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sirosorajpnonikki’s blog https://sirosorajpnonikki.hatenablog.com/

主に純文学小説を最近は載せています。

連載的でもありますが、大体読みきり作品(一話で完結的な意味を持つ)が多いです。

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2017/01/12

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  • 夜明け前の声

    今日で父が死んでから15年が過ぎた。 毎年、この命日に父に対する想いを綴ってきた。 人間が、最愛の人を喪った悲しみが時間と共に癒えてゆくというのはどうやら嘘であるようだ。 時間が過ぎて、父を喪った日から遠ざかってゆくほど喪失感は深まり、この世界はどんどん悲しい世界として沈んでゆく。 それはわたしがだんだん孤立して孤独になって来ているからかもしれない。 父の死と向き合う余裕さえないほど、日々は悲しく苦しい。 ここ最近毎晩、赤ワインを必ずグラスに6杯以上寝床に倒れ込むまで飲んで寝る。 胃腸の具合も最悪で歯もぼろぼろになって来ている。 こんな状態を続けていたら母の享年44歳までも生きられそうもない。…

  • 全ての者が眠っていて、唯一起きているのは nur das traute hochheilige Paar.

    今日はクリスマスイブ。僕が小学二年の時のChristmas Presentは夜と霧という本だった。父に買って貰ったのだ。当時、僕も父も、その内容を知らなかった。僕は布団の中でその晩、震えながら読んだことを憶えている。明治元年の話だ。勿論、夜と霧はその後の話だ。しかし当時は夢国出版社というものがあり、 そこが未来の本を売っていたのだ。たまに未来に生まれる人間が、 過去へ遣ってきてこれから起きる現実を預言的に書くこともあったという。さらには夢のなかで書いた話が、実は未来に起きる話であり、 それを知らずに夢の住人が書いて出版することもあった。僕は当時のことを想いだしている。父は夜に庭の暖炉で暖をとっ…

  • この闇のなかに

    こんな風に、独りで年を取ってゆくのは堪えがたい。そんなことを言ったって、仕方がない。そんな人はこの世界にごまんといるじゃないか。ぼくが堪えられないはずはない。何故ならぼくは神を愛している。神を愛しているなら、堪えられる。どんな苦しみにも。でも神を愛していない者は堪えられる力を失い、みずから命を絶つ。そんな世界にぼくが何故、生きてゆかなくてはならないのか?ぼくはそう神に問う。神はこう答える。それでもあなたは生きてゆくしかない。あなたはわたしを愛しているのだから。死んであなたがわたしを悲しませることを、あなたは決して許さない。わたしはあなたに愛されているのだから。わたしはあなたに悲しまされるべきこ…

  • 天使の悪戯

    朝が来ない町。あの門を抜けて、彼らに着いてゆく。白い闇と灰色の闇と黒い闇。巨大な高層図書室の階段を降りてゆく。最上階は深海の底より遥かに深い地下にある。すべての本を調べ、自分の暮らしたい時間を選ぶ。堀当てたトンネルへ入ると十字路に行き当たる。早く選ばないと追っ手に捕まって強制収容所に送り込まれてしまう 。真っ直ぐ行こう。友人たちは左の道を行く。此処ではだれもがふつうに暮らしている。生きる世界がちがう人たちと。新入りさん。この針と釘をもとの場所へ戻してきてほしい。引き出しを開けると顔が覗く。嗚呼、働くということは、なんて自由なのだろう。朝が来ない町で。夜が来るまで此処ではずっとみんな働いている。…

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