2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
2019年に放送された日本の長編ドラマです。松本清張さんの小説が原作ですが、これまでにも、1982年に映画化され、本作も含め5回テレビドラマ化されているとのことです。本作はその中でも最も最近に作られたものですが、どの作品も等しく球磨子の悪女ぶりが見どころとなっています。映画版では桃井かおりさん、テレビドラマでは、いしだあゆみさん、余貴美子さん、沢口靖子さん、尾野真千子さん、そして黒木華さんと並びます。球磨子役だけなら今回の黒木華さんもなかなかの存在感でしたが、弁護士とセットだとやはり映画版の岩下志麻さん、桃井かおりさんに及ぶペアはないでしょう。〔ドラマ〕松本清張ドラマスペシャル疑惑
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。“生物の進化”は個人的にとても興味のあるテーマなので、そのままズバリのタイトルの本でどんなことが解説されているのかとても気になります。ということで、生物学の素人の私の興味を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、ちょっと変わったところから「味覚の意義」について。(p83より引用)旨いと感じられるということは、脳が喜んでいるということである。・・・なぜ、アミノ酸を検出すると脳が喜ぶのだろうか?それは旨味の味覚が、その食物のなかにアミノ酸から構成されるタンパク質が存在することを教えてくれるからである。「それは体をつくる大切な物質を含んでいるから取り入れてもいいよ」と教えてくれているのだ。甘味も同じだ。甘いということは糖分などの...進化生物学:DNAで学ぶ哺乳類の多様性(佐藤淳)
2019年に放送された日本の長編ドラマです。テレビの連続ドラマの一連の放送が終わった後に「テレビ朝日開局60周年夏の傑作選」の一本として作られたスペシャル版で、よくある“勧善懲悪コメディ”ですね。軽いエンタメに徹しているので、設定やストーリーの雑さはともかく、こういったノリが好みの視聴者は安心して楽しめます。キャスティング面では、当時流行りの“米倉涼子”さんモノですが、私としては、久しぶりの飯島直子さんが、その役柄のキャラクタも含め印象的でした。ナサケの女Special~国税局査察官~―――〔ドラマ〕ナサケの女〜国税局査察官〜
2018年に公開された日本映画です。"マンガ大賞2017"で大賞に輝いた人気コミックが原作の実写版とのこと。ストーリー自体はコミックの前半をなぞっただけということもあり、正直中途半端で今一つといった印象でしたが、主人公のエキセントリックなキャラクタ設定が効いた作品です。キャスティング面では、そのキーとなる個性的な主人公を演じた平手友梨奈さんがなかなかの好演でしたね。あと蛇足ですが、ロケ地のひとつが以前勤めていた会社の本社ビルのフロアーでした。特徴的な壁のタイルや部屋の入口もそのまま。ちなみに今ではそのビルも、その街区の再開発のために取り壊されてしまいました。響-HIBIKI-DVD豪華版平手友梨奈東宝〔映画〕響-HIBIKI-
2020年に公開されたロシア映画です。アクション系の作品ですが、多くのシーンが本物の格闘家が出演してのかなりベタな演出で、かえってリアリティと迫力は感じられますね。反面、“復讐モノ”のストーリーは単純で全く物足りません。こちらの出来は二の次といったところなのですが、ラストシーンは、思いのほか「絵」としてはなかなか印象的でした。クリムゾン・レイド[DVD]アイバン・コティクインターフィルム〔映画〕クリムゾン・レイド
1981年に公開された日本映画です。原作は、横溝正史さんの「金田一耕助シリーズ」で、その最後の作品とのこと。金田一耕助シリーズの映画といえば、監督市川崑さん、主演石坂浩二さんによるものが有名ですが、本作は、同じ角川映画であっても監督は篠田正浩さん、主演には鹿賀丈史さんが起用され、従来のシリーズとは一線を画しています。とはいえ、ヒロインに当代の代表的な女優を配するスタイルは同様で、今回は岩下志麻さん。やはりこの頃の“スター”の存在感は格別です。悪霊島[DVD]鹿賀丈史ポニーキャニオン〔映画〕悪霊島
2021年に放送された日本の長編ドラマです。松本清張の短編小説『拐帯行』を下敷きにし、「黒革の手帖」シリーズとして仕立て直した作品とのこと。ストーリーはエンターテインメントに徹したもので、単純に楽しめます。ともかく主役を演じた武井咲さんの存在感が光っていました。彼女にとっては、まさに“はまり役”ですね。黒革の手帖DVD-BOX武井咲黒革の手帖DVD-BOX武井咲です。ノーブランド品〔ドラマ〕黒革の手帖~拐帯行~
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に大沢在昌さんがゲスト出演していて紹介していた本です。大沢さんの代表的な作品である“新宿鮫シリーズ”はほとんど読んでいるのですが、この“魔女シリーズ”は初めてでした。お話を聞いていてその主人公の設定にちょっと興味を持ったので、先日から、いままで世に出たこのシリーズの作品を「魔女の笑窪」「魔女の盟約」「魔女の封印」と第1作目から第3作目まで読み進んで、ようやくこの最新作につながるところまできたというわけです。小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、今までの作品とはちょっとテイストが違っていて、うまくマンネリをかわしたという印象ですね。エンターテインメントとしての面白さは、今までのシリーズの中でもトップクラスのように思います。ともかく、大沢さ...魔女の後悔(大沢在昌)
1975年に公開された日本映画です。横溝正史さんが生んだ名探偵金田一耕助が活躍するシリーズの第1作目の作品が原作で、主人公を演じたのは中尾彬さんでした。正直、映画の耕助といえば市川崑監督作品の石坂浩二さんのイメージが強すぎて、中尾さんのジーンズスタイルにはかなり違和感がありましたね。ミステリーとしても(時代設定によるところもありますが、)犯人の動機や犯行のトリックが無理筋でしたし、物語の展開も冗長でスピード感がなく、映像作品としても今一つでした。本陣殺人事件[DVD]DVD田村高廣、中尾彬、高沢順子キングレコード〔映画〕本陣殺人事件事件
2016年に公開されたアメリカ映画です。よくある古代エジプトが舞台の“神話モノ”のファンタジー作品なので、これといった目新しさはありません。強いていえば、ジェラルド・バトラーが敵役の神で登場している点でしょうが、正直な感想でいえば、何とも“もったいない”配し方ですね。あくの強さ以外に、彼の良さは何ひとつ発揮されていないように思います。キング・オブ・エジプト[DVD]ブレントン・スウェイツギャガ〔映画〕キング・オブ・エジプト
2018年に公開された日本映画です。池井戸潤さんの小説を映画化した作品ですが、まあ典型的な“日本人受け?”する物語ですね。もちろん、そういう点ではよくできたエンターテインメント作品だったと思います。キャスティングも秀逸で、特に、主人公を助ける専務を演じた笹野高史さん、主人公を支える妻役の深田恭子さん、いかにも“憎まれ役”そのものの岸部一徳さんあたりは、各々のキャラクタ設定に見事にマッチしていました。ちなみに、ちょっと前にも、「シャイロックの子供たち」で映画を見た後原作小説を読むというパターンにトライしてみたところですが、さて本作の場合も「原作」にトライしましょうか・・・?まあ、今回は見送りですかねぇ。ちょっとわざとらしいストーリーがtoomuchです。空飛ぶタイヤ[DVD]長瀬智也松竹〔映画〕空飛ぶタイヤ
2024年に公開された日本映画です。安倍晴明が“陰陽師”として活躍する前の青年時代を描いたものとのことですが、制作陣としては、この映画でいったい何を見せたかったのでしょう。メッセージ性があるわけでもなく、ストーリーに新規性があるわけでもなく、映像に圧倒的なインパクトがあるわけでもなく・・・、まったく拍子抜けするほど“???”な作品でした。陰陽師0[DVD]4548967478624山﨑賢人ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕陰陽師0
2008年から放映されたアメリカのテレビドラマです。「ターミネーター」といえばアーノルド・シュワルツェネッガーが主役の人気映画シリーズを思い浮かべますが、こちらはテレビ版。映画と主要な登場人物は一部重なってはいますが、物語としては別物です。大きな違いは、ターミネーターが屈強なおじさん型ではなくクールな少女型だという点でしょうか。このキャラクターの違いがテレビ版の大きな魅力となっています。ただ「シーズン1」「シーズン2」と制作されたのですが、「2」になって明らかに物語展開にスピード感がなくなって、結局中途半端な形で終わってしまいました。残念です。ターミネーター:サラ・コナークロニクルズ〈シーズン1-2〉コンプリートDVDBOXSoftShell...レナ・ヘディワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔ドラマ〕ターミネーター:サラ・コナークロニクルズ
言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (今井 むつみ・秋田 喜美)
昨年(2023年)発行された新書ですが、とても話題になった本ということで遅まきながら手に取ってみました。紹介文に「認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る」とあって、とても気になりますね。期待どおり数々の興味深い指摘や理論の紹介がありましたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、著者たちの研究の切り口のひとつである「オノマトペ」の定義を押さえておきます。(p6より引用)現在、世界のオノマトペを大まかに捉える定義としては、オランダの言語学者マーク・ディングマンセによる以下の定義が広く受け入れられている。オノマトペ:感覚イメージを写し取る、特徴的な形式を持ち、新たに作り出せる語「オノマトペ」は“音”と“意味”のつながりを感じ...言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか(今井むつみ・秋田喜美)
2019年に公開されたアメリカ映画です。ジャンルとしては「SF・スリラー映画」というのですね。ブラッド・ピットがプロデューサーで主役も演じ、さらに彼の父親役にはトミー・リー・ジョーンズが配されているという鳴り物入りの作品ですが、観終わった正直な感想としては、何ともメリハリのない退屈な物語という印象ですね。ただ、専門家の評価はかなり高いようなので、いつもながら私の鑑賞眼はまったくあてになりません。アド・アストラ[AmazonDVDコレクション]ブラッド・ピットHappinet〔映画〕アド・アストラ
2014年に公開されたアメリカ映画です。ちょっと前に、同じく“ストーム・チェイサー”をモチーフにした映画(「ツイスター」)を観ていますが、この作品はそれにもまして、CGがフル稼働しています。確かに、セットやロケでは対応し得ないスケールと迫力のある映像ではありますが、ここまでくると、プロットやストーリーさらには役者さんたちの演技すらも、もう二の次という感じですね。イントゥ・ザ・ストーム[DVD]リチャード・アーミティッジワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕イントゥ・ザ・ストーム
2022年に公開されたアメリカ映画です。“元●●”というのはよくある安直な設定ですし、工夫のないストーリー展開をみても“B級”と言わざるを得ないでしょう。それでも、オルガ・キュリレンコの主演というのがウリなのでしょうし、そこに魅力を感じる映画ファンも少なくないというのも事実ですね。ハイ・ヒートその女諜報員[DVD]通常盤ザック・ゴールデンアメイジングD.C.〔映画〕ハイ・ヒートその女諜報員
2012年に放送された日本の長編ドラマです。テレビ朝日開局55周年記念番組「松本清張没後20年ドラマスペシャル」として清張さんの小説「十万分の一の偶然」を原作に制作されたものです。私も以前、原作となった小説は読んでいるのですが、“仕組まれた事故”というモチーフは活かしつつも、ドラマ化にあたっては、登場人物の設定もストーリーもメインテーマもほとんど別物になっていました。もちろん、そういったアレンジ自体を全否定するものではありませんが、こうまで変わってしまうのであれば、「原作にインスパイアされた作品」としっかりうたって欲しかったですね。十万分の一の偶然藤田明二〔ドラマ〕十万分の一の偶然
1996年に公開されたアメリカ映画です。災害をモチーフにした作品の多くは、その災害がもたらす甚大な被害の映像やそれに立ち向かうヒーローの活躍を描くパターンですが、本作品の切り口はちょっとユニークでした。主人公は、進路予測データ収集のために竜巻を追い求める研究者です。人と竜巻との距離が近い分、リアリティは増しますね。適度なCGによる映像も効果的で、実写のシーンと相俟ってなかなか迫力がありました。観終わって知ったのですが、本作品、製作総指揮がスティーヴン・スピルバーグ、脚本はマイケル・クライトンという“ビッグネーム”コンビによるものなんですね。ツイスター[DVD]ヘレン・ハントソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ツイスター
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第24作目」です。今回の舞台は“鞆の浦(広島県)”。小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、首謀者の動機はかなり強引な感が否めない反面、地元警察の絡み方は淡白な扱いでかなりチグハグな印象を受けます。どうにも今一つ読み応えには乏しい作品ですね。ただ、珍しく作者の内田さんが本人役で登場しているところがウリ?でしょうか。さて、取り掛かってみている“浅見光彦シリーズ制覇チャレンジ...鞆の浦殺人事件(内田康夫)
1992年に公開されたアメリカ映画です。ちょっと前に同じくスティーブン・セガールの「沈黙シリーズ第3弾/暴走特急」を観たばかりなのですが、ちょうど空き時間にピッタリのものがなかったので、緊急避難的に観てみました。もちろん、リアリティのない設定と単純なストーリー展開という予想通りの内容だったので、特段の感想もありません。これはこれでコンセプトは明快で安心感のある作りなのですが、たぶん、よほどのことがない以上、“沈黙シリーズ”にはもう手を出さないと思います。沈黙の戦艦[DVD]スティーブン・セガールワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕沈黙の戦艦
2023年に公開されたフランス映画です。“法廷モノ”といえばアメリカ映画だろうと思っていたのですが、こういったテイストも面白いですね。裁判官、検察官、参審員のキャラクタ設定もかなり感じが違います。作品としては結構長編なのですが、冗長感もなくしっかりとした作りだと思います。主人公サンドラを演じたザンドラ・ヒュラー、その息子ダニエル役のミロ・マシャド・グラネールの抑制された演技も見事でしたね。落下の解剖学[DVD]通常版ザンドラ・ヒュラーギャガ〔映画〕落下の解剖学
2024年に公開された日本映画です。笑福亭鶴瓶さんがパーソナリティをやっているラジオ番組で紹介されていたので、気になって観てみました。ジャンルとしては、日本映画でよくある“ホームコメディ”ですが、いわゆる“関西のノリ”についていけないと合わないかもしれませんね。ともかく主演の江口のりこさんと中条あやみさんが素晴らしかったです。江口さんの独特の存在感には定評がありますが、驚いたのが中條さん。大阪出身ということもあり、江口さん、鶴瓶さんらとのやり取りもテンポよく、まっすぐな役柄を見事に演じていました。映画の展開としても、ラストの持って行き方が何とも秀逸でしたね。観終わって、スッキリした気持ちになれる心地いい作品でした。あまろっく[DVD]通常版江口のりこHappinet〔映画〕あまろっく
2024年に配信された長編ドラマです。シーズン1に続いて観てみました。まだ結末までには至っていないファンタジー大作です。正直な印象では、シーズン1に比較してかなり中弛み感が否めませんが、しっかりしたストーリーと映像品質であることは変わりません。続編はいつになることやらですが、気長に待ちましょう。吹替えあり海外ドラマ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」吹替えあり海外ドラマ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」Blu-rayモーフィッド・クラーク、ベンジ...ノーブランド品〔ドラマ〕ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪(シーズン2)
2024年に公開された日本映画です。古典落語の人情噺「柳田格之進」をモチーフにした作品です。しっかりと作ろうとしている気概は感じられるのですが、物語が進んで後半になるにつれ、主人公への共感が薄れていきました。さらにラストに至ると納得感「0」ですね。あのようなシーンで終えるのであれば、もう少し主人公の心情描写をしっかりすべきでしょう。草彅剛さんの演技もちょっと違うように思います。あと、印象に残ったのは、小泉今日子さん。さすが期待どおりでした。もう一人、清原果耶さんは、彼女の魅力の半分も発揮できていなかったですね。なかなか作品に恵まれないようですが、潜在力は大きいだけにもったいないです。碁盤斬りDVD通常版[DVD]DVD通常版草彅剛Happinet〔映画〕碁盤斬り
少し前に、アンソニー・ホロヴィッツの作品を初めて読みました。彼の代表作として評価の高い「カササギ殺人事件」ですが、正直、私にはあまり響きませんでした。とはいえ、ホロヴィッツはともかく当代の人気作家ですから、私ごときが一冊読んだだけでどうこう言うのはあまりに烏滸がましいということで、改めて手に取ってみたのがこの作品です。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、確かに、こういった「犯人当て」にフォーカスし、その他の装飾を捨象したコンセプトのミステリーも面白いですね。起こった事件自体はありふれた姿形をしていますし、物語も、ひとつの事件が起こったあと、その後あれこれと奇を衒ったエピソードが発生するわけではありません。探偵役の主人公が、淡々と容疑者たちから証拠集めを行って、最後、アガサ・クリスティ原作の映画...ナイフをひねれば(アンソニー・ホロヴィッツ)
2023年に公開された日本映画です。知り合いのお薦めで観てみました。“2分間のタイムループ”という世界の中で、さまざまな登場人物の今の悩みと未来への希望を描いたコメディです。ストーリーに深みがあるわけではありませんが、ライトなタッチで観ていて心地よい気分になる作品ですね。細かなセリフ回しや掛け合いのテンポが秀逸で、シナリオの出来栄えとともに、それを活かす役者の方々の演技力が見事でした。「リバー、流れないでよ」Blu-ray上田誠東宝リバー、流れないでよ
1977年に公開されたアメリカ合衆国・西ドイツ合作映画です。設定はかなり乱暴ですが、この時期にこういったモチーフの作品を製作・公開できるというのは、ある意味素晴らしいことかもしれません。いつものアメリカ映画のように大統領はヒーローとして描かれていますが、ラストは予想どおり現実的で、このあたりもしっかりとメッセージ性を残していますね。合衆国最後の日HDマスター版[DVD]バート・ランカスターバート・ランカスター株式会社アネック〔映画〕合衆国最後の日
2023年に公開された日本映画です。もともとは人気ゲームだったモチーフを実写版映画に仕立て直した作品です。まあ、ゲームやコスプレに何の興味もない私が観るような映画ではありませんでした。もちろん、劇場で観て多いに楽しめるファンも大勢いるのでしょうから、私には合わなかったというだけのことです。「映画刀剣乱舞-黎明-」DVD(特典DVD付き3枚組)法人特典なし耶雲哉治東宝〔映画〕映画刀剣乱舞-黎明-
2010年に制作されたフランス映画です。分かって言っているわけではありませんが、いかにもといった感じの“フレンチ・テイスト”のストーリーであり演出です。カトリーヌ・ドヌーブが主人公を演じた“コメディ”ですが、観て感じた印象よりもずっと新しい作品なんですね。舞台となった時代感や発しているメッセージから、1970年代あたりのものかと思いました。しあわせの雨傘[DVD]カトリーヌ・ドヌーヴギャガ〔映画〕しあわせの雨傘
2001年に公開されたアメリカ映画です。“パールハーバー”というインパクトのある地を舞台にした3時間を越える長編なのですが、内容的には“大作”というには程遠い作品でした。ともかく、主人公たちの関係性の描き方が極めて表層的なので、ご都合主義的なストーリーに感じられてしまいます。せっかくのケイト・ベッキンセイルが演じたヒロインも、これではどうにも共感は得られず、印象はがた落ちでしょう。パール・ハーバー特別版[DVD]ベン・アフレックブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕パール・ハーバー
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2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、「論文作成の現実」についてです。学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという“探求への真摯さの程度”には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値が...バッタを倒すぜアフリカで(前野ウルド浩太郎)
1979年に「宇宙戦艦ヤマトIIヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。宇宙戦艦ヤマト2総集編松本零士〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2総集編
2024年に公開された日本映画です。安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。“タイムスリップ”というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り”への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽し...〔映画〕侍タイムスリッパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第42作目」です。今回の舞台は“奈良”。奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じまし...平城山を越えた女(内田康夫)
1980年に公開された日本映画です。有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、...〔映画〕影武者
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。ケアとは何か?・ケアとは傷つけないことである・ケアとはニーズを満たすことである・ケアとは依存を引き受けることであるでは、セラピーとは何か?・傷つきと向き合うのがセラピー・セラピーとはニーズを変更することである・セラピーとは自立を促すことであるそして、ケアとセラ...雨の日の心理学こころのケアがはじまったら(東畑開人)
2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。正直な印象では、“B級”のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。キャッツ・アイBIGBANDSTORY〔ドラマ〕Cat'sEyes
2003年に公開された日本映画です。向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でし...〔映画〕阿修羅のごとく
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”、第2作目“砂の狩人”を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直“ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしまし...黒の狩人(大沢在昌)
2024年に公開されたアメリカ映画です。ともかく観て単純に楽しめる“アクション・コメディ作品”です。スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。あとは、キャスティング。エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。フォールガイブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510120324ライアン・ゴズリングNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕フォールガイ
2024年に公開された日本映画です。柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。私にふさわしいホテル堤幸彦〔映画〕私にふさわしいホテル
いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。私も世の中的にいえば“老人”と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである“高齢化社会”を扱ったエッセイで、“明日は我が身”だからというノリもあって読んでみました。で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。“私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み”が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。エッセイなら、著者ならではの“感性”が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるの...老人をなめるな(下重暁子)
1998年に公開された日本映画です。“平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも“こども向けSFファンタジー”ですね。今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化”のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。モスラ3キングギドラ来襲[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ3キングギドラ来襲
2023年に放映された日本の長編テレビドラマです。2022年に連続テレビドラマとして人気を博した番組のスペシャル版で、主要な登場人物も引き継がれたテレビシリーズとの連続モノとして制作されました。江戸時代に「家電がタイムスリップして出現する」という発想がすべてですね。さらに本作はそのアイデアを「忠臣蔵」の物語に織り込む形で“無邪気なエンタメ”として楽しませてもらいました。滝藤賢一さんの独り舞台のようなつくりですが、その他のキャスティング面では、何といっても田島令子さんが目に留まりました。よかったです。もうこういった年季の入った役どころにはまるんですね。家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵〔ドラマ〕家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵
日本経済新聞の書籍紹介の欄でサイエンスライターの竹内薫さんが取り上げていました。ちょっと前に、いつも利用している図書館の新着本の棚で目には入っていたので、さっそく改めて借りてきました。恐竜絶滅の原因は最近では“隕石衝突説”が定説に近い位置にあるようですが、本書では、隕石衝突後“生物が絶滅に至るプロセス”と、その直後からの“再生のプロセス”を具体的に描き出して解説しています。興味深い内容が満載だったのですが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「隕石衝突の生命史上のインパクト」について。(p14より引用)地球の生命史は、「偶然性」というたったひとつの事象によって、不可逆的な変化を経験した。もし小惑星の衝突が起こらなかったり、もっと遅かったりしていたなら、あるいは、...恐竜最後の日:小惑星衝突は地球をどのように変えたのか(ライリー・ブラック)
2015年に公開された日本映画です。大泉洋さんが主演のコメディ作品ですが、井上ひさしさんの小説「東慶寺花だより」を原案にした原田眞人さんの脚本がとてもよかったですね。喜劇風の台詞回しも効果的でした。キャスティングも、樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんに山﨑努さんといったベテランが脇を固めた中で、満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、内山理名さんといった中堅どころの実力派が魅力的でそれぞれに持ち味を存分に発揮していました。あと、出色だったのが陽月華さん。彼女が演じたキャラクタがこの作品に爽やかな微笑みを纏わせてくれました。駆込み女と駆出し男[DVD]大泉洋バンダイビジュアル〔映画〕駆込み女と駆出し男
2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)
2012年公開の日本映画です。伊坂幸太郎さんの短編小説が原作の作品ですが、無駄のないストーリーでサクッと楽しめます。キャスティングも、大森南朋さん、石田えりさんといった味のある実力派の俳優さんに、ブレイクし始めた木村文乃さんといった魅力的な面々で、さらに音楽は斉藤和義さんという私的には大いに満足した作品でした。それにしても、石田えりさんと木村文乃さんとの居酒屋のシーンは、なんともほのぼのと自然体で印象的でしたね。よかったです。ポテチ[DVD]濱田岳アミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ポテチ
2015年公開の日本とトルコの合作映画です。日本・トルコ友好125周年の記念、朝日放送創立65周年の記念、BSフジ開局15周年の記念という名目で制作された作品ですが、さすがにここまでコテコテの“優等生的映画”も珍しいでしょう。当時の両国のトップ同士でも話し合われた末に実現した企画ということですから、さもありなんです。出演している役者の皆さんの熱演は印象的ではありましたが、やはり、こういった経緯で作られた映画の“危うさ”はとても気になりますね。海難1890[DVD]内野聖陽TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕海難1890
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。たとえば、4番目に編まれている「白い闇」。読み進めるにつれ高まりゆくクライマックスに向かっての緊迫感。(p174より引用)濃い霧は二人を閉ざした。一メートル先が、白い、厚い紗でぼかされていた。ボートとその近い周囲のあおぐろい水だけが人間の視界にはいっている最大限であった。距離感も遠近感もまったく失われ、白い宙の中を舟は動いてい...空白の意匠:初期ミステリ傑作集(二)(松本清張)
2019年公開のアメリカ映画です。詐欺師が主人公のコメディ作品はそれこそ山のようにありますし、サプライズもかなりの確率で途中で透けて見えてしまいます。本作もそうですが、まあ見どころはアン・ハサウェイとレベル・ウィルソンのコントラストと、ともかく軽いタッチの作風にあるので、それ以外の出来についてとやかく言うものではありません。専門家の評価はかなり厳しいようですが、この手のコメディで「名作」というのはなかなかお目にかかれませんから。“詐欺師が主人公”の名作といえば「スティング」に勝るものを私は知りませんし・・・。ザ・ハッスルアン・ハサウェイスティング[DVD]ポール・ニューマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ザ・ハッスル
1992年公開のアメリカ映画です。ありがちなモチーフで、想像どおりのストーリー展開ですが、それでも素直に楽しめるのは、役者のみなさんの素晴らしい演技の賜物でしょう。主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグさんを筆頭に、キャシー・ナジミーさん、ウェンディ・マッケナさんの対照的ながらとても好感の持てるキャラクター、そして院長役のマギー・スミスさん、こちらは出色の存在感でしたね。このところ、マッドマックスやリディックといった濃い口の映画に浸っていたところなので、久しぶりに心洗われるコメディにホッと一息です。天使にラブ・ソングを…[DVD]ウーピー・ゴールドバーグブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕天使にラブ・ソングを…
そこそこ使っていた私のスマホPixel3XLですが、バッテリーの膨張で裏蓋が数ミリ持ち上がってしまいました。docomoの「ケータイ補償サービス」を契約していたので、サポートセンタに問い合わせたところ「バッテリー膨張でも代替機に交換可能」とのこと。早速、サイトから申し込みを始めたのですが、数ステップ進んだところで、「Pixel3XLの整備品は無く、代替機は『SamsungGalaxyA51』になる」とのメッセージ。負担額は8千数百円ではありますが、数年前のミドルレンジの機種というのには少々抵抗があります。Pixelの数世代前の機種あたりだったらよかったのですが。ということで、いったん「ケータイ補償サービス」の申し込みは中断して、「googleの故障修理店」でバッテリー交換を相談してみました。店員さん曰く、...〔買い物〕Pixel3XLからPixel8aに機種変更
2021年公開のアメリカ映画です。サスペンス・スリラーといったジャンルでしょうか、主人公の心理を独白で語りながらのストーリー展開は、最後にその主役が入れ替わるところも含め、面白いチャレンジだったように思います。とはいえ、キャスティングを眺めただけで、大体のサプライズの予想はついてしまいます。まあ、そういったことは本作品に限ったことでもありませんが、それだけアビー・コーニッシュの存在感が大きかったということですね。エージェント:0漆黒の暗殺者[DVD]通常盤ニック・スタグリアーノアメイジングD.C.〔映画〕エージェント:0漆黒の暗殺者
2004年公開のアメリカ映画です。ヴィン・ディーゼルが主役の作品なので、誰でも雰囲気は予想できるのですが、そのとおりのテイストでした。舞台は「宇宙」ですが、やはり結局は同じですね。ラストもこういう形になったけど、さて、その後はいったいどうなるのか、とても不安に思ってしまう結末です。同じ“ワンパターン・キャラ”なら、まだ「ワイルド・スピード」シリーズの方が私は好みです。まあ、五十歩百歩ですが。リディック通常版[DVD]ヴィン・ディーゼルアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕リディック
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第22作目」です。今回の舞台は“日光”。有名な観光地ですから私も何度か訪れたことがありますが、いわゆる観光シーズンの「紅葉の盛り」とかには縁がないので、あまり印象に残ってはいません。ポピュラー過ぎて新鮮さに乏しく感じるのかもしれません。で、肝心の作品について。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、「1勝2敗」ですかね。何かといえば、今回、浅見光彦は3つの事件に遭遇したのですが、そ...日光殺人事件(内田康夫)
1981年公開のオーストラリアの映画です。少し前に、前作の「マッドマックス」を観た流れで、この2作目にもトライしてみました。独特の近未来の退廃的な世界観は、人気コミックの「北斗の拳」にも通じるところがあります。しかし、主演にこれほど「台詞」が少ない作品もなかなかお目にかかりませんね。ともかくバイオレンス色に塗り籠められたカーアクションの迫力が最大の魅力ですから、そこが合わないと、別段ストーリーがあるわけではないので全く楽しめないでしょう。まあ、今しばらく付き合ってみるとして、とりあえず第3作目にはチャレンジしましょう。マッドマックス2[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス2
2019年公開のアメリカ映画です。マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公にした「アベンジャーズ」シリーズの“中締め”のような位置づけの作品です。シリーズものではありますが、前作の「インフィニティ・ウォー」を観ていない私の印象としては、独立作品として観てもそれほど違和感はないでしょう。もちろん、シリーズ中の何か一作ぐらいは観ておいた方が、少しでも登場人物間の関係性が浮かぶので、より楽しめるとは思いますが。ともかく、どこまでもエンターテインメントに徹し切った作品ですね。出来栄えがどうこうというより、ここまで豪華絢爛な役者のみなさんを揃えて、これでもかと凝った映像と、懐かしいシーンを織り交ぜた演出をみせられると、やはり敵いませんね。アベンジャーズ/エンドゲームロバート・ダウニーJr.ウォルト・ディズニ...〔映画〕アベンジャーズ/エンドゲーム
1979年公開のオーストラリア映画です。最近、シリーズ第5作目が封切られたようですが、45年間で5作なので、シリーズといってもピンとこないぐらいに悠長なテンポでの制作ですね。観た感想ですが、ストーリーはともかく、アクションシーンも本人やスタントマンによる実写なのでしょう、なかなかの迫力ですし、背景に流れる音楽も直裁的で、まさにシーンの盛り上げ役を十分に果たしていました。思いのほか楽しめましたね。しかしまあ、何より、主役のメル・ギブソン。40年以上前の彼の初々しい姿には驚かされます。マッドマックス[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス
2016年に公開された日本映画です。テレビシリーズの劇場版ですが、劇場版もシリーズ化されていて本作が7作目とのことです。私はテレビも映画もほとんど観た記憶はありませんが、改めて本作を観てみて、「これは合わない、ダメだ」と感じましたね。中途半端なギャグ映画としか思えませんし、荒唐無稽な設定に加え、ひと昔もふた昔も前の演出センスは情けなくなります。(まあ、ひと昔前の作品ですが・・・)舘ひろしさんも浅野温子さんも、ちょっと前の言いようでは“イタイ”キャラクタの典型でしょう。最近、復活版の映画が上映されているようですが、どうでしょう・・・、私は全く食指が動きません。さらばあぶない刑事(通常版)[DVD]舘ひろしバップ〔映画〕さらばあぶない刑事
いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、タイトルに惹かれて手に取ってみました。哲学者三木那由他さんによる“哲学的な視座”からのエッセイ集です。トランスジェンダーである三木さんならではの起点からの興味深い指摘や思索の紹介が数々ありましたが、そういった類のものとはちょっと違ったユーモラス?なエピソードをひとつ書き留めておきましょう。三木さんはかれこれ30年来の“GLAY(日本のロックバンド)ファン”とのことですが、言語哲学を学んだあと、歌詞の解釈に新たなバイアス?がかかったというのです。その歌詞は、こうです。(p125より引用)避けられぬ命題を今背負って迷ってもがいて真夜中出口を探している手探りで「puresoul」という楽曲の歌詞なのですが、この中の“命題”という単語に鋭敏に反応してしまうようにな...言葉の風景、哲学のレンズ(三木那由他)
2022年に公開された日本映画です。BLコミックを小道具に、年の離れたふたりの人間関係を描いたオリジナルシナリオの作品ですが、芦田愛菜さんと宮本信子さんが主役なだけに、とても落ち着いた優等生的な仕上がりですね。正直、ふたりの演技力や存在感を考えると、作品の出来はかなり物足りない印象です。まあ、たまには観る映画にこういった感じのものを混ぜるのも、心穏やかでいいかもしれません。「メタモルフォーゼの縁側」通常版(DVD1枚組)DVD芦田愛菜バップ〔映画〕メタモルフォーゼの縁側
2022年に公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作映画です。テレビドラマシリーズの続編を映画化したものとのことですが、確かにテイストは“ホームドラマ”的ですね。ストーリー展開もいくつかのエピソードが並行して進みつつも分かりやすく、HappyEndに収束していきます。そういったお決まりの安心感は万人受けする王道パターンなのでしょう。その点、物足りなさを感じるかもしれませんが、私はこの“ほどほど”が程よいのです。ダウントン・アビー/新たなる時代へ[DVD]4550510077604ヒュー・ボネヴィルNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ダウントン・アビー/新たなる時代へ
2010年から放送されたBBC制作のテレビドラマです。シリーズ1から4まで特別編を含めると13話。それぞれが1時間を超える長尺で、一流の映画だとっても十分通用するしっかりした作りです。ストーリーは一筋縄ではいかないとても凝ったもので、正直その複雑さと奇抜さにはついていけないところがありました。キャスティングも、主役のベネディクト・カンバーバッチをはじめマーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットら映画俳優としても有名どころが配されていて、見応え十分のドラマですね。SHERLOCK(シャーロック)#3『大いなるゲーム』スティーヴン・モファット〔ドラマ〕SHERLOCK(シャーロック)
1992年に公開されたアメリカ映画です。ブラックコメディ作品ですが、こういったノリは好き嫌いがはっきり分かれるでしょうね。ちなみに私には全く合いませんでした。ラストで語られるメッセージも、そのあとのシーンで混ぜ返されてしまったようで・・・。キャスティング的には、メリル・ストリープ、ブルース・ウィリス、ゴールディ・ホーンとかなりの重量級が並んでいます。それぞれコメディもこなす演技派だとは思いますが、まあ、こういったテイストの作品であれば“この面々でなくては、”といった感じでもありません。そのあたりも、ちょっとちぐはぐな印象でした。永遠に美しく・・・[DVD]メリル・ストリープジェネオン・ユニバーサル〔映画〕永遠に美しく…
少し前に、大江英樹さんによる「90歳までに使い切るお金の賢い減らし方」という本を読んだのですが、その中で本書が紹介されていました。私も「定年」を目の前に控え、僅かではありますが手元にある“資産の処し方”について考えてみなくてはならない歳になりました。そのあたりのヒントにと手に取った著作ですが、結構参考になるアドバイスや新鮮な気づきが得られました。その中から特に有益だと感じたところを覚えとして書き留めておきます。まずは、著者が本書で伝えたいメッセージを端的に記しているくだりです。(p19より引用)今しかできないことに金を使う。それこそが、この本で伝えたいことの核だ。90歳になって水上スキーを始めるのは難しい。今それを我慢すれば、その分の金は貯まるだろう。だが、十分な金を得たときには、すでにそれができない年齢...DIEWITHZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール(ビル・パーキンス)
2015年に公開されたアメリカ映画です。“火星でのサバイバル”がモチーフのSF作品ですが、万人向けのエンターテインメントとしてはよくできていますね。もちろん純粋に科学的裏付けがあるものではありませんが、それなりにもっともらしく、また超人的な能力で切り抜けるといったシーンもなく、“人間の知恵と意思”“仲間たちの想い”で奇跡を生んだストーリーは素直に楽しめます。マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ペーニャ、ショーン・ビーン、キウェテル・イジョフォーといった面々も、それぞれに役柄にフィットしたキャスティングで、こちらも見事だったと思います。あとは、1970年代のディスコミュージック、これも効いていましたね。オデッセイ[DVD]マット・デイモンウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕オデッセイ