読書ノートの265回めは、戌井昭人さんの『まずいスープ』(2009年発表。文庫版は新潮文庫)です。 戌井さんは劇団の座長さんでパフォーマー。脚本も書き、小説…
物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
「ブログリーダー」を活用して、水円 岳さんをフォローしませんか?
読書ノートの265回めは、戌井昭人さんの『まずいスープ』(2009年発表。文庫版は新潮文庫)です。 戌井さんは劇団の座長さんでパフォーマー。脚本も書き、小説…
全ての花が美しいわけでも芳しいわけでも甘いわけでもない。どのような花にするかはそれぞれの草木が決めることであり、私たちには決定権がないのだ。 それゆえ、見目…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「なあ、なんか冴えへんなあ」「ほんまや」(スイセン)(キズイセン)「俺ら、本当はもっとぱりっとしてるはず…
《ショートショート 1463》『結束と破砕』 (かうんたーぱーと 9)「チーフ。なんか……切ないですね」「まあな」 私とサブチーフの芹沢君は、スクラップヤード…
毎年毎年、破ってはいけない約束のように桜が咲き乱れます。今年は咲き出しが遅かったこともあって、ずいぶんと長く楽しませてもらいました。桜の季節は変わらずに来る…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 日脚が伸びて暖かくなってくると、ほにゃらあっという感じでお出ましになる方々がおられます。 みなさんよく…
読書ノートの264回めは、藤原伊織さんの『ダックスフントのワープ』(2000年発表。文庫版は文春文庫)です。 藤原さんについては、以前『テロリストのパラソル…
固く折り畳まれていた未来が(トチノキ)折り目に沿ってじわりと緩む(ムクロジ)明るい未来は保証されていない(ヤツデ)だが少なくとも今は明るいのだ(アジサイ)残っ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「ねえねえ、趣味と実益を兼ねたアルバイトってなんですか?」「筍掘りだ」「わ! そりゃあ、すげえ! 掘った…
第四話 春萌え(5)「豊島さん、ご主人の博打は結局当たったんですか?」 こういう聞き方もどうかと思ったんだが、突っ込まれっぱなしというのも癪に触るからな。だが…
第四話 春萌え(4) 俺に家内のことを聞いたくらいだから、おそらくカレシ関係の悩みなんだろうなと、大体のあたりはつく。だが、さすがにそっち方面は自分の分だけで…
第四話 春萌え(3) 変わらない野原はともかく、牧柵の外は大変だーとげっそりしながら一周して戻ったら。牟田さんが全く同じ姿勢で牧柵に寄りかかっていた。陽花と同…
第四話 春萌え(2)「いやあ、ひっさしぶりだなあ」 思わず口走る。子供らがまだ小さい頃は子供を連れて中を歩き回っていたが、それ以降は野原を訪れること自体数える…
第四話 春萌え(1)「参ったなあ……」 ぽよぽよと春萌えが始まった野原をぼんやり見渡しながら、細い溜息を春風に吹き流している。俺一人のはずの野原に予想外の先客…
太陽は増殖する(ノゲシ)薄暗いところでは華やかに燃え盛り(セイヨウタンポポ)明るいところでは炎熱をかじり取り(ノボロギク)火の粉を散らして次々に増え広がる(ヤ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「どうしても花を咲かせないとだめなのかな」「そんなことはないと思うけど。ただ、目立たないだけ」「目立ちた…
《ショートショート 1462》『手水鉢』 (かうんたーぱーと 8)「おむすびころりんなら可愛げがあるが、これはないな」「勘弁してほしいです」 スタッフ全員で、…
「なんか、客からクレームが来てるんだが」「クレームぅ?」「そう。看板に偽りありだとめちゃめちゃ怒ってる」「知ったことか。俺たちゃまともに商売してるぞ」「だよな…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 今年は桜の開花が遅かったので、画像が例年以上に溜まりました。お蔵入りさせてしまうのはもったいないので、…
読書ノートの263回めは、川上弘美さんの『蛇を踏む』(1996年発表。文庫版は文春文庫)です。電子本での読書。 川上さんの作品はこれまでも取り上げてきたので…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第10話 妹をフォローする(2) めーちゃんとのやり取りに、ユウちゃんがこそっと口を挟んだ。「あのー」「ん? な…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第10話 妹をフォローする(1) 時間も押してたから、近くのスタバに入ってユウちゃんに好きな飲み物とスイーツを選…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第9話 服の買い出し(2) 「え……と。このあたりかな」 袴田駅の改札を出てすぐのコンビニの前。都内の大きな駅じ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第9話 服の買い出し(1) あのあとすぐホームセンターに走り、大小のランドリーラックを買って担いで帰った。洗剤や…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第8話 薄情な銭(2) ずっと黙っていた岡田さんが、静かに店長の言葉を引き継いだ。「いきなりやりくり算段を上手に…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第8話 薄情な銭(1) まだぴかぴかのシンクをチェックしたあと、ぼろ家に似合わない豪勢なバストイレユニットを興味…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第7話 内覧と怪談(2) スーパーの駐車場を突っ切って中通りに入るところに、一軒のお屋敷がある。古いけど、しっか…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第7話 内覧と怪談(1) 店長がたぶんオールだって言ってたけど、丈二さんの沈没と同時に客間が静かになった。客間か…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第6話 男泣き(2) 母には「絶対に自分から離れない夫」がどうしても必要だった。私を庇護するためではなく、実父代…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第6話 男泣き(1) ちょっと微妙なやり取りだったけど、紗枝さんに私の事情をオープンにしたので気分的にはすっきり…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第5話 秘密にするつもりはない(2) 急に顔をしかめた私を見て、紗枝さんが慌てた。「どうなさいました?」「いえ、…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第5話 秘密にするつもりはない(1)「萌絵、松橋さんが呼んでるの。ちょっと、いい?」 ドアの外で紗枝さんの声がし…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第4話 繭(2) 世間一般に言えば、結構女の子路線の部屋なのかなあと思ったんだけど。そうか。めーちゃんの好みとは…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第4話 繭(1) サポーターがいっぱいいると言っても、ずっと半幽閉状態にされていた家に戻るのは強烈なストレスだっ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第3話 自己犠牲(2)「ルイは、自分を守るための幽閉やったとおかんをかばった。めーちゃんも、丈二に大嫌いだとか許…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第3話 自己犠牲(1) 少し早かったけどレンタルショップに戻って、店長とわいわい雑談している間に荷出しの時間近く…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第2話 過去への散歩(2) それでも。母、植田さん、前沢先生という極めて限られた人で固められていた鶏小屋の壁は、…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第2話 過去への散歩(1) 「うーん、まだ二時間もあるのかー」 ハンバーガーショップから出ると、途端に手詰まりに…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第1話 お嬢様、それはいかがなものかと(2)「あいつらも、極端から極端やな」 くわえたタバコに火を点けるのも忘れ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第1話 お嬢様、それはいかがなものかと(1) なんちゃって女子寮こと第二梅花寮(実はただのおんぼろシェアハウス)…