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2015/07/29

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  • 「脳へ転移」したガンを治療する方法

    ガンは色々な臓器に転移することが知られていますが、肺ガンは脳に転移することが多いようです。金沢大学の研究グループが、肺ガンが脳に転移するメカニズムを解明し、治療法などの開発につながる成果を発表しました。肺ガンは診断時に脳への転移が見つかることが多く、脳へ転移したケースの約半数が肺ガンと考えられています。肺ガン以外では、前立腺ガン、乳ガン、腎臓ガン、メラノーマなどが脳へ転移することが多く、ガンの治療法が進化発達し、生存期間が長くなるにつれて脳転移の発生率が増加しています。化学療法に使われる抗ガン剤は血液脳関門を通過しにくいため、脳へ転移したガンに対しては外科的な手術や放射線治療が行われますが、これらの治療には手術の困難さや副作用の等の危険性があり、患者に大きな負担を強いることになります。金沢大学の研究グルー...「脳へ転移」したガンを治療する方法

  • 新型コロナ治療薬に「有用性なし」の評価

    私は新型コロナで間質性肺炎で入院した時は、点滴でコロナ薬を投与されていましたが、3,4日で終息したようです。最近厚生労働大臣の諮問機関である中医協から衝撃の発表がありました。新型コロナによる重症化(入院や死亡)を防ぐ薬として、国内で既に1600億円以上を売り上げている、「ラゲブリオ」に対し「費用増加」との評価が下されたのです。この言葉はあまり聞きませんが、このクスリを使っても「新型コロナによる入院や死亡のリスクは一般的な治療と変わらず、余分なお金がかかるだけ」というような意味のようです。つまりコロナ薬としては、ほとんど効果が無いと言えるのかもしれません。ラゲブリオは、日本で2021年12月に特例承認され、新型コロナ薬としてトップシェアを獲得し、今も診療現場で広く用いられています。目的は、新型コロナが重症化...新型コロナ治療薬に「有用性なし」の評価

  • 慢性的な疲労や気分の落ち込みは脳の不調が原因

    私は今肺炎後の肺機能のやや不調を気にしつつ暮らしていますが、肺炎で傷んだ部分は回復しないという説もありますので、このまま調子がやや悪いままかもしれません。自分を取り巻く環境に対する認識や、自分の精神状態は、日常のエネルギーレベルを決めるのに重要な役割を果たします。脳の健康に不調が生じると、周囲や自身に対する認識だけでなく、自分の身体を思うように動かしたいという感情や欲望にも悪影響が出ます。重度の疲労はうつを悪化させ、不安を高めると言われており、さらに疲労はうつの経済的負担を45%増やしています。疲労を軽減することがうつの治療に効果的なことも、うつと疲労の関連を示す証拠だと言えます。体が必要とするエネルギーを作り出すためには、脳内のニューロンが信号を出す必要があり、その信号を伝えるためには、大量の神経伝達物...慢性的な疲労や気分の落ち込みは脳の不調が原因

  • 50代で無しは珍しい白髪の科学

    私の友人のO君はいわゆる若白髪で、たぶん50代ぐらいから白髪が目立つようになり、60代で完全に白髪になってしまいました。Y君も白髪が目立っていましたが、最近(70代後半)になりやはり完全に白髪だけとなっています。私は白黒、灰色が混ざったグレーの髪の毛ですが、二人のように完全に白くなるのも良いと思っていますが、あまり気にしていません。ただ毛が薄くなってきたことは確かで、地肌が見えるようになってしまいましたが、まあ77歳では当然のことかもしれません。ここでは白髪についてのあれこれを紹介します。白髪とは髪の毛から色素が抜けて透明になることで、髪の毛の表面に光が反射して白く見える状態をいいます。個人差がありますが、通常年に1〜2%くらいの割合で進行し、後頭部に少なく黒髪より成長が速く、太く扁平になりやすい傾向があ...50代で無しは珍しい白髪の科学

  • 肥満症治療薬「ウゴービ」が抱えるニーズと乱用

    このブログでも肥満を時々取り上げていますが、私は肥満が多くの病気の誘因になっているのではないかと思っています。この肥満症の治療薬「ウゴービ」が2月末に販売開始されました。肥満症治療の新しい選択肢として期待される一方で、このクスリにはネガティブな意見も付きまとっています。ウゴービは、いわゆる「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれる薬の一種で、体内でインスリンの分泌を促します。インスリンは第一に血糖値を下げる働きがあり、そのためGLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病の治療薬として、血糖値の高い患者に対してそれを下げる目的で長らく使われてきました。またインスリンは食欲を抑える働きもあり、そのためこの薬は欧米では肥満症の治療薬としても使われています。ウゴービは欧米を中心に利用者が急増していますが、日本でも2023年3月...肥満症治療薬「ウゴービ」が抱えるニーズと乱用

  • ヒトへの「臓器移植用」ブタが国内で誕生

    ヒト以外からの臓器移植に関しては、かなり前にブタの心臓を移植した人の話を取り上げたことがあります。この患者は数カ月で亡くなったようですが、異種移植が現実となりつつあるようです。1996年にクローン羊ドリーが話題になってから28年も経ちましたが、現在の最先端のクローン技術は、臓器移植用のブタを誕生させるところまで到達しました。明治大学発のベンチャー企業などのグループが、クローン技術でヒトへの臓器移植を前提にした特殊なブタの生産に成功し、その子ブタが誕生したことを発表しました。誕生したブタは臓器移植しても拒絶反応が起きづらい遺伝子操作を施されています。ヒトへの移植を想定したブタが国内で生まれるのは初めてのことで、臨床応用への期待が高まっています。こういった異種移植の際にブタが選ばれるのは、臓器の大きさや適合性...ヒトへの「臓器移植用」ブタが国内で誕生

  • 全身のガンを早い段階で発見できる「PET検査」

    ガンの発見に有効とされる「PET検査」ですが、それほど広まっているという感じはしていません。以前友人がこの検査を受け、その画像を見たことがありますが、ガンと思われる部位が明るく光っており、納得できるような気がしていました。PET検査は、全身の脂肪の代謝を画像化する検査です。ガン細胞は正常な細胞の何倍もの多くのブドウ糖を消費します。この性質を利用して、ブドウ糖に似た構造の検査薬(FDG)を体内に注射し、このクスリが多く集まる場所を突き止めて、体内に潜むガンを見つけ出します。目安としてガン細胞が1センチ程度の塊になれば発見できます。ガンの種類によっては、ブドウ糖が強く集まるタイプと、薄く集まるタイプなどさまざまなレベルがあるため、内容を見極めるには経験が必要です。レントゲンやCT画像は、「形の変化」で良性か悪...全身のガンを早い段階で発見できる「PET検査」

  • ヒトの身体を支配する腸内細菌「移植」で治療

    近年腸内細菌の研究が盛んになり、「腸内細菌叢」が重要な役割をすることが分かってきました。それに伴い腸内細菌をビジネスへと活用しようとする動きも活発になっています。2020年に順天堂大学、東京工業大学、慶応義塾大学の研究者らが共同創業したMGTxもそのひとつです。腸内細菌ベンチャーと言えば、腸内細菌の検査ビジネスや腸内細菌を整えるサプリメント販売などを手掛けているイメージが強いのですが、MGTxは「便移植」を通じた腸内細菌叢の移植や、「腸内細菌叢バンク構想」などを掲げる変わった戦略を取っています。腸は地球上で最も高い濃度で微生物が存在する場所と言われています。腸の表面には細菌が40兆ほど共生していると言われています。人間の全身の細胞の数が37兆個であることを考えると、その膨大さが分かります。ヒトは生まれる前...ヒトの身体を支配する腸内細菌「移植」で治療

  • 「ALS」関連遺伝子を標的にした新薬登場

    「ALS」(筋委縮性側索硬化症)はそれほど良く聞く病気ではないのですが、怖いというイメージがあります。日本ALS協会によると、日本には約1万人の患者がいて、毎年2300人が新たに発症するとされています。20代、30代で発症することもあるようですが、多くは50代以上、祖父母や両親など家族に患者がいるケース(家族性)が5〜10%を占めますが、それ以外の「孤発性」の場合、原因や発症リスクはほとんど分かっていません。発症から人工呼吸器を必要とするまでの期間は、中央値で3〜4年とされています。手足の症状で始まるタイプに比べ、しゃべりや飲み込む嚥下機能低下で始まるタイプの方が症状の進行は早い傾向があります。個人差が大きく、発症後1年以内に呼吸不全になることもあれば、10年以上も人工呼吸器を必要としない患者も1割程度い...「ALS」関連遺伝子を標的にした新薬登場

  • ほぼ「接着剤」で組み立てられているクルマがある

    このブログでも書いたことがありますが、私は接着剤に興味を持っていました。残念ながらこの研究はできませんでしたが、カップ麺のようにぺりぺりはがすと簡単にはがれる物や、ウエットティッシュのように何回でもくっつくものなど本当に多彩です。しかしこの接着剤がなぜくっつくのかはいまだに謎になっているという話しもあります。磁石がくっつくのが不思議なのと同様に、接着剤が物と物をくっつけるのは当たり前ではないようです。どうも「接着」という現象の根本的な仕組みは、まだ完全に解明されてはいないらしいです。こういった接着の仕組みを調べている研究グループが、「接着剤が引きはがされるプロセスの電子顕微鏡によるリアルタイム観察」に成功しました。この産総研のグループによると、ここ10年くらいで接着剤に対する社会の期待が変わってきたそうで...ほぼ「接着剤」で組み立てられているクルマがある

  • 食道ガンの放射線治療法と化学療法

    少し前に食道ガンを取り上げましたが、やはり基本的な治療法は手術療法です。ここでは色々な理由で手術ができない時の、放射線療法と化学療法について紹介します。手術療法と並ぶガン治療の大きな柱となるのが、抗ガン剤を使う化学療法と、放射線療法です。食道ガンの場合化学療法または放射線療法を単独で行うより、2つを同時に受ける方が効果的で、両者を組み合わせる療法を化学放射線療法と呼んでいます。こういった方法は、根治が望めないほど進行している場合に、次善の策として取られる治療法というイメージがあるかもしれません。しかしこの2つを組み合わせた化学放射線療法は、病期によっては手術に匹敵する効果も期待できます。化学放射線療法を選ぶ理由として、手術に耐えられる体力が無い場合です。病巣は限られた範囲に留まっていても、全身の状態から手...食道ガンの放射線治療法と化学療法

  • 「中年太り」の原因、加齢で神経細胞に変化

    このブログでもよく書いていますが、私はこの歳になるまで痩せ型体形で、中年太りという経験はありません。むしろ60代ぐらいから下腹がぷっくりしてきたのですが、服を着ていれば全く目立つことはなく、若干気にしているという程度です。しかし肥満体形の人にとっては、中年太りは切実な問題となっているようです。名古屋大学などの研究チームは、この中年太りに関してラットを使った実験で、代謝や摂食をつかさどる脳の視床下部にある神経細胞の「一次繊毛」という部位が加齢などで短くなることが原因と突き止めました。ヒトにも同様の仕組みがあるとみられ、肥満が引き起こす疾患(肥満症)の根本治療につながると期待されています。中年太りの原因として、加齢による全身の代謝低下が挙げられていましたが、詳しい仕組みはよく分かっていませんでした。名古屋大学...「中年太り」の原因、加齢で神経細胞に変化

  • 乳がん治療で「乳房を広い範囲で切除」が減少

    ガンに罹る人は増加しているものの、死亡率は下がり続けています。これは「ガン治療」の進化が著しいことが要因のひとつです。日本乳ガン学会の「乳ガン診療ガイドライン」に示すように、現在でも手術は乳ガン治療の重要な手段です。しかしその位置付けや方法は、臨床試験のエビデンスや技術の進歩、社会状況によって大きく変化してきました。20世紀後半まで広く行われていたのは、ハルステッド手術と呼ばれる根治的な乳房切除術でした。ガン病巣のある乳房はもちろん、大胸筋、小胸筋から鎖骨下のリンパ節を切除し、ガンに侵された部位周辺の広い領域を徹底的に取り除く大手術です。加えて鎖骨上リンパ節や胸骨傍リンパ節、時には鎖骨そのものまで切除する拡大乳房切除術も行われました。こうした手術が普及した結果、乳ガンの局所再発率は低下したことは確かです。...乳がん治療で「乳房を広い範囲で切除」が減少

  • 顔と目と舌の写真だけで「老化度」を判定

    中国の研究者が、個人の顔と舌と網膜の画像を人工知能(AI)を使って分析し、「生物学的年齢」を判定するツールを開発したという記事がありました。ある人の実年齢(暦年齢)は、運転免許証などを見れば知ることができます。これに対して、生物学的年齢を知るのは難しく、実年齢とは違い広く合意された測定方法がありません。生物学的年齢は環境や生活様式や遺伝の影響を受ける可能性があります。例えば喫煙者は実年齢よりも老けて見えることがあり、フィットネスに熱中している人ははるかに若く見えることがあります。この2つの年齢の差は、見た目だけの問題ではないようです。生物学的年齢が実年齢よりも高い人は、慢性疾患があったり、平均よりも早く認知機能が低下したりしているかもしれません。一般に生物学的年齢を測定するモデルは「老化時計」と呼ばれてい...顔と目と舌の写真だけで「老化度」を判定

  • チョコレートの「脳への影響」とは

    私は若いころはチョコレートが好きで、当時マーブルチョコ(今でもあるのでしょうか)を常時携帯し、何かあるとひと粒舐めていました。それでもそれほど大量に食べるわけではなく、一箱(一本)あると1か月近くもっていたような気がしています。チョコレートに含まれるフラバノール(カカオ・ポリフェノール)は、心血管機能へ好影響を及ぼすとされていますが、最近は脳への影響がいろいろ研究されているようです。チョコレートのカカオに含まれるフラバノールには抗炎症作用があり、血管の内側の細胞を守ったり血小板の凝集を抑制するのではないかと考えられています。強い抗酸化作用があるフラバノールは、高密度リポタンパク質(HDL)を増やし、低密度リポタンパク質(LDL)の酸化を抑え、インスリンの抵抗性を下げる可能性があるようです。またフラバノール...チョコレートの「脳への影響」とは

  • 心疾患に関係する女性ホルモン

    心筋梗塞などの循環器病(心疾患)は男性に多いというイメージがあるようですが、女性も発症し世界では女性の死因のトップとなっています。私の身近な人で心疾患で亡くなった人がいませんので、あまり実感はわきませんが日本でも女性の死因の2位を占めています。女性のための心疾患予防・啓発プロジェクトが始動しましたが、専門家は心臓を始めとする臓器の機能には女性ホルモンが関与していると述べています。実際には男性と女性でなりやすいケガや病気に差(性差)があるようです。男性は20代から40代にかけてコレステロール値が高くなる傾向があります。脂質異常症になると、動脈硬化が進行し狭心症や心筋梗塞などを招く恐れがあります。糖尿病や痛風も男性の方が多い病気です。女性では貧血が代表的な病気で、生理を繰り返すことに伴うもので、肩が凝ったり腰...心疾患に関係する女性ホルモン

  • 私のせいで1回延期となった定例麻雀

    このところ家で静養していましたが、間質性肺炎で入院後退院してからほぼ1カ月がたちましたので、もう大丈夫だろうと麻雀を開催しました。ただ医師に進められて購入したパルスオキシメーターで血中酸素濃度を時々測っていますが、通常は92〜95程度で推移しているものの、運動という程でなくても動いたりすると90を切ることがありました。やはり初めて電車に乗り、長時間麻雀をやって大丈夫かという不安はありました。そこで近所のドラッグストアに行き、酸素吸入器を探してみました。結局店員に聞いたのですが、「携帯酸素」というスプレーのようなものを購入しました。やや大きめの物でしたが、これがあれば急激に酸素飽和度が下がっても何とか対応できそうな気がして、これを持参しました。雀荘にはH君とSKさんが来ていたので、待つ間にかなり詳しく状況を...私のせいで1回延期となった定例麻雀

  • 高い枕で寝ると脳卒中になりやすい説

    私は若いころは寝つきが悪く、ベッドに入ってもなかなか寝付けませんでした。別に枕にこだわりなどなく、どんな枕でも問題はなかったのですが、なかなか寝付けないことをやや気にしていました。それが歳をとってからは非常に早くなり、寝酒としてウイスキーを少し飲む習慣が良いのかもしれません。寝酒はあまり良くないと言われていますが、私にとっては良い睡眠をとるうえで大いに役立っているような気がします。脳卒中の原因のひとつ、特発性椎骨動脈解離は高い枕で寝る人ほど発症率が高いことが、国立循環器病研究センターの研究チームの分析で明らかになりました。研究チームは「殿様枕(とのさままくら)症候群という新しい病気の概念を提唱し、何気ない睡眠習慣が脳卒中のリスクになり得ることを認識してもらい、予防に繋げて欲しいとしています。突発性椎骨動脈...高い枕で寝ると脳卒中になりやすい説

  • 認知症リスクのうちハイリスクな高齢者に多い疾患

    もう1年以上前からですが、私は左耳に軽い耳鳴りがしています。近くの耳鼻科にいったのですが、詳しい聴力検査後に異常はなく耳鳴りは治せないと言われました。その後ネットなどで耳鳴りに良いという漢方薬を見つけ、1か月飲んでみましたが全く効果はありませんでした。結局現在も耳鳴りとともに暮らしていますが、ここでは難聴と認知症の話です。これまで認知症は、高血圧、糖尿病、肥満などが危険因子と言われてきました。しかし2017年に英国の国際委員会が、加齢による「難聴」も認知症のリスク要因のひとつであると指摘し、さらに2020年高血圧や糖尿病、肥満、飲酒、喫煙などの12の要因の中で、難聴が最も大きなリスク要因であると発表しました。この理由は明快で、難聴になると社会的にどんどん孤立していくからです。聞こえにくくなると、相手が言っ...認知症リスクのうちハイリスクな高齢者に多い疾患

  • 早期の膵臓ガンを血中酵素の活性異常で発見

    私の友人知人も亡くなる人が出てきていますが、ほとんどがガンが原因となっています。特に膵臓ガンは自覚症状もなく、見つけにくい位置にあるなどで早期発見が難しいようです。東京大学などの研究グループが、比較的早期の膵臓ガン患者の血液に含まれる酵素の活性異常を見つける検査方法を開発しました。生体内には数千種類もの酵素が存在し、酵素を構成するタンパク質群は体の外から受ける環境や、身体の内部の変化を一定に保つうえで重要な役割を担っています。さまざまな病気の発病に関連して酵素活性の異常が起きるものがあり、この現象は既に発病の有無を調べるバイオマーカーとして活用されています。しかしこれまでの方法では、血液中に極微量しか含まれない酵素を検出することは難しい事でした。東京大学と理化学研究所、日本医科大学の研究グループは、これま...早期の膵臓ガンを血中酵素の活性異常で発見

  • 国民病となり得る非アルコール性脂肪肝炎

    私は新型コロナ感染による間質性肺炎で入院しましたが、退院の際の説明によると細菌性肝炎も発症していたようです。やはりウイルス感染などすると、同時に病原菌が色々なところで増殖してしまうようです。最近肝臓の疾患としてNASHあるいはNAFLDという病態が注目されています。肥満などが原因で生じる肝疾患(脂肪肝炎、脂肪肝)のことで、生活習慣病のひとつですが、薬剤による治療法はまだ確立されていません。脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が過剰に溜まった状態のことをいいますが、肝炎から肝硬変、肝臓ガンに進行しやすいとされています。飲酒しないあるいはほとんどアルコールを摂取しないのに、過食や運動不足などが原因で脂肪肝になり、それが肝炎、肝硬変へと進行する病気があります。1980年に米国の医師が提唱したNASH(非アルコール性脂肪肝炎...国民病となり得る非アルコール性脂肪肝炎

  • 磁石がものを冷やす「新型冷蔵庫」が開発

    現在は冷蔵庫が四季を通じて必要な電化製品となっています。冷凍食品の普及や、冬でも暖房によって室温が高くなり、保存には冷蔵庫が必要になっているなどが考えられます。冷蔵庫も進歩しており、冷凍庫はもちろん各部位によって微妙に温度が異なるような高性能なものになっています。なぜ冷蔵庫が冷えるのかは、気体の「断熱膨張」の原理を使っている程度しかわからず、しっかり説明できるほどには理解できていません。最近「磁気冷凍」というイノベーションによって、冷蔵庫の歴史が大きく書き換えられようとしているようです。つまり磁石を使って冷やすという技術です。この必要性は主に環境問題で、20世紀終わりにはそれまで使われていたフロンが、大気に漏洩するとオゾン層を破壊するとされ、生産が中止となりました。そこで代替フロンの開発・利用が進みました...磁石がものを冷やす「新型冷蔵庫」が開発

  • 厚生労働省が飲酒ガイドラインを発表

    私はほぼ毎日、夕食時にかみさんとビールのロング缶を半分ずつ、風呂から出てきたときにウイスキーまたは梅酒を寝酒として飲んでいます。最近厚生労働省から「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(飲酒ガイドライン)が発表されました。このガイドラインでは、アルコールの体への影響は年齢や性別、体質、体調などによっても変化することを前提として解説しています。過度な飲酒は疾病のリスクを上げること、行動面で運動機能や集中力の低下、怪我、他人とのトラブルなどのリスクがあるとしています。また高血圧や男性の食道ガン、女性の出血性脳卒中などの場合は、少量であっても飲酒自体が発症リスクを上げてしまう事、大腸ガンの場合は1日当たり20グラム程度以上の純アルコール量の飲酒を続けると、発症の可能性が上がるなどの結果を示した研究があるとし...厚生労働省が飲酒ガイドラインを発表

  • 運動が乳ガン再発リスクを下げる

    乳がんは女性のガンの中では多い方ですが、少し前まではガン組織だけではなく広範囲に切除する術式が一般的でした。最近は他のガンも含めてガン組織だけを除くという手術に変わってきたようです。また運動をするかしないかで、乳ガンの再発リスクに歴然とした差が出るという研究結果が報告されています。日本乳ガン学会の患者向けガイドライン(2019年版)では、「適正体重を維持すること」「運動不足を防ぐこと」が再発予防として推奨されており、1週間にトータル1時間程度運動する人は、全くしない人と比べて再発リスクは25%低下し、死亡リスクも40%下がるというデータが示されています。乳ガンを経験すると治療の影響で筋肉量が減りやすく、太りやすくなる人もいるようです。そうやって体脂肪が増えると、乳ガンの発症・再発に関係する女性ホルモンの生...運動が乳ガン再発リスクを下げる

  • 死亡者数トップ3の「胃ガン」の最新治療

    最近はガンに罹る人は増加していますが、死亡率は年々下がり続けているようです。かみさんの友人が昨年「胃ガン」が見つかり手術しましたが、その後抗ガン剤治療を受けていますので、ステージが進んでいたのかもしれません。ここでは近年大きく変わった胃ガンの治療法について紹介します。胃ガンの手術が最初に成功裏に行われたのは、乳ガンとほぼ同じ時期の19世紀末でした。始めに成功したのは幽門部胃切除術です。しばらくすると難度がより高い胃全摘術も行われるようになります。その後胃切除と同時にリンパ節を切除することが再発防止の観点から重要と考えられるようになり、その目的でリンパ節を系統的に切除するリンパ節郭清術が普及しました。胃の周辺にはリンパ節が数多く存在し、早期ガンであってもリンパ節への転移が少なくありません。どこのリンパ節に転...死亡者数トップ3の「胃ガン」の最新治療

  • アプリやトランプにも広がる「元素周期表」

    元素周期表といっても教科書で見たことがある程度だと思いますが、私のような化学を専門にしていると馴染みが深いものです。元素の性質が周期的に変化することを元素の周期律と呼んでおり、これを並べたものを周期律表と呼んでいましたが、現在は元素周期表に変わったようです。私の知り合いの大学の女性の先生は、これを集めるのが趣味で先生の部屋の壁一面に貼ってありましたが、なかなかきれいなものでした。身の回りの物質はすべて元素でできており、周期表は「科学の扉」を開く格好の教材となるようです。2016年には理化学研究所のグループが発見した113番目の元素が「ニホニウム」と命名され、新たに周期表に加わりました。この元素周期表を基にアプリケーションやカードゲームが開発されるなど、活用の幅が広がっています。筑波大学付属の理科教諭は、情...アプリやトランプにも広がる「元素周期表」

  • 医療機関のインフル・新型コロナの二重クラスターが増加

    最近は新型コロナやインフルエンザの感染者数をメディアが取り上げることがほとんどなくなりました。特に能登半島地震の被災状況などが大きく取り上げられていますので、新型コロナはすでに過去のものになった感があります。しかし医療機関ではインフルエンザと新型コロナの「二重クラスター」が増加しているようです。情報が少ないのですが、インフルエンザの流行は頭打ちになってきたようですが、リバウンドしている地域もあり、新型コロナは増加しています。新型コロナはオミクロン株の末裔にあたる変異ウイルス「JN.1」が主流となりつつあります。東京都のモニタリングでは、2月2週時点でJN.1が45.1%にのぼっています。現在医療機関が苦しめられているのは、インフルエンザや新型コロナの院内クラスターです。クラスターによって診療規模を縮小せざ...医療機関のインフル・新型コロナの二重クラスターが増加

  • 中途失明原因1位の「緑内障」気づけない理由

    私は老眼鏡が手放せませんがまだ目は大丈夫のようで、1年ほど前に近くにできた眼科医に行き徹底的に検査してもらいました。若干目の不調を感じていったのですが、それは結膜炎で、検査の結果視力などに問題はありませんでした。医師によれば日本人は、眼を大事にする意識が低いためその意識を持つことが大切としています。ここでは失明原因1位の緑内障の話しです。「緑内障」は、40歳以上の20人に1人、70歳以上では10人に1人が罹患する目の病気です。現在緑内障は中途失明原因の第1位で、2022年は失明原因の28%を占めていましたが、2023年は41%に上昇しています。アジア全体で増えていて、日本の推定患者数は465万人といわれています。緑内障とは視神経に障害が起こり、見える範囲が狭くなる病気です。少しずつ見える範囲が狭くなってい...中途失明原因1位の「緑内障」気づけない理由

  • ガン治療は「臓器別」から「分子別」へ

    私の大学時代からの友人が、肺ガンを発症してしまいました。基礎疾患があるため外科手術ができず、遺伝子検査を行い分子標的薬の治療を受けていました。昨年夏に合ったときは若干痩せていましたが、あまり酒は良くないと言いつつ適度に飲みながら楽しい時間を過ごしました。しかしその後少し離れた部位に転移(再発)してしまい、新薬の臨床試験などにも参加したようですが、昨年10月に還らぬ人となってしまいました。やはり進行ガンは最新治療をもってしても、まだ克服できない病気のようです。私は元々ガンはできた部位によって(肺ガンや胃ガン)分類するものではなく、ガン細胞のどの遺伝子が変異したかによって分類すべきと思っていました。しかし日本ではガン治療のほとんどすべてが外科手術になりますので、部位別の分類が重要となっているようです。この様に...ガン治療は「臓器別」から「分子別」へ

  • ウナギの「完全養殖」に向けて人工孵化に成功

    ウナギは何となく夏の物というイメージがありますが、いつ食べても美味しい食材です。このウナギはほとんどが養殖で、私の会社も宇部の方の工場で出てくる温排水を使ってウナギの養殖をしていました。これはいろいろ難しい問題があるようで、宇部研究所に水産技術研究所を併設し研究を行っていました。私も見学に行ったことがありますが、プールのような大きな水槽にウナギが泳いでいるのを見た記憶があります。この売り上げなど見たことがありませんので、社員が消費する程度だったのかもしれません。こういったウナギの養殖は完全養殖ではなく、シラスウナギと呼ばれるいわば稚魚を捕獲して、育てるものでした。近畿大学水産研究所は、昨年二ホンウナギの完全養殖に成功したと発表しました。人工孵化で育ったオスとメスから得られた「第2世代」の受精卵が昨年7月に...ウナギの「完全養殖」に向けて人工孵化に成功

  • 新型コロナ「第10波」の特徴

    現在は新型コロナの感染者も増え、第10波になっているようです。インフルエンザもまた増加しているようで、やはり感染対策ができていないと言えそうです。私も今月初めについに新型コロナに感染してしまいました。ほとんど風邪らしい症状はなかったのですが、明け方ベッドから落ち身体が全く動かなくなってしまいました。救急車で市内の大きな病院に入院しましたが、間質性肺炎や細菌性肝炎となっており、かなり重篤な状況だったようです。医師に聞いたところでは、血中酸素飽和度が下がってしまうと、脳も酸素不足となり痛みや苦しみを感じなくなるようです。かみさんは医師から人工呼吸器の装着の可能性もあると言われ、非常に焦っていたようです。幸いコロナ薬の点滴や酸素吸入によって、比較的早く酸素飽和度も回復しましたので、10日間の入院でほぼ正常に戻る...新型コロナ「第10波」の特徴

  • 血液検査でガンを発見するポイントがある

    私の歳になると(もう77歳です)、友人知人にガンが増えています。無事手術で元気にしていたり、基礎疾患のため手術ができず薬物療法に取り組んだりしています。ガンの検査には、学術的な論文などによって多くの医師から信頼性が認められた検査方法が使われています。しかし検査自体が患者の体に負担になる場合もあり、検査によっては合併症の可能性もあるようです。血液検査はどこの病院でも行える簡便な検査ですが、ガンの存在を疑う手掛かりとなる情報が得られる場合があります。たとえばガン患者の半数は貧血を示します。これはガンによって体内に貯蔵された鉄をうまく利用できなくなるために赤血球の寿命が短くなったり、赤血球を作れと命令するエリスロポエチンというホルモンが、ガンによって起こる炎症の影響で減ってしまったりするからです。胃ガン、大腸ガ...血液検査でガンを発見するポイントがある

  • 食道ガンの生存率の最新情報

    このところ色々なガンを取り上げていますが、知人でも時々聞くのが食道ガンです。かみさんのお父さんも食道ガンで亡くなっていますが、あまり予後が良くないガンと言えるようです。食道ガンの進行度による分類(ステージ)のしかたは色々ありますが、日本では0〜Ⅳ期まで5段階の病期に分けてとらえるのが一般的です。ガンの進み具合は、大きく3つの要因に分けてとらえることができます。これら3つの要因を組みあわせて、日本独自の「食道がんの病期分類」が定められています。まず壁深達度という食道壁のどこまでガンが達しているかの分類です。これはガンがごく小さく、原発巣として認められないT0から、ガンが食道周囲臓器に浸潤しているT4まで6段階に分類されています。次がリンパ節転移の状況です。食道の周りにはたくさんのリンパ節があり、原発巣の近く...食道ガンの生存率の最新情報

  • 欧州呼吸器学会が「加熱式タバコ」に声明

    私は数年前に加熱式タバコに切り替え、それ以降加熱式タバコ(アイコス)だけを吸っています。私がアイコスを吸ってみようと思った理由は特になく、当時いろいろ話題になっていましたので、試してみよう程度の感じでした。吸ってみると紙巻きタバコを吸った時と同じような満足感が得られ、しばらく続けてみることにしました。すると当時紙巻きタバコを吸った時や、朝起きた時、夜寝る前などに時々出て悩まされていたかなりひどい咳が全くでなくなったことに気づきました。その他灰皿がいらないことや、吸い殻の処理が楽なことなど欠点以上に良い点があり、いわゆるハームリダクションとして有用であると判断し、それ以後加熱式タバコだけを吸っています。ところが最近呼吸器に関する国際的な団体である欧州呼吸器学会が、従来の紙巻きタバコから新型タバコ(加熱式タバ...欧州呼吸器学会が「加熱式タバコ」に声明

  • 医療現場で頼りになる医師の「直観」を適正に評価

    最近の医療現場では、医師が検査結果などの数値を基に判断することが多いような気がしていますが、医師や看護師の「直観」(臨床的直観)が重要とされ、ようやく適正な評価を受けるようになってきたようです。医療データを分析して診断や治療を行う人工知能(AI)システムの開発に関心が高まる一方で、臨床の場での直観についても研究が進められ、重要性も高まっています。2023年3月の論文では、むち打ち損傷に関わる障害を持つ患者の機能の回復について、理学療法士の臨床的直観による予測は、患者が経験する回復の仮定と密接に結びつくことが示されています。また2023年6月の別の論文では、手術後に起こる合併症について、手術前の外科医の直感のみに基づく予測にも、臨床データに基づく予測モデルと比較できるほどの精度があることを示しています。臨床...医療現場で頼りになる医師の「直観」を適正に評価

  • 化学構造分析を実現する質量分析装置を開発

    有機化学者にとって、合成した化合物が正しいかどうかを調べる分析は重要な仕事となっています。実際の化学反応よりも、この化学構造分析の方が時間がかかることさえあります。私は現場から離れて20年となりますが、その間も分析機器の進歩は目覚ましいものがありました。研究室でもこの分析を中心に行う、分析研究室というグループがありました。この最新の機器分析の性能を見ていくと、昔は何日もかかっていた構造解析はAIでできるようになるのではないかと思っています。有機化学の中に天然物有機化学という分野がありますが、これは植物や微生物から見つけた新規化合物の構造を決定するために、合成して同じものを作ってしまうという分野です。それだけ正しい構造を分析するという事は、難しい作業となっていました。最近島津製作所は、脂質や天然化合物の詳細...化学構造分析を実現する質量分析装置を開発

  • 認知症治療に投じる新たな一石

    認知症の7割を占めるアルツハイマー病の原因は、アミロイドβ(Aβ)など脳に蓄積した異常タンパク質を原因物質とみなすAβ仮説が定着しています。この治療薬として非常に高価な抗体医薬の「レカネマブ」が承認され、専門家の間でも評価は高いようです。私はクスリは誰でも使えるような安価で、簡便なものという信条を持っていますので、レカネマブで認知症が治療できるとは思っていません。国際医療福祉大学の研究チームは、超音波を脳に当てて微小血管の新生を促し、脳血流を回復させるアルツハイマー病治療の研究に取り組んでいます。研究チームは生体の自己治癒力を高める音波の作用に20年以上前から注目し、まずは「低出力衝撃波」によって重症狭心症の治療を成功させました。次に目を付けたのが低出力パルス波超音波(LIPUS)です。衝撃波も安全性は認...認知症治療に投じる新たな一石

  • 人類は海底にいる「宇宙人」と間もなく遭遇する?

    このブログでも何回か書いていますが、私は宇宙人と遭遇することは時間的にもあり得ないと思っています。それどころか地球以外に生命が存在する可能性は低いと考えています。ところが2012年からのアメリカの研究によって、宇宙人が存在するという証拠が出てきたという記事がありました。政府がUFO(未確認飛行物体)やUAP(未確認空中現象)を研究するプログラムの存在が2017年の報道で明らかになると、国民の間に情報公開を望む機運が高まりました。当時のトランプ政権は、軍が所有する調査報告書を議会に提出することを求める法案に署名しました。国防総省が2021年に提出した報告書には、なんとUFOとの遭遇記録が数多く記されていたのです。2023年7月に開かれた公聴会では、元軍事情報将校が、政府はUFOを操縦していた人間以外の遺体を...人類は海底にいる「宇宙人」と間もなく遭遇する?

  • カタツムリの粘液にガンや細菌を抑える効果

    少し前までは庭の植木にカタツムリをよく見かけたのですが、最近は見たことがありません。庭に来る小鳥が増えたのか、やはり自然環境は変化しているようです。カタツムリの粘液を配合した化粧品は、世界中で人気を集めています。カタツムリの粘液(主成分は「ムチン」と呼ばれる高分子糖タンパク質)を用いたスキンケア製品は、韓国でブームになった後、ソーシャルメディアでも広く話題になりました。この歴史は古く、1980年代にはカタツムリを食材としてフランスに出荷していたチリの養殖業者たちが、自分たちの手がすべすべになり、ケガをしても傷が速く治ることに気づきました。この発見がきっかけとなって、南米ではカタツムリの粘液が人気となりました。カタツムリが分泌する粘液は、保湿効果があり抗酸化物質が豊富に含まれ、老化のサインを減らすコラーゲン...カタツムリの粘液にガンや細菌を抑える効果

  • 脳梗塞リスクが5倍になる「不整脈」

    私は若いころからやや脈が速く(90前後)、気にした時期もありましたがどうも体質のようで放置しています。健康な成人の脈拍数は1分間に60~100回ですが、何らかの原因があって脈が遅くなったり早くなったりするのが「不整脈」です。不整脈には脈拍が遅くなる「徐脈」と、速くなる「頻脈」があります。脈拍が1分間に50回未満が徐脈で、息切れ、倦怠感、足のむくみなどが現れ、意識を失う失神が起きることもあります。1分間に100回を超えるものが頻脈で、動悸、息切れなどがみられ、徐脈と同様に失神を起こすこともあります。そのほか脈が不規則に飛ぶ「期外収縮」と呼ばれる不整脈もあります。日ごろから自分の安静時の脈拍数を把握しておくことが、不整脈の早期発見には必要です。心臓は四つの部屋に分かれており、右上に右心房、その下が右心室、左上...脳梗塞リスクが5倍になる「不整脈」

  • 「老後」とは生物学的にいつからなのか

    私はもうすぐ77歳の喜寿を迎える歳になり、「老い」を感じることが多くなりました。59歳で長年勤めてきた会社を退職し、すぐ住んでいる市にある企業研究所に派遣社員として勤務し、同時に2つの大学の非常勤講師を始めました。こういった仕事も67歳でいわば定年となり、その後英文特許の翻訳という自宅でできることをやっていましたが、アメリカの特許制度の改革により中止となりました。現在は囲碁や麻雀、スロット、ギターやマリンバといった趣味を中心に過ごしています。こういった生活も10年近くなり、何となく物足りない気がして、昨年末市の高齢者支援施設である「生きがい事業団」に登録しましたが、まだこれといった仕事の紹介はありません。さてどこからが「老後」と定義づけられるのか、ヒトと似たゴリラやチンパンジーも老いを感じるのかという問題...「老後」とは生物学的にいつからなのか

  • 科学的根拠の信頼度が低い血圧の基準値

    私は血圧が低い方で、77歳になっても120代しかありません。低血圧かもしれませんが、特に症状もなく問題なく過ごしています。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」では、上が130~139かつ下が85~89の場合は、高血圧予備軍とみなされます。上が140、下が90を超えるとひとくくりに高血圧とみなされ、薬を処方されるというのが今の高血圧事情です。1960年代後半に日本の医学部で最も広く使われていた「内科診断学」という教科書には、日本人の年齢別平均血圧の算出法として、「最高血圧=年齢+90」という算式が載せられていました。つまり私なら160以下で正常ということになります。ところが1999年にWHO(世界保健機構)とISH(国際高血圧学会)が「140/90」以上は高血圧と定義しました。すると日本高血圧学会もこ...科学的根拠の信頼度が低い血圧の基準値

  • ガンの再発を予防する「簡単なこと」

    健康のため運動が重要とよくいわれますが、私はこれを若干疑っています。ひとつは私の母のことで、母は小児まひで右足が麻痺していました。歩くには松葉づえが必須で、若いころはそれなりに出ていましたが、歳をとってからは全く出掛けなくなり家でじっとしていました。当然運動など全くやっていないのですが、89歳というまあまあの長寿を全うしました。さて筋肉は年齢とともに衰え、そのことが原因で免疫力が下がったり、生活習慣病を引き起こしたりすると言われています。運動がガン予防に効果的であると言われ、既にガンを患った人の生活の質を改善することも報告されています。ある研究グループが、ガンを患って手術・化学療法の治療が一応終了した20名(女性18名、男性2名、年齢30〜70歳)を対象に、6カ月間のインターバル速歩トレーニングを実施し、...ガンの再発を予防する「簡単なこと」

  • 2024年に起こり得る「宇宙天気災害」とは

    私は未だにこだわりのガラケーを使っています。携帯はあくまで電話やメールの通信手段ですので、一回り大きいスマフォにする意味が無いのです。現在のスマフォを考えると、超小型パソコンと高性能カメラという意味が強いような気がします。自宅にいるときはパソコンを見ていますし、外出時にはタブレットを持っていますのでスマフォに変える状況にはないと思っています。さて2024年には「宇宙天気災害」が起き、スマフォが使えなくなるのではと言われています。宇宙天気災害とは、太陽フレアを始めとした太陽の活動によって、地球の社会インフラが影響を受けることを指します。インターネットやGPSなど高度な文明の利器に依存する現代社会では、生活全般に影響する大規模災害のリスクがあります。また宇宙天気とは、太陽の活動によって宇宙環境が天気のように変...2024年に起こり得る「宇宙天気災害」とは

  • 健康保険で「遺伝子検査」が受けられる

    私の大学時代の友人が肺腺ガンになり、遺伝子検査を受けて分子標的薬の治療を受けています。ガンは発症した臓器の名前で分類し治療しますが、私はガンのどの遺伝子が変異してガンになったかで分類する方が有用ではないかと思っています。しかしほとんどのガン患者は遺伝子検査などしていないのが実情のようです。遺伝子の検査は健康保険で受けられる場合と、自費で行う場合があります。現在健康保険で検査できる遺伝子は、その遺伝子異常に対する分子標的薬が保険収載されている場合に限られています。言い換えれば、ある分子標的薬が効くかどうかを診断するために遺伝子異常を調べる場合にだけ、健康保険で遺伝子の検査をすることができるにすぎません。この様な遺伝子検査に用いる診断キットを、コンパニオン診断薬と呼びます。コンパニオン診断薬で、ある遺伝子に異...健康保険で「遺伝子検査」が受けられる

  • 新型コロナ感染による重大事象が発生その2

    前回1月31日に身体が全く動かなくなり、救急車で市民病院という大型病院に搬送され、コロナ陽性でそのまま緊急入院となったことを書きました。実は入院しているときは、新型コロナの闘病記をこのブログにアップしようと考えていたのですが、実際に退院してみると、入院中何をしていたかがほとんど思い出せません。特にやることもなく、タブレットで漫画を読んだり、小説を読んだりしており非常に暇だったのですが、取り立てて何かをやったという記憶がありませんでした。常時点滴をしており、鼻から酸素吸入をしていましたので、ほとんどベッドから動けず、トイレに行くときも車いすの酸素ボンベにつないで連れて行ってもらっていましたので、ほとんど自由に動くことはありませんでした。特に入院後3,4日はほとんど寝ていたような気がします。新型コロナは、ワク...新型コロナ感染による重大事象が発生その2

  • 新型コロナ感染による重大事象が発生

    急な事件が発生してしまい、ブログの更新が10日もできない事態となってしまいました。事件が起きたのは、1月31日の早朝5時ぐらいでした。私はベッドから落ち、おかしな格好で横たわっており、かみさんに起こされました。そこでベッドに戻ろうと身体を動かそうとしましたが、全力を使っても全く動かないのです。それほど息苦しさなどは感じませんでしたが、このままではまずいという事で救急車を呼ぶように頼みました。念のため隣の市に住んでいる次男が消防士ですので、連絡するように頼みました。すぐに救急車が来て搬送されたのですが、どうもこの辺りの記憶がはっきりしていません。後から医師に聞いたところでは、私の状況だと記憶が飛んでしまうのはよくあることのようでした。救急車で少し離れた私の住んでいる市の市民病院に搬送されました。すぐに新型コ...新型コロナ感染による重大事象が発生

  • 日本の高齢者はどう見ても「薬の飲みすぎ」

    このブログでも高齢者の多剤服用の問題に触れていますが、友人たちもかなりの種類の薬を飲んでいるようです。私は現在喘息と肺気腫の治療用の吸入薬を使っていますが、飲み薬ではないのでそれほど問題はないだろうと思っています。東京都健康長寿医療センターの調査によると、降圧剤や抗血栓薬、糖尿病や骨粗しょう症のクスリなど「毎日飲まなければならないクスリ」を処方されている75歳以上の人のうち、6割強が5種類以上、2割弱がなんと10種類以上も飲んでいました。全体の平均では6.4種類だというので、如何に日本人が「クスリ漬け」になっているかを示しています。私の友人は脳梗塞を発症しましたが、幸い後遺症もなく復帰しました。その後抗血栓薬を処方されていましたが、やはり薬が多すぎると感じこの薬を止めてしまいました。ところがその後心筋梗塞...日本の高齢者はどう見ても「薬の飲みすぎ」

  • 人はなぜ「まばたき」をするのか、驚きの役割

    半年ほど前ですが、若干目がかすんだ感じやまばたきが増え涙が出る気がして、眼科医に行ってみました。非常に多くの目の検査を受け、基本的に眼の病気はないと診断されましたが、私の症状は結膜炎という事で目薬を処方されました。無意識にやっている「瞬き」にはどんな意味があるかの研究結果を紹介します。単純にいえば瞬きは「目を潤すため」と言えそうですが、実は他にも深い役割がありそうという研究が行われています。瞬きで有名な話がアメリカの大統領選挙で、テレビ討論で候補者の瞬きが視聴者が抱く印象に無意識に影響を及ぼすことが知られています。これまでの選挙では、瞬きの回数が多いと焦っている、余裕がないという印象を与え、負けることが多いそうです。ヒトはおよそ3秒に1回の割合で瞬きをしており、一生で換算すると実に5億回以上瞬きをしている...人はなぜ「まばたき」をするのか、驚きの役割

  • 冬に起こりやすい「クモ膜下出血」の警告サイン

    クモ膜下出血という病気はよく聞きますが、私の友人の妹さんもこれを発症し、命は助かったのですが後遺症が残り半身不随となり、言葉もうまくしゃべれなくなってしまいました。「クモ膜下出血」は冬場に起こりやすい脳血管疾患で、発症した人の3分の1が死に至るといわれる病気です。脳は「硬膜」「クモ膜」「軟膜」という3層で覆われ、その外側に頭蓋骨があり守られています。クモ膜と軟膜の間には「クモ膜下腔」という空間があり、髄液が常に循環しています。髄液は外側からかかる力をやわらげたり、脳の代謝産物を排出したりする役割をしています。そのクモ膜下腔には、脳に酸素や栄養を与えるために「脳動脈」という太い血管が張り巡らされています。脳動脈の血管の分岐点には血圧が強くかかるため、血管壁が傷んで外側に膨れて動脈瘤を作ることがあります。それ...冬に起こりやすい「クモ膜下出血」の警告サイン

  • 新型コロナ、増加傾向で「第10波」の兆し

    ほとんど気にしなくなっていますが、新型コロナは感染者数が増加し、流行の「第10波」の兆しも見せているようです。全く話題になりませんでしたが、実は昨年9月に流行の第9波のピークが来ていたようです。インフルエンザと同じ扱いになったとはいえ、まだ若干気になる感染症と言えるのかもしれません。私の知人も先週感染が分かり、1週間ほど会社を休んでいたようです。また理化学研究所と京都大学は、昨年末症状が治まった後もウイルスが心臓に移行すると、心不全のリスクが高まる可能性があると発表しています。新型コロナの感染者が国内で初めて確認されてから、この1月で4年が経過しました。5類移行後は感染実態の把握方法は、全数把握から全国約5000の定点医療機関による定点把握に変更されました。この数値はあまり報道されませんので、気にしなくな...新型コロナ、増加傾向で「第10波」の兆し

  • 気温低下とともに増える低体温症患者

    私は朝起きるときなど、身体が十分に温まっていると寒さを感じないという特性があります。従って寒くて布団から出られないという事は全くないのですが、どうも珍しい体質なのかもしれません。朝起きていろいろ動いていると、寒くはないのですが鼻がグズグズしてきますので、上に何か着たりしています。気温の低下とともに「低体温症」で救急外来に運ばれる高齢者が増えるようです。低体温症というと、冬山のような屋外で寒さにさらされて発症する感じがありますが、室内でも発症し重症になると命に関わることもある危険な症状です。夏の熱中症の危険性は浸透していますが、冬の寒さによる低体温症のリスクはあまり知られていないようです。低体温症とは、身体から失われる熱が産生する熱を上回ることで、体の深部体温が35℃以下に低下した状態を指します。人の体温に...気温低下とともに増える低体温症患者

  • 生殖年齢の限界に挑む最新医療

    私は母が30歳の時に生まれ、私の長男も30歳の時に生まれました。母の年代からするとやや遅かったのかもしれませんが、私の子どもは平均的な時期のようです。最初の孫は次男の子供が私の60歳の時に生まれましたので、これもちょうど30年といえます。ここでは女性は何歳まで子どもを作れるようになるのかという記事を紹介します。1978年世界で初めて体外受精による赤ちゃんが生まれました。シャーレで卵子を受精させて培養した胚を母親の子宮に移植したものでした。生まれた子供は「試験管ベビー」と呼ばれ、メディアにも一般にも興奮とともに警戒感が渦巻きました。私も変な呼び方だと思った記憶があります。先天的な欠損が生じる懸念や、生殖プロセスに人間が介入するのは神をも恐れぬ行為だという声もありましたが、この処置が広く受け入れられるようにな...生殖年齢の限界に挑む最新医療

  • 膵臓ガンとタバコの関係とは

    私は数年前からタバコを完全に加熱式タバコに替えてしまいました。当初からアイコスを愛用していましたが、1年半ほど前にこれが新しいタイプのイルマに変わりました。加熱式タバコはタバコを吸うときのホルダーとそのポケット充電器がセットになっていますが、旧式ではこのホルダーが1年程度で不調になり新調していました。これが新しいイルマに変わった時はメーカーの陰謀だと思っていましたが、実は本当に改良されていたのです。タバコも新しくなりましたが、吸い口だけではなくホルダー側にもフィルターが付き、タバコの葉とホルダーが全く接触しなくなりました。これでホルダーの汚れが無くなり、掃除する必要がなくなりました。それ以外でも改良されたようで、もう1年半使っていますが、まだ何の問題も出ていません。またタバコを簡単に買えるかも重要ですが、...膵臓ガンとタバコの関係とは

  • 幽体離脱のような感覚を生じさせた研究

    私は幽霊や霊魂といったものを全く信じていないのですが、いわゆるオカルトは好きでそういった類の文章などよく読んでいます。信じていないのは私自身にそういった経験がないという事や、科学的でないという事かもしれません。最近「幽体離脱」と同様な感覚になるという事を実証した、海外の研究が紹介されていました。これは脳の「下頭頂小葉」という部位(大脳皮質の側頭葉と前頂葉の境界領域に位置)に電気を流すと、この現象のような感覚が生じたとする研究です。幽体離脱は、身体から魂が抜けだし自由に飛び回り、寝ている自分を見たり、場合によっては遠くまで出かけたりという現象を指します。スイスのジュネーブ大学病院の研究者が、てんかん治療のために入院した43歳の女性の脳を調べる機会を得ました。この女性は11年間てんかんの発作に苦しんでいました...幽体離脱のような感覚を生じさせた研究

  • ナスのヘタに含まれる成分に抗腫瘍効果

    身近な食材などに予想外の薬理作用があることは多いようです。こういった天然有機化合物の研究は進んでいますが、結局昔からの言い伝え的なものから有用物質が見つかることが多々あります。今回はナスのヘタに含まれる、抗腫瘍効果物質の話です。名古屋大学の研究チームの実験で、ナスのヘタに含まれる天然化合物に子宮頸ガン細胞への抗腫瘍効果があることが明らかになりました。同じウイルス性の尖圭コンジローマで効果が見られたことから、ヒトの子宮頸ガン細胞に応用し投与した結果、細胞死を誘導することが確認されたとしています。子宮頸ガンと尖圭コンジローマは型の異なるヒトパピローマウイルス(HPV)から発症する性感染症です。ナスのヘタはHPVによってできる尋常性疣贅という手足のイボをとる民間療法薬として使用していた経緯があります。名古屋大学...ナスのヘタに含まれる成分に抗腫瘍効果

  • 「喜寿」とは何歳のお祝い、意味や由来

    先日私は誕生日で、ついに77歳となってしまいました。「喜寿」のお祝いですが、ケーキを食べたぐらいで特別なことはしていません。ついでに長寿の祝いについて調べてみましたが、結構知らないことがあります。なおこういった長寿の数え方は、昔は数え年で行っていたようですが、現在はほぼ満年齢を使っているようです。数え年とは、生まれた日を1歳として、元日(1月1日)を迎えるたびに歳をひとつずつ足す数え方で、誕生日とは関係なく年齢が決まるもので、現在ではほとんど使われていません。満年齢は生まれた日を0歳として、誕生日が来るごとに1歳ずつ歳を加算していくもので、明治時代に入ってからはこれが主流となっています。さて長寿の祝いには「還暦」「禄寿」「古希」「喜寿」「傘寿」「米寿」「卒寿」「白寿」「百寿」などがあります。このうち最も有...「喜寿」とは何歳のお祝い、意味や由来

  • 「大腸ガン」の新しい検査法

    私は現役のころは定期検診の一環として、便潜血検査を行っていましたが、引退してからは大腸ガン検査はやっていません。76歳になりましたので、このブログでも述べているように、ガンが見つかっても治療をしないつもりですので、もう検査の必要がなくなったと思っています。アメリカのワシントン大学の研究グループは、「mt-sRNA検査(マルチターゲット便中RNA検査)」という新しい大腸ガンの検査が、従来の便潜血検査と比較してより良好な検出感度を示すと発表しました。研究グループは、平均的な大腸ガンのリスクがある45歳以上の1万4263人に便検体採取キットを提供し、便検体採取後72時間以内に採取キットを中央検査施設に送付してもらいました。その後検体提出者には各地域の内視鏡センターで、大腸内視鏡検査を受診してもらっています。便検...「大腸ガン」の新しい検査法

  • 太陽系近くに80億年前に誕生の微生物が生息か

    生命の誕生の謎は私が最も興味を持っていることですが、残念ながら私が生きているうちに解明されそうにはありません。また宇宙に生命が存在するかについても、否定的な意見を持っています。これは存在の可能性が低いという事と、距離的な問題があり確認できないためという事もあります。たとえ宇宙的には非常に近い1光年先の惑星でも、現在のロケット技術では数十年か数百年以上かかり、採取してくることは不可能でしょう。最近カリフォルニア大学の研究チームが、地球型類似惑星で微生物が見つかることが、地球からどのくらい近くで期待できるかを統計学的に推定するための実用的なロードマップを提示しました。この論文によると、太陽から326光年以内には、恒星のハビタブルゾーン(生命生存可能領域)内にある岩石惑星が1万個以上存在する可能性があるようです...太陽系近くに80億年前に誕生の微生物が生息か

  • 北極の氷が解けたら日本で何が起こる

    地球温暖化が注目されていますが、私はこういった自然の災害などはやむを得ないものとして受け入れることにしています。このブログでも何回か書いていますが、私は地球温暖化が炭酸ガスの影響ではないと思っていますが、ここでは北極の氷が解けてくる問題です。必ずしも馴染みが深いとは言えない北極ですが、国内では新しい北極域研究船の建造計画が進むなど、研究者たちの熱視線が注がれています。北極は地球温暖化の最先端と言えるようです。地球全体をひとつの熱システムとして見た場合、熱帯域が「エンジン(熱源)」で、北極と南極は「ラジエータ(冷熱源)」に例えることができます。熱帯が受けた熱が極方向に移動して、北極と南極で冷やされます。そのバランスが保たれることで、現在の地球環境の気候がなり立っています。北極と南極が冷たい理由としては、太陽...北極の氷が解けたら日本で何が起こる

  • イヌの尿からiPS細胞を作成、手法確立

    このブログでもiPS細胞を取り上げていますが、再生医療のツールとして期待していました。発見から10年以上が経過しましたが、この実用化には高い壁が存在しているようです。そのひとつが高額の費用で、iPS細胞から色々な組織を作ってもすべて数千万円の費用が掛かっています。私は具体的なことがよく分かりませんが、iPS細胞自身の作成やそれを目的の細胞に分化させることが難しいのかもしれません。この費用の問題をクリアできなければ、iPS細胞が再生医療として実用化することは難しいと感じており、かなり興味が薄れてきた気がします。大阪公立大学などは、イヌの尿から採取した細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)の安定的な作製に成功したと発表しました。イヌのiPS細胞の研究は、ヒトやマウスと比べて遅れていましたが、再生医療や遺伝子疾...イヌの尿からiPS細胞を作成、手法確立

  • ガンの骨転移、診療指針を改定

    私のギター仲間は肝臓ガンを発症し、最後は骨転移を起こして亡くなりました。骨に転移すると痛みが出ると言いますが、やはり最後は大変だったようです。骨に転移する骨転移は、腰や手足に痛みやしびれを起こし、末期とみなされましたが、近年はガン治療の進歩で長く生きられるようなったようです。2022年に改訂された診療指針では、生活の質を保つため歩く力を維持する大切さを強調しています。骨転移は、乳、前立腺、肺、甲状腺のガンの患者が多く発症し、年間約15万人が新たに発病しているとの推計もあります。骨転移が起きやすいのは、脊椎やあばら骨、骨盤、腕や脚の付け根周辺の骨です。骨に転移したガンは、骨を溶かす働きの細胞を活発化させたり増やしたりして、骨を弱らせます。脊髄や近くの神経も圧迫し、骨折の他肩や腰の痛み、手足のしびれなどが出ま...ガンの骨転移、診療指針を改定

  • 急な寒さの中でも無事開催できた定例麻雀

    先日定例麻雀、今年の初打ちを開催しましたが、私はかみさんが出掛けているので猫の世話がありました。ただ別に日にするにはいろいろ問題がありますので、少し早めに終わるという事で開催にこぎつけました。例によってビールで乾杯し早速始めましたが、私は自摸が悪く何と東場は聴牌まで行かないうちに誰かが上がってしまいました。これはついてないと思っていましたが、南場に入って2局目ぐらいに中盤までにドラの暗刻でタンヤオを聴牌しました。これならばと回していましたが、何と4枚目のドラを持ってきたのです。捨てるわけにもいかず、やりたくなかったのですが槓をしました。すると何と嶺上で自模ってしまったのです。しかも新ドラが頭になっており、嶺上開花、タンヤオ、自摸、ドラ6という倍満となりました。これでトップが来ましたので、楽な展開になると喜...急な寒さの中でも無事開催できた定例麻雀

  • これからの新型コロナ、インフル型か風邪型か

    最近は新型コロナの感染者数をあまり報道していないこともありますが、ほとんど気にならくなっています。ネットニュースでは若干増加してきているようです。私は外出するときはまだマスクをしていますが、電車などもマスクをしていない人の方が多くなった気がします。日本では定点把握による患者数が12月になり増加していることを厚生労働省が発表しているようです。この新型コロナはこれからインフルエンザのような感染症となるのか、又は単純な風邪のようになるのか気になるところです。新型コロナの流行が始まったのは2019年12月で、未知の病原体の世界的な流行になりました。流行当時は感染力だけでなく病原性が強く、重症化して亡くなる人も少なくありませんでした。こうした事態に、各国政府は国際交通を遮断し、社会生活を一次止めるなどの強い感染対策...これからの新型コロナ、インフル型か風邪型か

  • 老化で精子の遺伝子制御が変化

    高齢出産の場合女性の卵子が老化していくことが知られていますが、男性も加齢で精子の遺伝子の働きに影響が出ることを東北大学の研究グループが発表しました。精子についても後天的に遺伝子の働きが変わる「エピジェネティック」の変化に焦点を当てています。「自閉症スペクトラム障害」などの神経発達障害の発症リスクは、母親より父親の加齢の影響が大きいことが報告されています。研究グループはこれに着目し、エピジェネティックな変化の要因を明らかにしようと、マウスの実験を行いました。これまでに精子の形成においてDNAやDNAを巻き取るタンパク質「ヒストン」への、物質の結合が加齢で変化し、遺伝子の働き方に影響することを示してきました。さらにエピジェネティックな要因として残る、マイクロRNAの影響の解明に挑みました。生物の体の設計図が書...老化で精子の遺伝子制御が変化

  • 睡眠不足と肥満とは深い関係がある

    私は寝酒を飲んでいることもあり、比較的簡単に入眠できほとんど目覚めずに朝を迎えています。スマートウオッチをつけて睡眠の状況を調べても、深い眠りも多く非常に良い睡眠と評価されます。睡眠不足と肥満には相関関係があることが知られているようです。これは簡単にまとめると、睡眠が不足すると食欲増進ホルモンのグレリンが増加し、食欲抑制ホルモンのレプチンが減少し、基礎代謝量が減ってしまうためとされています。睡眠時間が短い人ほど太る傾向があるという調査報告があります。富山県の児童およそ1万人を対象にした調査では、8時間以下しか眠っていない子供は、毎日10時間近く睡眠をとる子供に比べ、肥満の度合いが3倍近く高くなっていました。同じような報告は世界各地で見られ、大人の場合も同様な傾向を示しています。「睡眠不足が肥満を招く」のは...睡眠不足と肥満とは深い関係がある

  • 日本が数値化することに成功した「疲労」の正体

    私はあまり「疲労」を感じない体質のようです。かみさんが何かして疲れたと言って横になるようなときでも、あまり疲労感を感じたことはありません。日本は疲労が美徳とされ、互いを「お疲れさま」とたたえ合う特異な国だからこそ、日本の疲労研究は世界のトップを走っているようです。ほとんどの科学研究において「量を測定する」という行為はとても重要で、疲労の研究でもそのことに変わりはありません。しかしどれだけ疲労しているか、疲労の程度を測定することは、簡単ではないのです。疲労を測定しているように見えて、実は疲労感を測定していることがあります。たとえば疲労感の測定法として代表的なものにVASを用いた方法があります。これは全く疲労感のない場合をVAS0、これまでに経験したことがないような最悪の疲労感をVAS10として、現在の疲労感...日本が数値化することに成功した「疲労」の正体

  • 専門医はガンのどこに注目しているのか

    ガンは遺伝子の変異による細胞の病気と定義されるように、どの遺伝子が変異したかで性質が決まるような気がしています。私の大学時代の友人は肺腺ガンを発症しましたが、遺伝子検査をしてそれに合った分子標的薬で治療をしています。ガンの大きな分類として、ガンのもとになる細胞の種類によるものがあります。上皮細胞からできるガンを癌または癌腫(これは漢字で書くことが一般的なようですが、ここでは私の好みでカタカナで統一します)と呼び、上皮細胞以外の細胞から発生するガンを肉腫と呼びます。また血液細胞のガン(血液のガン)は造血器腫瘍と呼びますが、肉腫はまれなガンであること、血液のガンは診断法や治療法も固形ガンとは異なることから、ここではガンとして癌腫を中心とします。ガンの性質の違いに大きく関わる分類としては、ガンの「組織型」による...専門医はガンのどこに注目しているのか

  • 生命のルーツが地球外の深宇宙で形成

    生命誕生の謎は私が最も興味あるテーマですが、どうも私が生きている間には解明されそうにない気がします。この生命の誕生に不可欠な構成要素が、恒星や惑星とともに星間空間で形成された可能性があるという研究結果が発表されています。NASAによると、生命には化学元素(炭素、水素、窒素、酸素、リン、硫黄)と液体の水とエネルギー源が必要になるとしています。地球の生命誕生は約38億年前にさかのぼり、生命の構成要素となるアミノ酸は、初期の地球で形成された可能性があるとする説があります。今回の最新研究は、それとは異なる起源を提示しています。それにはもっとも単純なアミノ酸であるカルバミン酸が、星間物質の内部で星や惑星とともに形成された可能性があることを示唆しています。研究チームは、宇宙空間にあるアンモニアと二酸化炭素を含む氷粒の...生命のルーツが地球外の深宇宙で形成

  • 血液検査での炎症の数字「CRP」とは

    私は少々の発熱では病院に行ったりしませんが、喉が腫れて非常に痛みが強い時などは抗炎症薬をもらいに病院に行きます。その時血液検査をして「CRP」が高いことを確認し、抗炎症剤や場合によっては抗生物質を処方されます。炎症というのはその名の通り体の中で炎のような生体防御反応が起こっているものを指しますが、これを簡便に知ることができる「CRP」という血液検査項目が医療現場で頻用されています。CRPは、反応性タンパク質の略です。もともとは肺炎球菌という細菌に感染した時に肝臓で作られるタンパク質として知られていましたが、原因を問わず体に炎症が起こっていると、血液検査でその数値が上昇することが知られています。医療現場では、炎症性の病態を把握するために有用な検査であり、血液検査が可能なほとんどの医療機関でCRPが測定可能で...血液検査での炎症の数字「CRP」とは

  • 加熱式タバコの増税を検討

    最近加熱式タバコの税額を上げるという税制改正の政府案が話題となっています。たぶん増税しても何の文句も出てこない税がタバコ税だからかもしれません。私もタバコが値上がりしても、それほど気にせず受け入れてきました。ひとつには海外との価格差があり、私が海外に行っていたのはもう30年も前ですが、当時日本のタバコは300円程度に対し、海外では1000円程度が多かったような気がします。タバコに課税する根拠には、奢侈贅沢品だからという側面があります。また過度な消費が国民の保健衛生上好ましからぬ害悪を及ぼし、社会的なコスト増につながるからというものがあります。タバコの売り上げに課税する政府の主な目的は財源で、タバコ税に少なからず依存している自治体も多いようです。タバコ税には国税、地方タバコ税、タバコ特別税、消費税が合算され...加熱式タバコの増税を検討

  • 脳の血管障害、動脈の硬さが血圧より寄与

    私の知人がふらつくなど体調が悪いというので、飲んでいる薬を聞いたところ7種類もありました。そのうち降圧剤ぐらいを止めてみたらといったのですが、親戚が脳卒中で死んでいるので怖くてやめられないとのことでした。こういった多剤服用も問題ですが、ここでは脳の血管障害の話です。脳卒中や認知症の因子となる脳の小さな血管障害(脳小血管病)は、動脈硬化が血圧より大きく寄与していることが、琉球大学などのグループの研究で分かりました。これまで脳小血管病の予防には血圧を下げることが推奨されていましたが、動脈硬化を防ぐ方が重要であることを示唆しています。ただし動脈硬化の進行を遅らせる薬はないことが問題かもしれません。琉球大学の研究グループは、2013〜20年に沖縄県健康づくり財団で脳ドックを申し込んだ男女1894人を対象に、脳のM...脳の血管障害、動脈の硬さが血圧より寄与

  • ワクチンは病気にかからない薬ではない

    新型コロナの6回目の接種券が来ましたが、あまり意味が無い気がして接種しませんでした。その後新型対応ワクチンなどと騒がれていましたが、もう接種券すら来なくなってしまいました。私はタイトルのように、ワクチンに感染予防の効果はほとんどないと考えています。ここでは基本的なワクチンについての解説を紹介します。ワクチンは18世紀にジェンナーが種痘によって天然痘を防ぐことを考案したことから始まります。これを普遍化したのがパスツールで、病原体を弱毒化することで多くの病原体に適用できる「弱毒性ワクチン」の手法を確立しました。しかしワクチンに使える弱毒変異株は常に得られるわけではなく、強毒に戻ってしまう可能性もあります。そこで病原体を殺して投与する「不活化ワクチン」や、病原体のタンパク質の一部を投与する「コンポーネントワクチ...ワクチンは病気にかからない薬ではない

  • 能登半島地震、流体上昇で断層に圧力

    元日から能登半島で大きな地震が発生し、津波警報まで出て大きな被害が出たようです。私の長男が石川県に住んでいますので、地震の報道が始まってすぐ電話してみましたが、幸いそれほど被害は出なかったようです。私は基本的に自然災害についてはあきらめて受け入れるしかないと思っています。日本は災害大国で、今回のような地震や津波を始めとして、台風や大雨による浸水や風害、地滑りやがけ崩れ、あまりありませんが自然発火による山火事と季節を選ばず災害が発生しています。どんなに科学が進歩しても、人はこういった自然災害を避けたり予測できないと思っています。もう30年も前の話ですが、当時静岡県の近辺に大規模な地震が起こるという予測がされました。そのため静岡県の市町村では大規模な地震の防災訓練が実施されているという話しを聞きました。ちょう...能登半島地震、流体上昇で断層に圧力

  • 人は何人の顔を覚えているかの研究結果

    私は昔から人の顔と名前を覚えるのが苦手で、すぐ名前が出てこないという事がよくありました。また顔を覚えるのも苦手で、例えば連続ドラマなど次の週だと登場人物が誰だったのかが分からないことがあります。人はいったい何人の顔を覚えていられるのかという、難しい疑問に挑戦した研究があります。受験生が英単語をいくつ覚えられたか気になるように、何人の顔を覚えていられるのかは気になる問題です。しかし英単語と異なり何人の顔を知っているのかを調べるのはとても難しいようです。単語の場合は辞書から選んで「これを知っているか」を聞くだけです。顔の場合は、世界中の人間の顔のデータベースなどありません。また家族も友人も、好きなテレビ番組も人によって全くことなりますので、人ごとにこれまでに人生でその人が知っていそうな顔のリストを作る実験は、...人は何人の顔を覚えているかの研究結果

  • 幅広い効果を持つ「タウリン」が秘めたすごい力

    今年最初の注目化合物が「タウリン」です。タウリンはアミノエタンスルフォン酸という簡単な構造ですが、生活習慣病やうつ病緩和などの効果を発揮するといわれています。タウリンをアミノ酸の一種と表現することがありますが、スルフォン酸ですのでアミノ酸とは全く異なる化合物と言えます。タウリンで分かっているのはエネルギーの産生にかかわっていることです。細胞の中にはミトコンドリアというブドウ糖からエネルギーを生み出す器官があり、そこに関係しているようです。タウリンには疲労回復効果もあり、持久力とタウリンの関係を調べた論文が複数出ています。それによるとタウリンを1〜6グラムとると運動後の筋肉痛が抑えられ、3キロを走るタイムトライアルでタイムが平均11.9秒短縮したとしています。動物に慢性的にストレスを与える実験では、タウリン...幅広い効果を持つ「タウリン」が秘めたすごい力

  • 2024年新年のご挨拶

    明けましておめでとうございます昨年は課題であった新型コロナも5類に分類され、インフルエンザと同じような扱いになりましたが、特に問題もないようです。こうして治まってみると、第何波というのがなぜ減少していたのかが不思議な気がします。色々な「宣言」などが出ており、規制はされていましたがそれほど個人の対策が進んだとも思えないのに減少し、また増えてくるを繰り返していました。こういった政府や自治体の対応が効果があったのか十分な検証はされていない気もします。私の友人・知人も何人かコロナに感染し、麻雀が延期になったりもしましたが、私もかみさんも感染せずに済みました。ワクチンも5回も接種しましたので、6回目はスルーしましたが今のところ何の問題もありません。このワクチンの多重接種もその必要性をしっかり判断して欲しいことのひと...2024年新年のご挨拶

  • アルツハイマー病のもとである「アミロイドβ」の除去

    このブログでもアルツハイマー病をよく取り上げますが、私が76歳と発症する可能性が出てきたからかもしれません。2021年にアメリカで画期的な新薬が承認されましたが、非常に高価である点や飲むことが出来ないといった問題点があります。超高齢化社会を迎えて、認知症の予防や治療は存続可能な社会を維持するために重要な課題です。今や高齢者の7人に1人は認知症であると推計されています(2018年厚生労働省)。認知症の多くは神経変性疾患と言って、神経細胞の中や外に老廃物が溜まって神経細胞が死んでいくために起こります。アルツハイマー型認知症では、アミロイドβというタンパク質の一種が重合して蓄積します。これが原因であれば、アミロイドβを除いてやれば、認知症は改善するでしょう。1999年、アメリカのグループが、アミロイドβが蓄積し...アルツハイマー病のもとである「アミロイドβ」の除去

  • 2023年の科学界の重大ニュース

    今年は新型コロナは5類となり落ち着いてきたものの、ロシアのウクライナ侵攻は続いており、新たにイスラエルでハマスとの戦争が勃発しました。世界的にはこういった暗いニュースがありますが、新聞に出ていた2023年の科学の分野における重大ニュースを紹介します。まず「〇生成AIが席巻」というニュースです。今年一番のトピックは、生成AIとして米企業が公開した「チャットGPT」でしょう。瞬く間に世界中で多くの利用者を獲得し、一大ブームを巻き起こしました。私もさっそくこれを取り入れ、このブログにも「俳句」を読むことができないことを書いています。言語処理能力が格段に向上し、まるで人が話しているかのような流暢な言葉を操るようになったことで、ビジネスだけでなく教育や行政サービスなどにも活用が広がりました。一方で懸念も高まり、世界...2023年の科学界の重大ニュース

  • タバコに「ハームリダクション」という解決法

    私は喫煙者ですが、数年前から加熱式タバコを吸っています。これは加熱式に代えたことによって、よく出ていた咳が完全に無くなったことに因ります。このようなタバコの「ハームリダクション」(害や危害の低減)について、やっと取り上げる記事が出るようになりました。ハームリダクションという言葉はあまり一般的ではありませんが、例えば衝突時の外傷を軽減するシートベルトもそのひとつとされています。タバコに関しては、禁煙信奉者の意見がほとんどでしたので、害を減らすのは禁煙から離れるということで取り上げられることはありませんでした。どんなタバコ製品も、排出物を吸い込んで体内に取り入れるため、ニコチンを含んだ排出物を摂取せざるを得ません。フィルターを付けたり低タール低ニコチンにしても、また加熱式タバコや電子タバコにせよ、これらの排出...タバコに「ハームリダクション」という解決法

  • エクソシストの悪魔憑きと脳の自己免疫疾患

    私はホラー映画が好きでよく見ていましたが、あくまでテレビ放映であまり映画館まで行ったことはありません。この代表作である「エクソシスト」の主人公のモデルが、脳の自己免疫疾患であったという説が出ていました。いわゆる「悪魔憑き」の行動が「抗NMDA受容体脳炎」という病気であったという仮説です。NMDA受容体は、正確には「N-メチル‐D-アスパラギン酸(NMDA)型グルタミン酸受容体」となっています。脳の神経細胞に発現している受容体で、それに対する自己抗体ができることで引き起こされる病気です。なぜこのような神経細胞の受容体に特異的な抗体ができるのかは、正確には分かっていません。この病気は若い女性に多く、また卵巣の奇形腫を伴う例が多いことが知られており、傍腫瘍性辺縁系脳炎とも呼ばれます。奇形腫や腫瘍ができたときに抗...エクソシストの悪魔憑きと脳の自己免疫疾患

  • 急増する働き盛りの帯状疱疹

    「帯状疱疹」はこのブログでも取り上げていますが、私は発症したことはないのですが何となく身近な病気のような気がしています。亡くなった母はその数年前にかなり酷い症状になりましたが、全く痛みを訴えないというある意味楽な症状でした。その後かみさんが肩にポチポチでき、皮膚科で帯状疱疹と診断されましたが、それほど痛みも出ずすぐに治りましたので誤診のような気がしています。帯状疱疹はストレスや免疫力の低下により50代以上で発症する人が多いのですが、ここ数年は20〜40代の患者が増えているようです。帯状疱疹の原因は、水ぼうそうを起こす水痘・帯状疱疹ウイルスで、水ぼうそうが治った後もウイルスは体内特に神経節に潜伏しています。数十年後に免疫が衰えたりするとこのウイルスが活性化し、上半身や顔に帯状の赤い発疹や水ぶくれ、刺すような...急増する働き盛りの帯状疱疹

  • 新型コロナで重症化した患者の共通点

    現在はインフルエンザの流行が話題になっていますが、新型コロナは沈静化しているようです。新型コロナはウイルスの変異などによって毒性が下がっていますので、重症化する患者はほとんどいないようですが、重症化のメカニズムには「免疫の暴走」があったようです。風邪をひいた時などにできる喉の腫れなど、まさに病原体との戦いの場というイメージがありますが、体に対するダメージも併せ持っています。ここではサイトカインと炎症との関係を紹介します。ウイルスの感染防御の中心は、抗体と考えられます。しかしこれまで経験したことのない新しいウイルスに初めて感染した場合、この段階ではまだ抗体はできていません。ごく初期の段階では感染してしまった細胞は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)という殺し屋が見つけて攻撃します。ウイルス生産工場となっている...新型コロナで重症化した患者の共通点

  • 新薬の登場で腎臓治療が激変、透析の必要なし

    私の知人も透析を受けていますが、1日おきに5時間も拘束されるというのは、日常生活に大きな影響が出るようです。近年2型糖尿病の治療薬であるSGLT2阻害薬の登場で、腎臓治療が大きく変わりました。腎機能の悪化をかなり抑制でき、この薬を飲んでいると透析になる割合が少ないことが証明されています。2023年改訂の「エビデンスに基づくCKD(慢性腎臓病)診療ガイドライン」でSGLT2阻害薬の投与は「1A」と最も強いレベルで推奨されました。従来のGLP-1受容体作動薬は腎臓の血管内皮細胞を保護し、タンパク尿を減らす効果があるとされています。しかし透析を減らすかどうかのデータはまだありません。ところがSGLT2阻害薬は、透析を減らせることが明らかになっています。その意味ではSGLT2阻害薬は腎臓病治療の歴史を変えたといっ...新薬の登場で腎臓治療が激変、透析の必要なし

  • うつ病や自閉症は脳で炎症が起きている説

    私の周りにはうつ病などの人はいませんので、あまり身近な病気と感じてことはないのですが、研究所の若手がうつ病になったことがあります。ほとんど接点はなかったのですが、本人はもちろん周りもかなり大変だったようです。ここではうつ病などの疾患が脳の炎症で起こり、免疫と深い関係があるという話しです。脳神経系と免疫系は全く関係がないと思われがちな2つの生体システムですが、実は深いつながりがあることが分かってきました。ストレスを受けると、主にアドレナリンや副腎皮質ホルモンによって免疫細胞は抑制を受けます。逆に免疫が脳神経系の病気に大きな影響を与えることも分かってきました。脳神経の病気としては大きく分けると、うつ病や自閉スペクトラム症、統合失調症などの精神疾患と、アルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの神...うつ病や自閉症は脳で炎症が起きている説

  • 喫煙者がタバコを吸える場所はどこなのか

    先日東京の赤坂でギター仲間の早めの忘年会がありました。会場の店は数年前にもやったことはあるのですが、念のため地図を印刷してきました。地下鉄を出てからたぶんこの方向と歩いて、地図を確認しようかと思っているところに前からS君が歩いてきました。集合時間の30分前に店に行ったところ、準備中という事で入れなかったようです。実は私は店に入る前に喫煙したかったので、喫煙所も探していました。S君も一緒に探してくれたのですが、飲食店の入り口に灰皿があるところを見つけ、ここなら良さそうという事で一服しながらいろいろ話していました。こうしたよく知らない都会に出てきたとき、どこで喫煙するかは大きな問題です。喫煙率が下がってきて受動喫煙を防ぐための法律も改正され、タバコを吸える場所が本当に少なくなっています。路上喫煙禁止の地域も多...喫煙者がタバコを吸える場所はどこなのか

  • めまいや難聴が起こるメニエール病

    テニススクールに行くと、開始前にストレッチとして片足で膝をかかえたり、つま先をもって後ろに引き上げる運動をしますが、最近この運動が苦手になってきました。どうも平衡感覚が低下し、片足で立っていることが難しくなってきたようです。耳には音を聞き取る以外に、体の平衡感覚を保つ働きもあります。ストレスや過労が原因でこの両方に支障が生じ、立っていられないようなめまいと難聴が起こる病気が「メニエール病」です。私の友人も車を運転している最中にひどいめまいに襲われ、自損事故を起こしてしまいましたが、突発性でありその後は起きていないと言っていました。メニエール病は一般的に、耳鳴りや耳の閉塞感の他、ぐるぐると目が回るようなめまいを繰り返します。めまいは突然起きしばらくすると治まり、めまいの発作は10分程度から数時間で、吐き気や...めまいや難聴が起こるメニエール病

  • なぜ風邪は冬に流行、その要因

    今年は11月まで暑い日が続いていると思ったら急に寒くなり、秋という季節がなくなってしまったような気がします。寒い日が続くと風邪がはやるようになります。まあ現在はインフルエンザの流行が心配されていますが、普段よりかなり早く流行期となってしまったようです。風邪は鼻水、咳、喉の痛みといった上気道に限局した炎症症状を呈する疾患の総称で、様々なウイルスが原因になります。風邪が冬に流行するのは日本だけではなく、世界中の温帯地域で同様のパターンが知られています。この冬に風が流行しやすいのはなぜかが何となく不思議に思っていました。「体が冷えると風邪をひきやすい」と信じられていますが、医学的には証明されていません。確かに動物実験では体温を下げるとウイルスに対する抵抗力が下がることが示されていますが、日常生活において多くの人...なぜ風邪は冬に流行、その要因

  • 昔の仲間との少し早目の「忘年会」

    高校時代からの仲間とは時々麻雀などしていますが、会う頻度は低くなってしまいました。2年前にこの仲間だったE君が肺ガンから突然亡くなってしまいましたので、会えるうちに合っておこうと「忘年会」を企画しました。その連絡をしたところ、M君の妹さんが突然亡くなり、非常に忙しいようでした。そこで日時を他の人に合わせて決定し、是非この日は空けるようにM君には連絡しました。ここで問題なのが7,8年前に認知症を発症したS君をどうするかです。S君は車の運転はもちろん、パソコンやスマフォも扱えなくなったようですので、当然メールも返事が来ません。そこでS君に電話し、奥さんに症状などいろいろ聞いてみました。身体は全く元気なのですが残念ながら症状はかなり進み、タクシーでも自宅に案内できないようでした。外に出るとすぐにどこにいるのかが...昔の仲間との少し早目の「忘年会」

  • 迷走神経を刺激し糖尿病治療に成功

    糖尿病は血糖値が上がる病気ですが、それ自体にそれほど問題はないものの多くの重篤な合併症があります。私の友人は糖尿病から腎不全となり透析を受けるようになり、従妹は突然失明してしまいました。こういった点からも血糖値の管理は重要なようです。東北大学などの研究グループが、脳と膵臓をつなぐ迷走神経を刺激すると、血糖値を下げる「インスリン」を作る細胞が増えることをマウスの実験で発見したと発表しました。多くの糖尿病は、インスリンを作る膵臓の「ベ-タ細胞」が減ったり働きが落ちたりすることでインスリンが減り血糖値が上がって起こるため、インスリン製剤を注射して補う治療などが行われています。ベータ細胞を増やす治療法が期待されていますが、まだ開発されていません。体内にはもともと、肥満になるとベータ細胞が増え、インスリンが多く作ら...迷走神経を刺激し糖尿病治療に成功

  • ガンや糖尿病に関係する「免疫の老化」

    私は現役のころかなり長期間抗生物質を研究していました。感染症治療に重要な働きをする免疫についても色々調べていましたが、最近この「免疫の老化」という事が話題になっているようです。まずT細胞についてみると、加齢によって生まれたてで抗原にまだ出会っていないナイーブT細胞は激減し、高齢者の血液中のT細胞の多くは、以前の抗原の情報を記憶した「記憶型」となります。T細胞は胸腺で生まれますが、この胸腺が年齢とともに萎縮していくのです。特に50歳を過ぎると顕著に委縮し脂肪細胞に置き換わります。このため新しく生まれるナイーブT細胞が減少し、代わって記憶型のT細胞が増えていきます。しかも理由はよく分かっていませんが、記憶T細胞はどんどん「疲弊化」していきます。この疲弊化は特にキラーT細胞で顕著となるようです。加齢によるナイー...ガンや糖尿病に関係する「免疫の老化」

  • 生成AIはなぜ言葉を理解できるのか

    私は人工知能といわれるコンピューターは、記憶機能を持った計算機と思っています。生成AIが開発され、人間と同じように文章の作成などできるようになりましたが、記憶している膨大なデータから単に組わせているだけと思っています。人工知能の研究は1950年代から始まりましたが、近年人間の脳をまねた「ニューラルネットワーク」が普及したことで急速に発展しました。これは「シナプスを通したニューロン同士の電気信号のやりとり」と同じ仕組みで、学習を行うものです。人間の言葉をコンピューターが扱えるようになったというのは革命的な出来事のようです。人間とコンピューターの最大の違いは、コンピューターは数字しか扱えないという点があります。色も映像も音声も、コンピューターの中では数字に置き換えられて処理されています。AIに人間の言葉を処理...生成AIはなぜ言葉を理解できるのか

  • ゲノム編集による治療を世界初承認

    最近遺伝子の改変技術は劇的に進み、特にゲノム編集は目的とする遺伝子だけを切断し、そこに新たな遺伝子を挿入するという画期的な技術です。私はこの具体的な詳細が分かりませんが、1個の細胞に使う技術と思っていましたが、病気の治療にまで応用できるようです。2023年11月イギリス政府は、2つの血液疾患についてゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」を用いた治療法を承認したと発表しました。英国医薬品・医療製品規制庁(MHRH)によると、承認したのはアメリカの企業が申請していた「キャスジェビー」という治療法で、鎌状赤血球症とβサラセミアという遺伝性の血液の病気が対象となっています。どちらも赤血球による酸素の運搬に使われるタンパク質のヘモグロビンの遺伝子異常によって引き起こされます。これは痛みを伴い生涯続き、場合によっては...ゲノム編集による治療を世界初承認

  • アルツハイマー病ワクチン開発が復活

    このブログではアルツハイマー病を時々取り上げますが、76歳の私にとって認知症はガンと共に発症する可能性の高い病気と言えるからかもしれません。最近脳から有毒タンパク質を除去する画期的なアルツハイマー病の治療薬が登場したことで、このワクチンの開発熱が復活しているようです。米政府のデータベースを調べたところ、少なくとも7つのアルツハイマー病ワクチンの臨床試験が進行、あるいは終了していることが分かりました。ワクチンは免疫システムを制御し、同病に関連するタンパク質であるアミロイドβとタウを除去する設計となっています。アルツハイマー病のワクチンを巡っては、20年以上前に最初の有望な開発が試みられましたが、臨床試験を受けた被験者のうち6%が命に関わる髄膜脳炎を発症したことで中止されています。医薬品企業の科学者らは現在、...アルツハイマー病ワクチン開発が復活

  • その後の人生を変えた人との出会い

    私も76歳といい年になりましたので、過去を振りかえることも時々あります。その中で私の一生を変えたような人との出会いがあり、それがHさんという先輩です。私がHさんと初めて会ったのは、大学4年の時専門の有機化学研究室に配属されたときです。この研究室は3部屋に分かれており、その中で一番小さなところに入りましたが、私の指導教官は当時助手のNさんとなりました。しかし実質的にはNさんと同期で、K社から研究生として派遣されていたHさんにいろいろと教えてもらいました。この年は学生運動が最も激しい時でしたので、色々あったのですがここでは省略します。さて私も就職活動をする時期になった時、HさんからK社に来ないかと誘われました。実はこのときまでK社については全く知りませんでした。当時はネットなどありませんので、友人から会社四季...その後の人生を変えた人との出会い

  • 消化器系の不快感と食事画像を見た脳の血流量

    私は若いころからあまり食事にこだわりがなく、これならばと思ったものを食べていれば満足していました。今でも朝食は卵かけごはんとみそ汁というメニューが何年も続いています。胃や腸の消化器系の不快感が続く病気は多いようで、診断が難しい機能性ディスペプシア(FD)という病気があります。川崎医科大学の研究グループが、この病気の患者は食事の画像を見るだけで脳に負担がかかり、精神的なストレスを感じていることを明らかにしました。機能性ディスペプシア(FD)の患者は胃の痛みなどを訴えて病院に行っても、画像診断や血液検査では異常がないことが多いようです。FDと同じように診断が難しい消化器系の病気に過敏性腸症候群(IBS)があります。IBSは便秘や下痢が慢性的に続く疾患で、便潜血検査や大腸カメラでも異常が見つかることはありません...消化器系の不快感と食事画像を見た脳の血流量

  • 世界のプラゴミ汚染防止へ条約作り進む

    プラスチックゴミによる環境汚染が色々と話題になっています。しかしプラスチックは現代社会ではなくてはならぬものとなっており、例えば電化製品などを購入すると大量の発泡スチロールなどで梱包されています。食品トレーやその包装など安くて軽い代替物はできそうにありません。当然世界の生産量は増加の一途をたどり、この傾向に合わせるようにプラゴミの量も増え続けています。陸地や川から海に流れ込み、漂流するうちに小さくなった「マイクロプラスチック」は、海の生物の体内に入り食物連鎖を通じて人間の健康に悪影響を与える可能性が指摘されています。この世界的なプラゴミ汚染の拡大を解決しようと、国連のもとで国際条約作りが進んでいます。しかし条約がプラゴミの排出や廃棄を何らかの形で規制し、法的拘束力がある内容になるのかは見通せていません。国...世界のプラゴミ汚染防止へ条約作り進む

  • やっとプラスになった定例麻雀

    速いものでもう12月になり、今年最後のいわば忘年麻雀となった定例麻雀を開催しました。定刻の25分前ぐらいにつくとまだ誰も来ていませんでしたが、ビールを注文するとビールとともにH君が来て株式投資の話などをしていました。すぐに全員そろい始めましたが、問題の東1局はまあまあの自摸で、中盤前に役無しで聴牌しました。今日の運試しとしてリーチをかけましたが、上がることはできず流れてしまいました。それでも他に聴牌がいませんでしたので、若干の収入になりこのところ珍しい展開となりました。今回もH君が絶好調で、リーチ一発自摸というのが何回もあり、徐々に減ってしまいました。ここでSTさんが無理な勝負を仕掛け、ハコテン間近になってしまいました。我々のルールではハコテンになると当然そこで半荘は終わりですが、罰符が1万点ツキそれが飛...やっとプラスになった定例麻雀

  • 肝機能の検査値「γGPT」だけ見ても不十分

    現代病の一つに位置づけられる肝臓病は、アルコールの指標であるγGPTを注意するだけでは不十分という記事が、東洋経済に掲載されていました。これを紹介しますがその前に、肝機能検査について触れてみます。私は現役のころ、一時臨床検査薬の研究開発グループとオフィスを共有していました。このグループのボスは私の後輩でしたが、臨床検査のプロで本当に肝機能を表わす検査法の開発に取り組んでいました。当時から現在も使われている肝機能検査としてALT(GPT)やAST(GOT)、γGPTがあります。この数値が高くなると肝機能が落ちてきたと判断されますが、実際は肝機能との相関はないようです。例えば腎臓に関してはBUNやクレアチニンが測定されますが、こういった物は通常腎臓がろ過して除いている老廃物の一種です。こういった物が血液中に増...肝機能の検査値「γGPT」だけ見ても不十分

  • ガン緩和ケアは終末期のイメージ

    私はもう76歳となりましたので、いつガンが発症してもおかしくない年齢となりました。このブログでも書いていますが、私はガンになっても身体に負担の大きい手術などの治療は一切受けず、末期になり痛みなどが出たら緩和ケアに行くつもりです。しかしこの「緩和ケア」は、終末期に受けて穏やかに死を迎えるというのは間違ったイメージのようです。内閣府の世論調査で、ガンの緩和ケアを始める時期について「ガンと診断されたときから」と考えている人が49.7%に留まることが分かりました。2007年の調査開始以来、初めて半数を切りました。緩和ケアは、ガン患者が自分らしい生活を続けるためにも重要とされます。国は診断時からの提供や周知を進めていますが、広く浸透していないことが明らかになりました。緩和ケアは、診断や治療法、生活の悩み、身体的な痛...ガン緩和ケアは終末期のイメージ

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