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2015/07/29

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  • 健康への影響が大きい慢性閉塞性肺疾患(COPD)

    私は2,3年前に肺気腫と診断され、それ以後吸入薬を使用しています。肺気腫ではありますが喫煙期間が長いためCOPDの可能性が高いようです。その後も喫煙は続けていますが、日常生活でも問題はありませんので、それほどひどくはないようです。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、呼吸困難を引き起こす一群の肺疾患の総称です。主に喫煙歴のある中高年に多くみられる一般的な疾患です。COPDはかなり多くの人が罹患しているにもかかわらず、知名度は低くなっています。多くの人は自分がCOPDにかかっていることに気づいていません。呼吸症状は時間の経過とともに悪化する傾向があり、日常生活に支障をきたすことさえあるようです。GOLDと呼ばれる国際組織による定義があります。GOLDは、米国国立衛生研究所(NIH)に属する米国国立心肺血液研究所と...健康への影響が大きい慢性閉塞性肺疾患(COPD)

  • 日本型不平等社会を作った真犯人の正体とは

    現代が不平等社会かというと、それほどひどくはないような気がしています。もちろん高所得者から貧乏人迄いることは確かですが、それほど極端ではないと思っています。私は当然年金生活ですが、私とかみさんの年金で若干足りないような生活をしています。さて低成長期の日本が成長率を1%引き上げるのは至難の業であることは確かですが、GDP統計を確認できる1956年度から2023年度までの68年間のうちマイナス成長を記録した年は9回だけとなっています。担い手が減っているのにもかかわらず、記録を更新している状態をそれなりの結果を残しているとプラスに評価してもよいのではないでしょうか。政府はどんな未来を描いているのか、内閣府は2024年1月今後10年程度の経済展望を発表しました。技術進歩率が回復し、女性や高齢者などの労働参加が進む...日本型不平等社会を作った真犯人の正体とは

  • 生産的な人の脳の秘密

    私は会社を定年少し前(59歳)に辞め、市内の研究所での勤務や大学の非常勤講師をしていましたが、大学の定年を期に退職しました。その後自宅で英文特許の翻訳という内職をしていましたが、米国特許制度の変更で終わりになりました。その後はPCの前で過ごすことが多くなり、週1回くらいの碁会所やパチンコ、月に1回の麻雀を楽しみにしています。ここでは脳科学などの知見をもとに、なんとなく動けない日々から抜け出し、自然と動ける自分になるための科学的アプローチを紹介します。やるべきことがあるのに、ついスマホなどを見て時間を浪費してしまう。今日は気が乗らないからあとでやろう、と先延ばしにする。そんな経験は誰にでもあるでしょう。一方で目の前のタスクにすぐ取り掛かり、淡々と片付けていく人もいます。この違いは、意志の強さや性格ではなく脳...生産的な人の脳の秘密

  • こんな人には孤独な人生が待ち受ける、タイパやコスパ その2

    このブログは長さを一定にすることを優先していますので、タイトルの内容まで行かずに終わってしまうことがあります。このタイトルも時計と標準時の話で終わってしまいましたので、その続きを書くことにします。オーストラリアの先住民アポリジニは、天体の動きや花木の開花時期、干潮から現在時刻を算出するため極めて高度な計測を行っていました。しかし入植した英国人たちは、この方法は自然的でかつ気まぐれだと断じ、入植者たちは彼らの時間をも支配しようとしました。ここで重要なのは、時間によって労働が管理しやすくなり、生産性や対価の算出が容易になって点です。一定の労働時間に対して人間がどれくらい生産性を上げられるかを考えたとき、人間を一種の資源としてとらえているとも考えられます。時計時間は資本主義の産物ではなく、その逆でもありません。...こんな人には孤独な人生が待ち受ける、タイパやコスパその2

  • 日本人の98%が足りていない最強のビタミン

    現在は飽食の時代といわれており、十分栄養がいきわたっている感じがしますが、それでも不足しているビタミンがあるようです。ちょっと不思議な気がしますが、それがビタミンDとされています。日本人の多くは栄養素の摂取量が不足また過剰であることが、様々な調査から明らかになっています。カロリーや塩分は必要以上に摂取している反面、タンパク質、食物繊維、カリウム、カルシウムなど、大切な栄養素は足りていないようです。中でも注目されているのがビタミンDです。2023年には日本人の98%は足りていないという調査結果が発表され、話題になりました。ビタミンDといえば骨を丈夫にする栄養素くらいの認識しかないと、事の重大性はなかなかわからないかもしれません。ビタミンDには、骨を丈夫にするだけではない、超高額な処方薬をも凌駕するすごい効能...日本人の98%が足りていない最強のビタミン

  • ADHDを引き起こす遺伝子が、人類を繫栄させた

    ADHDという言葉は時々目にしますが、どういうものかはよくわかっていませんでした。後述しますが注意欠如・多動症と訳されていますが、落ち着きがなく指示通り動けないといった、社会では困りもの扱いされているようです。これを医師の立場から説明すると、集中、多動、衝動という三つの分野で問題があるかどうかが診断の基準になるようです。集中力を保てない、すぐに気が散る、人の話を聞けない、整理や計画ができない、他にも頻繁に相手の話を遮ったり、順番が待てなかったりして、じっとしていられず常にスイッチがオンの状態になっています。絶えず刺激を求め、貧乏ゆすりしたりモノをいじったりするなどの特徴もADHDによく見られます。ただどこまでが正常でどこからがADHDか、きっぱりと分かれてはおらずグレーゾーンが非常に広いようです。ADHD...ADHDを引き起こす遺伝子が、人類を繫栄させた

  • 白血病になりやすい人の特徴

    白血病というと恐ろし病気というイメージがありますが、自分とは関係ない様な感じも持っています。これは身近にはこの病気にかかった人がいない、ということから来ているのかもしれません。ここでは白血病になりやすい人の特徴・症状・原因などについて紹介します。白血病は血液のガンです。血液を作る細胞は骨髄の中にある造血幹細胞ですが、骨髄の中でガン化した白血球が増加してしまう病気です。白血球には様々な形態があり、骨髄性白血病では好中球や単球、リンパ性白血病ではBリンパ球やTリンパ球が増加するのです。白血病のほとんどは原因が不明です。風邪症状が続くため受診したところ、白血球の異常値を指摘されて総合病院を緊急受診するように言われた、といったケースが多くみられます。そのなかでも、なりやすいといわれている人の特徴を挙げます。染色体...白血病になりやすい人の特徴

  • 8050問題が突きつける日本社会の宿題

    8050問題とは、80代の親が50代の子供の生活を支え、経済的・社会的に困窮している状態を示します。私の場合は子供たちは2人とも公務員となり、独立して家庭を持っていますので一安心といえるようです。8050問題は高年齢化した引きこもりの問題ととらえられることもありますが、それほど単純ではないようです。国の審議会の資料では、中高年以降の失業、親自身の健康不安、親の介護、などの多様な背景が挙げられています。若いころから子供が引きこもり、高齢の親が支え続けている場合だけではなく、中高年以降に失業した、離婚して家に戻ったという事情が関係していることがあります。ヤングケアラーというように幼少期から親を支える関係が継続し、実家から離れることができない事情が隠れている可能性もあります。人口全体が高齢化し、以前よりも親子と...8050問題が突きつける日本社会の宿題

  • ギャンブル依存症は誰でもなりうる脳の病気

    私はギャンブルが非常に好きですが、依存症とは無縁といえそうです。若いころ財布がほぼ空になるまでパチンコにつぎ込んだことがありましたが、それ以来自分で管理できていますので、依存症になることはなさそうです。厚生労働省の報告(2023年度)によると、日本人の18歳以上~75歳未満の約1.7%にギャンブル等依存の疑いがあり、人口推計をもとに計算すると、140万人以上が当てはまることになります。依存症と聞くと、好きに歯止めが効かなくなってやめられなくなると思うかもしれません。しかし好きの延長線上に依存症があるという認識は間違いで、依存症は依存対象以外に興味がなくなる病気といえそうです。ヒトは本来さまざまなことに興味を持ち、挑戦します。そこで達成感を得ることなどで脳内報酬系と呼ばれる脳の神経が刺激され、快楽物質のドー...ギャンブル依存症は誰でもなりうる脳の病気

  • 白血病を引き起こすウイルスの謎を解明

    病原性ウイルスについては、ヒト体内に入ってすぐに発症する新型コロナや、感染後何十年もたって発症する帯状疱疹ウイルスなどがあります。なぜこのような現象が起きるのか、まだウイルスとはよくわかっていないのかもしれません。感染したウイルスが長期間潜伏し、数十年後白血病を引き起こす病気があります。なぜウイルスはそれほど長期間、免疫システムを逃れ続けることができるのか、その謎について熊本大学などの研究グループが明らかにしました。新型コロナもそうですが、ウイルスは自分自身では増殖できないため、感染した宿主の細胞へ自身の遺伝情報を送り込み、宿主のコピー能力を使って増殖します。ウイルスにはDNAウイルスとRNAウイルスがおり、RNAウイルスの一部はレトロウイルスといわれています。レトロウイルスには大きく分けて、進化の過程で...白血病を引き起こすウイルスの謎を解明

  • 科学の領域を変えたランダム化比較実験

    私は統計学が割と好きで、そういったデータなどをよく見ています。特に最近はAIが広く使われるようになったため、統計学に支えられているような気がします。統計学が最強の学問となったのはその汎用性の高さ、すなわち政治や教育、経営、スポーツなどの分野で、最速で最善の答えを導けるところになるようです。統計学の汎用性は、どんなことの因果関係も科学的に検証可能なランダム化比較実験によって大きく支えられています。このランダム化比較実験という方法論は、科学の領域そのものを変えたといっても過言ではないかもしれません。ここでは科学の方法論の重要な特徴は、観察と実験からなるとされています。観察とは対象を詳細に見たり測定したりして、そこから何かの真実を明らかにする行為です。また実験とは、さまざまに条件を変えたうえで対象を見たり測定し...科学の領域を変えたランダム化比較実験

  • 寒い時期に生まれた人は肥満リスクが低下

    私は1月に入院した時に、かなり体重が落ちてしまいました。病院にいて体重が減るというのもややおかしな事態ですが、病院食があまり食べられなかったためと考えています。体重が減ったことと、ズボンのベルトの穴がひとつずれてしまいましたので、痩せてしまったことは確かなようです。もう退院してから4か月以上たっていますが、ほとんど体重は増えていません。食事の時に多く食べるというのは昔からできませんので、いわゆる間食を増やしているのですが、ほとんど増加がありません。まあ歳のせいで痩せてくるのが重なったのかもしれませんが、どうも当分このままのような気がしています。さて寒かったり寒暖差が大きかったりする時期に受精して生まれた人は、体内で熱を作る組織細胞・褐色細胞の働きが活発になり、エネルギー消費量が高いことを東北大学や北海道大...寒い時期に生まれた人は肥満リスクが低下

  • こんな人には孤独な人生が待ち受ける、タイパやコスパ

    現在は時間が十分にありますので、ほとんどタイムパフォーマンスなど気にしたことがありません。私は研究職として生きてきましたので、実験を中心に仕事をしていました。実験というのはコスパやタイパなどと無縁の世界ですので、その感覚がまだ残っているのかもしれません。ドイツの哲学者が技術の本質は「潜むものを明らかにすること」にあると考えました。たとえば身の回りにある自然も、技術なくしてはそこから何も生まれてきません。山にある木を切り倒し、運搬し、それをさらに加工する技術があって、初めて山は人にとって資源になりえます。この指摘を踏まえると、技術があれば非常に多くのものが開発の対象であり、資源になる可能性があるとわかります。人が人そのものを資源化するに至るうえで重要な役割を果たしたテクノロジーのひとつが時計時間です。かつて...こんな人には孤独な人生が待ち受ける、タイパやコスパ

  • MARCHと日東駒専の差はどこにあるのか

    このところ学歴社会の問題をよく取り上げていますが、ここでは大学入試を考えてみます。タイトルのようなMARCHや日東駒専といった分類がいつごろから始まったのかはよくわかりませんが、私の息子たちが大学に行った二十数年前にはなかったような気がします。MARCHと日東駒専を併願するケースは多いと思われますが、難易度に差があるというのが一般的な見方です。この差はいわゆる偏差値60の壁が両者の間にはあるようです。この偏差値60というのは、基礎を完璧にしないと取れない偏差値とされています。自分が基礎をしっかりカバーできているのか、応用問題の勉強に進んでいいのか、の判断基準がここにあるといえます。そのため多くの受験生がその壁を突破する基準としてMARCHを意識するのです。MARCHは基礎を完璧にすれば合格が見えてくるとい...MARCHと日東駒専の差はどこにあるのか

  • 超加工食品で脳卒中、認知機能低下のリスク増加

    私は最近体重を増やそうとしていますが、全く変化がありません。体質の問題なのかもしれませんが、どうも間食があまり好きではないというのもあるようです。1月に入院した時かなり体重が減ってしまったのですが、ここ数か月全く変わりませんので、これでもよいのかもしれません。ハーバード大学の研究によると、超加工食品(UPF)の摂取が高齢者の脳の働きに悪影響を及ぼす可能性が示されました。この前向きコホート研究では、2003~2007年にかけてアメリカの黒人および白人成人を対象に、超加工食品の摂取と認知障害や脳卒中との関連が調査されました。NOVA分類を用いて食品を加工度別に分類し、食生活の質や食事のパターンとの関連も評価されました。その結果、超加工食品の摂取量が10%増加すると認知障害リスクが約16%上昇し、脳卒中のリスク...超加工食品で脳卒中、認知機能低下のリスク増加

  • 穏やかな面接と厳しい面接をわけるのは志望理由書

    タイトルの面接は就職のときと思っていましたが、ここでは推薦入学時の面接のようでした。私のころは推薦入試などという制度がありませんでしたが、確か早稲田大学の2次試験が面接だったような気がします。ほとんど記憶がありませんが、無事合格しましたので何とか面接をこなしたようです。ここでは推薦入試では、自分にしか語れない何か、を見つければ9割受かるとしています。大学に提出する志望理由書に求められるのは、構成の巧みさや文章の技術ではなく、この自分にしか語れない何かなのです。少しばかりまずくても大丈夫で、大学も高校生にそこまでのことは求めません。ではなぜオリジナリティが重要視されるのでしょうか。近年は推薦入試対策が成熟してきています。事前に提出するプレゼン資料や課題、志望理由書に大人の手が入っていると感じられるものが目立...穏やかな面接と厳しい面接をわけるのは志望理由書

  • 甲状腺ガンは喫煙でリスク低下

    現在は禁煙が絶対的正義となっていますので、喫煙に何かメリットがあっても表面に出てこないと思っていました。ところがタイトルのような喫煙を勧めるような記事があり、非常に驚いています。この研究は国立がん研究センターの研究員が、喫煙及び飲酒習慣と甲状腺ガンリスクの関連について調査したものです。この研究には10万1849人の日本人が参加し、平均18.7年の追跡期間中に232例の甲状腺ガン発症が確認されました。ベースライン時に自記式質問票を用いて喫煙および飲酒習慣を評価し、Cox比例ハザードモデルによってハザード比と信頼区間を算出しました。研究の結果、20パック/年以上の喫煙者では、非喫煙者と比べて甲状腺ガンのリスクが低く、特に男性においては優位な逆相関が認められました。飲酒に関しても、エタノール摂取量が多い群でリス...甲状腺ガンは喫煙でリスク低下

  • LDLコレステロール値が高い人が避けるべき食材

    私は医療からの卒業を言っている割には、月に1度くらいクリニックに行っています。これは肺気腫にかかっているため、その吸入薬をもらいに行っているのですが、肺気腫の治療というよりは進行を止める程度の意味しかないようです。特に私は喫煙していますので、吸入薬を使っても現状維持ぐらいかもしれません。1963年に始まったCIRCS研究は、日本人の健康の普遍的な法則を見出すために1万人を60年間追跡調査した日本の財産的研究です。医療と統計の技術を駆使して生がい健康的に長生きする人の習慣を定点観測で研究し続けたこの研究は、日本人の健康を地域比較で徹底調査した世界最長の統計研究であり、絶大な信頼性を誇っています。今回はその中のLDLコレステロールについて紹介します。健康診断で日本人が最も引っ掛かりやすいのがLDL値で、140...LDLコレステロール値が高い人が避けるべき食材

  • ちょっと日にちがずれた定例麻雀

    月一回開催している昔の職場の仲間との定例麻雀ですが、通常は第2土曜日開催となっています。ところが今月はSTさんが都合が悪くなり、開催日のすり合わせを行いました。私を除く3人は良い年になっているのですが、若干仕事をしており調整が難しくなっていました。それでもメールで空いている日を出し合うなどして、何とか今月も平日となりましたが開催することができました。前回のことがありますので(私が最後に行った形になりました)、30分前に行ったのですが、H君とSTさんは来ており、すぐにSKさんも見えて25分前に始まりました。東の1局はいつものように慎重にやっていたのですが、SKさんのツキが素晴らしく非常に速いリーチから簡単に自模られてしまいました。私はSKさんの親を流すため安くあがったりしましたが、SKさんのツキは続きました...ちょっと日にちがずれた定例麻雀

  • 東洋医学の効能はどこまで科学的に解明されているか

    私は現在までいわゆる東洋医学的な処置を受けたことがありません。亡くなった母は東洋医学が好きで、施術士に来てもらい鍼や灸などをやってもらっていました。小さいころはこれをよく見ていましたが、私は一回もうけたことはありませんでした。かつては医学の世界ではタブー扱いされてきた東洋医学的な医療が、今臨床試験によってその効果が徐々に解明され、西洋医学の世界でも注目を集め始めています。東洋医学とはアジア一帯で行われてきた伝統医学の総称で、鍼灸や漢方薬、ヨガ、アロマセラピーなど、その種類は多岐にわたります。厚生労働省は西洋医学と組み合わせて行う東洋医学的な療法を統合医療と呼んでおり、大学病院でも治療の一環として導入されるなど、西洋医学の世界でもその効果が注目され始めています。鍼は、信頼性の高い臨床試験である、ランダム化比...東洋医学の効能はどこまで科学的に解明されているか

  • 薬が多すぎる高齢者がやるべき2つの対策

    私はかなり前から寝る前に薬を2種類飲んでいます。まあこの程度であれば問題ないと思っていますが、多くの高齢者は5種以上とか7種以上の多剤服用が問題になっているようです。昔と比べて若返っているとはいえ、高齢になると体にも心にもさまざまな変化が起こります。高齢者の特徴的な変化の例をいくつか挙げてみます。・体内の臓器や体のさまざまな機能が衰える、・体内の環境を一定に保つ働きのバランスが崩れやすくなる、・一人でいくつもの病気を持つようになる、・若い時とは異なる症状が現れることがある、・病気が治りにくい、・認知機能が低下する。これらは高齢になればだれにでも起こり得る、ある意味自然な変化といえますが、そのさまざまな変化によって、考え方や感情などに影響が及ぶこともあります。健康状態の悪化や人間関係の変化、生活目標の喪失、...薬が多すぎる高齢者がやるべき2つの対策

  • 認知症になりにくい高齢者が日常的にやっている習慣

    今回は日常的なデジタル機器の使用は、高齢者の脳の健康を守るかという話です。私はスマートフォンは持っていませんが、外出時には必ずタブレットを持って出かけています。一般に、スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器の使い過ぎは、脳に悪影響を及ぼすと考えられています。しかし実際には、その逆の可能性があるようです。少なくともテクノロジー革命の始まりを経験した世代におけるデジタル機器の日常的使用は、認知機能障害のリスクを58%低下させる可能性のあることが明らかになりました。これは血圧低下や運動、脳トレのゲームによるリスクの低下度に匹敵するようです。テキサス大学の研究者は、合計で約41万1430人(平均年齢68.7歳、女性53.5%)が参加した57件の先行研究のデータを統合して解析しました。彼らは、デジタルテクノロ...認知症になりにくい高齢者が日常的にやっている習慣

  • 若作りすれば、身体も脳も老化しない

    私は78歳になりましたので、もう十分年寄りとなっています。ただ感覚としては数年前から特に弱ったという気はしていません。運動などが嫌いですので、そういった歳を感じるようなことをしていないのかもしれません。ここでは「私はもう80歳だ」と実感するのと、「私はまだ80歳だ」と感じるのが大切としています。確かにもうをまだに置き換えただけで、ずいぶんポジティブな印象になります。使う言葉を変えただけで、脳が良い方向にシフトチェンジしたということを意味するようです。興味深いのは、老人脳にならないためのマインドの作り方で、主観年齢で生きていくことを進めています。たとえば、85歳でも自分では50歳と思えば、主観年齢は50歳です。すると面白いことに、50歳のような行動をとるようになってくるとしています。主観年齢を若くすることは...若作りすれば、身体も脳も老化しない

  • 大学はどこまでが一流なのか

    以前このブログでも触れましたが、私が現役のころから現在に至るまで学歴社会であることは確かなようです。よく一流大学という言葉が使われますが、具体的にどこの大学を指すのかその定義はあいまいです。そのためどこまでが一流大学なのかという問いに明確な答えを出すことは容易ではありません。実証的な研究に基づけば、ある程度の基準を設けることができるでしょう。近年では、大学の質を測るうえで三つの要素が重視されているようです。第一は研究成果の量と質、第二は入学時の学生の学力、第三は学生の社会経済的背景となっています。これら三つの要素は、たがいに結び付きながら、大学の評価を形作っています。2015年に発表した論文、イギリスにおける大学の地位の階層構造についての実証分析では、イギリス国内の大学には明確な地位の差が存在すると結論付...大学はどこまでが一流なのか

  • MRI検査で体内に有害金属が残留する可能性

    私はこの歳になるまで、20年以上前に交通事故にあったときにMRI検査を受けたことがあるだけです。MRIは有機化学でよく使うNMRのように核磁気共鳴が原理と思っていましたが、どうも造影剤なども使うようです。最近MRI検査によって、人体に有害な金属が残る理由を解明する研究結果が発表されました。この研究は、アメリカのニューメキシコ大学のチームが実施したもので、MRI画像診断でつかわれる希少金属ガドリニウムが健康に及ぼすリスクを調査したものです。私は無機化学はあまり詳しくないのですが、それでも金属類ぐらいは把握しているつもりでしたが、このガドリニウムという金属は全く知らないものでした。通常この金属は体外へ排出され、ほとんどの人に副作用はないとされています。しかしガドリニウムの粒子が脳、腎臓、さらには血液や尿の中に...MRI検査で体内に有害金属が残留する可能性

  • なぜ運動で寿命が延びるのか

    どんな健康に関する記述を見ても、必ず適度な運動という文言が入っています。ただ私はこのブログでも書いているように歩くのが嫌いです。どこかに出かけるのも必ず自転車を使いますし、なるべく歩かなくてすむ方法を選んでいます。運動の基本が歩くことのようですので、私は運動不足になっているようです。ただ理論的には運動は身体に悪いという説もあるようです。運動は酸化ストレスを誘導し、酸化ストレスは老化や病気につながりやすく、筋肉組織の破壊を増やすし炎症も起こします。それなのになぜ運動が健康に良いのでしょうか。定期的な運動はあらゆる老化の特徴に良い効果をもたらすとされています。その理由の一つは、ホルミシス(有害なものが少量では益となること)という作用かもしれません。この作用が働くと、一定量のストレスが自然防御能の多くを活性化さ...なぜ運動で寿命が延びるのか

  • 学歴における勝ち組と負け組の決定的な違い

    私が現役のころは学歴偏重主義の最も激しい時代でした。勤務していた研究所は研究員がほぼ全員高学歴であり、ある程度年数がたつと博士号取得を進められるといった特殊な職場でしたので、あまり学歴を気にすることはありませんでした。大学受験は10代における最大のイベントとなっています。いい大学にいけばなりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。ここでは自分らしい大学進学を主張している専門家の話を紹介します。大学受験には合否というわかりやすい指標がありますから、誰かとの競争であるという事実は否定できません。これが悪いことかというとそんなことはないと思われます。この世の中では競争を避けて生きていくことは不可能です。それは就職活動もそうですし、就職してからも国内海外を問わず競合他社とは競っていか...学歴における勝ち組と負け組の決定的な違い

  • 統合失調症などの病は遺伝か育ちか

    アメリカで生まれた4つ子姉妹は、22~23歳にかけて全員が統合失調症を発症しました。研究者は彼女たちの事例を通じて発症原因が遺伝か環境かを探り、学者たちの意見や研究結果からその答えを導こうとしました。1960年代には、ソラジン(最初の精神病治療薬)革命のせいでこの議論の帰結が猶更重大になりました。遺伝的特質、すなわち生まれを重視する人にとって、抗精神病薬の影響力は統合失調症が生物学的プロセスであることを立証しました。育ちの側を持つセラピストたちにとっては、ソラジンの類は症状を抑え込んでいるにすぎず、いわば見せかけの精神安定剤であり、この疾患を引き起こしたに違いない無意識の衝動を探ることに代わるものではないとしていました。国立精神保健研究所の研究員は、研究結果が育ちではなく生まれがこの論争に勝つという証拠に...統合失調症などの病は遺伝か育ちか

  • 病気になりやすい人が飲むお酒の種類

    私は毎晩夕食のときにビールのロング缶半分ほどを飲んでいます。その後風呂上がりに寝酒として、ウイスキーの水割りをちびちび飲んでから寝ています。これは習慣であり楽しみの一つですので、何かメリットがあるかはあまり考えていませんが、寝つきがよくなったような気がしています。1963年に始まった「CIRCS研究」は、日本人の健康の普遍的な法則を見出すために1万人を60年間追跡調査した日本の財産的研究です。医療×統計の技術を駆使して、生涯健康的に長生きする人の習慣を定点観測で研究し続けた世界最長の統計研究であり、絶大な信頼性を誇っています。圧倒的なエビデンスを誇る本研究が突き止めたのは、健康な人ほど健康になる習慣を無意識のうちに実践している事実です。ここでは飲酒の習慣について紹介します。まずここで出てくる疫学ですが、医...病気になりやすい人が飲むお酒の種類

  • 昔の仲間との修善寺での合宿

    例年GW明けに行うことが多い、昔の仲間との合宿に行ってきました。この仲間は大学時代の古典ギター愛好会のメンバーですので、もう60年ぐらいの付き合いとなっています。当初9人のメンバーだったのですが、一人は数年前ガンで亡くなってしまいました。もう一人は前立腺ガンが治ったのですが、体調不十分で不参加、もう一人もやむを得ない用事で来れないということで6名になってしまいました。今回の合宿はラフォーレ修善寺というところで、伊豆はよく行くところですので気楽に車を出したのですが、修善寺がよくわからず結局ナビに従うことにしました。途中迄は知った道でしたが伊豆に近づくにつれわからなくなり、ナビがなければいけないところでした。集合時間の1時間ほど前につきましたが、すでに幹事のA君は来ており宿泊所のコテージでのんびりしていました...昔の仲間との修善寺での合宿

  • 知っておきたい認知症の兆候とは

    私は78歳となり、そろそろ認知症の心配をする歳になりました。日本国内では2022年時点で約443万人が認知症と推定されています。身近なところでも、私の母や女房の両親は認知症になってから亡くなりました。介護というほどのことはしていませんが、それでもかなり大変だった記憶があります。アルツハイマー病と関連する認知症の患者は非常に多く、全世界に約5700万人、米国だけで650万人以上となっています。実際認知症の患者は増え続けています。2025年1月に発表された研究では、米国で1年間に認知症を発症する人数は2060年までに2倍に増え、55歳以上の米国人の42%が生涯のある時点で発症すると推定されています。認知症は脳細胞が壊れたり、脳細胞同士をつなぐシナプスが切れたりする多くの疾患や損傷によって引き起こされる症候群だ...知っておきたい認知症の兆候とは

  • 使用済みの食用油などが原料のSAFが旅客機に活用

    数日前テレビで使用済みの食用油を精製して旅客機などの燃料にするという番組をやっていました。着色し濁っている使用済み食用油を精製して無色透明のきれいなものにするというだけの内容でしたが、この油脂分の精製というのは私も現役のころやりましたがかなり難しいものでした。当然各工程など詳しいことはわからず、結果としてきれいな油脂を示すだけのモノでしたが、やはり技術の進歩を感じました。これが飛行機燃料になるというのもやや驚きでした。航空燃料は瞬時に燃焼して大きなエネルギーを出すものですが、油脂がその代わりになるというのも面白いことでした。これは既存のジェット燃料と比べて二酸化炭素の排出量を8割以上削減できるという、環境にやさしい燃料としています。ただこのSAFを本格導入するには、多くの使用済みの食用油が必要となりますが...使用済みの食用油などが原料のSAFが旅客機に活用

  • 高学歴と低学歴の差がもっとも出るのはどこか

    私が現役のころは、最も激しい学歴社会だったような気がします。ただ私は博士号を持っていたので、学歴が問題になるようなことはありませんでした。大学受験は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学に行けばなりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。高学歴と低学歴の差は、言語化のところで出るとしています。高学歴の人は物事を論理的に考えて、自分の言葉で説明できる印象が強いですが、低学歴の人は論理が破綻していたり、考えることを放棄していることが多いようです。高学歴の学生にどうしてその大学を選んだのかという質問をすると次のような答えになります。将来弁護士になりたくて法学部一本で考えていたんですが、立地と偏差値的にバランスがいいのが今通っている大学だったので決めまし...高学歴と低学歴の差がもっとも出るのはどこか

  • 食品添加物の組み合わせにより2型糖尿病リスクが上昇

    私は食品添加物などをほとんど気にしていません。普段食べている食品には相当数の食品添加物が入っているはずですが、これらは当然厳しい安全性試験などをパスしたもののはずですので、食べても問題はないと思っています。むしろ有機野菜などのほうが、病害虫などの影響があり、隠れた危険性があるような気がしています。しかし食品添加物も組み合わせにより、糖尿病発症リスクに関係している可能性があるようです。ソルボンヌ・パリ・ノール大学の研究者が解析したのは、食品添加物の組み合わせと2型糖尿病発症リスクの関係です。2型糖尿病は、血糖を下げるインスリンの分泌や効きが不十分で血糖値が上昇する病態です。日本では現在360万人強が治療を受けています。解析対象は、フランス住民10万人強でした。平均7.7年間観察し、その間に2型糖尿病になった...食品添加物の組み合わせにより2型糖尿病リスクが上昇

  • 貧乏につながる悪い習慣とは

    何気なくやってしまう代表格がスマートフォンかもしれません。私はいまだに拘りのガラケーでスマフォを持っていませんが、電車の中などではほとんどの人がスマフォを見ています。世界の成功者たちがもっとも重要な要素は「フォーカス(集中)」と述べています。偉大な成功を遂げた人は、大体何かに集中しています。史上最年少で八冠を達成した棋士の藤井聡太は、5歳から将棋を始めたそうです。オリンピックで金メダルを獲得したフィギュアの羽生結弦は、4歳からフィギュアスケートを始めています。彼らは間違いなく、全力で将棋やフィギュアに打ち込んでいます。だらだらとスマホでネットサーフィンをしていたら、将棋やフィギュアで日本一になれたということではありません。彼らは人生の大部分を1つのことに集中しているのです。自分が得意でかつ、情熱を持てるこ...貧乏につながる悪い習慣とは

  • 生成AIが人間を超えられない理由は確率にある

    現在人間は意識していないもののいろいろなところでAIの助けを借りて生活しています。例えば私が吸っている加熱式タバコは、ホルダーにタバコを入れるとスイッチが入り、350℃に加熱され10数回数の吸入か一定時間が過ぎるとスイッチが切れます。まあこれは単なる高性能センサーが動いているだけですが、AIが制御しているといってもよいのかもしれません。ここでよく出るのが、AIは大量の文章を学習してやっと話せるようになりますが、幼児はごくわずかな情報で話せるようになるという差の問題です。これを説明するためにいろいろな説が出ていますが、ここではベイズ統計説というのを紹介します。これも他の仮説と同じようにニューロンの活性にベイズ統計が観測されたということではありませんので、単なる仮説にすぎません。ベイズ統計の話はかなり複雑で専...生成AIが人間を超えられない理由は確率にある

  • 日本人が知らないトランプ関税裏の理由

    今年1月に政権に返り咲いたトランプ大統領は、就任するや否や関税政策などを打ち出し、強烈な不法移民政策に着手しました。この高額関税は各国との対話を引き出す手段のような気もしますが、ひどい人が大統領になったという感じはします。4月には不法移民の自主退去キャンペーンなるものを発表し、不法移民が自発的に国外退去をした場合には将来、合法的に再入国できるとする実効性がよくわからない施策を進めようとしています。アメリカを中心として産業構造の変化や財源の確保、あるいは中国の孤立化をもくろんでいるのか、相互関税をはじめとする大統領令を乱発し、世界を翻弄しています。日本では全く報道されていないのが、薬物のフェンタニル対策です。悪役と名指しされたのが、メキシコ、カナダ、中国ですが、メキシコは1万人の兵士を北部国境に派遣しました...日本人が知らないトランプ関税裏の理由

  • 原始地球の最大の謎、生命の素はどうやって生じたのか

    ここで何度も書いていますように、生命誕生の謎は私が最も興味を持っていることの一つです。原始地球においてアミノ酸や核酸が偶然生成されることはありうることです。しかしアミノ酸同士が結合してタンパク質まで大きくなるためには、それなりの場が必要となります。自然に化合物が結合するためには、分子同士の衝突、つまりある程度高濃度に化合物が存在しなくてはなりません。こういった場所があったという説も当然ありますが、できたタンパク質と核酸との関連がどうできたのかなど謎は深まるばかりです。私は想像できないような偶然性が重なり、最初の生命ができたのではないかと考えています。ここでは生命と金属の奥深い関係について紹介します。まず化学進化説ですが、これは1936年旧ソ連の生化学者が提唱したものです。無機物から有機物が蓄積され、有機物...原始地球の最大の謎、生命の素はどうやって生じたのか

  • 乳酸は疲労の味方だという運動の真実

    運動をすると乳酸が産生され疲労を感じるとされていましたが、最新研究ではこれが間違いということになったようです。乳酸は糖質をエネルギー源基質とした場合にのみ産生されます。解糖系において、乳酸が産生される場合とされない場合の違いは、運動強度に依存しているようです。酸素を十分に取り込める低い強度の運動を行った場合、糖質の分解は穏やかに進み、その分解過程で生成した中間代謝物であるピルビン酸は、ほぼすべてがミトコンドリア内に入ります。そして有酸素系で二酸化炭素を生成しながら、エネルギーの供給源であるATPを産生します。一方激しい運動を行い、必要なだけの酸素を取り込めないような条件では、糖質が大量に分解されて、ピルビン酸も大量に生成されます。そのためミトコンドリア内に取り込まれなかったピルビン酸は、乳酸へと変換されて...乳酸は疲労の味方だという運動の真実

  • ヒトはAIより学習が早い、生得的バイアスの秘密

    いつの日かAIは自我を持ち、人類を排除するのではないか、というのは2024年ノーベル物理学賞受賞者の言葉ですが、大多数の人がこれを否定しています。この主な理由は、人工知能(AI)と人間の知能は本質的に異なるからとしています。イヌを初めて見る幼児であっても、数匹分これがイヌだよと教えられれば、かなりの精度でイヌを識別できるようになります。大規模言語モデルは世界中のあらゆる文章を学習してようやく人間のように話せるようになりましたが、人間の子供はそれよりはるかに少ない情報で自然な言葉を身に着けます。ひとはなぜ、AIよりも少ない情報量で学習を完了できるのでしょうか。その一つに先天的バイアス説があります。人間の脳は世界シミュレーターであるといっても、学習しないといけない世界が最初から決まっています。したがってまっさ...ヒトはAIより学習が早い、生得的バイアスの秘密

  • 40億年前の生命誕生の認識は誤っていたのか

    生命誕生のなぞは、私が最も興味を持っていることの一つです。残念ながらまだいろいろな説があるという段階で、これが真相だといえるようなものはないような気がします。地球上の生命をつかさどる遺伝子のパズルに、アミノ酸がどうやって加わったかについての科学的な合意はすでになされているようです。しかしアリゾナ大学の遺伝学研究者たちは、その合意は誤りかもしれないと指摘しています。生命由来と非生命由来とにかかわる既存の認識が、正しい理解を妨げてきた可能性があると指摘しています。要約すると、現在の理解に基づく遺伝子史のモデルは、生命の起源とそれ以後に出現した遺伝子を比較する際に、初期の原始生命を過小評価してきたかもしれないということです。太古の生命に関する理解は今なお不完全なままであり、地球初期について研究を掘り下げることの...40億年前の生命誕生の認識は誤っていたのか

  • 老衰が医師にとって不名誉な病名なのはなぜ

    高齢になってくると死について考えますが、私はなんとなく老衰で死にたい気がしています。病気と違って老衰であれば苦しむことがなさそうです。実際現在の日本の死因の第3位が老衰ということで、増加しているのかもしれません。ここでは現代の死生観について紹介します。資本主義社会においては、お金がなくては生きていけません。お互いのコミュニケーションのための言語と、衣食住など生活必需品の確保にお金は必須のアイテムです。お金至上主義から脱却して、別の価値である人々の共通の福祉、コモンズの増進を目指そうと叫ばれるようになってきてはいますが、それでも何はともあれ先立つものはお金です。より大きな生活力を身に着けるためにはお金をためることが求められますが、その過程では一時的にせよ負債が生じます。住宅ローン、奨学金などは日常茶飯事であ...老衰が医師にとって不名誉な病名なのはなぜ

  • ギャンブルで負けない方法がわかれば健康で長生き

    私は若いころからギャンブルが好きというのは、このブログでも書いています。それでも今できるものは麻雀やパチンコ、スロットぐらいですので、それ以外はほとんどやったことがありません。友人の中には競馬にはまっている者もおり、手ほどきを受けたこともありますが、納得して賭けるためにはかなりの準備が必要であり、現在はあきらめています。私はそれほど勝ちにこだわっているわけではなく、ある種のゲームとして楽しめればよいというスタンスですので、大勝もない代わりに大負けもありません。ある物理学者が、持って生まれた才能もあるが、積み重ねる確率をほんの少しずつ有利にするだけで長い目で見て大きな差が出ることもある。これはギャンブルにも健康にも言えることだとしています。ここでは2つののことが独立に起きる確率は、各々の確立の積になるになる...ギャンブルで負けない方法がわかれば健康で長生き

  • 寝たきりになってしまう人が示す兆候とは

    ほとんどの高齢者は寝たきりなったりせず、ピンピンコロリを願っていますが現実はなかなか難しいようです。ヒトの体には予備能力(余力)があり、病気やケガをして一時的に体力が低下しても、そこから回復する能力が備わっています。しかし高齢になると、その能力が著しく低下してしまいます。この加齢に伴う身体諸機能の低下(余力の低下)は、特に75歳以上の後期高齢者で顕著となり、感染症の罹患や事故の発生頻度が高くなるとともに、そこからの回復力(復元力:レジリエンス)も低下します。また消化器系、循環器系、整形外科(運動器)系を問わず、手術後の回復が遅れたり十分に回復しなかったりして、要介護状態に陥るリスクが高くなります。このような高齢者に特徴的にみられる脆弱性が高まった状態をフレイルと呼びます。フレイルは日本老年医学会が2014...寝たきりになってしまう人が示す兆候とは

  • 認知症の予防効果がある身近なワクチンとは

    最近帯状疱疹のワクチンに認知症の予防効果があることが発表されました。子供のころかかった水疱瘡の原因ウイルスが、治った後も神経節の中に残ってしまい、中年以後それが活性化して起きるのが帯状疱疹です。これは免疫機能が低下することによるとされていますので、ワクチンに効果があるか疑問に思っています。つまりワクチンは正常な免疫が働くことによって効果が出るのですが、免疫がしっかりしていればウイルスが増殖した時抑えられるはずですので、帯状疱疹は発症しないはずです。さて英国ウェールズで帯状疱疹ワクチンを接種した高齢者は、接種しなかった高齢者に比べて認知症の発症リスクが20%低いことが示されました。帯状疱疹は、水疱瘡の原因ウイルでもあるヘルペスウイルスによって引き起こされます。このウイルスは、神経細胞内に潜伏し加齢や病気によ...認知症の予防効果がある身近なワクチンとは

  • 有機野菜だから安心は間違い

    多くの人が農薬など人間が作ったものは危険という考えを持っているようです。私は長年薬の研究をしていましたが、人工物は危険で天然物は安全という思い込みは危ないなような気がします。ひとつには人工物であっても、ヒトに対する安全性などは徹底的に調べられており、むしろ天然物はそこまで安全性が確認されていません。当然ですが天然物にも人に害となるような物質は多数存在しています。今年10月から、東京品川区が小中学校の給食で使う全野菜を有機(オーガニック)野菜に切り替える計画が発表され、話題になりました。安全のため、給食の質の向上がその理由としています。農薬=身体に毒というイメージを持つ人もいますが、農薬は国の基準で健康被害がないとされる量が用いられています。有機農業とは、化学合成肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使用せず、環...有機野菜だから安心は間違い

  • 細胞微粒子改変で「ガンキラー」活性化に成功

    ほとんどの人がガンは恐ろしい病気で、早期発見に努めていると思われます。進行してしまったガンには良い治療法がないのが理由ですが、私も若いうちはガンの発見を優先していました。しかし歳を取って「死」を考えるようになると、ピンピンコロリを望むようになってきました。そうなるとガンで急死というのも悪くないような気がしています。そのためガンの検診など受けず、緩和ケア以外の治療を受けないという選択肢もありそうです。金沢大学ナノ生命科学研究所は、細胞が分泌する微粒子「エクソソーム」を人工的に改変し投与することで、ガンを特異的に攻撃する免疫細胞(キラーT細胞)を活性化することに成功しました。エクソソーム表面にガンの目印物質(抗原)と免疫細胞を活性化する因子を配置しました。特定の免疫細胞を活性化し、攻撃すべきでない対象への攻撃...細胞微粒子改変で「ガンキラー」活性化に成功

  • 免疫拒絶のない「my iPS細胞」を全自動で作製

    iPS細胞が大きな話題になってから10年以上がたちますが、なかなか実用化的な話が出てきません。偶にこれを使って病気を治したという話は出てくるのですが、とても一般的になりそうな気がしません。ひとつにはこういった治療に何千万円という多額の費用が掛かるようです。iPS細胞研究のどこにこんな多額の金がかかるのかわかりませんが、このあたりを改善しないとせっかくの良い研究も夢で終わってしまいそうです。免疫拒絶なく移植可能な自己由来のiPS細胞の製造施設を京都大学iPS細胞研究財団が4月中にも稼働するようです。細胞製造を閉鎖型培養装置で全自動化しコストを下げます。将来的には免疫抑制剤の使えない難治性疾患、小児の稀少疾患での利用を中心に、患者などドナー1人当たり約100万円で治療に使える「myiPS細胞」を提供することを...免疫拒絶のない「myiPS細胞」を全自動で作製

  • 悪夢の原因は脳のある場所が関係していた

    ここでは夢の話を時々取り上げますが、そのたびに書いているように私は夢を記憶するという機能が欠如しているようです。当然ですが私も夢を見ないわけではなく、夜中におかしな夢を見て目が覚めることもあります。その時は今見た夢についていろいろ考えるのですが、そこで寝てしまうと朝起きたとき全く夢を覚えていません。これで別に不都合はないのですが、なんか損をしたような気が若干します。脳を手術されているとき、患者はごくわずかな電流によって夢を見るそうです。なぜ夢を見るのか、夢はなにを知らせているのか、夢をコントロールすることはできるのか、夢の正体について脳神経科学者の意見を紹介します。手術室で覚醒下で脳の手術に臨むとき、いつもペン型の器具を使って患者の脳に直接微弱な電流を流しているそうです。患者の意識ははっきりしていますが、...悪夢の原因は脳のある場所が関係していた

  • 歩けば歩くほど健康にいいわけではない

    私は基本的に歩くのが嫌いで、近くには自転車で遠いと車で出かけますので、運動はほとんどできていない気がします。ウォーキングは気軽にできる有酸素運動で、ウォーキングと健康の関係についてはさまざまな研究が行われています。ウォーキングをすることで、全身に血液を送り出している心臓の心室に筋力がつき、心臓の動きが活発になることと関係しているのではないかといわれています。ウォーキングをすることで、心肺機能を若々しく保つことができるのではないかということです。歳を重ねていくと、体を動かさない生活を続けたり、ちょっとした距離でも車移動することが多かったりするなど、筋肉や臓器はあまり使われなくなっていきます。ウォーキングを習慣化することで、家でじっとしているときには使わない筋肉や心肺機能を定期的に動かし、内臓の機能を活発に保...歩けば歩くほど健康にいいわけではない

  • オンライン・カジノと賭博罪をめぐる課題

    ここで改めて書くこともなく、私はギャンブルが好きです。ただいわゆるカジノにはフランスに行ったとき出かけ、ルーレットなどを少しやった経験しかありません。最近オンラインカジノがいろいろ話題になっており、これは違法なものではないのかと思っていました。そこでこれに参加するための準備をいろいろ始めていたのですが、最近これも違法であることが報道されています。まあこっそりやる分には問題なさそうですが、違法とわかってやるのもやや気分が悪いので、これはあきらめています。たぶん時間の問題で合法化されるのでしょうが、私が楽しめる間に進んでほしいものです。オンライン・カジノのような賭け事を、宗教的な罪ととらえるのか、それとも道徳的な悪徳とみるのか、あるいは処罰が必要な犯罪とみるのか、それとも治療の対象としての病気ととらえるかによ...オンライン・カジノと賭博罪をめぐる課題

  • なぜ私たちは毎日眠るのか、眠らなかったら

    このところ睡眠の話を良く取り上げますが、私自身はほぼ問題はないようです。寝てから3時間後ぐらいにトイレに起きますが、すぐ寝付けますしその後起きる時間まで目が覚めることはありません。睡眠は脳が眠るというのが定説のようでしたが、最近の研究では脳がないヒドラも眠るという発見もあるようです。人間にとって睡眠は欠かせないものです。なかには眠ることに興味がなかったり、あるいは寝る時間がもったいなくて、できればずっと起きていたいと願う人もいるかもしれません。それでも眠らない人間は存在しません。シカゴ大学で行われたラットを用いた断眠実験を紹介します。脳波計をつけたラットを可動式の円盤の上に乗せ、ラットが眠ると自動的に円盤が回転し、水を張った受け皿に落ちるという仕組みで、文字通り眠りを断つ過酷な実験です。観察によると、断眠...なぜ私たちは毎日眠るのか、眠らなかったら

  • 太っている人はだらしないから太っているのか

    私は基本的にやせ型ですので、太る心配は全くありません。1月に入院したところ病院食があまり食べられず、3キロ以上瘦せてしまいました。一度に大量に食べることができませんので、おやつを増やしたりしてやっと元の体重に戻ったところです。肥満しているため子供のころから強い偏見を受け続け、そのことで外向性や積極性を失い、社会に出ても出世・昇進の道を閉ざされて低所得の状態に陥り、それによってさらに肥満してしまうという負のスパイラルがあるようです。アメリカにおける肥満の問題に関して、1960年代から1970年代初頭にかけて、ひとつの大きな転機がありました。NAAFAという団体の設立です。1969年に設立されたこの肥満者支援団体は、・体系に対する世間の偏見との対決、・偏見根絶のための教育活動への支援、・肥満者への各種サポート...太っている人はだらしないから太っているのか

  • 生命は宇宙で生まれた、パンスペルミア説

    私が生命の起源について非常に興味を持っていることは、このブログでもたびたび述べています。これは色々調べていますが、なかなか説得性のある説は見つかっていません。生命は地球で生まれた可能性が高いけれど、起源がはっきりしない以上、宇宙で生まれた可能性も完全に否定することはできません。これがパンスペルミア説で、スウェーデンの物理化学者が1903年に提唱されたものです。これは胞子のような強固な構造を取った細胞が、地球の歴史の初期に宇宙からもたらされた可能性を示したものです。微生物の中には、マイナス200度以下の超低温に長時間さらしても生き残るものがいるので、低温の宇宙空間でも旅することができると考えたのです。その後も、地球の生命が宇宙から飛来した可能性を指摘する研究者が何人も現れ、現在ではそれらの説をまとめてパンス...生命は宇宙で生まれた、パンスペルミア説

  • 生物には必要な睡眠時間が設定されている

    私は2階の寝室の広いベッドで寝ていたのですが、現在は1階の私の部屋で寝ています。これは病院から退院後、かみさんが寝ている様子を見やすいようにと、介護ベッドを借りて設置したものです。ここで寝ると黒猫が一緒に寝ていますし、私も何となくこのベッドが気に入り、もう昼に寝ることはないのですがこの習慣を続けています。生物が歩む道は平たんではなく、いつも外部から加わるさまざまな変化に影響されています。庭のミカンの木にいた青虫も、猛暑で想定以上の高温にさらされることもあれば、雨が降って濡れてしまうこともあります。台風が来てミカンの木の枝が折れてしまうことだってありそうです。それでも彼らは、様々な環境の変化に耐えながら、自身の状態を保ち命を全うしようとしています。生命は強靭で、そのたくましさは環境の変化に負けず、自らの状態...生物には必要な睡眠時間が設定されている

  • 寝不足の日本人が知らない体内時計の仕組み

    私は若いころは結構頻繁に海外に行っていました。当然ヨーロッパやアメリカにも行っていましたが、時差ぼけという経験がありませんでした。どうも体内時計が壊れているのかもしれないなどと言っていましたが、確かなことはわかりませんでした。それでも時差ボケがないということで、気楽に海外に行っていたような気がします。ヒトを含む地球上の生命は24時間のサイクルの中で生きています。人類は空を移動する太陽に基づいて、時間という概念を生み出しました。時計を開発し、時間を確認する習慣がつき、時間に基づいて行動するようになりました。海外に行くと時差ボケを経験します。日本から欧米に向かうと、向こうのほうが日本より時間が遅れているため、夜は早い時間に眠くなって朝早く目覚めます。この時差ボケは、体の中の体内時計の時間がずれてしまって起こり...寝不足の日本人が知らない体内時計の仕組み

  • 白菜などの収穫期を調整する化合物を発見

    最近は果物や野菜などの旬がわからなくなってきました。多くの果物や野菜などは1年じゅう店頭に並んでいるからですが、これは農業の進歩などがあるようです。こういったハウス栽培など農家の方の努力によって達成されているのですが、消費者としてはありがたいことだと思っています。奈良先端科学技術大学の研究チームが、白菜などの野菜が属するアブラナ科の植物の開花を制御できる化合物を発見しました。開花を遅らせることで、その分の栄養を使って葉を成長させて大きく育てたり、収穫時期をずらしたりすることが将来的に期待できるとしています。研究チームが着目したのは脱春化と呼ばれる現象です。多くの温帯の植物は冬の寒さが一定期間続いたことを機に開花準備を始めますが、その直後に数日間の高温が続けば開花準備前の状態に戻ることを指します。高温をきっ...白菜などの収穫期を調整する化合物を発見

  • チャットGPTに人間の心があると感じてしまう理由

    私は錯視という画像が好きで、よく探して楽しんでいます。実はこのページにネットで探した面白い錯視画像の写真を張りつけようとしたのですが、どうもうまくできませんでした。ぜひ確認してほしかったのですが残念です。錯視は眼が(脳が?)間違った解釈をしてしまうもので、作るのはなかなか難しそうですが、見るとなかなか面白いものです。上の写真はその一つで(張りつけられませんでしたが)、無数にある3次元の可能性からもっともありそうなモノを選んでしまうという我々の視覚のバグをついた錯視で、「エイムズの部屋」と呼ばれています。左側の人物は右の人物よりずっと奥に立っているのだが、床の模様が意図的にそのような解釈を妨げるように描かれているので、脳は左右の人物はほぼ同じ奥行きの位置に立っているので、左の人物が小さいという誤った解釈をし...チャットGPTに人間の心があると感じてしまう理由

  • 全員が楽しみにしている定例麻雀

    今月も定例麻雀が予定通り開催されました。私は自宅の最寄り駅の駅ビル内のうどん屋で昼食のうどんを食べてから行くのですが、今回はここで予想以上の時間がかかりいつもの電車に乗り遅れてしまいました。集合時間の20分前ぐらいでしたが、もう全員そろっておりビールで乾杯してすぐ始まりました。東の1局は今日のツキを占うということで、かなり集中していましたが、中盤にそれほど良い手ではないものの聴牌することができました。運試しということでリーチをかけましたが、残念ながら流れてしまいました。この結果はまあ悪くはないと判断していました。次の局も無事聴牌まではいきましたが、軽くSTさんに上がられてしまいました。その後も悪くはないのですが、上がることができないというどうも悪い傾向が続いていました。南に入りSKさんがSTさんの親の跳満...全員が楽しみにしている定例麻雀

  • 運動は老化を早める説は真実か

    健康のためには適度な運動と、どんな文章でも書いていますが、私は完全に運動不足になっています。運動の基本である歩くことが嫌いですので、結局何の運動もしないことになっています。先日15分ほど歩いてクリニックまで行きましたが、予想以上につかれた感じがしました。やはりまだ体調が完全ではないのかもしれません。人間が生活している地球の平地では、大気中に約21%の酸素が含まれています。その酸素の恩恵を受けて食事でとったエネルギー産生栄養素に含まれているエネルギーを、呼吸によって効率よく利用して、日常生活を送っています。約46億年前に地球が誕生して数億年が経過したころは、とてもわずかな酸素しか地球上に存在していませんでした。そこに最初の生物として嫌気性菌が出現しました。地球上の存在している水の紫外線による分解や、光合成を...運動は老化を早める説は真実か

  • 甘いものは別腹という別腹スイッチ

    私はお腹がいっぱいになると食べる気がしなくなり、甘いものでも無理になってしまいます。若いころは果物は別腹的な感じがありましたが、歳を取ってからはそれすらなくなったようです。食後でも甘いものは歓迎するといった、いわゆるデザートは別腹を経験する人は多いようです。お腹一杯食べたはずなのに、なぜか甘いものだけはまだ食べられる現象が起こります。ドイツのマックス・ブランク代謝研究所のチームが、この「別腹」問題にメスを入れました。ポイントは、食後の満腹感を伝える神経細胞が甘いものを求めるスイッチまで押してしまうことのようです。研究チームがマウスと人間の両方で実験したところ、甘いものを認識しただけで脳内の経路が活性化し、鎮痛・陶酔などの作用を持つβ‐エンドルフィンというオピオイド物質を放出することが確認されました。糖分は...甘いものは別腹という別腹スイッチ

  • 日本に約200万人もいるギャンブル依存症

    私は週に1回ぐらいはパチンコ屋に行っていますが、ギャンブル依存症にはなっていません。やるのはスロットですが、出ないと1時間もせずに帰ってきます。スロットはギャンブルというよりはゲームとしても面白いと思っています。現在はカードに出玉をためておけますので、最近はお金を使うことすらなくなっています。このギャンブルが犯罪に直結する事実は、神代の昔から気づかれていました。日本最古のギャンブル禁止令は、日本書紀によると持統天皇の3年(689年)に早くも出されています。実際にギャンブル症に犯罪はつきもので、何億円にも上る横領事件や詐欺は、たいていギャンブルによるものです。2024年3月になってにわかに世界中で有名になったのが、アメリカ大リーグの大谷翔平選手の元通訳です。大谷選手の銀行口座から20億円以上をひそかに横領し...日本に約200万人もいるギャンブル依存症

  • ずいぶん久しぶりの囲碁会

    前回がいつだったか思い出せないほど久しぶりの囲碁会を開催しました。幹事のISさんが寒いうちは出るのが億劫になるので、と言っていたので3か月ぶりぐらいかもしれません。集合場所の碁会所に行くと、もうISさんは見えていました。ISさんに断ってから喫煙所に行き一服しました。毎回書いているような気もしますが、最近は本当に駅の近くに喫煙場所がなくなってしまいました。私は自宅の最寄り駅でうどんで昼を済ませてくるのですが、この近所もなくなり、目的駅も出たところが喫煙場所になっていたのですが、これもなくなってしまいました。やはり食事後は一服したいのに、喫える場所がないというのはひどいものです。この碁会所は2階で、喫煙所は前の道路が見えるところですが、ちょうどSさんが見え私に気づき手を振って入ってきました。喫煙所をでると既に...ずいぶん久しぶりの囲碁会

  • 高齢者は意識して水を飲む必要がある

    私はずいぶん前からビールの金属製のジョッキに氷と水を入れて飲んでいます。なぜこの習慣ができたかはわかりませんが、真冬でも氷水を飲んでいます。このブログの入力や更新などを集中すると、喉が渇くような気がしています。高齢になると意識して水を飲むよう勧められます。体内水分量が低下するからで、子供は体内の70%が水分で、成人は60%、高齢者は50%となるといわれています。体内水分の約3分の2は細胞内に存在し、タンパク質やエネルギーを作るための代謝の触媒として使われます。残りの3分の1は血液やリンパ液、細胞液として体を維持するのに必要な酸素や栄養素を溶かして運搬したり、逆に体に不要なものを排出します。体温調節のためにも水分は必要です。よく若さの表現としてみずみずしいという言葉が使われますが、それは生き物は細胞の内外に...高齢者は意識して水を飲む必要がある

  • 人間にとって重要な臓器だと思っている脳の意外な欠点

    人が何か行動するときは必ず使っている脳ですが、実はあまりよくわかっていないようです。実際に脳自体の機能については物理学者による研究もかなりあります。そのうちいくつかは、脳の機能が脳というハードからは独立に機能しえないということを示唆しています。ある研究者は脳の知性の発生にノイズの存在が重要であり、脳内の神経細胞やシナプスが多大なコストを支払ってまで、ランダムな活動を維持し続けるのは、決して無駄ではないとしています。このランダムな活動こそが我々の学習の実体であり、脳の情報処理の実体であることを強く示唆していると主張しています。この主張が正しいのであれば、脳というハードとは独立に古典的記号処理パラダイムに則って、論理演算だけで知能を実現することはそもそも不可能であることになります。また非線形物理学者は、脳内の...人間にとって重要な臓器だと思っている脳の意外な欠点

  • 運動不足の本当の怖さ

    健康に関する文章などでは、必ず運動の必要性が出てきます。自分のことを考えると、私はかなり運動不足になっています。自宅にいるときはPCの前に座っていますし、今もですがネコが膝に乗ってくるため余計動けません。どこかに出かける際も、ほとんど電動アシスト付きの自転車ですので、あまり運動にはなっていません。ここでも健康寿命を伸ばすためには、体力の向上が最も重要としています。体力は行動体力と防衛体力にわけることができ、行動体力には全身持久力、筋力、バランス能力、柔軟性などがあります。一般的には体力といえば行動体力を指します。体力は何事にも積極的に取り組もうという気力と、知性を働かせる知力と一体になって、心身の健康を保持して生き生きと豊かに暮らしていくのに欠かせないものです。体力のうちで、中年期(40~64歳)から高齢...運動不足の本当の怖さ

  • 認知症の最大のリスク要因と注目される難聴

    私は78歳となりましたので、同年代の友人の中には難聴になってきているのが出てきました。Y君が最近ひどくなり、向き合って話しているときはほぼ問題ないのですが、ちょっと声をかける時などはほとんど聞こえていないようです。一般に老化は44歳と60歳という2つの大きな節目があり、60歳の節目からは誰もが老眼や難聴などの老化を感じるようになるそうです。実際細かい文字の文章は避けるようになることは、50台を過ぎると多くの人が経験します。この時自分も年だと冗談半分に軽く言っているうちは、真剣に老化を考えているわけではありません。老眼は40歳のころから起こり始めています。眼は水晶体というレンズの厚さを変えて、様々な距離のものからくる光が網膜の上にちょうど届くようににして、ピントを合わせしっかりと見ています。水晶体の弾力性が...認知症の最大のリスク要因と注目される難聴

  • タバコを吸う人の60%以上が禁煙に成功する方法

    時々タバコの話を取り上げますが、ここでは禁煙の話です。私は50年以上タバコを吸っていますが、やめるつもりは全くありません。吸いすぎないよう大体1時間に1本程度にしていますが、簡単に楽しい気分になる方法がタバコ以外にあるとは思えません。私はやや肺が弱くなっているようですが、タバコのために寿命が短くなってもやむを得ないと考えています。1963年に始まったCIRCS研究は、日本人の健康の普遍的な法則を見出すために1万人を60年間追跡調査した日本の財産的研究です。医療・統計の技術を駆使して、生涯健康的に長生きする人習慣を定点観測で研究し続けた本研究は、日本人の健康を地域比較で徹底調査した世界最長の研究であり、絶大な信頼性を誇っています。圧倒的なエビデンス力を誇る本研究が突き止めたのは、健康な人ほど健康になる習慣を...タバコを吸う人の60%以上が禁煙に成功する方法

  • 違法薬物より深刻に広がる市販薬乱用

    現在は覚醒剤などではなく、市販の薬のオーバードーズ(過量摂取)が特に若い女性で問題になっているようです。処方薬や市販の薬でも大量に飲めば、幻覚など起こる可能性はありそうですが、それ以外の副作用も心配です。コロナ禍前後で顕著な増加傾向にあるのが咳止めの「デキストロメトルファン」と言われています。2022年の調査では、市販薬を主に使う薬物とする症例のうちデキストロメトルファン含有群は男性7.6%、女性18.2%となり女性で多くなっています。調査によるとこの薬剤は咳中枢に作用する成分ですが、乱用することで幻覚を誘発したり、興奮・錯乱状態を引き起こしたりする危険性があります。2021年に同成分を含む製品が市販薬として販売が始まったことを触れたうえで、2020年調査ではデキストロメタルファン含有群に該当する市販薬は...違法薬物より深刻に広がる市販薬乱用

  • 過去10年で最多の感染性胃腸炎

    胃腸炎の話になると、私の胃腸がかなり丈夫なことを書いています。それほど清潔を注意しているわけではないのですが、家族が胃腸炎になったという記憶がありません。この時期として、過去10年でもっとも患者が多くなっているのが感染性胃腸炎です。ノロウイルスだけではなく、最近はサポウイルスの集団感染も明らかになりました。3月9日までの1週間に報告された感染性胃腸炎の患者数は、1医療機関当たり11.38人となっており、同じ時期で比べると過去10年で最多となっています(国立感染症研究所)。こうした中20日、和歌山市の保健所は市内のホテルのレストランで食事をした客ら20人がサポウイルスによる食中毒を発症したと発表しました。サポウイルスはノロウイルスと同様に感染性胃腸炎を起こすウイルスの一つです。腹痛や下痢、嘔吐などを訴えた客...過去10年で最多の感染性胃腸炎

  • なぜ日本の学校からいじめがなくならないのか

    私が小中学生のころというと、もう60年以上前ですので記憶もあやふやになっていますが、当時は目立ついじめなどなかったような気がします。単に私がいじめられなかっただけかもしれませんが、断定するほどの記憶はありません。学校は「教育」「学校らしさ」「生徒らしさ」という膜につつまれた不思議な世界です。その膜の中では外の世界では別の意味を持つことが、すべて教育という色に染められてしまいます。そして外の世界のまっとうなルールが働かなくなります。こういったことは、学校以外の集団でも起きます。たとえば宗教教団は「宗教」の膜で包まれた別の世界になっていることが多いです。オウム真理教教団では、教祖が気に食わない人物を殺すように命令していましたが、それは被害者の魂を高いところに引き上げる慈悲の行いという意味になりました。また連合...なぜ日本の学校からいじめがなくならないのか

  • 酒の60年のデータで分かった最適量

    私は毎晩夕食時にビール(ロング缶の半分)を飲み、風呂から出てきてからウイスキーの水割りを飲んでいます。何かで飲めないことがあっても、若干物足りない気がする程度ですので、問題はないと思っています。1963年に始まった「CIRCS研究」は、日本人の健康の不変的な法則を見出すために1万人を60年間追跡調査した日本の財産的研究です。医療×統計の技術を駆使して生涯、健康的に長生きする人の習慣を定点観測で研究し続けたこの研究は、日本人の健康を地域比較で徹底調査した世界最長の統計研究であり、絶大な信頼性を誇っています。圧倒的エビデンス力を誇る本研究が突き止めたのは、実は健康な人ほど健康になる習慣を無意識のうちに実践しているという事実です。ここではそのうちの飲酒の習慣について取り上げます。ここで出てくる「疫学」という学問...酒の60年のデータで分かった最適量

  • 世界の長寿地域ブルーゾーンの現状

    私は昔からあまり長生きをすることを希望していませんでした。その割には78歳となり平均寿命ぐらいは生きるのかもしれません。世界でも特に長寿の人が多いことで知られる、ギリシャのイカリア島の話です。島民は平均寿命が長く、しかも認知症の発症率が極めて低いのが特徴です。世界にはブルーゾーンと呼ばれる、長寿の人が多く暮らす地域があります。これらの地域にはイタリアのサルデーニャ島、コスタリカのニコヤ、米カリフォルニア州のロマリンダ、日本の沖縄、そしてギリシャのイカリア島が含まれます。イカリア島の住民は、アメリカ人よりも平均で8年も長生きし、しかも認知症の発症率が極めて低いようです。米国立衛生研究所(NIH)によると、現在670万人のアメリカ人がアルツハイマー型認知症を患っており、2060年までにこの数は1380万人に達...世界の長寿地域ブルーゾーンの現状

  • なんにお金を使えば幸せになれるのか

    私の家はそれほど裕福ではないのですが、お金の心配をしなくてもよい程度の暮らしをしています。このお金の有効な使い方というのは、それなりに難しいような気がします。なんにお金を使えば幸福度が上がるのでしょうか。拓殖大学の研究グループは、これまでの研究では体験・経験への消費は、モノにお金を使うよりも幸福度を高めるとされてきました。しかし最近、これに異を唱える研究が出てきたそうです。地球の資源が有限であるように、使えるお金も有限です。このためお金をどう使うのかは、人生における重要な問題です。日本人のお金を取り巻く環境を見ると、収入は微増していますが物価も上昇しているため、普段の生活はむしろ苦しいと感じることが多くなっています。厚生労働省の発表を見ると、2024年の物価を考慮した働き手1人当たりの実質賃金は、前年比マ...なんにお金を使えば幸せになれるのか

  • 旧統一教会に対して東京地検が解散命令

    安倍元首相の事件以来統一教会(現在は別な名称になっていますが、慣れている統一教会を使用します)批判が広がっていましたが、ついに東京地検から解散命令が出たとニュースになっていました。統一教会は当然控訴するようですので、最高裁で解散が決定するまでにはまだ2年か3年かかるようです。ここまでの動きは不思議と言えなくもありません。3年前に統一教会に恨みを持つ犯人が、安倍元首相が統一教会に深く関連していると間違えて襲ってしまったものです。もしこの犯人が間違えずに統一教会幹部を襲ったとしたら、教団幹部殺害されるといったニュースが出て終わりだったのかもしれません。それが元首相という日本の要人だったため、原因となった統一教会が大きく取り上げられました。このメディアの取り上げ方はすさまじく、宗教に全く関心のない私でさえ自然に...旧統一教会に対して東京地検が解散命令

  • 大腸ガンは果物で予防できる

    私は果物が大好きで、食後のデザートや3時のおやつとして果物を食べていました。季節によって食べるものが変わってくるのも、楽しみの一つでした。それがいつごろからかはよくわかりませんが、年を取ってからほとんど食べなくなってしまいました。これにはいろいろな要因があったようですが、また復活させたいとも思っています。最近の研究では遺伝的に予測される果物の摂取が大腸ガンのリスク低下と関連することを示しています。この研究は韓国のソウル大学の研究員らによるもので、食事摂取と大腸がんリスクの関連を調べるため、メンデルランダム化という手法を用いて分析を行いました。イギリスバイオバンクのデータを活用し、約9300万の遺伝子変異を解析し、食事に関連する399の遺伝子変異を特定しました。その結果遺伝的に予測される果物の摂取量が多い人...大腸ガンは果物で予防できる

  • 科学的とはどういうことか、科学の正体

    私はいわゆる科学者として一生を過ごしてきましたが、科学的とはどういうことかと聞かれるとなかなか難しい問題です。この科学について納得できる答え方を紹介します。ここではあまり科学的とは言えないものとの比較を通じて、科学に見られる特徴を抑えることにします。その題材として以下の文を読んでください。「ある夏の夜寝ていると、近くから人の声のようなものが聞こえ始め、胸を圧迫される感じが始まった。目を覚ましたところ、胸の上に白髪の老婆の姿が飛び込んでくる。飛び起きようとするけれども、手足はまるで何かに押さえつけられているかのように全く動かすことができない。そのあとの記憶がなく、気が付けば朝を迎えていた。」金縛りの例ですが、実際に味わったことが無くても、その恐怖体験について耳にしたことはあるでしょう。金縛り中の体験は、科学...科学的とはどういうことか、科学の正体

  • 死体を解剖せず事件性の有無を判断

    私は若いころ(多分高校時代)法医学に興味を持ち、それ関係の本を読み漁っていました。ただ法医学者になりたいという気持ちはあまりなく、医学部進学は考えていませんでした。ここでは日本における司法解剖の少ない問題について述べてみます。死者が出ても、警察に事件性なしと判断されることが多い火災事故があります。実際は保険金目当ての計画的な殺人だった、というケースも少なくないようです。司法解剖を介さずに犯罪性の有無を判断するとこうしたことが頻発しかねないとしています。日本では多くの場合、犯罪性の決定後に死因の特定が行われる実情があるようです。司法解剖医は、法医学的には完全に逆のプロセスであり、極めて異常であると警鐘を鳴らしています。ここでは千葉県の例を挙げますが、人口630万人の千葉県では、年間約9000体前後の変死体が...死体を解剖せず事件性の有無を判断

  • 道徳的な直観に反して不平等な社会が残っている

    現代社会が平等かというと、決してそんなことはない気がします。例えば私がよく行くパチンコでも、いつも勝っている人もいれば負け続けている人もいます。まあこれは不平等とは言いませんが。社会的不平等はおのずと発生し、世代を超えて受け継がれ排除するのは極めて難しいとされています。簡単に言えば、生じた社会経済的不平等ははなくなりません。誰にもその本質はわからないし、いくら探しても最善の解決策は見つかりません。完全に平等な社会は、今後もしばらくは実現しないでしょう。加えて際限のない不平等と過激な平等を対比する行動は混乱を招きます。それでもある程度平等な社会には利点があると考えられます。不平等が拡大していくことの最大の問題は、不平等な仕組みが社会資本を損なう、言い換えればその社会の全構成員間の円滑な協調を可能にする非公式...道徳的な直観に反して不平等な社会が残っている

  • 就職氷河期世代と正社員も苦しむ停滞する日本

    1992年から2002年の22歳~29歳の男性については、同時期の正社員の比率が顕著に低下しました。この時期の20代男性に限って言えば、非正社員の増加が正社員の減少と相関するという通説が当てはまります。この時期の20代とは、まさに団塊ジュニアです。1990年代に急減したのは、高卒就職者でした。91年の60万7466人から、2004年の20万8903人と約3分の1になったのです。その一方で大学進学率が25.5%(1991年)から40.5%(2002年)に伸びました。この情勢は高卒では就職できなくなり、大学に行かざるを得なくなったともいえそうです。90年代に大学に進学した団塊のジュニア世代はもともと人数が多く、団塊世代の1949年の出生数は約270万人で、団塊ジュニアの1973年出生数が約209万人となってい...就職氷河期世代と正社員も苦しむ停滞する日本

  • なぜロシア人はプーチンを支持するのか

    ロシアがウクライナに侵攻を始めて3年がたってしまいました。プーチンの大義が何なのかよくわかりませんが、プーチンにとっても予想外の長期戦といえるのかもしれません。ロシア国内の世論調査では、ウクライナ侵攻後もプーチン大統領の支持率が7~8割と高い水準で推移し、2024年3月の大統領選挙でも87%の支持を得て再選しています。なぜロシア国民はプーチンを支持すのでしょうか。ロシアはウクライナに軍事侵攻したことで、米国と欧州から激しい反発にあい、日本を含む国際社会から経済制裁や金融制裁を受けています。そして当然長引く戦争により死傷する兵士も増え続けています。それでもプーチンを選ぶ要因はいろいろあるようですが、その一端をソ連解体後の歴史に垣間見ることができます。1991年12月、社会主義国家の領袖として米国と対峙してき...なぜロシア人はプーチンを支持するのか

  • ガン転移の始まりの一端を解明

    高校時昨年代からの親友であったF君が亡くなってしまいました。連絡を受けたときは非常に大きなショックでした。ひとつには78歳ですので当然ともいえるのですが、ついに私の年代も亡くなる人が出るようになったということです。F君とは大学時代から麻雀をやったり、当時はやっていたビリヤードに行ったりと大学に行かずに遊びまわっていました。F君の大学に行って一緒に講義を受けたこともあります。F君は胃がんが見つかった時には手術でとることができず、化学療法を始めてすぐ肝臓への転移がわかり、わずか数か月の療養で亡くなってしまいました。やはり治療でとりわけ厄介なのが、ガンが最初にできたところからほかの臓器・組織に移る転移ですが、実はなぜ転移するかはよくわかっていません。京都大学や名古屋大学の研究チームは、がん組織内には活性酸素の一...ガン転移の始まりの一端を解明

  • 幸せな老後のための健康との向き合い方

    私はあまり健康に留意した生活を送っているとは言えないような気がします。特に喫煙については、害があると分かっていても私の楽しみのひとつであり、多分死ぬまで禁煙をすることはないと思っています。こういった健康に悪いとされていることをやりながらも、何とかほぼ健康でいますのでこれ以上望むことはなさそうです。日本人は慣習的に医者のいう事は絶対だと思い込みますが、一方で医者のいう事は気にしなくてもいいという意見もあるようです。典型的な例が血圧が140以上だと高血圧という数値です。昭和30〜40年代の日本人はタンパク質が不足して、血圧が140〜150ほどで脳の血管が破れて脳出血で亡くなる人が多くいました。しかし現代の日本人は栄養状態が改善してタンパク質を多く摂取するようになり、脳の血管が強化されて脳出血が減りました。血圧...幸せな老後のための健康との向き合い方

  • あまりにも有名なトロッコ問題

    思考実験というのは、ある状況を設定しそれにどう対処するかを問う問題ですが、なかなか答えが出せないものも多いようです。この典型的なものが1967年に提出されたトロッコ問題です。有名なものですが、ここに要旨を付けておきます。突進しているブレーキの利かないトロッコの前方に、5人の線路作業員がいます。このままでは5人はひき殺されてしまいます。しかしそれを見ているあなたの目の前には分岐ポイントがあって、それを切り替えればトロッコは引き込み線に導かれ、5人は助かります。しかしそうすると引き込み線にいるひとりの作業員は死んでしまいます。この状況にあなたがいるとしたら、5人を助けるためにポイントを切り替えるだろうか。それとも何もしないでいるだろうか、というのがトロッコ問題です。一人の命につき1の価値を与える、いわゆる幸福...あまりにも有名なトロッコ問題

  • 機械学習と人工知能が異なる過学習のメカニズム

    20世紀のあいだはブレークスルーもなく低迷していた人工知能研究ですが、21世紀に入って10年ほど経ったところで、救いの手が思いもかけない方からやってきました。いわゆる深層学習の登場です。深層学習はそれらしい名前が付いてはいるものの本質的にニューラルネットワークと同じもののようです。ニューラルネットワークは多数ある機械学習の手法の中で、脳の基本構成体であるニューロンの機能にヒントを得て提案されたひとつの手法です。機械学習には多彩な手法があり、虫の群知能にヒントを得たスウォーミングや、二分木のボ―ティングに基づくランダムフォレストなどがありますが、この辺りは私も良く分かりません。ニューラルネットワークの評価はあくまでパフォーマンスの良しあしでしか評価されません。知能のモデルとして妥当であるか以前に人間にもでき...機械学習と人工知能が異なる過学習のメカニズム

  • ヘルペス感染者の認知症発症リスクは2.6倍

    唇の端がガサガサになり切れて痛いということは私も良くありますが、これはヘルペスウイルスのためのようです。最近アルツハイマー型認知症は、このヘルペスウイルスが原因であるという説を見かけるようになりました。この仮説は1980年代からあったようですが、最近ではこの説を支持する論文がたくさん出ています。一般的にアルツハイマー病はアミロイドβというタンパク質によって引き起こされるといわれていますが、多数の疫学研究論文から多くの人が感染するヘルペスウイルスが原因だと指摘しています。もしそうであるならばすでにウイルスの増殖を抑える薬やワクチンもあるため期待ができるといえそうです。現在アルツハイマー型認知症の原因はアミロイドβ、というのはほぼ常識になっていますが、これは1980年代に脳内の老人班がアミロイドβで構成されて...ヘルペス感染者の認知症発症リスクは2.6倍

  • 魚にも心(意識)はあるのか

    ヒト以外の動物に、果たして意識はあるのでしょうか。そうであれば、どの動物が意識を持っているのでしょうか。意識という言葉は、さまざまな文脈でいろいろな意味でつかわれています。そのためどのような意味で意識といわれているかには常に注意が必要です。ここで述べる意識は、一人称の視点からの世界の経験という意味での意識で、そのような体験は専門的には主観的経験と呼ばれています。ちょっと意味の分からない定義になっていますが、ヒトの意識ほどはっきりしたものでなくてもよく、自己意識やメタ意識(自分に意識があることを自覚するような意識)などの高次の意識でなくとも、何らかの主観的経験が少しでもあればよいとします。たとえば普通に生活しているときに自分という存在がいるとか、自分には意識がある時にする人はほとんどいません。しかしそれに意...魚にも心(意識)はあるのか

  • 1回の産卵では死なないサケがいる

    生殖には常にコストが伴うとされています。生物が支払うことができる最大のコストは自らの命となっています。生殖が死の始まりとなるパターンは自然界にも珍しくなく、これをセメルパリティー(一回繁殖)と呼ばれています。この例としてはトンボやセミ、サケやウナギ、イカやタコなどがいます。植物でもヤシや多くのタケのほかに、いわゆる一年生植物が典型的な1回繁殖の例となっています。発芽してからは生長して、花を咲かせて種子を作って枯れるまでを、わずか数か月で駆け抜けるのです。この仕組みは比較的簡単なようです。植物は分裂組織で成長し、細胞分裂によって多くの細胞を作り出す組織で、芽や枝の先端にあります。しかし花には分裂組織がなく、花が咲いたらその芽や枝はもはや生長できなくなります。一年生植物の場合、発芽してからしばらくすると、ほと...1回の産卵では死なないサケがいる

  • 胃ガンの手術で胃の全摘出はしないほうが良い理由

    最近かみさんの友人に胃ガンが見つかり、胃の3分の2ほどを取る手術をしました。タイトルにあるように、胃の全摘出はよくないという説が出ているようですが、彼女の場合はこういった理由ではなさそうです。胃は単に食べたものを一時的にためておく袋ではなく、食欲をつかさどる臓器でもあります。ヒトは食べることができないと、栄養が取れず力も出ず免疫だって保たれません。胃を守ることは食べるを守ることで、胃を残すことが重要なようです。胃袋が大きければたくさん食べられ、胃が小さいと食べられない。そんなイメージを持っている人がいるかもしれませんが、実際にはそのような事実はなく、胃の大きさは食欲には関係ありません。同様に胃がんの手術で、胃を大きく残すほど食欲も維持できるのかといえばそのようなことはなく、予後を大きく左右するのはどこを残...胃ガンの手術で胃の全摘出はしないほうが良い理由

  • 逆流性食道炎は年齢のせいではない

    私はあまり胸焼けがするといった症状は出てきませんが、かみさんは逆流性食道炎の疑いがあり、薬を飲んでいます。一口に胃の痛み、不快感といっても症状も原因も様々ですが、胸が焼けるように痛む場合は逆流性食道炎が疑われます。逆流性食道炎とは、胃酸を含む胃の内容物などが食道へ逆流することによって、胸やけや呑酸症状などを引き起こす病気です。かつては中高年の病気だと思われていましたが、昨今は20代の患者も増えているようです。胃酸などの逆流は、食べたものが食道から胃に入る入口にある逆流防止弁が破綻しゆるんでしまうことで起こります。食道の壁を荒らすことで症状を引き起こしますが、逆流防止弁をゆるませてしまうのは、喫煙や食の欧米化が原因であるといわれています。逆流防止弁がある噴門部はちょうどみぞおちのあたりです。この部分に炎症が...逆流性食道炎は年齢のせいではない

  • 今夏もコメ不足か、在庫量国の予測に疑問符

    このブログにはあまりこういった話題は取り上げないのですが、先日スーパーに行った折コメ売り場がほとんど空になっており、深刻な問題になるのかもしれません。私の家は年より2人ですのでそれほど消費しませんが、それでも基幹食品ですので若干気になります。かみさんに言ったところ、宅配業者から5キロ買ってあるので心配ないようです。今年6月末の米の民間在庫量が、農林水産省が見通す158万トンを大きく下回る可能性が出ているようです。直近の減少ペースが続くとして試算したところ、6月末民間在庫量は110万〜130万トンと低水準になり、国内需要量の約2か月分しかありません。既に流通業者間では、今年の夏も米不足になる危険は十分ある、と警戒感が広がっています。農水省が公表する在庫量の統計は、(1)毎月公表するJAなどの出荷・卸など販売...今夏もコメ不足か、在庫量国の予測に疑問符

  • 日本は確実に二極化が進行する

    少子化による人口減少の問題はこのブログでも取り上げていますが、政府に有効な対策がないことに疑念を持っています。ここでは若干新しい視点から、この人口減少を取りあげてみます。まず人口減少や少子高齢化が、全国一律に進むわけではないことの難しさです。東京の一極集中の是正は必要だと考えています。東京圏にすむ人々は、食料やエネルギーも若き労働力までも地方に依存しています。この一極集中は止まるどころか加速しています。現在の日本列島では、東京圏の人口膨張と、人口が大きく減る地方の拡大といった二極化が進行していきます。そして地方同士では、しばらくは政令指定都市などの中心市街地に人口が集中していきます。今後の東京は、これまで見たこともない新しい顔を見せ始めそうです。少子化によって地方に若者がいなくなることから、大企業ですら思...日本は確実に二極化が進行する

  • 悪天候になってしまった定例麻雀

    私は電車に乗る前にうどん屋で早めの昼食をとり、毎回同じ電車で行きますので少し早めの12時半ぐらいに雀荘についています。今回は自宅のほうでは曇りでしたが、雀荘の近くでは雨交じりの雪が降っており、完全に雪になると電車が止まらないかがやや心配でした。いつもはH君が先に来ており、情報交換などしてそろうのを待っているのですが、今回はこの時間でも他の3人がそろっていました。皆年寄りですのでだんだん早く集まるようになってきたのかもしれません。もう席なども決まっており、私があまり好きではない私の起家ですぐに始まりました。東1局はかなり配牌もよく、簡単にタンヤオになりそうでした。その後も順調に入り、10巡目ぐらいにタンヤオどら1を聴牌しました。まだ早いこともありリーチをかけましたが、数巡後に無事自模り見事親マンとなりました...悪天候になってしまった定例麻雀

  • 知能研究の論理に大きな飛躍があった

    私はAI(人工知能)に興味を追っており、そういった記事には大体目を通しています。そのなかでかならず「いつの日かAIは自我を持ち、人類を排除するのではないか」という文があります。しかしほとんどがそれを否定しており、これは単なる杞憂ではないかと思っています。その理由は簡単で、AIと人間の知能は本質的に異なっているからです。ただ知能とは何かという問題にはまだ明確な答えが出ていません。コンピュータの同義語が電子計算機という名前になってしまっているのは、一種の誤謬といえます。コンピュータは別に電子回路で作らないといけないという訳ではありません。今の計算機は半導体を用いて作られていますが、初期の電子計算機は真空管という全く別のデバイスを用いて作られていました。真空管というのは今ではすっかり見かけなくなってしまいました...知能研究の論理に大きな飛躍があった

  • 地球にしか存在しない宝物「土」

    自宅の庭は当然土で覆われていますが、いわゆる赤土になっています。普通の土よりかなり赤みが強いのですが、これは富士の火山灰土という説があります。いろいろな植物は普通に育っていますので、性質としては普通の土と変わらないようです。普段食べているものは海産物もありますが、ほとんどは陸地つまり土から得られるものです。家畜も土から育った試料を食べ、土は貴重といえます。厚さ1センチの土ができるまで日本で100年、条件の悪い場所だと1000年もかかるといわれています。そもそも土とは何かを専門家によれば、「土壌は岩石が崩壊した砂や粘土と腐植が混ざったもの」と定義されています。土なんてどこにでもあると思ったら大間違いで、米宇宙航空局(NASA)も、これから目指す月や火星に土がないことで困っているそうです。生物が生み出す腐植の...地球にしか存在しない宝物「土」

  • 未だに謎だらけの私たちは何故眠るのか

    睡眠の話をよく取り上げますが、私は寝るのが割と好きになっています。今は黒猫のクロと一緒に寝ていますが、私がベッドに入るとクロがもぐってきてゴロゴロスリスリし始めます。しばらく相手をしてやると満足するのか足元にいき寝てしまいます。これでゆっくり眠れるような気がしています。ウィスコンシン大学の研究者は、睡眠のシナプス恒常性仮説と呼ばれる仮説を発表しています。生き物が眠る理由を紐解くカギを、シナプスが握っているというものです。この睡眠のシナプス恒常性仮説を深堀するため、脳の中の配線構造、つまリ神経同士の接続について説明する必要があります。脳内には1000億個以上もの神経細胞があり、互に接続して回路を形成しています。まるで人と人が手をつなぎあい、一人の興奮が手をつないでいる相手に伝わっていくかのようです。この細胞...未だに謎だらけの私たちは何故眠るのか

  • 長時間労働の影響を甘く見てはいけない

    私はずっと研究職として働いてきましたので、時間外労働は当然多かったようです。私の上司は自分のやることは自分で決めろという方針でしたので、命じられて残業することはありませんでした。私の大学時代の先生の口癖は、8時間仕事をするなら5時間考え、3時間実験するようにという事でした。私はこの教えを守れず、3時間考えて5時間実験をしていたような気がします。さてここでは長時間労働によって引き起こされる脳卒中の話です。脳卒中は高齢者だけの病気ではなく、日本では4.3人に1人が発症するとされています。働く世代の推計患者数は約16%にのぼるとされています。脳卒中は脳の血管に異常が生じ、脳の一部に血液が届かなくなったり、出血したりすることで起こる病気の総称です。現代社会において、脳卒中は多くの人々にとって重大なリスクとなってい...長時間労働の影響を甘く見てはいけない

  • 病気にならない人が運動するのは朝か夜か

    健康にいるためには適度な運動という事は、どんな記事でもかならず出てくるような気がします。私は肺炎になってから全く運動していませんが、歩くのが嫌いなため軽い運動がしにくいようです。1963年に始まった「CIRCS研究」は、日本人の健康の普遍的な法則を見出すために1万人を60年間追跡調査した日本の財産的研究です。医療・統計の技術を駆使して生涯健康的に長生きする人の習慣を定点観測で研究し続けた本研究は、日本人の健康を地域比較で徹底調査した世界最長の統計研究であり、絶大な信頼性を誇っています。圧倒的エビデンス力を誇る本研究が突き止めたのは、健康な人ほど健康になる習慣を無意識のうちに実践しているという衝撃の事実です。ここでは数ある法則の中から食事の習慣を中心に紹介します。医療と統計を掛け合わせた実践的学問を疫学と呼...病気にならない人が運動するのは朝か夜か

  • 管理職への昇進はモチベーションとならない

    私は入社以来研究専門職として過ごしていましたので、管理職にあまり興味はありませんでした。実際30代半ばで主任研究員という管理職になり、自分の研究室を持つようになりましたが、それほど大きな変化ではありませんでした。近年ジョブ型雇用への移行の気運が急速に高まったのは、少子高齢化に伴い社会構造が変わってきたことが大きな理由とされています。日本は人手不足やマーケットの縮小が避けられず、その打開策としてDXによる生産性向上や高付加価値のビジネスモデルへの転換に踏み切らざるを得なくなってきています。DX導入に合わせて新規プロジェクトを立ち上げるには、専門性の高い人材の確保が急務であり、年功序列でゼネラリストを育成するメンバーシップ型雇用ではとても対応できません。勤続年数による技能やノウハウの積み上げでは間に合わないと...管理職への昇進はモチベーションとならない

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