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意志による楽観主義のための読書日記 https://blog.goo.ne.jp/tetsu814-august

面白きこともなき世を面白くするのは楽観力、意志に力を与えるのが良い本 *****必読****推奨**閑なれば*ム

意志による楽観主義のための読書日記
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2015/07/14

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  • 日本近現代史講義 成功と失敗の歴史に学ぶ 山内昌之、細谷雄一 ***

    日本近現代史というと明治維新を始点として語られるが、日本近代の礎は徳川政権の江戸幕府開始から築かれ始めていた。それまでの戦国混沌の時代から、国内戦闘がない全国統治が行われ、土地保有や貨幣鋳造、徴税制度についても日本全国の大名は江戸幕府の指示に従った。世界で見ればかつてのドイツ帝国やハプスブルグ帝国領邦国家としての王国や大公国、今のUAEにも近しいものがある。この時代は260年の安定を誇った。これを近代日本1.0とすると、明治維新後の日本が2.0、太平洋戦争後の日本が3.0と見ることが可能。本書は維新後の近代史を、立憲革命、東アジアと日清戦争、世界から見た日露戦争など、日本史を客観視する姿勢を示し、近視眼的歴史観を抑制しようとする。明治以降の日中関係は明治以降の日本史を中国視点でまとめており参考になる。近代...日本近現代史講義成功と失敗の歴史に学ぶ山内昌之、細谷雄一***

  • 日本の古典を読む14 方丈記・徒然草・歎異抄 神田秀夫 ***

    方丈記の作者、鴨長明は1155年京の賀茂御祖(下鴨)神社の生禰宜であった鴨長継の子として生まれた。順調であれば父の跡をついで禰宜になるはずだったと思われるが、父が早逝、長明の人生は暗転した。父方の祖母を頼ってあとを継いでいたがその祖母も他界。鴨家と縁が切れてしまった長明は小さな庵に一人住まいを始めた。和歌には才能を見せ、34歳には千載集に1首が掲載される名誉に浴した。和歌の師は金葉集の選者である源俊頼の子俊恵。46歳になった長明は後鳥羽院主催の正治百首の歌人として選ばれ、以後、後鳥羽院の歌壇の一人として歌合に参加した。後鳥羽院に認められたのちは、新古今和歌集選集のための編集委員である和歌所の寄人に任命された。長明を評価していた後鳥羽院は下鴨神社の摂社である河合社の禰宜に推奨するが、神社統括の祐兼の反対に遭...日本の古典を読む14方丈記・徒然草・歎異抄神田秀夫***

  • 人はいかに学ぶか 稲垣佳世子、波多野誼余夫 **

    学校でのお勉強が嫌だった時代、面白く感じたとき、それぞれあるのではないだろうか。実際に日常生活で必要になったことが、たまたま学校で教えられたこととつながると、一気にお役立ち感が増して、もっと知りたくなるもの。しかし、一般に学校教育では、易しいものから順に、クラス大多数が理解しやすいように工夫しながらも、しかし教える手間を最適化するために手順を考え、そして徐々に進むのである。個々の生徒にとっては関心がなくとも、順序よく効率的に教え込まれるため、生徒側は受動的になってしまうことが多い。伝統的な教育方法論では、人間は意図的、意識的に外部から知識を伝達されない限り学ぶことはできないとされてきたが、生活の必要上、環境に働きかけ効果的な手続きを学ぼうとする存在である。さらに言えば、本来的に好奇心が強く、そうした手続き...人はいかに学ぶか稲垣佳世子、波多野誼余夫**

  • 日本の古典を読む6 竹取物語 伊勢物語 堤中納言物語 ***

    竹取物語は平安初期の編纂と言われ仮名手で書かれた最初の物語。舞台は散吉(さぬき、大和の地名)で翁は造(みやつこ)といい、ある日竹林で見つけた3寸の小さな女の子を見つけて家に持ち帰る。3ヶ月で美しい女性に成長。この間には竹取の翁はたびたび竹の中から黄金を見つけ、徐々に裕福になっていたので、朝廷から御室戸の斎部の秋田を呼んで裳着の儀式とともに「なよ竹のかぐや姫」と名付けてもらった。物語の意味を象徴するような序盤部分、「竹」は早く成長し、「なよ竹」は吹き付ける風にも折れずに耐え抜く、斎部氏は朝廷に出入りする儀式を司る役割であり、内裏などで働く女房などを選ぶ役割も持つ。この美しい娘の噂はすぐに広がり、多くの求婚者たちが翁、媼の前に現れる。翁の前に現れたのは5人の求婚者で、かぐや姫に会ったこともないのに熱心である。...日本の古典を読む6竹取物語伊勢物語堤中納言物語***

  • 最期の日本史 本郷和人 ***

    日本における死生観は病魔への対応、怨霊、死にかた、死への姿勢、お墓、葬儀などに影響する。日本歴史において、こうした死生観が歴史を決める、変えることもあった。1.首戦闘の結果、敵将の命を奪ったことの証明として一番確かなものは首。武士にとっての一番の辱めは生首を晒されること。だから敵将の首を自身の主君の前に持ち帰り、主君は首を確認して部下の殊勲を称える。しかし人間の首を切り取り持ち帰ることは容易ではなく、多くの武士にとって一度の戦いで持ち帰ることができたのは一つ。一生に一度でも兜首を持ち帰れば、武士としての面目は立ったと言われた。平安時代以降戦国時代までの成人男子は、烏帽子を被り、寝るときにも取らなかった、つまり烏帽子がない状態の頭を見られるのは恥辱とされたのも、首をさらされることを嫌った理由。烏帽子がない状...最期の日本史本郷和人***

  • 日本の古典を読む12 今昔物語集 ***

    平安末期の12世紀前半に成立したとされるのが今昔物語と呼ばれる説話集。全31巻で、天竺(インド)と震旦(中国)が第1巻から10巻、11巻-31巻が本朝(日本)における主題を扱う説話集であり、当時考えられる全世界の説話が収集された。本書では本朝の説話を収蔵する。印象に残る説話は以下の通り。1.真言宗の開祖、弘法大師が、天皇の御前で同僚の高僧の面目を潰すなどをして仲違い、お互いに「死ね死ね」と罵り合いの末、空海が一計を案じ嘘の噂を流して相手を騙し油断したところを呪い殺した、というもの。2.日本国中咳き病が流行するとき、化けて出てきたのは應天門の変で殺された伴善男だった。その化け物が言うには、騙されたうえで殺されてはしまったが、この世には世話になったので、人々が死んでしまう病ではなく、咳き病で苦しむ程度で収めて...日本の古典を読む12今昔物語集***

  • 信長の親衛隊 戦国覇者の多彩な人材 谷口克広 ***

    信長には近親・一族衆とも言える信広ら連枝衆、織田家家老の林秀貞、譜代武将である丹羽長秀や木下秀吉、外様衆で美濃の国人佐藤紀伊守や尾張の国人水野信元などがいたが、本当の近臣で、小姓、馬廻衆、吏僚と呼ばれたのが親衛隊であり、尾張、美濃の土豪出身者で固められる。近臣の吏僚とは奉行衆で信長のおそばにいつも常在している者、右筆、同朋衆と武辺の馬廻衆、小姓衆がいた。近臣の仕事とは、客の取次ぎや贈呈品の受け渡しをする奏者(武井夕庵、松井友閑など)、朱印状などに添える但書のような副状の発給を行う近習は経緯や細目説明を行う役割。使者を務めるのも近習で平時と戦時とがあり使い分けられる。作戦参謀のような検使、来客の接待役、各種奉行(起請文発行や普請の監督)などが近習のお仕事となる。役割や近習メンバーは時代ごとに変化するが、本能...信長の親衛隊戦国覇者の多彩な人材谷口克広***

  • 枕草子 日本の古典を読む7 ***

    「光る君へ」を視聴しながらの読書は、登場人物の顔が思い浮かんできて実に生き生きと情景を思い浮かべられる。枕草子は清少納言が定子中宮の女房として出仕して、定子が一条天皇との子を懐妊し出産する頃から始まり、定子が里帰り出産、彰子入内、長徳の変、定子出家と還俗、内親王出産後の死などを女房として経験する間に執筆されたという。内容的には随筆といわれるが、日記でもあり、人物評論的な部分や、世の中への考え方を述べるなど多岐にわたる。記述された中で印象的なエピソードを紹介する。定子が出産のために平生昌邸に赴いて侍者たちも一緒に家に入る場面で、定子はちゃんとした四本柱の門構え玄関から入る。侍者たちは北の門から入るが、そちらは門が小さくて、車のままでは通過できないために一旦降りて歩くために、雨が降ってぬかるんだ道に筵を敷いて...枕草子日本の古典を読む7***

  • 女装と日本人 三橋順子 ***

    女装するのが好きな男性、という筆者がそのカテゴリーを追求した一冊。性別と性指向には明確な境界線がなく、グラデーション的に様々な嗜好と傾向を持つ人達が世の中に入るということ、そしてその事実を理解してほしいというのが本書。そのために、日本史における女装の歴史を振り返り、西洋キリスト教では異端として扱われる同性嗜好、異性装などが、日本や東洋では歴史的に受け入れられてきたことを紹介している。古代から顧みると、建国の英雄ヤマトタケルは熊襲征討では女装して熊襲健兄弟を殺害。女装による相手の油断を狙った、巫女であったヤマトヒメの衣装を借りて望んだ計画的殺害だった。男性が女装することにより霊的な力を獲得するという考え方が古代にはあったということ。女装の巫人のような双性的な人が神と人との仲介をする例は世界にも多く存在し、日...女装と日本人三橋順子***

  • 日本の古典を読む11 大鏡 栄花物語

    「大鏡」は長命な老翁である大宅世継と夏山繁樹が清和天皇から後一条天皇までの天皇記を紹介していき、その時代に活躍した摂政関白である藤原北家の代表的な人物を紹介、エピソード的に列伝を語るというもので歴史書となっている。一方の「栄花物語」は大鏡と同様に道長の政治と活躍を肯定的に紹介するものではあるものの、宇多天皇から堀河天皇までを歳月を追いながら紹介する形式で、歴史書というよりはエピソード集。大鏡は栄花物語よりもずっとあとになって編集されたものであり、天地人という巻に分類され、天の巻で天皇を紹介した後に列伝として冬嗣から師尹までを紹介。地の巻で師輔から兼家、道隆、道兼を紹介、人の巻で道長が執政者となってから出家し亡くなるまでをカバーする。栄花物語でも同じような展開が見られるが、道長の時代がより詳細に紹介される。...日本の古典を読む11大鏡栄花物語

  • 「土佐日記」、「蜻蛉日記」、「とはずがたり」 日本の古典を読む7

    本シリーズは面白い。最初にあらすじが示されたうえで、現代語訳文に続いて原文が少しずつ掲載され、理解に必要となる地図や系図、図絵も掲載されているので理解が進む。抄訳なので途中で諦めたりすることもなく読了まで行けるので達成感も味わえる。源氏物語で味をしめたので本書も手に取った。いずれも日本史のお勉強で名前くらいは目にしたことはある日記やエッセイ。「土佐日記」は「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」で始まる。古今和歌集編者である紀貫之による土佐国司としての赴任先からの帰京を、随行の女性が記した日記としたもの。内容的には実際の旅行記というよりも、経験した旅行を思い出しながら、面白そうなエピソードを、貫之お得意の和歌を交えて書き連ねたもの。934年12月21日に国司の館を出発した一行が、船旅で風雨...「土佐日記」、「蜻蛉日記」、「とはずがたり」日本の古典を読む7

  • 継体天皇と朝鮮半島の謎 水谷千秋 ***

    「謎の大王継体天皇」を昨年も再読している。文献による研究では記紀以外の新文献発掘が難しい現状では、新史実発見は難しいはずだが、考古学的発見は新たな事実を掘り起こしてくれる可能性がある。本書についても以前読んでいる。歴史学者たちは慎重だが、継体天皇の時点で、一度皇統は変更されている可能性が高いのではないか。応神から雄略の王朝は「倭の五王」として知られるが、朝鮮半島進出の信認を大陸の権威に求め続けたのがその時代。継体天皇のその後の政策も国際性、開明性はそれ以前の王朝の方向性を引き継いでいるといえる。継体天皇は、半島において活躍し帰国した各地の首長に、広帯二山式冠や捩じり環頭太刀を与えて評価した。秦氏などの渡来人を重用し、旧勢力の代表である葛城氏に厳しい姿勢で臨んだ、これらは継体天皇のそうした性格を表している。...継体天皇と朝鮮半島の謎水谷千秋***

  • 日本の古典を読む 源氏物語(上・下) ****

    大河ドラマ「光る君へ」を見ながら、まひろが源氏物語を書き始めたら本書を読んでみようと思っていた。実家にあった「谷崎版」は第一巻で挫折、その後円地文子版は読み進んだのが「明石」で挫折。今回こそと、上下巻で読める本書を手に取った。ちょうど11月3日の放映が宇治十帖の書き始めだったので、上下巻にしたおかげで読み終えるのが適時に間に合った感がある。ドラマがどこまで史実に忠実なのかは分からないが、彰子中宮と一条天皇のことを頭に思い描いて書かれた物語だと思い読み進めることで、物語に一層のふくらみが出たのは確か。光源氏が一条天皇や道長にも重なり、明石の君や国司の娘はまひろ、殿御たちにもてあそばれながらも、しかるべき地位を得ることで生活の安定を得ることができる女性たちの弱い立場にも思いをはせる。本書には、内裏における各殿...日本の古典を読む源氏物語(上・下)****

  • 源氏将軍断絶 坂井孝一 ***

    鎌倉幕府成立後の頼朝と時政、義時、時房、泰時、そして梶原景時や和田義盛、比企氏など鎌倉殿の13人を巡る暗闘は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で詳しく描かれた。当時、背景を知るために「考証鎌倉殿をめぐる人びと」を読んだ。当時の事情をよく表すとされる北条氏が編纂した吾妻鏡では、北条得宗家の執権としての正当性をしっかりと示しておく、ということが歴史書としての役割だった。しかし事実に反することは記述はできないため、都合が悪いことは記述しない、という方策がとられた。初代頼朝を偉大な将軍、二代目頼家は暗愚、三代目実朝は京風で頼りなく不吉な将軍と描くことで、頼朝の政道を正当に継承するのは北条得宗家であると強調したかった。吾妻鏡には重大事件である頼朝の死の前後記述がない。娘である大姫の急逝による入内失敗、頼朝の死、その後義時...源氏将軍断絶坂井孝一***

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