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  • さまざまな戦争とニュース/出来事との距離(町田市立国際版画美術館)

    〇町田市立国際版画美術館企画展『出来事との距離-描かれたニュース・戦争・日常』(2023年6月3日~7月17日)最近、「攻めた」企画の続く同館のコレクション展。ニュースや戦争を描いた作品を通して、過去・現在のアーティストが「出来事との距離」にいかに向き合ってきたかを探る。展示は5つのセクションから成り、それぞれ取扱う時代や場所は大きく異なるが、全体として「出来事との距離」というテーマに収束していくような構成である。はじめは「ゴヤが描いた戦争」で、スペインの画家ゴヤ(1746-1828)が、ナポレオンのフランス軍による侵攻とスペイン民衆の抵抗を題材に制作した版画集『戦争の惨禍』から20件が展示されている。先日、岡田温司『反戦と西洋美術』を読んで、まとめて見たいと思っていたので、よい機会だった。暴力を振るう者...さまざまな戦争とニュース/出来事との距離(町田市立国際版画美術館)

  • 文芸・絵画とともに/琳派のやきもの(出光美術館)

    〇出光美術館尾形乾山生誕360年『琳派のやきもの-響きあう陶画の美』(2023年6月10日~7月23日)江戸時代中期を代表する京の陶工・尾形乾山(1663-1743)をはじめとして、継承されゆく「琳派のやきもの」の世界を紹介する。という趣旨の展覧会だが、展示品は「やきもの」に限らないし「乾山」に限らない。同館の琳派コレクションの厚みをたっぷり堪能できる企画である。冒頭のセクションは、乾山が好んだ銹絵(さびえ)を中心に「詩書画の陶芸」を展示。銹絵とは、白化粧した下地に鉄釉という茶色から黒褐色の釉薬で絵を描いたもの。磁州窯系の中国陶器『白地黒花楼閣人物文枕』(元時代)が出ており、乾山の銹絵はこの磁州窯(日本では絵高麗とも呼ぶ)を参考にしたという解説が付いていた。そのせいか分からないが、乾山の銹絵の皿は、絵柄も...文芸・絵画とともに/琳派のやきもの(出光美術館)

  • 2023ご近所・夏の花

    我が家の近くの小さな緑地では、毎年、この時期に大輪のユリが花を咲かせる。ずっと機会を逃していたが、ようやく写真を撮ることができた。ちなみに花の陰には、関東大震災の供養塔と東京大空襲の慰霊碑がひっそりと立っている。花の多い地域なので、どの季節も街歩きが楽しい。アジサイは、こういうぽってりしたピンクも捨てがたい。これは私の好きな青い花、ルリマツリ。2023ご近所・夏の花

  • 令和4年度新収品+常設展(東京国立博物館)

    ■東京国立博物館本館・特別1室-特別2室特集『令和4年度新収品』(2023年5月30日~6月25日)ホームページに「毎年開催する新収品展」という記載があるのだが、実はあまり記憶がなかった。調べたら、2020年と2021年は10月に平成館の企画展示室で開催されていたようだ。10月は展覧会が多い上に、平成館はどうも見落としがちなのである。自分のブログ内を献策したら、平成17年度(2006年)とか平成23年度(2012年)とか、すごく古い記事が出てきて懐かしかった。今回の展示は34件。ローマ時代のガラス三連瓶とか、インドネシアのクリス(短剣)とか、ミクロネシア・ヤップ島の石貨とか、意外な地域の品が混じっていて面白かった。中国・朝鮮関係はもちろん多い。これは唐時代・7~10世紀の彩色塑像で、CTスキャンで判明した...令和4年度新収品+常設展(東京国立博物館)

  • アイスショー"Fantasy on Ice 2023 新潟"

    ○FantasyonIce2023in新潟、初日(2023年6月16日17:00~)/3日目(2023年6月17日14:00~)アイスショーFaOI(ファンタジー・オン・アイス)新潟公演を見てきた。金曜は全日有休を取ったにもかかわらず、午前中は在宅でオンライン会議、PCを抱えて新幹線に乗り、車中でも仕事のメールを書いていた。それでも6年ぶりの新潟に来ることができて嬉しかった。初日は東側のSS席の真ん中付近。朱鷺メッセのSS席はアイスリンクが近いので、スケーターが大きく見える。「ヒスメ」で周回する羽生くん、「SimpleSong」のステファンも間近に見えた。2日目はショートサイド後方のA席、やや西側寄り。リンク全景が把握でき、ステージとスケーターが一緒に視界に入るのがありがたい。出演スケーターは、Aツアー(...アイスショー"FantasyonIce2023新潟"

  • 女子的中華世界/雑誌・すばる「中華(ちゅーか)、今どんな感じ?」

    〇雑誌『すばる』2023年6月号「特集・綿矢りさプロデュース中華(ちゅーか)、今どんな感じ?」集英社2023.5中国発の幻想ファンタジー小説『魔道祖師』の作者・墨香銅臭氏が誌面に登場すると分かって、多数の『魔道祖師』および『陳情令』ファンが買いに走ったため、あっという間に店頭から消えてしまった雑誌。初版5千部を5月6日に発売した後、9日には1万部の増刷が決まり「文芸誌『すばる』が初の重版」というニュースにもなっていた。私は6月に入って、ようやく買うことができた。特集は100ページくらい(全体の3分の1程度)だが読み応えがあった。・墨香銅臭、括号、綿矢りさ「良い物語を創るのに必要なこと」墨香銅臭さん(女性)は90年代前半の生まれだろうか(2015年発表の『魔道祖師』を「大学四年生の卒業間際」に書き始めた、と...女子的中華世界/雑誌・すばる「中華(ちゅーか)、今どんな感じ?」

  • 2023新潟旅行おまけ:新潟駅ぽんしゅ館

    FaOI(ファンタジー・オン・アイス)2023を見るための新潟旅行おまけ。5年ぶりの新潟駅は、再開発が進行中で、ずいぶん様変わりしていた。事前に情報をチェックして、楽しみにしていたのが「ぽんしゅ館」。お酒やお米、おにぎり、お菓子、蕎麦など、厳選した新潟のお土産を取り揃えた物販コーナーである。なかでも「唎酒番所」は、新潟全酒蔵の代表銘柄を味わうことができる越後のお酒ミュージアムだというので、絶対寄ろうと思っていた。初日、新潟駅に到着したあと、すぐに場所をチェック。しかし、これから大事なショー観戦なので飲酒は自重。新潟駅そばのホテルに戻ったときは、もう閉店後だったので飲みには行けなかった。2日目は昼公演が終わって、帰りの新幹線待ちの時間に「唎酒番所」へ。ここは500円でお猪口とコイン5枚をいただくと、利き酒マ...2023新潟旅行おまけ:新潟駅ぽんしゅ館

  • 新潟半日観光:新潟市歴史博物館+万代島美術館

    ■新潟市歴史博物館みなとぴあ常設展今週もアイスショー三昧。アイスショーFaOI(ファンタジー・オン・アイス)2023新潟公演の初日と2日目を見てきた。私は、初めて見たアイスショーが2010年のFaOI新潟公演で、以来、この会場が好きで、2011年、2014年、2017年にも新潟公演に来ている。ショーだけ見て慌ただしく帰ったこともあるが、時間があれば、ちょっとした市内観光を楽しんでいる。今年は観光MAPでこの博物館を見つけて行ってみることにした。信濃川の西岸(新潟西港)にあり。博物館の建物は二代目新潟市庁舎(1911年竣工、1933年焼失)の外観をモチーフに建設されたものだという。博物館の向かいには、第四銀行住吉町支店(1927年竣工)が移転されている。こちらは、旧新潟税関庁舎。戊辰戦争終結後の1869年に...新潟半日観光:新潟市歴史博物館+万代島美術館

  • 推し活!展(演劇博物館)+私も描く(會津八一記念博物館)

    ■早稲田大学演劇博物館2023年度春季企画展『推し活!展-エンパクコレクションからみる推し文化』(2023年4月24日~8月6日)私は古い人間なので、応援する対象を「推し」と呼ぶことが流行り始めた頃は、またヘンな日本語が出てきたなあと思っていた。それが「活動」の「活」と結びついた「推し活」、あっという間に定着してしまった。言葉は新しくても、好きなモノや人を応援する行為は昔からある。そこで本展は、人々はどのようなかたちで「推し」に向き合ってきたのか、演者や制作者側を中心とした従来の演劇・映像史においては埋もれてしまう、個々の観客たちの営みに焦点を当てる。江戸時代の「推される」対象は、ほぼ歌舞伎役者一択。まあ演劇を離れれば、相撲取りや遊女も「推し」だったのかな。絵師や読み本作家、芝居の脚本家を「推し」にするよ...推し活!展(演劇博物館)+私も描く(會津八一記念博物館)

  • 意外と知らないお地蔵さま/救いのみほとけ(根津美術館)

    〇根津美術館企画展『救いのみほとけ-お地蔵さまの美術-』(2023年5月27日~7月2日)館蔵品の仏画や仏像を中心として、日本における地蔵信仰の歴史とその広がりを概観する。子どもの頃、「おじぞうさん」はマンガや昔話にも登場する、親しみやすい存在だった。坊主頭の男子をからかうときの定番でもあった。大人になって、仏教美術に興味を持つようになって、妖艶な美形や、精悍な戦士のようなお地蔵さまの存在を徐々に知ることになった。本展は、まず文字資料によって地蔵信仰の歴史を紹介する。写真参考展示の『東大寺要録』によれば、東大寺講堂には、光明皇后が発願した虚空蔵菩薩像と地蔵菩薩像があったという。「地」蔵と虚「空」が対になる存在だというのは初めて気づいた。『地蔵十輪経』(展示は奈良時代の断簡)は、釈尊が入滅してから弥勒菩薩が...意外と知らないお地蔵さま/救いのみほとけ(根津美術館)

  • 仙台観光:東北歴史博物館、宮城県美術館

    ■東北歴史博物館特別展『東日本大震災復興祈念悠久の絆奈良・東北のみほとけ展』(2023年4月15日~6月11日)FaOI(ファンタジー・オン・アイス)宮城の金曜公演のチケットが取れたとき、翌日は少し観光して帰ろうと思い、ちょうどこの展覧会が開催されていると分かったので朝から出かけた。まず多賀城碑を参観してから、博物館に入館。本展は奈良と東北の寺宝60件(展示替えあり)を展示するもの。見どころのひとつ、唐招提寺の鑑真和上坐像の展示が終わっていたので、その旨、注意の貼り紙がしてあった。冒頭には、厳しい顔つきで逞しい肉体を持つ薬師如来立像(唐招提寺)。「奈良のみほとけ」は唐招提寺からの出陳がいちばん多かったように思う。唐招提寺の持国天立像・増長天立像と福島・勝常寺の持国天立像・増長天立像が並んだところは嬉しかっ...仙台観光:東北歴史博物館、宮城県美術館

  • アイスショー"Fantasy on Ice 2023 宮城"

    ○FantasyonIce2023in宮城、初日(2023年6月2日17:00~)今年もアイスショーFaOI(ファンタジー・オン・アイス)の季節が巡ってきた。昨年のチケット争奪戦には泣かされたが、プロ転向を表明した羽生くんが、矢継ぎ早に新たなアイスショーを立ち上げたこともあって、FaOIへの注目は、少しクールダウンしたように思う。それでも、やっぱり土日のチケットは入手困難。宮城公演は金曜しか当たらなかった。私は在宅で12:00まで仕事をしたあと、東京駅から新幹線で仙台に向かった。新幹線の車中でもPCを開いて仕事の続きをしていた。この日は台風2号の接近で、線状降水帯が発生し、山陽新幹線や東海道新幹線の運転見合わせが発生する大雨になった。まあ神戸や静岡の公演に当たらなくて幸いだったかもしれない。仙台駅からシャ...アイスショー"FantasyonIce2023宮城"

  • 「私たち」はなにものか/宮本常一(畑中章宏)

    〇畑中章宏『今を生きる思想:宮本常一:歴史は庶民がつくる』(講談社現代新書)講談社2023.5はじめに「民俗学」という学問について、著者は次のように解説する。人文科学は「私たちはどこから来たのか」「私たちはなにものか」「私たちはどこへ行くのか」という命題を追究するものだ。「私たち」の範囲は学問領域によって異なるが、柳田国男は、20世紀の日本列島に住む日本人を「私たち」と措定して「日本民俗学」を立ち上げ、「私たち」の起源・定義・未来を追究した。このとき柳田は「心」を手がかりにしたが、「もの」を民俗学の入り口にしたのが宮本常一(みやもとつねいち、1907-1981)である。なるほど、この整理は分かりやすい。しかし宮本の民俗学というと、私は「もの」(民具研究)よりも、旅、聞き書き、座談、フィールドワークの人とい...「私たち」はなにものか/宮本常一(畑中章宏)

  • 「唐の中華」の誕生/中華を生んだ遊牧民(松下憲一)

    〇松下憲一『中華を生んだ遊牧民:鮮卑拓跋の歴史』(講談社選書メチエ)講談社2023.5このところ、遊牧民に注目した中国史の本(私にも読めるような一般向けの教養書)が次々に出ていて、どれも面白い。本書は鮮卑拓跋部と呼ばれる遊牧集団の歴史を概観する。鮮卑は1世紀頃、モンゴル高原にした匈奴が衰えたあとに登場する。2世紀頃、檀石塊という英雄が現れ、一大国家を形成するが、やがて各地に部族長が自立する。伝承では、黄帝の孫が「大鮮卑山」に封健され、その子孫が拓跋氏を称したと言われている。北魏の世祖太武帝が使者を派遣して(拓跋氏の)先祖を祀らせたという記事が『魏書』にあり、1980年、内モンゴル自治区の嘎仙洞(かっせんどう)で史書と一致する碑文が見つかっている。しかし、黄帝の子孫という伝承が中華とのつながりを演出するため...「唐の中華」の誕生/中華を生んだ遊牧民(松下憲一)

  • 多賀城碑(壺の碑)を訪ねる

    金曜はアイスショーFaOI(ファンタジー・オン・アイス)2023宮城公演の初日を見るために仙台に行ってきた。そのレポートは後で書くことにして、さきに今日の観光の話を書いておく。金曜は夜公演だったので1泊して、朝から多賀城市の東北歴史博物館に出かけた。開館時間より少し早く着いたので、駅から徒歩10分ほどの距離にある多賀城碑(壺の碑)を見ておくことにした。東北歴史博物館が移転・整備されたのは1999年だという。私はたぶんその頃に一度来ていて、多賀城碑も「見た」という記憶はあるのだが、それ以上のことは何も覚えていない。駅前の住宅地を抜け、田園風景の中を歩いていくと、小高い丘の上に立派な楼門が見えてきてびっくりした。まだ建築途中らしく、周囲は「立入禁止」の柵で囲われている。白い塀には「令和6年度完成予定」と書かれ...多賀城碑(壺の碑)を訪ねる

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