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油屋種吉の独り言 https://blog.goo.ne.jp/knvwxco

種吉が今と昔のお話をいろいろに語ります。

ライフスタイルブログ / 季節感のある暮らし

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油屋種吉
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栃木県
出身
奈良県
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2013/08/16

油屋種吉さんの人気ランキング

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  • フラジャイル。 (1)

    フラジャイル。 (1)

    ピーピー鳴っていた笛が突然やんだ。しかし、台所にいるはずの陽子から何の返事もない。キャベツを切る音も、包丁をふるう音もしなくなった。床を何かがはうような物音がする。何かを求めているのだろう。陽子が腰をかがめているらしく、カウンター越しに彼女の姿が認められない。それからバタンとお勝手のドアが閉まる音がつづいた。「もおう、どういうことよ。そこにいたんなら何か言ってよ。外に出るんなら出るわよって、ひと言、声をかけてくれたっていいじゃない」真弓が怒った調子で言った。「忙しいのよあたし。学校へ行くんだしね。探し物もあったの。せっかくきこうと思ったのにきけないじゃないの」真弓は台所の方を向き、しばらく立ち尽くしていたが、あきらめたのか居間のソファに腰を下ろした。左手に持っていた歯ブラシを、もう一度口にくわえ、ふんふん...フラジャイル。(1)

  • フラジャイル。 プロローグ

    フラジャイル。 プロローグ

    ある日曜の早朝。T川の河川敷に近い団地の一角に、中学二年生になったばかりの真弓の家がある。どの家もまるで兄弟姉妹のよう、よく似ていて見分けがつきにくい。土手の八重桜の花が散ってしまい、朝な夕なに人々が散策する小道をおおっている。人影はまばら。見るからに年老いた茶色の犬に、年老いた男の人がおぼつかない足取りで付き添っているのが、ダイニングルームの窓から見える。台所と居間を仕切るのは、長さ数メートルのカウンターだけである。時刻は、午前六時ちょっと前。母の陽子が食事のしたくに忙しい。いつもの休日らしくない。髪をきっちり整えている。広めのフライパンの中には、すでに焼かれた卵が黄身を真ん中にして、白身が丸く広がっている。それぞれの白身が折り重なっていて、ちょっと窮屈そうだ。平たくて白い皿が四枚、すでにカウンターの上...フラジャイル。プロローグ

  • 天網恢恢、疎にして漏らさず。

    天網恢恢、疎にして漏らさず。

    ブロ友のみなさま。あしたから五月ですね。「新しい朝」そんなあしたがこの世にやってくる予感にかられました。ようやく、といった感じです。しかし相変わらず、自死する方が非常に多い。新しい朝って?どこがどうして?タイトルとどんなかかわりがあるの。そう訊ねられそうです。ラジオ体操の歌の文句の中にありましたよね、この言葉。テレビやラジオから流れてくるニュースを聞いていまして、今朝ほどふっとそんな想いがわいたのです。何をして、新しいと思うのか。それは、読者さまたちのお考えにおまかせしたいと思いますが……。インターネットでつながっている。そんな中で、こうやって、ひと言述べるのはとても気をつかいます。どなた様が読んでいらっしゃるかわからないから当然ですよね。ところで、お釈迦さまが亡くなられてのちどれくらいの歳月が過ぎ去った...天網恢恢、疎にして漏らさず。

  • 忘却。 補遺

    忘却。 補遺

    それからどれくらい経っただろう。冬の日は短く、間もなく、漆黒の闇が辺りを包みこもうとしていた。件のサイデリアの奥まった駐車場。その片隅に、何やらおもちゃの蛇のような細長いものが最寄りの街灯のもとでほの白く輝いていた。よく観ると、それは今はやりの精巧にできた恐竜のミニチュアに酷似していた。足が四つあるのが、気になる。しかし、もっと現実味のあるもので、首から尻尾にかけて、からだの表面に、あちこち赤っぽいペンキがまだらに付いていた。時折、ひくひくと動く。裂けた口から、何やら数珠状の黒っぽい玉がころがり出ている。米英では蛇はスネイク、トンボをドラゴンフライと呼ぶ。ふたつの目玉で、かっとにらまれれば、いかなつわものでも怖気づいてしまうだろう。その小さな蛇は自ら、渾身の力を尽くし、物影に自らの体を隠そうと試みたあげく...忘却。補遺

  • 忘却。 エピローグ

    忘却。 エピローグ

    「あんた、どうすんのよ。げっぷばかりして。あたし、ふたりでお茶するの、楽しみにしてたのよ」めったに言わない言葉を、思わず、口にしてしまい、かみさんがほほを染めた。「ううん、そうだなあ。お茶だけでいいのか」「食料いっぱい買い込んだけど、これは明日からの分でいいわ。今晩はどこかで食べたいわ」「ふうん、そうさなあ」おれは腹ぐあいを確かめるつもりで、ハンドルから左手を離した。のの字を書くように、腹の上で左手を動かす。「ちょっとだけ、大丈夫みたいだぞ。食後のデザートの用意もできてるし」「デザートって?」「いやなに……、なんでもない」「いやだわ。男のくせに、一度言いだしたことをひっこめるなんて」安上がりでいいわとかみさんが言うので、ふたりしてサイデリアのドアを通る。(先ずはドリアドリア、コインみっつで食べられる……)...忘却。エピローグ

  • 喉もと過ぎれば……。

    喉もと過ぎれば……。

    こんにちは。ブロ友のみなさま。いかがお過ごしでしょうか。わたしは、このところ、あまり元気がありません。なぜかといえば、詐欺メールに、見事なまでにひっかかってしまったからです。どうやって、彼は、わたしのクレカの詳細を知るのでしょう。どうしたら、わたしのいのちの次に大切なものを抜き取ることができるのでしょう。彼なりに必死に考えたのでしょう。敵は手ごわい。クレカについての知識を、充分に認識しています。異変は三月の半ばにありました。PCの画面に、明らかに、詐欺だとわかるくらいの画像が現れました。わたしは直ちに鹿沼ケーブルに電話。「この画像を削除するにはどうしたらいいでしょう」「では、こうしてください」この判断は正しかった。即座に、正確な処理のしかたを教えていただき、事なきを得ました。問題はこのあとでした。発信元が...喉もと過ぎれば……。

  • 忘却。 (4)

    忘却。 (4)

    かみさんの小言は、スーパーの玄関を出る際にもつづいた。(また始まったか。まったくいつまで続くのだろう)おれは思わず、あらぬ方を見つめた。その瞬間、ふっと何かが、おれの視界を横切った。年輩の女の人らしかった。割烹着を草色の着物の上に重ねていた。横顔がどこかで見たことが……と思ったら、もうこの世にいないはずのおれのお袋に似ていた。(おれを心配して、お袋は、自分の若いときの姿で出て来てくれたのだろうか、あれは白昼夢だったんだ。そうに違いない)おれはしばらくしてから、そう思った。かみさんの小言は、まるでしとしとと降ってはやみ、降ってはやみする、菜種ツユのようだった。ぶつぶつと小声で言っている。そのぶんエネルギーの消耗が小さい。だから、ねちねち、ねちねちと長引いてしまうように思われた。おれが少しでも、その小言に対し...忘却。(4)

  • 忘却。 (3)

    忘却。 (3)

    久しぶりに、二人してドライブ。若い頃なら子育てがあったりで、協力関係を保つのは当然である。しかし、双方とも古希を過ぎた身では、なかなか共通の話題が見当たらない。ともすると、互いに別々の行動に走ってしまうが、まあそれも良しとするのが夫婦が穏便にやっていく秘訣らしい。スーパーマーケットでのショッピングひとつするのにも、ツウと言えばカーというわけにはいかならなかった。互いにプラスとマイナス。近寄れば、パッと火花が散りそうな雰囲気になってしまう。こんな場合、男のほうが常に引く。しかし、こころの中でわだかまっているものをいつまでもそのままにしておくのは体にわるい。「あああ、いいい、ううう、ええお」おれは、少し離れて歩くかみさんの耳に入らない程度にうつむき加減でつぶやく。そんな調子で、ひと通り、かみさんの欲しいものを...忘却。(3)

  • 忘却。 (2)

    忘却。 (2)

    二階の部屋。外向きの窓は二枚のガラス戸になっている。けっこうな重量感があり、開け閉めするのに両手を使わざるをえないほどである。いちばん外側に雨戸があり、次に網戸がひかえている。三番目がガラス戸。その内側に障子戸が外からの陽光をさえぎっている。階下のかみさんの動向が気になるが、自らの身体の不調のほうが問題で、ちょっと横になってれば、いつもの身体にもどるだろうとたかをくくり、右向きで身体を、くの字型に保つ姿勢をとった。そのうち両のまぶたに鳩がとまったらしく、この頃とみに、てっぺんあたりが薄くなった頭を、上下にこくりこくりと振りだした。「あんた、寝てたんだね。道理で静かだと思ったわ」耳もとで、かみさんがそうささやくのを聞くまで、おれは夢の世界にどっぷりつかっていた。「うん……、ああ、まあ、そうみたい」ようやく、...忘却。(2)

  • 忘却。 (1)

    忘却。 (1)

    「あんたあ、どうしたのよ。寝てるのお。いい加減に下りて来てよ。用があるのよお」かすかに、かみさんの声がした。彼女はきっと、声を張り上げているに違いない。それがきわめて小さく聞こえるのは、おれのせいだろう。おれがいまだに目が覚めず、うつらうつらしているからに違いない。しかし、それにしても、何かが変だった。生来、せっかちの性分。いつもなら、彼女の声を耳にしただけで、胸の辺りがどきどきざわざわしだす。おかしなことに、今回はそうはならない。至って平静である。どっしりと構えている。しかしながら、頭のどこかで、以前のくせを憶えているのだろう。だんだんにもともとの性分の芽が出始めると、そわそわしだした。(早く返事しなけりゃだめだ。そうでないとまたまた彼女の機嫌を損ねてしまう)それっと、ベッドの上で起き上がろうとしたが、...忘却。(1)

  • 忘却。

    忘却。

    シュバッ。不意にスマホが音を立てた。誰かがメールを寄こしたらしい。しかし、ラインのトーク印が朱色に染着信の形跡がない。それじゃメッセージだろうと思い、アプリをタップし中身を調べた。あった。発信者の苗字がおかだとある。「おれだよ、おれ。どう、元気?」言葉に親しみがこもっている。おかだ、おかだ、おかだ……。こころの中でそう言ってみるが、その苗字についての記憶の糸が、容易に見つからない。(ああ、とうとう、おれも……)急降下していくエレベーターに乗っているような気がして、意識が遠のく。やっと自分らしくなり、ああでもないこうでもないと、返信をためらっているうちに、ふたたびメッセージが届いた。「ほら、高校時代のおかだだぜ。わかんないのか。かわいそうにその歳でな」ぼけ老人にされてしまった。そんなひどいことを言うんじゃ、...忘却。

  • 口にするものは……。

    口にするものは……。

    こんにちは。ブロ友のみなさま。ようやく桜の花がひらいたと思ったら、夏日になるのですもの。驚きますよね。そして、次の日は気温が急降下。夕方になって、タンスにしまった服をもう一度身につける始末です。57年前のT大入学式。桜が満開でしたが、灰色の空から、白いものがふわりふわり。たちまちにして、ピンクの花びらが視界から消えてなくなりました。(えらいところに来たもんや。まあしゃあない。地元も阿波も受け入れてくれなかったんだから。ああ、もっと性根入れて勉強しとけば良かった)わたしの身体は、肌をさす空気の中で、ぶるぶる震えていました。甲州の郡内地方の冬。やっぱり、富士山のふもとは寒いのだなあと、手袋をはめない両手に、白い息を吹きかけました。ある冬の夜、銭湯に向かいました。行きはよいよい、帰りはこわい。風呂上がりで濡れた...口にするものは……。

  • ポケット一杯のラブ。 エピローグ

    ポケット一杯のラブ。 エピローグ

    今でこそはYは平気で女の子に、声をかけられるけれど、もともとはすごいひっこみ思案だった。M子と出逢い、胸の奥から、なにやらあったかいものがわき上がってくるようになってから、ちょっぴり自分を信じられるようになってきた。共にやった郵便局の社会学習はせっかくの良い機会だったし、M子とはあれきりで終わりにしたくないと思う。ある日、自転車で家に帰る途中、M子を見かけた。幸いなことに、あたりに人影がない。自転車を降りて、声をかけた。ほんの五、六歩あるくだけの距離がとても長く感じられた。「ねえ、M子、いっしょに帰らない。定期テストも近いし、いっしょに勉強しない」ふいにわきから女の子の声がかかった。M子がふり向き、Yを見てあらっという顔をした。すぐに、プッとふきだす笑いを、鼻のあたりに浮かべてから、M子の友の方に向きなお...ポケット一杯のラブ。エピローグ

  • ポケット一杯のラブ。 (6)

    ポケット一杯のラブ。 (6)

    最寄りのバス停留所に、Yがはあはあ言いながら駆けつけたとき、Yは、M子の様子がさっきとまったく異なり、不機嫌になっているように感じた。Yに対面の姿勢は保っているが、彼女の目は地面を見つめている。「あったよ。はいこれっ、良かったね。上司の女の人が気づいて、とっといてくれたんだ。そんなに気に入らないような顔してる理由がわかんないよ。これでもおれ、一所懸命、バスの時刻に間に合わせようと、一所懸命だったんだ」M子はいまだに顔を上げない。紙袋を受け取ると、すぐさまそれを左手でつかみ、自分の背後に回した。「ありがとう。でも、何が良かったよ。わたし何もいいことなんてないわ」M子に気おされ、Yは、びくりと身体をふるわせた。「なんでそんなに怒られなくちゃならないんだろ。だいじょうぶかい。腰のほうは?軽く足踏みしてるようだっ...ポケット一杯のラブ。(6)

  • 十三歳の頃って。

    十三歳の頃って。

    中学二年生をあつかっていますけれどどうだったのかな。その頃の自分って?今の歳からみると、ずいぶん昔の話ですね。でも、ちょっと振り返って考えるのもありじゃないか。勉強になるんじゃないか。そう思い、つらつら思いだしながら書き綴ってみることにしました。もちろん、それを通して、今どきの中二のみなさんの思いに少しでも触れれば最高ですよね。昭和三十年の後半でしたね。あれは確か、三十七年だったか。そうですね、池田勇人さんが総理大臣だったでしょう。最初の五輪をひかえ、国民ひとりひとりがわくわくどきどきしていました。橋幸夫さんと吉永小百合さんが歌った「いつでも夢を」その歌が当時を象徴していました。親の手伝いをさせられた時代でしたね。五右衛門ぶろをわかす仕事やら、にわとりの世話、それに飼い犬の世話。堀っこに行って、にわとりが...十三歳の頃って。

  • ポケット一杯のラブ。 (5)

    ポケット一杯のラブ。 (5)

    局勤めは、裏門からの決まり。まっすぐ前を見ると、車庫に原付自転車がいくつか並んでいるのが見える。神さまお願い、きょうこそ、仕分けや配達の仕事がうまくできますようにと、目をつむりたくなる瞬間だ。「ちぇ、こんな時でも、いつもの癖が出てしまう。ああ、びくびくすんなよ。今は、M子の忘れ物を取りに来ただけなんだから」Yは、われとわが身をいたわる。中学生の二週間にも満たない社会勉強であるにもかかわらず、気を遣う。本当の職員さんの気遣いは、真剣勝負といったところだ。しかし、このところ、局に、お客さんからのクレームが多い。主に、配達にかかわる不平不満。「もう、日にちがかなり経っているのに、相手から返事が届かない。急を要したから速達で頼んだのに、一体どうなっているのですか」「すみません。調べた上で、すぐにお返事さしあげます...ポケット一杯のラブ。(5)

  • ポケット一杯のラブ。 (4)

    ポケット一杯のラブ。 (4)

    これほど率直に自らの想いを他人、ましてや女の子にぶつけられるとは……、ちょっと前まではとてもじゃなかった。どうせ自分なんか幸せになれるものか。いや幸せになってはいけないんだ。そんな想いが思春期に入ったばかりのYのこころをむしばんだ。どうしてそんなことを考えてしまうのか。Y自身よくわからなかった。足早に郵便局へともどりながら、Yはこれまでの十四年足らずの人生を、振り返った。父母と祖母そしてYの四人暮らしだった。母と祖母に対する気遣いが、子どもなりに半端じゃなかった。幼い頃は、母と祖母、互いに相いれないところがあると感じながらも、久しぶりの男の子誕生のうれしさがあって、祖母は母に対して感謝の念さえ持っていた。「可愛い子を産んでくれてありがとう」祖母の母への一言が、それを象徴していた。人間として正直で率直な気持...ポケット一杯のラブ。(4)

  • ポケット一杯のラブ。 (3)

    ポケット一杯のラブ。 (3)

    ガチャガチャとまるで買い物カートの小さな車輪が何かの故障でうまく前に進まない気鬱を思い起こさせるような物音が背後でして、M子とYが驚いて首を回した。嘱託あつかいのBさんが、配達用自転車に乗ってやって来るところだった。いかにも古くて頑丈そうな自転車。今どき、どこかで買いたくても、めったに店では買えない代物である。荷台あり、押せばプカプカと鳴るラッパあり。にぎやかなことこの上ない。太いパイプがハンドルになっていて、ブレーキをかけるのが大変。いざという場合、右と左のざりがに似のはさみに似た部分を、それぞれぎゅっと握りしめねば止まることができない。昭和五十年くらいまで、牛乳を配達したり、豆腐を売り歩いた人が、しばしば用いたものである。突然、キキッとブレーキのかける音がした。改めてM子とYが目を丸くした。Bさんが自...ポケット一杯のラブ。(3)

  • まさかの出来事。

    まさかの出来事。

    こんにちは。ブロ友のみなさん。あれから13年目ですね。未曽有の大震災の犠牲になられた方々の御霊に改めて鎮魂の祈りを捧げます。大地震や巨大津波から運よく生きのびた方々にまさかの原発建屋の水素爆発がつづきました。放射能に汚染された物質が、四方八方に吹き飛ばされ、風の吹くまま拡散して行きました。それらは雲となって、わたしの住む栃木県の北の山なみから日光連山までをおおいつくしたことです。我が町の山間部の小学校の運動場の土の入れ替えをしなくてはならないほどの被害でした。山々を除染することなどできない相談でそこに住む動植物にどれくらいの影響があったかなど知るすべはありません。放射能が半減するのにかかる時間はどれくらいでしょう。福島原発の建屋内部に残っている、燃え残りの放射性物質をすべて、取り除くのに一体どれくらいの月...まさかの出来事。

  • ポケット一杯のラブ。 (2)

    ポケット一杯のラブ。 (2)

    Yは長い間、とても恥ずかしがり屋だった。それがどうしたことか、M子とともに郵便局で会って以来、人が変わったように明るくなった。それでも、なかなか一歩進んでM子と話せないでいた。M子が腰を痛めたことを聞き、とても気にしていたが、自らすすんで彼女にからだの具合をたずねることができなかった。さいわいにして、主任のNさんが後押しがあったから、休憩室に来たようなもの。そうでなければ、Yはずっと行くか行くまいかと悩んでいたことだろう。YがM子のあとに従っていく。「ありがとうね。わたしはだいじょうぶだから、あなた持ち場にもどって。ゆっくり歩いてくから。心配しないで」「うん」M子にそういわれると、Yは小さくうなずき、くるりと方向を変えた。しかし、M子のことが気になる。Yは立ち止まり、振り返った。M子の後ろ姿がゆらゆらして...ポケット一杯のラブ。(2)

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