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見もの・読みもの日記さんの新着記事

1件〜30件

  • データベース作りの情熱/茶入と茶碗(根津美術館)

    〇根津美術館企画展『茶入と茶碗:「大正名器鑑」の世界』(2021年6月1日~7月11日)高橋義雄(1861-1937、箒庵)が編纂した『大正名器鑑(たいしょうめいきかん)』(大正10/1921年~昭和2/1927年刊)の刊行開始百年を記念し、同書の成立過程を概観し、同書に掲載された名品を展観するともに、編者・箒庵と初代根津嘉一郎(1860-1940)の友情を紹介する。冒頭には『大正名器鑑』全9編11冊の初版本セットが立派な木箱とともに展示されている。茶人で実業家の高橋箒庵は、自宅に「大正名器鑑編纂所」を設け、プロジェクトチームを率いて編纂に取り組んだ(Wikiによれば、実業界を引退したあとの仕事なのだな)。個人蔵の『大正名器鑑稿本』も展示されていたが、図版ページにどのように図版を収めるか、試行錯誤したあとが分か...データベース作りの情熱/茶入と茶碗(根津美術館)

  • 王政復古の混乱を経て/氏名の誕生(尾崎秀和)

    〇尾崎秀和『氏名の誕生:江戸時代の名前はなぜ消えたのか』(ちくま新書)筑摩書房2021.6SNSで評判を見て読んでみた。評判どおり面白い上に分かりやすくて、いろいろなことが腑に落ちた。われわれ現代日本人は、人名とは「氏」と「名」で構成されるものだと思っている。実はこの「常識」は、約150年前、明治新政府によって創られた。本書は、江戸時代(18世紀後半以降)から明治初期にかけての人名(男性名)の変化を詳述する。江戸時代の下の「名前」は、(1)正式な官名(2)擬似官名(3)一般通称に分類できる。(3)一般通称は何種類かのお決まりの”お尻”を持つ。〇衛門、〇兵衛、〇蔵などだ。社会的な慣習として、幼名には幼名らしい、隠居には隠居らしい名前が用いられた。(1)正式な官名(武家官位)は、武家では大名と一部の旗本にのみ許され...王政復古の混乱を経て/氏名の誕生(尾崎秀和)

  • 画工たちの仕事/蘭花百姿、他(インターメディアテク)

    〇インターメディアテク特別展示『蘭花百姿-東京大学植物画コレクションより』(2021年6月19日~9月26日)東京大学の学術資源や学術成果を発信するインターメディアテク。上野の科博の『昭和天皇の生物学ご研究』最終日を参観したあと、そうだ『蘭花百姿』が始まっていたと思って、東京駅で寄り道した。なかなか贅沢なハシゴだったと思う。明治時代の大学草創期から、植物学研究の傍らでは、その発展を支えるための植物画制作が行われてきた。本展では「蘭」が描かれた植物画を一堂に集めて公開する。ラン科植物は、分類学上、被子植物の中で最も種数が多く、多様な地域と環境に生育することで知られている。さらに歴代の研究者らが収集した標本、図譜等の関連資料を合わせて展示し、蘭の博物誌を楽しむことができる構成とする。最大の見どころは手描きの植物画で...画工たちの仕事/蘭花百姿、他(インターメディアテク)

  • 生きもの大好き/昭和天皇の生物学ご研究(国立科学博物館)

    〇国立科学博物館ご生誕120年記念企画展『昭和天皇の生物学ご研究』(2021年4月20日~6月20日)緊急事態宣言で一時中断を余儀なくされた展示だが、最終日に見に行けてよかった。昭和天皇(1901-1989)は、生涯にわたる標本収集と、変形菌類や植物、ヒドロ虫類についての分類学研究などにより生物学の発展に大いに貢献した。本展は生誕120年を記念し、生物学者としての昭和天皇を紹介する。最初の見どころは、いきなり入口に並んだ標本の数々。大きなウミガメ、小さな哺乳動物の剥製(アマミノクロウサギだった)や蝶の標本もあったと記憶するが、壮観なのは、円筒形のガラス容器に入った液浸標本の数々である。魚類、ヒトデ、ホヤなど海の生物が多かった。昭和天皇の標本コレクションは総数6万点を超え、その多くが国立科学博物館に移管されている...生きもの大好き/昭和天皇の生物学ご研究(国立科学博物館)

  • 大宇宙と小宇宙/三体III:死神永生(劉慈欣)

    〇劉慈欣;大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、泊功訳『三体III:死神永生』上下早川書房2021.6第1部、第2部が、基本的に古典的な物語の構成に則っており、【ネタバレ】の急所が分かりやすかったのに比べると、第3部はそうでない。起承転結の「転」が何度もあり、残り20ページくらいになっても、結末が読めない展開だった。本格的な物語は危機紀元4年から始まる(第2部の開始とほぼ同時期)。莫大な資産を手に入れたが、不治の病に苦しむ雲天明は、恒星DX3906を購入し、大学時代、淡い思いを寄せていた程心に匿名でプレゼントする。程心は三体世界に人類を送り込む「階梯計画」に従事していた。計画では探査機を極限まで軽量化するため、人間の脳だけを送ることになり、雲天明はこのオファーに応ずる。程心が冬眠から目覚めたのは、暗黒森林抑止システ...大宇宙と小宇宙/三体III:死神永生(劉慈欣)

  • 「洋風画」好き必見/はじめまして、かけじくです(板橋区立美術館)

    〇板橋区立美術館館蔵品展『はじめまして、かけじくです』(2021年6月5日~7月4日)いつも新鮮な企画で楽しませてくれる板美(イタビ)。本展は、縦長・横長といった画面の形による表現の違いや、対(セット)で鑑賞する面白さ、作品とともに現代まで伝わる箱や文書など、さまざまな角度から「掛軸」を紹介する。目のつけどころも展覧会のタイトルも楽しくて、遠路にめげず、いそいそと行ってきた。展示作品は約50件。館蔵品展だから、だいたい見たことのあるものが主だろうと思っていたら、えっと驚く作品がいくつか混じっていた。実は「歸空庵コレクション」から13件が出品されている。秋田蘭画や初期洋風画で有名な歸空庵(帰空庵)コレクションは板美に寄託されているので、館蔵品展に出ていてもおかしくはないのだが、特別な機会でないと見られないように思...「洋風画」好き必見/はじめまして、かけじくです(板橋区立美術館)

  • 追う者、追われる者/中華ドラマ『猟狼者』

    〇『猟狼者-Hunter-』全8集(芒果TV、湖南衛視、2021)西暦2000年、新疆の高山地帯。雪の岩山で、森林警察の警官である魏疆(秦昊)と趙誠は、密猟団「狼子」と銃撃戦を繰り広げていた。魏疆は狼子のひとりを射殺するも、撃たれて崖下に落下する。追いつめられた趙誠は、動けないよう脚を撃たれ、雪の中に放置されて凍死した。5年後、奇跡的に生き延びた魏疆は、警官の職を辞し、森林保安員として酒浸りの日々を送っていた。あるとき、密猟者を追って山林に入った若い警官が戻ってこない事件が起きる。警官の捜索には賞金がかかっている。魏疆は、旧友・老伊が息子を学校に行かせるため、金銭を必要としていることを知り、賞金稼ぎに山に入り、密猟者たちに捕まっていた若い警官・秦川(尹昉)を助け出す。その密猟者たちは、五年前、彼の同僚・趙誠を奪...追う者、追われる者/中華ドラマ『猟狼者』

  • 楽しみ尽くす/国宝 鳥獣戯画のすべて(東京国立博物館)

    〇東京国立博物館特別展『国宝鳥獣戯画のすべて』(2021年4月13日~5月30日※6月20日まで会期延長)+本館・特別1-2室他特集『鳥獣戯画展スピンオフ』(2021年3月23日~6月20日)甲乙丙丁全4巻の全場面を会期を通じて一挙公開し、断簡や模本の数々を含め、「鳥獣戯画のすべて」を堪能できる特別展。当初は2020年夏に予定されていたが、コロナ禍で1年延期になり、4月に始まったものの、のんびり構えていたら緊急事態宣言で休止となり、本当にハラハラした。会期延長という英断のおかげで、なんとか参観することができた。鳥獣戯画は、もちろん大好きなので、機会があれば見に行っている。大規模な展覧会としては、2007年のサントリー美術館『鳥獣戯画がやってきた!』(各巻の前後半を前後期で巻替え)、2014年の京都国立博物館『国...楽しみ尽くす/国宝鳥獣戯画のすべて(東京国立博物館)

  • 善美を極める/彩られた紙(大倉集古館)

    〇大倉集古館企画展『彩られた紙-料紙装飾の世界-』(2021年4月6日~6月6日)文字や絵をより美しくみせるために料紙(用紙)を加工した「彩られた紙」を取り上げ、そこに託された祈りや夢、そして美の移り変わりを探る。昨年度、コロナ禍で開催中止になった展覧会の再企画で、今年も緊急事態宣言で中断を余儀なくされたが、6/1から1週間だけ再開し、なんとか最終日に滑り込みで見ることができた。入ってすぐ、びっくりしたのは応挙の巨大な『関羽図』。縦350cmもあるので、下のほうを床で折り曲げるように展示されていた。近江出身の書家・巌谷一六旧蔵で、応挙が巌谷家に居候していたとき、男児の初節句のために描いた幟旗(のぼりばた)だという。本展最大の見どころは、田中親美が制作した平家納経模本だろう。1階と2階に計9巻展示されていた。観普...善美を極める/彩られた紙(大倉集古館)

  • さよなら世田谷2/旅立ちの美術(静嘉堂文庫)

    〇静嘉堂文庫美術館『旅立ちの美術』(2021年4月10日~6月6日※6月13日まで会期延長)来たる2022年、美術館展示ギャラリーを丸の内の明治生命館1階に移転することになった同館が、世田谷区岡本で開催する最後の展覧会。所蔵の国宝7件が全て展示される(前期)など、内容も濃い。いろいろあって、展示室に到達するまでの顛末は前記事のとおり。ここからは展示内容について書く。展示室の前室には、日中の水墨画、倪元璐筆『秋景山水図』、陳賢筆『老子過関図』、九淵龍賝題『万里橋図』が並ぶ。納得の名品セレクションだと思ったが、実はこの展覧会、「出発」「別れ」「旅(漂泊)」に関係する作品を(ややこじつけも含め)慎重に選んでいるのだ。『老子過関図』は、周の国の衰えを感じ、牛の背に乗って西方に去ろうとする老子の図だから分かりやすい。『万...さよなら世田谷2/旅立ちの美術(静嘉堂文庫)

  • さよなら世田谷1/旅立ちの美術(静嘉堂文庫)周辺散歩

    世田谷区岡本にある静嘉堂文庫美術館が、丸の内の明治生命館1階に移転することになった。そんな噂は全く聞いていなかったので、いきなり「世田谷岡本での最後の展覧会」という告知が出て、びっくりした。2014~15年に展示室をリニューアルしたばかりではないか!ともかく最後の展覧会には行っておこうと思っていたら、緊急事態宣言で休館になってしまった。ハラハラしたが、6月1日から再開し、会期も6月6日までの予定が6月13日まで延長になった。私は、再開情報はチェックしていたが、会期延長には気づかず、最後の週末だと思った土曜日、東京ステーションギャラリーの次はここへ向かった。いつものように二子玉川駅からバスに乗り、美術館に到着したのは14時頃だったと思う。建物の周囲は、いつになく人の姿が多く、入口の前でお姉さんが券を配っている。時...さよなら世田谷1/旅立ちの美術(静嘉堂文庫)周辺散歩

  • 美人大集合/コレクター福富太郎の眼(東京ステーションギャラリー)

    〇東京ステーションギャラリー『コレクター福富太郎の眼昭和のキャバレー王が愛した絵画』(2021年4月24日~6月27日)コロナ禍で休館していた美術館・博物館が再開し、先週末は大忙しだった。まず再開のお知らせとともに、土曜の朝イチの予約をとったのがこの展覧会。キャバレー王・福富太郎(1931-2018)の絵画コレクションの全体像を明らかにする初めての試みである。鏑木清方をはじめとする優品ぞろいの美人画はもとより、洋画黎明期から第二次世界大戦に至る時代を映す油彩画まで80余点を展示する。最初の展示室からズラリ清方(名品揃い!)が並んでいて、心臓の鼓動が早くなってしまった。『冥途の飛脚』の梅川忠兵衛を描いた『薄雪』のさえざえとした美しさ。背景の空白は茫漠とした曇り空で、かすかな雪片が梅川の黒髪、黒縮緬の着物に舞い落ち...美人大集合/コレクター福富太郎の眼(東京ステーションギャラリー)

  • 古装劇中の新時代カップル/中華ドラマ『御賜小仵作』

    〇『御賜小仵作』全36集(企鵝影視、霊河文化、2021)軽めの古装ドラマが見たくなって、評判のいい本作を見てみた。仵作(wu3zuo4)は、中国古代の官衙で働いていた専門職で、現代でいう検死官、監察医のことだ(日本の「検視官」は遺体解剖をしない役職だが、このドラマの主人公・楚楚は真相究明のため、ガンガン解剖をする)。舞台は唐の宣宗の時代。犯罪捜査と裁判を統括する三法司では、新たに仵作を雇い入れることになり、黔州(重慶から貴州のあたり)で代々仵作を生業としている家系の少女・楚楚(姓も楚、名も楚)は、採用試験を受けるため、長安を訪れ、三法司の若き長官である安郡王こと蕭瑾瑜と知り合う。蕭瑾瑜は楚楚の卓越した技量と真摯な人柄に惹かれていく。一方、宮中では黔州に関係する官吏の不審死が続き、黔州で偽の貨幣が鋳造されているこ...古装劇中の新時代カップル/中華ドラマ『御賜小仵作』

  • 中世神話のカオスな魅力/神の新たな物語(国学院大学博物館)

    〇国学院大学博物館特別列品『神の新たな物語-熊野と八幡の縁起-』(2021年5月13日~7月3日)中世には、時代の潮流・信仰を基盤として、古代の神話に描かれる神々に加え、当時、信仰圏を広げていた熊野や八幡といった神々の新たな物語・神話が作り出された。本展は、国学院図書館が所蔵する熊野の神々や八幡神(応神天皇)とその母・神功皇后をめぐる縁起絵巻の数々を展示し、物語から中世の神々の姿を見ていく。初めて中世神話というものを知ったのは、小松和彦先生の著作に紹介されていた「熊野の本地」だったのではないかと思う。いちおう国文科の学生で、しかも上代文学を専攻する予定だったので、古事記・日本書紀は読んでいた。ところが、一部の地方には、記紀神話とは全然違う「神話」が伝わっていることにびっくりしてしまった。以来、記紀神話だけが「日...中世神話のカオスな魅力/神の新たな物語(国学院大学博物館)

  • 64年大会を問い直す/五輪と戦後(吉見俊哉)

    〇吉見俊哉『五輪と戦後:上演としてのオリンピック』河出書房新社2020.4あとがきの日付は2020年2月24日、まだ著者は2020年の東京オリンピック開催を疑っていない。そのあとに追加された短い「補記」は3月24日、「もはや誰も今年七月に東京五輪が開かれ得るとは思っていない。TOKYO2020は来ない――この驚くべきどんでん返しを、わずか一ヵ月前に誰が予想していただろうか」とある。それから1年後、ますます深まる混迷の中、東京五輪という問題を長期的な展望で根本から考えなおすのに本書はとてもよい参考書である。序章は、2020年東京五輪構想が石原慎太郎都知事の思いつきに始まり、東日本大震災からの復興を口実にIOCの委員たちに取り入ることによって招致に成功したこと、新国立競技場やエンブレムをめぐる問題の数々を振り返る。...64年大会を問い直す/五輪と戦後(吉見俊哉)

  • 木版口絵の作者たち/鏑木清方と鰭崎英朋(太田記念美術館)

    〇太田記念美術館『鏑木清方と鰭崎英朋近代文学を彩る口絵-朝日智雄コレクション』(2021年5月21日~6月20日)明治20年代後半から大正初期、文芸雑誌や小説単行本の巻頭には、木版による美しい口絵があしらわれた。木版口絵は、江戸時代から続く浮世絵版画の系譜に連なるだけでなく、江戸の技術を遥かに上回る精緻な彫りや摺りが施されているが、現在の浮世絵研究ではほとんど顧みられることがない。本展は、鏑木清方(1878-1972)と鰭崎英朋(1880-1968)の二人を中心に、木版口絵のコレクターである朝日智雄氏の所蔵品の中から約110点を厳選し、忘れられたジャンル・彩色木版口絵の美しさにスポットをあてる。朝日智雄さんは「木版口絵を保存・普及させる会」代表を名乗り、「散逸している明治・大正期の彩色木版口絵を後世に残したい!...木版口絵の作者たち/鏑木清方と鰭崎英朋(太田記念美術館)

  • 畑の中の美術館/遠山記念館の50年(遠山記念館)

    〇遠山記念館特別展『遠山記念館の50年』(2021年4月3日~5月30日)緊急事態宣言下で開いている美術館・博物館を探していると、あまり縁のなかった施設の情報が網にかかってきて面白い。遠山記念館は埼玉県比企郡川島町にあり、同町出身で日興證券の創立者・遠山元一の邸宅・庭園と、遠山が蒐集した美術工芸品等を公開している。私は2005年から2007年まで、川島町の隣の隣、鶴ヶ島市の住人だったのだが、同館の存在は記憶にない。まあ仕事が忙しかったし、車がないと自由に移動の自由できない地域だったので…。調べたら、川越と桶川を結ぶ路線バスで行けそうなので、行ってきた。川越駅から30分くらい、観光客で賑わう市街地を遠ざかり、牛ケ谷戸という停留所でバスを降りる。車やバイクの往来は多いが、歩いている人の姿が全くないのが、埼玉の奥地ら...畑の中の美術館/遠山記念館の50年(遠山記念館)

  • 人生は続く/八九六四 完全版(安田峰俊)

    〇安田峰俊『八九六四完全版:「天安門事件」から香港デモへ』(角川新書)角川書店2021.52018年5月に刊行された単行本『八九六四』は必ず読もうと思いながら、果たせていなかった。そのおかげで図らずも、2019年の香港デモを取材した新章を含む本書『完全版』を読むことができた。本書は、1989年6月4日未明に起きた天安門事件にかかわった、あるいは何らかの影響を受けた人々に2011年から2018年の間に取材したルポルタージュである。章見出しになっているのは22名。日本人(当時、在中留学生)1名を含む。番外編の章に登場する香港の活動家たちを除くと、多くは当時20代、したがって取材当時は40~50代である。国際的に著名な活動家もいるし、無名の庶民も、成功したビジネスマンもいる。ちなみに本書に登場する石平さんは、他で見る...人生は続く/八九六四完全版(安田峰俊)

  • 美人画と戦争画/雑誌・芸術新潮「キャバレー王は戦後最高のコレクター『福富太郎』伝説」

    〇雑誌『芸術新潮』2021年5月号「特集・キャバレー王は戦後最高のコレクター『福富太郎』伝説」新潮社2021.5東京都の緊急事態宣言は5月31日で解除になるのか、それとも延長か。私が気になっているのは、美術館・博物館の対応、とりわけ東京ステーションギャラリーの『コレクター福富太郎の眼昭和のキャバレー王が愛した絵画』(当初予定:2021年4月24日~6月27日)の再開可否である。もともと気になっていた展覧会だが、この特集を読んで、絶対見逃せないという強い気持ちが固まった。量や質がすごいというより、コレクターの個性と結びついた奥深いコレクションである。本誌では、まず福富太郎さん(1931-2018)の一代記(イラスト・伊野孝行)が楽しい。昭和6年、東京都荏原郡に生まれ、家にあった絵を見た記憶は3歳にさかのぼり、小学...美人画と戦争画/雑誌・芸術新潮「キャバレー王は戦後最高のコレクター『福富太郎』伝説」

  • グローバリゼーションの中で/モダン語の世界へ(山室信一)

    〇山室信一『モダン語の世界へ:流行語で探る近現代』(岩波新書)岩波書店2021.4山室信一さんといえば『キメラ:満洲国の肖像』や『思想課題としてのアジア』を読んできたので、勝手に中国史とか東アジア史の人だと思っていた。奥付を見て、その山室さんの著書であることを確かめたものの、落ち着かない気持ちで読み始めた。本書は、おおよそ1910年から1939年までの30年間に造られ、使われた「モダン語」の世界を探訪し、モダン(近代あるいは現代)の意味を考える。1910~30年代は第一次グローバリゼーションとも呼ぶべき時代で、情報・モノ・ヒト・カネが国境を越えて交わり、地球全体が相互に影響し合いながら、ライフ・スタイルや価値観の転換に向けて始動していた。日本国内でも、電話・ラジオ・映画などのニュー・メディアが普及し、ニュー・ジ...グローバリゼーションの中で/モダン語の世界へ(山室信一)

  • 麦殿大明神再び/疫病・たいさ〜ん!(アーツ千代田3331)

    〇アーツ千代田3331特別企画展『疫病・たいさ〜ん!江戸の人々は病いとどう向き合ったか』(2021年4月17日〜5月30日)感染症がたびたび蔓延した江戸時代に着目し、魔除けの赤を用いた疱瘡絵や麻疹絵など、疫病退散の願いから生まれた様々なものを通して、パンデミックが当時の暮らしや文化にもたらした影響や、禍に立ち向かい打ち勝とうとした江戸の人々の姿を紹介する。同施設では、千代田区内で行われる「神田祭」「山王祭」の時期にあわせ、地域の歴史や文化を紐解き、その魅力を発信する特別企画展を2013年より開催してきたそうで(※アーカイブ)、私の趣味にピタリ合うのに全然知らなかった。今回の企画にも気づいていなかったが、緊急事態発令とその延長の際、美術館の動向をまとめサイトで見ていたら、再開+会期延長(当初予定は5月16日まで)...麦殿大明神再び/疫病・たいさ〜ん!(アーツ千代田3331)

  • 中国時代劇の虚と実/戦乱中国の英雄たち

    〇佐藤信弥『戦乱中国の英雄たち:三国志、「キングダム」、宮廷美女の中国時代劇』(中公新書ラクレ)中央公論新社2021.5まさかこんな本が出るとは思わなかったので、驚きながら喜んでいる。韓ドラや日本の大河ドラマを題材にした新書は見たことがあるが、マイナージャンルだと思っていた中国時代劇も、今やそれらに次ぐファン層を獲得しているということだろうか。本書は近年の話題作を具体的に取り上げながら、中国時代劇の楽しみ方、読み解き方を論じている。第1章は「三国志」で、1994-95年放映の『三国演義』(※以下、全て原題とする)、2010年の『三国ThreeKingdoms』に続き、詳しく紹介されているのは2017-18年の『軍師聯盟』と2018年の『三国機密』。私は前二者を見ていないので、2010年の『三国』が、登場人物の政...中国時代劇の虚と実/戦乱中国の英雄たち

  • ポストコロナへ向けて/大学は何処へ(吉見俊哉)

    〇吉見俊哉『大学は何処へ:未来への設計』(岩波新書)岩波書店2021.4大学に関する根本的な論考を発表し続けている著者の最新作。本書では、2020年の新型コロナウイルス感染症のパンデミックが浮かび上がらせた大学の窮状と、ポストコロナ時代の大学に対する提言が大きな比重を占めている。はじめに「大学の窮状」とその要因。今日の大学の疲弊は、大綱化、大学院重点化、国立大学法人化という平成時代の大学改革の失敗から来ている。ただしそれは、外部の強圧的な力によるのではなく、「大学とは何か」を真剣に主導的に考える責任を放棄してしまった大学自体によって生じたと著者は考える。そして歴史を遡り、日本の大学が1990年代以降の諸改革により深刻化する問題を抱え込んでしまった構造的淵源は、1930-40年代にあることを指摘する。まず総力戦体...ポストコロナへ向けて/大学は何処へ(吉見俊哉)

  • 金峯山寺の金剛力士立像そのほか(奈良博・名品展)

    〇奈良国立博物館・なら仏像館名品展(2021年3月23日~)+特別公開『金峯山寺仁王門金剛力士立像-奈良・金峯山寺所蔵-』(2021年2月23日~)吉野の金峯山寺の仁王像(金剛力士像)(南北朝時代)が来ているというので見に行った。館内に入るとすぐ、最も大きい中央の第6室に2躯の姿が見えた。しかし、現在の参観ルートでは、第1室から半周しないと中央ホールに行きつけない。面倒なので、他の部屋は後で見ることにして、まっすぐ中央ホールに向かった。入ると、片側(第7室側)の壁に背を向けて巨大な金剛力士像が立っている(あとで気づいたが、ちゃんと南面している)。後ろ側も覗き込める。背中の筋肉がたくましい。独鈷杵を振り上げる阿形像。吽形像は空手。ちなみに写真撮影はOKだが、一緒に記念撮影や自撮りは禁止されている。したくなるよなあ...金峯山寺の金剛力士立像そのほか(奈良博・名品展)

  • 桃山・江戸文化の輝き(大和文華館)+聖徳太子と法隆寺(奈良博)

    ■大和文華館『桃山・江戸文化の輝き』(2021年4月9日~5月16日)午前中に京都で展覧会を2つ見て、奈良へ移動。本展は、美術作品を愛好する層が広がり、多様な文化が育まれた桃山・江戸時代の絵画や書・工芸を展示し、活気に満ちた時代が生み出した文化の粋を展観する。同館の桃山~江戸前期の名品といえば、『婦人像』や『婦女遊楽図屏風(松浦屏風)』などがすぐ浮かぶので、ぜひ見に行きたいと思っていた。来られてよかった。もちろんこれらの作品も出ていたが、まず目に留まったのは『阿国歌舞伎草紙』。それぞれB5判程度の小さな画面に「茶屋遊び」「念仏踊」の舞台と観客の情景が描かれている。濃密な色彩。「念仏踊」のほうは、赤い着物・垂髪の阿国に対して、舞台下で立ち上がる名古屋山三の亡霊。もみあげを長く伸ばした総髪の茶筅髷で、腰まで届く大き...桃山・江戸文化の輝き(大和文華館)+聖徳太子と法隆寺(奈良博)

  • 鑑真和上と戒律の歩み(京博)+鋳物・モダン(泉屋博古館)

    週末は1日だけ関西に行ってきた。金曜日、在宅勤務を終えたあと、東京駅から新幹線で京都へ。自由席は1人空けでなんとか座れる程度で、そこそこ混んでいた。京都駅に着いたのは午後8時過ぎで、飲食店はほぼ閉まっていたので、駅弁を買ってホテルに落ち着いた。■京都国立博物館凝然国師没後700年特別展『鑑真和上と戒律の歩み』(2021年3月27日~5月16日)9:00開館のところ、少し早めに行ったら、すでに十数人が並んでいた。結局、開館までに50人弱が並んだようである。しかし、朝イチ組が一気に入館したあとは、ゆっくり落ち着いて見ることができた。本展は、日本に戒律を伝えた鑑真(688-763)をはじめ、日本戒律の歴史を紹介する。戒律とは僧侶が集団で生活し修行するための規律で、「戒」は生活習慣や心構え(破っても罰則はない)、「律」...鑑真和上と戒律の歩み(京博)+鋳物・モダン(泉屋博古館)

  • 2021ワークデスクと椅子を買う

    4月から新しい職場に変わって、週3出勤+週2在宅でスタートしたのだが、4月末の緊急事態宣言に伴い、「可能は限り在宅勤務を」という指示が下された。そのため5月はまだ1回しか出勤していない。少し在宅環境をよくするため、思い立って、ワークデスクと椅子を買ってしまった。特に椅子は大事だと思ったので、週末、近所のニトリで座り心地を確かめて購入した。今日、配達が届いたので、さっそく組み立ててみたところ。たいへん快適。読書にもよい。長年、家は「帰って寝るだけ」の場所であり、引っ越しの繰り返しだったので、最低限の什器しか持っていなかった。昨年、しばらく在宅勤務が続いたときも、部屋が狭くなるのが嫌で、ありあわせの椅子とテーブルでしのいでしまった(※写真)。今後は、少し人並みの住環境を整えようと思っている。まずは不要なものを処分し...2021ワークデスクと椅子を買う

  • 復讐と家族愛/中華ドラマ『無証之罪』

    〇『無証之罪-BurningIce-』全12集(愛奇藝、2017年)近年、話題作続出の華流サスペンスドラマの先駆けとなった作品である。公開当時はこのジャンルに興味がなかったのだが、今でも評判を聞くので、あらためて視聴してみた。いや納得である。見逃したままにしなくてよかった。舞台は中国東北地方の架空の都市・哈松(ハーソン)。冬のある日、運送会社社長の絞殺死体が雪だるまに括りつけられた状態で見つかった。「私を捕まえて」という挑戦的な貼り紙。4年前から続いている「雪だるま連続殺人事件」である。捜査当局の局長は、万事型破りの刑事・厳良を応援に呼び寄せる。殺害された社長の本妻は、夫が若い愛人に貢いだ金銭を取り戻そうと法律事務所に協力を依頼する。自分の学費と兄が営む食堂の開店資金のため、やむなく愛人をしていた朱慧茹は困り果...復讐と家族愛/中華ドラマ『無証之罪』

  • 5月8日は鎌倉へ/若き清方と仲間たち(鏑木清方記念美術館)

    ■鏑木清方記念美術館特別展・烏合会結成120年記念『若き清方と仲間たち-浮世絵系画家の新時代-』(2021年4月15日~5月19日)連休終盤、家に籠っているのも気が滅入るので、鎌倉に来てみた。期待していた牡丹や藤は跡形もなかった。人出が少ないので、いつも混んでいる小町通りや御成通りを歩いてみたら、いつの間にか、ずいぶんお店が入れ替わっている感じがした。駅で見かけたポスターに惹かれて同館へ。明治34年(1901)、23歳の鏑木清方をはじめとする若者たちにより、小さな美術団体「烏合会(うごうかい)」が結成されて120周年となることを記念した特別展である。Wikipediaから補足すると、当時挿絵画家として活躍していた月岡芳年・水野年方・尾形月耕らの門下生である青年画家たちが中心となり、浮世絵の伝統を生かした新しい風...5月8日は鎌倉へ/若き清方と仲間たち(鏑木清方記念美術館)

  • 錦絵にみる明治時代(神奈川歴博)+中華街

    ■神奈川県立歴史博物館特別展『錦絵にみる明治時代-丹波コレクションが語る近代ニッポンー』(2021年4月29日~6月20日)同館としては、昨年(明治錦絵×大正新版画)に続く明治錦絵の特別展。今回は、丹波恒夫氏(1881-1971)旧蔵コレクションから、西南戦争、大日本帝国憲法発布など、社会科の授業で学んだような有名な出来事を時代順に取り上げ、明治ニッポンの歩みを錦絵(ビジュアル)でたどる。錦絵は美術品であると同時に歴史資料でもある。近年、月岡芳年とか小林清親とか、芸術性の高い作家・作品に注目が集まっているように思うが、本展では、作者の有名・無名に捉われず、画題の重要性・資料性に着目する。その結果、これまで見たことのない作品も多くて、面白かった。こうした「ジャーナリズム」としての錦絵、ときにはイベントの前に「予定...錦絵にみる明治時代(神奈川歴博)+中華街

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