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油屋種吉
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2013/08/16

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  • 九月二十九日(日)くもり

    六時に起きて、庭先の縁台にすわった。突然わたしが歩いてきたのに驚いたのだろう。小さな茶色のかえるがぴょんぴょんはねた。家の裏が水田。春から夏にかけ、おたまじゃくしがすいぶんと泳いでいた。かれらが今では成長し大人になったのだ。かように田舎は生き物が豊富で、朝から晩までにぎやかなものである。稲の穂がこうべを深く垂れ、稲刈りを催促している。ちょっと危険な田んぼ。猪よけの電気柵がまわりをかこんでいる。それでもかまわず、モミ食べたさに、果敢にイノシシがつっこんでいるらしい。あちこちで、電線が垂れ下がっている。空はいまだ曇っていて、そよとした風もなし。とても涼しい。ゆうべは音立てて雨が降っていた。ひと雨ごとに秋がしのびよってくる気配あり。きのうは壬生のおもちゃの街をたずねた。大きな園芸店で、塾ののぼりを物色したが、お...九月二十九日(日)くもり

  • せっせと草刈り。 (4)

    一日休んで、きょうは草刈り。そう思い、起きがけにグラス一杯の水を飲もうと台所に行った。ここ二十数年来の習慣である。これから動くぞ。そう、おのれの体にいいふくめることが出来るらしい。寝起きの、まして高齢者の身体である。せかせかと動くと、ちょっとした危険がともなうからである。野良着にきがえ、「田んぼに行くよ」と声をかけた。しかし、連れ合いは、見あたらない。「気をつけて」ようやく返事が耳にとどいた。玄関から向かいのガレージに向かった。鎌と砥石、それから一般ごみの入った袋を一輪車にのっける必要があった。両手でハンドルを持ち、一歩二歩と歩き出したが、いかんせん、からだが重い。「ちょっと体の調子がわるい」「きょうは休むといいよ。その年までがんばったんだから。あとは無理しないこと」「ああ……」わたしはばたばたと野良着を...せっせと草刈り。(4)

  • せっせと草刈り。 (3)

    九月十七日(火)くもりのち晴れ朝方はとても涼しかった。気温をみると、なんと摂氏23度。空は灰色の雲におおわれていて、お日さまが顔を出す気配がまったくない。(こりゃあ、一日、楽勝楽勝)すこぶる元気づき、自然と相好がくずれる。しかし、しかしである。午前十時を過ぎるころには、二階の屋根が白々としてきた。「あれれ、やっぱりだめでしょうか」おらは窓際に寄り、ひとりごちた。きのうは山の畑の小道の膝上二十センチくらいまでにのびた草を、幅二メートルにわたってせっせと刈った。二時間くらいついやして、きょうのからだはそのせいでけっこうくたびれている。「きょうはお休みにしてしまおう」と声に出し、ドサリとPCの前にすわった。ブログを、なんと、三つも四つも書かせていただいている。まことにありがたいことで、その日、その時の気分に応じ...せっせと草刈り。(3)

  • せっせと草刈り。 (2)

    九月十四日。曇りのち晴れ。きょうは草刈りはお休み。そんな気分でいるのが、わが愛しのからだはわかったのだろう。張りつめていた筋肉が、ふいにだらけた。どっと疲れが出てしまい、エアコンのきいた座敷のソウファで横になる始末。しばらくして、せがれが、「父さん、どなたかお見えになったよ」と、耳もとでささやくように言った。「ううん……」と言ったきり。わたしはすぐには起き上がれなかった。お客の用はせがれの応対で済んだらしく、それ以上しつこく起こしに来なかった。むにゃむにゃ寝言を放って、再び眠った。やけに首が痛むので、目が覚めた。頭をのせていたソウファの肘つき。それがあまりに高かったらしい。からだのねじがゆるんだら、あたまのねじまでしまりがなくなった。ひとつふたつと用を思い出す。中には、はっとするような急用があって、唇をか...せっせと草刈り。(2)

  • せっせと草刈り。 (1)

    九月十日。晴れ。この日は、草刈り。おおよそ二日か三日に一度と決めている。もちろん体調をおもんばかってのことだ。あと数年で喜寿。使いに使った身体だ。いつなんどきどんな変化がみられるやもしれぬ。母方の祖父が、脳卒中を発症したのは、彼が七十歳になる寸前のこと。昭和でいうと四十三年だった。わたしはその日、たまたま、勉学のために下宿していたY県T市から郷里に帰った。「なんやお前、誰もじいちゃんのこと、知らせへんのに。ほんま不思議なことがあるもんやな」知らせを聞いて、自分の生家にかけつけていたおふくろが彼女の姉とおしゃべりしている最中だった。わたしを見るなり、目を丸くした。「これってな、きっとムシの知らせっていうものやで」いっしょにいたおふくろの姉が、自信満々にそう言うと、「そうやなあ。じいちゃん、K夫のことが大好き...せっせと草刈り。(1)

  • せっせと草刈り。

    生まれて初めて、おなかにメスを入れた。ほんというと切りたくなかった。「親にもらったからだ。傷つけたくないですよ」大きな声で叫びたかったが、「オペしないと症状がおさまらないんですよ」とのお医者さまの返事。そけいヘルニア。外科的には軽いオペだといわれたが…。オペなど受けたことがない。まったく実感がわかなかった。オペ以来、常時、おなかに力が入らぬよう心がけている。あまりに重いものが持てない。ゴルフなどご法度である。むりすると、反対側のそけい部も脱腸をさそう恐れがあるらしい。左側だったから、リンパを外した。右側もヘルニアになってしまうと、足のむくみがひどいらしい。いとこが右側にヘルニアをわずらった。彼女の話を聞いて、良くわかった。人のからだはよくできたもの。そう実感する日々である。高齢者の七人にひとりがなるという...せっせと草刈り。

  • 残暑に、ひと言。

    九月六日。この日も暑い。残りの夏といったお天気なのだろうが、午後二時あたりで、気温が摂氏三十五度を記録しそうな勢いである。いま、二階の書斎にいて、この記事を書いている。首からひたいにかけて、たちまちのうちに汗ばんでくる。早くおわそうと思うが、暑さのせいで頭がぼんやり。書き終えるまでに、どれほどの時間がかかるか見当がつかない。パソコンのわきに、一冊の文庫本。「ベスト・エッセイ」著者は、今は亡き向田邦子さん。みなさん、よくご存じの直木賞作家。「渡る世間は鬼ばかり」テレビドラマで人気を博した。随筆や短編小説の名手でもある。わずかなりとも、向田さんの語り口を学べたらと思い、折に触れては読ませていただいている。しかし、書きものはやはり才能。何やかやと書き出して早や、十三年。ちょっぴり作文力がついたくらいでは、ものの...残暑に、ひと言。

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