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  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(29)

    「街路にて」。短い詩だが、魅力的な行に満ちている。すべてが緊密な関係にあり、この一行を選ぶのがむずかしいのだが。その子は漂って行く、街路を、あてどなく、全体のなかでは印象が薄い行かもしれない。「漂っていく」と「あてどなく」はつきすぎているというか、同じことを別のことばで言い直しているだけだ、と批判的なことばを書こうとして、私の意識はふと立ち止まる。「違う」と、私のなかのだれかが告げる。もう一度、読み直す。すると。その子が、くっきりと見えてくる。この詩の主役。「彼」でも「青年」でもなく、「その子」。「あの子」でも、「この子」でもない。「その」という中途半端な位置にいる。しかし、「その」ということばを思わずつけてしまう、引きつける力がある。カヴァフィスは、「その子」を直接知らないかもしれない。しかし、その姿を...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(29)

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(28)

    「マヌエル・コムニノス」皇帝は、ある日、自分の死期が近いことを覚る。そして、帝は宗教の古い教えを思い出されて目立たぬ衣裳を纏い、この世を去る。「古い」の一語がとてもいい「思い出す」という動詞とも関係しているが、それは彼が昔聞いた教えだ。彼が聞いたときは、すでに「古い」教えだっただろう。つまり、ひとからひとへと語り継がれてきたものがそのなかに生きている。彼は「天国」へ行くわけではない。この世を「去る」のでもない。ひとに共有されてきた思想のなかへ、思想を語り継いできた無名のひとのなかへ還るのだ。「ひとのなかへ還る」ときの安らぎがここにはある。これを「幸い」という。**********************************************************************★「詩は...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(28)

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(27)

    「オロフェルネス」の美しい肖像は、四ドラクマ銀貨に刻まれている。銀貨に刻まれるくらいなのだから、「偉い」人物なのだろう。そして、彼には複雑な「歴史」があるのだが、その「歴史」を中井久夫は一言で要約する。ところが、ある日、思いもよらぬ考えがもちろんそれはオロフェルネスの考えのことだが、生きているのはオロフェルネスひとりではない。あらゆるひとが、ある日、「思いもよらぬ」考えを実行するのだ。そこからドラマが始まる。歴史が始まる。そのいちばんの「思いもよらぬ考え」のひとつが、オロフェルネスの肖像を銀貨に刻み込むことだろう。彼は彼の美貌が銀貨に刻まれることなど思いもしなかっただろう。そして、この「思いもよらぬ考え」を統一するのが、そうなのだ、オロフェルネスの美貌なのだ。カヴァフィスは、まさか銀貨に刻まれた肖像を見て...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(27)

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(26)

    「テオドトス」。よっく用心しろ、自分の偉くなる時には。このことばは、少しずつ変形しながら、何度か繰り返される。「偉いと思ったらお終いさ。」「だからといってないとは限らぬ/今みたいなこと、恐ろしい目覚ましいことが。」「偉くなる」「偉い」「目覚ましい」。それは自分が自分でなくなる、つまり「恐ろしい」ことでもある。だから「用心しろ」。「よく」ではなく「よっく」。この強い口語と「偉い」という口語がとても似合う。「具体的な地位」ではなく「偉い」という一言が、なんともいえず「人間的」だ。人間的な、あまりにも人間的な、悲劇が待っている。**********************************************************************★「詩はどこにあるか」オンライン講座★メール、...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(26)

  • Estoy Loco por España(番外篇397)Obra, Jesus del Peso

    Obra,JesusdelPesoLaobradeJesúsnotienepeso.Hayunaligerezadeimaginaciónquesuperaelpesodelhierro,yesestaligerezalaquepermitequelaobradeJesúsfloteenelaire.Lomismoocurreconlospájaros.Elcuerpodelpájarotienepeso,peroelpájaropuedevolar.Enelcasodelpájaro,lasalasproducenflotabilidad,peroenlaobradeJesús,laimaginacióndelaformaproduceflotabilidad.Laimaginaciónestambié...EstoyLocoporEspaña(番外篇397)Obra,JesusdelPeso

  • 林達夫「三つの指輪の話」(林達夫著作集3)

    林達夫「三つの指輪の話」(林達夫著作集3)(平凡社、1979年12月01日、初版第7刷発行)林達夫「三つの指輪の話」には、林達夫の「文体(思想)」の特徴があらわれている。林達夫は、彼自身の考えを彼自身のことばでは書かない。他者の考え、他者のことばを紹介することで、自分の考えを語る方法(文体)をつくりだした。「三つの指輪の話」には、それが美しい形で実現している。林達夫は、読者を迷路に誘い込む。この世界、この世界に存在するものは、迷路という規則(理性)をもっていることを明るみに出す。その迷路をつくりために林は妥協を知らない。迷路の設計図を、正確に描くのである。その設計図ができあがったとき、それは迷路ではない。つまり設計図がわかれば、迷路は存在しないのだが、その設計図を林は「完成図」としては提示しない。「結論」...林達夫「三つの指輪の話」(林達夫著作集3)

  • Estoy Loco por España(番外篇396)Obra, Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorensLasmanosdeJoaquínconocenelmaterial(hierro)conelquetrabajansusmanosysuexperienciadecómoelmaterialestransformadoporsutrabajodelamismamanera.Veeltrabajodesupadreydesuabuelo,procesandoelhierroparahacercosasalrededordesuvida.AhíresideelconocimientodeJoaquín,elpuntodepartidadelhombre.Elhombrehacecosas.Nohacecosagrandedesdeelprincipio,sinohace...EstoyLocoporEspaña(番外篇396)Obra,JoaquínLlorens

  • Estoy Loco por España(番外篇396)Obra, Xose Gomez Rivada

    Obra,XoseGomezRivadaSérieSeñorita"LULÚ",PinturasobrePasspartue50x40Lamujerteníadoscaras.Unaestabaocultaporelmaquillajeylaotraporunvestidohermoso.Lacaramaquilladateníaojosyboca.Losojosestabanabiertosylabocaintentabadeciralgo.Sepodríadecirque,debidoalmaquillaje,suexistenciasehabíavueltoabstracta.Abstractopuedereformularsecomosignificado.Losojosdelacara,ocul...EstoyLocoporEspaña(番外篇396)Obra,XoseGomezRivada

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(24)

    「朝の海」。エーゲ海の美しい朝。青と金色の輝き。光。ここに立たせておいてくれ。こういうもの皆を見るふりをさせといてくれ。ほんとうに見ているのは「朝の海」ではない。「ふり」をしている。ほんとうは別のものを見ている。そういう詩なのだが、それを強調するのが「皆」である。ほんとうに見ているのは「ひとつ」なのだ。その「ひとつ」とは何かは最終行であきらかにされるのだが、「ふり」からわかるように、それは肉眼では見ることのできないものであり、同時に肉眼に刻み込まれたものなのだ。ことばが加速して、気持ちが強く響いてくる。いらだちを含んだ、とりかえしのつかない悲しみがあふれる。そばにいる友人に言っているのではない。自分のこころに、あるいは理性に、そう呼びかけているのだ。そうするしかないのだ。声のわずかな変化、意味を超える変化...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(24)

  • 林達夫「切支丹運動の物質的基礎」

    林達夫「切支丹運動の物質的基礎」(林達夫著作集2)(平凡社、1982年03月23日、初版第9刷発行)林達夫「切支丹運動の物質的基礎」は、キリスト教の布教は、どうやって日本でおこなわれたのか。彼らが日本で布教できたその背景の、経済的基盤はどうなっていたのか、ということについて書いている。私は学校教育の「歴史」は好きではないが、こういう文章を読むと「歴史」というのはとてもおもしろいと思う。「過去」のできごとではなく、「いま」の問題としても見えてくる。いや、実際、彼らが日本に来て、どうやって布教したのか。「情熱」や「使命感」だけではできない。そこには何らかの「戦術」というか「政略」がないと、できない。林達夫は、彼らが、日本とポルトガルとの貿易のなかに割り込んで、商人となることで金を稼いだということを明らかにして...林達夫「切支丹運動の物質的基礎」

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(23)

    「はるかな昔」。青春時代の、恋人を思い出す。眼だけは思い出せる――青――だったと思う。「思う」ということばに触れて、私は、とてつもない悲しみを覚える。西脇風に、淋しさ、と言ってもいいかもしれない。なぜ、「青だった」ではないのか。「思う」とことばを重ねるとき、青という色だけではなく、「思う」その気持ちが動く。「思う」ということを、したいのだ。その青に対し、どう思ったのか。もう一度、「思い」たいのだ。その「思った時間」というか「思う」のなかにある時間が、西脇の言う「淋しさ」のように、そこに存在するのだ。存在して「くる」のだ。中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(23)

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(22)

    「店のためには」。店のためには、のあとにはどんなことばがつづくのか。店のためにはいいことなのか、悪いことなのか。それは、気にしないのだ。彼は貴金属店で働いている。そこで、装飾品を包んでいる。たぶん、彼自身がつくったものを。おのれの好み、おのれの思うとおりに、繰り返しがてともいい。「おのれの」が繰り返され、「好み」が「思うとおり」と言い直されて繰り返される。そのあと、もう一度「おのれの考え」と繰り返される。好み、思い、考えとことばが動いていく。ことばは動かずにはいられないものなのだ。動きながら、深まっていく。ひとによっては、同じことを繰り返すな、一回にしろ、簡潔に書けというかもしれない。しかし、動きを動きのまま、正確に伝えるというのは大事なことだ。ことばの動き、その変化を追いながら、その奥にあるものをつかみ...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(22)

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(21)

    「せめて出来るだけ」。同じことばが何度も出てくる。一度だけ書かれることばもこころに残るが、きょうの私は、人生の品質を下げぬようにと。この一行の中にある「人生の品質」ということばの前で立ち止まる。「人生の品質を下げぬ」ために何をすべきか。私は「本を読む」を選ぶ。「ことばを読む」。せめて、できるだけ。**********************************************************************★「詩はどこにあるか」オンライン講座★メール、skypeを使っての「現代詩オンライン講座」です。メール(宛て先=yachisyuso@gmail.com)で作品を送ってください。詩への感想、推敲のヒントをメール、ネット会議でお伝えします。★メール講座★随時受け付け。週1篇、月...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(21)

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(20)

    中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(20)「教会にて」の「にて」ということばのつかい方は、私には何かしら古風なものに聞こえる。「口語」ではなく、「文語」だね。意味は即座にわかるが、私は会話で「にて」をつかったことがない。この「文語」の響き、歴史を感じさせることばが、次の行にとても似合う。私の思いは返る、我が民族の偉大に。「返る」という動詞につきうごかされて、過去に、歴史に返る。「民族の偉大」。そして、それには「我が」ということばがしっかりと結びついている。この緊密な緊張感が「にて」から始まっている。「にて」に呼応して「私の思いは」が動いている。「私」と書き始めて「私たちの」ではなく「我が」と動いていく。この変化が、とてもおもしろい。「私」と「我」のつかいわけが、とても強く響いてくる。***********...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(20)

  • Estoy Loco por España(番外篇395)Obra, Calo Carratalá

    Obra,CaloCarrataláÁrbolverdeenlaescalera,242cmx186cm.Lápiz.2023LoscuadrosdeCalosonmuygrandes.Sondemasiadograndesparacolgarlosenmicasa.Peroestecuadroesdiferente.Laparedalfinaldelasescaleras.Elárbolverdepintadoallí.Notengoquepreocuparmeporeltamaño,porqueCalolohapintadoalamedidadelapared.Peroencuantolovi,sentívértigo.Noesunárbolpintadoparallenarunaparedestre...EstoyLocoporEspaña(番外篇395)Obra,CaloCarratalá

  • Estoy Loco por España(番外篇394)Obra, Luciano González Diaz y Miguel González Díaz

    Obra,LucianoGonzálezDiazyMiguelGonzálezDíazExposicióndeLucian,Miguelyotroescultor.Lasalóndeexposiciónycharlaentornoalasobras.Alverlasfotografías,mesorprendí.¿Esésteeltamañorealdeesaobra?Habíavistosusobrasensustalleres.Inclusolashetocado.Enotraspalabras,heconfirmadoeltamañoconmipropiocuerpo.Creíaqueconocíalostamaños.Sinembargo,eltamañoqueconozcoparecedifer...EstoyLocoporEspaña(番外篇394)Obra,LucianoGonzálezDiazyMiguelGonzálezDíaz

  • Estoy Loco por España(番外篇393)Obra, Joaquín Llorens

    Obra,JoaquínLlorensUnacitadeperros.Losperroshuelenlasnalgasdelprimerperroqueconocen.Perolosperrosqueseconocennosesaludanasí.Sebesancomopersonas.LaobradeJoaquínmerecuerdaesascitasdeperros.Segúnelángulodesdeelquesemiren,cadaperropareceunpocodistinto.Medalaimpresióndequelamiradadeldueñomiraacadaperro.Así,lasmiradasdeperrosydepersonassefunden.Cuandoescriboest...EstoyLocoporEspaña(番外篇393)Obra,JoaquínLlorens

  • Estoy Loco por España(番外篇392)Obra, Juancarlos Jimenez Sastre

    Obra,JuancarlosJimenezSastreTÍTULO:VIDAHIERROYPIEDRAPiedrayhierro.Hevistopiedrasenlanaturaleza.Enlasmontañas,enlosríosoenelmar.Sueleestarahí.Estáabandonada.Peronuncahabíavistohierroenlanaturaleza.Elhierrosiempretieneunaformaartificial.Yaveceslohevistodesechadocomounapiedra.Enlasmontañas,enloscampos.Inclusoenlaciudad,loslugaresdondesearrojabaelhierroparecí...EstoyLocoporEspaña(番外篇392)Obra,JuancarlosJimenezSastre

  • 青柳俊哉「余韻」ほか

    青柳俊哉「余韻」ほか(朝日カルチャーセンター、2023年07月17日)受講生の作品。余韻青柳俊哉冬の木から水鳥がはばたく月に鷺が響く水のような夜明け空の端から端へ伸びる雲の暗い紫言葉が瞬時にめざめる枯野の草は柔らかく葉音は一面に潮を引いて空へむかう水鳥の中へ太陽は落ちていった空と海は葉の潮に溺れる光は光を演じ水は水を演じる人は言葉を鳥は水の音を光と水の余韻が刻印する鏡冬の情景が端的に描かれている。「一面に潮を引いて空へむかう」には飛躍があって楽しい。光と面を感じる。宇宙の静けさを感じる。「光と水の余韻が」という行には、対象に余韻ということばが集中している。「光は光を演じ水は水を演じる」という一行、自然からことばがやってくるという感じに満ちている。「光と水の余韻が」には、そのもののもつ力を感じる、というよう...青柳俊哉「余韻」ほか

  • 中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(19)

    中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(19)「帰ってくれ」というタイトルは、なかなか難しい。二つの意味に取れる。ギリシャ語では、二つの意味になるかどうかわからないが、日本語では二つの意味になる。ひとつは、「もうここから帰ってくれ」という拒絶。もうひとつは「ここへ帰って(来て)くれ」という願望。二行目は、こう書かれている。帰って来て私を捉えてほしい感覚よ。これが、またまた、難しい。「帰って来て(くれ)」と呼びかけられているのは「感覚」である。感覚って、だれの感覚?基本的には自分の感覚だろう。他人の感覚に対して「帰って来てくれ」と呼びかけるとしたら、それはたとえば死んだひとに対してであろう。生きているひとの感覚に対して「帰って来てくれ」、そして「捉えてほしい」というのは、もう一度愛してほしいという意味だろうか。...中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(19)

  • Estoy Loco por España(番外篇391)Obra, Jesus del Peso

    Obra,JesusdelPesoHayesculturasypinturasenlaobradeJesúsdelPeso,perodevezencuando,pierdodistinguirlas.Susobrastienenunsentidoúnicodelaperspectiva.Laslíneasrectassontanfuertesqueinclusodespuésdecompletarlaforma,mesientecomosilaslíneascontinuaranmoviéndosealolargodelaextensióndelaslíneas.Laimpresióndemovimientorechazalaperspectiva.Ysusmovimientosfuertesyrápid...EstoyLocoporEspaña(番外篇391)Obra,JesusdelPeso

  • Estoy Loco por España(番外篇390)Obra, Eduardo Muñoz

    Obra,EduardoMuñozLaobradeEduardosiempremehainquietado.Estaobrameparecelacaradeunniñogritando.¿Estásorprendidooenfadado?Losojosizquierdoyderechotienenformasdiferentes.Debendeestarmirandocosasdistintas.Elderechove"cosas"(objetos).Peroelizquierdosemiraasímismo.Porlabocaabiertapuedeverelfondodelagarganta.(Puedeserundientequehaempezadoacrecer).Todalaimagenesco...EstoyLocoporEspaña(番外篇390)Obra,EduardoMuñoz

  • 北條裕子『半世界の』

    半世界の北條裕子思潮社北條裕子『半世界の』(思潮社、2023年07月15日発行)北條裕子『半世界の』の「果てまで」の一連目。毎日毎日雨雪が落ちてくるああああああここの冬はこんなに暗かったのか水底に潜んでいるようななぜか非常に印象に残った。たぶん、その他の詩のことばと、ここだけが違っているからだと思う。繰り返しと、分かち書き。とくに「ああああああ」が深い。「ああああ」では足りないし「ああああああああ」ではしつこい。多すぎる。この繰り返しのあとに「ここの冬」「こんな」の頭韻。「ここの」のなかには「こんな」が隠れている。「このような」では重くなる。「こんな」の撥音が「暗かった」の促音と響きあうものを持っている。母音の欠落。繰り返しは過剰。過剰が欠落によって洗い流され、「水底に潜んでいるような」という風景に変わっ...北條裕子『半世界の』

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