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  • 相撲生人形をついに見る/リアル(写実)のゆくえ(平塚市美術館)

    〇平塚市美術館市制90周年記念『リアル(写実)のゆくえ:現代の作家たち生きること、写すこと』(2022年4月9日~6月5日)平塚市美術館には初訪問。というか、東京生まれで神奈川県民だったこともある私だが、平塚駅で下りたのは初めてだと思う。繁華な駅前から15分ほど歩いて、美術館に到着した。本展は、松本喜三郎らの生人形、高橋由一の油彩画を導入部として、現代の絵画と彫刻における写実表現を検証し、西洋の文脈のみではとらえきれない日本の「写実」が如何なるものなのか、またどのように生まれたのかを探る展覧会である。生人形(いきにんぎょう)というものの存在を知ったのは、たぶん2000年前後、木下直之先生の本ではないかと思う。ブログ内で検索したら、2006年に東博で、二代・三代安本亀八が作った「明治時代少女」「徳川時代大名隠居」...相撲生人形をついに見る/リアル(写実)のゆくえ(平塚市美術館)

  • 多文化共生の一進一退/団地と移民(安田浩一)

    〇安田浩一『団地と移民:課題最先端「空間」の闘い』(角川新書)角川書店2022.4.10戦後、住宅不足の解消と住宅環境の改善を目指して、1955年に日本住宅公団が設立され、翌年、第1号の公団団地が誕生した(堺市・金岡団地)。それから半世紀、本書は「老い」の境地に入った団地の歴史と現在をレポートする。2019年3月刊行の同名の単行本を加筆修正したものである。1960年に入居を開始した常盤平団地(千葉県松戸市)。農民たちの激しい反対運動もあったものの、入居倍率は20倍を超え、団地は「豊かさ」「明るい未来」の象徴となった。しかし今では住民の半数以上が65歳以上の高齢者となった。団地の自治会長は「孤独死ゼロ」を掲げて奮闘しており、国内外から常盤平の取組みを学びに訪れる人が後を絶たないという。1965年に入居を開始した神...多文化共生の一進一退/団地と移民(安田浩一)

  • 常楽寺の聖観音立像(東京長浜観音堂)を見る

    〇東京長浜観音堂『聖観音立像(長浜市湖北町山本・常楽寺蔵)』(2022年5月12日~2022年6月12日)昨年度末、いったん閉館した東京長浜観音堂が、うれしいことに同じ場所で再オープンした。今年度は、1か月間ずつ4躯の仏さまにお出ましいただくとのこと。7月から2か月間ずつ4件の展示だった昨年度に比べると、やや規模縮小だが、それでも事業を継続してくれるのはありがたい。今年度初のお出ましは、常楽寺の聖観音立像。平安時代後期(12世紀)の作。簡素だが優美で、力みはないのに力強い。一見、ストンとまっすぐ立っているようだが、かすかに腰をひねっている。茎の長い金色の蓮華は、後補と思われるが、よく合っている。とても好きなタイプの観音さま。常楽寺は、長浜市湖北町山本の山本山(やまもとやま)の中腹にあり、地元では山寺(やまでら)...常楽寺の聖観音立像(東京長浜観音堂)を見る

  • 残念もあり/アール・デコの貴重書(庭園美術館)

    〇東京都庭園美術館建物公開2022『アール・デコの貴重書』(2022年4月23日~6月12日)展覧会に惹かれたので、久しぶりに庭園美術館を訪ねた。前回訪問が2011年なので、なんと11年ぶりである。1933年竣工の旧・朝香宮邸(現・東京都庭園美術館本館)は、アール・デコ様式の名建築として知られている。そうした背景から、同館ではフランスの装飾美術に関する書籍や雑誌、1925年のアール・デコ博覧会に関連した文献資料等を所蔵しているという。本展では、同館の所蔵品を中心に1920-30年代の貴重書、絵葉書等を展示する。展示会場は本館と新館で、本館では、アール・デコ様式の建物の各室をめぐりながら、展示ケースに入った貴重書を眺める。新館(2013年竣工、初めて来た)のギャラリーでは、まとめて多くの資料を見ることができた。1...残念もあり/アール・デコの貴重書(庭園美術館)

  • 茶会の再現/燕子花図屏風の茶会(根津美術館)

    〇根津美術館特別展『燕子花図屏風の茶会昭和12年の取り合わせ』(2022年4月16日~5月15日)根津美術館、5月の恒例といえば『燕子花図屏風』の公開である。毎年見ているので、今年はいいかなあと思いつつ、やっぱり見ておくか、と思って、日時指定入館券を購入しようとした。そうしたら、連休中はあっという間に売り切れてしまった。連休明けの10日から15日まで、延長開館(夜7時まで)を実施してくれたおかげで、なんとか見に行くことができた。本展は、昭和12年(1937)5月5日を初日とし、77歳を目前にした根津嘉一郎が、青山の自邸で開催した茶会の取り合わせを再現し、『燕子花図屏風』を楽しむ趣向である。展示室に入ると、茶事の流れに従って、待合席→本席(懐石→炭手前→中立→濃茶)→薄茶席→浅酌席→番茶席のセクションが立てられ、...茶会の再現/燕子花図屏風の茶会(根津美術館)

  • 丸の内でランチとお茶

    連休明けの週末、友人を東京駅の近くでランチに誘った。炭焼・寿し処「くし路」KITTE丸の内店の華かご御膳。「くし路」は、札幌に住んでいた頃、駅前のお店に何度か連れていってもらったことがある、なつかしいお店。KITTE丸の内の6階には、屋上庭園があって、東京駅を見下ろせることを初めて知った。これは地方や海外から東京観光に来た人には、絶対おすすめのビューポイント。2-3階の「インターメディアテク」は、東京大学の学術資源や学術成果を発信する博物館施設。特別公開『音のかたち-東京大学蓄音機コレクション』(2022年4月16日~)が始まっており、米国、英国、日本等で生産された各種蓄音機が並んでいた。怪物みたいに巨大なラッパ(ホーン)に目を見張る。ラッパは木製と金属製があるのだな。好きな人にはたまらないだろうなあ。有楽町方...丸の内でランチとお茶

  • 李(すもも)が倒れるとき/中華ドラマ『風起隴西』

    〇『風起隴西』全24集(新麗伝媒、愛奇藝等)三国時代の諜報戦を描くドラマ。間違いなく後世に残る傑作だと思うのだが、登場人物の正邪が二転三転するスリルが醍醐味なので、ネタバレ抜きに紹介するのがとても難しい。物語の主たる舞台は蜀の国で、西暦228年の街亭の戦いに始まり、231年、李厳の失脚までを描く。隴西(甘粛省東南部)は、魏と蜀の勢力圏がぶつかる最前線だった。蜀の丞相・諸葛孔明を補佐する楊儀は、「司聞曹」という諜報機関を創設し、統括人に馮膺をあてた。司聞曹には、司聞司(敵国での諜報活動)・軍謀司(情報分析)・靖安司(国内の治安維持)の三部門が置かれており、主人公の陳恭は司聞司に属していた。街亭の戦いで蜀軍は魏軍に大敗を喫し、第一次北伐は失敗に終わった。孔明は責任を取って降格を願い出、蜀の宮廷では、孔明のライバルで...李(すもも)が倒れるとき/中華ドラマ『風起隴西』

  • 鎌倉歴史文化交流館+鎌倉国宝館+義時法華堂

    今年の連休は、久しぶりに鎌倉も歩きに行った。残念ながら、流鏑馬など鎌倉まつりの主要行事は再開されなかったが、すっかり人出が戻って、どこも大賑わいだった。■鎌倉歴史文化交流館企画展『北条氏展vol.2鎌倉武士の時代-幕府草創を支えた宿老たち』(2022年4月9日~6月12日)今年は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にちなみ、年間を通じて北条氏に焦点をあてるようだ。第1弾『北条氏展vol.1伊豆から鎌倉へ-北条氏の軌跡をたどる-』(2022年1月4日~3月26日)は見逃してしまったが、第2弾から見に来ることができた。今季は、鎌倉殿・源頼朝を支えた人々を取り上げ、鎌倉幕府の成立に彼らがいかに寄与したのかを紹介するとともに、武士が持つ和歌や信仰などの「文」の側面にも注目する。「文」の側面だが、頼朝は勅撰集に10首入集しており...鎌倉歴史文化交流館+鎌倉国宝館+義時法華堂

  • 羽生結弦展2022(東京)+MUSE ON ICE(京都)

    連休中に見に行った展覧会のレポートが、まだ書き切れていない。まず、東京と京都で見たフィギュアスケート関連の展覧会から。■日本橋高島屋S.C.『羽生結弦展2022』(2022年4月20日~5月9日)読売新聞の報道写真を中心に、スポーツフォトグラファーの田中宣明さん、写真家の能登直さんの作品を加えた写真パネル約100点、さらに羽生選手の衣装や用具、メダルなどを展示し、最新シーズンまでの歩みを振り返る。2018年の『応援ありがとうございます!羽生結弦展』(4月~高島屋日本橋店ほか巡回)も見に行きたかったのだが、長蛇の列ができる大盛況と聞いてあきらめた記憶がある。今回は、事前予約制(入場無料)だったので、幸い、参観することができた。シニアに上がったばかりの頃の初々しい写真(ロミジュリの衣装!)に始まり、さまざまなプログ...羽生結弦展2022(東京)+MUSEONICE(京都)

  • 絵巻・古筆もあわせて/大蒔絵展(MOA美術館)

    〇MOA美術館『大蒔絵展漆と金の千年物語』(2022年4月1日~5月8日)MOA美術館で始まった『大蒔絵展』がすごい、という噂を聞いたので、必ず行こうと思っていた。会期末の週末に東京から出かけることを予定していたが、思い立って、関西旅行の帰りに途中で寄ってしまうことにした。私がMOA美術館を最後に訪ねたのは2014年で、2017年にリニューアルオープンした後も全く来ていなかったので、熱海駅に下りて、駅ビルがおしゃれになり、駅前のバス乗り場が整備されていることに驚いた。会場に来て初めて知ったのだが、本展は、MOA美術館、三井記念美術館、徳川美術館の3館が共同で開催するものだという。本展を皮切りに、2022年秋には三井記念美術館、2023年春には徳川美術館での開催が予定されており、3会場あわせて70点以上の名品を通...絵巻・古筆もあわせて/大蒔絵展(MOA美術館)

  • 2022年5月関西旅行:東寺、六孫王神社

    関西旅行3日目。行きたかったところは2日目までに全て行けたのと、期待していた神護寺の宝物虫払いが今年も中止だったので、最終日をどう過ごすか考えた結果、予定より早めに京都を離れることにした。あさイチで東寺へ。すでに食堂の納経所に長い列ができていてびっくりした。久しぶりに見る光景だが、案内の方が、手際よく列を捌いていた。ご朱印をいただいたあとは、夜叉神堂にお参りするのが私の定番コース。すると、どちらのお堂も本物の夜叉神立像ではなく、等身大の写真パネルが飾られていた。おや?昨年7月には雄夜叉神だけが「御遷座」だったのに。「雄夜叉神立像は、修理を終えて宝物館に御遷座しています」の貼り紙。そして現在は、雌夜叉神が修理に入っているらしかった。■東寺宝物館2022年春期特別展『東寺と後七日御修法-江戸時代の再興と二間観音-』...2022年5月関西旅行:東寺、六孫王神社

  • 2022年5月関西旅行:細見美術館、龍谷ミュージアムほか

    ■浄土宗総本山知恩院(京都市東山区)「春の京都非公開文化財特別公開」の企画で、通常非公開の大方丈・小方丈が公開されているというので来てみた。狩野尚信、信政らによる襖絵が見どころ。特に大方丈・鶴の間の襖絵は、2005年から建物の修理工事の関係で佛教大学宗教文化ミュージアムに預けられていたが、本年2月に知恩院に戻ってきたもので、16年ぶりの公開となる。金地の背景に、黒と灰色の羽根をまとった鶴たち(マナヅルか?)が力強く描かれていて、華やかというより、厳粛な雰囲気だった。尚信って、江戸狩野の人だと思っていたが、京都や大阪での制作にもかかわっているのだな。■細見美術館琳派展22『つながる琳派スピリット神坂雪佳』(2022年4月23日~6月19日)近代京都において図案家・画家として活躍した神坂雪佳(1866-1942)の...2022年5月関西旅行:細見美術館、龍谷ミュージアムほか

  • 2022年5月関西旅行:最澄と天台宗のすべて(京都国立博物館)

    〇京都国立博物館伝教大師1200年大遠忌記念・特別展『最澄と天台宗のすべて』(2022年4月12日~5月22日)関西旅行2日目は京博からスタート。開館20分前くらいに行ってみたところ、まだ列はできておらず、10~15人くらいがパラパラと門前に立っていた。しばらくすると中の人が出てきて「博物館のフェンスに沿ってお並びください」とアナウンスする。結局、開門前には50人前後が並んだと思うが、いつもの特別展に比べると、少ないほうだと思う。ほぼ先頭で入館できたので、巡路どおり第1室から見ることにした。冒頭には兵庫・一乗寺の『聖徳太子及び天台高僧像』から「龍樹」と「善無畏」。善無畏像はいちばん好きなので、得をした気分。龍樹像も赤やピンクが基調で、華やかで美しい。東京では見られなかった兵庫・福祥寺の『天台四祖像』(南北朝時代...2022年5月関西旅行:最澄と天台宗のすべて(京都国立博物館)

  • 三省堂、神保町本店ビル建て替え

    三省堂書店の神保町本店が、施設の老朽化に伴い建て替えられることになり、現在の建物で営業を5月8日で終了することになった。連休の谷間の5月6日(金)、仕事は休みを取ったので、久しぶりに神保町に行って、別れを惜しんできた。ちょうど買いたい新刊書があったのだが、仮店舗への引っ越し準備が始まっているのか、全体に品薄で、私の探している本もなかった。仕方ないので、2階の「UCCカフェコンフォート」で、クラシックなプリンアラモードを食べてきた。近年、書籍の発行点数は減少気味で、私自身、リアルな書店に滞在して、ゆっくり棚を探索する機会は減ってしまった。だいたいネット等で目星をつけたものを、サッと買って帰ってしまう。なので、建て替え後の店舗が拡張される可能性は低いと思っているが、せめて今くらいの棚数が残ることを祈っている。三省堂、神保町本店ビル建て替え

  • 2022年5月関西旅行:大和文華館、大安寺のすべて(奈良博)

    ■大和文華館特別企画展『泰西王侯騎馬図屏風と松浦屏風-越境する美術-』(2022年4月8日~5月15日)関西旅行、まだ初日のレポートである。大阪で中之島香雪美術館と大阪市立美術館を見たあと、奈良の大和文華館へ向かった。本展は、東西の文明圏の境界を越えて行き来し、それぞれの地に根付いた美術工芸の諸相を眺める特別企画展。冒頭には「越境」が生み出した3つのうつわが並ぶ。ひとつはドイツのマイセン窯でつくられた柿右衛門写し。もうひとつはオランダ製の逆三角形のワイングラスで、東インド会社(VOC)の旗を掲げた帆船と農夫を表わす。口縁に「祖国に繁栄を」の文字あり。最後は大越国(ベトナム)の銘を持つ山水人物文の茶碗で、日本から注文を受けて焼かれたものだという。どれも興味深い。本展にはサントリー美術館所蔵の『泰西王侯騎馬図屏風』...2022年5月関西旅行:大和文華館、大安寺のすべて(奈良博)

  • 2022年5月関西旅行:華風到来(大阪市立美術館)

    〇大阪市立美術館特別展『華風到来チャイニーズアートセレクション』(2022年4月16日~6月5日)同館は本年秋から約3年間の大規模改修工事に入ることになっている。本展は、長期休館の前に館蔵品によって行う特別展で、中国美術とその影響を受けた「華風=中国風」の日本美術を選りすぐり、中国文化の魅力と広がりを紹介する。はじめに阿部コレクションを中心とする中国明清の書画。堆朱盆や豆彩・青花の磁器など工芸品も取り合わせる。明・沈周の『菊花文禽図』(だったかな?)。明・呉歴『江南春色図』(だったと思う)。安野光雅さんの『旅の絵本』みたいに、高い視線から眺めた、やわらかい色彩のひろびろとした風景が続く。時折、そこに暮らす人々の姿が小さく見える。とても愛おしく感じた作品。次に「古いもの」の括りで、師古斎コレクションの拓本と銅鏡、...2022年5月関西旅行:華風到来(大阪市立美術館)

  • 2022年5月関西旅行:来迎(中之島香雪美術館)

    〇中之島香雪美術館企画展『来迎たいせつな人との別れのために』(2022年4月9日~5月22日)今年のゴールデンウィークは、1日休めば7連休、2日休めば10連休のカレンダー、しかしまだ海外渡航はできないので、関西2泊3日にとどめておいた。初日、久しぶりに満席に近い新幹線で大阪へ。阿弥陀如来が聖衆を率いてお迎えに来る「来迎図」、死後に向かう極楽のありさまを描く「浄土図」など、浄土信仰の美術を紹介する。これまで何度も見てきた来迎図だが、「平安時代までは阿弥陀如来は必ず座っている(他の菩薩は立ったり座ったり)」「鎌倉以降は立像形式が増加」「立像の阿弥陀如来の周囲を諸菩薩が囲む形式を『円陣来迎図』という」等の整理が腑に落ちて、とても面白かった。阿弥陀如来の脇侍である観音・勢至は『白宝口抄』という書物では「二十五菩薩」の中...2022年5月関西旅行:来迎(中之島香雪美術館)

  • 初夏のモッコウバラ

    今年のゴールデンウィークは、久しぶりに観光地に人出が戻っているようだが、東京は冷たい雨の日が多い。仕舞ったはずのセーターやフリースを引っ張り出して、家の中で震えている。それでも今日(5/3)から2泊3日で関西方面へ。晴れるといいな。4月末に、上野毛の五島美術館に出かけたときに見たモッコウバラ(木香薔薇)の写真を挙げておく。初夏のモッコウバラ

  • 遊ぶ、装う人々/人のすがた、人の思い(大倉集古館)

    〇大倉集古館企画展『人のすがた、人の思い』(2022年4月5日~5月29日)各種収蔵品を通して、人々がどのようなすがたや形、そして動きをしているか、どのような思いが表現されているかを探る。新型コロナによる行動制限が続く現在、あらためて人と人の交流の大切さを見直してみたいという思いが込められているという。最初のテーマ「女性の姿」では『狂言面乙』に惹かれた。おかめ、おたふくとも呼ばれる、あまり美しくない女性の面であるが、ネットで検索すると、実に様々な種類があることが分かる。展示品(江戸時代・17世紀)は、目鼻口が顔の中央に集まった、極端な下膨れで、ちょっと怖い。醜女をあらわす面だが、仏像の役に用いることもあるそうだ。『鳥毛立女図』(大正時代)は正倉院宝物の模造品だが、どういう事情でこれが制作され、同館に入ったのか、...遊ぶ、装う人々/人のすがた、人の思い(大倉集古館)

  • あふれる物語/鏑木清方展(国立近代美術館)

    〇国立近代美術館企画展『没後50年鏑木清方展』(2022年3月18日~5月8日)日本画家・鏑木清方(1878-1972)の大規模な回顧展。見どころのひとつは、2018年に同館が収蔵した美人画の名作『築地明石町』『新富町』『浜町河岸』三部作の公開である。事前にチェックしたら三作品は通期展示だったので、すっかり安心して、見に行くのが会期ぎりぎりになってしまった。冒頭は「生活をえがく」をテーマに、市井の風俗、風景などを描いた作品を集める。『雛市』や『鰯』のような明治の風俗から、近世初期の遊楽図を思わせる『若き人々』、浮世絵ふうの『墨田河舟遊』なども。『讃春』は昭和の大礼を記念し、三井財閥の岩崎家から皇室に献上された作品で、左隻は隅田川に浮かぶ船と水上生活者の母子、右隻は宮城を背景にセーラー服姿の女学生を描く。おもしろ...あふれる物語/鏑木清方展(国立近代美術館)

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