人生の半分はとうに過ぎたはずなんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バーベナ) 六十代の半分も今日過ぎたんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バ…
物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
ばたばた走り回っている間に、いつの間にか二月が尻尾だけになってしまいました。 過ぎてしまった日々をそのまま忘れてしまうのもなんなので、少しだけ記録を残してお…
同じベゴニアなんだぜ?(センパーベゴ)俺はこれでもかと寒ざらしなのに(キダチベゴニア)向こうは空調完備でぬくぬくかよ!不公平だ! そう言われましてもねえ……。…
第十四話 外に鬼はいない(10) 豊島さんの長考は、他のメンバーにも沈黙を強いた。沈黙を破ったのは、豊島さんがノートの脇に置いていた携帯だった。 ぴぴぴ、ぴぴ…
第十四話 外に鬼はいない(9)「アクシデント……か。夫婦のどちらかが病気で倒れた、とかか?」 牟田さんの推測はあっさり否定された。「いいや、人の生き死にに直結…
第十四話 外に鬼はいない(6)「話がとっちらかっちゃったから、整理するね」 豊島さんが老眼鏡を外して目頭を揉んだ。「まず、現時点で明らかになっている野原の前史…
第十四話 外に鬼はいない(7)「じゃ、じゃあ。あの野原も農地だったことがあったんですか?」「それはわからない。ただ、はるか昔から野原だったというわけではないよ…
第十四話 外に鬼はいない(6)「豊島さん。確認させてください」「なんだい。信ちゃん」「あの野原の縁起には二つの要素が絡んでる。一つは自然条件。そっちは事実とし…
第十四話 外に鬼はいない(5)意見交換と言っても、野原に関する情報提供をお願いしたのは豊島さんではなく俺だ。俺が集めてまとめた概略の情報を最初に提供しておこう…
第十四話 外に鬼はいない(4) 施設に到着してすぐお袋の様子を見に行った。職員さんの話だと、体調に大きな変化はないけれどうつらうつらしている時間が徐々に長くな…
第十四話 外に鬼はいない(3) メールの返信後、間髪入れずに豊島さんから直電が来た。「ああ、信ちゃんかい。夜分済まないね」「いえ、仕事が終わればあとはのんべん…
第十四話 外に鬼はいない(2) あれこれ考え込んでいるうちに予想外に時間が経っていたらしい。ドアがばたんと開く音で我に返った時にはすでに日没近かった。リビング…
第十四話 外に鬼はいない(1) 敬士さんは由仁が転勤の話を受け入れて一緒に行くことを聞き、本当にほっとしたようだ。公務員と言っても上級職ではないから、日本全国…
たった十分で世界ががらりと変わるそれまで世界は青で支配されていた赤などどこにもなかっただが砂時計の砂粒が一つ落ちるごと世界が置き換わっていく青から赤へと置き…
《ショートショート 1507》『皮』 (ラフ・キャンバス 2)「化けの皮を剥がすって言うけど、皮を剥がされたらたらたまったもんじゃないわ。三味線に張られる猫の…
まだ葉が青々していた頃からぼくはそこにいたよ葉が真っ赤に色づいていた頃にもぼくはそこにいたよ葉がどんどん落ちている間もぼくはそこにいたよ葉が全部なくなってしま…
読書ノートもとうとう300回の大台に乗りましたが、ここのところ読書ペースががったり落ちているので更新はゆっくりになると思います。積読の標高だけがんがん上がっ…
枯れてやっと歌えるようになったんだ緑なす頃はしなやかであれ風は受け流せと言われ続けたでも風に靡(なび)いている間はどうしても上手に歌えなかった今こうして枯れて…
《ショートショート 1506》『深掘り』 (ラフ・キャンバス 1) 深掘りする。 明らかになったとされる事実や現象をそのまま受け止めるのではなく、その奥に何か…
整形されていない木材の破断面をネタ元にして『背景』というサブテーマでショートストーリーをお送りしてまいりました。 まだ樹木ネタを引っ張るのかよと言われそうで…
読書ノートの299回めは、小澤征良さんの『蒼いみち』(2006年発表。文庫版は講談社文庫)です。わたしは単行本で読みました。小澤さんの著作は初読です。 小澤…
そんなの、聞いてないよ! 南国のビーチでグラビア撮影だっていうから、気合い入れて臨んだのに。(ハイビスカス) 南国なのに気温マイナス? 日焼けじゃなくて低温焼…
《ショートショート 1505》『山並みを臨む』 (背景 20) 私は根っからの都会っ子だった。海山川の豊かな自然とは縁遠く、遠足や家族旅行で郊外に出かける時く…
僕はいつでも光り輝いていたから、誰かの中に埋没してしまうなんて想像すらしなかったんだ。 僕は今も変わらず、ずっと光り輝いているよ。 それなのに、僕は埋没して…
緑なす草原がたった一日で徹底的に破壊されることがある。草木は表土と共に剥ぎ取られ、ロードローラーでかちかちに押し固められた建設予定地は、誰が見ても不毛な砂漠…
落ちることには何のこだわりも怨嗟もないよ。 雨だって日光だって天から落ちる。 俺も重力に身を任せるだけさ。含むところは何もない。 ただ。 どこに落ちるか、落…
シーズン9 第二話 朱雀(2)「トラルタ・エル・ガタレイア!」 ガタレの竜の印に紐付けし、トラルタを詠唱する。行った先でどのような状況が待ち受けているのかは、…
シーズン9 第二話 朱雀(1) 三つの警告のうち、二つは確かな現実となった。現実となったがゆえに、残る一つの警告が重苦しくのしかかった。乏しい南方の情報をかき…
二月は少しだけ短いそして短いがゆえに損なことだけではなく短いからこそ得をすることもある親父は福豆をこれでもかとぶつけられるので 損親父になると福豆をいっぱい食…
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人生の半分はとうに過ぎたはずなんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バーベナ) 六十代の半分も今日過ぎたんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バ…
シーズン9 第七話 航路(2) 有能な魔術師であれば、魔術で万事を解決できるか。決してそんなことはない。むしろ、精進すればするほど魔術で成しうることの限界が見…
シーズン9 第七話 航路(1) 巨竜との戦いは、能うる限り短時間で終わらせねばならなかった。事実その通りになった。だが滅したのは巨竜だけだ。月にあるオストレク…
底は天上よりも涼しいのだだから望んで底にいる底にいれば光が当たらない卑屈になるそれはあながち誤りではないんだがよく考えてみたまえ本当に光が届かない暗所ならば底…
田水が引かれる前。乾いた圃場のそこここに不規則な水たまりができていた。それが六月の始まりだった。 田ではなく畑であっても、まとまった雨が降ったあとに水たまり…
《ショートショート 1512》『流紋』 (ラフ・キャンバス 7)「ううー、うまく描けないなあ」 通っている高校の近くに結構大きな公園があって。そこの中央噴水周…
一面に敷き詰める。 敷き詰められることで面の印象は単調になるはずだが、我々はなぜかその光景を愛でる。(クリーピングタイム)「一面ピンクっていうのはエロくない…
全国一千万のもふもふファンのみなさま。 お待たせいたしました。 ごちゃごちゃ面倒くさいことは申しません。 心ゆくまでもふもふをご堪能くださいませ。 ひあうい…
いや……事実そのものなので、コメントのしようがございませぬ。ナデシコ科の園芸植物は、ほとんどが外来のお客様ですね。しかも。どういうわけか濃いピンクの花が多い…
先だっての記事でもちょこっと触れましたが。 長らくユリ科という寄り合い所帯に同居していた一族は、分子生物学的系統分類の進化に伴って、現在ばらばらに解体されて…
太陽を天空から下ろし夜に仕舞うまでのわずかな時間帯その間だけ太陽は偽物になる地を温めることはできず闇を焼き尽くす力もなくまといつく夕雲を払い除けられずぼんやり…
干してあったパンツが風で飛ばされてしまうのは、事故だから仕方がない。 だが、これみよがしに路上に捨てるのは、趣味の悪い軽犯罪だ。 そうだろ? 気づいた人が見…
映画は、明るいタイトルで男前が主演なのにどろっどろのミステリーでしたが。 冬から春にかけてのお寒い時期に地を照らすキク科の太陽たちは、ミステリー抜きの『太陽…
春花のまとめもなかなか画像在庫が減っていきません。六月いっぱいは引っ張ろうかな。 で、此度登場の面々はキンポウゲの仲間です。美しい花を咲かせる園芸植物が多い…
先日、運転免許証を更新してまいりましたが、毎度のこと写真がひどい有様で。(笑 まあ、年も年やし、身繕いもいい加減なので、最初から盛りようがないと諦めておりま…
シロツメクサの葉は三枚でワンセット。 四つ葉を見つけたらラッキー……ですね。 三枚でなければならぬという規則があるでなし。葉っぱなんか何枚セットでもええやん…
スイバ(酸葉)はごくありふれた雑草だ。 冬の間は地面に張り付いて寒さに耐え、春の足音が聞こえてくると同時に花穂を上げる。スイバという名を知らない人でも、咲き…
サザンカも含め、ツバキの仲間は晩秋から翌春までの花の少ない時期を彩る花木だと思われている。 だが、ナツツバキやヒメシャラのように夏に咲くものもあり、交配の進…
季節は夏に向かってまっしぐらなので、春花の画像消化を急ぎます。同系統の記事を連投しますが、どうかご容赦くださいまし。◇ ◇ ◇ 人間は、何かと分けたがるもの…
抑えていた感情が溢れて涙に変わる涙はいつまでも流れ続けるわけではないだが誤解してはいけない涙は止まったわけでも涸れたわけでもないただ乾いたのだ 涙はいろいろな…
運がいいとか悪いとか。 人はよく運勢のことを口にする。 だが、それはある時点での判断に過ぎない。 運がいいと判断しても悪いと判断しても、運の影響は一点に定ま…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「吸盤があるのはイカとかタコとかの軟体動物だよね」「それだけじゃないよ。他にもいっぱいいるって」「ふ…
ああ、そうさ他の何かに生まれ変わることはできないよどれだけ転生だとか前世だとか言ったところでそうなったのを証明できた人は誰もいないただの一人もねでも新しい自分…
シーズン8 第七話 鷲羽(2) 「手出し無用もなにも、私の出る幕などどこにもないわい。ビクセン公もよう言うわ」 あまりに鮮やかなビクセン公の作戦行動に呆れてぼ…
シーズン8 第七話 鷲羽(1) ケッペリアが酷暑に侵される真夏がやってきた。もちろん、暑さが天敵であるソノーの機嫌はずっと悪い。だが、その機嫌の悪さは暑さがも…
木陰で憩うといい涼しいよ君はそう言ったああそうだね葉群に解き漉かれた優しい光は夏の棘を優しく丸めるきっと木陰は他の誰よりも優しいのだろうでも木陰で憩うことがで…
雨筋が見えない弱い雨にすら隠されてしまう内情がある雨滴の重さを感じられないのに無情にのしかかる定めがある降っている時間はわずかなのに雨音がいつまでも止まない洗…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ちょい興味があって、野生タヌキのおトイレを定期的にチェックしております。タヌキの溜め糞と言って、彼らは…
読書ノートの275回めは、桂望実さんの『嫌な女』(2010年発表。文庫版は光文社文庫)です。久しぶりにボリュームのある紙本を完読したなあ。(笑 桂さんについ…
「警報ってのは、迫り来る危機に速やかに備えなさいと鳴らされるものだろ?」「ああ」「その危機が来なかったら、俺たちは言うわけだよ。なんだ、脅かしやがってと」「ま…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「野菜が高くてかなわん」「特にブロッコリー。ついこの前、国の指定野菜に格上げされたんだろ? 安値で流通さ…
《ショートショート 1473》『俯くやつは嫌いだ』 すぐに俯くやつは嫌いだ。卑屈だとか意気地がないとか決めつけているからじゃない。俯くのはコミュニケーション遮…
夏の花が全て白いわけではない。 だが、気づけば白い花を追い、白い花ばかりを集めている。 ああ、そうだよ。 色なんかいつでも着けられる。 自分の色を選ぶまでは…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ずうっと待てるのはちゃんとメリットがあるからよ。 無目的にぼけっと待ってるなんて阿呆のすること。 そう…
読書ノートの274回めは、窪美澄さんの『いるいないみらい』(2019年発表。文庫版は角川文庫)です。電子本での読書。 窪さんについては『晴天の迷いクジラ』を…
花束と寄せ植え。 どちらも様々な花々の集合体だが、微妙に異なる。 花束はもらうと嬉しいけど、寄せ植えはびみょー。だって、花束は花がダメになったら処分できるけ…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ナズナにしてもタネツケバナにしても、春を代表する野草のはずなんですが、そういう季節感をさっくり無視…
《ショートショート 1472》『涙袋』「朝もはよから何をやっとるんだ、ちみは」「ほっといてんか」 部活の朝練明け。制服に着替えて教室一番乗りーと踏み込んでみた…
「鍛え方が甘いのか、最近は未熟者ばかりじゃのう」「時が来ればちゃんと一人前になりますよ」「尻の青い連中ばかりで頭が痛いわい」「未熟なのにもう赤かったら、尻の叩…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 変なやつだと言われて喜ぶ人はあまりませんよね。 いたとしたら、その人がリアルに変なのでしょう。(笑…