桜の茶会が終わると宗家は茶会以外の行事で大忙しだった。まずは光翔の小学校入学で、英徳小学部の制服を着た光翔を囲み、庭の桜の下で家族全員の記念撮影。この時も祐子の悪阻は酷くなく、孝三郎と共に入学式に出席することが出来た。建翔の面倒は志乃さんがみることになり、嬉しそうな顔の3人を乗せた西門の高級車が走り去るのを皆で見送った。英徳の制服は有名デザイナーのもので、カバンもランドセルじゃなく共通の通学バッグ...
花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。
読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。
「俺から金を引っ張り出そうと?その1000万、どうするつもりだったんだ?」「・・・・・・・・・それは・・・・・・」「濱崎さん、ヨロシク」「了解です」俺の言葉で濱崎がスーツの内ポケットから出した紙・・・それを高嶋に見せると、初めはキョトンとしていたが、そのうち目を丸くした。そして小さな声で「どうして、これを・・・」と漏らしたのを聞き逃さなかった。つくしは何が何やらサッパリで、俺に「何が書いてあるの?」と聞くから、そこに...
「ママ~~~~!ぱっぱ~~~!!」「真利愛様、走ってはいけませんよ!」花沢総合医療センターの最上階に響く声・・・屋敷の若い使用人が真利愛を病室に連れて来たようだ。それは電話してから20分後で、加代がドアを開けるなり駆け寄って来た。加代はすぐに真利愛を抱き締めて美央のところに連れて行ったが、そこでは「静かにしないとダメなのですよ」と唇に指を当てて教えていた。「し~~~?」「そうです。病院ですからね、騒...
Beretta M9、Avtomat Kalashnikova-47、M700を味わう一般市民はまずいない。さすが美作地下情報部とニヤリ・・・でもつくしはビビりすぎて「総二郎、やりすぎじゃないの?!」って。「何言ってんだ、高嶋がこれまでにやって来たことに比べたら可愛いって。そもそも当てないんだから」「そ、そうなの?」「今から高嶋をこの屋敷に入れてやる。そこでつくしも一発殴っとけ」「西門様も使いますか?」そう言った時に出されたのは護身用の...
古びたアパートは数台やって来たパトカーと救急車で騒然としていた。回りには野次馬も集まり、ザワザワと喧しい・・・そんな中、201号室では真音が救急隊員によって担架に乗せられ、つくしがそれに付き添って部屋を出ていった。類もそれに同行することとなり、総二郎が突入からこれまでの経緯を現場で警察に説明し、本郷はここに来るまでのルートを話していた。青山はネットランチャーの網を被ったままだったが、警察によりそれを...
「さぁ、来い!この俺を敵にするとどうなるか、思い知らせてやる!!」「いや、実際に動くの、総二郎じゃないよね?」「・・・・・・まぁな」「何する気なのか判んないけど、違法な事はしないでよ?」せっかくやる気MAXだったのに呆れたような口調でつくしにそう言われ、少しばかりテンションダウン・・・でも、すぐに気を取り直し、開いた門の中に入って来た高嶋を見つめた。やはりこいつも鬱陶しいほど咲いているバラに圧倒されてる様子・・...
2人は足音を立てずに2階にあがった。そして1番奥の部屋に行き、ドアに書かれた「201」という数字を睨んだ。本郷が1度確かめた時にも人の話し声は無かったと言うのだから犯人は1人だと思われたが、ここでももう1度2人でドアに近付き物音を確かめた。すると男の声が聞こえたが・・・『・・・あぁ、そうですか・・・・・・いや、知らないならいいです、すみませんでした~』一方的なその物言いは電話のようだ。それが終わると「くそったれ...
日曜日、総二郎は朝早くから庭の隅っこで野田さんと何やら密談中・・・それが終わると支度をして、11時には総二郎の「お友達の家」に到着・・・・・・したんだけど。「ちょっと、なにこの家!!植物園なの?バラ園なの?それとも貴族のお屋敷?!」「どれも違う。てか貴族ってなんだよ・・・俺の幼馴染みの家だって」「だってお城じゃないの!」庭の大きさも然る事乍ら、奥に見えるお屋敷は外壁がレンガ部材の3階建て。左右対称に建物が広が...
車は江戸川のスポーツランド近くまで来た。それでも画像だけではアパートを特定出来ず、つくしはここで本郷に電話・・・それはすぐに繋がった。そして本郷が監視している場所を街並みを見ながら説明してもらい、やがて本郷の車がつくしの視界に入ってきた。「西門さん!あれ、あそこに拓篤さんの車!」「よし、後ろに付けるぞ」「・・・・・・・・・じゃあ、あれが真音のいるアパート?」「うん、間違いないと思う。画像と同じだし・・・真音、ど...
騒然とする花沢家の中に主治医と救急隊員が駆け付け、美央は担架に乗せられて病院に運ばれることとなった。加代は救急隊員に状況説明し、美央の普段の体調や薬の服用などはなかったことを説明。その慌ただしい光景を見て真利愛が大泣きし、追い掛けようとしたのを類が引き止めた。「やだぁ~~~!!ママ~~!ママんとこ行く~~~~っ!!」「真利愛、ママはお医者様のところに行ったから・・・」「やだやだ!まいあも行く~~!!...
それからすぐに来た土曜日。今日は着付けの練習をして、着物での所作のお稽古をする事になった。着物はこの前家元夫人が用意してくれたもので、「青翠色の江戸小紋・変わり七宝の柄」ってヤツ。当然帯も小物も一式揃えられていて、閉め切られた部屋の中には着物姿の総二郎だけ・・・・・・明るい障子の向こうは宗家の皆さんが通る廊下だから、マジで緊張するんだけど・・・「じゃあ、脱げ」「は?!」「脱がなきゃ着られねぇだろう。服の上...
今夜の稽古は風炉の時期の茶花について。5月に入り、炉の季節には多く用いられる椿も風炉になると姿を消し、床に入る花は枝物ではなく草花が中心となる。今は端午の節句に因んで菖蒲や杜若などを選ぶ事が多いが、俺が好きなのは大山蓮華。モクレン科モクレン属に分類される落葉広葉樹の低木で、名前の由来は奈良県南部の大峰山に自生していて、蓮の花に似た白い花を咲かせることからだ。葉の付き方や丸い蕾が椿とよく似ており、利...
「それでは今から40分前の映像から流します。画面が4分割されていますが、1番から正門前、お子様が遊んでおられた庭、その中間地点、4番目は門の外にある道路です。では始めます」警備担当者の緊張した声を聞くと、再び涙が溢れ出すつくし。類も厳しい表情で画面を見つめ、それは総二郎や美央も同じだった。加代は泣きじゃくる真利愛を宥めながらやはり画面を覗き込んだ。今から40分前は真音と真利愛が総二郎と一緒にボール...
ゴールデンウィークが終わってから数日経つけど、私には気になることがある。それは家元と家元夫人がすごく静かになったこと。帰ったその日は明るかったのに、今では私にあまり話し掛けない。今朝も一緒にご飯食べてるのに、挨拶以外はダンマリで・・・私、何かしたかな?と思ったりもしたけど心当たりはない。でも考三郎君は相変わらずお調子者だし、総二郎からも何も聞いてない。ちなみに志乃さんも普通・・・家元はともかく、家元夫人...
「真音~~~~!お~い、真音~!」「まこちゃぁ~~~~ん!」総二郎と、見付かってしまった真利愛が大きな声で真音を呼んでいた。それを聞いて加代が庭に出てきて、「どうかしましたか?」と・・・総二郎は困った顔して、隠れんぼをしていた事を説明した。「隠れんぼ・・・ですか?」「あぁ、真利愛がした事ないって言うから、この庭の中で隠れようって話になって」「それで真音様が見当たらないと?」「ここから見える庭の中だけって...
高嶋さんの話はそれぐらいにして、話は本日の稽古について・・・「あ、久しぶりのお稽古だね♪ゴールデンウィークは休んだし~」「野点をしたじゃねぇか」「あれはお稽古とは言わないよね💢?」「そうか?大自然の中で・・・」「もういいから///!!」「くくっ!で、もう萱の間は使わねぇから」「どこでするの?」「勿論俺の茶室だ」萱の間で稽古をしたのは正座が出来なかったからで、今はもう私も総二郎も捻挫は完治している。「そろそろ...
「まぁ、楽しそうな笑い声・・・やっぱり子ども同士っていいですね。いつもはあんなに大きな声を出さないのに・・・ねぇ、類様」「そうだね・・・動物園だとあんな声出すけど」「それって真利愛にとって、真音と動物園の動物が同じってこと?」「うふふ、牧野さんったら!」「つくし、そんな意味じゃないからね?!」夫婦の部屋の窓辺に3人が立ち、そこから庭を見ていた。冬の芝生は青々とはしておらず、色褪せた庭には花も少ない。そんな...
つくしが帰宅したのはいつもより少し早かった。でも今日は親父達が外出していたのでダイニングには俺とつくしのみ・・・考三郎は両親が居ないことを良いことに、悪友と飲みに行ってしまったからだ。でもこれも好都合って事で、飯を食いながら今日の出来事を聞いた。すると俺が話したとおりに事が進んだようで、つくしは「1回も横道に逸れることなく、総二郎のシナリオ通りだったよ~」と驚いていた。で、自分の演技にも自信が持てた...
少しだけこの家の空気に慣れたと思ったのに、またつくしは極度の緊張と不安を感じていた。自分と類の間には美央がいる・・・彼女が優しい人物である事は判ったのだが、どうしても美央が「勝ち」、自分が「負けている」ような気持ちになってしまう。それは真利愛が美央の事を「ママ」と呼ぶからなのかもしれない・・・いくら仕方がないと思っても、実際にそれを聞くと悲しくてたまらなかった。「ここが俺の・・・俺達の部屋なんだけど、つく...
高嶋さんに言われたランチの店は、会社から徒歩3分のところにあるイタリアン。そこには行った事があるんだけど、各席に衝立があって隣の席が見えにくい構造・・・つまり隣の人達の話し声もあんまり聞こえない。それを知っていたのか、高嶋さんは私よりも少し先に営業のフリをして社用車で出掛けた。12時になると私は昼休憩・・・でもお弁当が勿体ないので、涼子に相談することに。「え!つくしのお弁当食べて良いの?!」「うん、ちょ...
「初めまして、牧野さん。私は美央と申します。本日はようこそおいで下さいました。あなたに会えて本当に嬉しく思いますわ」つくしは美央を見て身体が硬直した。それは類から聞いた美央の、優しいイメージ通りだったから・・・2人が並ぶと美男美女でよく似合っており、上品で歳相応の落ち着きがある。勝ち負けの問題ではないと判っていても、瞬時に『負けた』という感情が湧いた。何か言わなくてはと思うが、少し開いた唇は震えるだ...
つくしが帰宅したのはいつもの時間で、夕方の迎えは若弟子だった。若干疲れ気味のつくしが今日の報告をしたいの言うので、着替えたら俺の部屋で飯を食おうという話になり、こいつはヨロヨロしながら先に自分の部屋に向かった。俺はその若弟子を捕まえて、「変わった事はなかったか?」と聞いたが・・・「変わったことというか、牧野様が食べきれないからってお菓子をくれましたよ。黒糖カヌレと柿の種・北海道チーズ、博多通りもんと・...
『予定通りうちを出る。牧野と真音はもう俺の車に乗ってるから、そっちも準備しとけよ』「あぁ、うちは問題ないよ。総二郎の友人親子って事で話してあるから、インターホン鳴らしてくれたら加代が出るから」『OK!んじゃ後でな~』総二郎からの電話を切ると、類は窓の外を確認・・・今日は天気がいいので、コートを羽織れば双子が庭を散歩できるだろうと、それを想像して頬が緩んだ。美央もいつも通りに落ち着いていて、真利愛の髪...
そのあと高嶋さんはニヤッと笑いながら資料室を出て行った。これで良かったのかどうか・・・でも確かに、私の行動を検証しているみたいだったからゾクッとした。「と言うか、私がホスト通いすると思えるんだろうか・・・すぐ近くにホストも泣きそうな総二郎がいるのに?」野田さん、そこは考えなかったのか?総二郎もプライドは傷付かなかったのか?まぁ、男心は判らんけど!そんな事を呟きながらプランニングを進め、16時には事務所に...
「えっ?妙な車が屋敷の前に停まってたって?」「はい、それも数回ほど確認出来たそうですが・・・・・・」夜になって類が自宅に戻ると、すぐに加代からそんな報告があった。今日の昼間に正面の門の前に1台の白い軽自動車が停まり、暫く動かなかったらしい。警備はすぐに防犯カメラでそれを発見し、暫く監視していたが3分ほどで移動した。だが1時間後に再び同じような車が現われ、今度は屋敷の周りをグルグル走っていた。流石に見逃せ...
「はぁ~~~~~~っ?!龍崎さんが退職届を出したぁ?!」会社に行ったら涼子達に速効言われたひと言。龍崎さんがあのまま辞めたって・・・私と総二郎の事を聞いたのがそんなにショックだったの?!てか、新人離職率が爆上がり?!そんなの課長・部長・所長にド叱られするんじゃないの?!「うん。ほぼアタリだけど退職届じゃないのよ。今朝課長が1番に会社に来たんだけど、その時ポストに手紙が入ってたんだって。『この会社は私...
5日の朝、つくしはいつもの時間に起きて、いつものように朝食の支度をした。子ども達の保育園の昼寝布団のセットは昨夜から玄関に置いてあり、本郷もいつもと同じ時間に起きてきた。そのあと美来と真音を起こし、つくしはサンドイッチをテーブルに運び、本郷には淹れ立ての珈琲を出した。子ども達は休み癖がついているのでテンションは低く、美来は「休みたい~」と言うほどだ。でも今日はつくしも会社に行かなくてはならないので...
「実はな、お前の連休は京都・大阪豪遊ツアーなんだよ」「・・・・・・・は?」「栃木で俺とグランピングじゃなく、京都・大阪でホスト通いの1人旅だ」「はぁ?!」京都・大阪豪遊ツアー中身がホスト通い?!しかもゴールデンウィークに1人旅って淋しすぎない?!てか、なんでそんな設定になってんの・・・?それを聞くと、京都大阪の豪遊旅は野田さんが行ったって話・・・ますます判んなくなってポカンとしていたら、あの渋谷御守の事を聞か...
元旦の夜は町田のマンションでつくしの作ったおせちを食べていた。だが会話は少なく、1番元気がないのは真音・・・つくしはワザと声を明るくして話し掛けるが、料理をあまり口にせず、部屋に戻っておもちゃで遊んでいた。それを見て美来も流石におかしいと感じたのか、不安そうに本郷とつくしの顔を見た。「・・・まぁ君、どうしたのかなぁ・・・」「もしかしたら風邪気味なのかもね。旅館が寒かったから」「そうなのかな・・・明日はいっしょ...
宗家に戻ったらつくしはお袋達に掴まって、あれよあれよという間に母屋の奥に行ってしまった。車に残された大量の土産物はサッちゃんと西村事務長によって、一旦俺の部屋に運ばれ・・・見事に俺の部屋がサービスエリアの土産物コーナーのようになってしまった。「総二郎様・・・これはまた、凄い量ですな・・・」「俺じゃどれが宗家のでどれが使用人のものか判んねぇんだよな。買ったのも運んだのも俺だけど」「・・・(そんなに尽くすタイプだ...
つくしは元旦の朝早くにベッドから抜け出し、ぼんやりと窓の外を見ていた。天高いところはまだ暗かったが、東の方が僅かに明るい・・・・・・もうすぐ日の出だ。昨夜の事がなければ本郷や子ども達と一緒に見ようと思っていた初日の出・・・でも本郷も起きる気配がなく、子ども達もぐっすり寝ていた。つくしはここでスマホを取り出し、何気なくそれを開くと・・・『あけましておめでとう、つくし。俺達にとって、素敵な1年が始まると信じてるよ...
ゴールデンウィークはあっという間に残り2日になった。明日にはもうグランピング場を出て、東京に戻る。それが悲しいのか淋しいのか・・・嬉しいのかさっぱり判んない!そして総二郎は日に日に元気になっていくけど、私は真逆・・・すでに身体中がボロ雑巾のよう。それというのも、この男・・・・・・💢「つくし~~、風呂入ろうぜ♪」「今日は1人で入って」「なんで?」「最後の露天風呂ぐらい1人でゆっくり入りたいわよ💢!!」「・・・・・・・・・・・...
「つくしさん・・・頼むから俺を選んでくれ」そう言ってつくしに顔を近付け、唇を奪おうとする・・・その瞬間、つくしは顔を横に向けて「やめて!」と大声を出した。拒絶された本郷がカッとして身体を起こし、「そんなに俺の事が嫌いか!」と叫んで掴んでいた手の力を強めた。つくしの手首に食い込む爪・・・鬱血して赤くなった手を拳にすると、涙を溜めた目を本郷に向けた。その時にも見えるゴールドのネックレス。本郷はこれまで隠し続け...
2日連続で身体がボロボロ・・・スタッフさんが朝食を持って来てくれた時も起き上がれなかった。それなのに総二郎は朝早くに起きて露天風呂を楽しみ、今は鼻歌交じりで朝食の準備中・・・もう雨の音はしないし、薄目を開けたら眩しいくらいだ。「・・・・・・・・・・・・」「つくし、珈琲入ったぞ」「・・・・・・💢💢・・・」「今日はいい天気だぞ~!あとで新緑を見ながら野点しようぜ、ヤマツツジが綺麗に咲いてる場所があったから」こんなに激痛なのに野点...
「あ~あ・・・やっぱり子ども達には無理ね」「仕方ないさ、いつも21時ぐらいには寝てるんだし」小田原の旅館での夕食はとても豪華だった。それを大はしゃぎしながら食べて、終わったら本郷相手に遊び、疲れ果てた子ども達がダウンしたのは22時。2つあるベッドにそれぞれ寝かせて、つくしと本郷だけが居間に座っていた。そこのテレビでは年末の特番が流れていたが、それを観ているという訳ではない。川口の話題から始まり、お互...
本文中に微ではありますがR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*総二郎が予約した半露天風呂・・・そこは本格的な温泉宿のお風呂だった。脱衣場も広くて綺麗で、その奥に一面全部が窓ガラスのお風呂・・・その向こうは日本庭園+竹垣で目隠ししてあって、めっちゃ風情があった。しかもお風呂が...
「今年もあと残り僅か・・・今年は小規模ではあったが類も式を挙げて世間に結婚を知らせることも出来たし、パリでも急速な事業拡大もあり、まずます良い年だったと思う。この事業拡大があったからこそ、京極始め新たな取引先との契約の締結も出来たし、来年には新たな取引先とも更に信頼関係を深め、より大きく意義深いプロジェクトも行いたいと考えているところだ。この連休、類も心置きなく休んで英気を養うように。美央さんも1年...
ガラス工房からテントに戻ったのは16時。でも今日は曇り空で夕日すら見えない・・・もしかして予報は雨かな?と思ったけど、ここはスマホの電波圏外。テレビもないから調べることは出来なかった。「あぁ~、降るだろうな」「どうして判るの?」「今朝、絹雲が出てたから」「は?」「観天望気ってんだけど、自然の中で天気を予想するんだ」今度は天気蘊蓄・・・その名も初めて聞く「観天望気」。これは空や雲を見たり、風の流れ、鳥や昆...
大晦日、澪と遙香を乗せた飛行機は早朝羽田に到着した。それからまっすぐ自宅に戻ると連絡があったが、それが8時前になると言われ、類と美央は気が重かった。だが真利愛はそんな親心を知らず、今日も朝食を完食。ケラケラと機嫌良く笑い、使用人もその笑顔で緊張感がやわらぐようだった。花沢家では特に決まった正月行事はない。それは澪たちが日本にいるのか、パリにいるのかが毎年決まっていないからだ。おせち料理を食べるとい...
どうにかこうにか頑張ってフロントまで行き、コインランドリーのある場所まで総二郎(の下半身)を隠しながら歩いた。そして帰る時にはシーツの入ったカバンを総二郎が持ち、セルフカバー。「どうしてこんなに気を使わなきゃいけないのよ💢」「しょうがねぇじゃん、男の子だもん」「その台詞、小学生なら可愛いけどね💢!」「・・・悪かった」そのシーツをテントに持って入ったら、もうお昼。基本ここにいる間は昼も夜もバーベキューだ...
いつ、つくしと美央を会わせるのか・・・話はそれに移動した。ホテルや別荘、レストランで会ってもいいが、美央の提案で真利愛の日常が判る花沢邸が良いだろうと・・・それには類の方が驚いてしまった。契約的な夫婦とは言え、現時点ではこの家の女主人は美央なのだから。でも美央の表情は清々しく、嫌味や遠慮などというマイナスはものは感じられなかった。まるでこの日が近い事を予測していたかのように・・・・・・「このお屋敷で・・・でござ...
結果・・・グランピング2日目は、総二郎が選んだガラス工芸体験になった。それをフロントに電話したら午後イチで予約が取れたそう。それまでは自由行動だから、1番始めにしたのは・・・・・・「えっ?もう洗濯すんのか?」「もうじゃないわよ!!4つあるベッドのうち、2つをグチャグチャにしたのよ?それとも今夜はおとなしく寝てくれるの?!」「でも替えのシーツは山ほど・・・」「隠せるところもないのに、こんなに汚れた物を部屋の隅に...
「それと、もう一つ・・・これも真利愛の事だけど2人に話があるんだ」類の言葉に美央よりも加代の方がビクッとした。そして「私が聞いてもよろしいのでしょうか」と・・・それには「加代にも協力して欲しいと思っているから」と静かに言った。この時には類の怒りは消えていて、逆に穏やかにも見える。どこか覚悟を決めたような表情で、美央は自分達の関係性を加代に話すのかと焦った。が、「真利愛のこと」だと言われたので訳が判らず、...
「・・・・・・・・・・・・さむっ・・・いや、重っ・・・・・・」次の日の朝・・・もう外が明るくなってから目を覚ました。寒いと思ったのに、実は暖かい・・・その矛盾を考えていたら、私は何も着ていないことに気が付いた。だけど身体の半分は誰かさんに抱きつかれてるから暖かい・・・。そして重たいと思ったのは総二郎の片脚が私の腰に乗っかってるから。薄目を開けた時にはぼんやりとしか思い出せなかったけど、そのうち記憶が鮮明になると・・・・・・そうだった...
「専務、黒田大輔様がお見えになりました」藤本がそれを伝えに来たのは14時。類はチラッと藤本を見て、目で「通せ」と合図した。藤本は自分の担当エグゼクティブがこんなに怒りを表しているところを見た事がなかったので、その冷たい視線にはゾクッとした。そして大輔を執務室に通すと、中央のソファーに案内し、珈琲の準備をするために席を外した。その時に大輔を見たが、この男は事の重大さが判っていないのか、どこか不満気だ...
本文中にR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*まだ挿れてもないのに息が上がってるつくし・・・さっきまで恥ずかしそうに隠していた胸を大胆に晒し、両手は自分の身体の横で力なく投げ出されていた。そんな姿を見て少しばかり可哀想になったが・・・ここで終わるわけにはいかない。もう1度...
類の元にとある問題の報告がされたのは翌日だった。執務室で年内最後の仕事をしていた類の元に、藤本が緊張した面持ちで入ってきたのだ。その手にはスマホがあり、いつもと違う様子に不審な顔をすると・・・「専務、これをご覧いただけますか?」「なに?」「とある人物のSNSの画面です。お嬢様ではないかと思われますが」「真利愛?」「はい、こちらです」藤本が差し出したスマホの画面を見ると、そこには紛れもなく真利愛が写ってい...
本文中に微ではありますがR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*せっかく2枚目のバスタオルを用意したのに、そんな物を巻く暇もない。ぐったりしたつくしを抱き抱えてテントの中に入り、取り敢えず中央のラグの上に座らせた。そして真新しいバスローブを掛けてやり、冷蔵庫からミネラ...
つくしが出て行ったあと、暫く類はその部屋に残った恋人の香りに浸っていた。まだ指先にはつくしの髪の感触があり、唇にも温かみが残っている・・・次にこれを感じられるのはいつだろうかと、深い溜息が漏れた。「お~い、そろそろ出て来いよ、類」そんな親友の声が現実に引き戻し、仕方なく類も動き出した。離れを出ると、母屋の廊下柱に凭れ掛かった総二郎が苦笑い・・・「シケた顔すんなって!」と調子よく言われた直後、本郷のことを...
本文中に軽微ではありますがR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*背中から抱きつかれてるから、総二郎の顔が見えない・・・だから余計に不安になって、振り向きたいけどそれも出来ない。だって総二郎の舌がずっと私の背中を舐めてるから・・・それにゾクゾクして何度もビクついちゃうし、身...
そこまで話したとき、時間は15時になっていた。つくしはそろそろ園に電話をしないといけないので、類に断りを入れてスマホを手に持った。「もしもし、牧野ですけど・・・はい、お世話になっています。今日なんですけど、おむかえの時間を17時過ぎに変えても良いですか?用事があって遠くまで出掛けてまして、戻るのがそのぐらいになるんです。・・・はい、本郷美来ちゃんも同じ時間に・・・・・・美来ちゃんの具合は悪くなっていませんか?...
「勝手に熊にしたり星にされちゃたまんないわ💢女を何だと思ってんの?!」「その文句は俺に言うな、ゼウスに言ってくれ!」「だってさ~~~~・・・・・・はっ!」「どうした?」気が付いたら湯船にのんびり浸かって足を伸ばし、総二郎と肩がくっついた状態で夜空にクソ文句・・・真横を見たら麗しい顔が私を見てるし、ちょっと濡れた前髪が色っぽい。私はあれだけしっかり巻いてたバスタオルが緩んでて、身体が半分以上見えてる・・・「うわ...
それからも話合いは続き、「どうして真音の保育園が判ったのか」というつくしの疑問に入った。「俺が頼んだ情報屋が、偶然本郷って男の子どもが通う保育園に行って聞き込みをしたんだ。そこでつくしに見覚えがある人がいて、そこから保育士に接触したんだ」「あ・・・もしかしてひろみ先生?」「名前はよく覚えてないけど、その保育士が本郷を狙ってて・・・みたいな?その保育士から真音の保育園を聞いたんだ。でも真音がずっと休んでて...
総二郎が先に露天風呂に行ってから、私は1人でどうしようかとウロウロ・・・普通の旅館ならあるはずの脱衣場がないし、わざわざあそこまで行ってパンツを脱ぐのもヘン。それならテントの中で素っ裸になって、バスタオル巻いていく?そのタオル類が何処にあるかと探したら、部屋の隅にある棚に置いてあった。フェイスタオルにバスタオルも何枚か・・・「てか、それよりもシーツの替えが多いんだけど・・・どうしてだろう?」それは深く考えな...
この3年間の、類と真利愛の生活についての話は続いた。結婚式では総二郎、司、あきらも呼び、真利愛はすでに対面をしていること。そしてつくしの失踪は花沢家の仕組んだことであり、行方を捜しているということも話した、と。「そう言えば司がね・・・」「・・・道明寺・・・何か言ってた?」「ううん、特になにも・・・ただ真利愛を肩に乗っけて笑ってたよ、あいつ・・・」「えっ!真利愛があの人の肩に?!」「総二郎とあきらは花沢にすごく怒...
「はぁ~~~~~~!お腹いっぱい♪」「お前は飲まずに食ったからな・・・」もうバーベキューの網の上には焦げた野菜しかない。用意されていたお肉も殆どなくなり、総二郎は途中からビールばかり飲んでる。今はもうトングも置いてお皿に移したお肉をツマミに、すっかり暗くなった空を見上げ・・・・・・内心、これからどうするんだろう?ってドキドキしてた。しかもこのバーベキューテーブルのすぐ近くに露天風呂がある。嫌でも目に入るそれ...
西門邸・・・この広大な敷地を持つ屋敷は、正面から入ると美しい日本庭園に圧倒される。その庭にも色んな表情があり、竹林や梅園、桜の庭に紅葉の庭、そして石庭などもあって、その時期の茶会に相応しい庭を眺めながら茶会が出来るようになっていた。その中でも竹林に囲まれた庵・・・そこは躙り口のある本格的な茶室があり、特別な茶事にはそこを使うのだ。その反対側である北の庭は自然のままの庭があり、椿などの茶花となる花木が植え...
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桜の茶会が終わると宗家は茶会以外の行事で大忙しだった。まずは光翔の小学校入学で、英徳小学部の制服を着た光翔を囲み、庭の桜の下で家族全員の記念撮影。この時も祐子の悪阻は酷くなく、孝三郎と共に入学式に出席することが出来た。建翔の面倒は志乃さんがみることになり、嬉しそうな顔の3人を乗せた西門の高級車が走り去るのを皆で見送った。英徳の制服は有名デザイナーのもので、カバンもランドセルじゃなく共通の通学バッグ...
夏美さんが呆然としてる・・・・・・流石に自分でも不味いコトしたと思ってる。でも流れた玉子は拾えなかったし、真ん中の穴みたいなところ(ディスポーザー)にス~~~っと落ちていき・・・「どうしましょう、夏美さん・・・」「残った玉子は4個ですから、小さめのを作りましょうか💦」「ごめんなさい・・・」「大丈夫です!これも慣れですからね!」でも玉子をキレイに割ることは覚えたので、気を取り直して玉子4個を割った。そして夏美さんに...
翌日の紅葉の野点では、家元夫人のお茶席で祐子さんと一緒にお手伝いをした。まだまだ阿吽の呼吸とはいかないけど、とにかく自分の出来ることを頑張るしかない。2人とも家元夫人と色違いの着物で、それだけで周りの人達には意味が判ったようでザワザワしたけど・・・それでも笑顔を絶やさず、大失敗をしないことだけを願いながら。野点茶会が始まって2時間後にやってきた花沢類と美作さんは、何故か総二郎のお茶席じゃなくて家元夫...
「はぁ~~~~~!12時になったぁ!」「社食に行く?今日の日替わり、なんだったっけ?」「池上君、今日は13時30分には芝崎産業に行くから遅れるなよ~~」「はい、すぐに飯食ってきます!」「花沢課長、キリがいいところで食事にしませんか?」「・・・ん」・・・なんとか午前中の業務終了。俺も昼食に行こうと席を立った。他の社員のように社食に行ってもいいんだけど、俺の場合は周りにいる社員の方が気にするってことで、いつ...
1時間後・・・・・・クタクタになった私達は母屋に戻っていた。後援会の皆様への挨拶は道明寺達のおかげで滞りなく終わり、むしろ後半はこの人達によって私達の結婚が西門流にとってもこの上ない幸運だと言わんばかりに盛り上がってた。総二郎の親友なんだから特別顧問的な役割は続くのに、オマケに私の後ろ盾だなんて・・・家元ご夫妻も彼らとニコニコしながら会話し、「今日はどうもありがとうね~」なんて言ってる。そして鬼みたいな顔...
マンションに戻ったのは11時30分。ここで夏美さんが「すぐにご飯を炊きましょう」って言いながら、さっき買ってきた食料品の中からお米を取り出した。「お米を・・・たく?」「えぇ、炊飯器で炊くんです。これも忘れました?」「・・・・・・あ、あは・・・あっははははは!」「簡単ですからすぐに思い出せますよ」野菜を炊いたものなら知ってるけど、基本私達のご飯は玄米を蒸して強飯にしたり、水をたっぷり入れて煮るお粥がほとんどだっ...
「つくし様、終わりましたわ」「・・・ありがとうございます、志乃さん。うわぁ・・・私じゃないみたい///」「うふふ、よくお似合いですわ。では総二郎様をお呼びしますね。お客様もすでにお待ちのようですので」「・・・・・・は、はい!」今日は後援会の皆さんとの顔合わせの日・・・家元夫人から譲り受けた色留袖を着て、ドキドキしながら控えの間で待っていた。総二郎が選んでくれたのはすごく綺麗な袷の色留袖で、地色は象牙色、柄はすべて手...
夏美さんとホームセンターに行くと、真っ直ぐ向かったのは「キッチン○○」ってことろ。(↑○○=用品だが、まだ漢字が読めない)そこにはキラキラした(金属)ものが沢山あるんだけど、私には何のことやら・・・だから全部彼女に任せることにした。まずは”包丁”・・・「このまえ買ったかどうか忘れたんですけど、2つあっても良いと思うので」「は~~い」「ぺティナイフも買いましょうか」「・・・は、は~~い」(←わかっていない)夏美さんが...
お義母様との話し合いが終わった翌日から、私はいただいた着物を着て本邸を歩くことになった。そしてここではお義母様から家元夫人に呼び方も変更・・・自分1人では何をしていいのかわからないので、常に家元夫人にくっついていた。玄関の花を変えたりするぐらいなら緊張はしないけど、生徒さんが来たときに挨拶するのは心臓が破裂しそうになる。なんたって生徒さんの半数は名家のご令嬢・・・今はフリーの総二郎がお目当てなんだもん。...
サンルームとやらに干された3日分の下着・・・白に鴇色(ときいろ・ピンク)に空色・・・乾いたらこれを畳んだらいいとのこと。でもそれを何処に仕舞うのかしら?この部屋には唐櫃(からびつ)もないんだけど・・・。出典:e国宝「どこに仕舞っても自由だと思いますけど、確かにお部屋にタンスはないみたいですね~」「服は向こうに置いてあるんですけど・・・」「あぁ、クローゼットですね?でもこんなに広い脱衣場があるし、ここにも棚がある...
つくしと葵が退院してから1ヶ月が過ぎた。梅雨の晴れ間で、気温もそう高くない日・・・・・宗家には客人が来ていた。それは神楽木裕也夫妻で、その手には葵のための祝い着があった。淡い黄色から赤への暈かしがあり、美しい配色の毬に組紐、そして熨斗目が描かれたもので、華やかな芍薬や桜なども。金彩も施され、煌びやかさもある極上のもの。それを見るつくしや祐子は目がテン・・・お袋は涙ぐみながらそれを手に持った。その場には親父...
「まだ始まっていない・・・とは・・・?」「えっと・・・・・・つくしさん、成人してますよね?」「せいじん?」「大人・・・ですよね?」”せいじん”・・・つまりそれが大人って意味?私達の頃は男性は「加冠の儀」つまり「元服」、女性は「裳着の儀」ってのがあった。元服は帝であればおおよそ11歳から15歳まで、皇太子であれば17歳までに行われてたけど、通常14歳前後が多かったみたい。元服式には「理髪の役」と「加冠の役」の役目があって、まず...
出産がこれほどまでに大変だったとは・・・・・・光翔の時には立ち会わなかったからわからなかったし、正直美涼の苦しみや痛みまで考えなかった気がする。でもつくしの様子を見ていると、彼女も必死に産んでくれたのだと・・・・・・もう少し感謝の言葉をかけてやれば良かったと思った。と同時に、これだけの思いをして生んだ光翔を愛おしく思えなかったことに対して疑問が湧いたが・・・「・・・総二郎、どうかした?」「あ、いや・・・なんでもない。...
夏美さんが来てくれたので安心して全身の力が抜けた・・・けど、この人に色々と教えてもらわないといけないので、「よろしくおねがいします!」と元気よく挨拶♪中に入ってもらって、まずは・・・・・・何をする?「え~~~~~と・・・」「あぁ、お茶とか珈琲とかはいいですよ。仕事で来てるので気を遣わないで下さい」「・・・(あぁ、お茶を出すものなのね?そもそも炭汁(珈琲)は作れないし)・・・あはは///すみません」現代社会を知らないフリ...
5月31日は土曜日で、一颯の保育園はお休み。光翔くんの幼稚園もお休みで、子供達は朝から庭で遊んでいた。あんな風に走ったり飛んだり、しゃがんだりが身軽で羨ましい・・・と、自分のお腹をさすりながらそれを眺めて・・・・・・「・・・つくし、平気か?」「へ?あぁ~~~、うん、まだ平気」「陣痛が来る前に入院してもいいんじゃねぇの?」「そんなの病院に迷惑だよ。陣痛間隔が15分ぐらいで行く人もいるんだし」「でも・・・・・・」「そん...
「おはようございます、花沢課長///」「課長、今日も素敵なスーツですね~~♪」「・・・・・・・・・」「無口だけどそこがまた///」←ただの無愛想「ねぇねぇ、今日は少しワイルドな髪型じゃない?」←ただの寝癖「「「花沢課長、おはようございます~~~♪」」」「あぁ、おはよう・・・・・・」「「「きゃあああ🧡今日はご挨拶できたぁ🧡」」」そんな声もほとんど耳に入らず、床の大理石タイルに視線を落として歩いた。頭の中では1人にしてしまった...
墓参りから1週間が過ぎ、明日は桜の茶会。今回もつくしは準備だけで、当日は子供達の世話係。まだ後援会に何も話していないので、姿を見せないように離れで過ごすことにしていた。が、祐子は茶会終了後に挨拶するために数日前からその練習をしていた。お袋から譲り受けた着物を着て、光翔にも着物を着せて・・・その時は流石に一颯の事が気になったが、子供なのであまり深くは考えていないようで助かった。むしろ面倒くさいことをせ...
翌朝、やっぱり私はベッドから落ちて寝ていた。でも類がそこにマットレスってのを敷いててくれたので、今日は身体が痛くないなぁ~と思いながら身体を起こすと・・・もう類はこの部屋にはいなかった。「・・・あ、今日から仕事に行くって言ってたっけ・・・」いつまでも寝てるから、起こさずに出かけたのかと思って飛び起た私。その時にズボンの裾を踏んで転けそうになりなからも、ドアを開けて隣の部屋に行くと・・・・・・「おはよう、つくし」...
桜の茶会の10日前・・・彼岸の日に神楽木家に向かった。車中にはお袋の姿もあり、つくしが後部座席で一颯の相手をし、お袋は助手席。運転席の俺も少しばかり緊張するが、まだ祖母に慣れていない一颯のためにはこの方がいいだろうと思ったからだ。お袋は紫地の江戸小紋に紹巴織の名古屋帯。春らしい着物ではなかったけど、品があり、墓参りに相応しいものだった。「ねぇ、ママ。かぐらぎのおじちゃんはなんのお仕事してるの~?」「...
その日の夕ご飯も誰かが持って来てくれた物をレンジでチンして食べることになった。何度もやったから温めは完璧🧡そしてコンロでお湯を沸かすことも出来るようになった。ここでまた初めての物が出てきたんだけど・・・すごく軽くて四角くて、スカスカしてる?「類、これはどうやって食べるの?このまま囓るの?」「それはフリーズドライの卵スープだよ」「・・・・・・?」「あぁ、フリーズドライって言うのは真空凍結乾燥って意味で・・・・・・わ...
それから数日間、つくし達は大きな問題もなく過ごしていた。少しばかり増えたことと言えば、真利愛と真音にパーティーでの挨拶を教えることだった。いくらこの豪邸に住んでいた真利愛でも、ビジネスパーティーには出席したことはない。真音に至っては堅苦しい服を着ることですら初めてだ。だからと言って3歳児に完璧なマナーなど出来るはずもないので、可能な範囲でのこと。特別な講師を招くわけでもなく、加代が教えるのだが、そ...
翌朝・・・サッちゃんは早朝から仕事だから、私が目を覚ましたときにはもう部屋にいなかった。その部屋を見たら、私の荷物がドーンとド真ん中に・・・前に使っていた部屋だけど、今はサッちゃんと野田さんの部屋だから男性用品もあるし、さり気なく結婚式の写真も飾ってあるしで、私はすごく迷惑なことをしたんだな・・・と。なんたって昨日は総二郎と大喧嘩・・・それを新婚のサッちゃんに八つ当たりしまくった気がする。「頭痛いなぁ・・・身体...
その日はいつもより早く帰宅出来そうだったため、類は加代に電話をして、子ども達と一緒に食事をすると話した。すると加代から聞かされたのは今日の昼間の出来事・・・「えっ、真利愛とつくしが?」『はい。そんなに酷い喧嘩ではありませんが、つくし様を突き飛ばすような事をしてしまって・・・』「そう・・・・・・それでつくしは?」『必死に真利愛様を宥めておいででした・・・』「真利愛は?」『まだ謝ってはおられませんが、そのあとは真音...
夕食時、考ちゃんは茶道教室・夜間の部があるとのことでいなかったけど、その席には祥一郎さんが♥見飽きた顔じゃなくて、長男さんがいることを家元夫妻も喜んでるみたい♪特に家元夫人はお母さんの顔になってるし~。「どうなの?お仕事は上手くいってる?」「もうどのくらい手術したんだ?」「まだ勤務して数年だし、そんなに言えるほどじゃないって」「あら、じゃあ一人前とは言えないの?」「欧米だと一人前の心臓外科医になるに...
「つくし、何しているの?」「ん~?えへへ・・・・・・子ども達の服を縫うの。その型紙を作ってるんだよ~」「服・・・つくしが作るの?」「うん!それとね、ぬいぐるみ達の服とか、ランチョンマットとか・・・あ、類のはブルーだよ♪」「くすっ、今日は機嫌がいいんだね」「へっ///?あぁ・・・うん、まぁね~」真音と真利愛が寝てしまった後で類が帰宅し、つくしはその時もテーブルの上に型紙を広げていた。類はそれを覗き込んだが全く判らない...
なんとか巨大迷路を抜け出し、出口前で合流したのは16時。そこに道明寺さんはいなくて、私たちはアイスを食べながら待つことに・・・するとしばらくして数人のスタッフさんに連れられて、ブスッとした彼が戻ってきた。どうやら巨大迷路を破壊したことで、お説教&損害賠償の話があったらしいけど、道明寺さんは「全部立て直してやる!」と即答したらしい。スタッフさんもこの人が道明寺ホールディングスの人(経営側)だとわかり、...
その日の夕方・・・土曜だったので類は早めに帰宅できた。当然それを迎えに出たのは真利愛と真音で、「ぱっぱ~~!」と飛び付いたのは真利愛だ。真音も同じようにしたい様子だったが、真利愛の勢いに負けるのと、まだ素直に類に触れることが出来なかった。そんな真音に気が付いて、類はいつも真利愛の後で真音も抱き上げた。「うわ・・・真音、少し重くなった?」「ほんと?ぼく、大きくなった?」「まいあは~?まいあも大きくなったぁ...
巨大迷路の入り口に立つと、そこには2つのコースがあった。1つは体力勝負のアスレチックコース、もう一つは仕掛けを解いていく知力コース。迷路としての建物は1つだけど、中の通路は巧みに入り組んでいるため2つのコースが交わることはないそうだ。そのどっちに行くかってことで、再びジャンケンすることに。勝った方が好きな方を選ぶことにして、総二郎と道明寺さんがジャンケンすることとなった。「行くぞ、司!」「・・・そん...
つくしが花沢邸に来てから1ヶ月が経過した。それが5月の中旬で、ここで2人は婚姻届けを提出することになった。何故3ヶ月も先になったのかというと、社長に就任した類が多忙だった事もあるが、警察の事情聴取、つくしの税務処理と何かにつけてドタバタしていたのだ。それも全部終わり、類も落ち着いてきたために漸く自分達の届け出に着手できたのだ。しかも類と真利愛は養子縁組をしていたので、その辺りの修正手続きに弁護士を...
いきなり現れたのが恐ろしい顔の人形だったのか、それとも人間だったのか・・・それすらわかんない状況で彼に逃げられたけど、こんなところに1人で取り残されるのもイヤだ!だから楽しむ時間もなく暗闇の中を追い掛けたら、道明寺さんは何にもない壁に両手ついてゼイゼイしていた。・・・まったく、それが30歳の男のすることか💢!!それを怒ることも出来ず、薄気味悪いBGMの中、道明寺さんの背中をポンと叩くと・・・「うわあああぁっ!...
「・・・・・・マジか・・・」「俺、1回入ってみたかった♪」「悪い、俺は絶対に嫌だ。乗り物ならいいけど、あそこは無理!」「・・・・・・・・・は、入るだけなのか?」「うん、入るだけだよ~~♪だってお化け屋敷だもん!自分の足で歩くだけだよ~~」子供の頃からの夢だと言いながら、つくしは薄気味悪い建物の前で立ち止まった。そしてここでも言いだしたのがジャンケン。あきらが絶対に嫌だと言うから、俺と類と司とつくしの4人で2組に分かれ...
先日は大変お騒がせしました。たくさんコメントいただきまして、そのお返事も出来ずに申し訳ありません。多くの方にお話を楽しみにしていると言っていただき、とても感謝しております。しばらくお休みさせていただき少しは落ち着いたのですが、続編のお話で物足りなさが解消できるかどうかを考えると・・・どうなのかな~?と思いつつ・・・でも書いていたものだけは公開して、それでこの話を完全終了させることにしました。なので近々0...
初めはゆっくり動くジェットコースター・・・だんだん心臓がバクバクし始めて、喉がゴクリと鳴った。そうしたら花沢さんがボソッとひと言・・・「ジェットコースターってさ・・・恐怖心とは関係なく気絶する事があるんだよね」「は?」「極端な重力がかかると血液は下半身に集まって脳に届かなくなるから。特に気温の高い日は汗をかいて体内が脱水気味になってるから余計になりやすいんだって」「・・・・・・(今日、暑いけど)・・・」「ジェットコ...
「あ~あ、もう無理か・・・」「美作さん、何が無理なの?」「いや、何でもない(総二郎達のゴンドラからはもう見えない・・・なんて言えないし)。つくしちゃん、あと少しだからしっかり見ておかないと!」「は~~~い!」観覧車の後半になったら美作さんは私と向かい合って座り、何故かニヤニヤしていた。その意味は判らなかったけど、言われたとおりに窓の外を眺めて「もう地面が近くなった~!」と・・・その時目に入ったのはジェット...
遊園地とは文字の如く、楽しく遊べるように、いろいろな遊具やアトラクション、設備を備えた施設。アトラクションの設置に関係なく遊園地と呼ばれている公園もあるんだけど、私の思う遊園地は「乗り物」があること!それは滑り台、ブランコじゃなく、もっとハードでスピード感のあるもの・・・まさか、本当にそれに乗れる日が来るとは・・・っ!!「・・・・・・うっ・・・うっ・・・えぐっ!」「ちょっと総二郎・・・この子、泣いてるんだけど」「悪い...
「ふああああぁ~~~~~~~~!よく寝たぁ~~~~~~~~~~!!」大きく背伸びをして起きたのは6時30分。総二郎がいないおかげで久しぶりに爆睡でき、すっごく気持ちの良い朝だった。カーテンを開けると清々しい朝陽が目に入る・・・「今日は快晴だな~」と呟きながらベッドを降りて服を着替えた。そしてドアを開けて隣の部屋を覗くと・・・ベッドで寝ているのは美作さん1人。花沢さんはソファーで丸くなり、道明寺さんと総二...
私を無視して決められた翌日の予定・・・まさかの、道明寺さん達とのお出掛け?!結婚式の翌日に団体行動?!「ちょっと待ってよ、何処に行くの?」「つくし、行き先が問題じゃねぇよ💢俺達は2人きりでここで過ごし、明日の夜までマッタリするんだから!そうじゃないと明後日からは仕事なんだぞ?これまでの疲れを癒やさないとダメだろ?」「確かに疲れてるかも・・・行き先次第だけど・・・」「そうだなぁ、何処に行きたい?あきら」「俺は...
最後まであきらが仕切った二次会終了・・・考三郎はそれからまた飲みに行くと言い、女達を連れて何処かに消えた。従姉妹・従兄弟達はそれぞれの迎えの車であっさり帰宅。涼子達はつくしよりも景品に浮かれまくり、万歳しながらタクシーに乗った。港に残されたのは俺達5人・・・今日は宗家に戻らず、Tホテルのスイートを予約していたので、そこに向かうと言うと、あきらが「ハネムーンは?」と聞いてきた。答えは・・・「今すぐ旅行には行か...
「皆さま、大変長らくお待たせいたしました。本日の主役である新郎新婦の準備が整ったようです。皆さま、ご準備はよろしいでしょうか~?!それでは新郎新婦の入場で~~~す!」美作さんの声で扉が開けられ、途端に目の前でパーン!とクラッカーの鳴る音が!それよりもシャンデリアの灯りの方が眩しくてクラッとしてしまった。その後で叫ばれたのは・・・「西門さん、つくし、おめでとう~~~!」「さぁ、二次会は盛りあがっていく...
おはようございます。突然ではございますが、当面の間類君の連載公開を中止します。理由は、今回のお話について、「物足りない」とのコメントをいただき、それによりモチベーションがダダ下がりしてしまったからです。物足りない・・・それは私の筆力がないので受け入れますが、200話以上で「終盤が物足りない」と言われても、素人の私ではどうしていいのか判りません。明日より続編として、つくしと真利愛のこと、美央とのその後...