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  • 徳永孝「森の小馬」、池田清子「曇り」、緒方淑子「時季」、青柳俊哉「鏡」

    徳永孝「森の小馬」、池田清子「曇り」、緒方淑子「時季」、青柳俊哉「鏡」(朝日カルチャーセンター福岡、2022年01月17日)受講生の作品。森の小馬徳永孝森の少し開けた所に湖が有りましたそのかたわらに小馬が居たので話しかけてみましたこんにちわ何をしているの?水仙の花を見ている花はどれも好きだよお姉さんはどうしてここに来たのあなたに会うためかもねうそだあそうねちょっと言ってみただけひとりなの?ひとりって何?友達や仲間がいない事よ親せきはたくさんいるよアポロンの黄金の戦車を走らせたり翼をもって天を駆けるとか馬車を引いて旅したり人を乗せて狩りに出かけたり競走選手やポロの選手もいるよ遠い親せきのユニコーンはプレイボーイって言われてる乱暴なくせに乙女の前では優しくなれなれしいんだってまあいろいろな方がいらっしゃるのね君は何...徳永孝「森の小馬」、池田清子「曇り」、緒方淑子「時季」、青柳俊哉「鏡」

  • Estoy loco por espana(番外篇133)Jose Enrique Melero Blazquez

    JoseEnriqueMeleroBlazquezNudo7Quefuerzatanmisteriosa.Estehierroestaapuntodetomarformaasimismo,mientrassequemasolo.Ademas,esunaformanuevaquenadiehabiaimaginadonunca.Escomosielcorazondehierromandaaloshuesosymusculosdehierro."Convierteosenunanuevaforma".Alleereste,Josepodriaserdeenojarme."Yosoyelquehaceeltrabajo.Noeshierro".Sinembargo,Joseestatanintegradoconhie...Estoylocoporespana(番外篇133)JoseEnriqueMeleroBlazquez

  • ガルシア・マルケス 文体の秘密(5)

    ガルシア・マルケス文体の秘密(5)「一元論」についてビジターのGladysArangoHernndezから質問を受けた。そのとき、こう答えた。Ladefiniciondemonismoesdificil.Creoquehaydiferenciasenladefiniciondependiendodelapersona.Escribomiformadepensar.Nodistingoentrecuerpoymente.Nodistingoentreyoylosdemas.Nodistingoentreyoylascosas(porejemplo,arbolesyrios).Reconozcoelmundocomo"caos"."Caos"significaquelaformaesindefinidaynohay...ガルシア・マルケス文体の秘密(5)

  • 「敵基地攻撃」改称論

    読売新聞の政治面。https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220129-OYT1T50255/「敵基地攻撃」改称論…自民「反撃」「打撃」案、公明「先制と誤解も」↑↑↑↑↑なぜ「改称」なのか。なぜ「ことば」なのか。この問題は、よく考えてみないといけない。「戦争法」のとき「集団的自衛権」ということばが飛び交った。そして、そのことばは、多くの人によって、次のように誤解された。「日本が中国や北朝鮮から攻撃されたら、日本だけでは対抗できない。アメリカの協力だけでも不可能だ。近隣諸国と共同して(集団になって)日本を守る(自衛する)しかない。集団的自衛権は、日本にとって重要な防衛政策である」。これは「日本の自衛隊が集団的自衛権を行使する」という文脈を無視している。つまり「集団的自衛権」の「主...「敵基地攻撃」改称論

  • ウェス・アンダーソン監督『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(★★★★)

    ウェス・アンダーソン監督『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(★★★★)(2022年01月28日、中州大洋、スクリーン2)監督ウェス・アンダーソン出演手作りのセット、いろんな人たちたいへんたいへんたいへんたいへんたいへん、おもしろい。でも、★ひとつ原点。だってさあ、最後の最後で、おもしろさを「解説」してしまっている。シェフが記者に答えた「セリフ」。「毒は、とてもうまかった。初めての味だった」と言わせている。しかし、その「初めての味」はぜんぶことばにできる。つまり「知らなかった味」ではなく「知っている味」の組み合わせ。つまり「組み合わせ方」が新しかったのだ。そして、この「解説」は単に「解説」しているだけではなく、長くなるからと言って切り捨てた「記事」を拾い上げてみたら、そこに書い...ウェス・アンダーソン監督『フレンチ・ディスパッチザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(★★★★)

  • なぜ、期間短縮?

    読売新聞の、次の記事。https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220128-OYT1T50179/濃厚接触者の待機期間、7日間に短縮…首相「社会経済活動とのバランス取る」岸田首相は28日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」対策として感染者の濃厚接触者に求める待機期間について、現在の10日間から7日間に短縮すると表明した。エッセンシャルワーカーは2回の検査を組み合わせ、5日目に解除する。首相官邸で記者団に語った。↑↑↑↑↑これは、あまりにも状況を無視した政策だ。感染者が現象に向かっている、ワクチンの接種が進んでいるという状況なら、まだわからないでもないが、感染者は急増している。28日の感染者は8万人を超えた。それなのに、3回目の接種をすませた国民は、たった2・7%にすぎな...なぜ、期間短縮?

  • ガルシア・マルケス 文体の秘密(4の追加)

    ガルシア・マルケス文体の秘密(4の追加)(これは、フェイスブックのガルシア・マルケスのサイトのために書いた文章です。いままで書いたものも、そこで書いたものです。)「oxymoron」ということばを知った。日本語では「撞着語」というらしい。そういう「用語」があることを知らなかった。それで、日本語には「撞着語はない」と書いてしまったが、調べてみたら、ある。「愚かな賢者」「明るい闇」の類。森鴎外には、たしか「水が黒く光った」という表現がある。光の反射がまぶしくて、白ではなく、黒の方が視覚に飛び込んできた。まぶしさの強調である。何かを強調するとき「撞着語」がつかわれる。「論理」としてではなく、一瞬の「感覚」として。そこには、意識のスピードがある。早く動く意識だけがとらえることのできる世界だ。GarciaMarquezの...ガルシア・マルケス文体の秘密(4の追加)

  • 特ダネの読み方

    特ダネの読み方2022年01月26日の読売新聞が、非常におもしろい。私はコロナワクチンの三回目の接種後であり、ぼんやり読んでいたのだが、フェイスブックである人が「共通テスト問題流出か」という特ダネを取り上げていた。「どこから、どうやって漏れたんだろう」。この疑問は二つ。ひとつは会場から「①どうやって?」。もうひとつは「②ニュースの情報源は?」①は、まあ、デジタルカメラをつかってということだろうなあ。いろいろなカメラがあるから、見過ごされたのだろう。私の興味は②。一面の記事。(西部版・14版)↓↓↓↓↓大学入学共通テストの試験時間中に「世界史B」の問題が外部に流出した疑いのある問題で、警視庁が偽計業務妨害の疑いで捜査を始めたことがわかった。問題を写した画像を受け取った複数の大学生が、SNSで回答を返信しており、大...特ダネの読み方

  • ガルシア・マルケス 文体の秘密(4)

    (これは、フェイスブックのガルシア・マルケスのサイトのために書いた文章です。いままで書いたものも、そこで書いたものです。記録として残しておく。)どんな本にも忘れられない強烈なことばがある。GarciaMarquezの「Cronicadeunamuerteanunciada」(p108)では「elrencorfeliz」と「elremansodeslumbrante」(p134)。私はネイティブではないので、この強烈なことばの組み合わせにびっくりしてしまった。ネイティブのひとたちは、このことばをどんな気持ちで読むのだろうか。それを知りたいと思った。でも、突然、聞いても返事はないかもしれない。そこで、私は自分の考えを書いてみることにした。二つのフレーズの背後には、GarciaMarquezの「書くこと」についての「...ガルシア・マルケス文体の秘密(4)

  • 検査行なわず?

    2022年01月25日の読売新聞。https://www.yomiuri.co.jp/national/20220124-OYT1T50166/濃厚接触者、検査行わずに症状で診断可能に…厚労相が表明政府は24日、新型コロナウイルスの感染拡大時の外来診療について、感染者の濃厚接触者に発熱などの症状があれば、医師の判断で検査を行わずに感染の診断を可能にするなどの新たな対策を発表した。オミクロン株の急拡大を受け、自治体の判断で外来診療のあり方を見直せるようにする。一見、診断→治療のスピードアップに見えるが、ほんとうなのか。もし、濃厚接触者に「自覚症状」がなかったときはどうなるのか。検査をおこなわないまま「行動制限解除」ということになるのか。診断に検査が必要ないなら、検査なしで自由行動、ということになってしまうだろう。...検査行なわず?

  • ガルシア・マルケス 文体の秘密(3の追加)

    ガルシア・マルケス文体の秘密(3の追加)前回の文章は、少し書き急ぎすぎた。これまで書いてきたこととの関係を省略しすぎた。少し追加しておく。GarciaMarquezの文体の特徴のひとつに「強調構文」がある。口語的なことばのリズムがそれを引き立てている。私が最初に取り上げたのが、lofueronaesperarという単純なものであった。単純すぎて、その文章にGarcíaMárquezの「独自性」を見出せないかもしれない。特にネイティブのひとは何も考えずに読むと思う。でも、これは「lo=santiagoNasar」を強調したスタイルなのである。「fueronaesperarlo」では、「lo」が「esperar」という動詞にのみこまれてしまう。焦点が「fueronaesperar」という動詞の主語、「losgime...ガルシア・マルケス文体の秘密(3の追加)

  • ガルシア・マルケス 文体の秘密(3)

    ガルシア・マルケス文体の秘密(3)『Cronicadeunamuertaanunciada(予告された殺人の記録)』を最初に読んだときの驚きは、小説が「ハッピーエンド」で終わらないことだ。殺人事件は起きてしまっている。どうしたってSantiagoNasarは生き返らない。そうであるなら、生き残ったAngelaVicarioとBayardoSanRomanが幸福になること以外に「結末」はないからである。しかし、そこまで書いたあとで、ガルシア・マルケスは「最初」にもどるのだ。最後に「殺人」が復習のようにして再現されるのだ。私は「docveces」と「lucidez」がこの小説のキーワードだと書いた。その「docveces」「lucidez」が、最後の章である。殺人事件(現実)は、一回(unavez)起きる。それは最...ガルシア・マルケス文体の秘密(3)

  • ことばの読み方

    ことばの読み方私は特別変わったことばの読み方をしているとは思わなかったが、マルケスのサイト(スペイン語)で対話していて、私の読み方が他の人とは違うことに気がついた。みんなが「文学を楽しめ」としきりに言うのだ。私は私で楽しんでいるのだが、どうも楽しんでいるようには見えないらしい。あまりに何度も言われるので、みんなのやっていることとどこが違うのか考えてみた。多くの人が、作品の「一部」だけを引用して、何もコメントしていない。これ何?これが「楽しむ」ということ?で、気がついたのだ。音楽を例にすると、きっとわかりやすくなる。音楽は、たいていは「聞く」。聞いて楽しむ。ところが、音楽にはほかに「演奏する」楽しみもある。私は「聞く」ではなく、「演奏する」という方の楽しみ方なのだ。楽譜がある。読むと音が聞こえてくる。あ、この音(...ことばの読み方

  • ガルシア・マルケス 文体の秘密(2の追加)

    ガルシア・マルケス文体の秘密(2の追加)『Cronicadeunamuertaanunciada(予告された殺人の記録)』の109ページ。前回書いた、次の文章。Lehablódelaslacraseternasqueélhabíadejadoensucuerpo,delasaldesulengua,delatrilladefuegodesuvergaafricana.私は、この部分が本当に好きだ。マルケスの文章の特徴をあらわしている。構造がわかりやすいように書き直すと、こうなる。Lehablódelaslacraseternas(queélhabíadejadoensucuerpo),delasaldesulengua,delatrilladefuegodesuvergaafricana.一行目、que以下は「...ガルシア・マルケス文体の秘密(2の追加)

  • 「パイドン」再読(3)

    「パイドン」再読(3)(「プラトン全集」1、岩波書店、1986年6月9日第三刷発行)魂は、存在していたのだ、シミアス。この人間というもののうちに存在する以前にも、肉体からは離れて、しかも知をともないつつ、存在していたのだ(219)私は魂の存在を感じない。ソクラテス、プラトンは好きだが、私は、ここは同意しない。私は、ソクラテスが「魂」と呼んでいるものを「ことば」と置き換えて読む。私が生まれる以前(人間という存在になる前)にも、私の肉体から離れて、しかも知をともないつつ、存在していた。何の矛盾もない。「ことば」は語られると同時に書かれていた。書かれたことばが残されている。私の肉体は、その「ことば」のなかに生まれてきた。この世に生まれるということは「ことば」のなかに生まれるということである。「ことば」には、それまで生...「パイドン」再読(3)

  • 川口晴美『やがて魔女の森になる』

    やがて魔女の森になる川口晴美思潮社川口晴美『やがて魔女の森になる』(思潮社、2021年10月20日発行)川口晴美『やがて魔女の森になる』について、私は何を書けるか。直感として、テキトウなことを書くのだが、私の知っている人間で言うなら、石毛拓郎ならきちんと川口の文体の魅力を書くことができるだろう。私には、荷が重い。たとえば、詩集のタイトルと関係している「世界が魔女の森になるまで」。ひとりになったら森へ行く毎日そればかり考えながら目が覚めるアラームはちゃんと鳴ったのにお母さんが起こしに来てのろのろパジャマを脱ぐわたしの身体をこっそりチェックしていること気づいているけど黙ってるわたしは妊娠なんかしないよそれより森に行きたいこっちを見ないお父さんにおはようって声をかけるのは殴ったりお風呂をのぞいたりしないならいいお父さ...川口晴美『やがて魔女の森になる』

  • ガルシア・マルケス 文体の秘密(2)

    ガルシア・マルケス文体の秘密(2)『Cronicadeunamuertaanunciada(予告された殺人の記録)』のキーワードは「dosveces」と「lucidez」だと書いた。「dosveces」は正確に言えば「Eracomoestardespiertosdosveces.」であり、「despiertar」と結びついている。きのう書いた「Uanmadrugadadevientos,porelañodécimo,ladespertólacertidumbredequeélestabadesnudoensucama.」にも同じことばが出てくる。この「despertar/dosveces」は、この作品のなかで、どんなふうに展開するか。私が一番好きな部分、アンヘリカ・ビカリオを「私」が訪問し、「証言」を聞き出す部...ガルシア・マルケス文体の秘密(2)

  • 雨が降っている。

    <formmethod="POST">私の書いている感想(批評?)は、多くの人には、いったい何が言いたい?というものだと思う。私は「書かれている事実(意味)」にはほとんど関心がない。書き方に関心がある。そう書くことで世界がどうかわったか。もしそう書かなかったら、その世界はどんな具合になるのか。それも「事実」ではなく「感情」がどう変わるのか、ということに関心がある。これは、私なりの「一元論」と関係しているのだが、それに踏み込むと、すべてが「妄想」でかたづいてしまうので、ここでは書かない。でもねえ。どうしてみんな「おまえにはわからない」というのだろう。わかりっこないだろう、他人のことなんか。自分のことさえわからないのに。わからないことはそのままにしておいて、わかることだけ考える。たぶん「わかっている(と思っているこ...雨が降っている。

  • ガルシア・マルケス 文体の秘密(1の追加)

    ガルシア・マルケス文体の秘密(1の追加)『Cronicadeunamuertaanunciada(予告された殺人の記録)』にはいくつもの「強調構文」が出てくる。野谷文昭の訳文では、それがわからない。というよりも、私はスペイン語版を読んで、マルケスの狙いは独自の強調構文の確立にあると感じ始めたのだ。そして、その「強調構文」は、ネイティブが気づきにくいということも気がついた。私がこれは「強調構文だ」と指摘しても、フェイスブックの「マルケス」のサイトのひとは何も感じてくれない。ひとりだけ、メキシコの言語学者が、私の指摘した「dosveces」の問題に反応してくれた。本当は「ガルシア・マルケス文体の秘密(2)」の最後に、(1の補強)として書くつもりだったのだが、先取りして書いておく。私はアンヘラ・ビカリオと「私」との対...ガルシア・マルケス文体の秘密(1の追加)

  • ガルシア・マルケス ことばの選択(4)

    『予告された殺人の記録』に「lapinga」ということばが出てくる。ペニスを指す「俗語」のひとつである。野谷文昭は「あそこ」と上品に訳している。で、この「lapinga」ということばをつかうとき、それをつかったひとはどんな気持ちなんだろうと思う。だいたい男の持ち物なのに「女性形」であるのが、なんとも不思議だ。そこでフェイスブックにあるマルケスのサイトで質問してみた。答えは。スペイン語の名詞には、女性形と男性形がある。それを所有しているのが男性、女性とは関係がない。なんとかアカデミーが定義する、云々。聞きたいのは文法的な定義ではなく、つかうひとの感情、としつこく問い詰めると。「そんなことは説明できない。だが、おれは「lapinga」を味わうことができる(disfrutarlapinga)」ピンポーン、と言いたくな...ガルシア・マルケスことばの選択(4)

  • ガルシア・マルケス 文体の秘密(1)

    ガルシア・マルケス文体の秘密(1)フェイスブックのなかにスペイン語圏のひとたちがあつまっている「マルケスのグループ」がある。そこに書き込みをすると、ある人は言う。マルケスを理解するにはスペイン語がわからないとだめだ。カリブの歴史や風土がわからないとだめだ。でも、そういう批判をする前に、どうして「君はマルケスをどう理解しているか」「どの小説の、どの部分が好きなのか、その感想を聞かせてくれ」と言わないのか。いま、私が読んでいる『予告された殺人の記録』(ペンギンブックス)で、私は私の考えていることを書いてみよう。(これは、フェイスブックで書こうとしていることの、日本語バージョン。前回書いたことと重複する。)「あのときは、二重に目を覚ましているような気がしたよ」その言葉を聞いてわたしは、留置場にいた彼らにとって何よりも...ガルシア・マルケス文体の秘密(1)

  • ガルシア・マルケス ことばの選択(3)

    ガルシア・マルケスことばの選択(3)どんな小説にも忘れられない文章がある。『予告された殺人の記録』)(新潮社、1983年4月5日発行)の92ページ。殺人犯の双子の兄弟は、この記録の話者と対話している。「あのときは、二重に目を覚ましているような気がしたよ」その言葉を聞いてわたしは、留置場にいた彼らにとって何よりも辛かったのは、正気だったことにちがいないと思った。(92ページ)「二重」と「正気」。マルケスが、自分自身の「文体」の秘密、苦悩を語っているように聞こえる。想像の世界は、ことばを書くことによって鮮明になる。すでにある想像を、ことばで再現する。これは世界を「二重」に目覚めさせることである。書くことによって、見えなかったものまで見えてくる。それから逃げることはできない。マルケスにとって何よりも辛かったのは、書け...ガルシア・マルケスことばの選択(3)

  • クリント・イーストウッド監督『クライ・マッチョ』(★★★★★)

    クリント・イーストウッド監督『クライ・マッチョ』(★★★★★)(2022年01月15日、ユナイテッドシネマ・キャナルシティー、スクリーン8)監督クリント・イーストウッド出演クリント・イーストウッド、闘鶏の鶏クリント・イーストウッドが魅力的なのは、描きすぎないことである。もっと見たい、と思った瞬間に、もうそのシーンはない。少し見せればいい。少し見て、あとは観客が自分の知っていることを思い出し、そこから考え、感じればいい、という感じ。冒頭の朝の光の中を走る車。その朝の光に透けながら輝く木立の葉っぱ。そういう光と木の葉の感じは、たしかにどこかで見た記憶がある。どこだろう。はっきりと思い出せない。見ていないかもしれない。でも、見たと思わせる。もう一度見たい、と思う。その瞬間、もうカメラの位置は違っている。光、その「光線...クリント・イーストウッド監督『クライ・マッチョ』(★★★★★)

  • ガルシア・マルケス ことばの選択(2)

    ガルシア・マルケスことばの選択(2)ことばは、ほんとうにおもしろい。ガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」をスペイン語版「Cronicadeunamuerteanunciado」のなかに「lapinga」という名詞が出てくる。「男性性器」である。しかし、「lapinga」は「女性名詞」。どうして?男性性器は男性しかもっていない。(もちろん、手術すれば、男性だからといって「男性性器」をもっているわけではないし、女性だからといって「男性性器」をもっていないとはいえないが、そこまでは考えない。)そこで、マルケスのサイトで質問してみた。いろいろな回答があったが、多くのひとは疑問に思っていない。最初から「女性名詞」ということで、気にしていない。ところが。ひとり、こう教えてくれた人がいる。WendySanchezとい...ガルシア・マルケスことばの選択(2)

  • ガルシア・マルケス ことばの選択

    ガルシア・マルケスことばの選択ガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」をスペイン語版「Cronicadeunamuerteanunciado」で読んでいる。野谷文昭の訳を見ながら、スペイン人に質問しながらなのだけれど。双子の兄弟が、サンチアゴを殺そうと思っている。それを知ったクロチルデ(牛乳屋の女)がなんとかサンチアゴを助けたいと思い、店にくる客に「サンチアゴのこのことを知らせて」と頼む。その部分に、こう書かれている。atodoselquepudolepidioprevenirlodondelovieran.この「dondelovieran」の「donde」がわからない。野谷は「彼を見かけたら」と訳している。私の初級スペイン語(NHKのラジオ講座の初級編)レベルでは「cuando」になる。「彼を見かけたとき...ガルシア・マルケスことばの選択

  • 「パイドン」再読(2)

    「パイドン」再読(2)(「プラトン全集」1、岩波書店、1986年6月9日第三刷発行)われわれが生身の肉体をもち、われわれの魂がそのような悪にすっかり混じり合っている(184)ということばは、こう展開していく。魂の、肉体からの解放と分離が、死と名づけられている、のではないのか(188)「分離(する)」だけではなく「解放(する)」ということばがつかわれており、「解放(する)」を方が先に書かれている。「解放する」は「自由にする」である。これは「悪」から「解放する」という意味である。ここから、あの有名な、つぎのことばが生まれる。ただしく知を求めるひとは、まさに死ぬことを練習している(188)論理としてはわかるが、「魂」の存在を認識していない私には、これは「空論」。実感できない。困ったときは「ソクラテス先生」と呼びたくな...「パイドン」再読(2)

  • 野沢啓「権利請求と応答責任--言語暗喩論の進展のために」

    野沢啓「権利請求と応答責任--言語暗喩論の進展のために」(「未来」冬、2022年1月1日発行)野沢啓「権利請求と応答責任--言語暗喩論の進展のために」は、野沢の『言語隠喩論』への反響に対する野沢の反応である。「言語」の問題は「言語」だけの問題ではない。「思想」そのものの問題である。「ことば」なしに、人間は考えられない。もちろん音楽や絵画、数学、物理で考える人もいるが、その人たちは音楽的言語、絵画的言語、数学的言語をつかっている。ひとりひとりつかう「ことば」が違う。だから、「ことば」を一般化して語るのは非常に難しい。野沢は、私を含めて多くの読者が野沢の論を正しく理解していないと批判しているが、そういうことは、私に言わせれば当たり前である。「ことば」は何よりも、他人を理解するためにあるのではなく、自分の考えをつきつ...野沢啓「権利請求と応答責任--言語暗喩論の進展のために」

  • 谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(30)

    谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(30)(足は地を)足は地を知っている眼は天を仰ぐだけ星々は毎夜空にいて地に甘んじてヒトは誤る地から天が見えると*「地から/天が/見えると」思うのは誤り。「見る」と「知る」と違う。「知る」ためには「足」が大地に触れるように、「肉体の接触」が必要だ。しかし眼はいったい何に直接触れることができるか。そして、ことばは。*(ひと足)情熱は無いただ穏やかな興味で贈られた世界を見つめる歓び未来を手探りする夜明日へ遅々とひと足*「情熱」と「穏やか」は相いれないものなのだろうか。『女に』のなかで谷川のつかっていた「少しずつ」は「穏やかな情熱」、「確かな情熱」「手探りの情熱」「ひと足ずつの情熱」ではなかったか。*(二月)地に惜しみなく陽は降り注ぎトレモロは沈黙の饒舌ヒトは多事繭は眠る宇宙に濾過され...谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(30)

  • Estoy loco por espana(番外篇132)Joaquín Llorens

    ObradeJoaquínLlorensJoaquínLlorenscreadiferentestiposdeobra.Lasdosqueospresentohoyestánencontraste.Ladelaizquierdaeselegante,modernoyurbano.Yopuedoescucharmúsicaligeraytranquila.Unsonidotransparentecomounpianoounviolín.Sifueraunaflor,eslaquefloreceeneljardín.Ladeladerechaesunpocopesado.Esflexible,peromesientounpocopasadodemoda.Merecuerdoelmar,latierra,lasola...Estoylocoporespana(番外篇132)JoaquínLlorens

  • 谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(29)

    谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(29)(私は今ここに)私は今ここにいるどこへ行こうが動けない私を言葉でリモコンして言葉の涯まで連れて行くそこもここだろうか*「リモコンして」の「原形」は「リモコンする」だろうか。「名詞+する」という形で「動詞」をつくる。谷川は、いまはつかわないようなことばもさらりと書くが、こういう新しいことばもさらりとつくってしまう。*(そこにいつまでも)そこにいつまでも私はいる地面に木漏れ陽が落ちておもかげは川音に紛れ言葉は薄れてそこに独り立ち尽くしすべてを愛でる私がいる*「いる」ことが「愛でる」こと。それだけでは足りなくて、谷川は「すべてを」と書いている。「すべてを」は「いつまでも」に通じるだろう。そこには「限界」がない。そして、その中心に「独り」がある。*(諦め故に)諦め故に希みの滲む心...谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(29)

  • 山本育夫「12さち」

    山本育夫「12さち」(「博物誌」50、2022年01月25日発行)山本育夫書き下ろし詩集「たくおん」18篇のつづき。「たくおん」は「たくあん」ではない。「だくおん」と書くのが一般的だが、やまもとは「たくおん」と書いている。濁音のための「゛」を省略している。「12さち」では、こんな具合。たったったったあしおとかおいついてくるこれは一般的な書き方をすれば「たったったった/足音が追いついてくる」だろう。「たったったった」は軽快な足音のオノマトペ。--こう読めば、たとえば「学校文法/教科書解釈」では「正解」かもしれない。でも、山本は、そういう「書き方」を知らずに、間違えて、こう書いたわけではない。そうであるなら、それを読むとき「たったったった/足音が追いついてくる」と「学校文法」にあうように「修正」して読んでしまっては...山本育夫「12さち」

  • 山本育夫「13やけこけ

    山本育夫「13やけこけ」(「博物誌」50、2022年01月25日発行)山本育夫「13やけこけ」は、書き下ろし詩集「たくおん」のなかの一篇。「たくおん」は「濁音」のことである。山本は「濁音」をわざと「清音」として表記している。「濁音」を「清音」にすると、「意味」がすぐにはわからない。「濁音」をまじえると、いままで知っていた「意味」が浮かびあがってくる。このときの「一瞬」の混乱。そこに、まあ、詩のとっかかりのようなものがある。ということなのだろう。で、私は、それはそれとてし「理解」した上で、それを拒否して読んでみる。というか、即座に「濁音」にならない部分を楽しむのである。「13やけこけ」の最初の部分。ほくかむちゅうてしのはなしをしているときあなたはおそらくこうかんしている「しているとき」と「あなたはおそらく」は濁音...山本育夫「13やけこけ

  • 谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(28)

    谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(28)(小さな黄色の花)小さな黄色の花に小さい白い蝶がとまった見る歓び今日が始まる大きな混沌に宿る小さな秩序タンブラーが指を離れ床へ落ちていく一瞬時を凍らせる言葉という破片*「見る歓び」を、私は、花の歓び、蝶の歓びと読みたい。床に落ち砕けるガラス。そのとき「凍る」のも、ガラスのことば、床のことばと読みたい。ことばは詩人だけのものではない。*(姿なく)姿なくその道を行くあのひとは誰?時を嘲り死を友として未知の幻へ人をいざない終わりなく問いつつ答えかりそめのコーダに憩うあのひとは誰?*姿がない。でも、どうして「あのひと」が見えたのか。「その道」は実在なのか。最初に存在するのは「道」なのか「ひと」なのか。私は「ひと」と読む。「ひと」を思い浮かべたとき、そこに「道」が始まる。*(昨夜か...谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(28)

  • 谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(27)

    谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(27)(死の色は)死の色は白まばゆさに目を瞑るざわめきの静まる今日慎ましく黒は隠れる人の無明に古の金の輝き鉄の錆*「無明」は色だろうか。白と黒のあいだにある灰色かもしれない。この灰色は仮の名前で、ほんとうはまだ名前のない色。さわがしい灰色、静かな灰色。灰色は、いくつあるかもわからない。*(無はここには)無はここにはないどこにも無い宇宙にも心にも無は偽る文字で詩でこうして無いのに時に有るに似る*「偽る」と「似る」は微妙な関係にある。「偽り」のなかには事実に似たものがある。似ているから、ほんものと間違える。Aを以てBと為す。騙すは馬ヘンだが「偽る」も「似る」も人ヘンである。罪深い。*(水平線で)水平線で陽炎に揺れている遠い誰かそこへと夢が泳いで行く頑なに沈黙する椅子と机言葉の無垢受...谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(27)

  • Estoy loco por espana(番外篇131)Jose Enrique Melero Blazquez

    JoseEnriqueMeleroBlazquezColecciónnudos.AC06Elhierroquecrecehaciaunnuevo"nudo".Elhierronosolobuscaun"nudo".Extiendolamanoparaagarrarfirmementealgoquenopuedoagarraroqueestáfueradesualcance.El"nudo"enestetrabajonoesun"obstáculo".Esunapruebadequehaagarradoalgo.El"nudo"deabajoescosadelpasado.Unhierrohinchado,buscandoañonuevo,algonuevoylaposibilidaddequenisiquier...Estoylocoporespana(番外篇131)JoseEnriqueMeleroBlazquez

  • 「予告された殺人の記録」の訳文

    ガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」。野谷文昭の翻訳で新潮社から出ている。私が持っているのは1983年4月5日の発行。信じられないような「誤訳」がある。バジャルド・サン・ロマンから大事な家を大金で奪われた老人が「二年後」に死亡する。しかし、翻訳では「二カ月後」になっている。「底本」が違うのかもしれないが、私のもっているスペイン語版は「2年後dosanosdespues」である。「dosmesesdespues」ではない。私の読書の手伝いをしてくれているスペイン人は、私とは違う版を持っているのだが、「dosanosdespues」である。別の友人が送ってくれたPDFでも「dosanosdespues」である。この初歩的な「誤訳」はどうして生まれたのか。また、「二カ月後」ならば、ストーリーの展開は違ってきた...「予告された殺人の記録」の訳文

  • なぜ、安倍晋三なのか(2)(情報の読み方)

    なぜ、安倍晋三なのか(2)(情報の読み方)あまりにばかばかしいので書くのをやめようかと思ったが、このばかばかしさは書かずにおいたらきっと問題になる。2022年01月03日読売新聞(西部版・14版)の4面に、「語る新年展望」の2回目。だが、ノンブルは「1」のままである。そして、なんと「1日掲載の続き」とカットの下に注釈がついている。これはほんらい、1面に「頭出し」があって、そのつづきであることを知らせるためのものである。「1日掲載の続き」ならば「2」になるはずである。1日の紙面で1面に「頭出し」(といっても、分量から言うとトップ記事になるはず)をして、それを4面で受ける。それが、どういう理由かわからないができなかった。しかし、同時掲載ができなかったらできなかったで「2」にしてしまえばいいのに、それもできないので「...なぜ、安倍晋三なのか(2)(情報の読み方)

  • 谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(26)

    谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(26)(欲は涸れず)欲は涸れず死に向かう善悪不問美醜を忘れ庭の若木見守る朝守られている朝*三連目。若木「を」見守るか、若木「が」見守るか。「美醜を忘れ」のつづきで言えば「若木を見守る」だろう。しかし、私は「若木が見守る」と読んだ。だから四連目は「若木に見」守られていると自然につづいた。*(死は私事)死は私事余人を許さない悲苦を慎み生は静まる色から白へ色から黒へいつか透き通る現世*「死は私事」というが、死は実感できるのだろうか。「死んだ」と私は納得できるだろうか。想像できない。私の知っている人は死を「自覚」して死んで行ったように見えるが、自覚は予測にすぎない。不透明だ。*(残らなくていい)残らなくていい何ひとつ書いた詩も自分も世界は性懲りもなく在り続け蝶は飛ぶ淡々と意味もなく自然...谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(26)

  • Estoy loco por espana(番外篇130)Enrique Melero Blazquez

    ObraEnriqueMeleroBlazquezIND,2022AlmirareltrabajodeJosé,mesorprendoloflexiblequeeselhierro.Peronosoloesflexible.Lasuperficieesrugosa.Elóxidoestáapuntodeinvadirelinterior.Elhierroestávivomientrasluchacontraelóxidoinvasor.Aligualqueestetrabajo,eltrabajodelaserie"nudo"tambiéntienealgoquerecuerdaaundulcejaponésllamado"kinakonejiri".Joséconoceestedulce?ホセの作品を見ている...Estoylocoporespana(番外篇130)EnriqueMeleroBlazquez

  • Estoy loco por espana(番外篇129)Joaquín Llorens

    ObraJoaquínLlorénsT.Hierroóxido58x37x29S.M.N.EselMediterráneoalatardeceroelMediterráneoalamanecer?Lassuavesolasparecenunhumanonadandooundelfín.Elrojomuysilenciosodelóxidoesimpresionante.Lassombrasenlasparedesnosrecuerdanlaprofundidadytransparenciadelmar.Muchisimasgraciasporhermosaobra.unabrazofuerte.夕焼けの地中海か、それとも朝焼けの地中海か。穏やかな波は泳いでいる人間にもやイルカにも見える。錆のとても静かな赤が印象...Estoylocoporespana(番外篇129)JoaquínLlorens

  • 「パイドン」再読

    「パイドン」再読(「プラトン全集」1、岩波書店、1986年6月9日第三刷発行)「パイドン」には「魂について」という副題がついている。私は「魂」の存在を確信していない。実感できない。その私が「パイドン」をどう読んでいるのか。そのことを確かめるために、再び読み始めた。テキストは岩波書店から出ている全集。訳者は松永雄二。私はいつの場合も「結論」をめざしているわけではない。強いて言えば「魂」について考えることが「結論」になる。だから何のめどもなく、ただ思いついたままに書いていく。(引用の末尾の数字はページ。ワープロでは出てこない漢字は、テキトウに意味が通じる文字をつかった。)最初に私がうれしくなったのは、次の部分。ソクラテスを思いだすというのは、自分で語るにしても、ひとから聞くにしても、いつもわたしにはこのうえないよろ...「パイドン」再読

  • 谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(25)

    谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(25)(問いに)問いに答えはなくいつもの朝棚の土偶の古代のほほえみ日常と地続きの朝の永遠に安んじて不可知に親しむ*「親しむ」は二連目の「ほほえみ」から始まっている。その「ほほえみ」が「古代」のものならば、「親しむ」という動詞も古代からのものだ。「問いに/答えはない」というのも「古代」から「地続き」の「永遠」だ。*(どこ?)どこ?と問えばここ天の下地の上で命一ついつ?と問えばいま岩より若く刻々に老いて鬩ぎ合う人と人*「岩」という漢字は「若」に似ている。「老」に似ているのは何だろう。石も砂も似ていない。「鬩ぐ」は門構えに「兒」。争うのは「若い」からではなく「幼い(児童)」だからか。幼・若・老。「命は一つ」。*(なんでもない)なんでもないなんでもないのだ空も人も未来のせいで思い出が消...谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(25)

  • 「ソクラテスの弁明」再読

    「ソクラテスの弁明」再読「ソクラテスの弁明」再読、と書いてみたが、再読ではない。何度も読んでいる。傍線が何本も引いてある。余白にメモも書いてある。だが、いつもそうなのだが、再読するたびに、「初めて読む」という感じがする。最初に「ソクラテスの弁明」を読んだのは、高校二年のときだと思う。「倫理」の授業、そういう科目があったかどうかはっきりしないが、授業で読んだ。「国語」でないことだけは確かである。そのとき、どう思ったか。何も覚えていない。非常に、ひっかかるものがあった。死刑になるなんて馬鹿な男、と思えない何かがあったのだ。あれは何だったのか。その答えは、見つからない。だから、「初めて読む」がつづいているのかもしれない。きょう、私は、たましい(いのちそのもの)ということばに傍線が引いてあるのを確認した。(「プラトン全...「ソクラテスの弁明」再読

  • Estoy loco por espana(番外篇128)Joaquín Llorens

    ObraJoaquínLlorénsTécnicahierro70x50x30Serie.CuatroelementosEstaformamisteriosa.MerecuerdoelpoemaGinkgodeGoethe.¿Lahojadeginkgo,esoriginalmenteunaodos?¿Unahojasetratadedividirdos?¿Doshojasetratadeconvertirenuno?¿Estetrabajotuyo,suorigenesunoodos?Loquepuedoverensutrabajoessustentarselosdospartes.Eldeabajosoportaeldearribaquenocayera.Eldearribasoportaeldeabajo...Estoylocoporespana(番外篇128)JoaquínLlorens

  • なぜ、安倍晋三なのか

    なぜ、安倍晋三なのか。2022年01月01日読売新聞(西部版・14版)の4面に、「語る新年展望」という連載が始まった。「有識者」インタビューだが、その1回目が安倍晋三である。こういう「企画」は読売新聞は、もともと1面でスタートさせた。岸田ではなく安倍であるところに問題があって、4面になったのかもしれない。「いくらなんでも、前の前の首相のことばが1面トップではおかしいだろう」という声があったのかもしれない。私も、そう思うが、扱いが1面から4面にまわったとしても、やはり違和感を覚える。なぜ、2022年の展望を語るのにトップバッターが安倍なのか。しかも、安倍は、ここで岸田にこんな注文をつけている。↓↓↓↓↓岸田首相には、対中国でフロントライン(最前線)に立っているのは日本であり、日本こそ各国をまとめるリーダーシップを...なぜ、安倍晋三なのか

  • 谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(24)

    谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(24)(天から)天から降ってくる言葉地から湧いてくる言葉心の水面に浮く言の葉人から人へ行き交いいつか沈む*「言葉」がもし「意味」だったら、三連目は「浮く」でいいか。「乱す」にかわるかもしれない。最終連の「沈む」は「汚れる」「悲しむ」「泣く」か。そのとき「天」はあるか。意味は人間がつくる。*(自然は語らない)自然は語らない歌わない生きるだけヒトは混沌にいて秩序を求め言葉を孕み意味に迷う草木と空に背いて*「秩序」とは「言葉」がつくりだした「意味」のことか。そうであるなら、「自然は/語らない」ではなく、ヒトには自然の歌声が聞こえないだけだろう。「自然」は「意味」を持たなくても、「生きる」ことができる。*(沈黙に)沈黙に自然の静けさが満ちて耳は澄み微風に酔う理と知を超えようとあがく言葉...谷川俊太郎詩集『虚空へ』百字感想(24)

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