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油屋種吉
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2013/08/16

油屋種吉さんの人気ランキング

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総合ランキング(IN) 17,668位 17,866位 16,235位 14,916位 14,928位 16,194位 16,229位 1,038,158サイト
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ライフスタイルブログ 1,236位 1,246位 1,105位 981位 980位 1,101位 1,097位 74,003サイト
季節感のある暮らし 5位 5位 4位 3位 3位 3位 3位 213サイト
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今日 12/22 12/21 12/20 12/19 12/18 12/17 全参加数
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ライフスタイルブログ 2,741位 圏外 2,741位 2,255位 2,272位 2,294位 2,305位 74,003サイト
季節感のある暮らし 15位 圏外 15位 12位 12位 10位 9位 213サイト
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  • 他人の街で。

    他人の街で。

    ひとたび田舎を出て、宇都宮にでると、道に迷うばかりでなく、人に迷うことが多い。この街は人口およそ五十万。全国的にも住みやすさでは群を抜く。この日、県の施設であるマロニエプラザに用があった。県道一号線と国道四号が交わる四つ角を北へ少しばかり進んだあたり。そうインターネットが教えてくれていた。一度しか訪ねたことのないところであるので、早めに家を出た。ちなみに愛車にナビは付いていない。その言い方は、実は正確ではない。というのは……。いつだったろう。自動で洗車していて、車の屋根に付いていたアンテナをダメにしてしまっていた。折りたたんでおけば良かったと悔やんだが、無駄だった。時計が利かない。好きなCDもむり。ラジオも……。ナイナイづくしで、しめて二十万近い値打ちものが、一瞬でゼロになった。ブロ友のみなさんにおかれて...他人の街で。

  • 小さな手を振り。

    小さな手を振り。

    「おじちゃん」ふいに金属がこすれあうような声が聞こえて、くぴをまわす。ここは、壬生の郊外。姿川のほとり。カラオケハウスから用を足そうと、ひょいと外に出たばかりだった。年端もいかぬ女の子。三歳くらいに違いない。ブランコから滑り台に向け、しやにむにかけている。私はなぜかうれしくて、胸が熱くなった。幼な子である。大した考えがあって呼びかけたわけじゃない。ちょっとしたハプニング。こころがぐいと驚かされた。今でもこんなふうに感じられるんた。そう感激した次第である。年老いるとえてして考えが後ろ向きになる。若い時のごとく前へ前へと進んでいくような考え方ができないのは仕方がない。いつの頃からだろう。しばしば外出し、キョロキョロと辺りを見まわすことがひんぱんになった。何を求めている?そう自分に問いかけてみる。すると、うちな...小さな手を振り。

  • まことに心細い。

    まことに心細い。

    いよいよ師走。いま、近隣の市街地まで、ドライブしてきたが、その間いくどか、パトカーに行きあった。年末年始の警戒にあたっておられるのだが、お巡りするのにも、例年よりきっと、周りに対する気遣いがいることと思う。近ごろ社会不安が増大した。例えば盗み。昔は、こっそり家に忍び入り。そんなやり方はもう流行らないようだ。なにがなんでも金目のものを、むりやり奪っていく。狙われるのは、主に高齢者だ。殴ったり、蹴ったり。縛ったり。やりたい放題である。こんないい方は、誤解を生んでしまい、批判を受けるかも知れぬ。米国なみになった。そういうことだ。どうしてこうなったか。さまざまに取り沙汰されるが、原因は一様ではない。とにかく自分の身は、自分で守る。それに尽きる。わたしも後期高齢者のひとり。護身用のピストルを持つことはできぬゆえ、な...まことに心細い。

  • 変身。 (3)

    変身。 (3)

    からだを何かとても重いものに押さえつけられてるようだ。やたらと息苦しい。口を開け、長い舌を出してないと、空気のとおりがうまいぐあいに保てない。あやうく意識を失いそうになる寸前、やっとのことで、おれのからだが軽くなった。あわててするりと、ふかふかしてあったかいふとんに心を残したまま、抜け出す。顔を上げ、あたりを観た。夜どおし、となりにいたらしい図体の大きい生き物が、ついと起き上がったらしい。(あれは何だろ?)飼い猫のクロじゃない。第一、にゃんこちゃんの姿をしていない。ヒトらしいけど、いま一つおぼえがないのが、なんとなく悔しい気がする。髪の毛はぼっちゃん狩り。肌着らしく首のところから足もとまで、ずうっと白づくめだ。こしの辺りがもぞもぞしている。どうやらおっしこに行くらしい。そろりそろりと歩き、となりの広々とし...変身。(3)

  • 11月18日(火)晴れ

    11月18日(火)晴れ

    六時に目が覚める。寒い。北風が吹きぬける庭先にでてみると、手洗い場においた洗面器の水が薄く凍っていた。久しぶりに野良に出て、荒れ果てた田畑の面倒をみようと思う。改良区とやらで、ほかの田んぼのほとんどは稲作、この夏の猛暑にかかわらずよく実ったのが嬉しい。しかし……、コメの在庫が少なかったらしい。値が上がりに上がった。今や、庶民には値が高くて、なかなか口に入らない。こしひかり十キロで三千円ほどだった相場が二倍あまりに急騰したのには恐れ入った。「米を作ればいいのに」親せきの者がぶつぶつ言っていたようだが、こちらの内情を知らぬのだから、仕方ないことである。「作りたいのはやまやまですが」と、返したい。この年も天候不順だった。とりわけ四十度近い夏の暑さには閉口した。野良仕事をやるにはやった。なりものは、じゃがいもを筆...11月18日(火)晴れ

  • 変身。 (2)

    変身。 (2)

    今にも飛んで来そうな母親の怒りの鉄拳におびえる息子は、両手で頭を抱えた。からだをくの字に折り曲げ、身をかたくした。彼女はやんわりとした口調に変え、「あたまどづいたらアホになるさかい。やめや……、まあ、そこで日がな一日いたらええわ。ああそうやそうや、お母ちゃん、ええこと思いついたわ。担任の先生に、うちの息子休みますって、電話連絡せんとこ……」思わず息子はからだを震わせた。顔が青ざめるのが、自分でもわかった。「ええ……、そんなんかなん。ほんまにおなかとちゃう、頭いたいんや。電話してな。そんなことしたら、ずっと、学校行けんようになってしまうやんか」「ふふんだ。ほら、こまるやろ。ざまをみなさいって。おまえの勝手や。行かんかったら行かんでええ。おまえの人生や。もう小学校のおちびちゃんやあらへんのやろ?自分で責任とる...変身。(2)

  • 11月8日(金)晴れ。

    11月8日(金)晴れ。

    あとふた月もすれば、また一年歳をとる。喜ぶべきことか、それとも悲しむべきなことなのか。おそらく、長生きできたと喜ぶべきなのだろう。人も動物である。年老いて、あちこちガタが来る。今年はそのことを痛みをともなって、感じたことであった。おなかを少しだけ横に切らざるをえなくて、まな板の鯉と同じ心の状態に置かれた。麻酔注射の針で、背骨辺りを、ふかく穿たれ、あやうく、ぎゃっと叫びそうになった。「オペじゃないと、この病は治らないのですから」お医者さまのひと言に、「おまかせします」首を縦に振らざるをえなかった。まことにいい勉強になった。人は何があっても、生きるべし。前向きにすすむように、インプットされている。わたしよりずっと若くして病や事故でしかたなく鬼籍に入った友が数多い。あの人も、かの人もと、時折、思い出しては、亡き...11月8日(金)晴れ。

  • 11月3日(日)晴れ。

    11月3日(日)晴れ。

    きのう二日は、あいにくの雨だった。しかし、近ごろのうつうとした気分を少しなりとも晴らしてみたい。思いきって、車で外出した。久しぶりにカラオケでもと、行きなれている下野市姿川のほとりのビニルハウスへ。だいたい十一時に着いた。これくらいの時刻に来ると、けっこう空きがある。ふたつやみっつ歌えれば、御の字だと思い直売所うらのハウスへ向かう。受付の女の方に、「きょうはカラオケはどうですか。営業なさってますか」と訊く。はいの返事を聞いてほっとする。入場料は二百円。一枚一枚ていねいに縦ひとすじの穴に差し入れた。戸外に通じるドアをざっと開けると、雨の音にまじって、誰かの野太い歌声が耳に入った。傘をささずに走ろうと思ったが、年老いた身、風邪でもひいたらと、傘のほねがいくつか折れ、きわめてあつかいにくくなってしまった古傘の心...11月3日(日)晴れ。

  • 変身。 (1)

    変身。 (1)

    「いつまでも、あいつめ、奥の間で何しとるんやろ、また……」土間で掃きそうじをしていた四十がらみの女が小声でそうつぶやき、唇をかんだ。右手にもった小ぶりのほうきは動かしたままで、家事仕事がしやすいのか、あちこち布切れでつぎはぎした草色のモンペをはいている。お勝手の引き戸は開け放ったままだ。七輪で焼いている川魚が、もうもうと煙を上げている。外からもろに、家の中が観えないよう、引き戸の上から暖簾がかかる。彼女はそれを引き上げては、ときどき戸外の通路を見やる動作をくりかえした。家は玄関が南向きの造作で、訪問客があれば、すぐに見つけられた。畑に植えた柿の葉が雨にぬれている。ゆうべから降っているらしく、さつまいもの葉っぱばかりでない。辺り一面、乾いたところはどこにも見られない。梅雨入りまじかだ。門扉のわきに植えたエニ...変身。(1)

  • われに恩師ありき。 (1)

    われに恩師ありき。 (1)

    長年生かせていただいていると、実にさまざまな憂き目にあう。若い頃より恩師としてあがめた方が、ふいに身まかられた。この月の十九日のことだ。(先生も昭和八年うまれ。すでに九十才を超えられたのだからこの先何があるやもしれぬ。その時は決して驚いたりあわてたりするまい)それまではこころの底で、そう思っていた。しかし、実際にぐいとその事実を突きつけられると、あっけなかった。わたしの思いなどいとも簡単に突き破られた。「わたしの夫がなくなりました。あなた様には大変お世話になりました。葬儀の日程は…」呼び出し音四回のあとで、そう、留守電にしたためられた、恩師の奥様の言葉。丁重に話されてはいるが、感情があらわにならぬよう、必死に理性で抑え込んでおられる。電話口でわっと嘆き悲しまれる以上に、彼女の想いがひしひしと伝わってきた。...われに恩師ありき。(1)

  • わっとか、あれっとか……。

    わっとか、あれっとか……。

    「生まれてくれてありがとう」両腕でしっかりと体を抱えながら、わたしは縁のできた幼子に声をかけつづけた。どれくらい経ったろう。いく度目かの来訪のとき、彼女のまなざしが実に活き活きとしているのに気づいた。わたしの発する音声に意味は見いだせないだろう。だが、しっかりと聴き入っている様子。彼女の小さな頭の中で、何がどんなふうに動いているか知れない。可愛さの増したつぶらな瞳に出会ったとき「この子はおしゃべりするのが早いぞ」と思った。何事によらず、人はわっとかあっとか、びっくりするべし。以来、わたしはそう思うようになった。それがもっとも大切じゃなかろうか。そんな感情をともなわないところでは、目の前の対象を、しっかりと究明しようとする意気込みが出てこないのではあるまいか。たとえば我が家の農業課題。土の日が近づくばかりの...わっとか、あれっとか……。

  • 土に生きる。

    土に生きる。

    こんにちは。ブロ友のみなさま。この日は久しぶりに暑かったですね。まるで夏の名残のようで、このところの草刈りによる身体の疲れか、ベッドに横たわったらいつのまにか寝入ってしまい、ふと目覚めたら、おやつの時間になっていました。寝ぼけまなこで、野良に出かける用意をしようと階段を降りていく。考えだって定まらない。ええっとどこまで野良仕事をやっていたんだろう。あまりの稗(ひえ)の多さに、心底、どうしていのやらわからない。それが本当のところ。田んぼを観に行くたびに、イノシシがけもの道を作っては、ぐるぐると走り回っている様子。どうやら、嬉しがって、稗を食しているらしいことが知れる。それならそれで、彼らに食べたいだけ食べさせて、冬場に枯れた稲を燃してしまうのが、ベターと思ったことでした。のみ、しらみ、馬のしとする枕もとどな...土に生きる。

  • 十月七日(月)くもり

    十月七日(月)くもり

    このあたり、きのう、おとといと神社のお祭りでした。秋の風物詩ですね。ああ、それとね。「十三夜」が、今月十五日です。まだまだ昔からの習わしが残っています。その日は小学生たちは、教室で授業を受けていても、わらでっぽうのイベントが気がかり。どれくらいのお小遣いになるかな。わくわくどきどきです。学校がひけ、家に帰ると、さっそく持つものを持って公民館前にあつまります。それまでに、お年寄りの先生に、作り方をおそわりながら、必死に、わらを細工し、地面をたたくものを作りました。次は、面倒をみて下さる、育成会の大人の方の指示を待って、さあ出発となります。お行儀よくぞろぞろと、各家の玄関先までやってきては、「米よし、麦よし、大豆も小豆もよく当たれ」かん高い声で唄います。「ほら、やっとくれ」家の主人の言葉が合図です。その言葉を...十月七日(月)くもり

  • 十月三日(木)くもり

    十月三日(木)くもり

    こんにちは、ブロ友のみなさま。ご心配をおかけしていて、申し訳ありません。私はいたって元気にしておりますので、ご安心くださいね。朝早く起きて、野良に出かけようって気持ちになるのですもの……。「神さま、ありがとうございます」毎朝そう念じています。体調がわるければ、ベッドに一日、ふせっているしかありませんよね。いま、野良仕事でいちばんの悩みの種は、うちの一番広い田んぼ一面にひえがはびこっていることです。粟とか、ひえ。そのひえ(稗)のことです。わたしの若い頃の塾生に、稗田という生徒さんがいました。今は米が主食。昭和の三十年代には、けっこう、大麦や小麦の生産が盛んでした。小麦粉で作った母さんの手料理。それらを目の前にして、子どもが生唾をのみこんだ時代でした。食糧事情がとてもわるかった。現在のように、お店に行けば、な...十月三日(木)くもり

  • 九月二十九日(日)くもり

    九月二十九日(日)くもり

    六時に起きて、庭先の縁台にすわった。突然わたしが歩いてきたのに驚いたのだろう。小さな茶色のかえるがぴょんぴょんはねた。家の裏が水田。春から夏にかけ、おたまじゃくしがすいぶんと泳いでいた。かれらが今では成長し大人になったのだ。かように田舎は生き物が豊富で、朝から晩までにぎやかなものである。稲の穂がこうべを深く垂れ、稲刈りを催促している。ちょっと危険な田んぼ。猪よけの電気柵がまわりをかこんでいる。それでもかまわず、モミ食べたさに、果敢にイノシシがつっこんでいるらしい。あちこちで、電線が垂れ下がっている。空はいまだ曇っていて、そよとした風もなし。とても涼しい。ゆうべは音立てて雨が降っていた。ひと雨ごとに秋がしのびよってくる気配あり。きのうは壬生のおもちゃの街をたずねた。大きな園芸店で、塾ののぼりを物色したが、お...九月二十九日(日)くもり

  • せっせと草刈り。 (4)

    せっせと草刈り。 (4)

    一日休んで、きょうは草刈り。そう思い、起きがけにグラス一杯の水を飲もうと台所に行った。ここ二十数年来の習慣である。これから動くぞ。そう、おのれの体にいいふくめることが出来るらしい。寝起きの、まして高齢者の身体である。せかせかと動くと、ちょっとした危険がともなうからである。野良着にきがえ、「田んぼに行くよ」と声をかけた。しかし、連れ合いは、見あたらない。「気をつけて」ようやく返事が耳にとどいた。玄関から向かいのガレージに向かった。鎌と砥石、それから一般ごみの入った袋を一輪車にのっける必要があった。両手でハンドルを持ち、一歩二歩と歩き出したが、いかんせん、からだが重い。「ちょっと体の調子がわるい」「きょうは休むといいよ。その年までがんばったんだから。あとは無理しないこと」「ああ……」わたしはばたばたと野良着を...せっせと草刈り。(4)

  • せっせと草刈り。 (3)

    せっせと草刈り。 (3)

    九月十七日(火)くもりのち晴れ朝方はとても涼しかった。気温をみると、なんと摂氏23度。空は灰色の雲におおわれていて、お日さまが顔を出す気配がまったくない。(こりゃあ、一日、楽勝楽勝)すこぶる元気づき、自然と相好がくずれる。しかし、しかしである。午前十時を過ぎるころには、二階の屋根が白々としてきた。「あれれ、やっぱりだめでしょうか」おらは窓際に寄り、ひとりごちた。きのうは山の畑の小道の膝上二十センチくらいまでにのびた草を、幅二メートルにわたってせっせと刈った。二時間くらいついやして、きょうのからだはそのせいでけっこうくたびれている。「きょうはお休みにしてしまおう」と声に出し、ドサリとPCの前にすわった。ブログを、なんと、三つも四つも書かせていただいている。まことにありがたいことで、その日、その時の気分に応じ...せっせと草刈り。(3)

  • せっせと草刈り。 (2)

    せっせと草刈り。 (2)

    九月十四日。曇りのち晴れ。きょうは草刈りはお休み。そんな気分でいるのが、わが愛しのからだはわかったのだろう。張りつめていた筋肉が、ふいにだらけた。どっと疲れが出てしまい、エアコンのきいた座敷のソウファで横になる始末。しばらくして、せがれが、「父さん、どなたかお見えになったよ」と、耳もとでささやくように言った。「ううん……」と言ったきり。わたしはすぐには起き上がれなかった。お客の用はせがれの応対で済んだらしく、それ以上しつこく起こしに来なかった。むにゃむにゃ寝言を放って、再び眠った。やけに首が痛むので、目が覚めた。頭をのせていたソウファの肘つき。それがあまりに高かったらしい。からだのねじがゆるんだら、あたまのねじまでしまりがなくなった。ひとつふたつと用を思い出す。中には、はっとするような急用があって、唇をか...せっせと草刈り。(2)

  • せっせと草刈り。 (1)

    せっせと草刈り。 (1)

    九月十日。晴れ。この日は、草刈り。おおよそ二日か三日に一度と決めている。もちろん体調をおもんばかってのことだ。あと数年で喜寿。使いに使った身体だ。いつなんどきどんな変化がみられるやもしれぬ。母方の祖父が、脳卒中を発症したのは、彼が七十歳になる寸前のこと。昭和でいうと四十三年だった。わたしはその日、たまたま、勉学のために下宿していたY県T市から郷里に帰った。「なんやお前、誰もじいちゃんのこと、知らせへんのに。ほんま不思議なことがあるもんやな」知らせを聞いて、自分の生家にかけつけていたおふくろが彼女の姉とおしゃべりしている最中だった。わたしを見るなり、目を丸くした。「これってな、きっとムシの知らせっていうものやで」いっしょにいたおふくろの姉が、自信満々にそう言うと、「そうやなあ。じいちゃん、K夫のことが大好き...せっせと草刈り。(1)

  • せっせと草刈り。

    せっせと草刈り。

    生まれて初めて、おなかにメスを入れた。ほんというと切りたくなかった。「親にもらったからだ。傷つけたくないですよ」大きな声で叫びたかったが、「オペしないと症状がおさまらないんですよ」とのお医者さまの返事。そけいヘルニア。外科的には軽いオペだといわれたが…。オペなど受けたことがない。まったく実感がわかなかった。オペ以来、常時、おなかに力が入らぬよう心がけている。あまりに重いものが持てない。ゴルフなどご法度である。むりすると、反対側のそけい部も脱腸をさそう恐れがあるらしい。左側だったから、リンパを外した。右側もヘルニアになってしまうと、足のむくみがひどいらしい。いとこが右側にヘルニアをわずらった。彼女の話を聞いて、良くわかった。人のからだはよくできたもの。そう実感する日々である。高齢者の七人にひとりがなるという...せっせと草刈り。

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