季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「本当に、ちょっとしたことなんだよ」「ほんと?」「そりゃそうさ。素材は同じなんだから」「ふうん」「一人だ…
物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
《ショートショート 1397》『円環と螺旋』「一日の始まりと終わりをちょいとつなぐ。それは輪っかになる」「ええ」「輪っかを縦に積んでいくと、管になる」「そうで…
「なんかさー。あたし、コスプレーヤーの才能ないかもしれない」「てか、あんた。素質あると思ってたわけ?」(切り株)「アナ雪のエルサがれりごー歌ってるとこ」「どう…
読書ノートの218回めは、大崎梢さんの『よっつ屋根の下』(2016年発表。文庫版は光文社文庫)です。 大崎さんの作品については、これまで何度か取り上げてきた…
「花盛りの季節だというのに、こんな寂しいモチーフを取り上げるんですか?」「余計なお世話だ。数日で散り果ててしまうような、刹那に生きている連中には興味がない」「…
《ショートショート 1396》『群れ泳ぐひれ』「こんな……こんな光景が実際にあるんですねえ」「びっくりだろ?」「ええ」 薄く濁った水面近く。そこにひれだけが群…
花暦が例年以上に加速しているので、早めに取り上げておきます。 山のように花を咲かせる植物でも、必ず最初の一輪というのがあるわけで。咲き初めの一輪には、満開の…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)スライムだったからスライム以外のものになりたかったな(キクラゲ)転生してもスライム度が上がっただけだった(崩壊した…
読書ノートの217回めは、桜井美奈さんの『居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校』(2018年発表。文庫版はハルキ文庫)です。電子本での読書です。 桜井さんについて…
「なあ。どう考えてん、俺ら全然合ってへんよなあ」「合ってない、合ってない」ハナノキいうてん、花ぁ地味すぎやし。(ハナノキ)ツゲいうてん、何にも告げてへんし。(…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)いや俺を解体してもおもろないで ということで、いろいろな面を見ていただきました。 一枚目が傘の表面。二枚目が裏面。…
《ショートショート 1395》『ビニールのくらげ』 定年退職してから、夜がすっかり暇になってしまった。在職時は日中仕事で帰宅後にしか自分の時間がなかったから、…
もちろん空は広い方がいいでも 広いだけで何もない空は寂しいだからぼくは空に自分を置いたんだぼくが空いっぱいになるまで(シラカシ)それで空が狭くなっちゃうなんて…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「さすがに冬ものはもう売り切らなあかんちゃうの?」「せやなあ。最終セール、いこか」(ヒヨドリジョウゴの実…
どくしょのーと 216 にぐんせんしゅのせんぎょうしゅふらいふ
読書ノートの216回めは、柴田よしきさんの『あおぞら町 春子さんの冒険と推理』(2016年発表。文庫版はコスミック文庫)です。電子本での読書です。 柴田さん…
(枯れ荻) なんかごちゃごちゃしてるなあと思ったから、背景と前景を整理してみたんだけど。(枯れ薄) 枯れてんのは同じなんだよなあ。そんなに変わらない。 あまり…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「春の七草の一柱なんだからさ。もうちょっと尊敬してくれてもいいと思うんだけどさ。同族の連中に押されっぱな…
《ショートショート 1394》『血痕』「こちらです」「ほう」 不動産屋のあんちゃんが、古い建物には似合わないぴっかぴかのキーを鍵穴に突っ込んでがちゃりと回し、…
美しいことも、醜いこともある。 整然としていることも、乱れていることもある。 明るいことも、暗いこともある。 おとなしいことも、騒がしいこともある。 踏ん張…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「亜麻色ってのはどんな色なんだ?」「やや灰色がかった黄褐色だそうだ」「そういう髪の乙女ってのは美しいのか…
読書ノートの215回めは、碧野圭さんの『凛として弓を引く』(2021年発表。文庫版は講談社文庫)です。電子本での読書です。 碧野さんは、書店ガールシリーズで…
ううむ。寒い寒いとインドア満喫している間に、すっかり肥えてしまいました。 こらあいかん! ちっとはダイエットに励まないと。 でも、しんどいダイエットはえてし…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「どうしたんだ。不機嫌そのものじゃないか」「そりゃそうよ。せっかくモデルになってあげたのにさ」(ハシボソ…
《ショートショート 1393》『失われた枠組み』「やっぱりか……」 とんでもなく時間がかかったものの、ほぼ想定通りの探査結果になった。「どうしたものかな」 ず…
なぜ、態度を変えるの?僕は何も変わってないよ変わったのは君だ僕はずっと同じさ背景の明暗が違うだけ雲の有無が違うだけそれだけさ僕は何も変わっちゃいない 意識せず…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「点で面を表す作画法があるよな」「点描だろ?」「そう。だけど、同じ色ばかりで点を打っていっても、おもしろ…
読書ノートの214回めは、小野寺史宣さんの『太郎とさくら』(2017年発表。文庫版はポプラ文庫)です。 小野寺さんは、変則型の人情話作家さんということになる…
世の中、何もかも同じ向きに真っ直ぐ進むなら楽でいいなあと思うんだが。現実にはそんなことなどありえない。縦横斜めがごちゃごちゃと混じり合い、それでいてひどくも…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)(スギ)「なあ」「なんだ」「ひまだな」「ああ。ひまだ」「だれか、よぶか」「どうやって?」「のろし」「あげられるのか…
《ショートショート 1392》『似て非なるもの』「言わんこっちゃないっていう有様だな」 俺の放言を聞いて、編集の井沢さんが苦笑に苦笑を重ねた。「まあ……そうな…
「つのぐむ……って、雰囲気あっていい言葉だよね」「てか、あんた意味知ってるの?」「鬼が角出すみたいにして、ぷんぷん怒ることでしょ?」「葦が匙投げてるわ。阿呆に…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)多くの人々が集まれば大きな力が生み出せるただしどんな力になるのかはわからない(ツノマタタケ)「一人一つ炎を持ち寄れ…
読書ノートの213回めは、住野よるさんの『麦本三歩の好きなもの 第一集』(2019年発表。文庫版は幻冬社文庫)です。電子本での読書。コミカライズもされている…
人生、辛抱が大事なんだよと諭す格言で『石の上にも三年』てのがあります。ですが生き物の世界では、石の上に在ると三年どころか数日で一巻の終わりなんてことはざら。…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「枯れてすぐ倒れ伏すわけじゃないさ。自分から負けを認めるはずなんかない。僕らのは立ち往生だよ。進退極まっ…
《ショートショート 1391》『墨で汚す』 娘の成人式が無事に終わり、養育者としての親の役目もそろそろ終わりに近いんだなあなどと思い返しながら、茶碗片手にぼん…
さて。ペースを落としてゆっくり書き連ねてきたえとわの掌編ですが、あと十話で1400話の区切りを迎えます。 ですので、その十話はちょっとだけ趣向を変えてお届け…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)春の槌音が聞こえてきたと誰もが言うその期待と喜びの声を聞きながら私はただ垂れ下がる(セイタカアワダチソウの枯れ茎)…
「そらをはく。平仮名でたったの五文字さ。だが、そこからいろいろなものが出てくるんだよ」「ほう」 兆した春が行きつ戻りつを繰り返しているのはわかる。だが、見上げ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)「この前はすごく冷え込んだなあ」「はんぱなかったぜ。しっかり凍っちまった」「凍っても復活できる俺らは偉い!」「いや…
シーズン7 第三話 網目(2) 翌日の昼過ぎ、セイルが屋敷を再訪した。されど、前日とは様子がまるっきり異なっていた。 異変に真っ先に気づいたのは、元来臆病なリ…
シーズン7 第三話 網目(1)「らーらららー、ららららー!」 ソノーの浮かれた歌声が聞こえてくると、春も近くなってきたなとしみじみ感じ入る。とはいえ、ソノーに…
背を丸め とぼとぼ歩くほど 寒くはなくなった背を伸ばし きびきび歩けるほど 暖かくはないマーチングバンドの 賑やかさは まだ遠くでも 少しずつ 近づいてくる一…
ダウンジャケットのポケットにかじかんだ両手を突っ込み、ひたすら足元だけを見ながら歩く日々。寒い寒いといくらぶつくさ文句を言ったところで、体も懐もちっとも暖か…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)(ヤハズエンドウ、他)島が消えるもとより残るものではないだがやはり考えてしまう消えた島はどこにいったのだろうと(ワ…
「なんや、えっらいかさかさやなあ」「しゃあないやん。あんたもじきにそうなるで」(照葉樹林の落ち葉) 暗いところにずっといるから心がかさつくんだと言い放つやつが…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ まずは前情報なしで見ていただきましょう。 危険人物はどちらでしょうか。 最初のやつがつんつんにとんがっ…
「最後に残るのは結局骨なんだ。それなら骨美人てのがあってもいいだろ?」「まあ、いいけどね」◇ ◇ ◇ 緑なす間は葉で隠されていた枝も、冬にむき出しになると全く…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)僕の髪は銀色じゃないでも銀色になることがある(ノビル)銀色にされるのは寒いから嫌いだでも銀色になってしまったら我慢…
読書ノートの212回めは、乾くるみさんの『北乃杜高校探偵部』(2013年発表。文庫版は講談社文庫)です。雑誌掲載の連載物で初出は2009年ですから、乾さんの…
『散り敷く』「どうせ終わりになってしまうのならば、水の上がいい。その方がきれいでしょ」 僕は、彼女の手をもう放していた。 だらりと下げられた手。そのか細い指…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 身を粉にして。 一生懸命に働くことを表す慣用句ですが、働いた挙句に身が粉々になってしまうんじゃ意味がな…
《ショートショート 1390》『椅子の裏』「こんな小さな椅子に座っていたこともあったのねえ」 お袋が、半ば懐かしむように、半ば今の俺を蔑むように、小さな木製の…
人間には様々な能力が備わっているが、その全てが役に立つわけではない。我々の生活や人生を豊かにしてくれる想像という能力もその例外ではない。 なぜなら、想像で生…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「チーフ、モデルさんの写りがぱっとしないんで、いろいろセッティング変えていいすか?」「まあ……かまわんが…
読書ノートの211回めは、加納朋子さんの『いちばん初めにあった海』(1996年発表。文庫版は角川文庫)です。 加納さんについてはこれまでたくさん紹介してきま…
「幸福か不幸かっていうのは、わたしたち自身が決めることであって、誰かに決められることじゃないよね?」「もちろん!」「じゃあ、わたしたちは今幸福? それとも不幸…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)(クヌギ)ひく(クヌギ)は(クヌギ)です あんなにわっさり茂っていたのに、みんなどこに行ったんやろなあと。 前後だ…
《ショートショート 1389》『欠け椀』「さすがにこりゃあだめだろなあ」「ああ」 二人の木地職人が、それぞれ手に欠け椀を持ったまま苦り切っていた。十文もあれば…
実(み)という言葉からは容易に瑞々しさが連想される。我々が食用としている実が大きく多汁で甘いことがその連想を生むのだろう。だが、実は必ずしも大きくも、美しく…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「なんかさあ、CMに使うから写真撮らせてくれって言われてさー」「おまえがか? 世も末だな」「いいじゃんか…
読書ノートの210回め。近況と読書状況をさらっと書き置いておきます。 とりあえず、組み物をどどっと読めたので、今年の出足は順調かなと。ただテーマがどっしり重…
「なになに? アイスクリーム?」「違うって、アイスクイーン。氷の女王だ」「それって食えるの?」「おまえが食われろ!」(ワラビ)「氷の女王ってのはきんきんにとん…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ サザンカやカンツバキの花も、ぼちぼち終点が見えてきましたね。 この前の大寒波襲来の時にだいぶ花が傷んで…
《ショートショート 1388》『湧泉』 三人の男が、それぞれ違う依頼者から同じ依頼を託された。「清らかな水の出る湧泉を探し出して欲しい」 他国から招かれた三人…
「バレンタインデーにチョコで告白ってのも、なんか陳腐な感じがするよな」「チョコもらってから言えよ」「でも、バレンタインデーは変わらないのに、チョコだけが異常進…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)(マテバシイ)わたしのあかりをつけるまえにあなたのあかりをけしてだれかがそういったようなきがしたんだ(カキ)ぼくの…
読書ノートの209回めは、松尾由美さんの『ピピネラ』(2005年発表。文庫版は講談社文庫)です。電子本での読書。 松尾さんについてはこれまで何度も作品を取り…
私たちの生活は電気の上に浮かんでいる。停電は同時に全ての生活活動の停止を意味し、長期化すれば社会を崩壊させてしまう。電気を隅々まで送り届ける電線は、私たちに…
季節画像消化のための臨時増刊です。 ヒデキの『傷だらけのローラ』をBGMにして、お楽しみください。(^^)(オオキヌハダトマヤタケ) お肌の潤いが足らないか…
《ショートショート 1387》『白化』「白くなるというのは現象に過ぎない。持っていた色を全て手放しただけであって、それは純化でも浄化でもないんだ」 そう言って…
植物のタネはいろいろな方法で分散しますが、一番多いのはおそらく風に運んでもらうタイプ(風散布)でしょう。タネを小さく軽くすれば、風が驚くほど遠くまで飛ばして…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 腐るという言葉に、いいイメージを持たれる方は少ないと思います。でも、腐ってもらわないと困ることも多いん…
読書ノートの208回めは、柚木麻子さんの『さらさら流る』(2017年発表。文庫版は双葉文庫)です。 柚木さんについては、『嘆きの美女』を取り上げた時にご紹介…
目は口ほどに物を言う? 本当にそうだろうか? 目だけで意思を知らしめるのは不可能だよ。 目はそもそもしゃべれないんだから。 まあ、いい。 とりあえず目に語ら…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)あかいてんてんみんなおなじだとおもってる?(トベラ)ぼくらはあかいけどてんてんじゃない(ヘクソカズラ)ぼくらはてん…
《ショートショート 1386》『真実の中の影、影の中の真実』「残念だな」「まったくだ」 フレンチ風居酒屋の隅で、二人の中年男が話し込んでいた。場所柄、祝勝会の…
カニクサはシダの仲間。シダでは珍しいつる植物ですが、決して珍しい植物ではありません。街中でもしばしば見かけます。木に着生するノキシノブや雑草として悪名高いス…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「めったに雪なんか降らないんだからよ。やっぱ、期待しちまうじゃんか」「そうだよなあ。こう、雪でぴかっと輝…
読書ノートの207回めは、有吉玉青さんの『キャベツの新生活』(2002年発表。文庫版は講談社文庫)です。 有吉さんはわたしの少し下くらいの年齢で、ほぼ同世代…
近くのものは くっきり見えるその代わり 何に属しているかわかりにくい遠くのものは 細部が見えないその代わり 何に属しているかがよくわかる近く(ニシキギ)遠く(…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ さいしょはグー! じゃんけん……ぐー!(スッポンタケ)ちょき!(カニノツメ)ぱあ!(イカタケ)「おいお…
シーズン7 第二話 静止(2) 探していた本を見つけたシアスは殊のほか喜び、本を書き写そうとしたので、魔術で写本を作って渡した。「私が滅多に開かぬ本ゆえ差し上…
シーズン7 第二話 静止(1)「やっと止んだか」「すごい雪でしたね」 いつも見下ろしている執務室の窓下が一面雪で埋まった。ソノーが、白一色に塗り潰された平原を…
きみの はじまりはささやくように ひそかだらせんを えがくゆびがぎごちなく そらにのびる(コスギゴケ)きみの ほそいみはさむさのなかに うもれるらくにいきるこ…
「なんや、おまえ、来とったんか」「あんさんこそ」「いろいろあってん、しばらく人出ぇ少なかったけど。ようやっとにぎやかになって来たな」「せや。ほっとするわ」(ヒ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「なんでん、取り合わせっちゅうやつがあるやろ」「ほう。たとえば?」「松に丹頂鶴」「花札やないかい」「定番…
空を突き通そうとするかのようにつんと尖っている杉の梢その葉が梢ほどには尖っていないことを空は知らない空を撫で回そうとするかのようにふわりと丸まっている松の梢そ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 路上にうずくまっていた冴えないモケ夫と、心が真っ二つになる傷を負っていたコロ子は、瓦礫のような殺伐とし…
《ショートショート 1385》『発掘されるもの』 他国での遺跡調査というのは常にアクシデントとハプニング、そして大きなリスクを伴う。我々が城塞国家として知られ…
『ミッシング』見失ったそれもあっという間いつも側にあっていつでも手に入ると思っていたから目が合った時にふと思いついて手を伸ばしたらふいと離れてしまったそれでも…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)春に枯れ残る冬がある(ケヤキの実生と常緑樹の枯れ葉)夏に枯れ残る春がある(ハハコグサの枯れ穂)秋に枯れ残る夏がある…
読書ノートの206回めは、畑野智美さんの『罪のあとさき』(2016年発表。文庫版は双葉文庫)です。 畑野さんについては以前『海の見える街』の時に紹介したので…
残したから残ったわけでも、残りたくて残ったわけでもない。だが、残ってしまう実は必ずある。 残ったのが赤や黄色の鮮やかな果実であれば、それは目を引く。必ず誰か…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)日陰だから目立たないということもなく(カナメモチ)日向だから目立つということもない(カナメモチ) 普通ならば、日が…
《ショートショート 1384》『黒い森』 森を構成している木々に真っ黒なものは一つもない。ましてや森全体が真っ黒になることなど絶対にありえない。森が黒くなると…
「電気料金の値上げが家計を直撃、か。気の毒なことだ。もっとも俺らは電気代を払わなくてもいい代わりに、電気の恩恵も受けられん。あんなただびりびりするもん、ちっと…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)業火はすぐに鎮火すると思っていただろ?(コナラ)必ずしもそうじゃないのさ(ドウダンツツジ) 多くの落葉樹は厳冬期が…
どくしょのーと 205 かみさまわんこにふりまわされるじぇーでぃー
読書ノートの205回めは、荻原規子さんの『エチュード春一番 子犬のプレリュード』(2016年発表。文庫版は角川文庫)、『エチュード春一番 三日月のボレロ』(…
「なんや、ぐっさぐさやなあ」「ああ、どうにもならんわ」(マダケ)「まっすぐ立ってられへんのか、こいつら」「基本、まっすぐやで。せやけど、誰かぁ倒れ出すとみぃん…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)(ケヤキについたナツヅタ)「そりゃあ、縦でしょ?」「どして?」「まっすぐ頂点を目指すっていう感じがするじゃん」「真…
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季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「本当に、ちょっとしたことなんだよ」「ほんと?」「そりゃそうさ。素材は同じなんだから」「ふうん」「一人だ…
《ショートショート 1459》『にごりえ』「空が海を映しているのか、海が空を映しているのか、わかんない」 そう言って、女の子が憂鬱そうに海と空の混じり合うあた…
花を咲かせる準備をいつから始めるかは、植物によって様々ですね。生育サイクルの短いものはすぐに花穂を上げようとしますが、樹木の場合はゆっくり仕込むものが多いよ…
季節画像アップのための臨時増刊です。(^^) 撮って出しは、久しぶりかな。 例年よりだいぶ遅れたものの、ようやく桜がほころんできました。 エドヒガンが七分咲…
読書ノートの260回め。近況と読書状況をちびっと。 相変わらずローペースの読書ですが、それなりにじみじみと読んでおります。やっぱり紙本の方が時間かかっちゃい…
「まだがんばるの?」「諦めてないわ! いつか、白馬の王子さまがわたしを迎えに来るのよ!」「少しシワがよってきたような……」「アンチエイジングできないのがくやし…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ だいぶ暖かくなってきたので、冬芽も少しずつ緩んできました。本格的な開芽はまだ先にしても、そろそろ準備運…
《ショートショート 1458》『空の巣と卵の殻』「空っぽの巣を見ると、多くの人は雛が巣立ったからだと考えるんだよ」「うん。僕もそう思う」「同じように、地面に割…
まだ咲いているのかと咎められたから、むっとして反論した。「俺はサザンカじゃない。ツバキだ。春の花なんだぞ!」 咲いている間にも滅びは忍び寄る。 日差しに透か…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 予感は予感に過ぎない。当たることもあれば外れることもある。だが実のところ、外れましたごめんなさいでは済…
読書ノートの259回めは、加納朋子さんの『いつかの岸辺に跳ねていく』(2019年発表。文庫版は幻冬社文庫)です。電子本での読書。 加納さんの作品はこれまで最…
ワイヤーフェンスというのは実に哀しい存在だ。 彼我を隔てる障壁でありながら、視界を遮ることはできない。 こちらから向こうが見えるのに、向こうには行けず。 向…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ソメイヨシノにはちと早いですが、早起きのサクラ類が花をあげ始めました。 準備運動ということで軽くお花見…
第三話 値踏み(5) 予想外の話が飛び出して驚いたものの、それは俺にとって決してネガティブな材料ではない。この野原がどのような特性を持っているかを知るための貴…
第三話 値踏み(4) 少しだけ逡巡する間があったが、じいさんは核心をいきなり切り出した。「私は事の起きた現場を見たわけじゃない。私が知ったのは結果だけだ」「結…
第三話 値踏み(3) じいさんの科白に驚いて振り返ると、奥まった目をいっぱいに見開いて、じいさんが野原を凝視していた。「あの、ここは初めてではないんですか?」…
第三話 値踏み(2)「ええと。午後一時に祝戸(いわいど)駅のロータリーだったな」 駅前ロータリーには一般車の乗降スペースが確保されているんだが、今日はなぜかび…
第三話 値踏み(1) 三月に入ってだいぶ暖かくなってきた。底冷えする間は不機嫌そのものだった軽も、いくらか運動不足による筋肉痛が癒えたのかエンジン音が澄んでき…
(バラ) 何かいいことがあったから薔薇を贈るわけではない。 薔薇はいつだって薔薇だからだ。 贈った者、受け取った者の感情など斟酌せず、やんわりとほころんで見せ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「俺は納得いかん!」「なにが?」「男女同権というが、俺たちオトコが一方的に譲歩してるだけじゃないか! 俺…
《ショートショート 1397》『円環と螺旋』「一日の始まりと終わりをちょいとつなぐ。それは輪っかになる」「ええ」「輪っかを縦に積んでいくと、管になる」「そうで…
「なんかさー。あたし、コスプレーヤーの才能ないかもしれない」「てか、あんた。素質あると思ってたわけ?」(切り株)「アナ雪のエルサがれりごー歌ってるとこ」「どう…
読書ノートの218回めは、大崎梢さんの『よっつ屋根の下』(2016年発表。文庫版は光文社文庫)です。 大崎さんの作品については、これまで何度か取り上げてきた…
「花盛りの季節だというのに、こんな寂しいモチーフを取り上げるんですか?」「余計なお世話だ。数日で散り果ててしまうような、刹那に生きている連中には興味がない」「…
《ショートショート 1396》『群れ泳ぐひれ』「こんな……こんな光景が実際にあるんですねえ」「びっくりだろ?」「ええ」 薄く濁った水面近く。そこにひれだけが群…
花暦が例年以上に加速しているので、早めに取り上げておきます。 山のように花を咲かせる植物でも、必ず最初の一輪というのがあるわけで。咲き初めの一輪には、満開の…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)スライムだったからスライム以外のものになりたかったな(キクラゲ)転生してもスライム度が上がっただけだった(崩壊した…
読書ノートの217回めは、桜井美奈さんの『居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校』(2018年発表。文庫版はハルキ文庫)です。電子本での読書です。 桜井さんについて…
「なあ。どう考えてん、俺ら全然合ってへんよなあ」「合ってない、合ってない」ハナノキいうてん、花ぁ地味すぎやし。(ハナノキ)ツゲいうてん、何にも告げてへんし。(…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)いや俺を解体してもおもろないで ということで、いろいろな面を見ていただきました。 一枚目が傘の表面。二枚目が裏面。…
《ショートショート 1395》『ビニールのくらげ』 定年退職してから、夜がすっかり暇になってしまった。在職時は日中仕事で帰宅後にしか自分の時間がなかったから、…
もちろん空は広い方がいいでも 広いだけで何もない空は寂しいだからぼくは空に自分を置いたんだぼくが空いっぱいになるまで(シラカシ)それで空が狭くなっちゃうなんて…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「さすがに冬ものはもう売り切らなあかんちゃうの?」「せやなあ。最終セール、いこか」(ヒヨドリジョウゴの実…
読書ノートの216回めは、柴田よしきさんの『あおぞら町 春子さんの冒険と推理』(2016年発表。文庫版はコスミック文庫)です。電子本での読書です。 柴田さん…
(枯れ荻) なんかごちゃごちゃしてるなあと思ったから、背景と前景を整理してみたんだけど。(枯れ薄) 枯れてんのは同じなんだよなあ。そんなに変わらない。 あまり…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「春の七草の一柱なんだからさ。もうちょっと尊敬してくれてもいいと思うんだけどさ。同族の連中に押されっぱな…
《ショートショート 1394》『血痕』「こちらです」「ほう」 不動産屋のあんちゃんが、古い建物には似合わないぴっかぴかのキーを鍵穴に突っ込んでがちゃりと回し、…
美しいことも、醜いこともある。 整然としていることも、乱れていることもある。 明るいことも、暗いこともある。 おとなしいことも、騒がしいこともある。 踏ん張…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「亜麻色ってのはどんな色なんだ?」「やや灰色がかった黄褐色だそうだ」「そういう髪の乙女ってのは美しいのか…
読書ノートの215回めは、碧野圭さんの『凛として弓を引く』(2021年発表。文庫版は講談社文庫)です。電子本での読書です。 碧野さんは、書店ガールシリーズで…