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油屋種吉
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2013/08/16

油屋種吉さんの人気ランキング

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ライフスタイルブログ 1,011位 946位 862位 778位 690位 789位 880位 74,104サイト
季節感のある暮らし 5位 5位 4位 3位 2位 3位 4位 219サイト
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季節感のある暮らし 6位 5位 8位 6位 9位 8位 10位 219サイト
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  • 米とともに生きて。 (2)

    米とともに生きて。 (2)

    一番初めにわたしのこころのスクリーンに登場するのは、若き日の母の姿です。わたしは五歳くらいだったでしょう。母はわたしの目からは後ろ向き、お風呂で使うくらいの高さの腰掛にすわって、何やらジャブジャブ音立ててやっています。はいているのは、モンペでした。わたしはほかのことに夢中。母が何をやっているかなど、まったく興味がありませんでした。苗間の水口から流れ込んでくる水を、一心に見つめていました。いったい、何が目当てでそんなふうにしていたのでしょうね。「気をつけるんやで。苗間でおぼれるようなことになったらあかんよ」母のやさしい声が、ときどき、わたしの耳に届きます。「いたあ。石亀さんの赤ちゃんだ」ひとつひとつつかんでは、バケツに入れていきました。わたしの嬌声に、母がふりむいて、にこりと笑いました。母だけではありません...米とともに生きて。(2)

  • 三月二十二日(土)晴れ。

    三月二十二日(土)晴れ。

    久しぶりに、墓地につづく坂道をのぼる。風がひんやりしている。鳥の声がしたので、あっ、ひょっとしたらと思い、耳傾けた。ちょっとかすれ気味。(鳥でも風邪をひくのだろうか)だが、そんな心配はすぐに解消した。春告げ鳥である。季節をあやまたず、けなげにさえずろうとする姿に感動してしまう。いつもはこれほど気持ちを動かさないのにと、自分のこころの動きに驚く。ここ半月あまり体調がすぐれず、ほんの数日前、医師の手をわずらわせてしまったからである。ふたたびのopeだった。さいわいにも一泊二日の入院で済んだ。「お歳を召しておられるので、治療のさなかに、何がおきるやしれません」そう言われたのが、こたえた。いつの間にやら、喜寿となった身。今朝は花冷え。まわりの風景が、まるで、初めて目にするごとく映る。心を新たに、これからの人生を送...三月二十二日(土)晴れ。

  • 米とともに生きて。 (1)

    米とともに生きて。 (1)

    「米がとっても高くてね。困ったわ。年金暮らしだし、収入はきまってるし。しょうがないからパンやうどんにスパゲッティ、ああそうそう、それから、すいとんなんてご存じかしら。若い方はわからないでしょうね」ある年老いた婦人の嘆きです。「米だけじゃないぞ。電気代に水道代。なんだって値段が上がってる。おれたち年寄りはどうやって生きて行けばいいんだろ」もうひとりの老人がこう応える。ちょっと前は十キロで四千円くらいだった精米がなんと二倍にも値が上がりましたね。昨年の「令和の米騒動」以来、ほんとうに庶民の生活が苦しくなりました。一方では、マスメディアがテレビニュースなどで盛んに危機意識をあおる。「ウクライナとロシアの戦いを見なさい。たくさんの人が傷ついたり命を落としたりしている」「日本ひとりだけが、もはや平安ではいられない。...米とともに生きて。(1)

  • 二月二十三日(日)晴れたり曇ったり。

    二月二十三日(日)晴れたり曇ったり。

    こんばんは、ブロ友のみなさん。そちらのお天気はいかがでしょう。こちら、きょうは一日中風が強かったですよ。とても寒くてね。さすがの私も、外出するのが億劫になるほどでした。でもね。午前中、日帰り温泉につかったり、帰りがけに町の図書館に立ち寄ったりしましたけれどね。♨はいいですね。北関東T県には、火山帯が走っているせいか、あちこちから温泉が湧き出るのです。いきづまっている物語をなんとかして展開したいと思っているところ。このところ、いい知恵が浮かばずやきもきしています。アルキメデスさんが王様に言いつけられた課題。あれは何だったでしょうね。確か、ゴールドにかかわる難題だったと記憶していますが。それをクリアされたのも、温泉につかっていた時らしいですね。彼に見習おうっと思ったのですがね。もちろん、天才肌の彼と同じように...二月二十三日(日)晴れたり曇ったり。

  • 2月11日(火)晴れ

    2月11日(火)晴れ

    こんばんは、ブロ友のみなさん。睦月から如月へ。暦が変わったとたん、とんでもない寒さにおそわれてしまい、わたしの身体はただただうちふるえていました。みなさまはいかがでしたか。お変わりないことを祈るばかりです。でもね。今日あたりはようやく厳しい寒さが去ったようで、車で岩船まで外出しました。ご存じない方がいらっしゃるでしょうし、少しお話しさせていただきます。佐野市の外れに、舟のごとき形をした山があります。わたしとしては、舟ではなく、動物のサイを思い出させる岩山です。このあたりは心理学者に訊いてみたいところです。同じものを見ても、人によって判断が違う。実に興味深いことです。栃木県には、人さまの願いを聞き入れてくださりそうな場所がふたつ。ひとつは那須烏山の龍門の滝。もうひとつは、ここ、岩船のお地蔵様です。何か願い事...2月11日(火)晴れ

  • 一月三十一日(金)晴れ。

    一月三十一日(金)晴れ。

    昼間、車中にいると、暖かい。陽ざしが徐々に春めいてくるのがしれて嬉しい。しかしいったん外に出ると、風がつめたい。この時期、特有のお天気である。ドライブが好きで、しばしば車を走らせる。男体山に女峰、それに茶臼のある那須岳。それらはいまだ雪におおわれ、遠目には美しい。だが、近寄れば近寄るほど、自然の厳しさが知れて驚かされる。谷間に足を踏み入れようものなら、お天気が一変。谷間は灰色の雲におおわれ、パラパラ雪が舞い散ってくる。ところどころで、栃木は熱いお湯がわく。こんなお天気の中でも、温泉客が絶えない。雪見酒としゃれこんだりと、それなりのだいご味があるのだろう。このところ不安が増した。すわっ、道路陥没。数日前、埼玉の八潮で起きたようなことが、目前で起きたらと思うと、そら恐ろしい。もっともわたしが住むところは、田舎...一月三十一日(金)晴れ。

  • 正月26日(日)晴れのち曇り

    正月26日(日)晴れのち曇り

    日差しに季節の移り変わりが感じられるようになりましたね。車に乗っているとそのことが顕著で、眩しいやらあったかいやら。おまけに、わたしのからだも、なんだか変な具合。頭が重い。さては、くしゃみ、鼻水の時期が迫っているってことだろか。春は残酷な季節だ。英国の詩人のことばを思いだした。日光街道。道の両側につらなる樹齢400年あまりの大杉の群れ。それらの葉が徐々に茶に変色して来ているのを、一種哀感の念を持って、眺めている自分がいるのに気づく。発症以来、今年でどれくらいの月日が流れ去っただろう。花粉症になったのは確か昭和54年の春あたりだった。「はくしょん大魔王が来たわ」アサヤ塾の講師として、二十年勤めた。今は亡き麻屋先生の奥様に、そう指摘されたのを、きのうのことのように思い出す。一番につらかったのは、運転中にくしゃ...正月26日(日)晴れのち曇り

  • いつの間にか、日の入りが……。

    いつの間にか、日の入りが……。

    こんばんは、ブロ友のみなさん。いかがお過ごしでしょう。わたしは巳年が穏やかに始まり、ほっとしているところです。ここしばらく、ここ十年に及ぶ拙作の原稿に手を入れていて、こちらに記事を投稿する暇がありませんでした。お許しください。八十まじか。あちらこちらと、このところ、体調が軽微にくずれかかってきてしまい、あわてているところです。夜中にぐっすり眠れない。ふとんの中であったまると、かゆくなる。なにくそっ、これっくらい、負けるものか。そう思い、皮膚科でいただいたクリームを紅っぽくなった部分に、まんべんなく塗りつづける日々です。「飲み薬をご所望なら、告げてください」しかし、この歳では、そんなたぐいの薬をなるたけのみたくありません。ものによっては、眠くなったりで、あまりに長く服用すると、身体が変わってしまう。むかし、...いつの間にか、日の入りが……。

  • 正月9日(木)晴れ

    正月9日(木)晴れ

    この朝、とても寒かった。正月気分がようやくぬけたが、なかなか元に戻りそうにない。霜ばしらが庭の隅に作った畑に、久しぶりに立った。二日前は大雨だったから、からだに応えてしまう。ついつい着ぶくれてしまう。「じいじって、雪だるまみたいね」今から小学校よ、と、ピンクのランドセルを背負った孫娘の笑いをさそった。最近なぜか、あまり笑わなくなった。学校へ行き始まったし、小さいながらもそれなりの社会生活。いろいろとつらいことがあるんだろう。気をもんてしまう。おらの小さいころは、と、お決まりの文句が口から出てしまいそうになるのを、かろうじて堪えた。彼女のあとを追うようにして、田舎町の大通りを車で走る。幾つもない十字路のひとつ。見守り隊の人たちが大勢でて、小旗をふりふり登校の子らを導いてくださっていた。ありがたいことである。正月9日(木)晴れ

  • 令和七年正月二日(木)晴れ。

    令和七年正月二日(木)晴れ。

    早朝からあたふたしてしまった。PC具合が……。インターネットがつながらない。すわっ、ウイルスにやられた。そう思い、今の今まで気が気でなかった。苦しいときの神頼み。大前神社に初詣で。必死に願うは、「どうかPCがセーフでありますように」恵比須さまが願いを聞き入れてくださった。こうやって文章を打てるしあわせ。それを再びあじわっている。ありがとうございます。大声で叫びだしたい衝動にかられる。みなさんも、フィッシング詐欺やらなにやらめったに目にしたことのない画像。それらをクリックすることのないように。どうぞスルーされますように。今年もよろしく願います。どなたかは知りません。わたしを助けてくださった方々。Gooブログのスタッフのみなさんに。「ありがとう」の言葉を送ります。令和七年正月二日(木)晴れ。

  • 令和六年 大晦日。快晴

    令和六年 大晦日。快晴

    あまりに寒いので、寝坊してしまった。午前八時過ぎ。いそいで仏壇にお茶をあげ、南向きの廊下に置いてあった椅子にこしかけた。湯気の立った湯飲み茶わんのふちに、いい加減白いのがまじった無精ひげだらけの唇をちかづける。ひと口すすり、「ああ美味じゃ」と小さく、感嘆の声をあげた。この茶葉はある農協の商品。実はこのところ夏向きの麦茶のパックで、ご先祖さまをあざむいていた。しかたがない。むこ様の稼ぎがなかった。おらはもっぱら野良仕事に明け暮れた。人さまに頼むと、金がかかる。かみさんの内職程度の実入りしかなく、うちの経済が悪化の一途をたどっていた。それでも、せめてもの正月料理をとかみさんが言う。ゆうべは遅くまで、おせちの一部なりともそろえようとあちこちの店に出向いた。ご存じのように、おらは涙もろい。もろくなったというべきか...令和六年大晦日。快晴

  • 12月24日(水)晴れのち曇り

    12月24日(水)晴れのち曇り

    佐野に用があったので午前9時ごろ出かける。このところ、お年寄りマークを付けている。途中、行き合う人いやもとえ、車がやけに急いでいる。若い女の方にも、わりとスピードを出す方がおられる。どうしてだろうと考えてしまう。車に乗ったら、人が変わったようになってしまう方がおられるのかもしれない。こちらまでせかせかしてしまい、アクセルをぐんと踏みたくなってしまう。だが、我慢する。ゆったりした気分で円滑安全に運転しようというこちらの気持ちが、そがれてしまうのがつらい。出発して数分後、ふと気が付くと、バックミラーに、ダンプカーの姿が映った。次第に近づいてくる。どんどん大きくなるダンプの姿に圧倒される。(ひょっとして、ぶつけられでもしたら…)そんな恐怖にわたしのこころが支配される。40キロの速度制限。少しばかり速く走っていた...12月24日(水)晴れのち曇り

  • 他人の街で。

    他人の街で。

    ひとたび田舎を出て、宇都宮にでると、道に迷うばかりでなく、人に迷うことが多い。この街は人口およそ五十万。全国的にも住みやすさでは群を抜く。この日、県の施設であるマロニエプラザに用があった。県道一号線と国道四号が交わる四つ角を北へ少しばかり進んだあたり。そうインターネットが教えてくれていた。一度しか訪ねたことのないところであるので、早めに家を出た。ちなみに愛車にナビは付いていない。その言い方は、実は正確ではない。というのは……。いつだったろう。自動で洗車していて、車の屋根に付いていたアンテナをダメにしてしまっていた。折りたたんでおけば良かったと悔やんだが、無駄だった。時計が利かない。好きなCDもむり。ラジオも……。ナイナイづくしで、しめて二十万近い値打ちものが、一瞬でゼロになった。ブロ友のみなさんにおかれて...他人の街で。

  • 小さな手を振り。

    小さな手を振り。

    「おじちゃん」ふいに金属がこすれあうような声が聞こえて、くぴをまわす。ここは、壬生の郊外。姿川のほとり。カラオケハウスから用を足そうと、ひょいと外に出たばかりだった。年端もいかぬ女の子。三歳くらいに違いない。ブランコから滑り台に向け、しやにむにかけている。私はなぜかうれしくて、胸が熱くなった。幼な子である。大した考えがあって呼びかけたわけじゃない。ちょっとしたハプニング。こころがぐいと驚かされた。今でもこんなふうに感じられるんた。そう感激した次第である。年老いるとえてして考えが後ろ向きになる。若い時のごとく前へ前へと進んでいくような考え方ができないのは仕方がない。いつの頃からだろう。しばしば外出し、キョロキョロと辺りを見まわすことがひんぱんになった。何を求めている?そう自分に問いかけてみる。すると、うちな...小さな手を振り。

  • まことに心細い。

    まことに心細い。

    いよいよ師走。いま、近隣の市街地まで、ドライブしてきたが、その間いくどか、パトカーに行きあった。年末年始の警戒にあたっておられるのだが、お巡りするのにも、例年よりきっと、周りに対する気遣いがいることと思う。近ごろ社会不安が増大した。例えば盗み。昔は、こっそり家に忍び入り。そんなやり方はもう流行らないようだ。なにがなんでも金目のものを、むりやり奪っていく。狙われるのは、主に高齢者だ。殴ったり、蹴ったり。縛ったり。やりたい放題である。こんないい方は、誤解を生んでしまい、批判を受けるかも知れぬ。米国なみになった。そういうことだ。どうしてこうなったか。さまざまに取り沙汰されるが、原因は一様ではない。とにかく自分の身は、自分で守る。それに尽きる。わたしも後期高齢者のひとり。護身用のピストルを持つことはできぬゆえ、な...まことに心細い。

  • 変身。 (3)

    変身。 (3)

    からだを何かとても重いものに押さえつけられてるようだ。やたらと息苦しい。口を開け、長い舌を出してないと、空気のとおりがうまいぐあいに保てない。あやうく意識を失いそうになる寸前、やっとのことで、おれのからだが軽くなった。あわててするりと、ふかふかしてあったかいふとんに心を残したまま、抜け出す。顔を上げ、あたりを観た。夜どおし、となりにいたらしい図体の大きい生き物が、ついと起き上がったらしい。(あれは何だろ?)飼い猫のクロじゃない。第一、にゃんこちゃんの姿をしていない。ヒトらしいけど、いま一つおぼえがないのが、なんとなく悔しい気がする。髪の毛はぼっちゃん狩り。肌着らしく首のところから足もとまで、ずうっと白づくめだ。こしの辺りがもぞもぞしている。どうやらおっしこに行くらしい。そろりそろりと歩き、となりの広々とし...変身。(3)

  • 11月18日(火)晴れ

    11月18日(火)晴れ

    六時に目が覚める。寒い。北風が吹きぬける庭先にでてみると、手洗い場においた洗面器の水が薄く凍っていた。久しぶりに野良に出て、荒れ果てた田畑の面倒をみようと思う。改良区とやらで、ほかの田んぼのほとんどは稲作、この夏の猛暑にかかわらずよく実ったのが嬉しい。しかし……、コメの在庫が少なかったらしい。値が上がりに上がった。今や、庶民には値が高くて、なかなか口に入らない。こしひかり十キロで三千円ほどだった相場が二倍あまりに急騰したのには恐れ入った。「米を作ればいいのに」親せきの者がぶつぶつ言っていたようだが、こちらの内情を知らぬのだから、仕方ないことである。「作りたいのはやまやまですが」と、返したい。この年も天候不順だった。とりわけ四十度近い夏の暑さには閉口した。野良仕事をやるにはやった。なりものは、じゃがいもを筆...11月18日(火)晴れ

  • 変身。 (2)

    変身。 (2)

    今にも飛んで来そうな母親の怒りの鉄拳におびえる息子は、両手で頭を抱えた。からだをくの字に折り曲げ、身をかたくした。彼女はやんわりとした口調に変え、「あたまどづいたらアホになるさかい。やめや……、まあ、そこで日がな一日いたらええわ。ああそうやそうや、お母ちゃん、ええこと思いついたわ。担任の先生に、うちの息子休みますって、電話連絡せんとこ……」思わず息子はからだを震わせた。顔が青ざめるのが、自分でもわかった。「ええ……、そんなんかなん。ほんまにおなかとちゃう、頭いたいんや。電話してな。そんなことしたら、ずっと、学校行けんようになってしまうやんか」「ふふんだ。ほら、こまるやろ。ざまをみなさいって。おまえの勝手や。行かんかったら行かんでええ。おまえの人生や。もう小学校のおちびちゃんやあらへんのやろ?自分で責任とる...変身。(2)

  • 11月8日(金)晴れ。

    11月8日(金)晴れ。

    あとふた月もすれば、また一年歳をとる。喜ぶべきことか、それとも悲しむべきなことなのか。おそらく、長生きできたと喜ぶべきなのだろう。人も動物である。年老いて、あちこちガタが来る。今年はそのことを痛みをともなって、感じたことであった。おなかを少しだけ横に切らざるをえなくて、まな板の鯉と同じ心の状態に置かれた。麻酔注射の針で、背骨辺りを、ふかく穿たれ、あやうく、ぎゃっと叫びそうになった。「オペじゃないと、この病は治らないのですから」お医者さまのひと言に、「おまかせします」首を縦に振らざるをえなかった。まことにいい勉強になった。人は何があっても、生きるべし。前向きにすすむように、インプットされている。わたしよりずっと若くして病や事故でしかたなく鬼籍に入った友が数多い。あの人も、かの人もと、時折、思い出しては、亡き...11月8日(金)晴れ。

  • 11月3日(日)晴れ。

    11月3日(日)晴れ。

    きのう二日は、あいにくの雨だった。しかし、近ごろのうつうとした気分を少しなりとも晴らしてみたい。思いきって、車で外出した。久しぶりにカラオケでもと、行きなれている下野市姿川のほとりのビニルハウスへ。だいたい十一時に着いた。これくらいの時刻に来ると、けっこう空きがある。ふたつやみっつ歌えれば、御の字だと思い直売所うらのハウスへ向かう。受付の女の方に、「きょうはカラオケはどうですか。営業なさってますか」と訊く。はいの返事を聞いてほっとする。入場料は二百円。一枚一枚ていねいに縦ひとすじの穴に差し入れた。戸外に通じるドアをざっと開けると、雨の音にまじって、誰かの野太い歌声が耳に入った。傘をささずに走ろうと思ったが、年老いた身、風邪でもひいたらと、傘のほねがいくつか折れ、きわめてあつかいにくくなってしまった古傘の心...11月3日(日)晴れ。

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