これを犯したのは、だれなのか
深夜零時半、ひとりの少女が、人けのない路肩を歩いている。 この少女は、何を考えているのか。 その顔は、何かに怯えているようにも見える。 その顔は、何かを待ち望んでいるようにも見える。 ほんの一瞬、目を離した隙に、少女が味わったものを。 それは目の前で今起きている。 誰かが糸を切ったんだ。 天から繋がれた糸を、誰かが切ったんだ。 脚が頭の上に載って腕は胴体の下にある。 それらは六つの個の生物のように地面の上でのたうっている。 断末魔の苦しみにたった独りで、誰もいないこの場所で。 少女は見開いた目で涎を垂らし、自分を包む闇を見つめている。 此処に、自分以外の誰もいないことを知る。 数日間の後、 少…
2019/01/31 23:16