人生の半分はとうに過ぎたはずなんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バーベナ) 六十代の半分も今日過ぎたんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バ…
物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
つい先日まで暑い暑いと連日文句を垂れ流していたのに、11月は一転して寒くなりましたね。10月も多忙だったんですが、まだ余裕がありました。でも、11月は人生最…
虚実の狭間に立ってしばし佇む水底の暗みにあって一滴の水もないのだ私は渇いていないが世界が渇いているのだろうか残照が水を飲む焦がされた水は濁りを失う黄金は水に沈…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「いいなあと思うわけよ」「なにが?」「あの子、生まれつき華があってさー」「しゃあないやん。人それぞれに個…
ええと。 今日はすげーやつをご紹介したいと思います。 いや、別に褒めるとか感動するとか推すとかではなく。 単にすげーだけなんですけどね。 こいつ、です。 え…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「なあ。俺、どうしても納得いかへんねん」「なににや」「双子みたいにそっくりやねんで。せやけど、あいつはモテ…
《ショートショート 1496》『水を引く』「わざわざセファムから水を引くと申したのか」「さようでございます」「何の意味がある!」 王は苛立っていた。いかな賢臣…
若い頃の輝きが一番だと思い込んでいた確かに若くないと輝けないものはあっただが年を経て初めて輝くものがある(チカラシバ)若い頃の輝きも年を経て輝くものもその時代…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 花が咲いたあと、どれくらいで種子が充実するかは植物の種類によって異なりますが、樹木の場合は結構時間がか…
第十一話 渡りの刻(5)「二つ目」 間髪入れずに二つ目のノルマが切り出された。「わたしゃ筋金入りの嫌われ者だったから、すり寄ってくるやつなんか誰もいなかった。…
第十一話 渡りの刻(4) 俺たちをぐるっと見回した豊島さんが、どすの利いた声で言い切った。「わたしは最後の最後までわたしらしく生きるよ。だけど、あの世には何一…
第十一話 渡りの刻(3)「まず。わたしがここにしがみつくと、誰かに家事を全部丸投げしないとならなくなる。一時的に綾瀬さんに手伝ってもらったけど、余生は彼の方が…
第十一話 渡りの刻(2) 「さて。豊島さんの様子を見に行くか」 今回ここに来たのは野原をチェックするためではない。陽花に一人……いや独りをちゃんと意識させるこ…
第十一話 渡りの刻(1)「お兄ちゃん、ほんとにいいの?」「いい悪いじゃない。こうするしかないだろ」「だって……」「だってもあさってもないって」 表面上は俺に迷…
百日の夏を喰らい尽くしてなお花は咲き誇る百日の夏を飾り続けてなお花は咲き装う百日の夏に耐え続けてなお花は咲き綻ぶ百日の夏が過ぎ去ってなお花は咲き残る 一気に冷…
本当に、何がどうなっているんでしょうねえ……。「月に叢雲ってのを描こうと思ったんだ」「とてもそうは見えないよ。そもそも月はどこに行った?」「ツキに見放された…
11月に入ってからめっちゃめちゃ業務多忙になっており、ありとあらゆるアクティビティが低下しています。読書にも創作にもまともに時間が割けない状態なので、記事は…
枯れるとおしまいになるって嘆くやつが本当に多い。 違うよ。枯れてからが本番さ。(アオギリ)「さあ、いい感じに帆が膨らんだ。出発するぞ!」「船長、乗客が誰もい…
おこぼれに与るってのはおもしろくない言われ方だ。 俺たちゃ何も預けてないよ。 あんたが放棄したものをただ粛々と食い尽くすだけさ。(キジバト) ドバトの連中と…
《ショートショート 1495》『幽霊化』「また落ちちゃったよ……」 隣に座ったあんちゃんががっくり肩を落としていたから、気の毒に思って慰める。「にいちゃん、試…
ありえない色? その認識はおかしいよ。 だって、あんたはその色を実際に見ている。見た上で、ありえないって言ってるんだろ?(アスパラガス) ありえない赤? 何…
「なんだ、その妙ちきりんな格好は?」「和服だよ。日舞を習い始めたんだ」「おまえが日舞だあ? 太陽が西から昇るな」「じゃかあしい! 日本の伝統芸能を学んでどこが…
それはかつて一本の大樹だった。テーブルではなかったし、テーブルにはなりえなかった。 時の連鎖を断ち切られた今、何かを載せる静かなテーブルになっている。 どれ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)(フジ)「いつまでもしがらみをずるずる引っ張るから、にっちもさっちも行かなくなるんだよ。ばっさり切り捨ててしまえば…
《ショートショート 1494》『皺寄せ』「まあたかよう」「たまらんわ」「いい加減にしろって」 課内がぼやきと恨み節で真っ黒けになっている。もちろん、俺も芯まで…
吐き出したくても 吐き出せない時は雲を吐き出している 空を見る思う存分 吐き出しても吐き出された雲は すぐに消えるそんな風に 消えてくれるのならいつでも なん…
読書ノートの294回めは、野中柊さんの『きみの歌が聞きたい』(2006年発表。文庫版は角川文庫)です。 野中さんについてはこれまで『銀の糸』と『参加型猫』の…
「すっかり寒くなったが、暑いよりはずっとましだ。みんなで観光に行こうぜ」「おお、いいな。行こう行こう」「旅は道連れだ。あの世までー」「誰だ! ろくでもないこと…
《ショートショート 1493》『白を隠す』 白は決して派手な色じゃないけど、埋没してしまう色でもない。特に白の周りを濃い色が取り囲んでいる時、白は浮き上がって…
いや、実ってはいるんだけどさ。 なかなか熟さないんだよ。 忍の一字だなあ……。(デコポン)「熟すとおいしくなるんだよー。デコポンのでべそはおいしさの印さ」「…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)(ヒガンバナ)「美人であれば、どこにいても目立つというものでもないさ。大勢の人に埋れれば美のアピールは届かなくなる…
読書ノートの293回めは、森博嗣さんの『議論の余地しかない』(2002年発表。文庫版は講談社文庫)です。森さんの比較的初期の作品になるのかな。 森さんの著作…
群れる。あまりいいイメージは持たれないが、事実として我々は群れる生き物である。(ドバト) 群れ集まっているものに、共通の目的や意思が存在しているとは限らない…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「おうおう、あんちゃん。おまえ、俺らからどれだけカネ借り続けてるかわかってんのか? おらあ!」「わか…
シーズン8 第十一話 警告(2)「のう、イルガ、ペテル。サクソニアのグレアム皇太子が、鳩で急を報せてきたのを覚えておるか?」「はい。でも、鳩を扱えるのは王家も…
シーズン8 第十一話 警告(1) 収穫祭が終わると、ケッペリアは日を追うごとに冬の装いに変わってゆく。吹き渡る風に冷たい角が立ち、収穫の終わった畑からもうもう…
どれほど生い茂っても。 光の通い路を全て塞ぐことはできない。 どれほど手と腕を広げても。 地にあるもの全てを覆うことはできない。 どれほど緻密に縫い合わせて…
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人生の半分はとうに過ぎたはずなんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バーベナ) 六十代の半分も今日過ぎたんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バ…
シーズン9 第七話 航路(2) 有能な魔術師であれば、魔術で万事を解決できるか。決してそんなことはない。むしろ、精進すればするほど魔術で成しうることの限界が見…
シーズン9 第七話 航路(1) 巨竜との戦いは、能うる限り短時間で終わらせねばならなかった。事実その通りになった。だが滅したのは巨竜だけだ。月にあるオストレク…
底は天上よりも涼しいのだだから望んで底にいる底にいれば光が当たらない卑屈になるそれはあながち誤りではないんだがよく考えてみたまえ本当に光が届かない暗所ならば底…
田水が引かれる前。乾いた圃場のそこここに不規則な水たまりができていた。それが六月の始まりだった。 田ではなく畑であっても、まとまった雨が降ったあとに水たまり…
《ショートショート 1512》『流紋』 (ラフ・キャンバス 7)「ううー、うまく描けないなあ」 通っている高校の近くに結構大きな公園があって。そこの中央噴水周…
一面に敷き詰める。 敷き詰められることで面の印象は単調になるはずだが、我々はなぜかその光景を愛でる。(クリーピングタイム)「一面ピンクっていうのはエロくない…
全国一千万のもふもふファンのみなさま。 お待たせいたしました。 ごちゃごちゃ面倒くさいことは申しません。 心ゆくまでもふもふをご堪能くださいませ。 ひあうい…
いや……事実そのものなので、コメントのしようがございませぬ。ナデシコ科の園芸植物は、ほとんどが外来のお客様ですね。しかも。どういうわけか濃いピンクの花が多い…
先だっての記事でもちょこっと触れましたが。 長らくユリ科という寄り合い所帯に同居していた一族は、分子生物学的系統分類の進化に伴って、現在ばらばらに解体されて…
太陽を天空から下ろし夜に仕舞うまでのわずかな時間帯その間だけ太陽は偽物になる地を温めることはできず闇を焼き尽くす力もなくまといつく夕雲を払い除けられずぼんやり…
干してあったパンツが風で飛ばされてしまうのは、事故だから仕方がない。 だが、これみよがしに路上に捨てるのは、趣味の悪い軽犯罪だ。 そうだろ? 気づいた人が見…
映画は、明るいタイトルで男前が主演なのにどろっどろのミステリーでしたが。 冬から春にかけてのお寒い時期に地を照らすキク科の太陽たちは、ミステリー抜きの『太陽…
春花のまとめもなかなか画像在庫が減っていきません。六月いっぱいは引っ張ろうかな。 で、此度登場の面々はキンポウゲの仲間です。美しい花を咲かせる園芸植物が多い…
先日、運転免許証を更新してまいりましたが、毎度のこと写真がひどい有様で。(笑 まあ、年も年やし、身繕いもいい加減なので、最初から盛りようがないと諦めておりま…
シロツメクサの葉は三枚でワンセット。 四つ葉を見つけたらラッキー……ですね。 三枚でなければならぬという規則があるでなし。葉っぱなんか何枚セットでもええやん…
スイバ(酸葉)はごくありふれた雑草だ。 冬の間は地面に張り付いて寒さに耐え、春の足音が聞こえてくると同時に花穂を上げる。スイバという名を知らない人でも、咲き…
サザンカも含め、ツバキの仲間は晩秋から翌春までの花の少ない時期を彩る花木だと思われている。 だが、ナツツバキやヒメシャラのように夏に咲くものもあり、交配の進…
季節は夏に向かってまっしぐらなので、春花の画像消化を急ぎます。同系統の記事を連投しますが、どうかご容赦くださいまし。◇ ◇ ◇ 人間は、何かと分けたがるもの…
抑えていた感情が溢れて涙に変わる涙はいつまでも流れ続けるわけではないだが誤解してはいけない涙は止まったわけでも涸れたわけでもないただ乾いたのだ 涙はいろいろな…
ああ、そうさ他の何かに生まれ変わることはできないよどれだけ転生だとか前世だとか言ったところでそうなったのを証明できた人は誰もいないただの一人もねでも新しい自分…
シーズン8 第七話 鷲羽(2) 「手出し無用もなにも、私の出る幕などどこにもないわい。ビクセン公もよう言うわ」 あまりに鮮やかなビクセン公の作戦行動に呆れてぼ…
シーズン8 第七話 鷲羽(1) ケッペリアが酷暑に侵される真夏がやってきた。もちろん、暑さが天敵であるソノーの機嫌はずっと悪い。だが、その機嫌の悪さは暑さがも…
木陰で憩うといい涼しいよ君はそう言ったああそうだね葉群に解き漉かれた優しい光は夏の棘を優しく丸めるきっと木陰は他の誰よりも優しいのだろうでも木陰で憩うことがで…
雨筋が見えない弱い雨にすら隠されてしまう内情がある雨滴の重さを感じられないのに無情にのしかかる定めがある降っている時間はわずかなのに雨音がいつまでも止まない洗…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ちょい興味があって、野生タヌキのおトイレを定期的にチェックしております。タヌキの溜め糞と言って、彼らは…
読書ノートの275回めは、桂望実さんの『嫌な女』(2010年発表。文庫版は光文社文庫)です。久しぶりにボリュームのある紙本を完読したなあ。(笑 桂さんについ…
「警報ってのは、迫り来る危機に速やかに備えなさいと鳴らされるものだろ?」「ああ」「その危機が来なかったら、俺たちは言うわけだよ。なんだ、脅かしやがってと」「ま…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「野菜が高くてかなわん」「特にブロッコリー。ついこの前、国の指定野菜に格上げされたんだろ? 安値で流通さ…
《ショートショート 1473》『俯くやつは嫌いだ』 すぐに俯くやつは嫌いだ。卑屈だとか意気地がないとか決めつけているからじゃない。俯くのはコミュニケーション遮…
夏の花が全て白いわけではない。 だが、気づけば白い花を追い、白い花ばかりを集めている。 ああ、そうだよ。 色なんかいつでも着けられる。 自分の色を選ぶまでは…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ずうっと待てるのはちゃんとメリットがあるからよ。 無目的にぼけっと待ってるなんて阿呆のすること。 そう…
読書ノートの274回めは、窪美澄さんの『いるいないみらい』(2019年発表。文庫版は角川文庫)です。電子本での読書。 窪さんについては『晴天の迷いクジラ』を…
花束と寄せ植え。 どちらも様々な花々の集合体だが、微妙に異なる。 花束はもらうと嬉しいけど、寄せ植えはびみょー。だって、花束は花がダメになったら処分できるけ…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ナズナにしてもタネツケバナにしても、春を代表する野草のはずなんですが、そういう季節感をさっくり無視…
《ショートショート 1472》『涙袋』「朝もはよから何をやっとるんだ、ちみは」「ほっといてんか」 部活の朝練明け。制服に着替えて教室一番乗りーと踏み込んでみた…
「鍛え方が甘いのか、最近は未熟者ばかりじゃのう」「時が来ればちゃんと一人前になりますよ」「尻の青い連中ばかりで頭が痛いわい」「未熟なのにもう赤かったら、尻の叩…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 変なやつだと言われて喜ぶ人はあまりませんよね。 いたとしたら、その人がリアルに変なのでしょう。(笑…
第六話 涙雨(5) しばらく黙っていた男が、俺にではなく自分に言い聞かせるようにしてぼそっと呟いた。「俺は……どうすりゃいいんだ」「さあ。それはあんたにしか決…
第六話 涙雨(4) 男は、俯いたまましばらく口を開かなかった。髪や髭に溜まっていた雨滴が、まるで涙のように一斉に男の足元に降り注ぐ。俺は男が何か言い出すまで黙…