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ただいま読書中 https://blog.goo.ne.jp/mxd00665

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おかだ外郎
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2015/01/19

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  • 印籠

    「この紋所が目に入らぬか」は「水戸黄門」の決めぜりふですが、あればかり観ていたら「印籠」を「紋を示すためのもの」と勘違いする人が出てくるのではないか、と私は余計な心配をしてしまいます。【ただいま読書中】『印籠と薬──江戸時代の薬と包装』服部昭著、諷詠社、2010年、1429円(税別)江戸時代の文献を幅広く渉猟して「印籠」について著者は調べ上げています。たとえば川柳では「岩波文庫で刊行されている約4万4000首について調べた結果、この中に印籠を句のはじめに詠み込んだものは八句しかなく」とさらっと書いています。もちろん川柳は「文献」の一部でしかないのですが、大変な作業を著者はされています。そして「庶民に愛好された川柳にこれだけ登場しないと言うことは、印籠は庶民には縁遠いものだった」という結論を導き出しています。和服...印籠

  • 体温測定

    出勤前やどこかを訪問する前に体温測定、が新しい習慣になりつつありますが、正直言って一々体温計を取り出して測定してそれを何かに記録する、は面倒です。顔認証のスマホで認証するときについでに体温も非接触で測定してそれを健康アプリに自動記録、となったら楽なんですけどねえ。どこか早く開発してくれませんか?【ただいま読書中】『縄文人はなぜ死者を穴に埋めたのか──墓と子宮の考古学』大島直行著、国書刊行会、2017年、2200円(税別)縄文土器は「道具」として縄文人に使われていたことが重要、と著者は述べます。しかし日本の考古学では縄文土器はまるで美術品のように「型式」や「編年」による分類が最重要視されています。縄文人の生活や心はそこには存在しません。たとえば「なぜ縄目模様がつけられたのか」の問いには何の回答もありません。本書の...体温測定

  • カチンの森

    ポーランド軍捕虜の大量虐殺事件「カチンの森」について私が初めて知ったのは、昭和の時代(1972年)の『ゴルゴ13第56話「みな殺しの森」』でした。半世紀も前にこの事件について知っていたとは、作者のチームはどこからこの知識を仕入れたのか、私はひたすら感心しています。【ただいま読書中】『消えた将校たち──カチンの森虐殺事件』J・K・ザヴォドニー著、中野五郎・朝倉和子訳、みすず書房、2012年、3400円(税別)1939年ポーランドはドイツとソ連によって東西から同時に侵攻され分割占領されました。ソ連領となった東部では最低120万人がソ連領に強制移住させられ、25万人の軍人が捕虜となりました(将校は1万人)。やがてドイツはソ連に対して侵攻を始めますが、そのどさくさで、ソ連領の捕虜収容所から1万5000人の捕虜(うち将校...カチンの森

  • アベノファンの清き一票

    来年の総選挙、桜を見る会で美味しい思いをした人たちはこぞってまた安倍さんに投票してその結果「みそぎは済んだ」になるのでしょうね。【ただいま読書中】『ハワイに渡った海賊たち──周防大島の移民史』掘雅昭著、弦書房、2007年、2200円(税別)日本人のハワイへの集団移民は、明治元年に始まっています。ハワイ王国がサトウキビ労働者を求め、アメリカ領事館書記ヴァン・リードが出稼ぎ事業の斡旋をおこないました(ちなみにヴァン・リードは、高橋是清をサンフランシスコに渡航させて奴隷として売り飛ばした人です)。明治18年には官約移民が始まり、山口県東部の周防大島を中心と好いた瀬戸内海沿岸地域の人が多く渡航しました。第一回官約移民船「東京市号」でハワイに渡航した944人のうち山口県民は420人、そのほとんどは周防大島を中心とした地域...アベノファンの清き一票

  • コミュニケーションと理解

    人間社会でお互いの「理解」は「コミュニケーション」によって生じます。黙りこくっている人を理解するのは、とても難しい。ただその逆、とても流ちょうに喋りまくる人でも、たとえば政治家の発言を聞いていて何かがきちんと理解できたという実感を得られたことはあまりありません。これは政治家がコミュニケーション以外を目的に言葉を使っているからなのでしょうか?すると、人間とコミュニケーションをしようとする動物(たとえばイヌ)よりも政治家の方がヒトとのコミュニケーションは下手、ということに?【ただいま読書中】『言葉を使う動物たち』エヴァ・メイヤー著、安部恵子訳、柏書房、2020年、2200円(税別)ドリトル先生やソロモンの指輪はフィクションですが、1950年代から盛んになった動物行動学の研究から、動物がコミュニケーションを取っている...コミュニケーションと理解

  • GoToの行方

    政治家の方に何か明確なビジョンとかプランがあるようには見えません。人びとの評判によって決めるつもり、つまり目的地は「風」まかせ、かな?【ただいま読書中】『ブラックホールを見つけた男』アーサー・I・ミラー著、阪本芳久訳、草思社、2009年、2500円(税別)20世紀初め、恒星の寿命が尽きたら白色矮星になる、が当時の天文学の“常識”でした。しかし、インドからやって来た天才少年スブラマニアン・チャンドラセカール(愛称チャンドラ)は特殊相対性理論を計算に取り込むと、別のものが登場することに気づきます。「ブラックホール」です。彼がその着想を得て計算を完了するまで、わずか10分だったそうです。天体物理学界の重鎮エディントン(チャンドラより30歳年長)は、チャンドラの発表を根拠を示さず全否定します。もともと舌鋒鋭い批判で知ら...GoToの行方

  • 美しさの数字

    私が黄金比を初めて知ったのは小学生の時、ギリシアのパルテノン神殿にこの比率が使われている、という解説を読んだときでした。正直言って、パルテノン神殿が美しいとは思いませんでしたが(どちらかと言えば廃墟に見えました)、「美しさ」を「数字」で表現できる、という概念には驚きましたっけ。【ただいま読書中】『黄金比──秘められた数の不思議』ゲイリー・B・マイスナー著、赤尾秀子訳、創元社、2019年、3200円(税別)1835年にドイツの数学者マルティン・オームは『初等純粋数学(第2版)』で「黄金分割」という言葉を用いました。これによって「黄金比」が「黄金」という表現を初めて得た、と考えられています。黄金数は無理数ですが、近似値は「1.618」、ギリシア文字の「Φ(ファイ)」が当てられます(20世紀以前には「τ(タウ)」も使...美しさの数字

  • 忘年会

    「首相が8人で会食」が問題になった瞬間、自民党で「忘年会を中止」がばたばたばたと発生したのには、笑ってしまいました。笑った理由は3つ。1)自分たちは国民に「大勢での会食は自粛」することに「協力」するように求めておいて自分たちは平気でやっていたこと。つまり自分たちのことは「日本国民ではない」と認識しているわけ。2)「国民に問題にされるから中止」しただけで「自分達の行動に問題があるから中止した」わけではないこと。問題だと思ったら最初から予定を組まないでしょう。ということは「忘年会」ではなくて「研修会」とか「勉強会」とか「名前」だけ変えてこっそり集まっている可能性が大です。要は「忘年会」でなければ良い、という意識でしょうから。3)「忘年会」をしたいと言うことは、「今年のこと」を一刻でも早く「忘れたい」わけ。そんなにあ...忘年会

  • 米のスープ

    米を「スープの具材」として考えたら、雑炊やおじややお粥も「お米のスープ」と言えますね。【ただいま読書中】『世界のスープ図鑑──独自の組み合わせが楽しいご当地レシピ317』佐藤政人著、誠文堂新光社、2019年、2200円(税別)世界140箇国から集めた「スープ(とシチュー)」の紹介です。日本からのエントリーは「豚汁」「味噌汁」「粕汁」「雑煮」「けんちん汁」「お汁粉」。「味噌汁」と「雑煮」だけでも本一冊分くらい「違うもの」が集められそうですが、えいやっと一つだけの紹介にされています。ということは、各国の「ご当地スープ」もまた、本書に紹介されている以外にバリエーションはとてつもなく多いのでしょうね。写真を見ただけである程度味の見当がつくものもありますし、レシピを念入りに読んでも味がさっぱり想像できないものもあります。...米のスープ

  • 全世代型社会保障?

    そもそも、特定の世代を意図的に除外した社会保障、ってありましたっけ?「社会」って、様々な世代で構成された集合体です。だから大切なのは「世代」ではなくて「社会保障が必要かどうかの判定」と「社会保障をどうやって公的に保証するか」では?今の政府が言う「全世代」は「とにかく全員が金を出せ」の意味にしか聞こえません。金を出すのは良いのですが、それがどう使われるのか(無駄遣いや中抜きをされないのか)のチェックもしたくなります。【ただいま読書中】『エネルギーの愉快な発明史』セドリック・カルル、トマ・オルティーズ、エリック・デュセール監修、岩澤雅利訳、河出書房新社、2019年、2400円(税別)1945年フランス西部に水素ガスで動くトラックがありました。燃料が手に入らなくて困った人が、水車を発電機に接続してできた電気で水を電気...全世代型社会保障?

  • 経済vs.人命?

    「経済を回すためには少々の国民が死んでもかまわない」vs.「命を守るためには少々の店が潰れてもかまわない」の対立構造になっているかのようですが、もうちょっと別の問題の立て方はできませんか?というか、それをするのが政治家の役割だと私は思うのですが、それは私の盛大な勘違い?【ただいま読書中】『猟人日記抄』ツルゲーネフ著、工藤精一郎訳、未知谷、2012年、2000円(税別)目次:「ホーリとカリーヌイチ」「エルモライと粉屋の女房」「リゴフ」「ベージンの草原」「クラシーワヤ・メーチのカシヤン」「狼(ビリューク)」「あいびき」「生きたご遺体」「音がする!」「森と曠野」ロシアの豊かな(あるいは厳しい)自然の中で、せっせと鳥を撃っている「旦那」の物語です。自然と対比的に登場するのが、旦那と村人とのどうということもない、あるいは...経済vs.人命?

  • どこに行く?

    「GoTo」の行き先の一つに「Hell」もあるんですかね?【ただいま読書中】『廃墟ディスカバリー』小林哲郎写真、アスペクト、2008年、2200円(税別)廃工場、廃レストラン、閉山した鉱山、昔の診療所などの「廃墟」を集めた写真集です。どれも立派な「廃墟」です。画面は茶色が主体でひたすら暗く、空が晴天であってもなんだか薄暗い雰囲気です。どうせ廃墟なら、曇天の方がもっと似合います。世界的に有名な軍艦島もありますが、私は足尾銅山の写真をじっと見つめてしまいました。ここ、有名な名前なのに、私はその近くにも行ったことがないんですよね。変わり種は「魚雷発射試験場」。戦前の軍関係の建物は、残っていたらたしかに廃墟でしょうね。そういえば私も身近にそういった軍関係の建物の心当たりがあります。もう一つの変わり種は「廃バス」。路傍で...どこに行く?

  • 「悪い虫がつく」とか「虫が知らせる」とか「疳の虫」とか日本語では言いますが、古代日本人は「人」と「虫」はどんな関係にあると思っていたんでしょうねえ。たぶん現代日本人の「寄生虫」とか「蚊などの虫が病気を媒介する」とかの概念とは根本的に違うものだったはずです。【ただいま読書中】『歴史を変えた昆虫たち』J・L・クラウズリー=トンプソン著、小西正泰訳、思索社、1982年、2600円「歴史」を「昆虫」の切り口で見た本です。目次を見ると「蚤(腺ペスト)」「蚊(マラリア)」「ノミ、ダニ(発疹チフス)」「ツェツェバエ」と「病気」が並んでいますが、ちょっと意外なのは蝗・蜂・蚕なども取り上げられていること。たしかに蜜蜂がいなかったら現在の農業はエラいことになるし、蚕がいなかったら繊維業は大変ですね。病気の文献記録は、文明社会が前提...虫

  • ご当地粉もの

    ご当地グルメとかB級グルメにはけっこうな確率で「粉もの」がありますが、その「粉」が小麦粉なのだったら、せめてその土地は「小麦の名産地」であって欲しい、と私は望みます。もちろんその一皿に使われているすべての材料が「十里以内で収穫されたもの」であるべきとまでは主張しませんけれど、せめて「主役」くらいは「名物」であってほしいのです。【ただいま読書中】『おきりこみと焼き饅頭──群馬の粉もの文化』横田雅博著、農山魚村文化協会、2018年、2500円(税別)「焼き餅」は各地で様々なものがそう呼ばれていますが、群馬では一般には「小麦粉を水でこねて丸め、焙烙の上や囲炉裏の灰の中で焼いたもの」を指すそうです。小麦粉ではなくて蕎麦・ヒエ・シコクビエ・トウモロコシ・粳米などの粉が単独あるいは小麦粉に混ぜて使われる場合もあるそうです。...ご当地粉もの

  • 盲信と熱狂

    トランプ大統領の「選挙で不正がおこなわれた」という主張を頭から信じている人たちが全米にいるそうです。そういった人たちの映像をテレビで見ると、私は「ユダヤ人によって我々の富が盗まれている」というヒトラーの主張を頭から信じて熱狂していたドイツ人のことを連想します。ただ、半分のアメリカ人にとって幸いだったのは、トランプがヒトラーほどには“上手”ではなかったことでしょう。それでも“信者”の数ならヒトラーを上回っているのが、SNS時代の怖さではありますが。【ただいま読書中】『北朝鮮の漂着船──海からやってくる新たな脅威』荒木和博著、草思社、2018年、1600円(税別)本書の巻末に「北朝鮮からの漂着船」の一覧がありますが、船の数の多さだけではなくて、遺体の数がやたらと多いことに驚かされます。しかもこれは著者が確認できたも...盲信と熱狂

  • ワクチン接種開始

    新型コロナワクチン接種が開始されたら、マスコミがわっと群がっていますね。「接種が開始された」ことがビッグニュースだ、ということのようですが、大切なのは「どのくらい有効か」「副反応がどのくらいか」「行き渡るか」などではないです?ちなみに、副反応がゼロ、はあり得ないと私は考えています。で、それで死者や重篤な障害が出たらまたマスコミが大騒ぎをするのでしょうが、「コロナが広まってもいいからGoToは必要」と言っていた人たちは「副反応が出てもいいからワクチンは必要」と言わなければ、主張に整合性がないことになりません?【ただいま読書中】『新薬の狩人たち──成功率0.1%の探求』ドナルド・R・キルシュ/オギ・オーガス著、寺町朋子訳、早川書房、2018年、2000円(税別)イタリアアルプスのエッツ渓谷で氷漬けのミイラ状態で発見...ワクチン接種開始

  • 公正な競争

    競争には公正が必須です。なぜなら、不公正な競争は、国内では腐敗を、国外では戦争を容易に惹起するからです。【ただいま読書中】『テレビの黄金時代』小林信彦著、文藝春秋、2002年、1857円(税別)1953年(昭和28年)日本でテレビ放送が始まりました。しかし本書は、著者に日本テレビから仕事の依頼が入った1960年から始まります。1960年!我が家に白黒テレビがやって来た年です。酔っ払った親父が「誕生日になんでも買ってやる」と私に言って私が「じゃあケーキ」と言いかけたところでお袋が後ろから「テレビが欲しいと言いなさい」と囁いて、「じゃあケー……テレビが欲しい」と私が言ったことでそれが実現しました。当時私にとって「テレビ」は「お隣で見せてもらうもの」でした。それが我が家の茶の間に置くものになるとは「想定外」だったので...公正な競争

  • 冬の雲

    他の季節に比べてどうして冬の雲はあんなに暗いのだろう、と思うことがあります。分厚いからか、と最初は思いましたが、冬は夏より上昇気流は元気がないはずだから厚みはそこまでできないはず。すると、温度の差?寒さで雲の中の水滴が凍りついて氷の粒になっていると、光が乱反射で地面に降りてきにくくなって、それで結果として雲の色が暗くなっているのかな?【ただいま読書中】『イシュマエル──ヒトに、まだ希望はあるか』ダニエル・クイン著、小林加奈子訳、VOICE、1994年、1796円(税別)「世界を救う真摯な望みを抱く者」を募集する「教師」の新聞広告に心引かれて面談に出かけた「僕」は、そこでイシュマエルという名前のゴリラに出会います。イシュマエルは、広告の通り「教師」で、「僕」にこの世界の「物語」について語ります。今から数百万年前「...冬の雲

  • ペニス切断

    世界的には宮刑とか宦官とかの「制度」がありますが、日本だと「制度」ではなくて阿部定とか最近だったら『聖痕』(筒井康隆)とか「犯罪」のにおいがする言葉です。実は「男→女」の性転換手術、という「医療」もあるのですが、そのことについては日本ではあまり意識されていませんね。【ただいま読書中】『ペニスカッター──性同一性障害を救った医師の物語』和田浩司・深町公美子著、方丈社、2019年、1400円(税別)https://www.amazon.co.jp/gp/product/4908925445/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4908925445&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=f992a9d89dcc...ペニス切断

  • 砂上の楼閣

    「砂」と言うと「砂漠」「砂浜」を思い出しますが、実は都会もまた「砂」の塊です。コンクリートは砂と砂利とセメントですし、ガラスの原料は砂です。コンピューターやスマートフォンなどに使われているシリコンチップも砂からできています。砂がなければ、私たちの文明はばらばらになってしまうのです。【ただいま読書中】『砂と人類──いかにして砂が文明を変容させたか』ヴィンス・バイザー著、藤崎百合訳、草思社、2020年、2400円(税別)人類は砂を大量消費しています。毎年500億トンの砂と砂利を消費していると推定されています。砂漠の砂は風によって丸くなっているため結合力が弱くて建築資材には向かないので、たとえばドバイでは建築用の砂をオーストラリアから輸入しています。「砂」の定義は、地質学的基準の「ウッデンおよびウェントワースの区分法...砂上の楼閣

  • 末は博士か大臣か

    戦前の日本で「学生」は特別な存在で「学生さん」と呼ばれていました。尋常小学校(あるいは高等小学校)を出たら就職するのが常識の社会で、そのあとも学校に行けることは「すごいこと」だったのです。戦後の日本では「駅弁大学」と呼ばれるくらい大学が増産され、「大学生」は珍しい存在ではなくなりました。「学生さん」と呼ばれることもなくなっていきましたが、その代わりのように持ち上げられているのが「東大生」です。ところで、戦前の「学生さん」にはエリートもいれば落ちこぼれもいました。では今の東大生はどうなんでしょう?【ただいま読書中】『東大なんか入らなきゃよかった──誰も教えてくれなかった不都合な話』池田渓著、飛鳥新社、2020年、1364円(税別)「東大を馬鹿にできるのは、東大に入った人間だけだ」という言葉がありますが、本書は東大...末は博士か大臣か

  • ちがくの活用

    「違う」を最近の若者は「違く」と言っているのをよく聞きます。ところで「違う」は「違えば」「違わない」と活用しますが、「違く」は「違けば」「違かない」と活用するのかな?【ただいま読書中】『敗者の生命史38億年』稲垣栄洋著、PHP、2019年、1600円(税別)まだ単細胞生物しかいなかった太古の海、そこでも食うか食われるかの生存競争が行われていました。その時、「食われた」単細胞の中に、「食った」細胞の中で生き延びるものがいました。ミトコンドリアの御先祖です。やがて、ミトコンドリアによってエネルギー効率が良くなった単細胞生物の中からシアノバクテリア出現。こいつは光合成によって「酸素」という「猛毒」を大気中に放出しました。そのため酸素に耐えられない生物はばたばたと死滅、あるいは酸素が届かない地中深くや深海でひっそりと生...ちがくの活用

  • 自分にいやなことは他人にもいやなことかも

    韓国で「植民地時代に日本がひどいことをしたから、今の日本人にもひどいことをしてやる」という運動があるのを見て私はいやな気分になります。そしてそれと同じくらいいやな気分になるのが「朝鮮人、出ていけ」のヘイトスピーチ。どちらも差別感情や正義感が根底にあって相手をひどい目に遭わせたい、という欲望丸出しな点がそっくりなので。【ただいま読書中】『ヘイトデモをとめた街──川崎・桜本の人びと──差別は人を殺す』神奈川新聞「時代の正体」取材班編、現代思潮新社、2016年、1600円(税別)ヘイトスピーチは、ヘイトクライムへの第一歩です。多数派が差別を前提に面罵すること、それによって差別意識を持っていなかった多数派の他の人も影響を受けます。それを「表現の自由」と言って擁護しようとするのは、多様性のある社会の未来を破壊する行為とな...自分にいやなことは他人にもいやなことかも

  • 実はタイムトラベラー?

    時代を先取りする先進的な人って、実は未来からやって来たタイムトラベラーなのかもしれません。その人は「過去の記憶」を呼び起こしているだけで、でも「現在」から見たらそれは「おお、未来的だ」となるわけ。本人にその記憶がない場合、魂が過去に向かって転生輪廻をしているのかもしれません。【ただいま読書中】『食品サンプルの誕生』野瀬泰申著、筑摩書房(ちくま文庫)、2017年、800円(税別)昭和7年大阪。肉やグリーンピースなど本物そっくりの模型を置く食堂がぽつぽつと登場していました。それに目をつけた岩崎瀧三は、その事業化に乗り出します。では岩崎の“手本”となった模型は誰が?きちんとした資料は残っていないのですが、著者は京都の西尾製作所ではないかと考えています。創業者が島津製作所勤務時代に様々な食品や保健食のサンプルを作ってい...実はタイムトラベラー?

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