのかなぁ・・・」「もしかしたら風邪気味なのかもね。旅館が寒かったから」「そうなのかな・・・明日はいっしょ...

  • ハズレを引いた男と女・161

    宗家に戻ったらつくしはお袋達に掴まって、あれよあれよという間に母屋の奥に行ってしまった。車に残された大量の土産物はサッちゃんと西村事務長によって、一旦俺の部屋に運ばれ・・・見事に俺の部屋がサービスエリアの土産物コーナーのようになってしまった。「総二郎様・・・これはまた、凄い量ですな・・・」「俺じゃどれが宗家のでどれが使用人のものか判んねぇんだよな。買ったのも運んだのも俺だけど」「・・・(そんなに尽くすタイプだ...

  • 君がいない風景(162)

    つくしは元旦の朝早くにベッドから抜け出し、ぼんやりと窓の外を見ていた。天高いところはまだ暗かったが、東の方が僅かに明るい・・・・・・もうすぐ日の出だ。昨夜の事がなければ本郷や子ども達と一緒に見ようと思っていた初日の出・・・でも本郷も起きる気配がなく、子ども達もぐっすり寝ていた。つくしはここでスマホを取り出し、何気なくそれを開くと・・・『あけましておめでとう、つくし。俺達にとって、素敵な1年が始まると信じてるよ...

  • ハズレを引いた男と女・160

    ゴールデンウィークはあっという間に残り2日になった。明日にはもうグランピング場を出て、東京に戻る。それが悲しいのか淋しいのか・・・嬉しいのかさっぱり判んない!そして総二郎は日に日に元気になっていくけど、私は真逆・・・すでに身体中がボロ雑巾のよう。それというのも、この男・・・・・・💢「つくし~~、風呂入ろうぜ♪」「今日は1人で入って」「なんで?」「最後の露天風呂ぐらい1人でゆっくり入りたいわよ💢!!」「・・・・・・・・・・・...

  • 君がいない風景(161)

    「つくしさん・・・頼むから俺を選んでくれ」そう言ってつくしに顔を近付け、唇を奪おうとする・・・その瞬間、つくしは顔を横に向けて「やめて!」と大声を出した。拒絶された本郷がカッとして身体を起こし、「そんなに俺の事が嫌いか!」と叫んで掴んでいた手の力を強めた。つくしの手首に食い込む爪・・・鬱血して赤くなった手を拳にすると、涙を溜めた目を本郷に向けた。その時にも見えるゴールドのネックレス。本郷はこれまで隠し続け...

  • ハズレを引いた男と女・159

    2日連続で身体がボロボロ・・・スタッフさんが朝食を持って来てくれた時も起き上がれなかった。それなのに総二郎は朝早くに起きて露天風呂を楽しみ、今は鼻歌交じりで朝食の準備中・・・もう雨の音はしないし、薄目を開けたら眩しいくらいだ。「・・・・・・・・・・・・」「つくし、珈琲入ったぞ」「・・・・・・💢💢・・・」「今日はいい天気だぞ~!あとで新緑を見ながら野点しようぜ、ヤマツツジが綺麗に咲いてる場所があったから」こんなに激痛なのに野点...

  • 君がいない風景(160)

    「あ~あ・・・やっぱり子ども達には無理ね」「仕方ないさ、いつも21時ぐらいには寝てるんだし」小田原の旅館での夕食はとても豪華だった。それを大はしゃぎしながら食べて、終わったら本郷相手に遊び、疲れ果てた子ども達がダウンしたのは22時。2つあるベッドにそれぞれ寝かせて、つくしと本郷だけが居間に座っていた。そこのテレビでは年末の特番が流れていたが、それを観ているという訳ではない。川口の話題から始まり、お互...

  • ハズレを引いた男と女・158

    本文中に微ではありますがR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*総二郎が予約した半露天風呂・・・そこは本格的な温泉宿のお風呂だった。脱衣場も広くて綺麗で、その奥に一面全部が窓ガラスのお風呂・・・その向こうは日本庭園+竹垣で目隠ししてあって、めっちゃ風情があった。しかもお風呂が...

  • 君がいない風景(159)

    「今年もあと残り僅か・・・今年は小規模ではあったが類も式を挙げて世間に結婚を知らせることも出来たし、パリでも急速な事業拡大もあり、まずます良い年だったと思う。この事業拡大があったからこそ、京極始め新たな取引先との契約の締結も出来たし、来年には新たな取引先とも更に信頼関係を深め、より大きく意義深いプロジェクトも行いたいと考えているところだ。この連休、類も心置きなく休んで英気を養うように。美央さんも1年...

  • ハズレを引いた男と女・157

    ガラス工房からテントに戻ったのは16時。でも今日は曇り空で夕日すら見えない・・・もしかして予報は雨かな?と思ったけど、ここはスマホの電波圏外。テレビもないから調べることは出来なかった。「あぁ~、降るだろうな」「どうして判るの?」「今朝、絹雲が出てたから」「は?」「観天望気ってんだけど、自然の中で天気を予想するんだ」今度は天気蘊蓄・・・その名も初めて聞く「観天望気」。これは空や雲を見たり、風の流れ、鳥や昆...

  • 君がいない風景(158)

    大晦日、澪と遙香を乗せた飛行機は早朝羽田に到着した。それからまっすぐ自宅に戻ると連絡があったが、それが8時前になると言われ、類と美央は気が重かった。だが真利愛はそんな親心を知らず、今日も朝食を完食。ケラケラと機嫌良く笑い、使用人もその笑顔で緊張感がやわらぐようだった。花沢家では特に決まった正月行事はない。それは澪たちが日本にいるのか、パリにいるのかが毎年決まっていないからだ。おせち料理を食べるとい...

  • ハズレを引いた男と女・156

    どうにかこうにか頑張ってフロントまで行き、コインランドリーのある場所まで総二郎(の下半身)を隠しながら歩いた。そして帰る時にはシーツの入ったカバンを総二郎が持ち、セルフカバー。「どうしてこんなに気を使わなきゃいけないのよ💢」「しょうがねぇじゃん、男の子だもん」「その台詞、小学生なら可愛いけどね💢!」「・・・悪かった」そのシーツをテントに持って入ったら、もうお昼。基本ここにいる間は昼も夜もバーベキューだ...

  • 君がいない風景(157)

    いつ、つくしと美央を会わせるのか・・・話はそれに移動した。ホテルや別荘、レストランで会ってもいいが、美央の提案で真利愛の日常が判る花沢邸が良いだろうと・・・それには類の方が驚いてしまった。契約的な夫婦とは言え、現時点ではこの家の女主人は美央なのだから。でも美央の表情は清々しく、嫌味や遠慮などというマイナスはものは感じられなかった。まるでこの日が近い事を予測していたかのように・・・・・・「このお屋敷で・・・でござ...

  • ハズレを引いた男と女・155

    結果・・・グランピング2日目は、総二郎が選んだガラス工芸体験になった。それをフロントに電話したら午後イチで予約が取れたそう。それまでは自由行動だから、1番始めにしたのは・・・・・・「えっ?もう洗濯すんのか?」「もうじゃないわよ!!4つあるベッドのうち、2つをグチャグチャにしたのよ?それとも今夜はおとなしく寝てくれるの?!」「でも替えのシーツは山ほど・・・」「隠せるところもないのに、こんなに汚れた物を部屋の隅に...

  • 君がいない風景(156)

    「それと、もう一つ・・・これも真利愛の事だけど2人に話があるんだ」類の言葉に美央よりも加代の方がビクッとした。そして「私が聞いてもよろしいのでしょうか」と・・・それには「加代にも協力して欲しいと思っているから」と静かに言った。この時には類の怒りは消えていて、逆に穏やかにも見える。どこか覚悟を決めたような表情で、美央は自分達の関係性を加代に話すのかと焦った。が、「真利愛のこと」だと言われたので訳が判らず、...

  • ハズレを引いた男と女・154

    「・・・・・・・・・・・・さむっ・・・いや、重っ・・・・・・」次の日の朝・・・もう外が明るくなってから目を覚ました。寒いと思ったのに、実は暖かい・・・その矛盾を考えていたら、私は何も着ていないことに気が付いた。だけど身体の半分は誰かさんに抱きつかれてるから暖かい・・・。そして重たいと思ったのは総二郎の片脚が私の腰に乗っかってるから。薄目を開けた時にはぼんやりとしか思い出せなかったけど、そのうち記憶が鮮明になると・・・・・・そうだった...

  • 君がいない風景(155)

    「専務、黒田大輔様がお見えになりました」藤本がそれを伝えに来たのは14時。類はチラッと藤本を見て、目で「通せ」と合図した。藤本は自分の担当エグゼクティブがこんなに怒りを表しているところを見た事がなかったので、その冷たい視線にはゾクッとした。そして大輔を執務室に通すと、中央のソファーに案内し、珈琲の準備をするために席を外した。その時に大輔を見たが、この男は事の重大さが判っていないのか、どこか不満気だ...

  • ハズレを引いた男と女・153

    本文中にR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*まだ挿れてもないのに息が上がってるつくし・・・さっきまで恥ずかしそうに隠していた胸を大胆に晒し、両手は自分の身体の横で力なく投げ出されていた。そんな姿を見て少しばかり可哀想になったが・・・ここで終わるわけにはいかない。もう1度...

  • 君がいない風景(154)

    類の元にとある問題の報告がされたのは翌日だった。執務室で年内最後の仕事をしていた類の元に、藤本が緊張した面持ちで入ってきたのだ。その手にはスマホがあり、いつもと違う様子に不審な顔をすると・・・「専務、これをご覧いただけますか?」「なに?」「とある人物のSNSの画面です。お嬢様ではないかと思われますが」「真利愛?」「はい、こちらです」藤本が差し出したスマホの画面を見ると、そこには紛れもなく真利愛が写ってい...

  • ハズレを引いた男と女・152

    本文中に微ではありますがR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*せっかく2枚目のバスタオルを用意したのに、そんな物を巻く暇もない。ぐったりしたつくしを抱き抱えてテントの中に入り、取り敢えず中央のラグの上に座らせた。そして真新しいバスローブを掛けてやり、冷蔵庫からミネラ...

  • 君がいない風景(153)

    つくしが出て行ったあと、暫く類はその部屋に残った恋人の香りに浸っていた。まだ指先にはつくしの髪の感触があり、唇にも温かみが残っている・・・次にこれを感じられるのはいつだろうかと、深い溜息が漏れた。「お~い、そろそろ出て来いよ、類」そんな親友の声が現実に引き戻し、仕方なく類も動き出した。離れを出ると、母屋の廊下柱に凭れ掛かった総二郎が苦笑い・・・「シケた顔すんなって!」と調子よく言われた直後、本郷のことを...

  • ハズレを引いた男と女・151

    本文中に軽微ではありますがR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*背中から抱きつかれてるから、総二郎の顔が見えない・・・だから余計に不安になって、振り向きたいけどそれも出来ない。だって総二郎の舌がずっと私の背中を舐めてるから・・・それにゾクゾクして何度もビクついちゃうし、身...

  • 君がいない風景(152)

    そこまで話したとき、時間は15時になっていた。つくしはそろそろ園に電話をしないといけないので、類に断りを入れてスマホを手に持った。「もしもし、牧野ですけど・・・はい、お世話になっています。今日なんですけど、おむかえの時間を17時過ぎに変えても良いですか?用事があって遠くまで出掛けてまして、戻るのがそのぐらいになるんです。・・・はい、本郷美来ちゃんも同じ時間に・・・・・・美来ちゃんの具合は悪くなっていませんか?...

  • ハズレを引いた男と女・150

    「勝手に熊にしたり星にされちゃたまんないわ💢女を何だと思ってんの?!」「その文句は俺に言うな、ゼウスに言ってくれ!」「だってさ~~~~・・・・・・はっ!」「どうした?」気が付いたら湯船にのんびり浸かって足を伸ばし、総二郎と肩がくっついた状態で夜空にクソ文句・・・真横を見たら麗しい顔が私を見てるし、ちょっと濡れた前髪が色っぽい。私はあれだけしっかり巻いてたバスタオルが緩んでて、身体が半分以上見えてる・・・「うわ...

  • 君がいない風景(151)

    それからも話合いは続き、「どうして真音の保育園が判ったのか」というつくしの疑問に入った。「俺が頼んだ情報屋が、偶然本郷って男の子どもが通う保育園に行って聞き込みをしたんだ。そこでつくしに見覚えがある人がいて、そこから保育士に接触したんだ」「あ・・・もしかしてひろみ先生?」「名前はよく覚えてないけど、その保育士が本郷を狙ってて・・・みたいな?その保育士から真音の保育園を聞いたんだ。でも真音がずっと休んでて...

  • ハズレを引いた男と女・149

    総二郎が先に露天風呂に行ってから、私は1人でどうしようかとウロウロ・・・普通の旅館ならあるはずの脱衣場がないし、わざわざあそこまで行ってパンツを脱ぐのもヘン。それならテントの中で素っ裸になって、バスタオル巻いていく?そのタオル類が何処にあるかと探したら、部屋の隅にある棚に置いてあった。フェイスタオルにバスタオルも何枚か・・・「てか、それよりもシーツの替えが多いんだけど・・・どうしてだろう?」それは深く考えな...

  • 君がいない風景(150)

    この3年間の、類と真利愛の生活についての話は続いた。結婚式では総二郎、司、あきらも呼び、真利愛はすでに対面をしていること。そしてつくしの失踪は花沢家の仕組んだことであり、行方を捜しているということも話した、と。「そう言えば司がね・・・」「・・・道明寺・・・何か言ってた?」「ううん、特になにも・・・ただ真利愛を肩に乗っけて笑ってたよ、あいつ・・・」「えっ!真利愛があの人の肩に?!」「総二郎とあきらは花沢にすごく怒...

  • ハズレを引いた男と女・148

    「はぁ~~~~~~!お腹いっぱい♪」「お前は飲まずに食ったからな・・・」もうバーベキューの網の上には焦げた野菜しかない。用意されていたお肉も殆どなくなり、総二郎は途中からビールばかり飲んでる。今はもうトングも置いてお皿に移したお肉をツマミに、すっかり暗くなった空を見上げ・・・・・・内心、これからどうするんだろう?ってドキドキしてた。しかもこのバーベキューテーブルのすぐ近くに露天風呂がある。嫌でも目に入るそれ...

  • 君がいない風景(149)

    西門邸・・・この広大な敷地を持つ屋敷は、正面から入ると美しい日本庭園に圧倒される。その庭にも色んな表情があり、竹林や梅園、桜の庭に紅葉の庭、そして石庭などもあって、その時期の茶会に相応しい庭を眺めながら茶会が出来るようになっていた。その中でも竹林に囲まれた庵・・・そこは躙り口のある本格的な茶室があり、特別な茶事にはそこを使うのだ。その反対側である北の庭は自然のままの庭があり、椿などの茶花となる花木が植え...

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