主に純文学小説を最近は載せています。
連載的でもありますが、大体読みきり作品(一話で完結的な意味を持つ)が多いです。
惰飢えは本当の、天涯孤独となった。 だから、天はこの惰飢えに、干支藻を与えたのである。 それは丁度、惰飢えが、実の姉にLINEでこう送った次の日のことであった。 「もう二度と、わたしから話しかけることはありません。さようなら。」 この日から、惰飢えはだれひとり、相談するのも話すのも、できない人間となった。 だれも、彼女を必要とはしていなかった。 だれも、彼女を見てもいなかった。 だれも、彼女に関心を持つことすらなかった。 だれも、彼女を愛してはいなかった。 彼女は自分の震える胸の檻のなかで、小さな鳥に掛け布団を掛けて寝かし付ける日々であった。 だがその鳥は、翌朝には必ず死んでいた。 だれも彼女…
半月の戯れを閉じ込めて光のドアを硬く閉める薄明りの階段を上って、投げ入れる空中の湯のなかに、半月のタブレット花の匂いと共に時が現れる彼女は、小さな胸のなかでレースカーテンで隔たれる連れ去るように生れ落ちる半月は泡と香りと湯気となりこの階だけが、花に包まれる少女を追って、男を見出すのは溶けた半月、宮殿のなかの光の戯れ
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